(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るめっき装置およびめっき装置に使用される基板ホルダの実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。なお、本明細書において「基板」には、半導体基板、ガラス基板、プリント回路基板だけでなく、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子や微小機械素子、あるいは部分的に製作された集積回路を含む。基板は、任意の形状(角形、円形等)のものを含む。また、本明細書において「前面」、「背面」、「フロント」、「バック」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を用いるが、これらは、説明の都合上、例示の図面の紙面上における位置、方向を示すものであり、装置使用時等の実際の配置では異なる場合がある。
【0014】
図1は、めっき装置の一実施形態を示す模式図である。
図1に示すように、めっき装置は、架台101と、めっき装置の運転を制御する制御部103と、基板W(
図2参照)をロードおよびアンロードするロード/アンロード部170Aと、基板ホルダ11(
図2参照)に基板Wをセットし、かつ基板ホルダ11から基板Wを取り外す基板セット部(メカ室、基板着脱部)170Bと、基板Wをめっきするプロセス部(前処理室、めっき室)170Cと、基板ホルダ11を格納するホルダ格納部(ストッカ室)170Dと、めっきされた基板Wを洗浄および乾燥する洗浄部170Eとを備えている。本実施形態に係るめっき装置は、めっき液に電流を流すことで基板Wの第1面及び第2面を金属でめっきする電解めっき装置である。第1面及び第2面は、互いに対向する面であり、本実施形態では、表面及び裏面である。また、本実施形態の処理対象となる基板Wは、半導体パッケージ基板等である。また、基板Wの表面側および裏面側のそれぞれには、シード層等からなる電導層が形成され、さらに、この電導層の上のパターン面形成領域にはレジスト層が形成されており、このレジスト層には、予めトレンチやビアが形成されている。本実施形態においては、基板の表面と裏面とを接続する貫通孔を備える基板(いわゆるスルーホール基板)を処理対象として含み得る。
【0015】
図1に示すように、架台101は、複数の架台部材101a〜101hから構成されており、これら架台部材101a〜101hは連結可能に構成されている。ロード/アンロード部170Aの構成要素は第1の架台部材101a上に配置されており、基板セット部170Bの構成要素は第2の架台部材101b上に配置されており、プロセス部170Cの構成要素は第3の架台部材101c〜第6の架台部材101f上に配置されており、ホルダ格納部170Dの構成要素は第7の架台部材101gおよび第8の架台部材101h上に配置されている。
【0016】
ロード/アンロード部170Aには、めっき前の基板Wを収納したカセット(図示しない)が搭載されるロードステージ105と、プロセス部170Cでめっきされた基板Wを受け取るカセット(図示しない)が搭載されるアンロードステージ107とが設けられている。さらに、ロード/アンロード部170Aには、基板Wを搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置122が配置されている。
【0017】
基板搬送装置122はロードステージ105に搭載されたカセットにアクセスし、めっき前の基板Wをカセットから取り出し、基板Wを基板セット部170Bに渡すように構成されている。基板セット部170Bでは、めっき前の基板Wが基板ホルダ11にセットされ、めっき後の基板Wが基板ホルダ11から取り出される。
【0018】
プロセス部170Cには、プリウェット槽126と、プリソーク槽128と、第1リン
ス槽130aと、ブロー槽132と、第2リンス槽130bと、第1めっき槽10aと、第2めっき槽10bと、第3リンス槽130cと、第3めっき槽10cとが配置されている。これら槽126,128,130a,132,130b,10a,10b,130c,10cは、この順に配置されている。以下の説明では、第1めっき槽10a、第2めっき槽10b、第3めっき槽10cを総称して、又は、これらのめっき槽のうち任意のめっき槽を参照して、めっき槽10と称する場合がある。
【0019】
プリウェット槽126では、前処理準備として、基板Wが純水に浸漬される。プリソーク槽128では、基板Wの表面に形成されたシード層などの導電層の表面の酸化膜が薬液によってエッチング除去される。第1リンス槽130aでは、プリソーク後の基板Wが洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。
【0020】
第1めっき槽10a、第2めっき槽10b、および第3めっき槽10cの少なくとも1つのめっき槽10では、基板Wの両面がめっきされる。なお、
図1に示される実施形態においては、めっき槽10は、3つであるが、他の実施形態として任意の数のめっき槽10を備えるようにしてもよい。
【0021】
第2リンス槽130bでは、第1めっき槽10aまたは第2めっき槽10bでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。第3リンス槽130cでは、第3めっき槽10cでめっきされた基板Wが基板ホルダ11とともに洗浄液(例えば、純水)で洗浄される。ブロー槽132では、めっき処理前後において洗浄後の基板Wの液切りが行われる。
【0022】
プリウェット槽126、プリソーク槽128、リンス槽130a〜130c、およびめっき槽10a〜10cは、それらの内部に処理液(液体)を貯留できる処理槽である。これら処理槽は、処理液を貯留する複数の処理セルを備えているが、この実施形態に限定されず、これら処理槽は単一の処理セルを備えてもよい。また、これら処理槽の少なくとも一部が単一の処理セルを備えており、他の処理槽は複数の処理セルを備えてもよい。
【0023】
めっき装置は、基板ホルダ11を搬送する搬送機140をさらに備えている。搬送機140はめっき装置の構成要素の間を移動可能に構成されている。搬送機140は、基板セット部170Bからプロセス部170Cまで水平方向に延びる固定ベース142と、固定べ一ス142に沿って移動可能に構成された複数のトランスポータ141とを備えている。
【0024】
これらトランスポータ141は、基板ホルダ11を保持するための可動部(図示しない)をそれぞれ有しており、基板ホルダ11を保持するように構成されている。トランスポータ141は、基板セット部170B、ホルダ格納部170D、およびプロセス部170Cとの間で基板ホルダ11を搬送し、さらに基板ホルダ11を基板Wとともに上下動させるように構成されている。例えば、トランスポータ141の1つは、基板Wを保持した基板ホルダ11をめっき槽10の上から下降させることにより、基板Wを基板ホルダ11とともにめっき槽10内のめっき液中に浸漬させることができる。トランスポータ141の移動機構として、例えばモータとラックアンドピニオンとの組み合わせが挙げられる。なお、
図1に示される実施形態では、3つのトランスポータが設けられているが、他の実施形態として任意の数のトランスポータを採用してもよい。
【0025】
(基板ホルダ)
図2Aは、基板ホルダの第1側からみた斜視図である。
図2Bは、基板ホルダの第2側からみた斜視図である。
図3Aは、基板ホルダの開放状態における第1保持部材及び第2保持部材を第1側からみた斜視図である。
図3Bは、基板ホルダの開放状態における第1
保持部材及び第2保持部材を第2側からみた斜視図である。
図4Aは、第1保持部材の第1側からみた分解斜視図である。
図4Bは、第1保持部材の第2側からみた分解斜視図である。
図4Cは、配線収容部の斜視図である。
図5Aは、第2保持部材の第1側からみた分解斜視図である。
図5Bは、第2保持部材の第2側からみた分解斜視図である。
【0026】
基板ホルダ11は、第1開口部112Aを有する第1保持部材110Aと、第2開口部112Bを有する第2保持部材110Bとを備えている。基板ホルダ11は、第1保持部材110Aおよび第2保持部材110Bによって基板Wを挟持することにより基板Wを保持する。第1保持部材110Aおよび第2保持部材110Bは、それぞれ第1開口部112A及び第2開口部112Bによって、基板Wの第1面(表面)および第2面(裏面)のそれぞれの被めっき面が露出するように保持される。換言すれば、第1開口部112Aは、基板Wの外周部だけを両側から挟むことで基板Wを保持する。基板ホルダ11は、アーム部160を備え、アーム部160がトランスポータ141に保持された状態で搬送される。以下の説明では、基板ホルダ11において基板Wの第1面(表面)が露出される側を第1側、基板の第2面(裏面)が露出される側を第2側と称する場合がある。
図2Aでは、第1保持部材110Aの第1開口部112Aから基板Wの第1面(表面)が露出していることが示されている。
図2Bでは、第2保持部材110Bの第2開口部112Bから基板Wの第2面(裏面)が露出していることが示されている。
【0027】
本実施形態では、基板ホルダ11は、四角形の基板Wを保持するためのものであるが、これに限定されるものではなく、円形の基板を保持するものとしてもよい。その場合、第1開口部112A及び第2開口部112Bも円形となる。あるいは、基板Wを六角形等の多角形の基板とすることもできる。この場合、第1開口部112A及び第2開口部112Bも同様に多角形となる。
【0028】
第1保持部材110Aは、第1本体部111Aと、第1配線収容部150Aと、第1アーム部160Aとを備えている(
図3A、
図4A)。第2保持部材110Bは、第2本体部111Bと、第2配線収容部150Bと、第2アーム部160Bとを備えている(
図3A、
図5A)。
【0029】
第1本体部111Aは、第2本体部111Bとともに、基板Wを保持する本体部111を提供する(
図2A、
図3A)。第1本体部111Aは、第1開口部112Aが形成された第1本体1110Aと、後述するシール、基板接点等の構成部材を備えている。第1本体1110Aは、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとが係合されたときに、外側及び内側となる外側面及び内側面を有する板状部材である。第1本体1110Aの内側面に、シール、基板接点等の構成部材が配置されている。第1本体部111Aは、第1配線収容部150Aの突出部157Aの両側において、第1配線収容部150Aの取付部155Aに取り付けられる取付部113Aを有する(
図4A)。各取付部113Aは、第1配線収容部150Aの突出部157Aの両側において突出する。また、第1本体部111Aは、第1配線収容部150A側の略中央部の取付部158Aに取り付けられる突出部としての取付部114Aを有する(
図4A)。取付部113A、114A、取付部155A、158Aには、ボルト孔等の取付構造が設けられている。取付部113A、114Aは、取付部155A、158Aにボルト等の締結部材で固定される。本実施形態では、取付部113A、114Aは、第1本体1110Aと一体に形成されている。
【0030】
第1配線収容部150Aは、複数の配線L(電流経路)を通過させる経路を提供するとともに、各配線Lの余分な長さの部分を収容する配線収容部150を提供する(
図2A、
図3A)。第1配線収容部150Aは、収容空間152A(
図4C)を有する。収容空間152Aは、第1アーム部160Aの外部接続部161Aから基板接点に延びる複数の配線L(電流経路)を通過させる経路を提供するとともに、各配線Lの余分な長さの部分を
収容する。第1配線収容部150Aは、収容空間152Aを閉じる第1蓋部151Aを有している。本実施形態では、各外部接続接点168と各基板接点117とを個別の配線Lで接続し、各配線Lの長さを略同一の長さとすることよって、各外部接続接点168と各基板接点117(
図12B)との間の抵抗値を均一にする。各基板接点117に流れる電流を均一にするためである。この場合、基板接点117の位置に応じて、各外部接続接点168と各基板接点117との間の距離が異なり、最も距離の大きい経路に合わせて配線の長さが設定される。このため、基板接点117の位置に応じて、余分な配線の長さの部分が生じるが、これを第1配線収容部150Aにおいて収納する。
【0031】
第1配線収容部150Aは、第1アーム部160Aの取付部166Aに取り付けられる2つの取付部154Aを有している(
図4A)。取付部154Aには、第1アーム部160Aに取り付けるためのボルト孔等の取付構造が設けられている。また、第1配線収容部150Aは、第1本体部111Aの2箇所の取付部113Aにそれぞれ取り付けられる2つの取付部155Aと、第1本体部111Aの取付部114Aに取り付けられる取付部158Aとを更に有している。取付部155A、158Aには、第1配線収容部150Aに取り付けるためのボルト孔等の取付構造が設けられている。第1配線収容部150Aは、第1アーム部160A及び第1本体部111Aに対して、各取付部において、例えばボルト等の締結手段によって固定される。
【0032】
第1アーム部160Aは、第2アーム部160Bとともに、トランスポータ141で保持する部分、並びに、めっき槽において保持されるアーム部160を提供する(
図2A、
図3A)。第1アーム部160Aは、細長い板状部材または棒状部材を備えている。第1アーム部160Aは、外部接続部161Aと、外部接続部161A及び配線Lを保護するための外部接続部カバー162Aとを有している。また、第1アーム部160Aは、第2保持部材110Bの第2アーム部160Bに係合する係合部164A、165Aを有している(
図3B)。係合部164A、165Aによって、第1アーム部160Aと第2アーム部160Bとが互いに係合し、位置決めされるようになっている。また、第1アーム部160Aは、第1配線収容部150Aの2つの取付部154Aにそれぞれ対応する2つの取付部166Aを有している(
図4A)。係合部165Aは、
図4B及び
図6Dに示すように、細長い板状部材または棒状部材の他の部分(例えば、中央部分)よりも第1本体部111A側に延長された薄肉部1650Aを備えている。また、薄肉部1650Aの第1本体部111A側には、他の部分(例えば、中央部分)と略同一の厚みを持つ部分がフランジ状に設けられている。また、薄肉部1650Aの外部接続部161A側には、薄肉部よりも厚みのあるブロック状の部分が設けられている。従って、薄肉部1650Aは、三方から囲まれる凹部となっており、この凹部に、第2アーム部160Bの端部165Bが係合されるようになっている。
【0033】
図16Aは、第1保持部材の第1アーム部の外部接続部と反対側における位置決め部の近傍の拡大斜視図である。
図16Bは、第1保持部材の第1アーム部の外部接続部側の位置決め部の近傍の拡大斜視図である。
図16A及び
図16Bに示すように、第1アーム部160Aは、その両端部において、基板ホルダ11を基板セット部170B及びめっき槽10において位置決めするための位置決め部163R、163Lを有している。各位置決め部163R、163Lは、位置決め穴を有しており、基板セット部170B及びめっき槽10に設けられた位置決めピン(図示せず)に係合することによって、基板ホルダ11が位置決めされるようになっている。なお、一方の位置決め穴を長穴として、基板ホルダ11の左右方向の位置調整を可能にしてもよい。
図16Aには、位置決め部163Lの位置決め穴を長穴にした場合を示す。
【0034】
第2保持部材110Bは、第2本体部111Bと、第2配線収容部150Bと、第2アーム部160Bとを備えている(
図3A、
図5A)。第2本体部111B及び第2配線収
容部150Bの構成は、第1本体部111A及び第1配線収容部150Aの構成と概ね同様であるので詳細な説明を省略し、同様の構成に同一番号とアルファベットのBで示す符号を付す。
【0035】
第2アーム部160Bは、細長い板状部材または棒状部材を備えている。第2アーム部160Bは、外部接続部161Bと、外部接続部161B及び配線Lを保護するための外部接続部カバー162Bとを有している。また、第2アーム部160Bは、第2配線収容部150Bの2つの取付部154Bにそれぞれ対応する2つの取付部166Bを有している(
図5A)。第2アーム部160Bは、取付部166Bによって第2配線収容部150Bの取付部154Bに、例えばボルト等の締結手段によって固定される。また、第2アーム部160Bは、2つの取付部166Bの間において他の部分よりも幅が狭い狭幅部164Bを有している。
【0036】
図6Aは、第1アーム部及び第2アーム部が係合した状態を第1側からみた、アーム部近傍の拡大斜視図である。
図6Bは、第1アーム部及び第2アーム部が係合した状態を第2側からみた、アーム部近傍の拡大斜視図である。
図6Cは、第1アーム部及び第2アーム部が開放された状態を第1側からみた、アーム部近傍の拡大斜視図である。
図6Dは、第1アーム部及び第2アーム部が開放された状態を第2側からみた、アーム部近傍の拡大斜視図である。
【0037】
図6A〜Dに示すように、第1アーム部160Aの係合部164Aは、第2アーム部160Bの外部接続部カバー162Bの上面及び端面に係合する(
図6A、
図6B)。第1アーム部160Aの係合部165Aの凹部には、第2アーム部160Bの外部接続部カバー162Bとは反対側の端部165Bが係合する(
図6B)。このとき、第1アーム部160Aの係合部165Aは、第2アーム部160Bの端部165Bを上下方向及び端面側から嵌合する形状である。このように、第1アーム部160A及び第2アーム部160Bは、全体として第1アーム部160Aが第2アーム部160Bの上方に重なる状態で、互いに係合される。すなわち、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bが係合した状態で、第1アーム部160Aと第2アーム部160Bとが、第1及び第2本体部111A、111Bから第1及び第2アーム部160A、160Bに向かう方向において並んでいる。即ち、第1アーム部160A及び第2アーム部160Bには、それぞれ基板ホルダ11の上方及び下方の空間が割り当てられ、上下に棲み分けられている。この構成によれば、基板ホルダ11の厚み方向の寸法が増大することが抑制ないし防止される。
【0038】
また、第2アーム部160Bの狭幅部164Bの部分において、第1アーム部160Aと第2アーム部160Bとの間に隙間が形成されており、トランスポータ141の爪(基板ホルダ11の把持のための爪)の逃げ空間を形成している。
【0039】
また、
図6A〜Dに示すように、第1アーム部160A及び第2アーム部160Bを係合したとき、第1及び第2アーム部160A、160Bの第1及び第2外部接続部161A、161Bは、それぞれ干渉しないように基板ホルダ11の幅方向の反対側に配置される。即ち、第1及び第2外部接続部161A、161Bは、基板ホルダ11の左右両端、つまり、アーム部160の左右両端に位置する。めっき槽10において、基板ホルダ11のアーム部160の左右両端から基板Wの第1面および第2面への給電を行うことができるので、アーム部160の片方の端部に外部接続部を集中させる形態に比べて基板ホルダ11を厚みの増大を防ぐことができる。
【0040】
図7Aは、第1外部接続部から第1本体部に至る配線の経路の構成を示すための第1保持部材の一部透視斜視図である。
図7Bは、第1本体部の配線収容部との連結部における第1本体部の斜視図である。
図7Cは、配線収容部の第1本体部との連結部における配線
収容部を内側からみた斜視図である。
図7Dは、配線収容部の第1本体部との連結部における配線収容部を外側からみた斜視図である。なお、以下の説明では、第1保持部材110Aの配線Lの経路の構成を説明するが、第2保持部材110Bの配線Lの経路についても同様である。
【0041】
図7Aに示すように、第1外部接続部161Aに接続された複数の配線Lは、第1配線収容部150Aの内側の収容空間152A(
図4C)を通り、第1本体部111Aに設けられた配線孔116A(
図7A、B)を通って第1本体部111A内に導入される。配線孔116Aは、加工によって形成された錐穴であり、各配線Lに対応して設けられている。第1配線収容部150Aの第1本体部111A側の肉厚部には、各配線Lに対応する複数の配線孔192Aが設けられており(
図7C、D)、これらの配線孔192Aを通って、複数の配線Lが第1本体部111A側に導出される。複数の配線孔192Aから出た配線Lは、第1本体部111Aの対応する配線孔116Aを通され(
図7B)、第1本体部111A内に導入される。
【0042】
図8は、配線収容部及び本体部の連結部における拡大平面図である。
図8Aは、
図8のA−Aにおける断面図である。
図8Bは、配線孔が形成されていない部分における
図8のB−Bにおける断面図である。
図8Cは、配線孔が形成されている部分における
図8のC−Cにおける断面図である。
【0043】
図8及び
図8Aに示すように、第1本体部111Aは、幅方向の略中央において肉薄部である取付部114Aを有している。取付部114Aは、内側面(第2保持部材110B側の面)及び外側面(第2保持部材110Bと反対側の面)において、第1本体部111Aの他の部分よりも厚みの小さい薄肉部からなる段差部を有している。第1配線収容部150Aは、第1本体部111Aの取付部114Aの段差部に対応する形状の凹部を形成する取付部158A及び159Aを有している。第1本体部111Aの取付部114Aと、第1配線収容部150Aの取付部158Aとには、例えば、ボルト孔(図示せず)が形成されており、ボルトによって取付部114A及び取付部158Aが固定される。第2保持部材110Bの第2本体部111B及び第2配線収容部150Bも同様の構成である。
【0044】
この構成によれば、第1配線収容部150Aの取付部159Aが、第1本体部111Aの取付部114Aの外側面に重なるような傘構造となるため、第1保持部材110Aの外側面側から、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間の内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。同様に、第2配線収容部150Bの取付部159Bが、第2本体部111Bの取付部114Bの外側面に重なるような傘構造となるため、第2保持部材110Bの外側面側(第1保持部材110Aとは反対側)から、内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。つまり、傘構造によって、基板ホルダ11の内側空間200に液はね等によりめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。
【0045】
図8及び
図8Bに示すように、第1本体部111Aは、取付部114A以外の配線孔116Aが形成されていない部分において、取付部115Aを有する。取付部115Aは、外側面(第2保持部材110Bと反対側の面)において、第1本体部111Aの他の部分よりも厚みの小さい薄肉部からなる段差部を有している。第1配線収容部150Aは、第1本体部111Aの取付部115Aの段差部に対応する形状のフランジ部からなる取付部191Aを有している。第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとが係合したとき、第1配線収容部150Aの取付部191Aが、第1本体部111Aの取付部115Aの段差部に係合する。第2保持部材110Bの第2本体部111B及び第2配線収容部150Bも同様の構成である。
【0046】
この構成によれば、第1配線収容部150Aの取付部191Aが、第1本体部111Aの取付部115Aの外側面に重なるような傘構造となるため、第1保持部材110Aの外側面側から、基板ホルダ11の内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。同様に、第2配線収容部150Bの取付部911Bが、第2本体部111Bの取付部115Bの外側面に重なるような傘構造となるため、第2保持部材110Bの外側面側から、基板ホルダ11の内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。つまり、傘構造によって、基板ホルダ11の内側空間200に液はね等によりめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。
【0047】
図8Cに示すように、
図8のC−Cの位置では、第1配線収容部150A及び第1本体部111Aにそれぞれ配線孔192A及び配線孔116Aが設けられている。第1配線収容部150Aと第1本体部111Aとの連結構造は、
図8Bの場合と同様である。配線Lは、第1配線収容部150Aの収容空間152Aから配線孔192Aを通り、第1本体部111Aの配線孔116Aを通過している。第2保持部材110Bの第2本体部111B及び第2配線収容部150Bも同様の構成である。
【0048】
この構成によれば、第1配線収容部150Aの取付部191Aが、第1本体部111Aの取付部115Aの外側面に重なるような傘構造となるため、第1保持部材110Aの外側面側から、基板ホルダ11の内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。同様に、第2配線収容部150Bの取付部191Bが、第2本体部111Bの取付部115Bの外側面に重なるような傘構造となるため、第2保持部材110Bの外側面側から、基板ホルダ11の内側空間200にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。つまり、傘構造によって、基板ホルダ11の内側の空間200に液はね等によりめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。
【0049】
図8〜
図8Cを参照して以上説明したように、第1本体部111Aと第1配線収容部150Aとは、連結部において、第1配線収容部150Aの壁部(取付部)が、第1本体部111Aの壁部(取付部)に外側から重なる傘構造を有する。この構成により、第1保持部材110Aの外側面側から、第1本体部111A及び第1配線収容部150Aの連結部を介して、及び/又は、内側空間200を介して、配線孔192A及び配線孔116Aにめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。 同様に、第2本体部111Bと第2配線収容部150Bとは、連結部において、第2配線収容部150Bの壁部(取付部)が、第2本体部111Bの壁部(取付部)に外側から重なる傘構造を有する。この構成により、第2保持部材110Bの外側面側から、第2本体部111B及び第2配線収容部150Bの連結部を介して、及び/又は、内側空間200を介して、配線孔192B及び配線孔116Bにめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。この構成によれば、配線Lをめっき液から保護するために、配線孔192及び配線孔116を密閉するシール部材を省略することができる。
【0050】
また、本実施形態では、基板ホルダ11をめっき槽10に配置したときに、第1本体部111A及び第1配線収容部150Aの連結部、並びに、第2本体部111B及び第2配線収容部150Bの連結部がめっき液面Sよりも上方に位置するように、各連結部の位置を配置している(
図8A〜
図8C)。言い換えれば、めっき液面Sが、基板Wの保持位置より上方、かつ、第1本体部111A及び第1配線収容部150Aの連結部、並びに、第2本体部111B及び第2配線収容部150Bの連結部よりも下方になるように、基板ホルダ11が構成されている。よって、第1本体部111A及び第1配線収容部150Aの連結部、並びに、第2本体部111B及び第2配線収容部150Bの連結部における傘構造と、連結部がめっき液から離れた配置によって、配線孔192及び配線孔116にめっき液が侵入することを更に効果的に抑制ないし防止できる。この構成によれば、配線Lをめっき液から保護するために、配線孔192及び配線孔116を密閉するシール部材を省
略することができる。
【0051】
また、本実施形態では、基板ホルダ11をめっき槽10に配置したときに、第1及び第2配線収容部150A、150Bがめっき液面Sよりも上方に位置するように、第1及び第2配線収容部150A、150Bを配置している。この構成によれば、基板ホルダ11の両側に近接してパドルが配置される空間よりも上方に第1及び第2配線収容部150A、150Bを配置することになるので、第1及び第2配線収容部150A、150Bの厚み方向の寸法が制約を受けにくくなる。
【0052】
図9Aは、第1保持部材の内側面側からみた正面図である。
図9Bは、第1保持部材の内側面側からみた一部拡大正面図である。
図9Cは、第1保持部材とともに第2保持部材を示す、
図9BのC−Cにおける断面図である。
【0053】
図9A、
図9Bでは、第1保持部材110Aを例に挙げて説明する。なお、第2保持部材110Bも、外側シールを有さない点を除いて、同様の説明が適用される。
図9Aに示すように、第1保持部材110Aは、第1開口部112Aの周囲に複数の基板接点117Aを有する。本実施形態では、18個の基板接点117Aが設けられる場合を例示するが、基板Wの寸法、めっき電流の大きさ等に応じて、任意の数の基板接点を設けることができる。各基板接点117Aは、個々の配線Lによって外部接続部161A(
図3A)に接続されている。
【0054】
図9Bに示すように、第1本体部111Aは、第1本体1110Aの内側面において、内側シール120Aと、内側シール120Aを取り付けるためのシールホルダ118Aと、外側シール121Aと、外側シール121Aを取り付けるためのシールホルダ119Aとを備えている。シールホルダ118Aと、シールホルダ119Aとの間には、配線Lを通すための配線経路127Aが形成されている。各基板接点117Aは、内側シール120Aの外側においてシールホルダ118Aにねじ122Aによって固定されている。シールホルダ118Aは、内側シール120Aを第1本体1110Aとの間に挟んだ状態で、第1本体1110Aに固定されている(
図9C)。本実施形態では、シールホルダ118Aは、ねじ123Aによって第1本体1110Aに固定されている(
図9B)。ねじ123Aが配置される部分では、基板接点117Aに穴が設けられており、ねじ123Aが基板接点117Aに接触しないように構成されている。シールホルダ119Aは、外側シール121Aを第1本体1110Aとの間に挟んだ状態で、第1本体1110Aに固定されている(
図9C)。本実施形態では、シールホルダ119Aは、ねじ124Aによって第1本体1110Aに固定されている(
図9B)。
【0055】
各配線Lは、対応する基板接点117Aの近傍まで延び、先端側の被覆が除去され、導電線125が露出されている(
図9B)。配線Lの導電線125が、シールホルダ118Aに設けられた溝126A(
図9C)に導入され、配線Lの導電線125及び基板接点117Aが、ねじ122A(
図9B)によってシールホルダ118Aに対して締め付けられる。これにより、配線Lが、対応する基板接点117Aと電気的に接続される。なお、
図9Cでは、第2保持部材110Bの第2本体部111Bにおいて、配線Lの導電線125及び基板接点117Bが、ねじ122Bによってシールホルダ118Aに対して締め付けられた部分を示している。第2本体部111Bは、
図9Cに示すように、外側シール及びそのシールホルダを有さない点以外は、第1本体部111Aと同様の構成を有する。他の実施形態では、第2本体部111Bにも、外側シールを設けても良い。
【0056】
図9Cに示すように、内側シール120によって、基板Wの被めっき領域(第1及び第2開口部112A、112B側)と、第1及び第2本体部111A、111Bの内周側端部との間が密閉される。また、第1保持部材110Aの外側シール121Aが、第2保持
部材110Bの第2本体110Bの内側面に密着することによって、第1及び第2本体部111A、111Bの間が外周側で密閉される。この結果、内側シール120A、B及び外側シール121Aによって、第1及び第2本体部111A、111Bの間の内部空間が密閉され、基板接点117、ケーブルLがめっき液から保護される。
【0057】
図10は、基板接点を固定するねじの配置を示す第1及び第2本体部の断面図である。
図11は、内側シールを取り付けるためのシールホルダを固定するねじの配置を示す第1及び第2本体部の断面図である。
図10に示すように、基板接点117Aを固定するねじ122Aと、基板接点117Bを固定するねじ122Bとは、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとが係合した状態で、互いに重ならないように配置されている。第1保持部材110Aのねじ122Aと、第2保持部材110Bの螺子122Bとの間の干渉を避け、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間をより接近させることが可能になる。 また、
図11に示すように、シールホルダ118Aを固定するねじ123Aと、シールホルダ118Bを固定するねじ123Bとは、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとが係合した状態で、互いに重ならないように配置されている。第1保持部材110Aのねじ123Aと、第2保持部材110Bの螺子123Bとの間の干渉を避け、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間をより接近させることが可能になる。この結果、第1保持部材110Aのねじ122A、123Aと、第2保持部材110Bの螺子122B、123Bとの間の干渉を避け、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間をより接近させることが可能になる。
【0058】
図12Aは、外部接続部カバーを取り外した状態の外部接続部の拡大斜視図である。ここでは、第1保持部材110Aの第1外部接続部161Aを例に挙げて説明するが、第2保持部材110Bの第2外部接続部161Bも同様の構成を有する。第1外部接続部161Aは、第1保持部材110Aの基板接点117Aの数に対応する数の個別の外部接続接点168を有する。本実施形態では、18個の基板接点117Aが9個ずつ2列に配置されている。以下の説明では、
図12Aにおいて、紙面手前側が基板ホルダの内側であり、紙面奥側が基板ホルダの外側に対応する。第1外部接続部161Aにおいて、複数の基板接点117Aの内側には、バスバー167が設けられている。各外部接続接点168は、個別の配線Lによって、対応する基板接点117Aに接続されており、互いに電気的に絶縁されている。通電確認時には、
図12Dに示すように、通電確認装置169の各接点230がそれぞれ個別の外部接続接点168に当接し、電気的に接続される。なお、めっき処理時には、後述するように、各外部接続接点168は、互いに電気的に短絡されて同一の電位が供給される(
図12E)。他の実施形態では、1つの外部接続接点168に2本以上の配線Lを接続して、それら2本以上の配線の他端をそれぞれ異なる基板接点117Aに接続してもよい。また、複数の外部接続接点168を複数の配線Lに接続して、それらの配線Lを1つの基板接点に接続してもよい。
【0059】
図12Bは、第1保持部材における電流経路の説明図である。
図12Cは、第2保持部材における電流経路の説明図である。第1保持部材110Aでは、第1外部接続部161Aの各外部接続接点168から各基板接点117Aに矢印で示す経路で電流が供給される(
図12B)。第2保持部材110Bでは、第2外部接続部161Bの各外部接続接点168から各基板接点117Bに矢印で示す経路で電流が供給される(
図12C)。第1保持部材110A及び第2保持部材110Bの各外部接続接点168、基板接点117A、117Bには、めっき処理時において共通の電位が供給され、通電確認時において一部または全部の外部接続接点168に異なる電位が供給される。
【0060】
図12Dは、通電確認時の外部接続部の各接点の接続を示す模式図である。通電確認処理は、基板セット部170B(
図1)において基板ホルダ11に基板Wが挟持された状態で実行される。基板セット部170Bには、通電確認装置169の端子230が配置され
ている。本実施形態では、外部接続部161Aは、9個の外部接続接点168が並んだ列を2列有する(
図12A)。通電確認処理は、外部接続部161Aの各外部接続接点168がバスバー167に接触しない状態で、通電確認装置169の端子230に接触した状態で実行される(
図12D)。通電確認装置169の各端子230は、対応する外部接続接点168に個別の電位を供給することが可能であり、任意の2つの外部接続接点168間の電流を測定することができる。また、複数の外部接続接点168をグループとして、グループごとに外部接続接点168間の電流を測定することができる。
【0061】
例えば、
図12Aに示すように、互いに対向する各列3個ずつの接点を1つのグループとして、3つのグループI、II、IIIに分けて通電確認処理を実行する。一例では、グループIの手前側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、奥側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、の間に電位差を印加して電流を測定する。次に、グループIIの手前側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、奥側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、の間に電位差を印加して電流を測定する。次に、グループIIIの手前側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、奥側列の3個の外部接続接点168に接続される端子230と、の間に電位差を印加して電流を測定する。
【0062】
電流は、例えば、手前側の端子230が高電位、奥側の端子230が低電位とすると、グループIでは、手前側の端子230、グループIの手前側の列の3個の外部接続接点168、これらの3個の接点に接続された配線L、これらの配線Lに接続された基板接点117A、基板Wの第1面(表面)のシード層、奥側の端子230に接続された基板接点117A、配線L、奥側の3個の外部接続接点168、端子230の経路で流れる。同様にして、他の2つのグループII、IIIの第1側及び第2側の外部接続接点168間に流れる電流を測定する。その結果、電流の測定値が所定の範囲内であれば、外部接続部161Aの外部接続接点168、配線L、基板接点117、基板Wの何れも正常と判定し、基板ホルダ11をプロセス部173C(
図1)に搬送し、めっき処理を施す。一方、電流の測定値が所定の範囲外であれば、外部接続部161Aの外部接続接点168、配線L、基板接点117、基板Wの何れかに異常があるとして、基板ホルダ11から基板Wを取り出し、基板ホルダ11をホルダ格納部170D(
図1)に戻す。
【0063】
なお、各グループに含まれる外部接続接点数は任意であり、グループ間で外部接続接点数が異なっても良い。また、手前側又は奥側の外部接続接点168同士の間に電位差を印加して電流を測定してもよい。また、各グループに含まれる外部接続接点数を2個とし、2個の外部接続接点168ごとに電流を測定してもよい。グループごとに外部接続接点168の間の電流を測定することにより、異常の箇所を特定し易くなる。
【0064】
第2保持部材110Bの第2外部接続部161Bにも、同様の通電確認装置169が設けられ、同様の通電確認処理が基板Wの第2面(裏面)に対して実行される。
【0065】
図12Eは、めっき処理時の外部接続部の各接点の接続を示す模式図である。基板ホルダ11は、めっき槽10のアーム受入部250にアーム部160を受け入れられて保持される。アーム受入部250は、めっき槽の両脇にそれぞれ1つずつ配置され、アーム部160の両端をアーム受入部250で支持することにより、基板ホルダ11を懸架することができる。アーム受入部250には、電流供給部240が配置されており、電流供給部240上に、外部接続部161A、161Bが置かれる。このとき、第1及び第2外部接続部161A、161Bの自重または、追加のアクチュエータ等で、各外部接続接点168は、電流供給部240に押しつれられ、バスバー167に接触するように変形する。この結果、全ての外部接続接点168が電流供給部240及びバスバー167によって電気的に短絡される。この状態で、外部電源37(
図15)から電流供給部240に電位が供給
されると、全ての接点168に同一電位が供給される。めっき処理時において、電流は、外部電源37から、アノード31A(31B)、めっき液、基板Wの表面(裏面)のシード層、基板接点117A(117B)、配線L、第1及び第2外部接続部161A(161B)の各外部接続接点168を通り、外部電源37に戻る経路で流れる。バスバー167は、外部接続接点168間の短絡をより確実にするために設けられる。なお、第1外部接続部161Aが接触する電流供給部240と、第2外部接続部161Bが接触する電流供給部240には異なる電流を流すこともできる。
【0066】
図13Aは、基板セット部における基板の基板ホルダへの設置を説明する模式図である。なお、
図13Aでは、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bを含め、各構成を模式的に示している。基板セット部170B(
図1)には、基板着脱装置1000が配置されている。基板着脱装置1000は、回転装置1100と、ステーション1200とを備えている。回転装置1100は、基板ホルダ11の第2保持部材110Bを略水平の姿勢に保持した状態で、第2保持部材110Bに対する基板Wの着脱または載置を行い、第2保持部材110Bを略垂直方向に立てた状態で、ステーション1200に保持される第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間で基板Wを挟持する。これにより、基板Wを基板ホルダ11に対して着脱することができる。ステーション1200は、例えば、基板ホルダ11を懸架する静止ステーションと、静止ステーションに保持される基板ホルダ11を回転装置1100側に向かって支持するサポート装置とから構成されてもよい。前述した通電確認装置は、例えば、ステーション1200の基板ホルダ11のアーム部160の第1及び第2外部接続部161A、161Bが置かれる部分に設けることができる。
【0067】
基板装着前の基板ホルダ11が第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとに分離され、第1保持部材110Aがステーション1200に立てた状態で配置され、第2保持部材110Bが回転装置1100のステージ上に略水平な状態で配置される。この状態で、搬送装置122のロボットハンドに保持された基板Wが、回転装置1100上の第2保持部材110B上に設置される。その後、回転装置1100のステージが回転し、第2保持部材110Bを略垂直な状態に移動させ、この状態で第2保持部材110Bを第1保持部材に対して押し付けて、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとを係合(固定)し、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとによって基板Wを保持する。この状態で、前述した通電確認処理を実行する。通電確認処理の結果が良好である場合、基板Wを保持した基板ホルダ11は、トランスポータ141によってプロセス部170C(
図1)に搬送され、めっき処理される。通電確認処理の結果が良好でない場合には、基板ホルダ11から基板Wを取り出し、基板ホルダ11をホルダ格納部170D(
図1)に戻す。
【0068】
基板ホルダ11から基板Wを取り外すときは、ステーション1200において、回転装置1100によって第2保持部材110Bを基板Wとともに、第1保持部材110Aから取り外す。その後、
図13Aのように第2保持部材110Bを略水平姿勢に回動させ、搬送装置122のロボットハンドが基板Wを搬出する。
【0069】
ここでは、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bを立てた状態で係合させる場合について説明したが、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bを水平な状態で係合させるようにしてもよい。
【0070】
図13Bは、基板ホルダの固定方法の一例を示す。第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとは、任意の固定方法で固定することができる。例えば、
図13Bに示すように、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとは、ボルト等の締結手段で固定することができる。この例では、第1保持部材110Aの第1本体1110Aに螺子孔195
を設け、第2保持部材110Bの第2本体1110Bに貫通孔194を設け、ボルト193によって第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとを締結している。なお、この例では、貫通孔194に対応してザグリ194aを設け、ボルト193の頭をザグリ194a内に配置している。これにより、基板ホルダ11の厚みを低減できる。第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとは、適宜、複数の箇所でボルト193によって固定されるように構成される。 また、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bの一方にクランプを設けて、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとを互いに固定するようにしてもよい。何れの固定方法を採用する場合であっても、基板着脱装置1000にアクチュエータ等を設けて、自動で固定するような方法を採用することができる。
【0071】
図14Aは、第1保持部材の位置決め部の近傍の拡大斜視図である。
図14Bは、第2保持部材の位置決め部の拡大斜視図である。第1保持部材110Aは、第1本体部111Aの第1本体1110Aにおいて、位置決め部としての突起部(位置決めピン)210Aを有している。第2保持部材110Bは、第2本体部111Bの第2本体1110Bにおいて、位置決め部として貫通穴210Bを有している。突起部210Aは、ボルト等の締結部材で第1本体1110Aに固定されている。突起部210Aは、他の固定手段で第1本体1110Aに固定されてもよいし、第1本体1110Aと一体に形成されてもよい。突起部210A及び貫通穴210Bは、それぞれ第1本体部111A及び第2本体部111Bに複数設けられており、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bが係合したとき、各貫通穴210Bに各突起部210Aが挿入、嵌合されるようになっている。これにより、第1保持部材110Aと第2保持部材110Bとの間の位置決めが行われる。なお、貫通穴210Bを第1保持部材110Aに設け、突起部210Aを第2保持部材110Bに設けてもよい。
【0072】
図15は、めっき槽10の構成を概略的に示す側面図である。めっき処理中、第1アノードホルダ30Aが基板Wの第1面(表面)に対向するように配置され、第2アノードホルダ30Bが基板Wの第2面(裏面)に対向するように配置される。第1アノードホルダ30Aは、第1アノード31Aと基板Wとの間の電界を調節するためのアノードマスク(図示せず)を有する。アノードマスクは、例えば誘電体材料からなる略板状の部材であり、第1アノードホルダ30Aの基板ホルダ11に対向する側の面に配置される。アノードマスクは、第1アノード31Aと基板Wとの間に流れる電流が通過する開口を略中央部に有し、開口の径又は辺長は、第1アノード31Aの径又は辺長よりも小さいことが好ましい。また、アノードマスクは、開口の径又は辺長を調節可能に構成されてもよい。例えば、開口に複数の絞り羽根を設け、カメラの絞り機構と同様の構造により、開口の径又は辺長を拡大又は縮小させることができる。第2アノードホルダ30Bの構成も、第1アノードホルダ30Aの構成と同様である。
【0073】
第1アノードホルダ30Aと基板ホルダ11との間に、第1中間マスク36Aが設けられている。また、第2アノードホルダ30Bと基板ホルダ11との間に、第2中間マスク36Bが設けられている。これらの第1及び第2中間マスク36A、36Bは、第1及び第2アノードマスク32A、32Bと類似の構造により第1及び第2中間マスク36A、36Bに設けられた開口の径又は辺長を調整して、第1及び第2アノード31A、31Bと基板Wとの間の電界を調節するためのものである。一実施形態として、第1中間マスク36Aおよび第2中間マスク36Bにそれぞれ移動機構を連結して、基板Wと第1中間マスク36Aとの間の距離、および基板Wと第2中間マスク36Bとの間の距離を変更可能に構成してもよい。なお、不溶性アノードを採用した場合には、めっき金属をめっき液中に継続的に補給する必要があるので、後述する循環機構にめっき金属の補給機構を設けるようにすることもできる。
【0074】
第1アノードホルダ30Aと基板ホルダ11との間に、基板Wの第1面近傍のめっき液
を撹拌するための第1パドル35Aが設けられている。また、第2アノードホルダ30Bと基板ホルダ11との間に、基板Wの被めっき面近傍のめっき液を撹拌するための第2パドル35Bが設けられている。これらのパドル35A、35Bは、たとえば、略棒状の部材とすることができ、鉛直方向を向くようにめっき処理槽内に設けることができる。パドル35A、35Bは、図示しない駆動装置により基板Wの被めっき面に沿って水平移動できるように構成される。また、パドル35A、35Bは、板状部材に複数の縦方向のスリットを設けたものでもよい。
【0075】
第1アノード31Aは、第1アノードホルダ30A内の配線を介して外部電源37に接続されている。また、前述したように、基板ホルダ11の基板Wの第1面(表面)を露出する第1保持部材110Aの第1外部接続部161Aは、外部電源37に接続されている。第1アノード31Aと基板ホルダ11の第1外部接続部161Aとの間に外部電源37から電圧が供給されると、外部電源37から、第1アノード31A、めっき液、基板ホルダ11の基板Wの第1面のシード層、第1外部接続部161A(第1保持部材110A)を通り、外部電源37に戻る経路で、めっき電流が流れる。 第2アノード31B、第2アノードホルダ30B内の配線を介して外部電源37に接続されている。また、前述したように、基板ホルダ11の基板Wの第2面(表面)を露出する第2保持部材110Bの第2外部接続部161Bは、外部電源37に接続されている。第2アノード31Bと基板ホルダ11の第2外部接続部161Bとの間に外部電源37から電圧が供給されると、外部電源37から、第2アノード31B、めっき液、基板ホルダ11の基板Wの第2面のシード層、第2外部接続部161B(第2保持部材110B)を通り、外部電源37に戻る経路で、めっき電流が流れる。
【0076】
図15に示される実施形態によるめっき装置は、めっき液をめっき槽10と外槽16との間で循環させる循環機構300とを備えている。循環機構300は、めっき槽10から溢れためっき液を受け入れる外槽16と、めっき槽10とを接続する循環ライン302を備える。循環ライン302には、弁304が設けられており、循環ライン302の開閉を行うことができる。弁304はたとえば電磁弁とするこができ、制御部103(
図1参照)により循環ライン302の開閉を制御することができるようにしてもよい。循環ライン302には、ポンプ306が設けられており、ポンプ306によって、循環ライン302を通してめっき液を外槽16からめっき槽10へ循環させることができる。循環ライン302には、温度制御装置308が設けられており、循環ライン302を通るめっき液の温度を制御することができる。たとえば、めっき槽10に図示しない温度計を設け、この温度計で測定しためっき液温度に応じて、制御部103により温度制御装置308を制御するようにしてもよい。循環ライン302には、フィルタ310が設けられており、循環ライン302を通るめっき液の固形物を取り除くことができる。
【0077】
本実施形態では、第1保持部材110A及び第2保持部材110Bのそれぞれに、互いに独立した第1外部接続部161A及び第2外部接続部161Bを設けた。これにより、第1外部接続部161A、配線L、基板接点117Aからなる基板Wの第1面用の電流経路と、第2外部接続部161B、配線L、基板接点117Bからなる基板Wの第2面用の電流経路とを、それぞれ第1及び第2保持部材161A、161Bに分配することができる。この結果、基板ホルダの厚みの増大を抑制しつつ、基板の第1面及び第2面への電流供給経路を設置する空間を確保することができる。基板の寸法に起因して配線数が増大する場合、電流の大きさに起因して配線径が増大する場合等において、有効である。また、両面めっき基板では、片面めっき基板と比較して、一般に配線数が2倍になるので、特に有効である。また、基板の第1面及び第2面に対し独立して電流供給が可能になるため、各面のめっき厚さ等のめっき仕様を独立して制御することができる。
【0078】
なお、上記では、両面めっき用の基板ホルダについて説明したが、片面めっき用の基板
ホルダにおいても、第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれに、互いに独立した第1外部接続部及び第2外部接続部を設けても良い。第1保持部材及び第2保持部材にそれぞれ設けられる電流経路を接続する接続経路を設ければ、第1及び第2保持部材の第1及び第2外部接続部の両方から、被めっき面に電流を供給することができる。この場合、基板の第1面用の電流経路を第1及び第2保持部材に分配して、電流供給経路を設置する空間を確保することができる。片面めっき用の基板ホルダにおいても、基板の寸法、電流の大きさ等に起因して、配線数、配線径が増大する場合に有効である。
【0079】
(他の実施形態)
図17は、他の実施形態に係る基板ホルダの第1側からみた斜視図である。
図18は、基板ホルダの開放状態における第1保持部材及び第2保持部材を第1側からみた斜視図である。
図19は、基板ホルダの第1保持部材及び第2保持部材の分解斜視図である。
【0080】
他の実施形態に係る基板ホルダ11は、
図2A等において前述した基板ホルダ11と概ね同様の構成を有するので、同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、ケーブルからなる配線Lに代えて、より大きな断面積を有する導電経路部410、420(
図20参照)によって、複数の基板接点117と外部接続接点161A、161Bとが接続される。これにより、配線収容部150(第1配線収容部150A、第2配線収容部150B)を省略し、基板ホルダの小型化およびコストダウンを図ることができる。なお、片面めっき用の基板ホルダに適用する場合には、第1保持部材または第2保持部材の一方に、導電経路部を設けてもよい。
【0081】
図17、
図18に示すように、基板ホルダ11は、本体部111と、左右の取付部180と、中央の取付部181と、アーム部160とを備えている。基板ホルダ11は、第1開口部112Aを有する第1保持部材110Aと、第2開口部112Bを有する第2保持部材110Bと、に分割される。第1保持部材110Aは、第1本体部111Aと、左右の取付部180Aと、中央の取付部181Aと、第1アーム部160Aと、を備えている(
図18、
図19)。第2保持部材110Bは、第2本体部111Bと、左右の取付部180Bと、中央の取付部181Bと、第2アーム部160Bと、を備えている(
図18、
図19)。
【0082】
第1本体部111Aは、左右の取付部180Aと、左右の取付部180Aの間の中央の取付部181Aとによって、第1アーム部160Aに取り付けられている。左右の取付部180A、中央の取付部181Aは、それぞれ、第1本体部111Aと、第1アーム部160Aとに、ボルト等の締結手段で固定され、これにより、第1本体部111Aが、第1アーム部160Aに固定されている。
【0083】
第1アーム部160Aは、細長い板状部材または棒状部材を備えている。第1アーム部160Aは、外部接続部161Aと、外部接続部161A及び導電経路部410を保護するための外部接続部カバー162Aとを有している。また、第1アーム部160Aは、前記同様に、その両端部において、基板ホルダ11を基板セット部170B及びめっき槽10において位置決めするための位置決め部163R、163Lを有している。
【0084】
第2保持部材110Bは、第2本体部111Bと、左右の取付部180Bと、中央の取付部181Bと、第2アーム部160Bと、を備えている(
図18、
図19)。第2本体部111B及び取付部180B、181Bの構成は、第1本体部111A及び取付部180A、181Aの構成と同様であるので詳細な説明を省略し、同様の構成に同一番号とアルファベットのBで示す符号を付す。
【0085】
第2アーム部160Bは、細長い板状部材または棒状部材を備えている。第2アーム部
160Bは、外部接続部161Bと、外部接続部161B及び導電経路部420を保護するための外部接続部カバー162Bとを有している。前記実施形態と同様に、第1アーム部160A及び第2アーム部160Bを係合したとき、第1及び第2アーム部160A、160Bの第1及び第2外部接続部161A、161Bは、それぞれ干渉しないように基板ホルダ11の左右方向の反対側に配置される。
【0086】
図20は、他の実施形態に係る導電経路部の斜視図である。
図21は、第1保持部材及び第2保持部材の基板保持面側からみた矢視図である。
図20において、符号410は、第1保持部材110Aに配置される導電経路部を示し、符号420は、第2保持部材110Bに配置される導電経路部を示す。なお、ここでは、導電経路部410(導電経路部420)が、左側導電経路部材410L(420L)及び右側導電経路部材410R(420R)の2系統を備える場合について説明するが、導電経路部410は、一体又は複数の経路片からなる1系統の導電経路部材としてもよい。
【0087】
各導電経路部410、420は、銅(例えば、無酸素銅)等の抵抗値の小さい材料で構成される。本実施形態では、
図20に示すように、板状の部材で形成されている。各導電経路部410、420を板状とすることにより、基板ホルダの厚みが増大することを抑制することができる。なお、各導電経路部410、420を棒状として、経路に沿って加工し易くしてもよい。また、各導電経路部410、420は、接点、他の配線等との導通部分以外で、耐薬品性を有する樹脂(例えば、PFA)でコーティングされてもよい。
【0088】
導電経路部410と導電経路部420とは、類似の構成を有するので、以下、導電経路部410を例に挙げて説明する。
【0089】
導電経路部410は、左側導電経路部材410Lと、右側導電経路部材410Rとを備えている。左側導電経路部材410Lと、右側導電経路部材410Rとは、第1保持部材110A内で互いに離間しており、電気的に絶縁されている。なお、他の実施例では、左側導電経路部材410Lと、右側導電経路部材410Rとは、第1保持部材110A内で互いに短絡されてもよいし、一体の部材として形成されてもよい。
【0090】
左側導電経路部材410L及び右側導電経路部材410Rの各々は、複数の経路片(ここでは、5つの経路片)が接続された構成を有する。なお、左側導電経路部材410L及び右側導電経路部材410Rの各々は、一体で形成されてもよいし、5つ未満の経路片が接続された構成、又は、6つ以上の経路片が接続された構成であってもよい。
【0091】
左側導電経路部材410Lは、第1経路片411L、第2経路片412L、第3経路片413L、第4経路片414L、及び第5経路片415Lを備えており、それらが接続されることによって構成されている。右側導電経路部材410Rは、第1経路片411R、第2経路片412R、第3経路片413R、第4経路片414R、及び第5経路片415Rを備えており、それらが接続されることによって構成されている。
【0092】
左側導電経路部材410Lの第1経路片411L、第2経路片412Lと、右側導電経路部材410Rの第1経路片411R、第2経路片412Rとは、互いに離間した状態で平行に延びている。左側導電経路部材410Lの第3経路片413L、第4経路片414L、及び第5経路片415Lは、第1本体部111Aの左側半分部分に配置されている(
図21)。右側導電経路部材410Rの第3経路片413R、第4経路片414R、及び第5経路片415Rは、第1本体部111Aの右側半分部分に配置されている(
図21)。右側導電経路部材410Rの第5経路片415Rは、
図21に示すように、左側導電経路部材410Lの第5経路片415Lとの間に隙間をもって互いに離間している。このように、右側導電経路部材410Rと左側導電経路部材410Lとで導電経路部材を分割し
て形成することにより、基板着脱部170B(
図1)で基板ホルダ11に基板を保持したときに、右側導電経路部材410Rと左側導電経路部材410Lとの間に電位差を印加し、左側導電経路部材410L→基板(シード層)→右側導電経路部材410R(あるいは、その逆)という経路で電流を流し、抵抗値に異常があった場合に基板ホルダ11あるいは基板に異常があると判断する通電試験を可能にする。
【0093】
第1経路片411Lは、
図18における第1アーム部160Aの本体内を外部接続部161Aから、中央の取付部181Aとの連結部まで延びるように配置されている。
図19では、第1経路片411Lの一端が、第1アーム部160Aに設けられた取付凹部1600内に露出している状態が示されている。第1経路片411Lの他端は、外部接続部161Aにおいて外部接続接点440L(
図24)に接続されている。
【0094】
第2経路片412Lは、
図19に示すように、中央の取付部181Aの内部を延びるように取付部181Aに配置されている。第2経路片412Lの第1アーム部160A側の一端は、取付部181Aの一端部において露出しており(
図19の第2経路片422Rと同様)、取付部181Aの一端部が第1アーム部160Aの取付凹部1600に嵌合されたときに、第1アーム部160A内に配置された第1経路片411Lの一端と接触して、第1経路片411Lと電気的に接続される。取付部181Aが第1アーム部160Aに対してボルト等の締結部材で固定される際に、第1経路片411Lと第2経路片412Lも共にボルト止めされ、互いに固定される。第2経路片412Lの他端は、取付部181Aの他端部から突出しており、取付部181Aが第1本体部111Aに取り付けられたときに、第1本体1110Aに設けられた開口に挿入され、第3経路片413Lの一端に接続される(
図21)。第2経路片412Lと第3経路片413Lも、ねじ、ボルト等の締結部材で互いに固定される(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。
【0095】
第3経路片413L、第4経路片414L、及び第5経路片415Lは、
図21に示すように、第1本体部111Aの第1本体1110Aの基板保持面側において左半分部分に配置されている。第3経路片413Lは、第1アーム部160Aに近い側で第1開口部112Aの上辺に沿って設けられている。第3経路片413Lの一端は、第1保持部材110Aの中央部付近において、第2経路片412Lの他端に対して接続されている。第3経路片413Lの他端は、第1開口部112Aの上部角部付近において、第4経路片414Lの一端に、ねじ416で接続されている(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。第4経路片414Lは、第1アーム部160Aに近い側から遠い側に向かって、第1開口部112Aの左辺に沿って設けられている。第4経路片414Lの他端は、第1開口部112Aの下部角部付近において、第5経路片415Lの一端に、ねじ等の締結部材で接続されている(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。第5経路片415Lは、第1アーム部160Aから遠い側で第1開口部112Aの下辺に沿って設けられている。第5経路片415Lの他端は、第1保持部材110Aの中央部付近において、第5経路片415Rと離間した状態で終端している。
【0096】
右側導電経路部材410Rの各経路片411R〜415Rは、左側導電経路部材410Lの各経路片411L〜415Lと概ね同様に配置されている。但し、右側導電経路部材410Rの第3経路片413R、第4経路片414R、及び第5経路片415Rは、第1本体1110Aにおいて、左側導電経路部材410Lの第3経路片413L、第4経路片414L、及び第5経路片415Lとは第1開口部112Aに関して反対側(右側半分部分)に配置されている。
【0097】
第1経路片411Rは、
図18における第1アーム部160Aの本体内を外部接続部1
61Aから中央の取付部181Aとの連結部まで延びるように配置されている。
図19では、第1経路片411Rの一端が、第1アーム部160Aに設けられた取付凹部1600内に露出している状態が示されている。第1経路片411Rの他端は、外部接続部161Aにおいて外部接続接点440R(
図24)に接続されている。
【0098】
第2経路片412Rは、
図19に示すように、中央の取付部181Aの内部を延びるように取付部181Aに配置されている。第2経路片412Rの第1アーム部160A側の一端は、取付部181Aの一端部において露出しており(
図19の第2経路片422Lと同様)、取付部181Aの一端部が第1アーム部160Aの取付凹部1600に嵌合されたときに、第1アーム部160A内に配置された第1経路片411Rの一端と接触して、第1経路片411Rと電気的に接続される。取付部181Aが第1アーム部160Aに対してボルト等の締結部材で固定される際に、第1経路片411Rと第2経路片412Rも共にボルト止めされ、互いに固定される。第2経路片412Rの他端は、取付部181Aの他端部から突出しており、取付部181Aが第1本体部111Aに取り付けられたときに、第1本体1110Aに設けられた開口に挿入され、第3経路片413Rの一端に接続される(
図21)。第2経路片412Rと第3経路片413Rも、ねじ、ボルト等の締結部材で互いに固定される(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。
【0099】
第3経路片413R、第4経路片414R、及び第5経路片415Rは、
図21に示すように、第1本体部111Aの第1本体1110Aの基板保持面側において、右半分部分に配置されている。第3経路片413Rは、第1アーム部160Aに近い側で第1開口部112Aの上辺に沿って設けられている。第3経路片413Rの一端は、第1保持部材110Aの中央部付近において、第2経路片412Rの他端に対して接続されている。第3経路片413Rの他端は、第1開口部112Aの上部角部付近において、第4経路片414Rの一端に、ねじ416で接続されている(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。第4経路片414Rは、第1アーム部160Aに近い側から遠い側に向かって、第1開口部112Aの右辺に沿って設けられている。第4経路片414Rの他端は、第1開口部112Aの下部角部付近において、第5経路片415Rの一端に、ねじ等の締結部材で接続されている(
図22A、
図22Bの第3経路片413Rと第4経路片414Rとの接続と同様)。第5経路片415Rは、第1アーム部160Aから遠い側で第1開口部112Aの下辺に沿って設けられている。第5経路片415Rの他端は、第1保持部材110Aの中央部付近において、第5経路片415Lと離間した状態で終端している。
【0100】
上述したように、第1経路片411L、Rが第1アーム部160A内に組み込まれ、第2経路片412L、Rが取付部181A内に組み込まれ、第3乃至第5経路片413L、R、414L、R、415L、Rが第1本体部111Aに組み込まれた後に、第1アーム部160A、取付部181A、第1本体部111Aが互いに組み立てられる。このため、各導電経路部材の形成を容易に行うことができる。
【0101】
導電経路部420の構成は、導電経路部410と概ね同様であるため、導電経路部410に関する符号410、411を420、421に置き換えて対応する構成を表し、詳細な説明を省略する。左側導電経路部材420L及び右側導電経路部材420Rの各経路片は、第2保持部材110B内において、外部接続部161Bから第2本体部110Bの第2本体1110Bに亘って、導電経路部410の左側導電経路部材410L及び右側導電経路部材410Rの各経路片と同様に配置されている(
図19、
図21、
図22A、
図22B、
図24、
図25を参照)。
【0102】
図22Aは、基板ホルダの基板接点近傍の拡大図である。
図22Bは、基板ホルダの基
板接点近傍の拡大図を、一部の基板接点を取り外した状態で示すものである。
図23は、第1保持部材とともに第2保持部材を示す、
図22BのC−Cにおける断面図である。
【0103】
図23に示すように、導電経路部410及び導電経路部420は、内側シール120A、120Bと、外側シール121Aとで密閉された空間内に配置されている。内側シール120Aを固定するためのシールホルダ118Aは、ねじ123によって第1本体1110Aに固定されている(
図22A)。
【0104】
図22A及び
図22Bに示すように、導電経路部410の各経路片413R、414Rは、端部同士を重ねた状態でねじ416によって第1本体1110Aに固定され、その他の部分においてねじ417によって第1本体1110Aに固定されている。ねじ417は、各経路片の長手方向に沿って均等に配置されており、各経路片を長手方向に沿って均等に押圧している。つまり、ねじ416、417を取り外すことにより、各経路片を個別に交換することが可能である。例えば、基板ホルダ11に処理液のリークが発生した場合に、基板ホルダ11の処理槽内での姿勢に応じて、処理液の影響を受けやすい部分が存在する。基板ホルダを立てた姿勢でめっき槽に配置する場合には、処理液のリークが発生した場合、基板ホルダの最下部近傍に処理液が蓄積し易い。このため、処理液のリークが発生し、基板ホルダの最下部近傍の経路片にのみ処理液が接触した場合に、導電経路部410、420(又は各導電経路部材410L、410R、420L、420R)の全体を交換する代わりに、処理液に接触した経路片のみを交換することができる。基板ホルダ全体、又は導電経路部(又は各導電経路部材)の全体を交換する場合と比較して、費用を低減することができる。
【0105】
また、導電経路部410の右側導電経路部材410Rには、複数の基板接点117Aがねじ122Aによって接続されている。つまり、ねじ122Aを取り外すことにより、各基板接点117Aを導電経路部410から個別に交換することが可能である。一部の基板接点を交換することにより、基板ホルダを継続して使用できるようになり、基板ホルダのメンテナンス及び交換に要する費用を低減することができる。例えば、処理液のリークが生じた際に、基板ホルダ11の処理槽内の姿勢に応じて、処理液に接触し易い基板接点(例えば、上述の基板ホルダの最下部の例)など、一部の基板接点のみを交換することにより、基板ホルダ11全体又は基板接点全体を交換する場合と比較して、費用を低減することができる。
【0106】
ここでは、導電経路部410の右側導電経路部材410Rについて説明したが、導電経路部410の左側導電経路部材410L、導電経路部420の右側導電経路部材420R、左側導電経路部材420Lについても同様に配置されている。
【0107】
図24は、外部接続部カバーを取り外した状態の外部接続部の拡大斜視図である。
図25は、外部接続部の断面図である。導電経路部410の右側導電経路部材410R(第1経路片411R)の一端は、外部接続部161Aにおいて、外部接続接点440Rに対して導電板430とともにねじ止めされ、外部接続接点440Rに電気的に接続されている。第1経路片411Rは、ねじを取り外すことにより、外部接続接点440Rに対して取り外し可能である。外部接続接点440Rは、複数のリーフ部(ここでは、9個)を有し、各リーフ部の基端側が一体となったリーフコンタクトである。導電経路部410の左側導電経路部材410L(第1経路片411L)の一端は、外部接続部161Aにおいて、外部接続接点440Lに対して導電板430とともにねじ止めされ、外部接続接点440Lに電気的に接続されている。第1経路片411Lは、ねじを取り外すことにより、外部接続接点440Lに対して取り外し可能である。外部接続接点440Lは、複数のリーフ部(ここでは、9個)を有し、各リーフ部の基端側が一体となったリーフコンタクトである。基板ホルダ11がめっき槽に配置されたとき、
図25に示すように、外部接続接点4
40Rと外部接続接点440Lとは、各リーフ部がバスバー167に接触して、バスバー167を介して電気的に短絡される。一方、通電試験時には、
図12Dと同様に、外部接続接点440R及び外部接続接点440Lの各リーフ部は、バスバー167から離間している。このため、外部接続接点440R及び外部接続接点440Lにそれぞれ通電確認装置169の各接点230を接続して、外部接続接点440R、右側導電経路部材410R、基板接点、基板W、基板接点、左側導電経路部材440L、外部接続接点440Lを通る電流を流して、通電試験を行うことができる。導電経路部420についても同様である。
【0108】
なお、ここでは、右側導電経路部材410Rと左側導電経路部材410Lとに対してそれぞれ、外部接続接点440R及び外部接続接点440Lを設ける場合を説明したが、導電経路部410を1系統とする場合には、外部接続接点を一体の部材としてもよい。なお、第2保持部材110Bの外部接続部161Bも同様に構成されている。
【0109】
上記実施形態によれば、基板ホルダが、少なくとも1つの基板接点と、少なくとも1つの外部接点と、それらを接続する導電経路部材とを備え、導電経路部材及び/又は基板接点が交換可能に設けられている。よって、導電経路部材及び/又は基板接点がめっき液と接触して腐食や金属の析出が生じた場合に、導電経路部材及び/又は基板接点を交換可能である。このため、導電経路部材及び/又は基板接点を交換することにより、基板ホルダを継続して使用できるようになり、基板ホルダのメンテナンス及び交換に要する費用を低減することができる。特に、導電経路部材が複数の経路片に分割されているため、交換が必要な部分のみ交換することができる。また、一部の基板接点のみを交換することができる。例えば、処理液のリークが生じた際に、基板ホルダの処理槽内の姿勢に応じて、処理液に接触し易い基板接点及び/又は経路片(基板ホルダを垂直な姿勢とする場合は、基板ホルダ底部側)など、一部の基板接点及び/又は経路片のみを交換することにより、基板ホルダ全体、導電経路部材全体、又は基板接点全体を交換する場合と比較して、費用を低減することができる。
【0110】
複数の基板接点117への配線を導電経路部としてまとめることにより、各導電経路部の断面積を大きく確保することができ(一例では、ケーブル10−20本分)、各導電経路部の単位長さ当たりの配線抵抗を低減することができる。これにより、外部接続部から各第1基板接点までの経路における電圧降下の差を低減することができる。この結果、各第1基板接点を通じて流れるめっき電流を均一化し、めっき膜厚を均一化することができる。また、複数の第1基板接点への配線を各導電経路部としてまとめるので、複数の第1基板接点までの配線の寸法を低減すること、又はケーブル配線を省略することができる。
【0111】
上記実施形態から少なくとも以下の形態が把握できる。
【0112】
第1形態は、基板を保持するための基板ホルダに関する。この基板ホルダは、 前記基板の第1面を露出するための第1の開口部を有する第1保持部材と、 前記第1保持部材とともに前記基板を挟持して保持するための第2保持部材であって、前記基板の第2面を露出するための第2の開口部を有する第2保持部材と、を備える。前記第1保持部材は、前記基板の前記第1面に電流を供給するための少なくとも1つの第1基板接点と、少なくとも1つの第1外部接続接点と、前記少なくとも1つの第1基板接点と前記少なくとも1つの第1外部接続接点とを電気的に接続する少なくとも1つの第1配線を有する。前記第2保持部材は、前記基板の前記第2面に電流を供給するための少なくとも1つの第2基板接点と、少なくとも1つの第2外部接続接点と、前記少なくとも1つの第2基板接点と前記少なくとも1つの第2外部接続接点とを電気的に接続する少なくとも1つの第2配線を有する。前記少なくとも1つの第1外部接続接点と前記少なくとも1つの第2外部接続接点は電気的に独立である。「電気的に独立である」とは、基板ホルダ内で互いに電気的に
絶縁されていることを意味する。
【0113】
第1形態によれば、第1及び第2保持部材にそれぞれ独立に第1及び第2外部接続接点、第1基板接点及び第2基板接点、第1配線及び第2配線を設けたので、基板の第1面及び第2面への電流供給経路をそれぞれ第1及び第2保持部材に分配することができる。これにより、基板ホルダの厚みの増大を抑制しつつ、基板の第1面及び第2面への電流供給経路を設置する空間を確保することができる。また、基板の第1面及び第2面に対し独立して電流供給が可能になるため、各面のめっき厚さ等のめっき仕様を独立して制御することができる。
また、少なくとも1つの第1外部接続接点から少なくとも1つの第1配線及び少なくとも1つの第1基板接点を介して、基板の第1面に電流を供給することができる。第1配線の長さを調整することによって、少なくとも1つの第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値を調整することができる。同様に、少なくとも1つの第2外部接続接点から少なくとも1つの第2配線及び少なくとも1つの第2基板接点を介して、基板の第2面に電流を供給することができる。第2配線の長さを調整することによって、少なくとも1つの第2基板接点と少なくとも1つの第2外部接続接点との間の抵抗値を調整することができる。
【0114】
上記実施形態においては、第1保持部材と第2保持部材の各々は、例えば、それぞれ基板の外周に沿って配置され、基板に電流を供給するために基板に接触する複数の基板接点を有する。なお、基板に電流を供給するための基板に接触する基板接点は、基板の外周に沿って互いに連結して一体となった1つの基板接点であってもよい。
【0115】
第2形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、前記第1保持部材は、複数の前記第1基板接点と、複数の前記第1外部接続接点と、前記複数の前記第1基板接点と前記複数の前記第1外部接続接点とを電気的に接続する複数の前記第1配線を有する。
【0116】
1つの第1基板接点と1つの外部接続接点を一対一に対応させて1本の第1配線で接続してもよい。また、1つの第1外部接続接点に2本以上の第1配線を接続して、それら2本以上の第1配線の他端をそれぞれ異なる第1基板接点に接続してもよい。また、複数の外部接続接点を複数の第1配線に接続して、それらの第1配線を1つの基板接点に接続してもよい。また、これらの接続方法のうち2つ以上を組み合わせても良い。
第2形態によれば、各第1配線の長さを調整することによって、少なくとも1つの第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値を調整することができる。例えば、各第1配線の長さを同一にすることによって、少なくとも1つの第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値を均一にすることができる。 また、基板ホルダに基板を保持させた状態で、一部の第1配線と、他の一部の第1配線との間に電位差を加えることによって、めっき処理に先立って通電を確認することができる。
【0117】
第3形態によれば、第2形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、第1のアーム部を有し、前記少なくとも1つの第1外部接続接点は前記第1のアーム部に配置され、 前記第2保持部材は、第2のアーム部を有し、前記少なくとも1つの第2外部接続接点は前記第2のアーム部に配置され、 前記少なくとも1つの第1外部接続接点と前記少なくとも1つの第2外部接続接点は基板ホルダの左右両端に位置する。
【0118】
第3形態によれば、基板ホルダをめっき槽に設置する際にアーム部の左右両端から基板の第1面および第2面への給電を行うことができるので、アーム部の片方の端部に外部接点を集中させる形態に比べて基板ホルダを厚みの増大を防ぐことができる。
【0119】
第4形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、第1のア
ーム部を有し、前記基板ホルダをめっき槽内で位置決めするための第1及び第2の位置決め部を前記第1のアーム部の両側にそれぞれ有する。
【0120】
第4形態によれば、アーム部の両側の位置決め部を第1保持部材に設けるので、第1保持部材と第2保持部材の係合状態にばらつきがあったとしても、両側の位置決め部の間の位置関係に影響を与えない。
【0121】
第5形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、前記第1開口部を有する第1本体部を有し、 前記第2保持部材は、前記第2開口部を有する第2本体部を有し、 前記第1本体部及び前記第2本体部は、互いに係合する位置決め構造を有する。
【0122】
第5形態によれば、第1及び第2本体部の間の位置決め構造を有するので、基板の第1及び第2保持部材に対する位置決め精度が向上する。
【0123】
第6形態によれば、 第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、前記第1開口部を有する第1本体部と、前記第1本体部の一端側に設けられた第1アーム部を有し、 前記第2保持部材は、前記第2開口部を有する第2本体部と、前記第2本体部の一端側に設けられた第2アーム部を有し、 前記第1保持部材と前記第2保持部材が係合した状態で、前記第1アーム部と前記第2アーム部とが、前記第1及び第2本体部から前記第1及び第2アーム部に向かう方向において並んでいる。
【0124】
第6形態によれば、第1アーム部と第2アーム部とが基板ホルダの面方向に並んで配置されるので、アーム部の厚みが増大することを抑制することができる。これにより、複数の基板ホルダを並べたときのトータルの厚みを低減することができる。
【0125】
第7形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、 前記第1開口部および前記少なくとも1つの前記第1基板接点を有する第1本体部と、 少なくとも1つの前記第1外部接続接点を有する第1アーム部と、 前記第1本体部と前記第1アーム部との間に配置され、前記少なくとも1つの第1配線の余分な長さを収容するための第1配線収容部と、を有している。
【0126】
第7形態によれば、少なくとも1つの第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値を調整するために少なくとも1つの第1配線の長さを調整する際に、少なくとも1つの第1配線の余分な長さが生じる場合があるが、このような第1配線の余分な長さを第1配線収容部に収容することができる。 なお、複数の第1基板接点を複数の第1配線で個別に接続する場合には、複数の第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値を調整するために各第1配線の長さを調整する際に、第1の基板接点の位置に応じて第1配線の余分な長さが生じる場合があるが、このような第1配線の余分な長さを第1配線収容部に収容することができる。例えば、複数の第1基板接点と少なくとも1つの第1外部接続接点との間の抵抗値が均一になるように、第1配線の長さが調整される。また、特定の基板接点への電流量を調整するために抵抗値を変更するように、第1配線の長さを変えてもよい。
【0127】
第8形態によれば、第7形態の基板ホルダにおいて、 前記第1配線収容部は、前記第1配線収容部を前記第1アーム部に取り付ける第1取付部と一体に形成されている。
【0128】
第8形態によれば、第1配線収容部を第1アーム部に取り付ける第1取付部を別途設ける必要がない。組み立て部品数を低減し、組立体のばらつきを抑制することができる。
【0129】
第9形態によれば、第8形態の基板ホルダにおいて、 前記第1配線収容部は、前記第1本体部に向かって突出する第1突出部を有し、 前記第1本体部は、前記第1配線収容部の前記第1突出部の両側に突出する2つの第2突出部を有する。
【0130】
第9形態によれば、第1配線収容部内の第1配線を収容する収容空間が主に配置される部分を避けて、第1配線収容部の肉厚のある部分で、第1本体部を取り付けることができ、第1保持部材の剛性を高めることができる。
【0131】
第10形態によれば、第7形態の基板ホルダにおいて、 前記第1配線収容部及び前記第1本体部の連結箇所において、基板ホルダの外側面となる側において、前記第1配線収容部の壁が、前記第1本体部の壁の外側で重なる。
【0132】
第10形態によれば、基板ホルダの外側面となる面において、第1配線収容部の壁が第1本体部の壁の外側に配置されて、第1配線収容部の壁が傘構造となるので、液はね等によって基板ホルダの内部にめっき液が侵入することを抑制ないし防止することができる。基板ホルダ内部へのめっき液の侵入を抑制ないし防止し、基板ホルダ内の配線孔等にシールを配置することを省略することができる。
【0133】
第11形態によれば、第7形態の基板ホルダにおいて、 前記第1配線収容部及び前記第1本体部の連結箇所が、前記基板ホルダがめっき槽に配置された際にめっき液面より上方に位置するように、前記第1保持部材が構成されている。
【0134】
第11形態によれば、基板ホルダ内部へのめっき液の侵入を更に抑制ないし防止し、基板ホルダ内の配線孔等にシールを配置することを省略することができる。
【0135】
第12形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、前記基板の前記第1面に電流を供給するための第1基板接点を有し、 前記第2保持部材は、前記基板の前記第2面に電流を供給するための第2基板接点を有し、 前記第1基板接点を前記第1保持部材内で固定するための第1接点固定部と、前記第2基板接点を前記第2保持部材内で固定するための第2接点固定部とは、前記第1保持部材及び前記第2保持部材を係合させた状態で互いに重ならない。
【0136】
第12形態によれば、第1接点固定部及び第2接点固定部の間の干渉を防止して、基板ホルダの厚みが増加することを抑制ないし防止することができる。
【0137】
第13形態によれば、第12形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、前記第1開口部の外側に設けられた第1シールホルダを有し、 前記第2保持部材は、前記第2開口部の外側に設けられた第2シールホルダを有し、 前記第1及び第2基板接点は、それぞれ前記第1及び第2接点固定部によって前記第1及び第2シールホルダに取り付けられており、 前記第1シールホルダを前記第1保持部材内で固定するための第1シールホルダ固定部と、前記第2シールホルダを前記第2保持部材内で固定するための第2シールホルダ固定部とは、前記第1保持部材及び前記第2保持部材を係合させた状態で互いに重ならない。
【0138】
第13形態によれば、第1シールホルダ固定部及び第2シールホルダ固定部の間の干渉を防止して、基板ホルダの厚みが増加することを抑制ないし防止することができる。
【0139】
第14形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、前記第1開口部の周囲に設けられた第1シールを有し、 前記第2保持部材は、前記第2開口部の周囲に設けられた第2シールを有し、 前記第1保持部材及び前記第2保持部材の少な
くとも一方には、前記第1シール及び前記第2シールよりも外側において外側シールが更に設けられている。
【0140】
第14形態によれば、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に設ける外側シールによって、第1及び第2シールとともに基板接点を基板ホルダの外部から保護することができる。
【0141】
第15形態によれば、第1形態の基板ホルダにおいて、 前記第1及び第2開口部は矩形状である。
【0142】
第15形態によれば、大型化の傾向がある矩形形状の基板用の基板ホルダを提供することができる。
【0143】
第16形態によれば、 基板を保持するための基板ホルダと、 前記基板を前記基板ホルダに着脱するための基板着脱部と、 前記基板を保持した前記基板ホルダにめっき処理を施すためのめっき槽と、 前記基板ホルダを搬送する搬送機と、を備えるめっき装置が提供される。このめっき装置の基板ホルダは、 前記基板の第1面を露出するための第1の開口部を有する第1保持部材と、 前記第1保持部材とともに前記基板を挟持して保持するための第2保持部材であって、前記基板の第2面を露出するための第2の開口部を有する第2保持部材と、を備える。 前記第1保持部材は、前記基板の前記第1面に電流を供給するための少なくとも1つの第1基板接点と、少なくとも1つの第1外部接続接点と、前記少なくとも1つの第1基板接点と前記少なくとも1つの第1外部接続接点とを電気的に接続する少なくとも1つの第1配線を有する。 前記第2保持部材は、前記基板の前記第2面に電流を供給するための少なくとも1つの第2基板接点と、少なくとも1つの第2外部接続接点と、前記少なくとも1つの第2基板接点と前記少なくとも1つの第2外部接続接点とを電気的に接続する少なくとも1つの第2配線を有する。前記少なくとも1つの第1外部接続接点と前記少なくとも1つの第2外部接続接点は電気的に独立である。
【0144】
第16形態によれば、第1及び第2保持部材にそれぞれ独立に第1及び第2外部接続接点、第1基板接点及び第2基板接点、第1配線及び第2配線を設けたので、基板の第1面及び第2面への電流供給経路をそれぞれ第1及び第2保持部材に分配することができる。これにより、めっき装置において、基板ホルダの厚みの増大を抑制しつつ、基板の第1面及び第2面への電流供給経路を設置する空間を確保することができる。また、基板の第1面及び第2面に対し独立して電流供給が可能になるため、各面のめっき厚さ等のめっき仕様を独立して制御することができる。
【0145】
第17形態によれば、基板を保持するための基板ホルダであって、 前記基板の第1面を露出するための第1の開口部を有する第1保持部材と、 前記第1保持部材とともに前記基板を挟持して保持するための第2保持部材と、を備え、 前記第1保持部材は、 第1外部接続部と、 前記基板の前記第1面に接触して前記基板の前記第1面に電流を供給するための少なくとも1つの第1基板接点と、 前記第1外部接続部と、前記少なくとも1つの第1基板接点とに接続される第1導電経路部材と、を有し、 前記第1導電経路部材には、前記第1基板接点が取り外し可能に取り付けられ、前記第1導電経路部材は、前記第1保持部材と前記第2保持部材とでシールされた空間内に配置されており、前記第1保持部材の本体に着脱可能に取り付けられている、基板ホルダが提供される。
【0146】
この形態によれば、基板ホルダを処理槽に配置した際に、第1導電経路部材が処理液に接触することが防止される。また、少なくとも1つの第1基板接点は、第1導電経路部材に対して取り外し可能に取り付けられるため、少なくとも1つの第1基板接点の交換が容易である。このため、一部の第1基板接点を交換することにより、基板ホルダを継続して
使用できるようになり、基板ホルダのメンテナンス及び交換に要する費用を低減することができる。例えば、処理液のリークが生じた際に、基板ホルダの処理槽内の姿勢に応じて、処理液に接触し易い基板接点など(基板ホルダを垂直な姿勢とする場合は、基板ホルダ底部側)、一部の基板接点のみを交換することにより、基板ホルダ全体又は第1基板接点全体を交換する場合と比較して、費用を低減することができる。
【0147】
また、基板ホルダが、少なくとも1つの基板接点と、少なくとも1つの外部接点と、それらを接続する導電経路部材とを備え、導電経路部材が交換可能に設けられている。よって、導電経路部材がめっき液と接触して腐食や金属の析出が生じた場合に、導電経路部材を交換可能である。このため、導電経路部材を交換することにより、基板ホルダを継続して使用できるようになり、基板ホルダのメンテナンス及び交換に要する費用を低減することができる。
【0148】
また、複数の第1基板接点に接続される第1導電経路部材を使用する場合には、配線収容部を省略し、基板ホルダの小型化およびコストダウンを図ることができる。また、複数の基板接点への配線を導電経路部材としてまとめることにより、導電経路部材の断面積を大きく確保することができ、導電経路部材の単位長さ当たりの配線抵抗を低減することができる。これにより、外部接続部から各第1基板接点までの経路における電圧降下の差を低減することができる。この結果、各第1基板接点を通じて流れるめっき電流を均一化し、めっき膜厚を均一化することができる。また、複数の第1基板接点への配線を導電経路部材としてまとめるので、複数の第1基板接点までの配線の寸法を低減すること、又はケーブル配線を省略することができる。
【0149】
第18形態によれば、第17形態の基板ホルダにおいて、 前記第1保持部材は、複数の第1基板接点を有し、並びに、前記第1外部接続部と、前記複数の第1基板接点の少なくとも1つとに接続され、前記第1導電経路部材から離間した第2導電経路部材を更に有する。
【0150】
この形態によれば、導電経路を第1導電経路部材、第2導電経路部材に分割して形成することにより、基板ホルダに基板を保持させた状態で第1導電経路部材と第2導電経路部材との間に電位差を加えることによって、めっき処理に先だって通電を確認することができる。また、複数の第1基板接点を第1及び第2導電経路部材に分配することにより、外部接続部から各第1基板接点までの経路長の差を抑制することができる。例えば、第1保持部材の対称な各半分部分にある第1基板接続接点を第1及び第2導電経路部材に分配することにより、外部接続部から各第1基板接点までの経路長差をほぼ同一にすることができる。また、導電経路部材ごとに交換することが可能である。
【0151】
第19形態によれば、第18形態の基板ホルダにおいて、 前記第1導電経路部材及び前記第2導電経路部材の少なくとも一方は、複数の経路片に分割可能である。
【0152】
この形態によれば、経路片ごとに交換することが可能である。例えば、基板ホルダに処理液のリークが発生した場合に、基板ホルダの処理槽内での姿勢に応じて、処理液の影響を受けやすい部分が存在する。基板ホルダを立てた姿勢でめっき槽に配置する場合には、処理液のリークが発生した場合、基板ホルダの最下部近傍に処理液が蓄積し易い。このため、処理液のリークが発生し、基板ホルダの最下部近傍の経路片にのみ処理液が接触した場合に、導電経路部材の全体を交換する代わりに、処理液に接触した経路片のみを交換することができる。基板ホルダ全体、又は導電経路部材の全体を交換する場合と比較して、費用を低減することができる。また、経路片ごとに形成し、その後組み立てることにより、導電経路部材を安価に製造することができる。
【0153】
第20形態によれば、第17形態の基板ホルダにおいて、 前記第1導電経路部材は、板状または棒状である。
【0154】
第1導電経路部材を板状とすることにより、基板ホルダの厚みが増大することを抑制することができる。第1導電経路部材を棒状とすることにより、湾曲した導電経路に沿う形状を加工しやすい。
【0155】
第21形態によれば、第17乃至20形態の何れかの基板ホルダにおいて、 前記第2保持部材は、 前記基板の第2面を露出するための第2の開口部を有し、 前記基板の前記第2面に接触して前記基板の前記第2面に電流を供給するための少なくとも1つの第2基板接点と、 第2外部接続部と、 前記第2外部接続部と、前記少なくとも1つの第2基板接点とに接続される第3導電経路部材と、を有し、 前記第3導電経路部材には、前記第2基板接点が取り外し可能に取り付けられる。
【0156】
この形態によれば、両面めっき処理用の基板ホルダの各保持部材及びにおいて、上記形態で述べた作用効果を奏する。
【0157】
第22形態によれば、 基板を保持するための基板ホルダと、 前記基板を前記基板ホルダに着脱するための基板着脱部と、 前記基板を保持した前記基板ホルダにめっき処理を施すためのめっき槽と、を備えるめっき装置が提供される。 前記基板ホルダは、 前記基板の第1面を露出するための第1の開口部を有する第1保持部材と、 前記第1保持部材とともに前記基板を挟持して保持するための第2保持部材と、を備える。 前記第1保持部材は、 第1外部接続部と、 前記基板の前記第1面に接触して前記基板の前記第1面に電流を供給するための少なくとも1つの第1基板接点と、 前記第1外部接続部と、前記少なくとも1つの第1基板接点とに接続される第1導電経路部材と、を有し、 前記第1導電経路部材には、前記第1基板接点が取り外し可能に取り付けられ、 前記第1導電経路部材は、前記第1保持部材と前記第2保持部材とでシールされた空間内に配置されており、前記第1保持部材の本体に着脱可能に取り付けられている。この形態によれば、第17形態と同様の作用効果を奏する。
【0158】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。例えば、大型基板の形状は矩形に限定されず、正方形であってもよく、それ以外の多角形形状、例えば、五角形や六角形であってもよい。また、円形形状の基板を基板ホルダに脱着する基板脱着装置にも本発明が適用できることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。