特許第6952866号(P6952866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000002
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000003
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000004
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000005
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000006
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000007
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000008
  • 特許6952866-3次元半導体記憶装置の製造方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952866
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】3次元半導体記憶装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11548 20170101AFI20211018BHJP
   H01L 27/11575 20170101ALI20211018BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20211018BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20211018BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20211018BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20211018BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20211018BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   H01L27/11548
   H01L27/11575
   H01L27/11582
   H01L27/11556
   H01L29/78 371
   H01L21/302 101B
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-503403(P2020-503403)
(86)(22)【出願日】2019年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2019005736
(87)【国際公開番号】WO2019167687
(87)【国際公開日】20190906
【審査請求日】2020年8月19日
(31)【優先権主張番号】特願2018-37583(P2018-37583)
(32)【優先日】2018年3月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉備 和雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】坂本 渉
【審査官】 西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−133355(JP,A)
【文献】 特開2013−4690(JP,A)
【文献】 特開2012−109571(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0240549(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0054789(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0213723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11548
H01L 27/11575
H01L 27/11582
H01L 27/11556
H01L 21/336
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に酸化膜と窒化膜または酸化膜とポリシリコン膜を交互に積層してなるスタックの上に、相互に異なる材料で形成される2種類以上のラインが順番に並んだハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスク上にフォトレジストを塗布する工程と、
エッチング条件を変更しつつ、前記ハードマスクの端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする処理と、前記フォトレジストの下から露出する前記ハードマスクの前記1つのラインをエッチングする処理と、前記ハードマスクの下から露出する前記スタックの部分をエッチングする処理と、を繰り返す工程と、
を含む3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項2】
前記繰り返す工程において、前記トリミングする処理は、前記ハードマスクの端部から同一材料のラインを1つだけ露出させる、請求項1に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項3】
前記ハードマスクは、2乃至4種類の材料で形成する、請求項1または2に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項4】
前記ハードマスクは、自己整合性ダブルパターニング(SADP)、自己整合型マルチパターニング(SAMP)、電子ビーム蒸着の少なくとも一つを用いて形成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
前記ハードマスクを形成する材料は、コア材料と、当該コア材料の両側に形成するスペーサ材料と、前記コア材料と前記スペーサ材料との間を埋めるスペース材料と、のうち少なくとも2つの材料を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項6】
前記コア材料は、アモルファスシリコン、熱処理したスピンオンカーボンまたはアモルファスカーボンであり、前記スペーサ材料は、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンであり、前記スペース材料は、スピンオンカーボン、スピンオンガラス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタルまたは酸化ハフニウムである、請求項5に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項7】
前記ハードマスクは、前記コア材料および前記スペース材料の2種類で形成する、請求項5または6に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項8】
前記ハードマスクは、前記コア材料1種、前記スペース材料1種、前記スペーサ材料2種の4種類で形成する、請求項5または6に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項9】
前記繰り返す工程は、エッチング条件を変更しつつ、前記ハードマスクの複数ブロック各々の同一方向端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする処理と、前記フォトレジストの下から露出する前記ハードマスクの前記1つのラインをエッチングする処理と、前記スタックの前記ハードマスクの下から露出する部分をエッチングする処理と、を繰り返すことで、前記スタックの複数ブロックの同一方向端部に同一方向向きに階段を形成し、
前記スタックの複数ブロックを一つおきに酸化膜で被覆する第1の被覆工程と、
前記酸化膜で被覆されていないブロックに対して異方性エッチングを施し、隣接するブロックの階段と異方性エッチングされたブロックの階段とを連続させる第1の連続工程と、
をさらに含む請求項1から8のいずれか1項に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項10】
連続する階段が形成されるブロックを一つおきに酸化膜で被覆する第2の被覆工程と、
前記酸化膜で被覆されていないブロックに対して異方性エッチングを施し、隣接するブロックの階段と異方性エッチングされたブロックの階段とを連続させる第2の連続工程と、
をさらに含む請求項9に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2の被覆工程および第2の連続工程を所定回数繰り返し実行することをさらに含む請求項10に記載の3次元半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、3次元半導体記憶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の集積度を高める手法として、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置が多数提案されている。たとえば、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置として3D NAND型フラッシュメモリが知られている。以下、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置を3次元半導体記憶装置と呼ぶ。
【0003】
たとえば、複数のメモリセルが直列に接続された複数のメモリストリングスを有する3次元半導体記憶装置が知られている(特許文献1)。該3次元半導体記憶装置では、基板の上に2次元的に広がる導電体層が絶縁体を介して積層され、導電体層と絶縁体との組からなる層一つを一段として階段状のスタックが形成される。メモリストリングスは、直列接続された複数のメモリセルがスタックを貫通する方向に配置されて構成される。また、スタックの端部を階段状に形成する。階段の一段一段を別のドライバに接続して、各層の導電体層をワード線として機能させる(特許文献2)。
【0004】
スタックの階段を形成する方法としては、たとえばトリミングを用いる手法が知られている(特許文献2,3)。この手法ではまず、エッチマスクとしてフォトレジストをスタック上に塗布する。その後、フォトレジストが塗布されていないスタックの最上層を異方性エッチングにより除去する。次に、フォトレジストの階段側端部が所定の長さだけ後退するよう等方性エッチングを行う。等方性エッチングにより、フォトレジストは階段側端部が所定の長さだけ後退するとともに厚みも所定分減少する。次に、フォトレジストの後退によって露出したスタックの最上層と2段目の層とに異方性エッチングを施す。この工程を繰り返すことによって所望の数の階段を形成する。
【0005】
かかる3次元半導体記憶装置では、スタックの層の数がメモリストリングに含まれるメモリセルの数と略等しくなる。このため、3次元半導体記憶装置の集積度を上げる方法として、スタックの層の数を増加させることが考えられる。たとえば、3次元半導体記憶装置の層数を64層とした3D NANDが提案されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2007−266143号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2017/0103996号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0186767号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】丸山 徹、「アナリスト・機関投資家向け四日市工場見学会 BiCS FLASHTM開発ご説明」2016年12月7日、https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/pr/pdf/opr20161207_3.pdf(Accessed on the Internet on November 13, 2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記方法を用いてスタックの階段を形成した場合、数回エッチングを繰り返すことでスタック上に形成されたフォトレジストが消失する。このため、多数の層を備えるスタックの階段を形成する場合、フォトレジストを塗布する工程が複数回発生することになる。たとえば、1回のスピンオンで塗布することができるフォトレジストはスタックの階段を6段形成すると消失するとする。この場合、128段の階段を形成するためには、20回以上フォトレジストを塗布する工程が必要になる。
【0009】
このため、3次元半導体記憶装置の層数が増加してもスループットを低下させずに効率的に3次元半導体記憶装置を製造することができる3次元半導体記憶装置の製造方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示する実施形態において、基板上に酸化膜と窒化膜または酸化膜とポリシリコン膜を交互に積層してなるスタックの上に、相互に異なる材料で形成される2種類以上のラインが順番に並んだハードマスクを形成する。そして、ハードマスク上にフォトレジストを塗布する。さらに、ハードマスクの端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする。また、フォトレジストの下から露出するハードマスクの1つのラインをエッチングする。さらに、ハードマスクの下から露出するスタックの部分をエッチングする。フォトレジスト、ハードマスク、およびスタックのエッチングを、エッチング条件を変更しつつ繰り返す。
【発明の効果】
【0011】
開示する実施態様によれば、3次元半導体記憶装置の層数が増加してもスループットを低下させずに効率的に3次元半導体記憶装置を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図2図2は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法により製造される3次元半導体記憶装置の構成の一例について説明するための図である。
図3図3は、スタック上に形成するハードマスクの一例の断面図である。
図4図4は、ハードマスクを形成する工程について説明するための図である。
図5図5は、階段を形成する工程について説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法においてハードマスクとして使用する材料の組み合わせの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態の変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態の変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示する一つの実施形態において、3次元半導体記憶装置の製造方法は、基板上に酸化膜と窒化膜または酸化膜とポリシリコン膜を交互に積層してなるスタックの上に、相互に異なる材料で形成される2種類以上のラインが順番に並んだハードマスクを形成する工程を含む。また、3次元半導体記憶装置の製造方法は、ハードマスク上にフォトレジストを塗布する工程を含む。さらに、3次元半導体記憶装置の製造方法は、エッチング条件を変更しつつ、ハードマスクの端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする処理と、フォトレジストの下から露出するハードマスクの1つのラインをエッチングする処理と、ハードマスクの下から露出するスタックの部分をエッチングする処理と、を繰り返す工程を含む。
【0014】
また、開示する一つの実施形態において、繰り返す工程において、トリミングする処理は、ハードマスクの端部から同一材料のラインを1つだけ露出させてもよい。
【0015】
また、開示する一つの実施形態において、ハードマスクは、2乃至4種類の材料で形成してもよい。
【0016】
また、開示する一つの実施形態において、ハードマスクは、自己整合性ダブルパターニング(SADP)、自己整合型マルチパターニング(SAMP)、電子ビーム蒸着の少なくとも一つを用いて形成してもよい。
【0017】
また、開示する一つの実施形態において、ハードマスクを形成する材料は、コア材料と、当該コア材料の両側に形成するスペーサ材料と、コア材料とスペーサ材料との間を埋めるスペース材料と、のうち少なくとも2つの材料を含んでもよい。
【0018】
また、開示する一つの実施形態において、コア材料は、アモルファスシリコン、熱処理したスピンオンカーボンまたはアモルファスカーボンであってもよい。また、スペーサ材料は、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンであってもよい。また、スペース材料は、スピンオンカーボン、スピンオンガラス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタルまたは酸化ハフニウムであってもよい。
【0019】
また、開示する一つの実施形態において、ハードマスクは、コア材料およびスペース材料の2種類で形成してもよい。
【0020】
また、開示する一つの実施形態において、ハードマスクは、コア材料1種、スペース材料1種、スペーサ材料2種の4種類で形成してもよい。
【0021】
また、開示する一つの実施形態において、繰り返す工程は、エッチング条件を変更しつつ、ハードマスクの複数ブロック各々の同一方向端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする処理と、フォトレジストの下から露出するハードマスクの1つのラインをエッチングする処理と、スタックのハードマスクの下から露出する部分をエッチングする処理と、を繰り返すことで、スタックの複数ブロックの同一方向端部に同一方向向きに階段を形成してもよい。また、3次元半導体記憶装置の製造方法は、さらに、スタックの複数ブロックを一つおきに酸化膜で被覆する第1の被覆工程を含んでもよい。また、3次元半導体記憶装置の製造方法は、酸化膜で被覆されていないブロックに対してエッチングを施し、隣接するブロックの階段とエッチングされたブロックの階段とを連続させる第1の連続工程を含んでもよい。
【0022】
また、開示する一つの実施形態において、3次元半導体記憶装置の製造方法は、連続する階段が形成されるブロックを一つおきに酸化膜で被覆する第2の被覆工程を含んでもよい。また、3次元半導体記憶装置の製造方法は、酸化膜で被覆されていないブロックに対してエッチングを施し、隣接するブロックの階段とエッチングされたブロックの階段とを連続させる第2の連続工程を含んでもよい。
【0023】
また、開示する一つの実施形態において、3次元半導体記憶装置の製造方法は、第2の被覆工程および第2の連続工程を所定回数繰り返し実行することをさらに含んでもよい。
【0024】
以下に、開示する実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0025】
(実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法の流れの一例)
図1は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。図2は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法により製造される3次元半導体記憶装置の構成の一例について説明するための図である。
【0026】
実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法により製造される3次元半導体記憶装置は、たとえば、図2に示す構成を有する。図2の例では、基板100上に下部絶縁層105を介してゲート電極層110と絶縁体層120とが交互に積層されたスタックSが形成されている。スタックSは、第1の層間絶縁層130および第2の層間絶縁層140により埋め込まれている。スタックSのコンタクト領域は階段状に形成される。階段のステップに相当する部分にはコンタクトプラグ150が接続される。コンタクトプラグ150の上には接続線160が配置され、ワード線を制御する回路等(図示せず)に接続される。スタックSのセルアレイ領域にはビット線170が配置される。ビット線170はチャネルホール180内に形成される各層と接続される。
【0027】
図2に示す3次元半導体記憶装置1は一例であって、3次元半導体記憶装置1の細部の形状や構造は図2に示すものとは異なっていてもよい。また、スタックSの階段形状を形成するための手法を除き、各部は任意の手法で形成することができる。
【0028】
まず、基板100上に下部絶縁層105を介してスタックSを形成する(ステップS1)。スタックSを積層する段階では、スタックSはゲート電極層110と絶縁体層120とではなく犠牲層110aと絶縁体層120とで形成される。ゲート電極層110は後の工程において犠牲層110aを除去し、除去によって形成された空隙を埋め戻すことで形成される。
【0029】
次に、スタックSの上にハードマスクHMを形成する(ステップS2、図3参照)。ハードマスクHMは、少なくとも2以上の異なる材料を交互にライン状に配置した構成である。ハードマスクHMの詳細については後述する。
【0030】
次に、ハードマスクHMの上にフォトレジストを塗布する(ステップS3)。
【0031】
次に塗布したフォトレジストの端部からハードマスクHMのライン1つ分が露出するよう、フォトレジストの端部をトリミングする(ステップS4)。たとえば、異方性エッチングによりフォトレジストの端部を除去する。
【0032】
そして、フォトレジストの下から露出したハードマスクHM端部の1ライン分をエッチングする(ステップS5)。
【0033】
そして、ハードマスクHMのエッチングにより除去されたラインの下から露出するスタックSの最上層すなわち、犠牲層110aと絶縁体層120の組1つをエッチングにより除去する(ステップS6)。
【0034】
そして、エッチングによりスタックSに所望の数の階段が形成されたか否かを判定する(ステップS7)。所望の数の階段が形成されたと判定された場合(ステップS7、YES)、スタックSの階段形成は終了する。他方、所望の数の階段が形成されていない(ステップS7、NO)と判定された場合、ステップS4に戻り処理を繰り返す。これによって図2に示すようなスタックSの階段が形成される。
【0035】
(ハードマスクの構成の一例)
次に、実施形態の製造方法において使用するハードマスクHMの構成について説明する。図3は、スタックS上に形成するハードマスクHMの一例の断面図である。ハードマスクHMは、互いに異なる材料で形成される複数種類のラインが順番に配置されて構成される。各ラインの幅wは略同一である。ハードマスクHMは、スタックS上に、スタックSと略同一の面積に形成される。
【0036】
図3の例では、ハードマスクHMは、3つの互いに異なる材料から形成される3種類のラインを含む。3つの材料はたとえば、アモルファスシリコン(a−Si)、酸化アルミニウム(AlOx)、スピンオンカーボン(SOC:Spin on Carbon)である。図3の例では、材料A(アモルファスシリコン)のラインと材料C(スピンオンカーボン)のラインが交互に配置され、材料Aのラインと材料Cのラインの間に材料B(酸化アルミニウム)のラインが挟まれる。つまり、A−B−C−B−A−B−C−B−Aという並び順になっている。ただし、ハードマスクHMを構成する複数種類のラインの並び順は特に限定されない。
【0037】
(ハードマスクを形成する手法の一例)
図4は、ハードマスクHMを形成する工程について説明するための図である。ハードマスクHMはたとえば、自己整合型ダブルパターニング(SADP:Self-Aligned Double
Patterning)、自己整合型マルチパターニング(SAMP:Self-Aligned Multi Patterning)を用いて作成することができる。また、電子ビーム蒸着を用いて作成してもよい。
【0038】
まず、コアとなる材料(たとえば材料A)のパターンAを露光等により形成する(図4の(A))。パターンAの上にパターンAの側壁を覆い、パターンAと略同一の幅wとなるようパターンAとは異なるスペーサ材料(たとえば材料B)の膜Bを成膜する(図4の(B)。次にエッチングでパターンAの上に堆積した材料Bを除去することで、材料Aのラインの両側に材料Bのラインが配置されるパターンを形成する(図4の(C))。そして、材料Bのラインの間の空隙を材料A,Bとは異なるスペース材料(たとえば材料C)で埋め戻す(図4の(D))。材料Cによる埋戻しはたとえば、電子ビーム蒸着で行う。そして、材料A,Bのラインの上に堆積した材料Cを除去するよう、材料Cで埋め戻されたパターンをエッチングする(図4の(E))。これによって材料C−B−A−B−C−B−A−B−Cの順にラインが並んだハードマスクHMを形成することができる。
【0039】
図4の例では3種類の異なる材料を用いてハードマスクHMを形成する。しかし、これに限らず、たとえば2種類または4種類の異なる材料を用いてハードマスクHMを形成することもできる。
【0040】
たとえば2種類の材料を用いる場合、アモルファスシリコンのパターンAを形成した後、パターンA間の空隙をスピンオンカーボンで埋め戻してもよい。この場合、パターンAの幅とパターンA間の幅とを略同一とする。2種類の材料を用いる場合、後から成膜する材料がスピンコートで塗布できるものであってもよい。
【0041】
また、4種類の材料を用いる場合、図4の(B)(C)の工程を2回繰り返すようにすればよい。すなわち、コアAの両壁に材料Bを堆積してエッチングを施して図4の(C)の形状にしたのち、再度コアAの両壁に堆積したBの横に材料Cを堆積してエッチングする。そして、材料Cのラインの間に残ったスペースを材料Dで埋め戻す。このようにすれば、B−A−B−C−D−C−B−A−B−C−Dの順にラインが並んだハードマスクHMを形成することができる。
【0042】
(階段を形成する手法の一例)
図5は、階段を形成する工程について説明するための図である。上記のように、スタックS上にハードマスクHMが形成されると、次にスタックSの階段を形成する工程が実行される。まず。ハードマスクHMの上にフォトレジストPRを塗布する。そして、ハードマスクHMの最端部の1ラインがフォトレジストPRの下から露出するようフォトレジストPRをトリミングする(図5の(A))。図5の(A)の例では、ハードマスクHMの最端部の材料CのラインがフォトレジストPRの下から露出している。
【0043】
次に、ハードマスクHMの最端部の材料Cのラインをエッチングにより除去する。さらに、材料Cのラインが除去されて露出されたスタックSの最上層をエッチングにより除去する(図5の(B))。
【0044】
次に、ハードマスクHM上のフォトレジストPRを所定幅だけ除去する。なお、フォトレジストPRのトリミングは、フォトレジストPRの厚みの減少をおさえつつ、幅方向にフォトレジストPRが後退するようにエッチング条件を設定する。
【0045】
たとえば、フォトレジストPRのトリミングはドライエッチングで行うことができる。エッチング装置としては、容量結合プラズマ(CCP)型を採用することができる。エッチング条件の一例は以下の通りである。
・エッチングガス:OおよびH
・エッチング温度:20〜100℃
・エッチング時間:10〜150sec
・エッチングパワー:周波数13〜60MHzで500〜3000W
【0046】
次に、減少させたフォトレジストPRの下から露出したハードマスクHMの最端部の材料Bのラインをエッチングにより除去する。そして、露出したスタックSをエッチングしてスタックSの最上層を除去するとともに、スタックSの上から2番目の層の端部を除去して、スタックSの上から3番目の層の端部を露出させる(図5の(C))。
【0047】
次に、さらにフォトレジストPRを所定幅だけ除去する。そして、フォトレジストPRの下から露出したハードマスクHMの最端部の材料Aのラインをエッチングにより除去する。そして、露出したスタックSをエッチングしてスタックSの最上層を除去するとともに、スタックSの上から2番目、3番目の端部を除去して、4番目の層の端部を露出させる(図5の(D))。
【0048】
このように、フォトレジストPRのエッチングと、ハードマスクHMの最端部の材料を除去するためのエッチングと、スタックSのエッチングを繰り返すことで、スタックSの階段を形成する(図5の(E))。
【0049】
(ハードマスクの材料例)
ここで、ハードマスクHMの材料はラインごとに異なる材料を使用する。そして、ハードマスクHMのエッチングにおいては、最端部に位置するラインのみをエッチングするようエッチャントおよびエッチング条件を選択する。そして、最端部に位置するラインの材料にあわせてエッチャントおよびエッチング条件を変えつつ、ハードマスクHMのトリミングを実行する。また、ハードマスクHMのエッチングの際には、フォトレジストの膜厚にできるだけ影響しない条件を選択する。
【0050】
ハードマスクHMの材料としては、たとえば、図6に示す材料を利用する。図6は、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法においてハードマスクHMとして使用する材料の組み合わせの一例を示す図である。
【0051】
図6に示すように、ハードマスクHMのコア材料(図3の材料A)として、アモルファスシリコン(a−Si)、熱処理したスピンオンカーボン(HT SOC)、アモルファスカーボン(a−C)を使用することができる。また、ハードマスクHMのスペーサ材料(図3の材料B)として、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化チタン(TiOx)、窒化チタン(TiN)を使用することができる。また、ハードマスクHMのスペース材料(図3の材料C)として、スピンオンカーボン(SOC)、スピンオンガラス(SOG)、酸化チタン、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)を使用することができる。
【0052】
また、ハードマスクHMを2種類の材料で形成する場合は、図6のコア材料とスペース材料とを組み合わせて使用する。これは、スペーサ材料は成膜装置で堆積するため埋め残しが生じてボイドとなる可能性があるためである。また、ハードマスクHMを4種類の材料で形成する場合は、図6のコア材料とスペース材料に加えて、スペーサ材料を2種類選択して組み合わせる。
【0053】
ここで、ハードマスクHMおよびスタックSのエッチングによってフォトレジストをハードマスクHM1ライン分幅方向に後退させるよう、エッチング条件を設定することが望ましい。そのように設定すれば、フォトレジストPRをエッチングする工程を省略することができる。また、フォトレジストPRを後退させるときは、各層の処理中にハードマスクHMの端部から同じ種類の材料で形成されたラインが2以上露出しないようにエッチング条件を調整する。これは、同じ種類の材料で形成されたラインが2以上露出してしまうと、スタックSをエッチングする際に、スタックSの端部とは異なる位置でもスタックSが削られることになるためである。
【0054】
たとえば、ハードマスクHMおよびスタックSのエッチング条件は次のように設定することができる。まず、ハードマスクHMのエッチングはドライエッチングで行うことができる。エッチング装置としては、容量結合プラズマ(CCP)型を採用することができる。エッチング条件の一例は以下の通りである。
・エッチングガスおよびガス流量:
(1)コア材料に対して:
CFまたはCを使用することができる。
ガス流量は100〜1000sccmである。
(2)スペーサ材料に対して:
CHF、SiClまたはClのいずれか一つを使用することができる。
ガス流量は100〜1000sccmである。
(3)スペース材料に対して:
ArまたはHeと、Oからなる混合ガスを使用することができる。
ガス流量はそれぞれ100〜1000sccmである。
・エッチング温度:20〜100℃
・エッチング時間:10〜180sec
・エッチングパワー:周波数13〜60MHzで500〜3000W
【0055】
次に、スタックSのエッチングはハードマスクHMと同様ドライエッチングで行うことができる。エッチング装置としては、容量結合プラズマ(CCP)型を採用することができる。エッチング条件の一例は以下の通りである。
(A)犠牲層がシリコン窒化膜の場合の犠牲層のエッチング条件の一例
・エッチングガス:CHとCl
・ガス流量:100〜400sccm、100〜300sccm
・エッチング温度:室温
・エッチングパワー:周波数13〜60MHzで500〜3000W
(B)犠牲層がシリコン酸化膜の場合の絶縁層のエッチング条件の一例
・エッチングガス:CFまたはC
・ガス流量:100〜300sccm
・エッチング温度:室温
・エッチングパワー:周波数13〜60MHzで500〜3000W
【0056】
(実施形態の効果)
上記のように、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法は、基板上に酸化膜と窒化膜または酸化膜とポリシリコン膜を交互に積層してなるスタックの上に、相互に異なる材料で形成される2種類以上のラインが順番に並んだハードマスクを形成する。次に当該製造方法によれば、ハードマスク上にフォトレジストを塗布する。そして、当該製造方法によれば、エッチング条件を変更しつつ、3つの処理を繰り返す。3つの処理のうち1番目の処理は、ハードマスクの最端部から1つのラインが露出するまでフォトレジストをトリミングする処理である。3つの処理のうち2番目の処理は、フォトレジストの下から露出するハードマスクの1つのラインをエッチングする処理である。3つの処理のうち3番目の処理は、スタックのハードマスクの下から露出する部分をエッチングする処理である。このため、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法によれば、3次元半導体記憶装置の層数が増加してもスループットを低下させずに効率的に3次元半導体記憶装置を製造することができる。また、フォトレジストが数回のエッチングで消失してしまうことがない。
【0057】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、繰り返す工程においてハードマスクの最端部から同一材料のラインが2以上露出しない。このため、当該製造方法によれば、ハードマスクのラインを限られた種類の材料で形成して効率的にエッチングを行うことができる。
【0058】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、ハードマスクは2乃至4種類の材料で形成してもよい。このため、当該製造方法によれば、ハードマスクのラインを限られた種類の材料で形成して効率的にエッチングを行うことができる。
【0059】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、ハードマスクは、自己整合性ダブルパターニング(SADP)、自己整合型マルチパターニング(SAMP)、電子ビーム蒸着の少なくとも一つを用いて形成してもよい。このため、当該製造方法によれば、高い精度でハードマスクを形成することができる。
【0060】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、ハードマスクを形成する材料は、コア材料と、当該コア材料の両側に形成するスペーサ材料と、コア材料とスペーサ材料との間を埋めるスペース材料と、のうち少なくとも2つの材料を含んでもよい。このため、当該製造方法によれば、コア材料、スペーサ材料、スペース材料を用いて効率的にハードマスクを形成することができる。
【0061】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、コア材料は、アモルファスシリコン、熱処理したスピンオンカーボンまたはアモルファスカーボンであってもよい。また、スペーサ材料は、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンであってもよい。また、スペース材料は、スピンオンカーボン、スピンオンガラス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタルまたは酸化ハフニウムであってもよい。このため、当該製造方法によれば、ハードマスク材料として多様な材料およびその組み合わせを用いることができる。
【0062】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、ハードマスクは、コア材料およびスペース材料の2種類で形成してもよい。このため、当該製造方法によれば、ハードマスクを簡便に形成して処理を実行することができる。また、当該製造方法によれば、処理に使用するエッチャントやエッチングの処理条件を簡素化することができる。
【0063】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法において、ハードマスクは、コア材料1種類、スペース材料1種類、スペーサ材料2種類の4種類で形成してもよい。このように、当該製造方法によれば、多様な材料の組み合わせを用いてハードマスクを形成することができる。
【0064】
(変形例)
上記実施形態においては、互いに異なる複数種類の材料で形成されるラインを備えるハードマスクを用いて、スタックの階段部分を形成した。変形例にかかる3次元半導体記憶装置の製造方法は、スタックの各層の階段を一つ一つ形成するのではなく、所定数まとめて形成することを可能にする。変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法は、所定数の階段がスタックに形成された後にさらに簡便に段数を増加させる。
【0065】
図7は、実施形態の変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、基板上にスタックを形成する(ステップS71)。スタックの形成手法は、上記実施形態の手法と同様である。たとえば、図1のステップS1と同様の手法を用いてスタックを形成することができる。次に、所定の手法を用いてスタックに所定数の階段を形成する(ステップS72)。たとえば、図1のステップS2〜S7と同様の手法を用いてスタックの階段を形成することができる。変形例においては、一つの基板上に複数のブロックを設ける。そして、各ブロックの同一方向端部に同一方向向きに階段を形成する。そして、複数のブロックを1ブロックおきに酸化膜で覆う(ステップS73)。そして、酸化膜で覆われていないブロックの表面が、酸化膜で覆われたブロックの階段と連続する高さになるまで異方性エッチングする(ステップS74)。これによって、2つのブロックに形成された階段が連続する状態となる。次に、所定の数の階段が形成されたか否かを判定する(ステップS75)。所定の数の階段が形成されたと判定されると(ステップS75、YES)、処理は終了する。他方、所定の数の階段が形成されていないと判定されると(ステップS75、NO)、ステップS73に戻って処理を繰り返す。これで変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法が終了する。
【0067】
図8は、実施形態の変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法について説明するための図である。図8の(A)は、スタックに16段の階段が形成された状態を示す図である。16段の階段は所定の方向に連続するように複数位置に同一の方向に向けて形成される。この段階では、基板上に鋸歯状に階段が並んだ状態となる。次に、階段が形成されたブロックを一つおきに酸化膜で覆う(図8の(B))。そして、酸化膜で覆われていないブロックに異方性エッチングを施す。そして、酸化膜で覆われているブロックの階段と、異方性エッチングされているブロックの階段とが連続する状態になるまで異方性エッチングを継続する。この結果、図8の(C)に示すように、スタックに32段の階段が形成される。次に、階段が連続するブロックを一つおきに酸化膜で覆う。そして酸化膜で覆われていない部分に異方性エッチングを施す。この結果、図8の(D)に示すように64段の階段が形成される。さらに、64段の階段を一つおきに酸化膜で覆い、酸化膜で覆われていないブロックを異方性エッチングする。そして、酸化膜で覆われているブロックの階段と、異方性エッチングされているブロックの階段とが連続する状態にする。この結果、図8の(E)に示すようにスタックに128段の階段が形成される。
【0068】
(変形例の効果)
上記のように、変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法は、基板上に酸化膜と窒化膜または酸化膜とポリシリコン膜を交互に積層してなるスタックの複数ブロックの同一方向端部に同一方向向きに階段を形成する工程を含む。当該製造方法はさらに、複数ブロックを一つおきに酸化膜で被覆する工程を含む。当該製造方法はさらに、酸化膜で被覆されていないブロックに対して異方性エッチングを施し、隣接するブロックの階段と異方性エッチングされたブロックの階段とを連続させる工程を含む。このため、変形例に係る製造方法によれば、スタックの階段を少ない工程で簡単に形成することができる。このため、変形例に係る製造方法によれば、3次元半導体記憶装置のスループットを向上させることができる。
【0069】
また、変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法はさらに、連続する階段が形成されるブロックを一つおきに酸化膜で被覆する工程を含む。また、当該製造方法はさらに、酸化膜で被覆されていないブロックに対して異方性エッチングを施し、隣接するブロックの階段と異方性エッチングされたブロックの階段とを連続させる工程を含む。このため、変形例に係る製造方法によれば、スタックの階段数を1回の異方性エッチングにより倍に増やすことができる。このため、変形例に係る製造方法によれば、3次元半導体記憶装置のスループットを向上させることができる。
【0070】
また、変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法はさらに、連続する階段が形成されるブロックを一つおきに酸化膜で被覆する工程と、酸化膜で被覆されていないブロックに対して異方性エッチングを施し、隣接するブロックの階段と異方性エッチングされたブロックの階段とを連続させる工程と、を所定回数繰り返し実行する。このため、当該製造方法によれば、形成される階段の数を1回の異方性エッチングで倍増させることができる。
【0071】
また、実施形態に係る3次元半導体記憶装置の製造方法と変形例に係る3次元半導体記憶装置の製造方法を組み合わせることによって、精度を向上させつつ製造工程の数を抑制し、コストおよび処理負担を軽減することができる。たとえば、従来の製造方法を用いると、各階段のレジスト塗布を1回行って6段のスタックを形成するために合計エッチングを12回行う。この場合、128段のスタックを形成するためには22回のレジスト塗布の工程が必要となり、各レジスト塗布に対して12回のエッチング工程が発生する。とすると、128段のスタック形成に256回のエッチング工程が発生する。
【0072】
これに対して、仮に変形例の製造方法を適用したとすると、16段の階段を形成した後、階段数を倍増させる異方性エッチングを3回実行すれば128段を形成することができる。また、実施形態のハードマスクを用いる製造方法を適用すれば、レジストの塗布回数は6回でエッチング回数は36回として128段を形成することが可能である。このため、ハードマスクを形成する処理の増加を考慮しても、全体として、コストおよび処理負担を抑制することができる。したがって、実施形態および変形例の製造方法によれば、エッチングの回数およびレジストの塗布回数を抑制して、コストおよび処理負担を減じることができる。
【0073】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 3次元半導体記憶装置
100 基板
105 下部絶縁層
110 ゲート電極層
110a 犠牲層
120 絶縁体層
130 第1の層間絶縁層
140 第2の層間絶縁層
150 コンタクトプラグ
160 接続線
170 ビット線
180 チャネルホール
PR フォトレジスト
HM ハードマスク
w ハードマスク1ラインの幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8