(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブローノズルは、前記ハンドが予め定められた液滴除去位置に配置されたときに、前記ブローノズルの噴射口の延長線上に前記爪部が配置されるように方向付けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、研磨などの処理モジュールを備えた基板処理装置においては、処理モジュールから基板を搬出した後の搬送ロボットのハンドは、液滴が付着してウェットな状態となっている可能性がある。このような状態で、新たに処理すべき次の未処理基板を搬送ロボットがハンドリングすると、ハンド上の液滴が未処理基板の表面に飛び跳ねて付着し、その液滴は自然乾燥によってウォーターマーク(パーティクル)の要因となり得る。ウォーターマークは、純水洗浄のみでは除去できず、プロセス性能に悪い影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、研磨などの処理モジュールに対する基板の搬入および搬出を行う搬送ロボットのハンド上の液滴を除去できる基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による基板処理装置は、
処理液を用いて基板の処理を行う処理モジュールと、
処理前の基板が仮置される仮置台と、
基板をクランプするための爪部が設けられたハンドを有する搬送ロボットであって、前記仮置台に仮置された処理前の基板をクランプして前記処理モジュールに搬入するとともに、処理後の基板を前記処理モジュールから取り出す搬送ロボットと、
前記ハンドの前記爪部に気流を吹き付けるブローノズルと、
を備える。
【0009】
本発明によれば、搬送ロボットが、処理後の基板を処理モジュールから取り出した後、ブローノズルが、ハンドの爪部に気流を吹き付けることで、ハンドの爪部に付着した液滴を吹き飛ばして除去することができる。これにより、搬送ロボットが仮置台に仮置された処理前の別の基板をクランプする際に、当該処理前の基板表面に液滴が付着してウォーターマークの要因となることを防止でき、処理プロセスの歩留まりが高まる。
【0010】
本発明による基板処理装置において、
前記処理モジュールは、ベベル研磨モジュールまたはノッチ研磨モジュールまたは裏面研磨モジュールであってもよい。
【0011】
本発明による基板処理装置において、
前記搬送ロボットは、前記ハンドを2つ有してもよい。
【0012】
このような態様によれば、一方のハンドで処理モジュールから処理後の基板を取り出したのち、ただちに、他方のハンドで処理前の基板を処理モジュールに搬入することが可能であり、基板の搬送効率を高めることができる。
【0013】
本発明による基板処理装置において、
前記2つのハンドは、共通の回転軸を中心に旋回可能であり、
一方のハンドの前記爪部に前記ブローノズルから気流が吹き付けられるとき、他方のハンドは前記一方のハンドと重ならない位相角に配置されてもよい。
【0014】
このような態様によれば、他方のハンドが一方のハンドよりブローノズル側に配置されている場合、一方のハンドに気流が吹き付けられる際に、他方のハンドが気流を遮ってしまうことを防止できる。また、他方のハンドが一方のハンドよりブローノズルとは反対側に配置されている場合、一方のハンドに気流が吹き付けられる際に、一方のハンドから気流により吹き飛ばされた液滴が他方のハンドに付着することを防止できる。
【0015】
本発明による基板処理装置において、
前記ブローノズルは、前記搬送ユニットの上部に設けられていてもよい。
【0016】
本発明による基板処理装置において、
前記ブローノズルは、前記ハンドが予め定められた液滴除去位置に配置されたときに、前記ブローノズルの噴射口の延長線上に前記爪部が配置されるように方向付けられていてもよい。
【0017】
本発明による基板処理装置において、
前記液滴除去位置は、基板の搬送に用いられる搬送空間より高い高さ位置にあってもよい。
【0018】
このような態様によれば、搬送空間周辺の隔壁のうち搬送空間以下の領域には、基板搬送中に濡れている基板またはハンドから飛散した液滴が付着しているが、液滴除去位置が搬送空間より高い高さ位置にあるため、液滴除去位置に配置されたハンドに向かってブローノズルから吹き出される気流は、搬送空間周辺の隔壁に当たったとしても、液滴が付着していない領域に当たることになる。そのため、ブローノズルから吹き付けられる気流が隔壁に付着していた液滴を飛散させ、飛散した液滴がハンドに再付着することを防止できる。
【0019】
本発明による基板処理装置において、
前記ブローノズルの噴射口の向きは可変であってもよい。
【0020】
本発明による基板処理方法は、
基板をクランプするための爪部が設けられたハンドを有する搬送ロボットが、処理前の基板をクランプして処理モジュールに搬入するステップと、
前記処理モジュールが、処理液を用いて基板の処理を行うステップと、
前記搬送ロボットが、処理後の基板を前記処理モジュールから取り出すステップと、
前記搬送ロボットが、処理前の別の基板をクランプする前に、ブローノズルが、前記ハンドの前記爪部に気流を吹き付けるステップと、
を備える。
【0021】
本発明による基板処理方法において、
前記処理モジュールは、ベベル研磨モジュールまたはノッチ研磨モジュールまたは裏面研磨モジュールであってもよい。
【0022】
本発明による基板処理方法において、
前記搬送ロボットは、前記ハンドを2つ有してもよい。
【0023】
本発明による基板処理方法において、
前記2つのハンドは、共通の回転軸を中心に旋回可能であり、
前記ハンドの前記爪部に気流を吹き付けるステップでは、一方のハンドの前記爪部に前記ブローノズルから気流が吹き付けられるとき、他方のハンドは前記一方のハンドと重ならない位相角に配置されてもよい。
【0024】
本発明による基板処理方法において、
前記ブローノズルは、前記仮置台および前記搬送ロボットを含む搬送ユニットの上部に設けられていてもよい。
【0025】
本発明による基板処理方法において、
前記ハンドの前記爪部に気流を吹き付けるステップでは、前記ハンドは、予め定められた液滴除去位置に配置され、
前記ブローノズルは、前記ハンドが予め定められた液滴除去位置に配置されたときに、前記ブローノズルの噴射口の延長線上に前記爪部が配置されるように方向付けられていてもよい。
【0026】
本発明による基板処理方法において、
前記液滴除去位置は、基板の搬送に用いられる搬送空間より高い高さ位置にあってもよい。
【0027】
本発明による基板処理方法において、
前記ブローノズルの噴射口の向きは可変であってもよい。
【0028】
本発明による基板処理方法は、
基板を処理する方法であって、
処理モジュールが、処理液を用いて基板を処理し、
ハンドを有する搬送ロボットが、処理後の基板を前記処理モジュールから取り出して、次のユニットへ搬送した後、
ブローノズルが、前記ハンドに気流を吹き付ける。
【0029】
ここで、「次のユニット」は、特に限定されるものではなく、仮置台であってもよいし、反転機であってもよいし、洗浄ユニットであってもよい。
【0030】
本発明による基板処理方法において、
前記ハンドへの気流の吹き付けは、前記処理モジュールで処理すべき別の基板を前記ハンドがクランプする前に行う。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、研磨などの処理モジュールに対する基板の搬入および搬出を行う搬送ロボットのハンド上の液滴を除去できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0034】
以下に説明する実施の形態では、処理モジュールの一例として、研磨モジュールについて説明するが、処理液を用いて基板を処理するモジュールであれば、これに限定されるものではなく、たとえば、研削装置、フォトレジスト膜塗布装置、エッチング装置などの他のモジュールであってもよいことは言うまでもない。
【0035】
図1は、一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図1における矢印は、基板の搬送方向を示している。
【0036】
図1に示すように、基板処理装置10は、平面視略矩形状のハウジングを備えており、ハウジングの内部は隔壁によって研磨ユニット20と洗浄ユニット30とロード/アンロードユニット40とに区画されている。これらの研磨ユニット20、洗浄ユニット30、およびロード/アンロードユニット40は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気されるものである。また、基板処理装置10には、研磨ユニット20、洗浄ユニット30、およびロード/アンロードユニット40の動作を制御する制御部11(制御盤ともいう)が設けられている。
【0037】
図1に示すように、ロード/アンロードユニット40は、ロード/アンロードユニット40の正面に互いに隣り合って配置された複数(図示された例では4つ)のフロントロード部41と、フロントロード部41の配列方向に沿って移動可能な第1搬送ロボット42とを有している。
【0038】
フロントロード部41には、多数の基板(ウェハ)Wをストックするウェハカセットが載置される。具体的には、たとえば、フロントロード部41には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)が搭載され得る。ここで、SMIF、FOUPは、内部にウェハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0039】
第1搬送ロボット42は、フロントロード部41の配列方向に沿って移動することにより、各フロントロード部41に搭載されたウェハカセットにアクセス可能である。この第1搬送ロボット42は、上下に2つのハンドを有しており、例えば、ウェハカセットに基板Wを戻すときに上側のハンドを使用し、研磨前の基板Wを搬送するときに下側のハンドを使用して、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。
【0040】
図1に示すように、研磨ユニット20は、基板Wの研磨が行われる領域であり、1または複数(図示された例では2つ)の研磨モジュール21a、21bと、研磨前の基板Wが仮置される第1仮置台23と、研磨後の基板Wが仮置される第2仮置台24と、研磨モジュール21a、21bと第1仮置台23と第2仮置台24との間で基板Wを搬送する第2搬送ロボット22(特許請求の範囲の「搬送ロボット」に対応)と、ブローノズル25とを有している。
【0041】
本実施の形態では、研磨モジュール21a、21bは、基板Wの周縁部(ベベル部およびエッジ部)を研磨するベベル研磨モジュールまたはノッチ研磨モジュールである。2つの研磨モジュール21a、21bは、両方ともベベル研磨モジュールであってもよいし、一方がベベル研磨モジュールであって他方がノッチ研磨モジュールであってもよいし、両方ともノッチ研磨モジュールであってもよい。以下、2つの研磨モジュール21a、21bをそれぞれ第1研磨モジュール21a、第2研磨モジュール21bと呼ぶことがある。
【0042】
図2は、第2搬送ロボット22およびブローノズル25を拡大して示す側面図である。
【0043】
図2に示すように、第2搬送ロボット22は、本体部53と、本体部53を基点にして径方向に伸縮可能なアーム52と、アーム52の先端に設けられた上下2つのハンド51a、51bとを有している。本体部53は、研磨ユニット20の上部のフレーム20aに下向きの姿勢で固定されており、アーム52とハンド51a、51bとは、上部のフレーム20aから下方に吊り下げられるように配置されている。
【0044】
アーム52は、本体部53に対して昇降可能かつ旋回可能であって、さらに水平方向である径方向に伸縮可能となっている。また、上下2つのハンド51a、51bは、アーム52の先端に設けられた共通の回転軸Aを中心に、それぞれ独立に旋回可能となっている(
図2および
図4参照)。以下、上下2つのハンド51a、51bのうち上側のハンド51aを第1ハンド、下側のハンド51bを第2ハンドと呼ぶことがある。
【0045】
図3は、第1ハンド51aとブローノズル25との位置関係を説明するための平面図である。
【0046】
図3に示すように、第1ハンド51aは、平面視略「U」字形状を有しており、その先端に基板Wをクランプするための爪部55が設けられている。また、第1ハンド51aの基端側(回転軸A側)には、不図示のシリンダによってスライド可能なクランプ部56が設けられている。第1ハンド51a上の基板Wは、爪部55とクランプ部56との間に挟み込まれて把持されるようになっている。
【0047】
第2ハンド51bの構成は、第1ハンド51aの構成と同様であり、説明を省略する。
【0048】
図2に示すように、ブローノズル25は、研磨ユニット20の上部のフレーム20aに設けられている。図示された例では、ブローノズル25は、上部のフレーム20aを横切るように設けられた梁部20bに対して、ブラケット20cを介して固定されて支持されている。ブローノズル25には、乾燥空気や窒素ガスなどの不活性ガスを供給可能なガス源25sが、不図示のレギュレータやバルブ、流量計などを介して接続されている。
【0049】
図2および
図3に示すように、ブローノズル25は、ハンド51aまたは51bが予め定められた液滴除去位置Pに配置されたときに、ブローノズル25の噴射口の延長線上に爪部55が配置されるように、斜め下向きに方向付けられている。これにより、噴射口から吹き出される気流は、爪部55に効率的に当たることが可能である。
図3に示す矢印は、噴射口から吹き出される気流の向きを示している。
【0050】
図2および
図4に示すように、第2搬送ロボット22は、一方のハンド51aの爪部55にブローノズル25から気流が吹き付けられるとき、他方のハンド51bを一方のハンド51aと平面視において重ならない位相角に配置させるようになっている。
【0051】
図5は、基板Wの搬送に用いられる搬送空間61〜64と液滴除去位置Pとの位置関係を説明するための側面図である。
【0052】
図5において、符号61は、第2搬送ロボット22が第1研磨モジュール21aに対する基板Wの搬送を行う際に、基板Wが通過し得る空間(搬送空間)を示している。符号62は、第2搬送ロボット22が第2研磨モジュール21bに対する基板Wの搬送を行う際に、基板Wが通過し得る空間(搬送空間)を示している。符号63は、第2搬送ロボット22が第1仮置台23に対する基板Wの搬送を行う際に、基板Wが通過し得る空間(搬送空間)を示している。符号64は、第2搬送ロボット22が第2仮置台24に対する基板Wの搬送を行う際に、基板Wが通過し得る空間(搬送空間)を示している。
【0053】
図5に示すように、搬送空間61〜64周辺の隔壁20dのうち搬送空間61〜64の最大高さ以下の領域20eには、基板Wの搬送中に、濡れている基板Wまたはハンド51a、51bから飛散した液滴が付着する可能性がある。これに対し、ハンド51a、51bに気流が吹き付けられる際にハンド51a、51bが配置される液滴除去位置Pは、基板の搬送に用いられる搬送空間61〜64より高い高さ位置、すなわち隔壁20dのうち液滴が付着している領域20eより高い高さ位置に位置決めされている。
【0054】
図1に戻って、洗浄ユニット30は、研磨後の基板Wを洗浄し、さらに乾燥させる領域であり、洗浄モジュール31と、乾燥モジュール32と、複数(図示された例では2つ)の搬送ロボット33、34とを有している。以下、2つの搬送ロボット33、34をそれぞれ第3搬送ロボット33、第4搬送ロボット34と呼ぶことがある。
【0055】
第3搬送ロボット33は、研磨ユニット20の第2仮置台24と洗浄モジュール31との間に配置されており、研磨後の基板Wを第2仮置台24から洗浄モジュール31に搬送する。第4搬送ロボット34は、洗浄モジュール31と乾燥モジュール32との間に配置されており、洗浄後の基板Wを洗浄モジュール31から乾燥モジュール32に搬送する。
【0056】
洗浄モジュール31としては、たとえば、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させて基板Wの表面および裏面に押し付けて基板Wの表面および裏面を洗浄するロールタイプの洗浄モジュールや、半球状のスポンジを回転させながら基板Wに押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄モジュールを用いることができる。乾燥モジュール32としては、たとえば、チャックした基板Wを高速回転させるステージを有しており、基板Wを高速回転させることで洗浄後の基板Wを乾燥させるスピンドライタイプの乾燥モジュールを用いることができる。
【0057】
次に、このような構成からなる基板処理装置10による基板処理方法の一例を説明する。
【0058】
ここでは、研磨ユニット20において、第2研磨モジュール21bでは第1基板W
1の研磨が行われており、第1研磨モジュール21aでは第2基板W
2の研磨が行われている状態から説明する。
【0059】
図1に示すように、まず、ロード/アンロードユニット40において、第1搬送ロボット42が、フロントロード部41のウェハカセットから研磨前の第3基板W
3を取り出して、研磨ユニット20の第1仮置台23に仮置する。
【0060】
第2搬送ロボット22は、(1)第1仮置台23上の研磨前の第3基板W
3を第1ハンド51aでクランプして、第1研磨モジュール21aの手前で待機し、(2)第1研磨モジュール21aでの第2基板W
2の研磨が終わったら、研磨後の第2基板W
2を第2ハンド51bでクランプして第1研磨モジュール21aから取り出したのち、第1ハンド51aでクランプされている第3基板W
3を第1研磨モジュール21aに搬入する。(3)そして、第1研磨モジュール21aは、搬入された第3基板W
3の研磨を開始する。
【0061】
一方、第1搬送ロボット42は、第2搬送ロボット22により第1仮置台23から第3基板W
3が取り除かれたら、フロントロード部41のウェハカセットから研磨前の第4基板W
4を取り出して、研磨ユニット20の第1仮置台23に仮置する。
【0062】
第2搬送ロボット22は、第2研磨モジュール21bでの第1基板W
1の研磨が終わったら、研磨後の第1基板W
1を第1ハンド51aでクランプして第2研磨モジュール21bから取り出したのち、第2ハンド51bでクランプしていた第2基板W
2を第2研磨モジュール21bに搬入する。そして、第2研磨モジュール21bは、搬入された第2基板W
2の研磨を開始する。
【0063】
次いで、第2搬送ロボット22は、第1ハンド51aでクランプしていた第1基板W
1を第2仮置台24に仮置する。ここで、第1ハンド51aは、第2研磨モジュール21bから第1基板W
1を取り出す際に使用されることから、液滴が付着してウェットな状態となっている可能性がある。
【0064】
そこで、第2搬送ロボット22は、第1ハンド51aでクランプしていた第1基板W
1を第2仮置台24に仮置したのち、第1ハンド51aを液滴除去位置Pに配置する(
図2参照)。このとき、第2ハンド51bは、平面視において、第1ハンド51aと重ならない位相角に配置される。
【0065】
ブローノズル25は、液滴除去位置Pに配置された第1ハンド51aの爪部55に向けて気流を吹き付ける。これにより、第1ハンド51aの爪部55から液滴が吹き飛ばされて除去される。また、第2ハンド51bは、第1ハンド51aと重ならない位相角に配置されているため、第1ハンド51aから吹き飛ばされた液滴が第2ハンド51bに付着することが防止される。
【0066】
また、本実施の形態では、
図5に示すように、液滴除去位置Pが搬送空間61〜64より高い高さ位置にあるため、液滴除去位置Pに配置された第1ハンド51aに向かってブローノズル25から吹き出される気流は、搬送空間周辺の隔壁20dに当たったとしても、液滴が付着していない領域に当たることになる。そのため、ブローノズル25から吹き付けられる気流が隔壁20dに付着していた液滴を飛散させ、飛散した液滴が第1ハンド51aに再付着することが防止される。
【0067】
図1を参照し、第2仮置台24に研磨後の第1基板W
1が仮置されると、洗浄ユニット30の第3搬送ロボット33は、研磨後の第1基板W
1を第2仮置台24から洗浄モジュール31に搬送し、洗浄モジュール31は第1基板W
1の洗浄を行う。次いで、第4搬送ロボット34は、洗浄後の第1基板W
1を洗浄モジュール31から乾燥モジュール32に搬送し、乾燥モジュール32は第1基板W
1の乾燥を行う。
【0068】
その後、ロード/アンロードユニット40の第1搬送ロボット42は、乾燥後の第1基板W
1を乾燥モジュール32から取り出してフロントロード部41のウェハカセットに収納する。
【0069】
洗浄ユニット30にて第1基板W
1の洗浄、乾燥が行われている間に、研磨ユニット20の第2搬送ロボット22は、(1)第1仮置台23上の研磨前の第4基板W
4を第1ハンド51aでクランプして、第1研磨モジュール21aの手前で待機し、(2)第1研磨モジュール21aでの第3基板W
3の研磨が終わったら、研磨後の第3基板W
3を第2ハンド51bでクランプして第1研磨モジュール21aから取り出したのち、第1ハンド51aでクランプされている第4基板W
4を第1研磨モジュール21aに搬入する。(3)そして、第1研磨モジュール21aは、搬入された第4基板W
4の研磨を開始する。
【0070】
ここで、第1ハンド51aの爪部55からは液滴が除去されているため、第1仮置台23上の研磨前の第4基板W
4をクランプする際に、研磨前の第4基板W
4の表面に第1ハンド51aから液滴が飛び跳ねて付着することが防止される。
【0071】
以上のように、本実施の形態によれば、第2搬送ロボット22が、研磨後の基板Wを第2研磨モジュール21bから取り出した後、ブローノズル25が、第1ハンド51aの爪部55に気流を吹き付けることで、第1ハンド51aの爪部55に付着した液滴を吹き飛ばして除去することができる。これにより、第2搬送ロボット22が第1仮置台23に仮置された研磨前の別の基板Wをクランプする際に、当該研磨前の基板W表面に液滴が付着してウォーターマークの要因となることを防止でき、研磨プロセスの歩留まりが高まる。
【0072】
また、本実施の形態によれば、第2搬送ロボット22が2つのハンド51a、51bを有しているため、一方のハンド(たとえば第1ハンド51a)で研磨モジュール21a、21bから研磨後の基板Wを取り出したのち、ただちに、他方のハンド(たとえば第2ハンド51b)で研磨前の基板Wを研磨モジュール21a、21bに搬入することが可能であり、基板Wの搬送効率を高めることができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、一方のハンドの爪部55にブローノズル25から気流が吹き付けられるとき、他方のハンドは一方のハンドと重ならない位相角に配置されるため、たとえば、第1ハンド51aが第2ハンド51bよりブローノズル25側(すなわち上側)に配置されている場合、第2ハンド51bに気流が吹き付けられる際に、第1ハンド51aが気流を遮ってしまうことを防止できる。また、第2ハンド51bが第1ハンド51aよりブローノズル25とは反対側(すなわち下側)に配置されている場合、第1ハンド51aに気流が吹き付けられる際に、第1ハンド51aから気流により吹き飛ばされた液滴が第2ハンド51bに付着することを防止できる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、搬送空間周辺の隔壁20dのうち搬送空間以下の領域20eには、基板搬送中に濡れている基板Wまたはハンド51a、51bから飛散した液滴が付着しているが、液滴除去位置Pが搬送空間61〜64より高い高さ位置にあるため、液滴除去位置Pに配置されたハンド51aまたは51bに向かってブローノズル25から吹き出される気流は、搬送空間周辺の隔壁20dに当たったとしても、液滴が付着していない領域に当たることになる。そのため、ブローノズル25から吹き付けられる気流が隔壁20dに付着していた液滴を飛散させ、飛散した液滴がハンド51aまたは51bに再付着することを防止できる。
【0075】
なお、本実施の形態では、液滴除去位置Pに配置されたハンド51a、51bの爪部55が噴射口の延長線上に位置するように、ブローノズル25の向きが固定されていたが、これに限定されず、ブローノズル25の向きは可変であり、ハンド51a、51bが液滴除去位置Pに配置されたときに、ハンド51a、51bの爪部55の位置を認識してその位置に自動的に向けられるように構成されていてもよい。
【0076】
また、本実施の形態では、
図4を参照し、ブローノズル25はブラケット20cに固定されており、下側のハンド51bにブローノズル25から気流を吹き付ける際には、上側のハンド51aにブローノズル25から気流を吹き付ける場合と比べて、ハンド51a、51bおよびアーム52を所定距離(上側のハンド51aと下側のハンド51bとの間の縦方向の間隔)だけ上昇させる必要があったが、これに限定されず、ブローノズル25とブラケット20cとの間に昇降機構が設けられ、下側のハンド51bにブローノズル25から気流を吹き付ける際には、上側のハンド51aにブローノズル25から気流を吹き付ける場合と比べて、ブローノズル25を所定距離(上側のハンド51aと下側のハンド51bとの間の縦方向の間隔)だけ下降させるように構成されていてもよい。また、第2搬送ロボット22が設けられている上部のフレーム20aにブローノズル25を設け、そこから気流をハンド51a、51bに供給するような構成にしてもよい。
【0077】
また、制御部11は、ブローノズル25とガス源25sとの間の流量計(不図示)の数値をモニタリングして、ガス源25sからブローノズル25にガスが適切な流量で供給されていないと判断される場合には、プロセスを停止するように構成されていてもよい。
【0078】
なお、本実施の形態では、研磨モジュール21a、21bが行う基板Wの研磨がベベル研磨またはノッチ研磨であったが、これに限定されるものではなく、エッジ研磨や裏面研磨や研削などであってもよい。
【0079】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて適宜変更・変形することが可能である。