【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で言及する物性のうち測定温度がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別途に規定しない限り、該当物性は常温で測定した物性である。用語常温は加温されたり減温されたりしていない自然そのままの温度であって、通常約10℃〜30℃の範囲内の一温度または約23℃または約25℃程度である。また、本明細書で特に別途に言及しない限り、温度の単位は℃である。
【0008】
本明細書で言及する物性のうち測定圧力がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別途に規定しない限り、該当物性は常圧で測定した物性である。用語常圧は加圧されたり減圧されたりしていない自然そのままの圧力であって、通常約1気圧程度を常圧とする。
【0009】
本出願の基板は、基材層および前記基材層上に存在するスペーサーを含む。
【0010】
基材層としては、特に制限はなく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)のような公知の光学デバイスの構成で基板に使用される任意の基材層が適用され得る。例えば、基材層は無機基材層であるか有機基材層であり得る。無機基材層としては、グラス(glass)基材層などが例示され得、有機基材層としては、多様なプラスチックフィルムなどが例示され得る。プラスチックフィルムとしては、TAC(triacetyl cellulose)フィルム;ノルボルネン誘導体などのCOP(cyclo olefin copolymer)フィルム;PMMA(poly(methyl methacrylate)等のアクリルフィルム;PC(polycarbonate)フィルム;PE(polyethylene)またはPP(polypropylene)等のポリオレフィンフィルム;PVA(polyvinyl alcohol)フィルム;DAC(diacetyl cellulose)フィルム;Pac(Polyacrylate)フィルム;PES(poly ether sulfone)フィルム;PEEK(polyetheretherketon)フィルム;PPS(polyphenylsulfone)フィルム、PEI(polyetherimide)フィルム;PEN(polyethylenemaphthatlate)フィルム;PET(polyethyleneterephtalate)フィルム;PI(polyimide)フィルム;PSF(polysulfone)フィルムまたはPAR(polyarylate)フィルムなどが例示され得るが、これに制限されるものではない。
【0011】
本出願の基板で前記基材層の厚さも特に制限されず、用途に応じて適正範囲が選択され得る。
【0012】
前記基材層上にはスペーサーが存在する。前記スペーサーは前記基材層に固定されていてもよい。このような場合に前記スペーサーは、前記基材層に直接接して固定されていてもよく、あるいは基材層とスペーサーの間に他の層が存在するケースに当該他の層上に固定されていてもよい。前記他の層の種類には光学デバイスの駆動に必要な公知の層が含まれ、例えば、後述する電極層などが例示され得る。
【0013】
例えば、前記基板は、前記基材層とコラムスペーサーの間に電極層がさらに存在し、前記スペーサーが前記電極層に接している構造を有し得る。
【0014】
図1は基材層100上に前記スペーサー200が形成された場合の図面であり、
図2は基材層100上に電極層300が形成され、前記スペーサー200が形成された場合の図面である。
【0015】
一例示においては、前記スペーサーはブラックコラムスペーサーであり得る。本出願で用語ブラックスペーサーは、その光学密度(Optical Density)が1.1〜4の範囲内で測定されるスペーサーを意味し得る。前記光学密度は、前記ブラックスペーサーに対する透過率(transmittance、単位:%)またはそれと同じ成分を含む層の透過率(transmittance、単位:%)を測定した後、これを光学密度の数式(光学密度=−log
10(T)、Tは前記透過率)に代入して求めることができる。前記でブラックスペーサーと同じ成分を含む層は、例えば、コーテイング、蒸着またはメッキなどの方式で形成することができる。この時、前記形成される層の厚さは、前記ブラックスペーサーの高さと同じであるか、あるいは約12μm程度であり得る。例えば、前記ブラックスペーサーの範疇には、それと同じ成分で形成される前記厚さ約12μm程度の層の光学密度が前記言及した範囲にあるか、実際のブラックスペーサーの光学密度が前記範囲にあるか、前記厚さ約12μm程度の層の光学密度を実際のブラックスペーサーの厚さを勘案して換算した数値が前記範囲にある場合が含まれ得る。このような光学密度は、例えば、下記の実施例または比較例のスペーサーの光学密度を評価する方法により求めることができる。このような光学密度は他の例示において、約3.8以下、約3.6以下、約3.4以下、約3.2以下、約3以下、約2.8以下、約2.6以下、約2.4以下、約2.2以下または約2以下であるか、1.2以上、1.4以上または1.6以上であり得る。
【0016】
光の透過率、色相および/または反射度を調節できる光学デバイスでスペーサーが存在する領域は光学的に非活性領域となるが、本出願では前記言及された光学密度のブラックスペーサーの適用を通じて、デバイス駆動時に光漏れなどの発生を防止し、均一な光学性能を確保することができる。
【0017】
前記のようなブラックスペーサーは、例えば、通常的にコラムスペーサーを製作する材料にブラックを具現できる成分を追加して製作することができる。
【0018】
例えば、前記スペーサーは、暗色化が可能な顔料または染料などを含むことができ、具体的には金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、カーボンブラック、黒鉛、アゾ系顔料、フタロシアニン顔料または炭素系物質などを含むことができる。前記で適用され得る暗色化材料として、金属酸化物としては、クロム酸化物(CrxOyなど)または銅酸化物(CuxOyなど)等が例示され得、金属酸窒化物としてはアルミニウム酸窒化物(AlxOyNzなど)等が例示され得るがこれに制限されるものではない。また、前記炭素系物質としては、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン、活性炭(activated carbon)のような多孔性炭素などが例示され得るが、これに制限されるものではない。
【0019】
例えば、前記材料(ex.炭素系材料)を硬化性樹脂とともに配合した後に硬化させたり、適切な方式で材料自体を蒸着またはメッキなどに適用したりすることによって、前記ブラックスペーサーを製作することができる。
【0020】
ただし、本出願で使用できる顔料、染料などの種類は前記に制限されず、目的とする暗色化(光学密度)等により適正な種類が選択され得、そのスペーサー内での比率も前記暗色化などを考慮して選択することができる。
【0021】
前記スペーサーの高さは一例示において、1μm〜50μmの範囲内にあり得る。前記高さは他の例示において、3μm以上、5μm以上、7μm以上、9μm以上、11μm以上、13μm以上、15μm以上、17μm以上、19μm以上、21μm以上、23μm以上、25μm以上または27μm以上であり得る。前記高さは他の例示において、48μm以下、46μm以下、44μm以下、42μm以下、40μm以下、38μm以下、36μm以下、34μm以下、32μm以下、30μm以下、28μm以下または26μm以下であり得る。
【0022】
本出願で前記コラムスペーサーの形態は特に制限されず、例えば、円柱形や三角、四角、五角または六角柱形のような多角柱形や、後述する半球形、メッシュ形またはその他の形態をすべて適用することができる。一例示において、前記スペーサーは、少なくとも上部には半球部が形成されている半球状のスペーサーであり得る。このような半球部を有するスペーサーを適用することによって、前記スペーサーが形成された基材層に配向膜を形成した後にラビング配向または光配向などの配向処理を進行させる場合にも、前記スペーサーによる段差の影響なしにスペーサーが存在する領域でも均一な配向処理が可能となる。
【0023】
本出願で用語半球部は、その断面の軌跡が所定の曲率を有する曲線の形態を含むスペーサーの部位を意味し得る。また、前記半球部の断面の軌跡は、少なくとも曲率中心が前記断面軌跡の内部に存在する曲線部位を含むことができる。
【0024】
一例示において、前記半球部は、その断面軌跡の最大曲率が2,000mm
−1以下であり得る。公知とされているように、曲率は線の曲がった程度を表現する数値であり、該当曲線の所定の地点の接触円の半径である曲率半径の逆数で定義される。直線の場合、曲率は0であり、曲率が大きいほど曲線はより曲がって存在する。
【0025】
前記半球部の断面軌跡の最大曲率が2,000mm
−1以下となるように半球部の曲がった程度を制御することによって、該当半球部の上部で配向膜の配向処理が遂行される場合にも均一な配向処理が進行され得る。前記で半球部の断面軌跡を確認する断面は、前記基材層に対する任意の法平面であり得る。また、最大曲率は、前記半球部の断面軌跡上で求められ得るすべての接触円に対する曲率のうち、最も大きい曲率を意味し得る。換言すると、前記半球部の断面軌跡は曲率が2,000mm
−1を超過する程度に曲がった部位を含まないことができる。
【0026】
前記最大曲率は他の例示において、1,800mm
−1以下、1,600mm
−1以下、1,400mm
−1以下、1,200mm
−1以下、1,000mm
−1以下、900mm
−1以下、950mm
−1以下、850mm
−1以下、800mm
−1以下、750mm
−1以下、700mm
−1以下、650mm
−1以下、600mm
−1以下、550mm
−1以下、500mm
−1以下、450mm
−1以下、400mm
−1以下、350mm
−1以下、300mm
−1以下、250mm
−1以下、200mm
−1以下または150mm
−1以下程度であり得る。前記最大曲率は、他の例示において、5mm
−1以上、10mm
−1以上、15mm
−1以上、20mm
−1以上、25mm
−1以上、30mm
−1以上、35mm
−1以上、40mm
−1以上、45mm
−1以上または50mm
−1以上であり得る。
【0027】
前記半球部の断面軌跡は曲率が0である部位、すなわち直線形態の部位を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0028】
例えば、
図3は前記曲率が0である部位を含まない半球部の断面軌跡の例示であり、
図4は曲率が0である部位を含む半球部の断面軌跡の例示である。
【0029】
前記スペーサーは前記のような半球部を少なくとも上部に含む。
【0030】
スペーサーは前記半球部を含む限り、多様な形態で形成され得る。例えば、前記半球状のスペーサーは、
図3または
図4に示したように、基材層の表面上に前記半球部が直接形成された形態であるか、
図5または
図6に示したように上部に半球部を含む柱状のスペーサーであり得る。
【0031】
前記半球状のスペーサーの半球部は、
図3または
図5に示した通り、その断面軌跡が曲率が0である部位を含まなくてもよく、または
図4や
図6に示したように、その断面軌跡が曲率が0である部位(頂部の平坦な面)を含むものでもよい。以下、明細書では、便宜上
図3または
図5のスペーサーの半球部のような形態の半球部を通常半球部と呼称し、
図4または
図6のスペーサーの半球部のように、上部に平坦な面が形成されている形態の半球部を平坦半球部と呼称し得る。
【0032】
図3〜
図6において、H2は半球部の高さであり、Rは半球部の曲率半径、W1は平坦半球部の平坦な面の長さ(幅)であり、W2はスペーサーの幅、H1はスペーサーの全高から半球部の高さ(H2)を引いた値である。
【0033】
前記半球部は完全な半球状であるか、あるいは略半球状を有するものであり得る。完全な半球状は後述する関係式1を満足する半球状であり、略半球状は下記の関係式2〜4のうちいずれか一つを満足する半球状であり得る。
【0034】
前記半球部はその断面形態が下記の関係式1〜4のうちいずれか一つを満足する形態であり得る。
【0035】
[関係式1]
a=b=R
【0036】
[関係式2]
a≠b=R or b≠a=R
【0037】
[関係式3]
a=b<R
【0038】
[関係式4]
a≠b<R
【0039】
関係式1〜4において、aは半球部の断面の仮想接触円の中心で測定した半球部の断面の水平長であり、bは半球部の断面の仮想接触円の中心で測定した半球部の断面の垂直長であり、Rは半球部の断面の仮想接触円の曲率半径である。
【0040】
関係式1〜4での曲率半径は
図3〜
図6のRで表示されている長さに対応する。
【0041】
関係式1〜4で仮想接触円は、半球部を形成する曲線に接する複数の仮想の接触円のうち最も曲率半径が大きい接触円を意味し得る。
【0042】
半球部が
図3および
図5に示されたような通常半球部であれば、半球部の全体の断面が曲線であるので該当曲線の任意の地点の複数の仮想の接触円のうち最も曲率半径が大きい接触円が関係式1〜4で言う仮想接触円であり得る。また、半球部が
図4および
図6に示されたように平坦半球部であれば、半球部の断面のうち上部の平坦な線を除いた両側の曲線の任意の地点の複数の仮想の接触円のうち最も曲率半径が大きい接触円が関係式1〜4で言う仮想接触円となる。
【0043】
関係式1〜4で水平長は、前記仮想接触円の中心点から基材層の表面(
図3〜
図6の符号100)と水平な方向に測定した長さであり、垂直長は前記仮想接触円の中心点から基材層の表面(
図3〜
図6の符号100)と垂直な方向に測定した長さである。
【0044】
関係式1〜4において、aは半球部の断面の前記仮想接触円の中心から水平方向に進行しながら測定した半球部が終了する地点までの長さである。このような水平長は、前記仮想接触円の中心から右側方向に進行しながら測定される長さと左側方向に進行しながら測定される2個の長さが存在し得るが、関係式1〜4で適用されるaは前記2個の長さのうち短い長さを意味する。
図3および
図5の形態の半球部の場合、前記水平長aはスペーサーの幅W2の1/2に対応する数値である。また、
図4および
図6のような場合に前記水平長aの2倍に平坦部の長さ(幅)W1を足した数値(2a+W1)がスペーサーの幅W2に対応し得る。
【0045】
関係式1〜4において、bは半球部の断面の前記仮想接触円の中心から垂直方向に上部に進行しながら半球部と最初に会う地点までの長さである。このような垂直長bは通常的に半球部の高さ、例えば、
図3〜
図6で符号H2で表示される長さと略同じであり得る。
【0046】
図7は、前記関係式1を満足する半球部の断面曲線の形態であって、半球部の曲線が完全な円の曲線、すなわち前記仮想接触円と一致する曲線を有する場合を示す。
【0047】
また、
図8〜
図12は、関係式2〜4のうちいずれか一つを満足する略半球部の曲線形態を示す。
【0048】
前記スペーサーの下部、例えば、前記基材層側と接触する下部には、その断面軌跡が、曲率中心が前記断面の外部に形成される曲線形態であるテーパー部が形成されていてもよい。このような形態によって、本出願のスペーサーの特有の形状による優秀な効果、例えば、均一な配向処理の達成などがより向上され得る。
【0049】
前記のような形態のスペーサーの寸法は特に制限されず、例えば、目的とする光学デバイスのセルギャップ(cell gap)や、開口率などを考慮して適切に選択され得る。
【0050】
例えば、前記半球部の高さ(
図3〜
図6でのH2)は1μm〜20μmの範囲内にあり得る。前記高さは他の例示において、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上、10μm以上または11μm以上であり得る。前記高さはさらに他の例示において、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下または11μm以下であり得る。
【0051】
前記半球部の幅(
図3〜
図6でのW2)は、2μm〜40μmの範囲内にあり得る。前記幅は他の例示において、4μm以上、6μm以上、8μm以上、10μm以上、12μm以上、14μm以上、16μm以上、18μm以上、20μm以上または22μm以上であり得る。前記幅は他の例示において、38μm以下、36μm以下、34μm以下、32μm以下、30μm以下、28μm以下、26μm以下、24μm以下または22μm以下であり得る。
【0052】
前記スペーサーの高さは、スペーサーが
図3または
図4のような形態である場合に、前述した半球部の高さと同じであり、
図5および
図6のような形態の場合、前記半球部の高さに柱部の高さ(H1)を足した数値であり得る。前記高さは一例示において、1μm〜50μmの範囲内にあり得る。
【0053】
前記高さは他の例示において、3μm以上、5μm以上、7μm以上、9μm以上、11μm以上、13μm以上、15μm以上、17μm以上、19μm以上、21μm以上、23μm以上、25μm以上または27μm以上であり得る。前記高さは他の例示において、48μm以下、46μm以下、44μm以下、42μm以下、40μm以下、38μm以下、36μm以下、34μm以下、32μm以下、30μm以下、28μm以下または26μm以下であり得る。
【0054】
前記のように、半球状のスペーサーまたは半球柱状のスペーサーの寸法を制御することによって、スペーサーの上部に形成された配向膜に対しても均一な配向処理が可能であり、均一なセルギャップの維持が可能であるため、前記基板が光学デバイスの製造に適用された時に該当デバイスの性能を優秀に維持することができる。
【0055】
前記スペーサーは、例えば、コラムスペーサーなどを製作することに使用する樹脂に、前述した暗色化のための染料または顔料を適正比率で混合して製作することができる。一例示において、前記スペーサーは、紫外線硬化型樹脂を前述した顔料または染料とともに含んで形成され得る。例えば、後述するインプリンティング方式で前記紫外線硬化型化合物の形状を、目的とする形態を形成できる状態に維持した状態で硬化させて形成することができるが、このような場合に、前記紫外線硬化型化合物の硬化体である紫外線硬化型樹脂が前記スペーサーを形成することができる。スペーサーの形成に使用され得る紫外線硬化型化合物の具体的な種類は特に制限されず、例えば、アクリレート系列高分子材料またはエポキシ系列の高分子などが使用され得るが、これに制限されるものではない。
【0056】
本出願で前記のような材料を適用して前述した形態のスペーサーを製造する方式は特に制限されないが、目的とする設計内容にしたがって密着性が優秀な半球状のスペーサーを製造するためには、本明細書で記述する下記のインプリンティング方式を適用することが必要である。
【0057】
図13に模式的に示したように、遮光層が含まれたインプリンティングマスクを適用して前記スペーサーを製造することができる。
図13のマスクは、光透過性、例えば紫外線透過性の本体の一表面に窪んだ半球状9011が形成されており、前記半球状9011が形成されている表面で半球状が形成されていない部分には遮光膜902が形成されている形態である。図面のように前記半球状9011は、インプリンティングマスクの本体9の一面にインプリンティングモールド901を形成し、そのモールド901に前記半球状9011および遮光膜902を形成して製造することができる。必要な場合に前記遮光膜902が形成されている表面には適切な離型処理がされていてもよい。
【0058】
前記のような形態のマスクを使用して前記スペーサーを製造する例示的な工程が
図14に図示されている。
図14のように、まず基材層100の表面に紫外線硬化型化合物の層200を形成し、その層200上に前記マスク900の凹部を圧着する。その後、前記マスク900の上部で紫外線などを照射して前記化合物の層200を硬化させると、マスク900に形成された半球状に沿って前記化合物が硬化してスペーサーが形成される。その後、マスク900を除去し、未硬化された化合物を除去することによって、スペーサーを基材層100上に固定された形態に形成することができる。
【0059】
前記過程で、照射される紫外線の光量、マスクの圧着程度および/またはマスク900の半球状の形態などを調節することによって、目的とする半球状または半球柱状のスペーサーを製造することができる。
【0060】
図14の場合、半球状のスペーサーを製造するためのマスクを使用する方式を示しているが、前述した通り、スペーサーの形状は制限されないため、前記マスクの形態は目的とするスペーサーの形態にしたがって変更され得る。
【0061】
本出願の基板は、前記基材層とスペーサーに、光学デバイスの駆動に要求される他の要素をさらに含むことができる。このような要素は多様に公知とされており、代表的には電極層などがある。一例示において、前記基板は、前記基材層と前記スペーサーの間に電極層をさらに含むことができる。電極層としては、公知の素材が適用され得る。例えば、電極層は、金属合金、電気伝導性化合物または前記のうち2種以上の混合物を含むことができる。このような材料としては、金などの金属、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZTO(Zinc Tin Oxide)、アルミニウムまたはインジウムがドーピングされた亜鉛オキシド、マグネシウムインジウムオキシド、ニッケルタングステンオキシド、ZnO、SnO
2またはIn
2O
3等の酸化物材料や、ガリウムナイトライドのような金属ナイトライド、亜鉛セレナイドなどのような金属セレナイド、亜鉛スルフィドのような金属スルフィドなどが例示され得る。透明な正孔注入性電極層は、また、Au、AgまたはCuなどの金属薄膜とZnS、TiO
2またはITOなどのような高屈折の透明物質の積層体などを使用しても形成することができる。
【0062】
電極層は、蒸着、スパッタリング、化学蒸着または電気化学的手段などの任意の手段で形成され得る。電極層のパターン化も特に制限なく公知の方式で可能であり、例えば、公知とされているフォトリソグラフィやシャドーマスクなどを使用した工程を通じてパターン化されてもよい。
【0063】
本出願の基板はまた、前記基材層とスペーサー上に存在する配向膜をさらに含むことができる。
【0064】
したがって、他の例示的な本出願の基板は、基材層;前記基材層上に存在するスペーサー;および前記基材層とスペーサー上に形成された配向膜を含むことができる。
【0065】
前記で基材層とスペーサーに対する具体的な内容は前述した通りである。
【0066】
また、前記基材層とスペーサー上に形成される配向膜の種類も特に制限されず、公知の配向膜、例えば、公知のラビング配向膜または光配向膜が適用され得る。
【0067】
前記配向膜を基材層とスペーサー上に形成し、それに対する配向処理を遂行する方式も公知の方式に従う。
【0068】
ただし、一例示において、前記配向膜が前述した半球状スペーサー上に形成されるのであれば、前記配向膜もスペーサーの形状に沿った特有の形状を有することができる。
図15は、このような配向膜の断面軌跡を模式的に示した図面である。
図15は、前記スペーサー上に形成された配向膜の断面形態の例示であって、所定の幅W3と高さH3を有しつつ、上部が曲率中心が断面の内側に形成される半球状を示す。
【0069】
例えば、前記配向膜もその上部に前述した半球部を含むことができる。この場合、前記半球部は、スペーサーの場合のように、その断面軌跡の最大曲率が2,000mm
−1以下であり得る。前記最大曲率は他の例示において、1,800mm
−1以下、1,600mm
−1以下、1,400mm
−1以下、1,200mm
−1以下、1,000mm
−1以下、900mm
−1以下、950mm
−1以下、850mm
−1以下、800mm
−1以下、750mm
−1以下、700mm
−1以下、650mm
−1以下、600mm
−1以下、550mm
−1以下、500mm
−1以下、450mm
−1以下、400mm
−1以下、350mm
−1以下、300mm
−1以下、250mm
−1以下、200mm
−1以下または150mm
−1以下程度であり得る。前記最大曲率は、他の例示において、5mm
−1以上、10mm
−1以上、15mm
−1以上、20mm
−1以上、25mm
−1以上、30mm
−1以上、35mm
−1以上、40mm
−1以上、45mm
−1以上または50mm
−1以上であり得る。
【0070】
前記配向膜の半球部の断面軌跡も曲率が0である部位、すなわち直線形態の部位を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0071】
前記のようなスペーサー上に形成された配向膜の高さまたは幅も、その下部に存在するスペーサーの高さと幅、そして形成された配向膜の厚さなどにより決定されるものであって、特に制限されるものではない。
【0072】
例えば、前記半球部の高さ(
図15のH3)は、1μm〜50μmの範囲内にあり得る。前記高さは他の例示において、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上、10μm以上または11μm以上であり得る。前記高さはさらに他の例示において、48μm以下、46μm以下、44μm以下、42μm以下、40μm以下、38μm以下、36μm以下、34μm以下、32μm以下、30μm以下、28μm以下、26μm以下、24μm以下、22μm以下19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下または11μm以下であり得る。
【0073】
また、前記半球部の幅(
図15のW3)は、1μm〜80μmの範囲内にあり得る。前記幅は他の例示において、2μm以上、3μm以上、4μm以上、6μm以上、8μm以上、10μm以上、12μm以上、14μm以上、16μm以上、18μm以上、20μm以上または22μm以上であり得る。前記幅は他の例示において、78μm以下、76μm以下、74μm以下、72μm以下、70μm以下、68μm以下、66μm以下、64μm以下、62μm以下、60μm以下、58μm以下、56μm以下、54μm以下、52μm以下、50μm以下、48μm以下、46μm以下、44μm以下、42μm以下、40μm以下、38μm以下、36μm以下、34μm以下、32μm以下、30μm以下、28μm以下、26μm以下、24μm以下または22μm以下であり得る。
【0074】
本出願の基板の場合、スペーサーの形態を特有の半球の形状に調節することによって、スペーサー上に形成された配向膜の配向処理もスペーサーの段差の影響を受けずに均一に遂行され得る。
【0075】
このような効果を最大化するために、前記配向膜の形態がさらに制御され得る。
【0076】
例えば、前記配向膜の断面は、
図15および
図16に示されたように、前記配向膜の断面で基材層と接する地点から上部へ向かう領域は、曲率中心が前記断面の外側に形成される曲線形態であり得る。このような形態は、例えば、前記スペーサーの形態と配向膜の形成条件に応じて形成され得る。これにより、前記配向膜にラビング処理のような配向処理が遂行される場合にもスペーサーの段差に影響を受けない均一な配向処理が遂行され得る。
【0077】
前記基材層は前記言及したような半球状のスペーサーを含んで、それと同じであるか異なるスペーサーを含むことによって複数のスペーサーを含むことができる。このような複数のスペーサーは、前記基材層上で所定の規則性と不規則性を同時に有しつつ配置されていてもよい。具体的には、前記基材層上の複数のスペーサーのうち少なくとも一部は、互いに異なるピッチを有するように配置されているという側面では不規則な配置であるが、所定の規則に沿って定められた領域間では実質的に同じ密度を有して配置されるという側面では規則的であり得る。
【0078】
すなわち、一例示において、前記基材層上に配置されるスペーサーの少なくとも一部は、互いに異なるピッチを有するように配置され得る。
【0079】
前記で用語ピッチは、前記複数のスペーサーのうち一部を、内部に他のスペーサーが存在しない状態の閉図形を形成するように選択した時に、前記閉図形の辺の長さで定義され得る。また、特に別途に規定しない限り、ピッチの単位はμmである。
【0080】
前記形成される閉図形は、三角形、四角形または六角形であり得る。すなわち、複数のスペーサーのうち任意に3個のスペーサーを選択してそれらを互いに連結した時には前記三角形が形成され、4個のスペーサーを選択してそれらを互いに連結した時は前記四角形が形成され、6個のスペーサーを選択してそれらを互いに連結した時は前記六角形が形成される。
【0081】
例えば、基材層上に存在するスペーサーのうち任意に4個のスペーサーを選択し、それらを仮想の線(点線)に連結すると、閉図形である四角形が形成される。前記ピッチを決定する時に形成される前記閉図形は、その内部にスペーサーが存在しないように形成されるものであるため、例えば、内部に他のスペーサーが存在するように閉図形を構成するスペーサーが形成されると、前記ピッチを決定する閉図形ではない。
【0082】
一例示において、前記のように形成された閉図形である三角形、四角形または六角形の辺のうち、同じ長さを有する辺の数の比率(%)(三角形の場合に100×(同一長さの辺の数)/3、四角形の場合に100×(同一長さの辺の数)/4、六角形の場合に100×(同一長さの辺の数)/6)は、85%以下であり得る。前記比率は他の例示において、84%以下、80%以下、76%以下、67%以下、55%以下または40%以下であり得る。前記比率の下限は特に制限されない。すなわち、場合によっては前記閉図形のすべての辺の長さがすべて同じでない場合もあるので、前記比率の下限は0%であり得る。
【0083】
前記のように、本出願のスペーサーの配置は、その少なくとも一部が互いに異なるピッチを有しているという点で不規則的であるが、このような不規則性は一定の規則性下で制御される。前記で規則性はスペーサーの配置密度が一定の領域間では実質的に近接することを意味し得る。
【0084】
例えば、前記不規則的に配置された複数のスペーサーの正常ピッチをPとすると、前記基材層の表面で10Pを一辺の長さとする正四角形の領域を任意に2個以上複数選択した時に、各正四角形の領域内に存在するスペーサーの個数の標準偏差は2以下である。
【0085】
前記で用語正常ピッチは、実際には不規則的に基材層上に配置されている複数のスペーサーを、前記スペーサーの個数と前記基材層の面積を考慮して仮想的にすべてのスペーサーが同じピッチで配置されるように位置させた状態で、隣接するスペーサーの中心間の距離を意味する。
【0086】
前記言及されたすべてのスペーサーが同一ピッチを有するように配置された仮想の状態を確認する方式は公知であり、例えば、CAD、MATLAB、STELLAまたはエクセル(Excel)などのような乱数座標発生プログラムを使用して達成することができる。
【0087】
前記標準偏差(standard deviation)は、スペーサーの個数の散布度を表す数値であり、分散の正の平方根で定められる数値である。
【0088】
すなわち、基材層のスペーサーが形成された表面に、任意に前記四角形領域を少なくとも2個以上複数指定した後に、その領域内に存在するスペーサーの個数の標準偏差を求めた時にその標準偏差は2以下である。前記標準偏差は他の例示において、1.5以下、1以下または0.5以下であり得る。また、前記標準偏差はその数値が低いほど目的とする規則性が達成されたことを意味するため、その下限は特に制限されず、例えば、0であり得る。
【0089】
前記で指定される四角形領域の数は、2個以上である限り特に制限されるものではないが、一例示において、前記四角形領域が基材層の表面上で互いに重ならないように任意に選択されるものの、その任意に選択された領域が占める面積が前記基材層の全面積の約10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上となるようにする個数に選択され得る。
【0090】
前記任意の四角形領域の一辺を形成する正常ピッチPの範囲は、前述したように、基材層上に存在するスペーサーの個数と該当基材層の面積によって決定され得るものであって、特に制限されず、通常的に約100μm〜1,000μmの範囲内で決定され得る。
【0091】
特に制限されるものではないが、前記のように任意に選択された正四角形領域内に存在するスペーサーの平均個数は、例えば、約80個〜150個程度であり得る。前記平均個数は他の例示において、82個以上、84個以上、86個以上、88個以上、90個以上、92個以上、94個以上、96個以上または98個以上であり得る。また、他の例示において、前記平均個数は148個以下、146個以下、144個以下、142個以下、140個以下、138個以下、136個以下、134個以下、132個以下、130個以下、128個以下、126個以下、124個以下、122個以下、120個以下、118個以下、116個以下、114個以下または112個以下であり得る。
【0092】
また、前記スペーサーの平均個数Aと前記言及した標準偏差SDの比率(SD/A)は、0.1以下であり得る。前記比率は他の例示において、0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下または0.03以下であり得る。
【0093】
前記平均個数Aや比率(SD/A)は、場合により変更され得るが、例えば、前記基板が適用されるデバイスで要求される透過率、セルギャップ(cell gap)および/またはセルギャップの均一度などを考慮して前記数値は変更され得る。
【0094】
他の例示において、前記不規則的に配置されたスペーサーが形成されている基材層の表面を同一面積を有する2個以上の領域に分割した時、各単位領域内に前記スペーサーの個数の標準偏差が2以下であり得る。
【0095】
前記で標準偏差の意味とその具体的な例示は前述した通りである。
【0096】
すなわち、前記例示では、基材層を同一面積を有する少なくとも2個以上の領域に分割し、分割された各単位領域内に存在するスペーサーの個数の標準偏差を求めた時にその標準偏差は2以下である。このような場合に、分割された各単位領域の形態は該当単位領域が同じ面積を有するように分割される限り特に制限されないが、例えば、三角、四角または六角形領域であり得る。また、前記状態で標準偏差は他の例示において、1.5以下、1以下または0.5以下であり得、その下限は前述したように特に制限されず、例えば、0であり得る。
【0097】
前記で単位領域の個数は特に制限されるものではないが、一例示において、前記基材層は同一面積を有する2個以上、4個以上、6個以上、8個以上または10個以上の領域に分割され得る。前記で分割される領域の数が多いほどスペーサーの密度がより均一に維持されることを意味するので、分割領域の個数の上限は特に制限されない。
【0098】
前記のように規則性と不規則性を同時に有するように複数のスペーサーが配置されている基板上で、前記正常ピッチであるPを一辺とする仮想の正四角形領域を選択した時に、該当領域内に存在するスペーサーの平均個数は0〜4の範囲内であり得る。前記平均個数は、他の例示において、3.5以下、3以下、2.5以下、2以下または1.5以下であり得る。前記平均個数はさらに他の例示において、0.5以上であり得る。前記で任意に指定される一辺の長さが正常ピッチPである正四角形領域の数は、2個以上である限り特に制限されるものではないが、一例示において、前記正四角形領域が基材層の表面上で互いに重ならないように任意に選択されるものの、その任意に選択された領域が占める面積が前記基材層の全面積の約10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上となるようにする個数に選択され得る。
【0099】
前記複数のスペーサーの全体の密度は、基材層の全面積対比スペーサーが占める面積の比率が約50%以下となるように調節され得る。前記比率は他の例示において、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約9.5%以下、9%以下、8.5%以下、8%以下、7.5%以下、7%以下、6.5%以下、6%以下、5.5%以下、5%以下、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、2.5%以下、2%以下または1.5%以下であり得る。他の例示において、前記比率は約0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上、0.5%以上、0.6%以上、0.7%以上、0.8%以上、0.9%以上または0.95%以上であり得る。
【0100】
前記のような形態で複数のスペーサーが基材層上に配置されることによって、光学デバイスを具現した時にスペーサーが基板間のピッチ(cell gap)を均一に維持しながらも、いわゆるモアレ現象 を誘発させず、均一な光学特性が確保されるようにすることができる。
【0101】
前記各数値は、必要な場合に変更され得るが、例えば、前記基板が適用されるデバイスで要求される透過率、セルギャップ(cell gap)および/またはセルギャップの均一度などを考慮して前記数値は変更され得る。
【0102】
前記複数のスペーサーはそのスペーシング正規分布図が所定の形態を表すように配置され得る。
【0103】
前記でスペーシング正規分布図は、スペーサー間のピッチをX軸とし、全体のスペーサーのうち該当ピッチを有するスペーサーの比率をY軸として図示した分布図であり、このときスペーサーの比率は全体のスペーサーの数を1とした時に求められる比率である。
【0104】
本明細書で前記スペーシング正規分布図と関連した説明でのピッチは、前記言及した閉図形である三角形、四角形または六角形での辺の長さである。
【0105】
前記分布図は、公知の乱数座標プログラム、例えば、CAD、MATLABまたはSTELLA乱数座標プログラムなどを使用して求めることができる。
【0106】
一例示において、前記複数のスペーサーは前記分布図での半高さ面積が0.4〜0.95の範囲内となるように配置され得る。前記半高さ面積は他の例示において、0.6以上、0.7以上または0.85以上であり得る。また、前記半高さ面積は他の例示においては0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下または0.5以下であり得る。
【0107】
前記複数のスペーサーは、前記分布図での半高さ幅FWHMと平均ピッチPmの比(FWHM/Pm)が1以下となるように配置され得る。前記比(FWHM/Pm)は、他の例示において、0.05以上、0.1以上、0.11以上、0.12以上または0.13以上であり得る。また、前記比(FWHM/Pm)は、他の例示においては約0.95以下、約0.9以下、約0.85以下、約0.8以下、約0.75以下、約0.7以下、約0.65以下、約0.6以下、約0.55以下、約0.5以下、約0.45以下または約0.4以下であり得る。
【0108】
前記での平均ピッチPmは、前述した閉図形である三角形、四角形または六角形を形成するように、少なくとも80%以上、85%以上、90%以上または95%以上のスペーサーを選択した時に選択されたスペーサーによって形成される三角形、四角形または六角形の各辺の長さの平均である。また、前記でスペーサーは形成された三角形、四角形または六角形が互いに頂点は共有しないように選択される。
【0109】
前記複数のスペーサーは、前記分布図での半高さ幅FWHMが0.5μm〜1,000μmの範囲内にあるように配置され得る。前記半高さ幅FWHMは他の例示において、約1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上、10μm以上、11μm以上、12μm以上、13μm以上、14μm以上、15μm以上、16μm以上、17μm以上、18μm以上、19μm以上、20μm以上、21μm以上、22μm以上、23μm以上または24μm以上であり得る。他の例示において、前記半高さ幅FWHMは約900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下または30μm以下であり得る。
【0110】
前記複数のスペーサーは、前記スペーシング正規分布図の最大高さFmaxが0.006以上かつ1未満となるように配置され得る。前記最大高さFmaxは他の例示において、約0.007以上、約0.008以上、約0.009以上または約0.0095以上であり得る。また、前記最大高さFmaxは他の例示において、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.1以下、約0.09以下、約0.08以下、約0.07以下、約0.06以下、約0.05以下、約0.04以下、約0.03以下または約0.02以下であり得る。
【0111】
複数のスペーサーが前記のような形態のスペーシング正規分布図を有するように配置されることによって、前記基板を通じて光学デバイスを具現した時にスペーサーが基板間のピッチ(cell gap)を均一に維持しながらもいわゆるモアレ現象を誘発させず、均一な光学特性が確保されるようにすることができる。
【0112】
複数のスペーサーが前記のように不規則性と規則性を同時に有するように配置されるために、不規則度という概念が導入される。以下、前記のような形態のスペーサーの配置を設計するための方法を説明する。
【0113】
前記言及された規則性と不規則性を同時に有するスペーサーの配置を達成するためには、正常配置状態から出発して不規則性を有するようにスペーサーを再配置する段階を遂行する。
【0114】
前記で正常配置状態は、複数のスペーサーが基材層上にすべての辺の長さが同じである正三角形、正四角形または正六角形を形成できるように配置された状態である。
図17は、一例示であって、スペーサーが前記正四角形を形成するように配置された状態である。この状態での正四角形の一辺の長さPは、前述した正常ピッチと同じであり得る。前記のような配置状態で一つのスペーサーが存在する地点を基準として、前記の一辺の長さPに対して一定の比率となる長さの半径を有する円領域を指定し、その領域内で前記一つのスペーサーが無作為的に移動できるようにプログラムをセッティングする。例えば、
図17は前記長さP対比50%の長さ(0.5P)の半径を有する円領域を設定し、その領域内の任意の地点で前記スペーサーが移動する形態を模式的に示している。前記のような移動を少なくとも80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または100%(すべてのスペーサー)のスペーサーに適用して前述した配置を達成することができる。
【0115】
前記のような設計方式で前記円領域の半径となる長さPに対する比率が不規則度であると定義され得る。例えば、
図17に示された場合において、不規則度は約50%である。
【0116】
一例示において、前記設計方式での不規則度は約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上または約65%以上であり得る。前記不規則度は一例示において約95%以下、約90%以下、約85%以下または約80%以下であり得る。
【0117】
前記のような方式でスペーサーの配置を設計し、設計された配置にしたがってスペーサーを形成することによって、前述した不規則性と規則性を同時に有する配置を達成することができる。
【0118】
また、前記では正常状態が正四角形から出発する場合を例示としたが、前記正常状態は正三角形または正六角形などの他の図形でもよく、その場合にも前述した配置が達成され得る。
【0119】
また、前記のような方式でスペーサーの配置を設計する手段は特に制限されず、公知の乱数座標プログラム、例えば、CAD、MATLAB、STELLAまたはExcel乱数座標プログラムなどを使用することができる。
【0120】
例えば、前記のような方式でまずスペーサーの配置を設計した後、該当設計に沿ったパターンを有するマスクなどを製造し、該当マスクを前述したリソグラフィーまたはインプリンティング方式などに適用して前記のようなスペーサーを具現することができる。
【0121】
本出願の前記スペーサーは、前記基材層あるいは前記スペーサーが接している基材層の要素(例えば、前記電極層)に対して優秀な付着力を表す。
【0122】
例えば、前記基材層の前記スペーサーが形成された面に剥離力が略3.72N/10mm〜4.16N/10mm水準の粘着テープを付着し、これを剥離しても前記スペーサーのパターンは実質的に消失せずに維持され得る。この時、前記粘着テープとしては、例えば、ニチバンテープ(Nichiban Tape)CT−24で公知とされているテープであり得る。前記ニチバンテープは、JIS Z 1522規格に沿って180度の剥離角度で測定した剥離力が略3.72N/10mm〜4.16N/10mm水準である。前記ニチバンテープCT−24を前記スペーサーが形成された基材層の面に、幅が24mm、長さが40mmである長方形の付着面積で付着した後に、前記ニチバンテープCT−24を約30mm/sの剥離速度および約180度の剥離角度で長さ方向に剥離して測定した前記スペーサーの消失率は、15%以下、13%以下、11%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下または0.5%以下であり得る。前記で消失率は前記付着面積内に存在するすべてのスペーサーの個数対比前記粘着テープ剥離後に消失したスペーサーの個数の百分率であり得る。適用用途によって異なるが、通常前記のような付着面積内にはスペーサーが10,000個〜40,000個程度存在し得るが、このようなスペーサーのうち消失するスペーサーの比率が前記範囲に維持され得る。
【0123】
ブラックスペーサーの場合、前述した光学密度を満足させるために染料や顔料などの暗色化材料を含むが、このような暗色化材料によってスペーサー材料の硬化率が阻害されるため、前記のように優秀な密着力のスペーサーの形成は非常に難しい。ところが、本出願で言及する方式で製造したスペーサーは、その特有の半球の形状と製造方式によって前述した光学密度を有しながらも優秀な密着性を有することができる。
【0124】
スペーサーがこのような密着性を示す場合には、その表面に配向膜が形成され、ラビングなどの配向処理が進行される場合にも安定してスペーサーが維持され得るため、最終的に優れた性能の製品の製造が可能である。また、スペーサーが形成された基板は、実際の製品に適用される前までスペーサーが形成された表面に保護用粘着フィルムが付着された状態で維持され得るが、そのような構造で粘着フィルムを剥離してもパターンが消失せず、安定して維持され得る。
【0125】
一例示において、前記基板は、追加の構成として保護フィルムを含むことができる。例えば、前記基板は、前記基材層のスペーサーが形成された面に付着した保護用粘着フィルムをさらに含むことができる。前記のような構成で粘着フィルムとしては、特に制限なく公知の保護用粘着フィルムが使用され得る。
【0126】
図18は、
図2に示された基板上に前記保護フィルムが付着された形態であって、保護フィルムは通常基材フィルム500とその一面に形成された粘着剤層400を含む。
【0127】
本出願はまた、前記基板を製造する方法に関するものである。前記製造方法は、前記基材層上に形成された前記ブラックコラムスペーサーを形成する光硬化性材料を遮光層が含まれたインプリンティングマスクで圧着した状態で、前記光硬化性材料を硬化させる段階を含むことができる。前記で適用される光硬化性材料の種類は特に制限されず、公知のブラックコラムスペーサー材料が使用され得、一例示としては前記言及した紫外線硬化型樹脂に顔料または染料などの暗色化材料を混合した材料が使用され得る。
【0128】
また、前記遮光層が含まれたインプリンティングマスクとしては、例えば、
図13に例示的に示されたマスクが使用され得る。したがって、前記遮光層が含まれたインプリンティングマスクは、光透過性の本体(
図13の9)の一表面に窪んだ半球状(
図13の9011)が形成されており、前記半球状が形成された本体の面で半球状のない表面に遮光膜(
図13の902)が形成されている形態であり得、前記で
図14を参照して説明した通り、前記のようなマスクの窪んだ半球状が形成されている表面を前記光硬化性材料に密着させた状態で前記光硬化性材料を硬化させることができる。
【0129】
この時、前記基材層上には電極層が形成されており、前記光硬化性材料が前記電極層上に形成され得る。
【0130】
前記のような過程で形成される凹部の仕様(例えば、直径や高さなど)は特に制限されず、目的とする半球状に沿って形成することができる。すなわち、前述した半球状の高さ、幅などは実質的にマスクの凹部の形状に略追従するため、これを通じて半球状の制御が可能である。また、照射される光、例えば、紫外線の量も使用された材料を考慮して調節可能である。
【0131】
本出願はまた、前記のような基板を使用して形成した光学デバイスに関するものである。
【0132】
本出願の例示的な光学デバイスは、前記基板および前記基板と対向配置されており、前記基板のスペーサーによって前記基板との間隔が維持された第2基板を含むことができる。
【0133】
前記光学デバイスで2個の基板の間の間隔には光変調層が存在することができる。本出願で用語光変調層には、入射した光の偏光状態、透過率、色調および反射率などの特性のうち、少なくとも一つの特性を目的により変化させることができる公知のすべての種類の層が含まれ得る。
【0134】
例えば、前記光変調層は、液晶物質を含む層であって、電圧、例えば垂直電界や水平電界のオンオフ(on−off)によって拡散モードと透過モードの間でスイッチングされる液晶層であるか、透過モードと遮断モードの間でスイッチングされる液晶層であるか、透過モードとカラーモードでスイッチングされる液晶層または互いに異なる色のカラーモードの間をスイッチングする液晶層であり得る。
【0135】
前記のような作用を遂行できる光変調層、例えば、液晶層は多様に公知とされている。一つの例示的な光変調層としては、通常の液晶ディスプレイに使用される液晶層の使用が可能である。他の例示において、光変調層は多様な形態のいわゆるゲストホスト液晶層(Guest Host Liquid Crystal Layer)、高分子分散型液晶層(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、画素孤立型液晶層(Pixcel−isolated Liquid Crystal)、浮遊粒子デバイス(Suspended Particle Deivice)または電気変色ディスプレイ(Electrochromic device)等でもよい。
【0136】
前記で高分子分散型液晶層(PDLC)は、いわゆるPILC(pixel isolated liquid crystal)、PDLC(polymer dispersed liquid crystal)、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)またはPSLC(Polymer Stablized Liquid Crystal)等を含む上位概念である。高分子分散型液晶層(PDLC)は、例えば、高分子ネットワークおよび前記高分子ネットワークと相分離された状態で分散している液晶化合物を含む液晶領域を含むことができる。
【0137】
前記のような光変調層の具現方式や形態は特に制限されず、目的に応じて公知とされている方式を制限なく採択することができる。
【0138】
また、前記光学デバイスは必要な場合、追加的な公知の機能性層、例えば、偏光層、ハードコーテイング層および/または反射防止層なども追加に含むことができる。