特許第6952598号(P6952598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000002
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000003
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000004
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000005
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000006
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000007
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000008
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000009
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000010
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000011
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000012
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000013
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000014
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000015
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000016
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000017
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000018
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000019
  • 特許6952598-動物用の吸収性物品 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952598
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】動物用の吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20211011BHJP
【FI】
   A01K23/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-248469(P2017-248469)
(22)【出願日】2017年12月25日
(65)【公開番号】特開2019-110861(P2019-110861A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰生
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3141793(JP,U)
【文献】 特開2007−175031(JP,A)
【文献】 特開2015−228856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の背部に装着される支持体によって支持されながら、動物の腹部に装着される動物用の吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する長手方向と、前記長手方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する幅方向とを有するとともに、前記長手方向及び前記幅方向の各々の中央軸線が交わる中央部を含む位置に配置された吸収体と、前記長手方向の両端部の各々において前記幅方向に延在し且つ前記支持体に対して着脱自在に係合する係合部とを有し、
前記係合部の各々は、前記吸収体の幅方向長さ以上の幅方向長さを有する、前記吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、
前記係合部の各々は、前記胴体非対向面に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、前記係合部の各々は、前記胴体対向面に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、
前記長手方向の両端部の各々に配置された前記係合部のうち、一方の前記係合部は前記胴体非対向面に配置され、他方の前記係合部は前記胴体対向面に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記係合部の各々は、前記長手方向の両端部において、それぞれ前記吸収性物品の長手方向端縁を含む位置に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品は、平面視にて、前記吸収体と前記係合部との間に相対的に剛性の低い低剛性部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品は、前記吸収体と前記係合部とが厚さ方向に重なる重複部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記係合部の各々は、フック部材によって形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セット。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セットであって、
前記支持体は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する第1方向と、前記第1方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する第2方向とを有するとともに、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有し、
さらに、前記支持体は、前記第1方向の両端部の前記胴体対向面においてそれぞれ前記第2方向に延在し且つ前記吸収性物品の対応する前記係合部の各々と着脱自在に係合する、フック部材からなる支持体側係合部を有する、前記排泄物処理セット。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セットであって、
前記支持体は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する第1方向と、前記第1方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する第2方向とを有するとともに、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有し、
さらに、前記支持体は、前記第1方向の両端部の前記胴体非対向面においてそれぞれ前記第2方向に延在し且つ前記吸収性物品の対応する前記係合部の各々と着脱自在に係合する、フック部材からなる支持体側係合部を有する、前記排泄物処理セット。
【請求項12】
前記支持体側係合部の各々は、前記第1方向の両端部において、それぞれ前記支持体の第1方向端縁を含む位置に配置されている、請求項10又は11に記載の排泄物処理セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用使い捨ておむつ等の、動物の腹部に装着される動物用の吸収性物品であって、特に、動物の背部に装着される支持体によって支持されながら用いられる動物用の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットが排泄した排泄物を吸収して保持するための動物用の吸収性物品として、動物の排泄口を覆うようにして動物の腹部に配置される使い捨ておむつが知られている。
【0003】
そのような動物用の吸収性物品として、例えば、特許文献1には、ペットの腹部だけを覆う紙おむつと、それをペットに固定するための専用サスペンダーが開示されている。この特許文献1に開示された紙おむつ及び専用サスペンダーによれば、紙おむつのみを使い捨てとし、サスペンダーは繰り返し利用できるため、コストを軽減することができる等の利点があるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−330246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された紙おむつでは、上述の専用サスペンダーが紙おむつの長手方向の両端部をそれぞれ幅方向(すなわち、動物の前後方向に対応する方向)に離間する2つのクリップで保持するものであるため、紙おむつ及びサスペンダーの装着時に動物が動いたりすると、サスペンダーの2つのクリップが動物の前後方向において互いに近づくようにずれてしまい、それに伴って2つのクリップに保持された紙おむつも、皺や襞を寄せ集めながら動物の前後方向に縮められてしまう虞があった。特に、紙おむつの吸収体がこのように動物の前後方向に縮められて、ヨレや潰れが生じてしまうと、吸収体の吸収性能が十分に発揮されないばかりか、紙おむつに動物の胴周り方向に沿った複数の大きな皺や襞が形成されてしまい、動物の腹部表面と紙おむつとの間に隙間が形成され易くなるため、かかる隙間を介して動物の排泄物が外部へ漏出し易くなる。
【0006】
そこで、本発明は、動物の背部に装着される支持体によって支持されながら、動物の腹部に装着される動物用の吸収性物品であって、装着時に動物が動いたりするような場合でも、吸収性物品が動物の前後方向に縮み難く、動物の排泄物を外部へ漏出し難くすることのできる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様(態様1)は、動物の背部に装着される支持体によって支持されながら、動物の腹部に装着される動物用の吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する長手方向と、前記長手方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する幅方向とを有するとともに、前記長手方向及び前記幅方向の各々の中央軸線が交わる中央部を含む位置に配置された吸収体と、前記長手方向の両端部の各々において前記幅方向に延在し且つ前記支持体に対して着脱自在に係合する係合部とを有し、
前記係合部の各々は、前記吸収体の幅方向長さ以上の幅方向長さを有する、前記吸収性物品である。
【0008】
本態様の吸収性物品は、長手方向の両端部の各々において幅方向に延在する係合部の各々が、吸収体の幅方向長さ以上の幅方向長さを有しているため、かかる係合部において、幅方向の剛性(具体的には、幅方向に圧縮するように掛かる力に抗する剛性)を少なくとも吸収体の幅方向長さ以上の範囲で確保し易くなり、吸収性物品の装着時に動物が動いたりしても、吸収性物品を動物の前後方向に縮み難くし、吸収体の幅方向(すなわち、動物の前後方向に対応する方向)におけるヨレや潰れを生じ難くすることができる。これにより、本態様の吸収性物品は、装着時において、吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができるばかりか、吸収性物品に動物の胴周り方向に沿った複数の大きな皺や襞が形成され難くなり、動物の腹部表面と吸収性物品との間に皺や襞に起因する隙間が形成され難くなるため、吸収性物品が動物の腹部に密着した状態を維持し易く、結果的に動物の排泄物が外部へ漏出し難くなる。
【0009】
なお、本明細書においては、吸収性物品や支持体等の対象物が所定の方向(例えば、幅方向等)に複数の皺や襞を寄せ集めながら縮むことを「ヨレる」と称し、このように縮む変形を「ヨレ」と称することがある。
【0010】
また、本発明の別の態様(態様2)では、上記態様1の吸収性物品において、前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、前記係合部の各々は、前記胴体非対向面に配置されている。
【0011】
本態様の吸収性物品は、係合部が胴体非対向面に配置されているため、吸収性物品と支持体を動物の胴体に装着する際に、支持体が吸収性物品の胴体非対向面における係合部を背部側から覆い隠すように係合することとなり、かかる吸収性物品を装着された動物や他の動物が吸収性物品を剥がし難くなるとともに、吸収性物品の長手方向(すなわち、動物の胴周り方向に対応する方向)の両端部が動物の胴体表面に対して相対的に近位側に位置することで、動物から排出された尿などの排泄物が吸収性物品を伝って動物の胴周り方向に拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができる。これにより、本態様の吸収性物品は、上述の排泄物の漏出をより安定的且つ確実に生じ難くすることができる。
【0012】
本発明の更に別の態様(態様3)では、上記態様1の吸収性物品において、前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、前記係合部の各々は、前記胴体対向面に配置されている。
【0013】
本態様の吸収性物品は、係合部が胴体対向面に配置されているため、吸収性物品と支持体を動物の胴体に装着する際に、支持体を動物の背部に配置してから、吸収性物品を動物の腹部から胴周りに沿わせて配置し、係合部を支持体の胴体非対向面に係合させることとなり、動物の毛を支持体で押さえながら吸収性物品を係合固定することで、吸収性物品と支持体の係合部分に動物の毛を巻き込まないようにして吸収性物品を動物の腹部に装着することができる。これにより、本態様の吸収性物品は、動物の腹部に対してより精度よく、より的確に装着することができ、動物の排泄物の漏出を更に生じ難くすることができる。
【0014】
本発明の更に別の態様(態様4)では、上記態様1の吸収性物品において、前記吸収性物品は、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有していて、前記長手方向の両端部の各々に配置された前記係合部のうち、一方の前記係合部は前記胴体非対向面に配置され、他方の前記係合部は前記胴体対向面に配置されている。
【0015】
本態様の吸収性物品は、一方の係合部が胴体非対向面に配置され、他方の係合部が胴体対向面に配置されているため、例えば、寝たきり等の横たわった状態の動物に対して吸収性物品と支持体を装着する際に、吸収性物品の胴体非対向面に配置された一方の係合部が横たわった状態の動物の胴体の下側に位置するように装着することで、動物の胴体の下側においては、吸収性物品の長手方向における一方の端部が動物の胴体表面に対して相対的に近位側に位置し、動物から排出された尿などの排泄物が吸収性物品を伝って動物の胴体の下側へ向かって拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができる一方、横たわった状態の動物の胴体の上側においては、吸収性物品の胴体対向面に配置された他方の係合部が支持体の胴体非対向面に係合されることで、横たわった状態の動物の胴体に対する吸収性物品の密着状態や締め付け状態、位置等を調節し易く、より適切な状態で吸収性物品を動物の胴体に装着することができる。これにより、本態様の吸収性物品は、寝たきり等の横たわった状態の動物に対しても、吸収性物品を適切に装着することができ、上述の吸収性物品によって奏される作用効果を的確且つ効果的に発揮することができる。
【0016】
本発明の更に別の態様(態様5)では、上記態様1〜4のいずれかの吸収性物品において、前記係合部の各々は、前記長手方向の両端部において、それぞれ前記吸収性物品の長手方向端縁を含む位置に配置されている。
【0017】
本態様の吸収性物品は、係合部がそれぞれ吸収性物品の長手方向端縁を含む位置に配置されているため、吸収性物品の装着時に、長手方向端縁の捲れ及びそれに起因する吸収性物品の位置ずれや剥落等を更に生じ難くすることができる。これにより、本態様の吸収性物品は、上述の吸収性物品によって奏される作用効果や機能を、より長期にわたって安定的に発揮することができる。
【0018】
本発明の更に別の態様(態様6)では、上記態様1〜5のいずれかの吸収性物品において、前記吸収性物品は、平面視にて、前記吸収体と前記係合部との間に相対的に剛性の低い低剛性部を有する。
【0019】
本態様の吸収性物品は、平面視にて、吸収体と係合部の間に低剛性部を有しているため、吸収性物品の装着時において、動物の動作等によって吸収性物品に掛かる力や変形を、かかる低剛性部が変形することによって緩衝することができる。これにより、本態様の吸収性物品は、装着時において動物の腹部に密着した状態を維持し易く、また、吸収性物品の位置ずれをより生じ難くすることができるため、上述の吸収性物品による作用効果を更に安定的に発揮することができる。
【0020】
本発明の更に別の態様(態様7)では、上記態様1〜5のいずれかの吸収性物品において、前記吸収性物品は、前記吸収体と前記係合部とが厚さ方向に重なる重複部を有する。
【0021】
本態様の吸収性物品は、吸収体と係合部が厚さ方向に重なる重複部を有しているため、吸収性物品及び支持体の装着時に、支持体から重複部を介して吸収性物品の吸収体に至るまで、動物の胴周り方向に沿って連続的に所定の剛性(具体的には、動物の前後方向に圧縮するように掛かる力に抗する剛性)を確保し易く、吸収性物品を動物の前後方向に更に縮み難くすることができる。これにより、本態様の吸収性物品は、排泄物の漏出をより確実に生じ難くすることができる。
【0022】
本発明の更に別の態様(態様8)では、上記態様1〜7のいずれかの吸収性物品において、前記係合部の各々は、フック部材によって形成されている。
【0023】
本態様の吸収性物品は、係合部がフック部材によって形成されているため、相対的に剛性の高いフック部材によって係合部の剛性を確保し易くなり、吸収性物品を動物の前後方向に更に縮み難くすることができる。
さらに、吸収性物品の係合部がフック部材によって形成されていると、当該フック部材と係合する支持体の係合部(支持体側係合部)が、フック部材の係合突起を受け入れる受容部材(例えば、ループ部材等)によって形成されることとなり、かかる受容部材は、通常、フック部材と比べて、繰り返し行われる係合部材の着脱動作に対して耐久性が高い(すなわち、構造破壊を生じ難い)ため、上述の支持体をより長期にわたって繰り返し使用することができるという利点もある。
なお、係合部がフック部材によって形成された吸収性物品は、使用される度に廃棄されるものであるため、吸収性物品を動物に装着する際は、通常、新しい吸収性物品のフック部材が支持体側係合部(例えば、ループ部材等の受容部材)と係合することとなり、上述の吸収性物品によって奏される作用効果を安定的に発揮することができる。
【0024】
本発明の更に別の態様(態様9)では、上記態様1〜8のいずれかの吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セットである。
【0025】
本態様の排泄物処理セットによれば、吸収性物品として上記態様1〜8のいずれかの吸収性物品を用いていて、吸収性物品が動物の前後方向に縮み難く、吸収性物品に動物の胴周り方向に沿った複数の大きな皺や襞が形成され難くなっているため、動物の腹部表面と吸収性物品との間に皺や襞に起因する隙間が形成され難く、結果的に排泄物を外部へ漏出し難くすることができる。
【0026】
本発明の更に別の態様(態様10)では、上記態様1〜7のいずれかの吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セットであって、
前記支持体は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する第1方向と、前記第1方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する第2方向とを有するとともに、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有し、
さらに、前記支持体は、前記第1方向の両端部の前記胴体対向面においてそれぞれ前記第2方向に延在し且つ前記吸収性物品の対応する前記係合部の各々と着脱自在に係合する、フック部材からなる支持体側係合部を有する、前記排泄物処理セットである。
【0027】
本態様の排泄物処理セットは、支持体が第1方向の両端部の胴体対向面において支持体側係合部を有しているため、吸収性物品と支持体を動物の胴体に装着する際に、支持体の支持体側係合部が吸収性物品の胴体非対向面における係合部を背部側から覆い隠すように係合することとなり、かかる吸収性物品を装着された動物や他の動物が吸収性物品を剥がし難くなるとともに、吸収性物品の長手方向(すなわち、動物の胴周り方向に対応する方向)の両端部が動物の胴体表面に対して相対的に近位側に位置することで、動物から排出された尿などの排泄物が吸収性物品を伝って動物の胴周り方向に拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができる。
さらに、本態様の排泄物処理セットは、支持体側係合部が第2方向(すなわち、動物の前後方向に対応する方向)に延在するフック部材からなるため、相対的に剛性の高いフック部材によって支持体側係合部の第2方向における剛性を確保し易く、かかる支持体側係合部に係合固定される吸収性物品を動物の前後方向に更に縮み難くすることができる。
以上より、本態様の排泄物処理セットは、動物の排泄物の漏出をより安定的且つ確実に生じ難くすることができる。
【0028】
本発明の更に別の態様(態様11)では、上記態様1〜7のいずれかの吸収性物品と、前記支持体とを含む、動物用の排泄物処理セットであって、
前記支持体は、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向に対応する第1方向と、前記第1方向と直交し且つ装着時に動物の前後方向に対応する第2方向とを有するとともに、厚さ方向において、装着時に動物の胴体に対向する胴体対向面と、前記胴体対向面とは反対側の胴体非対向面とを有し、
さらに、前記支持体は、前記第1方向の両端部の前記胴体非対向面においてそれぞれ前記第2方向に延在し且つ前記吸収性物品の対応する前記係合部の各々と着脱自在に係合する、フック部材からなる支持体側係合部を有する、前記排泄物処理セットである。
【0029】
本態様の排泄物処理セットは、支持体が第1方向の両端部の胴体非対向面において支持体側係合部を有しているため、吸収性物品と支持体を動物の胴体に装着する際に、支持体を動物の背部に配置してから、吸収性物品を動物の腹部から胴周りに沿わせて配置し、係合部を支持体の胴体非対向面に係合させることとなり、動物の毛を支持体で押さえながら吸収性物品を係合固定することで、吸収性物品と支持体の係合部分に動物の毛を巻き込まないようにして吸収性物品を動物の腹部に装着することができる。
さらに、本態様の排泄物処理セットは、支持体側係合部が第2方向(すなわち、動物の前後方向に対応する方向)に延在するフック部材からなるため、相対的に剛性の高いフック部材によって支持体側係合部の第2方向における剛性を確保し易く、かかる支持体側係合部に係合固定される吸収性物品を動物の前後方向に更に縮み難くすることができる。
以上より、本態様の排泄物処理セットは、動物の腹部に対してより精度よく、より的確に装着することができ、動物の排泄物の漏出をより一層生じ難くすることができる。
【0030】
本発明の更に別の態様(態様12)では、上記態様10又は11の排泄物処理セットにおいて、前記支持体側係合部の各々は、前記第1方向の両端部において、それぞれ前記支持体の第1方向端縁を含む位置に配置されている。
【0031】
本態様の排泄物処理セットは、支持体側係合部がそれぞれ支持体の第1方向端縁を含む位置に配置されているため、吸収性物品及び支持体の装着時に、支持体の第1方向端縁における捲れ及びそれに起因する支持体及び吸収性物品の位置ずれや剥落等を更に生じ難くすることができる。これにより、本態様の排泄物処理セットは、上述の排泄物処理セットによって奏される作用効果を、より長期にわたって安定的に発揮することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、動物の背部に装着される支持体によって支持されながら、動物の腹部に装着される動物用の吸収性物品であって、装着時に動物が動いたりするような場合でも、吸収性物品が動物の前後方向に縮み難く、動物の排泄物を外部へ漏出し難くすることのできる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1と支持体2とが雄犬に装着された状態を示す模式図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1を、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図3図3は、図2の使い捨ておむつ1のIII−III線に沿った断面図である。
図4図4は、図2の使い捨ておむつ1のIV−IV線に沿った断面図である。
図5図5は、使い捨ておむつ1を動物の背部側から支持するための支持体2を、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図である。
図6図6は、図5の支持体2のVI−VI線に沿った断面図である。
図7図7は、使い捨ておむつ1を支持体2に固定した状態を模式的に示す斜視図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る使い捨ておむつ1Aを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図9図9は、使い捨ておむつ1Aを支持体2Aに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
図10図10は、本発明の第3実施形態に係る使い捨ておむつ1Bを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図11図11は、使い捨ておむつ1Bを支持体2Bに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、本発明の第4実施形態に係る使い捨ておむつ1Cを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図13図13は、使い捨ておむつ1Cを支持体2Cに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
図14図14は、本発明の第5実施形態に係る使い捨ておむつ1Dを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図15図15は、使い捨ておむつ1Dを動物の背部側から支持するための支持体2Dを、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図である。
図16図16は、使い捨ておむつ1Dを支持体2Dに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
図17図17は、本発明の第6実施形態に係る使い捨ておむつ1Eを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。
図18図18は、使い捨ておむつ1Eを動物の背部側から支持するための支持体2Eを、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図である。
図19図19は、使い捨ておむつ1Eを支持体2Eに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の動物用の吸収性物品の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、使い捨ておむつ(吸収性物品)、支持体等)を、垂直方向の上方側から対象物の厚さ方向に見ること」を単に「平面視」という。特に、対象物が吸収性物品の場合は、「吸収性物品を胴体対向面側(すなわち、表面シート側)から厚さ方向に見ること」を単に「平面視」といい、対象物が支持体の場合は、「支持体を胴体非対向面側(すなわち、外側表面材側)から厚さ方向に見ること」を単に「平面視」という。
【0035】
本明細書で用いられる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「長手方向」は、「平面視における縦長の対象物(例えば、吸収性物品等)の長さの長い方向」を指し、「幅方向」は、「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向(短手方向)」を指し、「厚さ方向」は、「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指し、これらの長手方向、幅方向及び厚さ方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。
さらに、本明細書では、「平面視にて、対象物(例えば、吸収性物品、支持体等)の幅方向又は第2方向の中央に位置し且つ前記幅方向又は第2方向に直交する長手方向又は第1方向に延びる軸線」を「長手方向又は第1方向の中央軸線」といい、「平面視にて、対象物の長手方向又は第1方向の中央に位置し且つ前記長手方向又は第1方向に直交する幅方向又は第2方向に延びる軸線」を「幅方向又は第2方向の中央軸線」という。これに関連して、「平面視にて、対象物の長手方向又は第1方向において、幅方向又は第2方向の中央軸線に対して相対的に近位側」を「長手方向又は第1方向の内方側」といい、「平面視にて、対象物の長手方向又は第1方向において、幅方向又は第2方向の中央軸線に対して相対的に遠位側」を「長手方向又は第1方向の外方側」という。同様に、「平面視にて、対象物の幅方向又は第2方向において、長手方向又は第1方向の中央軸線に対して相対的に近位側」を「幅方向又は第2方向の内方側」といい、「平面視にて、対象物の幅方向又は第2方向において、長手方向又は第1方向の中央軸線に対して相対的に遠位側」を「幅方向又は第2方向の外方側」という。
また、本明細書では、「支持体及び吸収性物品の装着対象である動物の胴体が延びる方向」を「動物の前後方向」といい、さらに、「動物の前後方向において、動物の頭部に対して相対的に近位側」を「動物の前方側」といい、「動物の前後方向おいて、動物の頭部に対して相対的に遠位側」を「動物の後方側」という。また、本明細書では、「支持体及び吸収性物品の装着対象である動物の腹部及び背部を含む胴体周りに沿う方向」を「動物の胴周り方向」という。
【0036】
そして、本明細書では、特に断りのない限り、「対象物の厚さ方向において、対象物を動物の胴体に装着したときに、動物の胴体に対して相対的に近位側となる一方の面」を「胴体対向面」といい、「対象物の厚さ方向において、対象物を動物の胴体に装着したときに、動物の胴体に対して相対的に遠位側となる他方の面」を「胴体非対向面」という。ここで、「装着したとき」とは、「動物が対象物を装着した時点(すなわち、対象物が使用可能な状態を形成した時点)からその状態を維持している間(装着している間)」を意味し、本明細書では、この「装着したとき」を単に「装着時」と称することがある。
【0037】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1と支持体2とが雄犬に装着された状態を示す模式図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1を、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図である。さらに、図3は、図2の使い捨ておむつ1のIII−III線に沿った断面図であり、図4は、図2の使い捨ておむつ1のIV−IV線に沿った断面図である。
【0038】
本第1実施形態の動物用の使い捨ておむつ1(本発明の「吸収性物品」の一例である。)は、図1に示すように、雄犬などの動物の腹部に対して、少なくとも排泄物を排出する動物の排出器官の排泄口を覆うように配置されて、動物から排出される尿などの排泄物を吸収して保持するための吸収性物品である。なお、使い捨ておむつ1は、長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16を、これらの各端部に配置された一方側の係合部17及び他方側の係合部18を用いて、後述する支持体2の第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24にそれぞれ着脱自在に係合固定することにより動物に装着される。
【0039】
使い捨ておむつ1は、複数のシート状の構成部材(すなわち、表面シート11、裏面シート12、吸収体13、バックフィルム12B、一対のサイドシート等)が厚さ方向Tに積層されたシート状の積層体であり、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向Dに対応する長手方向Lと、該長手方向Lと直交し且つ装着時に動物の前後方向DFに対応する幅方向Wとを有するとともに、全体として長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有している。
【0040】
なお、本発明において、吸収性物品の外形形状や各種寸法等は、動物から排出された尿などの排泄物を吸収して保持し得るものであれば特に制限されず、動物の種類や体型、サイズ等に応じた任意の外形形状(例えば、楕円形や四隅の各々が円弧状の略長方形、長手方向の中央部が幅方向の外方側に膨出した形状(クラウン形状)、長手方向の中央部が幅方向の内方側に窪んだ形状(逆クラウン形状)など)や寸法等を採用することができる。
【0041】
本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、図2乃至図4に示すように、装着時に動物の胴体と対抗する胴体対向面Fと、厚さ方向Tにおいて胴体対向面Fの反対側に位置する胴体非対向面Fとを有しており、さらに、厚さ方向Tにおいて、胴体対向面F側に位置する表面シート11と、胴体非対向面F側に位置する裏面シート12と、これらのシートの間に位置する吸収体13と、を基本構成として備えている。
なお、この使い捨ておむつ1においては、図2乃至図4に示すように、厚さ方向Tにおいて表面シート11の胴体対向面F側に位置し且つ幅方向Wの両端部の各々において長手方向Lに延在する一対のサイドシート(具体的には、幅方向Wの一方側のサイドシート14及び他方側のサイドシート14’)と、厚さ方向Tにおいて裏面シート12の胴体非対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16の各々において幅方向Wに延在する一対の係合部(具体的には、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18)と、吸収体13及び裏面シート12の間に位置するバックフィルム12Bと、を更に備えている。
【0042】
ここで、使い捨ておむつ1の吸収体13は、図2に示すように、平面視にて、所定の長手方向長さ及び幅方向長さ(B)を有する縦長の矩形状の外形形状を有し、使い捨ておむつ1の長手方向L及び幅方向Wの各々の中央軸線(すなわち、長手方向Lの中央軸線Cと幅方向Wの中央軸線C)が交わる中央部を含む位置に配置されて、動物から排出される尿などの排泄物を的確に吸収し、保持することができる吸水性部材によって構成されている。なお、本発明において、吸収性物品の吸収体が配置される平面視位置は、上述の中央部を含む位置であれば特に制限されず、例えば、平面視にて長手方向の一方側又は他方側に偏って配置されていてもよい。
【0043】
そして、本第1実施形態の使い捨ておむつ1においては、上述の長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々が、吸収体13の幅方向長さ(B)以上の幅方向長さ(A)を有している。
このように、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々が吸収体13の幅方向長さ(B)以上の幅方向長さ(A)を有しているため、かかる係合部17、18において、幅方向Wの剛性(具体的には、幅方向Wに圧縮するように掛かる力に抗する剛性)を少なくとも吸収体の幅方向長さ(B)以上の範囲で確保し易く、使い捨ておむつ1の装着時に動物が動いたりしても、当該使い捨ておむつ1を動物の前後方向Dに縮み難くすることができ、吸収体13の幅方向W(すなわち、動物の前後方向Dに対応する方向)におけるヨレや潰れを生じ難くすることができる。これにより、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、装着時において、吸収体13の吸収性能を十分に発揮させることができるばかりか、使い捨ておむつ1に動物の胴周り方向Dに沿った複数の大きな皺や襞が形成され難くなり、動物の腹部表面と使い捨ておむつ1との間に皺や襞に起因する隙間が形成され難くなるため、使い捨ておむつ1が動物の腹部に密着した状態を維持し易く、結果的に動物の排泄物が外部へ漏出し難くなっている。
【0044】
ここで、本発明の動物用の吸収性物品が適用される「動物」は、腹部に排泄物を排出するための排出器官を有する四肢動物(四足動物)であれば特に限定されず、上述の第1実施形態のような雄犬のほか、例えば、雄猫や牡馬等の様々な動物を対象とすることができる。なお、本発明の吸収性物品(例えば、使い捨ておむつや失禁パッド等)が吸収及び保持する対象の排泄物は、特に制限されず、例えば、尿や血液等の各種排泄物が挙げられる。
【0045】
<動物用の吸収性物品>
以下、本発明の動物用の吸収性物品を構成する各種部材について、上述の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1を用いて更に詳細に説明する。
【0046】
[表面シート]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、表面シート11は、図2乃至図4に示すように、平面視にて、使い捨ておむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有し、図3及び図4に示すように使い捨ておむつ1の厚さ方向Tの胴体対向面F側に配置されて、装着対象となる動物の胴体に直に接触し得る液透過性のシート状部材によって構成されている。本発明において、かかる液透過性のシート状部材は、動物用の吸収性物品の表面シートとして用い得る諸特性(例えば、液透過性や柔軟性、肌触り、強度等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、スパンレース不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS不織布等)などの任意の不織布を用いることができる。さらに、表面シートとして用い得る不織布の構造は、特に制限されず、平坦な無孔の不織布のほか、例えば、有孔の不織布、凹凸構造(断面形状が波形となる凹凸構造や畝溝構造等)を有する不織布なども好適に用いることができる。また、かかる不織布に用いられる構成繊維の種類も特に制限されず、例えば、セルロース系繊維;親水化処理を施したオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維などの親水性繊維が挙げられ、これらの繊維は単独で用いても、二種類以上の繊維を併用してもよい。
【0047】
本発明において、表面シートの外形形状や各種寸法等は、動物用の吸収性物品の表面シートとして用い得るものであれば特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができる。また、表面シートの坪量も、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、5g/m2〜100g/m2の範囲内の坪量を採用することができるが、液透過性や柔軟性などの点から6g/m2〜50g/m2の範囲内の坪量が好ましい。なお、坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定することができる。
【0048】
さらに、表面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.001mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、液透過性や柔軟性などの点から0.01mm〜3.0mmの範囲内の厚みが好ましく、さらに、0.1mm〜1.0mmの範囲内の厚みがより好ましい。
【0049】
[裏面シート]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、裏面シート12は、図2乃至図4に示すように、平面視にて、使い捨ておむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有し、図3及び図4に示すように使い捨ておむつ1の厚さ方向Tの胴体非対向面F側に配置されて、装着対象となる動物から排出される尿などの排泄物の漏出を防ぐように機能する液不透過性のシート状部材によって構成されている。本発明において、かかる液不透過性のシート状部材は、動物用の吸収性物品の裏面シートとして用い得る諸特性(例えば、液不透過性や通気性、柔軟性、強度等)を有するものであれば特に制限されず、例えば、疎水性を有する不織布、SMS積層不織布、液不透過性のプラスチック製フィルム、及びこれらのシートを任意に組み合わせた積層シートなどの任意の液不透過性のシート状部材を用いることができる。
【0050】
本発明において、裏面シートの外形形状や各種寸法等は、動物用の吸収性物品の裏面シートとして用い得るものであれば特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができる。また、裏面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.001mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、液不透過性や柔軟性、通気性などの点から0.003mm〜3.0mmの範囲内の厚みが好ましく、更には、0.01mm〜1.0mmの範囲内の厚みがより好ましい。
【0051】
[吸収体]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、吸収体13は、図2乃至図4に示すように、平面視にて、所定の長手方向長さ及び幅方向長さ(B)を有する縦長の矩形状の外形形状を有し、使い捨ておむつ1の長手方向Lの中央軸線C及び幅方向Wの中央軸線Cが交わる中央部を含む位置に配置され、且つ、使い捨ておむつ1の厚さ方向Tにおいて表面シート11と裏面シート12との間に配置されて、動物から排出される尿などの排泄物を的確に吸収し、保持することのできる吸水性部材によって構成されている。なお、本発明において、吸収体の外形形状や各種寸法等は、動物から排出された尿などの排泄物を吸収して保持し得るものであれば特に制限されず、動物の種類や体型、サイズ等に応じた任意の外形形状(例えば、楕円形や四隅の各々が円弧状の略長方形、長手方向の中央部が幅方向の外方側に膨出した形状(クラウン形状)、長手方向の中央部が幅方向の内方側に窪んだ形状(逆クラウン形状)など)や各種寸法等を採用することができる。
なお、本明細書において、吸収体の幅方向長さは、平面視にて、吸収体における幅方向の長さが最も大きい部分の幅方向長さをいい、吸収体の幅方向長さが一定の場合には、その一定の幅方向長さをいう。
【0052】
本発明において、吸収体を構成する吸水性部材は、動物用の吸収性物品の吸収体として用い得る諸特性(例えば、吸水性や液保持性、柔軟性、強度等)を有するものであれば特に制限されず、当分野において公知の任意の吸水性部材を用いることができる。そのような吸水性部材の例としては、パルプ等の吸水性繊維及び/又は高吸収性ポリマーを含む吸収性材料からなる吸収コアを、少なくとも1枚の親水性を有する液透過性の被覆シート(例えば、ティッシュ等)によって覆ったものなどが挙げられる。
【0053】
なお、吸収体の厚みや坪量等は、動物用の吸収性物品の吸収体として用い得るものであれば特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の厚みや坪量等を採用することができる。
【0054】
[サイドシート]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、一対のサイドシート(すなわち、幅方向Wの一方側のサイドシート14及び他方側のサイドシート14’)は、図2乃至図4に示すように、表面シート11の胴体対向面F側に位置し且つ幅方向Wの一方側端部19及び他方側端部19’の各々において長手方向Lに延在するように配置されている。この一対のサイドシートは、平面視にて、それぞれ長手方向Lに長い帯状の疎水性シート状部材によって構成されていて、さらに、かかる一対のサイドシートの各々は、幅方向Wの外方側に位置する端部(以下、「幅方向Wの外方側の端部」という。)の胴体非対向面F側の表面が、それぞれ表面シート11及び裏面シート12の胴体対向面F側の表面に接合されている一方、幅方向Wの内方側に位置する端部(以下、「幅方向Wの内方側の端部」という。)の胴体非対向面F側の表面は、いずれのシート状部材(例えば、表面シート11や裏面シート12等)とも接合されていない。したがって、一対のサイドシートは、図3に示すように、使い捨ておむつ1の幅方向Wの外方側の端部が固定端部となっている一方、幅方向Wの内方側の端部が自由端部となっていて、起立し得るため、動物から排出される尿などの排泄物の漏出を防ぐ、防漏壁として機能することができる。
なお、上述の第1実施形態では、上記一対のサイドシートの幅方向Wの外方側の端部は、図3に示すように、使い捨ておむつ1の幅方向Wの一方側端縁19Eの近傍部分及び他方側端縁19’Eの近傍部分の各々において、それぞれ裏面シート12と接合されており、さらに、この一対のサイドシートと裏面シート12との間には、使い捨ておむつ1に長手方向Lの収縮力を付与する側部弾性部材EMが配置されている。この側部弾性部材EMについては、後述する。
【0055】
また、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、幅方向Wの一方側のサイドシート14及び他方側のサイドシート14’の各々は、図2及び図3に示すように、幅方向Wの内方側の端部がそれぞれ表面シート11側に向かって折り畳まれていて、その折り畳まれた端部に挟まれるようにして、長手方向Lに延びる糸状の弾性部材14E、14’Eがそれぞれ配置されている。ここで、図7は、使い捨ておむつ1を支持体2に固定した状態を模式的に示す斜視図である。上述の幅方向Wの一方側のサイドシート14及び他方側のサイドシート14’の各々がこのように構成されていると、使い捨ておむつ1を動物の腹部に装着する際に、各サイドシートの幅方向Wの内方側の端部が、弾性部材14E、14’Eの収縮作用によって表面シート11側から起立して、図7に示すような立体ギャザーGを形成することができるため、動物から排出される排泄物の漏出を更に一層生じ難くすることができる。
【0056】
本発明において、動物用の吸収性物品のサイドシートとして用い得る帯状の疎水性シート状部材は、吸収性物品の防漏壁として機能し得るものであれば、特に制限されず、例えば、撥水性や疎水性を有する任意の不織布(例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、メルトブローン不織布、エアスルー不織布等)を帯状に裁断したものなどを用いることができる。さらに、このような不織布の構成繊維も特に制限されず、例えば、ポリオレフィン系繊維やポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維のほか、レーヨンや綿等のセルロース系繊維なども用いることができる。
【0057】
なお、本発明において、吸収性物品の一対のサイドシートの態様は、特に限定されず、例えば、一対のサイドシートは、吸収性物品の装着時に動物の前方側に対応する幅方向の一方側のサイドシートを、上述の第1実施形態のサイドシート14のように弾性部材を配置して立体ギャザーを形成し得るように構成し、吸収性物品の装着時に動物の後方側に対応する幅方向の他方側のサイドシートを、幅方向長さが上記一方側のサイドシートの幅方向長さよりも短く且つ上記弾性部材が配置されないように構成してもよい。吸収性物品の装着時に動物の前方側に対応する幅方向の一方側のサイドシートを、上述の立体ギャザーを形成し得るように構成することで、吸収性物品の装着時に、通常動物の前方側を向いている排出器官の排泄口から排出される尿などの排泄物を上述の立体ギャザーGによって着実に受け止めることができるため、排泄物の漏出をより生じ難くすることができる。
【0058】
なお、一対のサイドシートの各々の外形形状や各種寸法等は、動物用の吸収性物品のサイドシートとして用い得るものであれば特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができる。
【0059】
また、動物用の吸収性物品にこのような一対のサイドシートを設けることは、本発明においては必須の構成要件ではないため、動物用の吸収性物品は、このような一対のサイドシートを有していなくてもよい。
【0060】
(側部弾性部材)
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、側部弾性部材EMは、使い捨ておむつ1の長手方向Lに延在する伸縮自在の2本1組の糸状の弾性部材(すなわち、使い捨ておむつ1内において合計4本の糸状の弾性部材)によって構成されており、図2及び図3に示すように、使い捨ておむつ1の幅方向Wの一方側端部19及び他方側端部19’の各々(より具体的には、使い捨ておむつ1の幅方向Wの一方側端縁19Eの近傍部分及び他方側端縁19’Eの近傍部分の各々)において、上述の一対のサイドシートと裏面シート12との間に配置されて、展開した状態の使い捨ておむつ1に長手方向Lの収縮力を付与するものである。
【0061】
このような側部弾性部材EMが使い捨ておむつ1の幅方向Wの両端部に配置されていると、装着時に使い捨ておむつ1の幅方向W(すなわち、装着時における動物の前後方向D)の両端部を動物の胴周りに沿ってより的確に密着させることができるため、動物から排出される尿などの排泄物の漏出をより一層生じ難くすることができる。
また、このように、展開した状態の使い捨ておむつ1に対して長手方向Lの収縮力が付与されていると、装着時には、使い捨ておむつ1が動物の胴周り方向Dに伸縮可能となるため、使い捨ておむつ1を動物の腹部に装着する際においては、使い捨ておむつ1の長手方向長さが動物の胴周りに沿って縮小して、使い捨ておむつ1が動物の腹部形状に合わせて密着し易くなり、さらに、使い捨ておむつ1が動物の腹部に装着された後においては、使い捨ておむつ1が、動物の動作や呼吸、飲食等に伴って生じる胴周りのサイズ変化などに合せて、動物の胴周り方向Dに伸縮することができ、当該使い捨ておむつ1が動物の腹部に密着した状態を長時間にわたって維持し易くなる。
【0062】
本発明において、側部弾性部材として用い得る弾性部材は、展開した状態の吸収性物品に長手方向の収縮力を付与し得るものであれば特に限定されず、例えば、天然ゴムからなる糸ゴム又は平ゴム;ウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性エラストマーを糸状又は帯状に成形した伸縮性成形体;伸縮性不織布等の伸縮性シート状部材などの任意の弾性部材を用いることができる。
【0063】
なお、本発明において、側部弾性部材の配置形態は、上述の第1実施形態の態様に限定されず、側部弾性部材は、動物の種類や体型等に応じて、例えば、吸収性物品の幅方向における両端部のうちのいずれか一方の端部のみに1本又は2本以上配置されていてもよく、或いは、吸収性物品の幅方向における両端部の各々に、1本ずつ又は3本ずつ以上配置されていてもよい。
【0064】
なお、動物用の吸収性物品にこのような側部弾性部材を設けることは、本発明においては必須の構成要件ではないため、動物用の吸収性物品は、このような側部弾性部材を有していなくてもよい。
【0065】
[係合部]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18は、図2乃至図4に示すように、裏面シート12の胴体非対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16の各々において幅方向Wに延在するように配置されており、使い捨ておむつ1の幅方向Wに沿って長い横長の矩形状の外形形状を有している。なお、本発明において、吸収性物品の係合部は、本発明の効果を阻害しない限りこのような外形形状に限定されず、例えば、正方形、長方形、六角形、四隅の各々が円弧状の略長方形状等の任意の外形形状を採用することができる。
【0066】
そして、本第1実施形態の使い捨ておむつ1において、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々は、図2に示すように、吸収体13の幅方向長さ(B)以上の幅方向長さ(A)を有している。このように、長手方向Lの両端部において幅方向Wに延在する係合部17、18の各々が、吸収体13の幅方向長さ(B)以上の幅方向長さ(A)を有していると、かかる係合部17、18において、幅方向Wの剛性を少なくとも吸収体13の幅方向長さ(B)以上の範囲で確保し易くなるため、使い捨ておむつ1の装着時に動物が動いたりしても、使い捨ておむつ1を動物の前後方向Dに縮み難くすることができ、吸収体13の幅方向W(すなわち、装着時における動物の前後方向D)におけるヨレや潰れを生じ難くすることができる。これにより、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、装着時において、吸収体13の吸収性能を十分に発揮させることができるばかりか、使い捨ておむつ1に動物の胴周り方向Dに沿った複数の大きな皺や襞が形成され難くなり、動物の腹部表面と使い捨ておむつ1との間に皺や襞に起因する隙間が形成され難くなるため、当該使い捨ておむつ1が動物の腹部に密着した状態を維持し易くなり、結果的に動物の排泄物が外部へ漏出し難くなる。
なお、本明細書において、係合部の幅方向長さは、平面視にて、係合部における幅方向の長さが最も大きい部分の幅方向長さをいい、係合部の幅方向長さが一定の場合には、その一定の幅方向長さをいう。
【0067】
さらに、本第1実施形態においては、上述の長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々が、図2及び図4に示すように、使い捨ておむつ1の胴体非対向面Fに配置されているため、使い捨ておむつ1と支持体2を動物の胴体に装着する際に、支持体2が、図1及び図7に示すように使い捨ておむつ1の胴体非対向面Fにおける各係合部17、18を背部側から覆い隠すように係合することとなり、かかる使い捨ておむつ1を装着された動物や他の動物が使い捨ておむつ1を剥がし難くなるとともに、使い捨ておむつ1の長手方向L(すなわち、装着時における動物の胴周り方向D)の両端部が動物の胴体表面に対して相対的に近位側に位置することで、動物から排出された尿などの排泄物が使い捨ておむつ1を伝って動物の胴周り方向Dに拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができる。これにより、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、排泄物の漏出をより安定的且つ確実に生じ難くすることができる。
【0068】
また、本第1実施形態の使い捨ておむつ1においては、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々は、図2及び図4に示すように、使い捨ておむつ1の長手方向Lの両端部において、それぞれ使い捨ておむつ1の長手方向端縁(具体的には、図2及び図4における、長手方向Lの一方側端縁15E及び他方側端縁16E)を含む位置に配置されている。このように、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18の各々が、それぞれ使い捨ておむつ1の長手方向端縁を含む位置に配置されていると、装着時に、使い捨ておむつ1を、当該使い捨ておむつ1の長手方向Lの端縁に至る部分まで支持体2の係合部(すなわち、支持体側係合部23、24)に固定することができるため、装着時における使い捨ておむつ1の長手方向端縁の捲れやそれに起因する使い捨ておむつ1の位置ずれや剥落等を更に生じ難くすることができる。これにより、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、上述の使い捨ておむつ1によって奏される作用効果や機能を、より長期にわたって安定的に発揮することができる。
【0069】
なお、本明細書において、長手方向端縁(すなわち、長手方向の一方側端縁及び他方側端縁)は、長手方向の一方側及び他方側の各々において最も外方側に位置する部分(すなわち、「縁(ふち)」)を意味し、長手方向の端部(すなわち、長手方向の一方側端部及び他方側端部)は、長手方向端縁を含んで長手方向の内方側に延在し且つ当該長手方向端縁からの長手方向長さが長手方向全長(この長手方向全長を100%とする。)の25%となる長手方向内方側の位置までの、所定の領域として画定される部分を意味する。
また、幅方向端縁(すなわち、幅方向の一方側端縁及び他方側端縁)及び幅方向の端部(すなわち、幅方向の一方側端部及び他方側端部)、後述する支持体の第1方向端縁(すなわち、第1方向の一方側端縁及び他方側端縁)及び第1方向の端部(すなわち、第1方向の一方側端部及び他方側端部)、並びに支持体の第2方向端縁(すなわち、第2方向の一方側端縁及び他方側端縁)及び第2方向の端部(すなわち、第2方向の一方側端部及び他方側端部)についても同様である。
【0070】
また、本第1実施形態においては、使い捨ておむつ1は、図2及び図4に示すように、平面視における吸収体13と各係合部17、18との間の部分が、表面シート11、裏面シート12及びバックフィルム12Bからなる3層の積層構造を有していて、他の部分(例えば、吸収体13を有する部分や係合部17、18を有する部分等)と比べて、相対的に剛性の低い低剛性部Rとして形成されている。吸収体13と各係合部17、18との間にこのような低剛性部Rを有していると、使い捨ておむつ1の装着時において、動物の動作等によって使い捨ておむつ1に掛かる力や変形を、かかる低剛性部Rが変形することによって緩衝することができるため、装着時において使い捨ておむつ1が動物の腹部に密着した状態を維持し易くなり、また、使い捨ておむつ1の位置ずれをより生じ難くすることができる。これにより、本第1実施形態の使い捨ておむつ1は、上述の使い捨ておむつ1による作用効果をより安定的に発揮することができる。
【0071】
なお、本発明の吸収性物品において、吸収体と各係合部との間に低剛性部を形成する手段は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、上述の第1実施形態のような積層構造における層数の調整のほか、例えば、吸収体と各係合部との間の部分における構成部材の坪量の低減化等の任意の手段を採用することができる。
【0072】
また、本第1実施形態の使い捨ておむつ1においては、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18は、図4に示すように、それぞれ胴体非対向面側に向かって突出する係合突起Pを備えたフック部材によって形成されている。このように、各係合部17、18がフック部材によって形成されていると、相対的に剛性の高いフック部材によって各係合部17、18の剛性が確保し易いため、装着時において、使い捨ておむつ1を動物の前後方向Dに更に縮み難くすることができる。さらに、本第1実施形態においては、使い捨ておむつ1の各係合部17、18がフック部材によって形成されているため、これらの係合部17、18と係合する支持体2の係合部(すなわち、支持体2の第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24)は、それぞれフック部材の係合突起Pを受け入れ可能な受容部材によって形成されているが、このような受容部材は、通常、フック部材と比べて、繰り返し行われる係合部材の着脱動作に対して耐久性が高い(すなわち、構造破壊を生じ難い)ため、上述の支持体2をより長期にわたって繰り返し使用することができるという利点もある。なお、各係合部17、18がフック部材によって形成された使い捨ておむつ1は、使用される度に廃棄されるものであるため、使い捨ておむつ1を動物に装着する際は、通常、新しい使い捨ておむつ1のフック部材が支持体側係合部23、24の受容部材と係合することとなり、上述の使い捨ておむつ1によって奏される作用効果を安定的に発揮することができる。
【0073】
ここで、本明細書において、「係合」とは、所定構造を有する要素同士が機械的に係わり合うことで繋がり、各要素を所定の力を以て引き離さない限り、その繋がった状態が維持されるような状態をいい、「係合部材」の代表的な例としては、いわゆる面ファスナーなどが挙げられ、具体的には、複数の係合突起を有するフック部材や該フック部材の係合突起を受け入れるための複数の係合凹部(例えば、ループ構造部、構成繊維間の空隙部等)を有する受容部材(例えば、ループ部材等)などが挙げられる。
【0074】
本発明において、吸収性物品の長手方向の両端部に配置される係合部を形成し得る係合部材としては、支持体の第1方向の両端部に配置される係合部と係合し得るものであれば特に制限されず、例えば、上述の第1実施形態のようなフック部材、フック部材の係合突起を受け入れるための受容構造部(例えば、ループ構造部や構成繊維間の空隙部等)を係合凹部として備えた受容部材(例えば、ループ部材等)などを用いることができる。なお、当然ながら、吸収性物品の各係合部がフック部材からなる場合は、支持体の各係合部は受容部材からなり、吸収性物品の各係合部が受容部材からなる場合は、支持体の各係合部はフック部材からなる。
【0075】
また、各係合部を形成し得るフック部材としては、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、平坦なシート状基部と、該基部から垂直方向に突出する複数のマッシュルーム型の係合突起(すなわち、シート状基部から垂直方向に突出する軸部と、該軸部の先端(具体的には、シート状基部とは反対側に位置する軸部の先端)において該軸部の外周面が拡径する方向に膨らんだ拡径部とを有する係合突起)とを有するマッシュルーム型フック部材;平坦なシート状基部と、該基部から垂直方向に突出する複数のカギ型の係合突起(すなわち、シート状基部から垂直方向に突出する軸部の先端(具体的には、シート状基部とは反対側に位置する軸部の先端)が基部側に向かって折り返された構造を有する係合突起)とを有するカギ型フック部材などを用いることができる。中でも、マッシュルーム型フック部材を係合部として用いた場合は、当該フック部材が支持体の係合部(ループ部材等の受容部材)と係合固定しているときに、当該係合固定している部分が動物の動作等によって様々な方向に引っ張られたとしても、上記マッシュルーム型フック部材が上述の受容部材上のあらゆる方向の力に対応して係合状態を維持することができるため、上記フック部材(すなわち、吸収性物品の係合部)と上記受容部材(すなわち、支持体の係合部)との係合状態を強固に維持することができ、結果的に、吸収性物品を動物の腹部の適正な位置からずれ難くすることができる上、動物の胴体から外れ難くすることができる。さらに、このマッシュルーム型フック部材は、ループ部材以外の任意の受容部材(例えば、不織布、編布等の繊維構造体)と係合することが可能なため、支持体の係合部をループ部材によって形成する必要がなく、省資源化や低コスト化等の各種製品コンセプトに応じた多様な製品設計を実現することができる。
【0076】
これらのフック部材の構成材料は、特に制限されず、例えば、ポリエステルやポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどの任意の合成樹脂を用いることができ、さらに、かかる合成樹脂は単一種類の樹脂を用いても、二種類以上の樹脂を併用してもよい。
【0077】
さらに、各係合部を形成し得る受容部材としては、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、繊維又は合成樹脂からなるシート状基材の表面上に繊維又は合成樹脂からなる複数のループ構造部を有する構造体のほか、係合するフック部材の係合突起の構造等に応じて、不織布や編布等のシート状繊維構造体などを用いることもできる。なお、これらの構造体を構成する繊維又は合成樹脂の構成材料は、受容部材としての機能を発揮し得る限り特に制限されず、例えば、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等)、天然繊維(例えば、綿、絹等)、再生繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)、半合成繊維(アセテート繊維等)などの任意の繊維、又はポリエステルやポリオレフィン等の任意の合成樹脂を用いることができ、これらの繊維又は合成樹脂は、それぞれ単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0078】
なお、本発明において、吸収性物品の各係合部は、上述のとおりフック部材に限定されず、ループ部材等の受容部材によって形成されていてもよく、さらに、吸収性物品の長手方向の一方側の係合部がフック部材によって形成され、他方側の係合部が受容部材によって形成されていてもよい。
【0079】
さらに、吸収性物品の各係合部の外形形状や各種寸法等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができる。
【0080】
[バックフィルム]
上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1において、バックフィルム12Bは、平面視にて、使い捨ておむつ1の長手方向L及び幅方向Wに延在する縦長の矩形状の外形形状を有していて、図3及び図4に示すように、使い捨ておむつ1の厚さ方向Tにおいて、吸収体13と裏面シート12との間に配置されて、上述の表面シート11や吸収体13を透過してきた尿などの排泄物が漏出するのを裏面シート12と共に防ぐ、液不透過性フィルムによって構成されている。本発明において、吸収性物品のバックフィルムは、上述の裏面シートと同様の液不透過性のシート状部材を用いることができ、例えば、疎水性の不織布、SMS積層不織布、液不透過性のプラスチック製フィルム、及びこれらのシートを任意に組み合わせた積層シートなどを好適に用いることができる。
【0081】
また、バックフィルムの外形形状や各種寸法等は、動物用の吸収性物品のバックフィルムとして用い得るものであれば特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができる。
【0082】
なお、動物用の吸収性物品にこのようなバックフィルムを設けることは、本発明においては必須の構成要件ではないため、動物用の吸収性物品は、このようなバックフィルムを有していなくてもよい。
【0083】
そして、本発明において、上記した各種部材を用いて動物用の吸収性物品を製造する方法は、特に制限されず、当分野において公知の任意の製造方法を採用することができる。例えば、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1においては、当該使い捨ておむつ1を構成する各種部材、すなわち、長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18となるフック部材と、幅方向Wの一方側のサイドシート14及び他方側のサイドシート14’と、吸収体13と、バックフィルム12Bと、裏面シート12とを図2乃至図4に示すよう重ねて、任意の接合手段(例えば、ホットメルト型接着剤による接着法やヒートシール法、超音波接合法等)によって接合することにより、製造することができる。
【0084】
なお、本発明において、動物用の吸収性物品は、動物の腹部に対して動物の排出器官の排泄口を覆うように配置されて動物から排出される尿などの排泄物を吸収するものであれば、特に限定されず、上述の第1実施形態のような使い捨ておむつのほか、例えば、動物用の(軽)失禁パッド等の様々な動物用の吸収性物品に適用することができる。
【0085】
<支持体>
以下、本発明の吸収性物品を動物の背部側から支持する支持体について、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1に適用される支持体2を用いて詳細に説明する。
【0086】
図5は、使い捨ておむつ1を動物の背部側から支持するための支持体2を、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図であり、図6は、図5の支持体2のVI−VI線に沿った断面図である。
支持体2は、図1図5及び図6に示すように、雄犬などの動物の腹部に装着される使い捨ておむつ1を、動物の背部側から着脱自在に支持するための、再利用可能なシート状部材である。支持体2は、図5に示すように、平面視にて、装着時に動物の胴周り方向Dに対応する第1方向Dと、該第1方向Dと直交し且つ装着時に動物の前後方向Dに対応する第2方向Dとを有するとともに、第1方向D及び第2方向Dに延在する四角形の四隅が直線状に切り欠かれたような略八角形の外形形状を有している。この略八角形の外形形状は、図5に示すように、支持体2の第1方向Dにおける一方側端縁EL1及び他方側端縁EL2と、第2方向Dにおける一方側端縁EW1及び他方側端縁EW2と、これら各端縁の間に位置する4つの傾斜部29の各々の外方側端縁29Eとを、8本の辺とする形で形成されている。
【0087】
なお、本発明において、支持体の外形形状や各種寸法等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、装着対象となる動物の背部において胴周りに沿うように配置することができ且つ動物の腹部に装着される吸収性物品を背部側から支持し得るものであれば、動物の種類や体型、サイズ等に応じた任意の外形形状(例えば、正方形、長方形、六角形、四隅の各々が円弧状の略長方形、第1方向の中央部が第2方向の外方側に膨出した形状(クラウン形状)、第1方向の中央部が第2方向の内方側に窪んだ形状(逆クラウン形状)など)や寸法等を採用することができる。
【0088】
上述の支持体2は、図5及び図6に示すように、装着時に動物の胴体と対向する胴体対向面S1と、厚さ方向Dにおいて胴体対向面S1の反対側に位置する胴体非対向面S2とを有しており、さらに、これらの胴体対向面S及び胴体非対向面Sは、それぞれ支持体2の厚さ方向Dに重ねられたシート状の内側表面材21及び外側表面材22によって形成されている。
また、内側表面材21の胴体対向面S1には、支持体2の第1方向Dの両端部(図5における第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26)の各々において第2方向Dに延在し且つ使い捨ておむつ1の長手方向Lにおける一方の端部(図2における使い捨ておむつ1の長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16)を着脱自在に係合固定するための支持体側係合部(すなわち、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24)が設けられている。
【0089】
なお、図7は、支持体2に使い捨ておむつ1を固定した状態を模式的に示す斜視図であり、支持体2は、この図7に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23に対して、使い捨ておむつ1の長手方向Lの一方側端部15に配置された係合部17が着脱自在に係合固定され、第1方向Dの他方側の支持体側係合部24に対して、使い捨ておむつ1の長手方向Lの他方側端部26に配置された係合部18が着脱自在に係合固定されるように用いられる。
【0090】
また、支持体2は、図5及び図6に示すように、支持体2の外周端縁(すなわち、第1方向Dの一方側端縁EL1及び他方側端縁EL2、第2方向Dの一方側端縁EW1及び他方側端縁EW2並びに4つの傾斜部29の各々の外方側端縁29Eからなる支持体2の外周全体に沿った端縁)において、内側表面材21及び外側表面材22を挟むように支持体2の胴体対向面Sから胴体非対向面Sまで延在する、バイアステープからなる剛性補強部材を更に備えている。なお、後述する係合部剛性補強部材27と第1方向剛性補強部材28は、この支持体2の外周端縁の全体に沿って配置された剛性補強部材の一部分であり、それぞれ、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24の各々において第2方向Dに沿って延在する部分の剛性補強部材と、第2方向Dの一方側端縁EW1及び他方側端縁EW2の各々において第1方向Dに沿って延在する部分の剛性補強部材とからなる。
【0091】
以下、支持体を構成する各種部材について、上述の支持体2を用いて更に詳細に説明する。
【0092】
[内側表面材]
支持体2において、内側表面材21は、図5及び図6に示すように、平面視にて、支持体2の第1方向Dにおける一方側端縁EL1から他方側端縁EL2にわたって延在するとともに第2方向Dにおける一方側端縁EW1から他方側端縁EW2にわたって延在する四角形の四隅が直線状に切り欠かれたような略八角形の外形形状を有し、支持体2の厚さ方向Dにおいて胴体対向面側の位置に配置されて動物の胴体との接触面(すなわち、支持体2の胴体対向面S)を形成する、シート状部材によって構成されている。
【0093】
なお、内側表面材の外形形状は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、装着対象となる動物の背部において胴周りに沿うように配置することができる所定の柔軟性と、動物の腹部に装着される吸収性物品を背部側から支持し得る所定の強度とを有するものであれば、動物の種類や体型、サイズ等に応じた任意の外形形状(例えば、正方形、長方形、六角形、四隅の各々が円弧状の略長方形、第1方向の中央部が第2方向の外方側に膨出した形状(クラウン形状)、第1方向の中央部が第2方向の内方側に窪んだ形状(逆クラウン形状)など)を採用することができる。
【0094】
そして、上述の支持体2においては、内側表面材21の全体がループ部材等の受容部材によって構成されており、後述する支持体側係合部23、24と一体に構成されている。なお、本発明において、内側表面材は、支持体側係合部と一体に構成されている必要はなく、後述するように、支持体側係合部として別部材の係合部材を配置してもよい。
【0095】
本発明において、内側表面材として用い得るシート状部材は、支持体の内側表面材として用い得る所定の柔軟性及び強度を有し且つ洗濯等により再利用可能なものであれば特に制限されず、上述のループ部材等の受容部材のほか、フック部材(例えば、フックテープ等)等のシート状の係合部材;フェルトやフリース等の不織布;織布;メッシュ材等の編布;天然皮革;合成皮革;ポリオレフィンやポリエステル製シート等の樹脂製シートなどの様々なシート状部材を採用することができるが、柔軟性や通気性、肌触り、手入れのしやすさ(洗濯容易性)、強度などの点から、不織布や織布、編布等のシート状の繊維構造体を用いることが好ましい。さらに、内側表面材がこのようなシート状の繊維構造体からなる場合、その構成繊維は特に制限されず、例えば、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等)、天然繊維(例えば、綿、絹等)、再生繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)、半合成繊維(アセテート繊維等)等の任意の繊維を用いることができ、これらの繊維は単独で用いても、二種類以上の繊維を併用してもよい。
【0096】
さらに、本発明において、内側表面材として用い得るシート状部材の構造は、特に制限されず、平坦な無孔シートのほか、メッシュシート等の有孔シート、凹凸構造を有するシートなども好適に用いることができる。また、内側表面材として用い得るシート状部材は、単層構造のシートであっても、二層以上の多層構造を有するシートであってもよい。
【0097】
なお、内側表面材として用い得るシート状部材の厚みや寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、所望の柔軟性や強度、通気性、肌触り等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
【0098】
そして、上述の支持体2においては、内側表面材21の胴体対向面Sに、支持体2の第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々において第2方向Dに延在し且つ使い捨ておむつ1の長手方向Lの長手方向Lの一方側の係合部17及び他方側の係合部18をそれぞれ着脱自在に固定するための支持体側係合部、すなわち、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24が設けられている。
【0099】
[支持体側係合部]
支持体2において、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24は、上述のとおり、それぞれ内側表面材21の一部として、係合部材の一種であるループ部材等の受容部材によって構成されている。したがって、支持体2に使い捨ておむつ1を固定する際は、支持体2の第1方向Dの一方側の支持体側係合部23(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1の長手方向Lの一方側の係合部17(フック部材)が係合し、支持体2の第1方向Dの他方側の係合部24(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1の長手方向Lの他方側の係合部18(フック部材)が係合するようになっている。
【0100】
なお、上述のとおり、支持体2においては、内側表面材21の全体が受容部材によって構成されており、各支持体側係合部23、24は、内側表面材21と一体に構成されている。ここで、各支持体側係合部(すなわち、支持体の第1方向の一方側の支持体側係合部及び他方側の支持体側係合部)は、平面視にて、支持体の第1方向の各端部内において所定の第1方向長さ及び第2方向長さを有する部分であり、吸収性物品の長手方向の両端部を固定したときに、吸収性物品が剥落しない程度の剥離強度を呈する所定の面積を有する部分として画定することができる。より具体的には、支持体の第1方向の一方側の支持体側係合部及び他方側の支持体側係合部は、それぞれ第1方向端縁(すなわち、第1方向の一方側端縁及び他方側端縁)を含んで第1方向の内方側に延在し且つ当該第1方向端縁からの第1方向長さが第1方向全長さ(この第1方向全長さを100%とする。)の25%未満となる範囲内の部分として画定することができる。
【0101】
上述の支持体2のように、内側表面材の全体が受容部材によって構成されている(すなわち、支持体側係合部が内側表面材の一部として構成されている)と、第1方向の一方側の支持体側係合部と他方側の支持体側係合部との間の領域においても、吸収性物品の長手方向の両端部を係合により固定することが可能となるため、動物の態様や吸収性物品の装着状態等に応じて、吸収性物品の固定位置をより広い範囲で調節し易くなり、吸収性物品及び支持体をより的確に動物の胴体に対して装着することができる。また、内側表面材の全体がループ部材等の受容部材によって構成されていると、支持体に、吸収性物品の係合部に対応する係合部材を別途設ける必要がないため、支持体の構成部材の数を少なくすることができる上、支持体の剛性が過度に増大するようなことを生じ難くすることができるという利点もある。
さらに、支持体の胴体対向面に設けられた支持体側係合部がループ部材のような受容部材によって形成されていると、かかる受容部材は、吸収性物品の係合部(フック部材)の係合突起を受け入れる係合凹部を有するものの、係合突起を有していないため、支持体の装着時に、支持体の胴体対向面に設けられた支持体側係合部(受容部材)に動物の毛が絡まったり、係合突起によって動物の胴体にチクチクとした刺激を与えたりするのを防ぐことができる。その結果、かかる支持体は、装着時に動物が嫌がり難く、動物の背部の適正な位置に装着した状態を維持し易くなるという利点がある。
【0102】
但し、本発明において、支持体の支持体側係合部は、上述の支持体2のように内側表面材の一部として構成されている必要はなく、例えば、支持体側係合部は、内側表面材の胴体対向面において、支持体の第1方向の一方側端部及び他方側端部の各々に配置された係合部材によって構成されていてもよい。支持体側係合部が内側表面材とは異なる別部材(すなわち、係合部材)によって構成されていると、当該係合部材によって支持体側係合部に所定の剛性を確保することができるため、内側表面材としてより柔軟性の高いシート状部材を用いることができ、支持体の、動物の胴体に対するフィット性や肌触りを更に向上させることができるという利点がある。
【0103】
本発明において、支持体の係合部を形成し得る係合部材は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、上述の吸収性物品の係合部を形成し得る係合部材と同様の受容部材やフック部材を用いることができる。
【0104】
なお、支持体の支持体側係合部が、上述の支持体2のようなループ部材等の受容部材によって形成されていると、かかる受容部材は、通常、フック部材と比べて、繰り返し行われる係合部材同士の着脱動作に対して耐久性が高いため、上述の支持体をより長期にわたって繰り返し使用することができるという利点がある。
【0105】
また、本発明において、支持体の支持体側係合部の外形形状や各種寸法等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、装着対象となる動物の大きさや体型などに応じた任意の外形形状や各種寸法等を採用することができるが、支持体側係合部は、吸収性物品の吸収体の幅方向長さ以上の第2方向長さを有していることが好ましい。支持体側係合部が、吸収性物品の吸収体の幅方向長さ以上の第2方向長さを有していると、第1方向の一方側の支持体側係合部及び他方側の支持体側係合部の各々において、第2方向の剛性を少なくとも吸収体の幅方向長さ以上の範囲で確保し易くなるため、支持体及び吸収性物品の装着時に動物が動いたりしても、吸収性物品を動物の前後方向に縮み難くすることができ、吸収体の幅方向におけるヨレや潰れをより一層生じ難くすることができる。
【0106】
さらに、支持体の支持体側係合部は、図5に示す支持体2のように、支持体の第1方向の両端部において、第2方向に沿って連続的に延在していることが好ましい。支持体側係合部が、支持体の第1方向の両端部において、第2方向に沿って連続的に延在していると、当該支持体側係合部において第2方向の剛性を更に確保し易くなるため、当該支持体側係合部に固定される吸収性物品を、より一層動物の前後方向に縮み難くすることができるという利点がある。なお、本発明において、支持体側係合部の形態は、このような態様に限定されず、支持体側係合部は、支持体の第1方向の両端部において、本発明の効果を阻害しない範囲内で第2方向に沿って間欠的に延在していてもよい。
【0107】
また、上述の支持体2においては、支持体側係合部23、24が、支持体2の胴体対向面Sに設けられているが、本発明において、支持体側係合部の配置形態は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、支持体側係合部は、後述する実施形態のように、支持体の胴体非対向面に設けられていてもよい。より具体的には、外側表面材全体が受容部材又はフック部材からなる係合部材によって構成されていてもよく(すなわち、支持体側係合部が外側表面材の一部として構成されていてもよく)、或いは、支持体側係合部が、外側表面材の胴体非対向面において、支持体の第1方向の一方側端部及び他方側端部の各々に配置された係合部材(すなわち、外側表面材とは別部材の係合部材)によって構成されていてもよい。
【0108】
なお、支持体側係合部が、上述の支持体2のように、支持体の胴体対向面に設けられていると、図7に示すように、支持体と吸収性物品を動物の胴体に装着する際に、支持体の係合部(係合部材)が吸収性物品の胴体非対向面に配置される係合部を背部側から覆い隠すように係合することとなるため、かかる吸収性物品を装着された動物や他の動物が吸収性物品を剥がし難くなるとともに、吸収性物品の長手方向(装着時における動物の胴周り方向)の両端部が動物の胴体表面に対して支持体よりも相対的に近位側に位置することで、動物から排出された尿などの排泄物が吸収性物品を伝って動物の胴周り方向に拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができるという利点がある。
【0109】
[外側表面材]
支持体2において、外側表面材22は、図5及び図6に示すように、平面視にて、支持体2の第1方向Dにおける一方側端縁EL1から他方側端縁EL2にわたって延在するとともに第2方向Dにおける一方側端縁EW1から他方側端縁EW2にわたって延在する四角形の四隅が直線状に切り欠かれたような略八角形の外形形状を有し、支持体2の厚さ方向Dにおいて胴体非対向面側の位置に配置されて動物の胴体との非接触面(すなわち、支持体2の胴体非対向面S)を形成する、シート状部材によって構成されている。
【0110】
なお、外側表面材の外形形状は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、装着対象となる動物の背部において胴周りに沿うように配置することができる所定の柔軟性と、動物の腹部に装着される吸収性物品を背部側から支持し得る所定の強度とを有するものであれば、動物の種類や体型、サイズ等に応じた任意の外形形状(例えば、正方形、長方形、六角形、四隅の各々が円弧状の略長方形、第1方向の中央部が第2方向の外方側に膨出した形状(クラウン形状)、第1方向の中央部が第2方向の内方側に窪んだ形状(逆クラウン形状)など)を採用することができる。
【0111】
また、本発明において、外側表面材として用い得るシート状部材は、支持体の外側表面材として用い得る所定の柔軟性及び強度を有し且つ洗濯等により再利用可能なものであれば特に制限されず、上述の内側表面材と同様のシート状部材を採用することができる。さらに、外側表面材として用い得るシート状部材の構造も、特に制限されず、平坦な無孔シートのほか、メッシュシート等の有孔シート、凹凸構造を有するシートなども好適に用いることができる。また、外側表面材として用い得るシート状部材は、単層構造のシートであっても、二層以上の多層構造を有するシートであってもよい。
【0112】
なお、外側表面材として用い得るシート状部材の厚みや寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、所望の柔軟性や強度、通気性等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
【0113】
[剛性補強部材]
支持体2は、図5及び図6に示すように、支持体2の外周端縁(すなわち、第1方向Dの一方側端縁EL1及び他方側端縁EL2、第2方向Dの一方側端縁EW1及び他方側端縁EW2並びに4つの傾斜部29の各々の外方側端縁29Eからなる支持体2の外周全体に沿った端縁)において、内側表面材21及び外側表面材22を挟むように支持体2の胴体対向面Sから胴体非対向面Sまで延在する、バイアステープからなる剛性補強部材を備えている。さらに、この剛性補強部材は、図5に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23及び他方側の支持体側係合部24の各々において第2方向Dに沿って延在する部分としての、係合部剛性補強部材27と、第2方向Dの一方側端縁EW1及び他方側端縁EW2の各々において第1方向Dに沿って延在する部分としての、第1方向剛性補強部材28と、を有している。
【0114】
なお、係合部剛性補強部材27及び第1方向剛性補強部材28は、それぞれ第2方向D及び第1方向Dにおいて、必ずしも全体的に延在していなくてもよく、少なくとも部分的に延在していればよい。支持体が、第1方向の一方側の支持体側係合部及び他方側の支持体側係合部の各々において第2方向に沿って少なくとも部分的に延在する係合部剛性補強部材を有していると、上述の各支持体側係合部において相対的に剛性が高くなるため、支持体及び吸収性物品の装着時に動物が大きく動いて支持体自体が変形してしまうような場合でも、かかる変形を各支持体側係合部以外の箇所に集中させつつ、当該各支持体側係合部においては少なくとも動物の前後方向に変形し難くすることができるという利点がある。さらに、支持体が、第1方向に沿って少なくとも部分的に延在する第1方向剛性補強部材を有していると、支持体及び吸収性物品の装着時に動物の動作等によって支持体の第2方向(装着時における動物の前後方向)に力が加わるような場合でも、当該第2方向と直交する第1方向に延在する第1方向剛性補強部材の張力によって上述の力に抗することができ、支持体全体を動物の前後方向に更に変形し難くすることができるという利点がある。
【0115】
なお、上述の支持体2においては、剛性補強部材は、支持体2の外周端縁において、縫合により、内側表面材21の胴体対向面S及び外側表面材22の胴体非対向面Sのそれぞれと接合されている。具体的には、剛性補強部材が、内側表面材21及び外側表面材22の積層物を胴体対向面S側及び胴体非対向面S側の両側から挟むようにして配置されていて、さらに、厚さ方向Dに並ぶ胴体対向面S側の剛性補強部材、内側表面材21、外側表面材22及び胴体非対向面S側の剛性補強部材が、縫合糸によって厚さ方向Dに縫い合わされることにより、一体的に接合されている。なお、剛性補強部材を上述の胴体対向面及び胴体非対向面に接合する手段は、特に制限されず、上述の縫合手段のほか、例えば、エンボス加工等の圧搾手段、ホットメルト型接着剤等を用いた接着手段、超音波等を用いた熱融着手段などの任意の接合手段を採用することができる。
【0116】
本発明の支持体に用い得る剛性補強部材としては、一定の剛性(強度)を有する帯状部材であれば上述のバイアステープに限定されず、例えば、織布、不織布、樹脂製フィルム及びこれらを2種類以上組み合わせた積層シートなどからなる帯状部材を用いることができる。また、かかる帯状部材は、支持体を動物の胴体に対してフィットし易くする点から、その長手方向において伸縮性を有するものが好ましい。このような長手方向に伸縮性を有する帯状部材としては、例えば、ウレタン繊維を織り込んだバイアステープ、ポリウレタン繊維やゴムなどの弾性材が織り込まれた織布、弾性材を含む伸縮性不織布、合成繊維又は天然繊維により編織成されたネット状生地などが挙げられる。なお、上述の支持体2においては、剛性補強部材として長手方向に伸縮性を有するバイアステープが用いられている。
【0117】
また、上述の支持体2においては、剛性補強部材は、図5に示すように、支持体2の外周端縁の全体にわたって配置されているが、本発明においてはこのような配置形態に限定されず、剛性補強部材は、支持体の外周端縁の一部に配置されていてもよい。さらに、上述の係合部剛性補強部材及び第1方向剛性補強部材も、上述の配置形態に限定されず、係合部剛性補強部材及び第1方向剛性補強部材は、それぞれ個別の剛性補強部材として独立に配置されていてもよい。
【0118】
なお、剛性補強部材として用い得る帯状部材の寸法形状や厚み等は、かかる帯状部材が剛性補強部材として機能し得る限り特に制限されず、所望の剛性、柔軟性等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
【0119】
また、本発明においては、支持体は、外周端縁に配置される剛性補強部材以外に、例えば、上述の内側表面材と外側表面材との間に配置されるシート状の剛性補強部材を備えていてもよい。このシート状の剛性補強部材としては、所定の剛性を有し且つ洗濯等により再利用可能なものであれば特に制限されず、例えば、平織物等の織布;不織布;編布;天然皮革;合成皮革;ポリオレフィンやポリエステル製シート等の樹脂製シートなどの様々なシート状部材を用いることができるが、剛性や一定の柔軟性、通気性、強度などの点から、織布や不織布、編布等の繊維シートを用いることが好ましい。また、このシート状の剛性補強部材として用い得るシート状部材の寸法形状や厚み等も、特に制限されず、所望の剛性や柔軟性、通気性等に応じた任意の寸法形状や厚み等を採用することができる。
【0120】
なお、本発明においては、支持体がこれらの剛性補強部材(すなわち、支持体の外周端縁に配置される剛性補強部材や内側表面材と外側表面材との間に配置されるシート状の剛性補強部材)以外の構成部材(例えば、内側表面材や外側表面材、支持体側係合部の係合部材等)によって、支持体全体として所定の剛性を有している場合には、支持体は、必ずしもこのような剛性補強部材を備えていなくてもよい。
【0121】
また、上記した各種部材によって構成される支持体の製造方法は、特に制限されず、例えば、支持体は、内側表面材や外側表面材、支持体側係合部の係合部材等を、任意の接合手段(例えば、接着手段、縫合手段等)を用いて或いは用いずに積層して積層物を得た後、必要に応じて当該積層物の外周端縁に剛性補強部材を任意の接合手段を用いて接合することにより、製造することができる。
【0122】
<動物用の排泄物処理セット>
さらに、本発明は、図7に示すように、使い捨ておむつ1と支持体2とを備えた動物用のおむつセット3(本発明の「動物用の排泄物処理セット」の一例である。)のように、上記した本発明の動物用の吸収性物品と支持体とを備えた動物用の排泄物処理セットを含む。このような動物用の排泄物処理セットは、上記した本発明の吸収性物品を用いていることにより、吸収性物品が動物の前後方向に縮み難く、吸収性物品に動物の胴周り方向に沿った複数の大きな皺や襞が形成され難くなっているため、動物の腹部表面と吸収性物品との間に皺や襞に起因する隙間が形成され難く、結果的に排泄物を外部へ漏出し難くすることができる。
【0123】
また、本発明の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1と支持体2とを備えた上述の動物用のおむつセット3においては、支持体2の支持体側係合部23、24の各々が、図5に示すように、支持体2の第1方向Dの両端部(すなわち、第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26)の各々において、それぞれ支持体2の第1方向端縁(すなわち、第1方向Dの一方側端縁EL1及び他方側端縁EL2)を含む位置に配置されている。このように、支持体側係合部23、24の各々がそれぞれ支持体2の第1方向端縁を含む位置に配置されていると、装着時に、支持体側係合部23、24の各々を、支持体2の長手方向端縁に至る部分まで使い捨ておむつ1の各係合部17、18と係合させることができるため、使い捨ておむつ1及び支持体2の装着時における、支持体2の第1方向端縁における捲れ及びそれに起因する支持体2及び使い捨ておむつ1の位置ずれや剥落等を更に生じ難くすることができる。これにより、上述の動物用のおむつセット3は、上述の使い捨ておむつ1及び支持体2によって奏される作用効果や機能を、より長期にわたって安定的に発揮することができる。
【0124】
なお、本発明において、吸収性物品と支持体との固定形態(具体的には、吸収性物品の各係合部及び支持体の各支持体側係合部の配置形態)は、本発明の効果を阻害しない限り、上述の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1を用いたおむつセット3の態様に限定されず、任意の固定形態を採用することができる。
以下、上述の第1実施形態に係る使い捨ておむつ1とは係合部の配置形態が異なる(すなわち、支持体の支持体側係合部の配置形態も異なる)本発明の別の実施形態(第2実施形態乃至第6実施形態)に係る吸収性物品、及びそれを用いた排泄物処理セットについて、図面を参照しながら説明する。なお、上述の第1実施形態と異なる構成以外の構成は、基本的に上述の第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態に係る使い捨ておむつ1Aを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図であり、図9は、使い捨ておむつ1Aを支持体2Aに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【0126】
本第2実施形態の使い捨ておむつ1Aは、図8に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17A及び他方側の係合部18Aの各々が、一対のサイドシート14、14’の胴体対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16の各々において幅方向Wに延在するように配置された、フック部材によって構成されている。
一方、支持体2Aは、図9に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23A及び他方側の支持体側係合部24Aの各々が、第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々において、それぞれ受容部材からなる外側表面材22の一部として支持体2Aの胴体非対向面Sに配置されている。
したがって、本第2実施形態の使い捨ておむつ1Aと支持体2Aとを備えた動物用のおむつセット3Aにおいては、図9に示すように、支持体2Aの胴体非対向面Sに配置された第1方向Dの一方側の支持体側係合部23A(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Aの胴体対向面Fに配置された長手方向Lの一方側の係合部17A(フック部材)が係合し、支持体2Aの胴体非対向面Sに配置された第1方向Dの他方側の支持体側係合部24A(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Aの胴体対向面Fに配置された長手方向Lの他方側の係合部18A(フック部材)が係合することにより、使い捨ておむつ1Aと支持体2Aとが動物の胴体に装着される。
【0127】
本第2実施形態の使い捨ておむつ1Aにおいては、長手方向Lの一方側の係合部17A及び他方側の係合部18Aの各々が、使い捨ておむつ1Aの胴体対向面Fに配置されているため、使い捨ておむつ1Aと支持体2Aを動物の胴体に装着する際に、支持体2Aを動物の背部に配置してから、使い捨ておむつ1Aを動物の腹部から胴周りに沿わせて配置し、上述の各係合部17A、18Aを支持体2Aの胴体非対向面Sに係合させることとなり、動物の毛を支持体2Aで押さえながら使い捨ておむつ1Aを係合固定することで、使い捨ておむつ1Aと支持体2Aの係合部分に動物の毛を巻き込まないようにして使い捨ておむつ1Aを動物の腹部に装着することができる。これにより、本第2実施形態の使い捨ておむつ1Aは、動物の腹部に対してより精度よく、より的確に装着することができ、動物の排泄物の漏出を更に生じ難くすることができる。
【0128】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る使い捨ておむつ1Bについて、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係る使い捨ておむつ1Bを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図であり、図11は、使い捨ておむつ1Bを支持体2Bに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【0129】
本第3実施形態の使い捨ておむつ1Bは、図10に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17Bが、裏面シート12の胴体非対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15において幅方向Wに延在するように配置されたフック部材によって構成され、長手方向Lの他方側の係合部18Bが、一対のサイドシート14、14’の胴体対向面F側に位置し且つ長手方向Lの他方側端部16において幅方向Wに延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
一方、支持体2Bは、図11に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23Bが、第1方向Dの一方側端部25において、受容部材からなる内側表面材21の一部として支持体2Bの胴体対向面Sに配置され、第1方向Dの他方側の支持体側係合部24Bが、第1方向Dの他方側端部26において、受容部材からなる外側表面材22の一部として支持体2Bの胴体非対向面Sに配置されている。
したがって、本第3実施形態の使い捨ておむつ1Bと支持体2Bとを備えた動物用のおむつセット3Bにおいては、図11に示すように、支持体2Bの胴体対向面Sに配置された第1方向Dの一方側の支持体側係合部23B(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Bの胴体非対向面Fに配置された長手方向Lの一方側の係合部17B(フック部材)が係合し、支持体2Bの胴体非対向面Sに配置された第1方向Dの他方側の支持体側係合部24B(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Bの胴体対向面Fに配置された長手方向Lの他方側の係合部18B(フック部材)が係合することにより、使い捨ておむつ1Bと支持体2Bとが動物の胴体に装着される。
【0130】
本第3実施形態の使い捨ておむつ1Bにおいては、長手方向Lの一方側の係合部17Bが、使い捨ておむつ1Bの胴体非対向面Fに配置され、長手方向Lの他方側の係合部18Bが、使い捨ておむつ1Bの胴体対向面Fに配置されているため、例えば、寝たきり等の横たわった状態の動物に対して使い捨ておむつ1Bと支持体2Bを装着する際に、使い捨ておむつ1Bの胴体非対向面Fに配置された一方の係合部17Bが横たわった状態の動物の胴体の下側に位置するように装着することで、動物の胴体の下側においては、使い捨ておむつ1Bの長手方向Lにおける一方の端部が動物の胴体表面に対して支持体2Bよりも相対的に近位側に位置し、動物から排出された尿などの排泄物が使い捨ておむつ1Bを伝って動物の胴体の下側へ向かって拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができ、また、横たわった状態の動物の胴体の上側においては、使い捨ておむつ1Bの胴体対向面Fに配置された他方の係合部18Bが支持体2Bの胴体非対向面Sに係合されることで、横たわった状態の動物の胴体に対する使い捨ておむつ1Bの密着状態や締め付け状態、位置等を調節し易く、より適切な状態で使い捨ておむつ1Bを動物の胴体に装着することができる。これにより、本第3実施形態の使い捨ておむつ1Bは、寝たきり等の横たわった状態の動物に対しても、使い捨ておむつ1Bを適切に装着することができ、かかる使い捨ておむつ1Bによって奏される作用効果を的確且つ効果的に発揮することができる。
【0131】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る使い捨ておむつ1Cについて、図面を参照しながら説明する。図12は、本発明の第4実施形態に係る使い捨ておむつ1Cを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図であり、図13は、使い捨ておむつ1Cを支持体2Cに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【0132】
本第4実施形態の使い捨ておむつ1Cは、長手方向Lの一方側の係合部17C及び他方側の係合部18Cと吸収体13Cの各長手方向長さが長く形成されていること以外は、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1と同様の構成を備えている。すなわち、本第4実施形態の使い捨ておむつ1Cは、図12に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17C及び他方側の係合部18Cの各々が、裏面シート12の胴体非対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16の各々において幅方向Wに延在するように配置された、フック部材によって構成されているとともに、吸収体13Cと厚さ方向Tに重なるように所定の長手方向長さを有している。より具体的には、図12に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17Cは、長手方向内方側端縁17CEが平面視にて吸収体13Cの長手方向Lの一方側端縁13CEよりも長手方向Lの内方側に位置するように、所定の長手方向長さを有していて、さらに、長手方向Lの他方側の係合部18Cも、長手方向内方側端縁18CEが平面視にて吸収体13Cの長手方向Lの他方側端縁13CE’よりも長手方向Lの内方側に位置するように、所定の長手方向長さを有している。なお、吸収体13Cも上述の長手方向Lの一方側の係合部17C及び他方側の係合部18Cの各々と厚さ方向Tに重なるように所定の長手方向長さを有している。
このように、長手方向Lの一方側の係合部17C及び他方側の係合部18Cの各々と、吸収体13Cとが厚さ方向Tに重なった部分として画定される重複部Rは、上述の各係合部17C、18C、表面シート11、吸収体13C、裏面シート12及びバックフィルム12Bからなる5層の積層構造を有していて、他の部分と比べて相対的に高い剛性を有している。
【0133】
一方、支持体2Cは、図13に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23C及び他方側の支持体側係合部24Cの各々が、第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々において、それぞれ受容部材からなる内側表面材21の一部として支持体2Cの胴体対向面Sに配置された、上述の支持体2と同様の構成を備えている。
したがって、本第4実施形態の使い捨ておむつ1Cと支持体2Cとを備えた動物用のおむつセット3Cにおいては、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1と支持体2とを備えた動物用のおむつセット3と同様にして、支持体2Cの胴体対向面Sに配置された第1方向Dの一方側の支持体側係合部23C(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Cの胴体非対向面Fに配置された長手方向Lの一方側の係合部17C(フック部材)が係合し、支持体2Cの胴体対向面Sに配置された第1方向Dの他方側の支持体側係合部24C(受容部材)に対して、使い捨ておむつ1Cの胴体非対向面Fに配置された長手方向Lの他方側の係合部18C(フック部材)が係合することにより、使い捨ておむつ1Cと支持体2Cとが動物の胴体に装着される。
【0134】
本第4実施形態においては、使い捨ておむつ1Cが、吸収体13Cと各係合部17C、18Cとが厚さ方向Tに重なる重複部Rを有しているため、使い捨ておむつ1C及び支持体2Cの装着時に、支持体2Cから重複部Rを介して使い捨ておむつ1Cの吸収体13Cに至るまで、動物の胴周り方向Dに沿って連続的に所定の剛性(具体的には、動物の前後方向Dに圧縮するように掛かる力に抗する剛性)を確保し易く、使い捨ておむつ1Cを動物の前後方向Dに更に縮み難くすることができる。これにより、本第4実施形態の使い捨ておむつ1Cと支持体2Cとを備えた動物用のおむつセット3Cは、排泄物の漏出をより確実に生じ難くすることができる。
【0135】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る使い捨ておむつ1Dについて、図面を参照しながら説明する。図14は、本発明の第5実施形態に係る使い捨ておむつ1Dを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図であり、図15は、使い捨ておむつ1Dを動物の背部側から支持するための支持体2Dを、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図である。さらに、図16は、使い捨ておむつ1Dを支持体2Dに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【0136】
本第5実施形態の使い捨ておむつ1Dは、図14に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17D及び他方側の係合部18Dの各々が、受容部材である不織布からなる裏面シート12の一部として使い捨ておむつ1Dの胴体非対向面Fに配置されていること以外は、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1と同様の構成を備えている。
一方、支持体2Dは、図15に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23D及び他方側の支持体側係合部24Dの各々が、支持体2Dの胴体対向面S側に位置し且つ第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々において第2方向Dに延在するように配置されたフック部材によって構成されている。すなわち、支持体2Dは、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23D及び他方側の支持体側係合部24Dの各々がフック部材によって構成されていること以外は、上述の支持体2と同様の構成を備えている。
したがって、本第5実施形態の使い捨ておむつ1Dと支持体2Dとを備えた動物用のおむつセット3Dにおいては、図16に示すように、上述の第1実施形態の使い捨ておむつ1と支持体2とを備えた動物用のおむつセット3と同様にして、支持体2Dの胴体対向面Sに配置された第1方向Dの一方側の支持体側係合部23D(フック部材)に対して、使い捨ておむつ1Dの胴体非対向面Fに配置された長手方向Lの一方側の係合部17D(受容部材)が係合し、支持体2Dの胴体対向面Sに配置された第1方向Dの他方側の支持体側係合部24D(フック部材)に対して、使い捨ておむつ1Dの胴体非対向面Fに配置された長手方向Lの他方側の係合部18C(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつ1Dと支持体2Dとが動物の胴体に装着される。
【0137】
本第5実施形態の使い捨ておむつ1Dと支持体2Dとを備えた動物用のおむつセット3Dにおいては、支持体2Dが第1方向Dの両端部(すなわち、第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々)の胴体対向面Sにおいて支持体側係合部23D、24Dを有しているため、使い捨ておむつ1Dと支持体2Dを動物の胴体に装着する際に、支持体2Dの支持体側係合部23D、24Dが使い捨ておむつ1Dの胴体非対向面Fにおける各係合部17D、18Dを背部側から覆い隠すように係合することとなり、かかる使い捨ておむつ1Dを装着された動物や他の動物が使い捨ておむつ1Dを剥がし難くなるとともに、使い捨ておむつ1Dの長手方向L(すなわち、動物の胴周り方向D)の両端部が動物の胴体表面に対して支持体2Dよりも相対的に近位側に位置することで、動物から排出された尿などの排泄物が使い捨ておむつ1Dを伝って動物の胴周り方向Dに拡散したとしても、当該排泄物を外部に漏出し難くすることができる。
さらに、上述の動物用のおむつセット3Dにおいては、支持体側係合部23D、24Dの各々が第2方向D(すなわち、動物の前後方向D)に延在するフック部材からなるため、相対的に剛性の高いフック部材によって支持体側係合部23D、24Dの第2方向Dにおける剛性を確保し易く、かかる支持体側係合部23D、24Dに係合固定される使い捨ておむつ1Dを動物の前後方向Dに更に縮み難くすることができる。
したがって、本第5実施形態の使い捨ておむつ1Dと支持体2Dとを備えた動物用のおむつセット3Dは、動物の排泄物の漏出をより安定的且つ確実に生じ難くすることができる。
【0138】
なお、本第5実施形態の使い捨ておむつ1Dにおいては、長手方向Lの一方側の係合部17D及び他方側の係合部18Dの各々は、裏面シート12の胴体非対向面F側に配置されたループ部材等の受容部材(すなわち、裏面シート12とは別部材の受容部材)によって構成されていてもよい。
【0139】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る使い捨ておむつ1Eについて、図面を参照しながら説明する。図17は、本発明の第6実施形態に係る使い捨ておむつ1Eを、展開した状態で胴体対向面F側から厚さ方向Tに見た平面図であり、図18は、使い捨ておむつ1Eを動物の背部側から支持するための支持体2Eを、展開した状態で胴体非対向面S側から厚さ方向Dに見た平面図である。さらに、図19は、使い捨ておむつ1Eを支持体2Eに固定した状態を模式的に示す斜視図である。
【0140】
本第6実施形態の使い捨ておむつ1Eは、図17に示すように、長手方向Lの一方側の係合部17E及び他方側の係合部18Eの各々が、一対のサイドシート14、14’の胴体対向面F側に位置し且つ長手方向Lの一方側端部15及び他方側端部16の各々において幅方向Wに延在するように配置されたループ部材等の受容部材によって構成されていること以外は、上述の第2実施形態の使い捨ておむつ1Aと同様の構成を備えている。
【0141】
一方、支持体2Eは、図18に示すように、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23E及び他方側の支持体側係合部24Eの各々が、支持体2Eの胴体非対向面S側に位置し且つ第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々において第2方向Dに延在するように配置されたフック部材によって構成されている。すなわち、支持体2Eは、第1方向Dの一方側の支持体側係合部23E及び他方側の支持体側係合部24Eの各々がフック部材によって構成されていること以外は、上述の支持体2Aと同様の構成を備えている。
したがって、本第6実施形態の使い捨ておむつ1Eと支持体2Eとを備えた動物用のおむつセット3Eにおいては、図19に示すように、上述の第2実施形態の使い捨ておむつ1Aと支持体2Aとを備えた動物用のおむつセット3Aと同様にして、支持体2Eの胴体非対向面Sに配置された第1方向Dの一方側の支持体側係合部23E(フック部材)に対して、使い捨ておむつ1Eの胴体対向面Fに配置された長手方向Lの一方側の係合部17E(受容部材)が係合し、支持体2Eの胴体非対向面Sに配置された第1方向Dの他方側の支持体側係合部24E(フック部材)に対して、使い捨ておむつ1Eの胴体対向面Fに配置された長手方向Lの他方側の係合部18E(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつ1Eと支持体2Eとが動物の胴体に装着される。
【0142】
本第6実施形態の使い捨ておむつ1Eと支持体2Eとを備えた動物用のおむつセット3Eにおいては、支持体2Eが第1方向Dの両端部(すなわち、第1方向Dの一方側端部25及び他方側端部26の各々)の胴体非対向面Sにおいて支持体側係合部23E、24Eを有しているため、使い捨ておむつ1Eと支持体2Eを動物の胴体に装着する際に、支持体2Eを動物の背部に配置してから、使い捨ておむつ1Eを動物の腹部から胴周りに沿わせて配置し、使い捨ておむつ1Eの各係合部17E、18Eを支持体2Eの胴体非対向面Sに係合させることとなり、動物の毛を支持体2Eで押さえながら使い捨ておむつ1Eを係合固定することで、使い捨ておむつ1Eと支持体2Eの係合部分に動物の毛を巻き込まないようにして使い捨ておむつ1Eを動物の腹部に装着することができる。
さらに、上述の動物用のおむつセット3Eにおいては、支持体側係合部23E、24Eの各々が第2方向D(すなわち、動物の前後方向D)に延在するフック部材からなるため、相対的に剛性の高いフック部材によって支持体側係合部23E、24Eの第2方向Dにおける剛性を確保し易く、かかる支持体側係合部23E、24Eに係合固定される使い捨ておむつ1Eを動物の前後方向Dに更に縮み難くすることができる。
したがって、本第6実施形態の使い捨ておむつ1Eと支持体2Eとを備えた動物用のおむつセット3Eは、使い捨ておむつ1Eを動物の腹部に対してより精度よく、より的確に装着することができ、動物の排泄物の漏出をより一層生じ難くすることができる。
【0143】
なお、本第6実施形態の使い捨ておむつ1Eにおいては、長手方向Lの一方側の係合部17E及び他方側の係合部18Eの各々は、受容部材である不織布からなる表面シート11乃至一対のサイドシート14、14’の一部として、それぞれ使い捨ておむつ1Eの胴体対向面Fに配置されていてもよい。
【0144】
さらに、本発明においては、吸収性物品と支持体との固定形態として、以下に例示的に挙げる本発明の更に別の実施形態(第7実施形態乃至第11実施形態)のような固定形態も採用することができる。
なお、以下に、本発明の更に別の実施形態(第7実施形態乃至第11実施形態)に係る動物用の使い捨ておむつ及びそれを用いた動物用のおむつセットについて説明するが、使い捨ておむつの各係合部及び支持体の各支持体側係合部の配置形態以外は、作用効果を含め、上述の各実施形態と同様であるため、これら第7実施形態乃至第11実施形態に係る使い捨ておむつ及びそれを用いたおむつセットについては、図面を用いずに簡略的に説明する。
【0145】
本発明の第7実施形態に係る使い捨ておむつは、長手方向の一方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体非対向面側に位置し且つ長手方向の一方側端部において幅方向に延在するように配置されたフック部材によって構成され、長手方向の他方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体対向面において長手方向の他方側端部に配置された受容部材によって構成されている。
一方、支持体は、第1方向の一方側の支持体側係合部が、支持体の胴体対向面において第1方向の一方側端部に配置された受容部材によって構成され、第1方向の他方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面側に位置し且つ第1方向の他方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
したがって、本第7実施形態の使い捨ておむつと支持体とを備えた動物用のおむつセットにおいては、支持体の胴体対向面に配置された第1方向の一方側の支持体側係合部(受容部材)に対して、使い捨ておむつの胴体非対向面に配置された長手方向の一方側の係合部(フック部材)が係合し、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の他方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体対向面に配置された長手方向の他方側の係合部(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつと支持体とが動物の胴体に装着される。
【0146】
また、本発明の第8実施形態に係る使い捨ておむつは、長手方向の一方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体対向面側に位置し且つ長手方向の一方側端部において幅方向に延在するように配置されたフック部材によって構成され、長手方向の他方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体対向面において長手方向の他方側端部に配置された受容部材によって構成されている。
一方、支持体は、第1方向の一方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面において第1方向の一方側端部に配置された受容部材によって構成され、第1方向の他方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面側に位置し且つ第1方向の他方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
したがって、本第8実施形態の使い捨ておむつと支持体とを備えた動物用のおむつセットにおいては、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の一方側の支持体側係合部(受容部材)に対して、使い捨ておむつの胴体対向面に配置された長手方向の一方側の係合部(フック部材)が係合し、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の他方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体対向面に配置された長手方向の他方側の係合部(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつと支持体とが動物の胴体に装着される。
【0147】
また、本発明の第9実施形態に係る使い捨ておむつは、長手方向の一方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体非対向面において長手方向の一方側端部に配置された受容部材によって構成され、長手方向の他方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体非対向面側に位置し且つ長手方向の他方側端部において幅方向に延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
一方、支持体は、第1方向の一方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面側に位置し且つ第1方向の一方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成され、第1方向の他方側の支持体側係合部が、支持体の胴体対向面において第1方向の他方側端部に配置された受容部材によって構成されている。
したがって、本第9実施形態の使い捨ておむつと支持体とを備えた動物用のおむつセットにおいては、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の一方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体非対向面に配置された長手方向の一方側の係合部(受容部材)が係合し、支持体の胴体対向面に配置された第1方向の他方側の支持体側係合部(受容部材)に対して、使い捨ておむつの胴体非対向面に配置された長手方向の他方側の係合部(フック部材)が係合することにより、使い捨ておむつと支持体とが動物の胴体に装着される。
【0148】
また、本発明の第10実施形態に係る使い捨ておむつは、長手方向の一方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体対向面側に位置し且つ長手方向の一方側端部において幅方向に延在するように配置されたフック部材によって構成され、長手方向の他方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体非対向面において長手方向の他方側端部に配置された受容部材によって構成されている。
一方、支持体は、第1方向の一方側の支持体側係合部が、支持体の胴体対向面において第1方向の一方側端部に配置された受容部材によって構成され、第1方向の他方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面側に位置し且つ第1方向の他方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
したがって、本第10実施形態の使い捨ておむつと支持体とを備えた動物用のおむつセットにおいては、支持体の胴体対向面に配置された第1方向の一方側の支持体側係合部(受容部材)に対して、使い捨ておむつの胴体対向面に配置された長手方向の一方側の係合部(フック部材)が係合し、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の他方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体非対向面に配置された長手方向の他方側の係合部(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつと支持体とが動物の胴体に装着される。
【0149】
さらに、本発明の第11実施形態に係る使い捨ておむつは、長手方向の一方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体非対向面において長手方向の一方側端部に配置された受容部材によって構成され、長手方向の他方側の係合部が、使い捨ておむつの胴体対向面において長手方向の他方側端部に配置された受容部材によって構成されている。
一方、支持体は、第1方向の一方側の支持体側係合部が、支持体の胴体対向面側に位置し且つ第1方向の一方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成され、第1方向の他方側の支持体側係合部が、支持体の胴体非対向面側に位置し且つ第1方向の他方側端部において第2方向に延在するように配置されたフック部材によって構成されている。
したがって、本第11実施形態の使い捨ておむつと支持体とを備えた動物用のおむつセットにおいては、支持体の胴体対向面に配置された第1方向の一方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体非対向面に配置された長手方向の一方側の係合部(受容部材)が係合し、支持体の胴体非対向面に配置された第1方向の他方側の支持体側係合部(フック部材)に対して、使い捨ておむつの胴体対向面に配置された長手方向の他方側の係合部(受容部材)が係合することにより、使い捨ておむつと支持体とが動物の胴体に装着される。
【0150】
なお、上述の第7実施形態乃至第11実施形態においても、使い捨ておむつの各係合部及び支持体の各支持体側係合部として用いられる受容部材は、上述の第1実施形態乃至第6実施形態と同様に、それが設けられる面(すなわち、胴体対向面又は胴体非対向面)を形成する部材(例えば、一対のサイドシート、表面シート、裏面シート、内側表面材、外側表面材等)と一体に構成されていても、別部材として設けられていてもよい。
【0151】
本発明の動物用の吸収性物品及び排泄物処理セットは、上述の各実施形態等に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
【符号の説明】
【0152】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品の一例)
11 表面シート
12 裏面シート
13 吸収体
14 幅方向の一方側のサイドシート
14’ 幅方向の他方側のサイドシート
15 長手方向の一方側端部
16 長手方向の他方側端部
17 長手方向の一方側の係合部
18 長手方向の他方側の係合部
19 幅方向の一方側端部
19’ 幅方向の他方側端部
2 支持体
21 内側表面材
22 外側表面材
23 第1方向の一方側の支持体側係合部
24 第1方向の他方側の支持体側係合部
25 第1方向の一方側端部
26 第1方向の他方側端部
27 係合部剛性補強部材
28 第1方向剛性補強部材
29 傾斜部
3 動物用のおむつセット
A 係合部の幅方向長さ
B 吸収体の幅方向長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19