特許第6954546号(P6954546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6954546
(24)【登録日】2021年10月4日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】化合物およびこれを含む色変換フィルム
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20211018BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20211018BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20211018BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
   C07D495/04 102
   C07D495/04CSP
   G02B5/20
   G02F1/13357
   G02F1/1335
【請求項の数】12
【全頁数】106
(21)【出願番号】特願2020-541452(P2020-541452)
(86)(22)【出願日】2019年11月8日
(65)【公表番号】特表2021-512083(P2021-512083A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(86)【国際出願番号】KR2019015160
(87)【国際公開番号】WO2020105918
(87)【国際公開日】20200528
【審査請求日】2020年8月4日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0142552
(32)【優先日】2018年11月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ソンキョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、スンミ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チョル ジュン
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−514650(JP,A)
【文献】 Polymer,2013年,Vol.54,pp.6191-6199
【文献】 Chem. Mater.,2009年,Vol.21,pp.3618-3628
【文献】 ORGANIC LETTERS,2009年,Vol.11, No.21,pp.4898-4901
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
G02B
G02F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される
化合物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、N(A1);C(A2)(A3);O;またはSであり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;−C(=O)ORa;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のハロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
Raは、水素;重水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
r1およびr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜7の整数であり、
r1が2以上の場合、複数のR1は、互いに同一または異なり、
r2が2以上の場合、複数のR2は、互いに同一または異なり、
n1およびn2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n1が2以上の場合、複数のL1−Ar1は、互いに同一または異なり、
n2が2以上の場合、複数のL2−Ar2は、互いに同一または異なる。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式2−1〜2−4のうちのいずれか1つで表されるものである、
請求項1に記載の化合物:
[化学式2−1]
【化2】
[化学式2−2]
【化3】
[化学式2−3]
【化4】
[化学式2−4]
【化5】
前記化学式2−1〜2−4において、
X1、X2、L1、L2、Ar1、Ar2、R1、R2、r1およびr2の定義は、化学式1で定義した通りであり、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
r3およびr4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
r3が2以上の場合、複数のR3は、互いに同一または異なり、
r4が2以上の場合、複数のR4は、互いに同一または異なる。
【請求項3】
前記化学式1は、下記化学式3−1〜3−4のうちのいずれか1つで表される、
請求項1に記載の化合物:
[化学式3−1]
【化6】
[化学式3−2]
【化7】
[化学式3−3]
【化8】
[化学式3−4]
【化9】
前記化学式3−1〜3−4において、
X1、X2、L1、L2、Ar1、Ar2、R1、R2、r1、r2、n1およびn2は、化学式1で定義した通りである。
【請求項4】
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;アルコキシ基;ハロゲン基、ニトリル基、ハロアルキル基、アルキル基、C(=O)ORa、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロ環基で置換もしくは非置換のアリール基;またはアルキル基、アリール基、またはアルキルアリール基で置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の単環〜3環の環を形成し、
Raは、水素;重水素;またはアルキル基である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;またはニトリル基であるか、下記の構造から選択されたいずれか1つである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物:
【化10】
【化11】
前記構造において、
*は、L1またはL2に連結される位置であり、
nは、1〜5の整数である。
【請求項6】
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;フェニレン基;ビフェニレン基;メチル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレニレン基;スピロビフルオレニレン基;2価のカルバゾール基;2価のジベンゾフラン基;または2価のキノリン基である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;メチル基;メトキシ基で置換もしくは非置換のフェニル基;または
【化12】
であるか、
A2およびA3は、互いに結合してtert−ブチル基で置換もしくは非置換のフルオレン環を形成するものである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R1およびR2は、水素である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記化学式1で表される化合物は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表されるものである、
請求項1に記載の化合物:
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【請求項10】
樹脂マトリックスと、
前記樹脂マトリックス内に分散した請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物と
を含む
色変換フィルム。
【請求項11】
請求項10に記載の色変換フィルムを含む
バックライトユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のバックライトユニットを含む
ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、化合物、これを含む色変換フィルム、バックライトユニットおよびディスプレイ装置に関する。
【0002】
本出願は、2018年11月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2018−0142552号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
既存の発光ダイオード(LED)は、青色光発光ダイオードに緑色燐光体および赤色燐光体を混合するか、UV光放出発光ダイオードに黄色燐光体および青−緑色燐光体を混合して得られる。しかし、このような方式は、色相を制御しにくく、これによって演色性が良くない。したがって、色再現率が低下する。
【0004】
このような色再現率の低下を克服し、生産費用を低減するために、量子ドットをフィルム化して青色LEDに結合させる方式で緑色および赤色を実現する方式が最近試みられている。しかし、カドミウム系の量子ドットは安全性の問題があり、その他の量子ドットはカドミウム系に比べて効率が大きく低下する。また、量子ドットは、酸素および水に対する安定度が低下し、凝集する場合、その性能が著しく低下するという欠点がある。さらに、量子ドットの生産時、その大きさを一定に維持しにくくて生産単価が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第2000−0011622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、化合物、これを含む色変換フィルム、バックライトユニットおよびディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様によれば、下記化学式1で表される化合物を提供する。
【0008】
[化学式1]
【化1】
【0009】
前記化学式1において、
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、N(A1);C(A2)(A3);O;またはSであり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;−C(=O)ORa;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のハロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
Raは、水素;重水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
r1およびr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜7の整数であり、
r1が2以上の場合、複数のR1は、互いに同一または異なり、
r2が2以上の場合、複数のR2は、互いに同一または異なり、
n1およびn2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n1が2以上の場合、複数のL1−Ar1は、互いに同一または異なり、
n2が2以上の場合、複数のL2−Ar2は、互いに同一または異なる。
【0010】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス内に分散した前記化学式1で表される化合物とを含む色変換フィルムを提供する。
【0011】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記色変換フィルムを含むバックライトユニットを提供する。
【0012】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記バックライトユニットを含むディスプレイ装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に記載の化合物を色変換フィルムの蛍光物質として用いることにより、輝度および色再現率に優れ、量子効率に優れた色変換フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本明細書の一実施態様に係る色変換フィルムをバックライトユニットに適用した模式図である。
図2】本明細書の一実施態様に係るディスプレイ装置の構造を例示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本明細書についてさらに詳細に説明する。
【0016】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を提供する。
【0017】
前記化学式1で表される化合物は、ジベンゾ[f,h]チエノ[3,4−b]キノキサリン(dibenzo[f,h]thieno[3,4−b]quinoxaline)に3環のアリール基または3環のヘテロアリール基が置換された構造である。本発明の化合物は、吸収ピークと発光ピークにおいて大きなストークシフト(stokes shift)を有する物質で、自体で蛍光がクエンチング(quenching)される現象を抑制することができる。また、従来アクセプター物質として用いられるベンゾチアジアゾール(benzothiadiazole、BTD)構造に比べてより強いアクセプターとして作用できて、D(ドナー、donor)−A(アクセプター、acceptor)−D(ドナー、donor)構造において、ベンゾチアジアゾールより、本発明の化合物の方が効果に優れている。具体的には、本発明の化合物がベンゾチアジアゾールより吸収および発光ピークを長波長領域に移動させて長波長領域での分子の波長を容易に調節することができる。本発明で合成された化合物は、オレンジから赤色の蛍光を有する。
【0018】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0019】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0020】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0021】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子の置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0022】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトリル基;ニトロ基;カルボキシ基(−COOH);エステル基;ヒドロキシ基;アルキル基;ハロアルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルケニル基;アリール基;およびヘテロ環基からなる群より選択された1または2以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2つのフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。「2以上の置換基が連結された置換基」のもう一つの例示は、エテニルフェニル基であってもよい。エテニル基とフェニル基が連結された置換基と解釈される。
【0023】
本明細書の一実施態様において、「置換もしくは非置換の」は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトリル基;ニトロ基;カルボキシ基(−COOH);炭素数1〜10のエステル基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のハロアルキル基;炭素数3〜30のシクロアルキル基;炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数6〜30のアリールオキシ基;炭素数2〜10のアルケニル基;炭素数6〜30のアリール基;および炭素数2〜30のヘテロ環基からなる群より選択された1または2以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。
【0024】
本明細書において、2以上の置換基が連結されるというのは、いずれか1つの置換基の水素が他の置換基と連結されていることをいう。例えば、イソプロピル基とフェニル基が連結されて、
【化2】
または
【化3】
の置換基になってもよい。
【0025】
本明細書において、3つの置換基が連結されるというのは、(置換基1)−(置換基2)−(置換基3)が連続して連結されるだけでなく、(置換基1)に(置換基2)および(置換基3)が連結されることも含む。例えば、2つのフェニル基およびイソプロピル基が連結されて、
【化4】
または
【化5】
の置換基になってもよい。4以上の置換基が連結されることにも前述したものと同一に適用される。
【0026】
本明細書において、*または
【化6】
は、他の置換基または結合部に結合する部位を意味する。
【0027】
本明細書において、ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素になってもよい。
【0028】
本明細書において、エステル基は、−C(=O)OR105、または−OC(=O)R106になってもよいし、前記R105およびR106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるが、これに限定されるものではない。具体的には、前記R105およびR106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1〜25のアルキル基;炭素数2〜25のアルケニル基;炭素数6〜30のアリール基;または炭素数2〜30のヘテロ環基である。本明細書の一実施態様において、前記R105およびR106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のアルケニル基;炭素数6〜20のアリール基;または炭素数2〜20のヘテロ環基である。
【0029】
本明細書において、アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30;1〜20;1〜10;または1〜5のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチルブチル、1−エチルブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、イソヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3〜30;炭素数3〜20;炭素数3〜10;または炭素数3〜6のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、ハロアルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、前述したアルキル基の水素が1または2以上のハロゲン基で置換されているものをいう。炭素数は特に限定されないが、1〜30;1〜20;1〜10;または1〜5のものが好ましい。アルキル基には、前述したアルキル基に関する説明が適用可能である。ハロアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基などがあるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書において、アルコキシ基は、酸素原子にアルキル基が連結されたもので、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1〜30;1〜20;1〜10;または1〜5のものが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシなどになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0033】
本明細書において、アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2〜30;2〜20;2〜10;または2〜5のものが好ましい。具体例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本明細書において、アリール基は、1価の芳香族炭化水素または芳香族炭化水素誘導体の1価の基を意味する。本明細書において、芳香族炭化水素は、pi電子が完全にコンジュゲーションされ平面である環を含む化合物を意味し、芳香族炭化水素から誘導される基とは、芳香族炭化水素に芳香族炭化水素または環状脂肪族炭化水素が縮合された構造を意味する。また、本明細書において、アリール基は、2以上の芳香族炭化水素または芳香族炭化水素の誘導体が互いに連結された1価の基を含もうとする。アリール基は特に限定されないが、炭素数6〜50;6〜30;6〜25;6〜20;6〜18;または6〜13のものが好ましく、前記アリール基は、単環式または多環式であってもよい。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。具体的には、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、トリフェニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成してもよい。
【0036】
本明細書において、前記フルオレニル基が置換されていてもよいとする時、置換されたフルオレニル基は、フルオレンの5員環の置換基が互いにスピロ結合して芳香族炭化水素環を形成する化合物までをすべて含むものである。前記置換されたフルオレニル基は、9,9'−スピロビフルオレン、スピロ[シクロペンタン−1,9'−フルオレン]、スピロ[ベンゾ[c]フルオレン−7,9−フルオレン]などを含むが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書において、アリールオキシ基は、酸素原子にアリール基が連結されたもので、アリールオキシ基のアリール基は、前述したアリール基の例示の通りである。具体的には、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、3,5−ジメチル−フェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−ビフェニルオキシ基、4−ビフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、1−アントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基、9−アントリルオキシ基、1−フェナントリルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基などがあり、アリールチオキシ基としては、フェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、4−tert−ブチルフェニルチオキシ基などがあり、これらに限定されるものではない。
【0038】
本明細書において、ヘテロ環基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜50;2〜30;2〜25;2〜20;2〜18;または2〜13のものが好ましく、前記ヘテロ環基は、単環式または多環式であってもよい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラニル基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ピリジン基、ビピリジン基、ピリミジン基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジン基、ピリダジン基、ピラジン基、キノリン基、キナゾリン基、キノキサリン基、フタラジン基、ピリドピリミジン基、ピリドピラジン基、ピラジノピラジン基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾチアゾール基、フェノチアジン基、ジベンゾフラン基、ジヒドロフェノチアジン基、ジヒドロベンゾイソキノリン基、クロメン基、およびクロメノン基(chromenone)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本明細書において、ヘテロ環基は、単環または多環であってもよいし、芳香族、脂肪族、または芳香族と脂肪族との縮合環であってもよいし、前記ヘテロ環基の例示の中から選択されてもよい。
【0040】
本明細書において、ヘテロアリール基は、1価の芳香族ヘテロ環を意味する。ここで、芳香族ヘテロ環とは、芳香族環または芳香族環の誘導体の1価の基であって、異種原子として、N、O、およびSのうちの1つ以上を環に含む基を意味する。前記芳香族環の誘導体とは、芳香族環に芳香族環または脂肪族環が縮合された構造をすべて含む。また、本明細書において、ヘテロアリール基は、2以上の異種原子を含む芳香族環または異種原子を含む芳香族環の誘導体が互いに連結された1価の基を含もうとする。
【0041】
前記ヘテロアリール基の炭素数2〜50;2〜30;2〜20;2〜18;または2〜13のものが好ましい。
【0042】
本明細書において、炭化水素環は、芳香族、脂肪族、または芳香族と脂肪族との縮合環であってもよいし、前記1価でないものを除き、前記シクロアルキル基またはアリール基の例示の中から選択されてもよいし、芳香族と脂肪族との縮合環の例として、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン基、2,3−ジヒドロ−1H−インデン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。
【0044】
本明細書において、ヘテロアリーレン基は、ヘテロアリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したヘテロアリール基の説明が適用可能である。
【0045】
本明細書において、「隣接した」基は、当該置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、当該置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または当該置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味することができる。例えば、ベンゼン環におけるオルト(ortho)位に置換された2つの置換基、および脂肪族環における同一炭素に置換された2つの置換基は、互いに「隣接した」基と解釈される。
【0046】
本明細書において、置換基中の「隣接した基は互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する」という意味は、隣接した基と互いに結合して置換もしくは非置換の炭化水素環;または置換もしくは非置換のヘテロ環を形成することを意味する。
【0047】
本明細書の一実施態様において、前記X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、N(A1);C(A2)(A3);O;またはSである。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、C(A2)(A3)である。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、N(A1)である。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSである。
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記X1およびX2は、互いに同一である。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記A2およびA3は、互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
【0053】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基;置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基;置換もしくは非置換の炭素数2〜20のアルケニル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基;および置換もしくは非置換の炭素数2〜30のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の炭素数3〜30の環を形成する。
【0055】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基;置換もしくは非置換の炭素数6〜25のアリールオキシ基;置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜25のアリール基;および置換もしくは非置換の炭素数2〜25のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の炭素数3〜25の芳香族炭化水素環を形成する。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数6〜25のアリールオキシ基;炭素数2〜10のアルケニル基;炭素数6〜25のアリール基;および炭素数2〜25のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の炭素数3〜25の芳香族炭化水素環を形成する。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数6〜25のアリールオキシ基;炭素数2〜10のアルケニル基;炭素数6〜25のアリール基;および炭素数2〜25のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、前記A2およびA3は、互いに結合して炭素数1〜10のアルキル基で置換もしくは非置換のフルオレン環を形成する。
【0058】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;メチル基;エチル基;プロピル基;ブチル基;tert−ブチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロポキシ基;イソプロポキシ基;ブトキシ基;tert−ブトキシ基;フェノキシ基;エチレン基;プロピレン基;フェニル基;ビフェニル基;ターフェニル基;ナフチル基;フルオレニル基;カルバゾール基;ジベンゾフラン基;ジベンゾチオフェン基;ピリジン基;ピリミジン基;およびトリアジン基からなる群より選択された1つの置換基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された置換基であるか、隣接した置換基が互いに結合してシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、またはフルオレン環を形成してもよい。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基で置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基;または炭素数2〜6のアルケニル基で置換された炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数6〜20のアリール基であるか、A2およびA3は、互いに結合して炭素数1〜6のアルキル基で置換もしくは非置換の炭素数3〜25の芳香族炭化水素環を形成する。
【0060】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;メチル基;メトキシ基で置換もしくは非置換のフェニル基;または
【化7】
であるか、A2およびA3は、互いに結合してtert−ブチル基で置換もしくは非置換のフルオレン環を形成する。
【0061】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;メチル基;またはフェニル基であるか、A2およびA3は、互いに結合してフルオレン環を形成する。
【0062】
本明細書の一実施態様において、前記A1は、フェニル基である。
【0063】
本明細書の一実施態様において、前記A2およびA3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;メチル基;メトキシ基で置換もしくは非置換のフェニル基;または
【化8】
であるか、A2およびA3が互いに結合してtert−ブチル基で置換もしくは非置換のフルオレン環を形成する。
【0064】
本明細書の一実施態様において、前記A2およびA3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、メチル基;またはフェニル基であるか、A2およびA3が互いに結合してフルオレン環を形成する。
【0065】
本明細書の一実施態様において、前記A2およびA3は、互いに同一である。
【0066】
本明細書の一実施態様において、前記R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜20のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の単環〜3環の環を形成してもよい。
【0068】
本明細書の一実施態様において、前記R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または重水素である。
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記R1およびR2は、水素である。
【0070】
本明細書の一実施態様において、前記r1およびr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜7の整数であり、r1が2以上の場合、複数のR1は、互いに同一または異なり、r2が2以上の場合、複数のR2は、互いに同一または異なる。
【0071】
本明細書の一実施態様において、前記r1は、0である。
【0072】
本明細書の一実施態様において、前記r2は、0である。
【0073】
本明細書の一実施態様において、前記r1は、7である。
【0074】
本明細書の一実施態様において、前記r2は、7である。
【0075】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基である。
【0076】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアリーレン基である。
【0077】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換の炭素数6〜25のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜20のヘテロアリーレン基である。
【0078】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜20のヘテロ環基で置換もしくは非置換の炭素数6〜25のアリーレン基;または炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜25のアリール基で置換もしくは非置換の炭素数2〜20のヘテロアリーレン基である。
【0079】
本明細書の一実施態様において、L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;置換もしくは非置換のフェニレン基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のターフェニレン基;置換もしくは非置換のナフチレン基;置換もしくは非置換のフルオレニレン基;置換もしくは非置換のスピロビフルオレニレン基;置換もしくは非置換の2価のカルバゾール基;置換もしくは非置換の2価のジベンゾフラン基;置換もしくは非置換の2価のジベンゾチオフェン基;置換もしくは非置換の2価のキノリン基;置換もしくは非置換の2価のピリジン基;置換もしくは非置換の2価のピリミジン基;または置換もしくは非置換の2価のトリアジン基である。もう一つの実施態様において、前記「置換もしくは非置換の」は、炭素数1〜5のアルキル基;炭素数6〜20のアリール基;または炭素数2〜20のヘテロ環基で置換されるか、いずれの置換基を有しないことをいう。
【0080】
本明細書の一実施態様において、L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;フェニレン基;ビフェニル基;ターフェニレン基;ナフチレン基;メチル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレニレン基;スピロビフルオレニレン基;エチル基、tert−ブチル基、またはフェニル基で置換もしくは非置換の2価のカルバゾール基;2価のジベンゾフラン基;2価のジベンゾチオフェン基;2価のキノリン基;2価のピリジン基;2価のピリミジン基;または2価のトリアジン基である。
【0081】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;−O−;フェニレン基;ビフェニレン基;メチル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレニレン基;スピロビフルオレニレン基;エチル基、tert−ブチル基、またはフェニル基で置換もしくは非置換の2価のカルバゾール基;2価のジベンゾフラン基;または2価のキノリン基である。
【0082】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;フェニレン基;ビフェニレン基;メチル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレニレン基;スピロビフルオレニレン基;2価のカルバゾール基;2価のジベンゾフラン基;または2価のキノリン基である。
【0083】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;またはフェニレン基である。
【0084】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、直接結合である。
【0085】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、互いに同一である。
【0086】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;−C(=O)ORa;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のハロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
【0087】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;−C(=O)ORa;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のハロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基;置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基;置換もしくは非置換の炭素数2〜20のアルケニル基;置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2〜30のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の単環〜4環の環を形成する。もう一つの実施態様において、前記「置換もしくは非置換の」は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のハロアルキル基;炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数6〜25のアリール基;または炭素数2〜25のヘテロ環基で置換されるか、いずれの置換基を有しないことをいう。
【0088】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;アルコキシ基;ハロゲン基、ニトリル基、ハロアルキル基、アルキル基、C(=O)ORa、アルコキシ基、アリール基、またはヘテロ環基で置換もしくは非置換のアリール基;またはアルキル基、アリール基、またはアルキルアリール基で置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の単環〜3環の環を形成する。
【0089】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜10のアルコキシ基;ハロゲン基、ニトリル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数1〜10のアルキル基、C(=O)ORa、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、または炭素数2〜30のヘテロ環基で置換もしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基;または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、または炭素数6〜50のアルキルアリール基で置換もしくは非置換の炭素数2〜30のヘテロ環基である。
【0090】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のハロアルキル基;C(=O)ORa;炭素数6〜30のアリール基および炭素数2〜30のヘテロ環基からなる群より選択された1つの置換基、または前記群より選択された2以上の基が連結された置換基である。
【0091】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;メチル基;エチル基;プロピル基;ブチル基;イソプロピル基;tert−ブチル基;メトキシ基;エトキシ基;プロポキシ基;イソプロポキシ基;ブトキシ基;イソブトキシ基;tert−ブトキシ基;トリフルオロメチル基;C(=O)ORa;フェニル基;ビフェニル基;ターフェニル基;ナフチル基;フェナントレニル基;アントラセニル基;ピレン基;フェナレン基;インデニル基;クリセニル基;トリフェニレニル基;フルオレニル基;スピロビフルオレニル基;カルバゾール基;ジベンゾフラン基;ジベンゾチオフェン基;オキサゾール基;チアゾール基;ベンゾオキサゾール基;ベンゾチアゾール基;クロメノン基(chromenone);インドール基;ピリジン基;ピリミジン基;トリアジン基;フェノチアジン基;ベンゾピラン基;キナゾリン基;およびイソキナゾリン基からなる群より選択された1つの置換基、または前記群より選択された2以上の基が連結された置換基である。
【0092】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一である。
【0093】
本明細書の一実施態様において、前記Raは、水素;重水素;または置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0094】
本明細書の一実施態様において、前記Raは、水素;重水素;またはアルキル基である。
【0095】
本明細書の一実施態様において、前記Raは、水素;重水素;または炭素数1〜10のアルキル基である。
【0096】
本明細書の一実施態様において、前記Raは、水素;重水素;メチル基;またはエチル基である。
【0097】
本明細書の一実施態様において、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;またはニトリル基であるか、下記の構造から選択されたいずれか1つである。
【0098】
【化9】
【0099】
【化10】
【0100】
前記構造において、*は、L1またはL2に連結される位置であり、nは、1〜5の整数である。
【0101】
本明細書の一実施態様において、前記n1およびn2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、
n1が2以上の場合、複数のL1−Ar1は、互いに同一または異なり、
n2が2以上の場合、複数のL2−Ar2は、互いに同一または異なる。
【0102】
本明細書の一実施態様において、前記n1は、1である。
【0103】
本明細書の一実施態様において、前記n2は、1である。
【0104】
本明細書の一実施態様において、−L1−Ar1および−L2−Ar2は、互いに同一である。
【0105】
本明細書の一実施態様において、R1およびR2は、互いに同一である。
【0106】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1は、対称構造である。すなわち、ジベンゾ[f,h]チエノ[3,4−b]キノキサリン(dibenzo[f,h]thieno[3,4−b]quinoxaline)の硫黄元素(S)を通る中心線を基準として左右の置換基が同一である。(左右対称的である。下記構造式において、硫黄元素(S)を通る中心線は、Q1とQ2を結ぶ線をいい、中心線を基準として左側、右側の置換基が同一である。
【0107】
【化11】
【0108】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1は、下記化学式2−1〜2−4のうちのいずれか1つで表される。
【0109】
[化学式2−1]
【化12】
【0110】
[化学式2−2]
【化13】
【0111】
[化学式2−3]
【化14】
【0112】
[化学式2−4]
【化15】
【0113】
前記化学式2−1〜2−4において、
X1、X2、L1、L2、Ar1、Ar2、R1、R2、r1およびr2の定義は、化学式1で定義した通りであり、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣接した置換基が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成し、
r3およびr4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
r3が2以上の場合、複数のR3は、互いに同一または異なり、
【0114】
r4が2以上の場合、複数のR4は、互いに同一または異なる。
【0115】
本明細書の一実施態様において、前記R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または重水素である。
【0116】
本明細書の一実施態様において、前記R3およびR4は、水素である。
【0117】
本明細書の一実施態様において、前記r3は、0である。
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記r4は、0である。
【0119】
本明細書の一実施態様において、前記r3は、3である。
【0120】
本明細書の一実施態様において、前記r4は、3である。
【0121】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1は、下記化学式3−1〜3−4のうちのいずれか1つで表される。
【0122】
[化学式3−1]
【化16】
【0123】
[化学式3−2]
【化17】
【0124】
[化学式3−3]
【化18】
【0125】
[化学式3−4]
【化19】
【0126】
前記化学式3−1〜3−4において、
X1、X2、L1、L2、Ar1、Ar2、R1、R2、r1、r2、n1およびn2は、化学式1で定義した通りである。
【0127】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表される。
【0128】
【化20】
【0129】
【化21】
【0130】
【化22】
【0131】
【化23】
【0132】
【化24】
【0133】
【化25】
【0134】
【化26】
【0135】
【化27】
【0136】
【化28】
【0137】
【化29】
【0138】
【化30】
【0139】
【化31】
【0140】
【化32】
【0141】
【化33】
【0142】
【化34】
【0143】
【化35】
【0144】
【化36】
【0145】
本明細書の一実施態様に係る化合物は、後述する製造方法で製造できる。後述する製造例では代表的な例示を記載するが、必要に応じて、置換基を追加または除外してもよいし、置換基の位置を変更することができる。また、当技術分野で知られている技術に基づいて、出発物質、反応物質、反応条件などを変更することができる。
【0146】
例えば、前記化学式1で表される化合物は、下記一般式1のようにコア構造が製造できる。置換基は、当技術分野で知られている方法によって結合することができ、置換基の種類、位置または個数は、当技術分野で知られている技術によって変更可能である。下記一般式1のように置換基を結合させることができるが、これに限定されるものではない。
【0147】
[一般式1]
【化37】
【0148】
前記一般式1において、Xは、化学式1のX1およびX2に対応し、Rは、R1およびR2に対応する。前記一般式にはL1、L2、Ar1およびAr2が表されていないが、L1、L2、Ar1およびAr2が置換された反応物を使用するか、前記一般式1によって生成された生成物に、当技術分野で知られている方法でL1、L2、Ar1およびAr2を置換していてもよい。
【0149】
本明細書の一実施態様によれば、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス内に分散した化学式1で表される化合物とを含む色変換フィルムを提供する。
【0150】
前記色変換フィルム中の前記化学式1で表される化合物の含有量は、0.001〜20重量%の範囲内であってもよい。
【0151】
前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。例えば、前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物のうち緑色発光する化合物1種を含むことができる。もう一つの例として、前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物のうち赤色発光する化合物1種を含むことができる。もう一つの例として、前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物のうち緑色発光する化合物1種と赤色発光する化合物2種以上とを含むことができる。
【0152】
前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物のほか、追加の蛍光物質をさらに含んでもよい。青色光を発光する光源を用いる場合には、前記色変換フィルムは、緑色発光蛍光物質と赤色発光蛍光物質がすべて含まれることが好ましい。また、青色光と緑色光を発光する光源を用いる場合には、前記色変換フィルムは、赤色発光蛍光物質のみを含むことができる。ただし、これに限定されるものではなく、青色光を発光する光源を用いる場合にも、緑色発光蛍光物質を含む別途のフィルムを積層する場合には、前記色変換フィルムは、赤色発光化合物のみを含むことができる。逆に、青色光を発光する光源を用いる場合にも、赤色発光蛍光物質を含む別途のフィルムを積層する場合には、前記色変換フィルムは、緑色発光化合物のみを含むことができる。
【0153】
前記色変換フィルムは、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス内に分散し、前記化学式1で表される化合物とは異なる波長の光を発光する化合物とを含む追加の層をさらに含んでもよい。前記化学式1で表される化合物とは異なる波長の光を発光する化合物も同じく、前記化学式1で表される化合物であってもよく、公知の他の蛍光物質であってもよい。
【0154】
前記樹脂マトリックス(バインダー樹脂)は、樹脂溶液で製造された膜の強度、現像性などの物性を示すことができれば、特に限定しない。前記樹脂マトリックスの材料は、熱可塑性高分子または熱硬化性高分子であることが好ましい。具体的には、前記樹脂マトリックスの材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリ(メタ)アクリル系、ポリカーボネート系(PC)、ポリスチレン系(PS)、ポリアリーレン系(PAR)、ポリウレタン系(TPU)、スチレン−アクリロニトリル系(SAN)、ポリビニリデンフルオライド系(PVDF)、改質されたポリビニリデンフルオライド系(modified−PVDF)などが使用できる。
【0155】
本明細書の一実施態様によれば、前記樹脂マトリックスは、アクリル系共重合樹脂である。一実施態様において、前記樹脂マトリックスは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イミド、およびスチレンの共重合体である。
【0156】
本明細書の一実施態様によれば、前述した実施態様に係る色変換フィルムが追加的に光拡散粒子を含む。輝度を向上させるために従来用いられる光拡散フィルムの代わりに光拡散粒子を色変換フィルムの内部に分散させることにより、別途の光拡散フィルムを用いるものに比べて、付着工程を省略できるだけでなく、より高い輝度を示すことができる。
【0157】
光拡散粒子としては、樹脂マトリックスと屈折率の高い粒子が使用可能であり、例えば、TiO、シリカ、ボロシリケート、アルミナ、サファイア、空気または他のガス、空気−またはガス−充填された中空ビーズまたは粒子(例えば、空気/ガス−充填されたガラスまたはポリマー);ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル、メチルメタクリレート、スチレン、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、またはメラミンおよびホルムアルデヒド樹脂をはじめとするポリマー粒子、またはこれらの任意の好適な組み合わせが使用可能である。
【0158】
前記光拡散粒子の粒径は、0.1マイクロメートル〜5マイクロメートルの範囲内、例えば、0.3マイクロメートル〜1マイクロメートルの範囲内であってもよい。光拡散粒子の含有量は、必要に応じて決定可能であり、例えば、樹脂マトリックス100重量部を基準として約1〜30重量部の範囲内であってもよい。
【0159】
前述した実施態様に係る色変換フィルムは、厚さが0.1マイクロメートル〜200マイクロメートルであってもよい。特に、前記色変換フィルムは、厚さが0.1マイクロメートル〜20マイクロメートルの薄い厚さでも高い輝度を示すことができる。これは、単位体積上に含まれる蛍光物質分子の含有量が量子ドットに比べて高いからである。
【0160】
前述した実施態様に係る色変換フィルムは、一面に基材が備えられる。この基材は、前記色変換フィルムの製造時、支持体としての機能を果たすことができる。基材の種類としては特に限定されず、透明で、前記支持体としての機能を果たすものであればその材質や厚さに限定されない。ここで、透明とは、可視光線透過率が70%以上であることを意味する。例えば、前記基材としては、PETフィルムまたはガラスが使用できる。本明細書の一実施態様によれば、前記基材は、ガラスである。
【0161】
前述した色変換フィルムは、前述した化学式1で表される化合物が溶解した樹脂溶液を基材上にコーティングし乾燥するか、前述した化学式1で表される化合物を樹脂と共に押出してフィルム化することにより製造できる。
【0162】
前記樹脂溶液中には、前述した化学式1で表される化合物が溶解しているため、化学式1で表される化合物が溶液中に均質に分布する。これは、別途の分散工程を必要とする量子ドットフィルムの製造工程とは異なる。
【0163】
前記化学式1で表される化合物が溶解した樹脂溶液は、溶液中に前述した化学式1で表される化合物が樹脂に溶けている状態であれば、その製造方法は特に限定されない。
【0164】
一例によれば、前記化学式1で表される化合物が溶解した樹脂溶液は、化学式1で表される化合物を溶媒に溶かして第1溶液を用意し、樹脂を溶媒に溶かして第2溶液を用意し、前記第1溶液と第2溶液とを混合する方法によって製造できる。前記第1溶液と第2溶液とを混合する時、均質に混ぜ合わせることが好ましい。しかし、これに限定されず、溶媒に化学式1で表される化合物と樹脂を同時に添加して溶かす方法、溶媒に化学式1で表される化合物を溶かしてから樹脂を添加して溶かす方法、溶媒に樹脂を溶かしてから化学式1で表される化合物を添加して溶かす方法などが使用できる。
【0165】
前記溶液中に含まれている樹脂としては、前述した樹脂マトリックス材料、この樹脂マトリックス樹脂に硬化可能なモノマー、多官能性モノマー、またはこれらの混合が使用できる。例えば、前記樹脂マトリックス樹脂に硬化可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマーがあり、これは、UV硬化によって樹脂マトリックス材料に形成される。このように硬化可能なモノマーを用いる場合、必要に応じて、硬化に必要な開始剤がさらに添加されてもよい。
【0166】
前記多官能性モノマーは、光によってフォトレジスト像を形成する役割を果たすモノマーであって、具体的には、プロピレングリコールメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレートテトラエチレングリコールメタクリレート、ビスフェノキシエチルアルコールジアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、ジフェニルペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートからなるグループの中から選択される1種または2種以上の混合物であってもよい。
【0167】
前記光開始剤は、光によってラジカルを発生させて架橋を促進する開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、およびオキシム系化合物からなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0168】
前記溶媒としては特に限定されず、前記コーティング工程に悪影響を及ぼすことなく、後の乾燥によって除去できるものであれば特に限定されない。前記溶媒の非制限的な例としては、トルエン、キシレン、アセトン、クロロホルム、各種アルコール系溶媒、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、EA(エチルアセテート)、ブチルアセテート、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N−メチル−ピロリドン)などが使用可能であり、1種または2種以上が混合されて使用可能である。前記第1溶液と第2溶液を用いる場合、これらそれぞれの溶液に含まれる溶媒は、同一であってもよく、異なっていてもよい。前記第1溶液と前記第2溶液に互いに異なる種類の溶媒が用いられる場合にも、これらの溶媒は、互いに混合できるように相溶性を有することが好ましい。
【0169】
本明細書の一実施態様によれば、前記樹脂溶液中の固形分の総重量100重量部を基準として、前記樹脂マトリックスの含有量は1重量部〜60重量部であり、前記光開始剤の含有量は0.1重量部〜15重量部であり、前記多官能性モノマーの含有量は0.1重量部〜70重量部である。
【0170】
本明細書の一実施態様によれば、前記樹脂溶液中の固形分の総重量100重量部を基準として、前記化学式1で表される化合物の含有量は0重量部超過〜30重量部;0.00001重量部〜15重量部;0.00001重量部〜10重量部;0.0001重量部〜5重量部;または0.00001重量部〜3重量部である。
【0171】
前記固形分の総重量とは、樹脂溶液から溶媒を除いた成分の総重量の和を意味する。固形分および各成分の固形分を基準とする重量部の基準は、液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィーなどの当業界で用いられる一般的な分析手段で測定することができる。
【0172】
本明細書の一実施態様によれば、前記樹脂溶液中の固形分の総重量100重量部を基準として、前記溶媒の含有量は100重量部〜500重量部である。
【0173】
本明細書の一実施態様によれば、前記樹脂溶液は、光架橋増感剤、硬化促進剤、接着助剤、界面活性剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、およびレベリング剤からなる群より選択される1または2以上の添加剤を追加的に含む。
【0174】
本明細書の一実施態様によれば、前記添加剤の含有量は、前記樹脂溶液中の固形分の総重量を基準として0.1重量部〜20重量部である。
【0175】
本明細書で用いられる接着助剤としては、メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタアクリロイルオキシプロピルジメトキシシラン、メタアクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタアクリロイルオキシプロピルジメトキシシランなどのメタアクリロイルシランカップリング剤のうちの1種以上を選択して使用することができ、アルキルトリメトキシシランとして、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランなどから1種以上を選択して使用することができる。
【0176】
前記界面活性剤は、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であり、具体的には、シリコーン系界面活性剤は、BYK−Chemie社のBYK−077、BYK−085、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−335、BYK−341v344、BYK−345v346、BYK−348、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−361、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−380、BYK−390などを使用することができ、フッ素系界面活性剤としては、DIC(DaiNippon Ink&Chemicals)社のF−114、F−177、F−410、F−411、F−450、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−172D、MCF−350SF、TF−1025SF、TF−1117SF、TF−1026SF、TF−1128、TF−1127、TF−1129、TF−1126、TF−1130、TF−1116SF、TF−1131、TF1132、TF1027SF、TF−1441、TF−1442などを使用することができるが、これらのみに限定されるものではない。
【0177】
前記化学式1で表される化合物が溶解した樹脂溶液を基材上にコーティングする工程は、ロールツーロール工程を利用することができる。例えば、基材が巻取られたロールから基材を解いた後、前記基材の一面に前記化学式1で表される化合物が溶解した樹脂溶液をコーティングし、乾燥した後、これを再びロールに巻取る工程で行われる。ロールツーロール工程を利用する場合、前記樹脂溶液の粘度を前記工程が可能な範囲に決定することが好ましく、例えば、200〜2,000cpsの範囲内で決定可能である。
【0178】
前記コーティング方法としては、公知の多様な方式を利用することができ、例えば、ダイ(die)コーターが用いられてもよく、コンマ(comma)コーター、リバースコンマ(reverse comma)コーターなど多様なバーコーティング方式が用いられてもよい。
【0179】
前記コーティング後に乾燥工程を行う。乾燥工程は、溶媒を除去するのに必要な条件で行うことができる。例えば、基材がコーティング工程時に進行する方向に、コーターに隣接して位置したオーブンにて溶媒が十分に揮発する条件で乾燥して、基材上に所望の厚さおよび濃度の化学式1で表される化合物をはじめとする蛍光物質を含む色変換フィルムを得ることができる。
【0180】
前記溶液中に含まれる樹脂として、前記樹脂マトリックス樹脂に硬化可能なモノマーを用いる場合、前記乾燥前に、または乾燥と同時に硬化、例えば、UV硬化を行うことができる。
【0181】
前記化学式1で表される化合物を樹脂と共に押出してフィルム化する場合には、当技術分野で知られている押出方法を利用することができ、例えば、化学式1で表される化合物をポリカーボネート系(PC)、ポリ(メタ)アクリル系、スチレン−アクリロニトリル系(SAN)のような樹脂を共に押出することにより色変換フィルムを製造することができる。
【0182】
本明細書の一実施態様によれば、前記色変換フィルムは、少なくとも一面に保護フィルムまたはバリアフィルムが備えられる。保護フィルムおよびバリアフィルムとしては、当技術分野で知られているものが使用可能である。
【0183】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を含む色変換フィルムを含むバックライトユニットを提供する。前記バックライトユニットは、前記色変換フィルムを含むことを除けば、当技術分野で知られているバックライトユニット構成を有することができる。図1に一例によるバックライトユニット構造の模式図を示した。図1によれば、導光板の反射板に対向する面の反対面に、前記化学式1で表される化合物を含む色変換フィルムが備えられる。図1には、光源と、光源を取り囲む反射板とを含む構成を例示したが、このような構造に限定されるものではなく、当技術分野で知られているバックライトユニット構造によって変形できる。また、光源は、側鎖型のみならず、直下型が用いられてもよいし、反射板や反射層は、必要に応じて省略されるか、他の構成に代替されてもよいし、必要に応じて、追加のフィルム、例えば、光拡散フィルム、集光フィルム、輝度向上フィルムなどがさらに追加的に備えられてもよい。好ましくは、色変換フィルム上に、プリズムシート、多層反射型偏光子フィルム、集光フィルム、または輝度向上フィルムを追加的に備える。
【0184】
図1のようなバックライトユニットの構成のうち、前記導光板の上面または下面には、必要に応じて散乱パターンが備えられる。導光板の内部に流入した光は、反射、全反射、屈折、透過などの光学的過程の繰り返しで不均一な光分布を有するが、前記散乱パターンは、前記不均一な光分布を均一な明るさに誘導するために利用可能である。
【0185】
本明細書の一実施態様によれば、前記バックライトユニットを含むディスプレイ装置を提供する。バックライトユニットを含むディスプレイ装置であれば特に限定されない。例えば、前記ディスプレイ装置は、ディスプレイモジュールおよびバックライトユニットを含む。図2にディスプレイ装置の構造を例示した。しかし、これのみに限定されたわけではなく、ディスプレイモジュールとバックライトユニットとの間に、必要な場合、追加のフィルム、例えば、光拡散フィルム、集光フィルム、輝度向上フィルムなどがさらに追加的に備えられてもよい。
【実施例】
【0186】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本出願の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本出願の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0187】
<製造例>
【0188】
[A1の製造]
【0189】
【化38】
【0190】
1)T2の合成
【0191】
1Lの反応容器に硫酸10当量とfuming硫酸10当量とを混合した後、0℃で徐々に撹拌した。30分間温度を安定化した後、1当量の化合物T1を徐々に滴加した後、硝酸5当量をゆっくり入れた。硝酸滴加完了後、常温で反応を3時間進行させる。反応が完了した後、氷水を入れて酸を希釈した後、反応物をフィルタした。フィルタされた反応物をテトラヒドロフラン(THF)に溶かしてNaHCO溶液を用いて中和した後、抽出を進行させ、抽出された有機層は無水マグネシウムスルフェートを用いて水分を除去した後、減圧蒸留により溶媒を濃縮した。濃縮された生成物をTHFとエタノールを用いて再結晶を進行させて、化合物T2を確保した。(収率72%)HR LC/MS/MS m/z calcd for CBrS(M+):331.7925;found:331.7924
【0192】
2)T4の合成
【0193】
1Lの反応容器に、製造された化合物T2 1当量と2.5当量の化合物T3をTHF溶媒に溶解して、窒素下で撹拌した。ポタシウムカーボネート6当量を水に溶かして、撹拌中のT2とT3溶液に添加した。添加完了後、温度を80℃に加熱して、窒素下で撹拌した。加熱後、30分間温度を安定化させた後、触媒Pd(PPhを0.05当量添加して反応を進行させた。3時間後に反応が終結すると、温度を常温に下げて反応物の精製を進行させた。完了した反応物に水とテトラヒドロフラン(THF)を追加的に導入して抽出を進行させ、抽出された有機層は無水マグネシウムスルフェートを用いて水分を除去した後、減圧蒸留により溶媒を濃縮した。濃縮された生成物をテトラヒドロフラン(THF)とエタノールを用いて再結晶を進行させて、化合物T4を確保した。
【0194】
3)A1の合成
【0195】
1Lの反応容器に、製造された化合物T4 1当量をクロロホルム/メタノール溶媒(4/1)を用いて溶解した後、スズ20当量を添加して一緒に撹拌した。その後、80当量の塩酸を徐々に添加して、反応を進行させた。反応完了後、セライトを用いてフィルタを進行させた後、NaOH水溶液を用いて中和後、反応物の精製を進行させた。水とテトラヒドロフラン(THF)を導入して抽出を進行させ、抽出された有機層は無水マグネシウムスルフェートを用いて水分を除去した後、減圧蒸留により溶媒を濃縮した。濃縮された生成物をテトラヒドロフラン(THF)とエタノールを用いて再結晶を進行させて、化合物A1を確保した。
【0196】
前記T4の合成過程中、T3を異にすれば、A1のほかにもA2〜A10を製造することができる。
【0197】
[製造例1]
【化39】
【0198】
前記確保した化合物A1(3g、1当量)を化合物B1 0.81g(1.05当量)およびパラトルエンスルホン酸触媒量と共に、クロロホルム溶媒に溶解する。窒素下、常温で反応を進行させ、反応3時間後に反応を終結して精製を進行させた。完了した反応物に水とクロロホルムを追加的に投入して抽出を進行させ、抽出された有機層は無水マグネシウムスルフェートを用いて水分を除去した後、減圧蒸留により溶媒を濃縮した。濃縮された生成物をクロロホルムとエタノールを用いて再結晶を進行させて、化合物P1を確保した。(3.17g、収率86%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6842S(M+):918.3069;found:918.3068
【0199】
[製造例2]
【化40】
【0200】
化合物A1の代わりに化合物A2(3g、1当量)を用いたことを除き、化合物B1(0.82g、1.05当量)とパラトルエンスルホン酸と共に、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P2を確保した。(2.88g、収率78%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6838S(M+):914.2756;found:914.2757
【0201】
[製造例3]
【化41】
【0202】
化合物A1の代わりに化合物A3(3g、1当量)を用いたことを除き、化合物B1(1.29g、1.05当量)とパラトルエンスルホン酸と共に、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P3を確保した。(3.20g、収率77%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4222S(M+):618.1402;found:618.1400
【0203】
[製造例4]
【化42】
【0204】
化合物A1の代わりに化合物A2(3g、1当量)、化合物B1の代わりに化合物B2(2.21g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P4を確保した。(2.99g、収率72%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7654S(M+):1026.4088;found:1026.4087
【0205】
[製造例5]
【化43】
【0206】
化合物A1(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B3(1.38g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P5を確保した。(3.58g、収率84%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7658S(M+):1062.4219;found:1062.4219
【0207】
[製造例6]
【化44】
【0208】
化合物A1(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(1.43g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P6を確保した。(2.34g、収率54%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7640BrS(M+):1076.1258;found:1076.1258
【0209】
[製造例7]
【化45】
【0210】
化合物A1の代わりに化合物A2(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(2.39g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P7を確保した。(5.13g、収率71%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6836BrS(M+):1072.0945;found:1072.0944
【0211】
[製造例8]
【化46】
【0212】
化合物A1の代わりに化合物A4(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(2.38g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P8を確保した。(4.47g、収率67%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6840BrS(M+):1076.1258;found:1076.1257
【0213】
[製造例9]
【化47】
【0214】
化合物A1の代わりに化合物A5(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(2.39g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P9を確保した。(4.91g、収率68%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6836BrS(M+):1072.0945;found:1072.0944
【0215】
[製造例10]
【化48】
【0216】
化合物A1の代わりに化合物A6(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(3.44g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P10を確保した。(4.74g、収率57%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4832BrS(M+):828.0632;found:828.0633
【0217】
[製造例11]
【化49】
【0218】
化合物A1の代わりに化合物A7(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(1.24g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P11を確保した。(3.11g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7248BrS(M+):1196.1681;found:1196.1682
【0219】
[製造例12]
【化50】
【0220】
化合物A1の代わりに化合物A8(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(1.02g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P12を確保した。(2.59g、収率66%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8668BrS(M+):1396.2307;found:1396.2306
【0221】
[製造例13]
【化51】
【0222】
化合物A1の代わりに化合物A9(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(1.76g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P13を確保した。(3.18g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5430BrS(M+):926.0537;found:926.0537
【0223】
[製造例14]
【化52】
【0224】
化合物A1の代わりに化合物A3(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(2.28g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P14を確保した。(2.35g、収率62%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4220BrS(M+):775.9592;found:775.9593
【0225】
[製造例15]
【化53】
【0226】
化合物A1の代わりに化合物A10(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B4(2.14g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P15を確保した。(2.84g、収率63%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4220Br(M+):807.9135;found:807.9135
【0227】
[製造例16]
【化54】
【0228】
化合物A1(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.38g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P16を確保した。(4.47g、収率62%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6840BrS(M+):1076.1258;found:1076.1257
【0229】
[製造例17]
【化55】
【0230】
化合物A1の代わりに化合物A2(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.39g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P17を確保した。(5.13g、収率71%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6836BrS(M+):1072.0945;found:1072.0944
【0231】
[製造例18]
【化56】
【0232】
化合物A1の代わりに化合物A4(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.38g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P18を確保した。(3.87g、収率58%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6840BrS(M+):1076.0945;found:1076.0944
【0233】
[製造例19]
【化57】
【0234】
化合物A1の代わりに化合物A5(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.39g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P19を確保した。(5.56g、収率77%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6836BrS(M+):1072.0945;found:1072.0945
【0235】
[製造例20]
【化58】
【0236】
化合物A1の代わりに化合物A6(5g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(3.44g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P20を確保した。(5.98g、収率72%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4832BrS(M+):828.0632;found:828.0633
【0237】
[製造例21]
【化59】
【0238】
化合物A1の代わりに化合物A7(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(1.24g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P21を確保した。(2.03g、収率49%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7248BrS(M+):1196.1681;found:1196.1682
【0239】
[製造例22]
【化60】
【0240】
化合物A1の代わりに化合物A8(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(1.02g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P22を確保した。(2.28g、収率58%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8656BrS(M+):1396.2307;found:1396.2306
【0241】
[製造例23]
【化61】
【0242】
化合物A1の代わりに化合物A9(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(1.76g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P23を確保した。(2.67g、収率63%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5430BrS(M+):1396.2307;found:1396.2307
【0243】
[製造例24]
【化62】
【0244】
化合物A1の代わりに化合物A3(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.28g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P24を確保した。(3.77g、収率82%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4220BrS(M+):775.9592;found:775.9593
【0245】
[製造例25]
【化63】
【0246】
化合物A1の代わりに化合物A10(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B5(2.14g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P25を確保した。(2.97g、収率66%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4220Br(M+):807.9135;found:807.9134
【0247】
[製造例26]
【化64】
【0248】
製造例7で得られたP7化合物(5g、1当量)を、シアン化銅(4.17g、10当量)と共にジメチルアセテート溶媒50mLに溶解した後、温度を160℃に昇温して、窒素下で反応を進行させた。3日間反応を進行させた後、温度を常温に下げて水を添加して反応を終了した。この時、生成された固体化合物を減圧濾過により確保し、この時、アンモニウム水溶液を用いて固体化合物を洗いながら確保した。減圧濾過により確保した固体化合物にジクロロベンゼン溶媒を入れて再結晶を進行させて、化合物P26を確保した。(1.44g、収率32%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7036S(M+):964.2661;found:964.2662
【0249】
[製造例27]
【化65】
【0250】
化合物P7の代わりに化合物P8(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P27を確保した。(1.75g、収率39%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7040S(M+):968.2974;found:968.2973
【0251】
[製造例28]
【化66】
【0252】
化合物P7の代わりに化合物P13(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P28を確保した。(1.09g、収率41%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5630S(M+):818.2253;found:818.2254
【0253】
[製造例29]
【化67】
【0254】
化合物P7の代わりに化合物P14(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P29を確保した。(1.46g、収率34%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4420S(M+):668.1307;found:668.1308
【0255】
[製造例30]
【化68】
【0256】
化合物P7の代わりに化合物P16(2g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P30を確保した。(1.17g、収率32%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7036S(M+):968.2974;found:968.2975
【0257】
[製造例31]
【化69】
【0258】
化合物P7の代わりに化合物P17(2g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P31を確保した。(0.92g、収率28%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6836S(M+):964.2661;found:964.2662
【0259】
[製造例32]
【化70】
【0260】
化合物P7の代わりに化合物P21(2g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P32を確保した。(1.15g、収率27%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9056S(M+):1088.3396;found:1088.3396
【0261】
[製造例33]
【化71】
【0262】
化合物P7の代わりに化合物P22(2g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P33を確保した。(1.02g、収率27%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9056S(M+):1288.4022;found:1288.4022
【0263】
[製造例34]
【化72】
【0264】
化合物P7の代わりに化合物P25(2g、1当量)を用いたことを除き、製造例26と同様の方法で合成を進行させて、化合物P34を確保した。(0.78g、収率33%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4420(M+):700.0850;found:700.0851
【0265】
[製造例35]
【化73】
【0266】
製造例6で得られたP6化合物(3g、1当量)を、化合物B6(0.85g、2.5当量)と混合して、THF溶媒40mLに希釈した後、ポタシウムカーボネート5当量を水10mLに溶かして前記溶液に投入する。窒素下、溶液を80℃に加熱して温度を安定化させた後、触媒Pd(PPh 5モル%を添加して反応を進行させた。反応が終結した後、温度を下げて、追加的に水とTHF溶媒を入れて抽出を進行させた。抽出された有機溶媒は無水マグネシウムスルフェートを通して水分を除去した後、減圧蒸留により溶媒を濃縮した。濃縮された溶液をTHFとエタノール溶媒を用いて再結晶を進行させ、再結晶により確保した固体は減圧濾過により確保して、化合物P35を確保した。(2.33g、収率78%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C4850S(M+):1070.3695;found:1070.3695
【0267】
[製造例36]
【化74】
【0268】
化合物B6の代わりに化合物B7(1.32g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P36を確保した。(2.42g、収率72%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8248S(M+):1206.3442;found:1206.3441
【0269】
[製造例37]
【化75】
【0270】
化合物B6の代わりに化合物B8(1.06g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P37を確保した。(2.27g、収率69%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8254S(M+):1130.3906;found:1130.3905
【0271】
[製造例38]
【化76】
【0272】
化合物B6の代わりに化合物B9(1.25g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P38を確保した。(2.71g、収率82%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8454S(M+):1186.3804;found:1186.3805
【0273】
[製造例39]
【化77】
【0274】
化合物B6の代わりに化合物B10(1.09g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P39を確保した。(2.71g、収率82%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8048ClS(M+):1138.2915;found:1138.2914
【0275】
[製造例40]
【化78】
【0276】
化合物B6の代わりに化合物B11(1.67g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P40を確保した。(2.80g、収率77%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9870S(M+):1307.5293;found:1307.5294
【0277】
[製造例41]
【化79】
【0278】
化合物B6の代わりに化合物B12(2.52g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P41を確保した。(2.90g、収率67%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11874S(M+):1551.5606;found:1551.5605
【0279】
[製造例42]
【化80】
【0280】
化合物B6の代わりに化合物B13(2.51g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P42を確保した。(3.10g、収率72%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11870S(M+):1547.5293;found:1547.5294
【0281】
[製造例43]
【化81】
【0282】
化合物B6の代わりに化合物B14(1.67g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P43を確保した。(2.98g、収率82%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9664S(M+):1305.4885;found:1305.4885
[製造例44]
【化82】
【0283】
化合物P6の代わりに化合物P7(4g、1当量)を用い、化合物B6(1.67g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P44を確保した。(3.10g、収率78%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8046S(M+):1066.3382;found:1066.3382
【0284】
[製造例45]
【化83】
【0285】
化合物P6の代わりに化合物P7(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B15(1.14g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P45を確保した。(3.54g、収率68%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8244S(M+):1116.3287;found:1116.3287
【0286】
[製造例46]
【化84】
【0287】
化合物P6の代わりに化合物P7(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B9(2.10g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P46を確保した。(4.47g、収率81%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8450S(M+):1182.3492;found:1182.3493
【0288】
[製造例47]
【化85】
【0289】
化合物P6の代わりに化合物P7(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B29(4.20g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P47を確保した。(5.32g、収率74%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11866S(M+):1543.4980;found:1543.4980
【0290】
[製造例48]
【化86】
【0291】
化合物P6の代わりに化合物P7(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B30(3.35g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P48を確保した。(4.30g、収率66%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C10460S(M+):1397.4572;found:1397.4572
[製造例49]
【化87】
【0292】
化合物P6の代わりに化合物P8(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B15(1.27g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P49を確保した。(3.07g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8254S(M+):1098.4008;found:1098.4007
【0293】
[製造例50]
【化88】
【0294】
化合物P6の代わりに化合物P8(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B16(1.69g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P50を確保した。(2.49g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9666S(M+):1311.4879;found:1311.4878
【0295】
[製造例51]
【化89】
【0296】
化合物P6の代わりに化合物P8(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B13(2.52g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P51を確保した。(3.07g、収率71%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11870S(M+):1547.5293;found:1547.5293
【0297】
[製造例52]
【化90】
【0298】
化合物P6の代わりに化合物P10(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B16(3.95g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P52を確保した。(3.26g、収率62%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11870S(M+):1451.5293;found:1451.5294
【0299】
[製造例53]
【化91】
【0300】
化合物P6の代わりに化合物P11(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B17(1.08g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P53を確保した。(1.85g、収率57%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9262S(M+):1290.4430;found:1290.4431
【0301】
[製造例54]
【化92】
【0302】
化合物P6の代わりに化合物P12(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B18(2.82g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P54を確保した。(2.93g、収率62%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6838S(M+):2197.7499;found:2197.7499
【0303】
[製造例55]
【化93】
【0304】
化合物P6の代わりに化合物P13(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B7(1.54g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P55を確保した。(1.98g、収率58%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6838S(M+):1056.2721;found:1056.2721
【0305】
[製造例56]
【化94】
【0306】
化合物P6の代わりに化合物P14(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B7(1.83g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P56を確保した。(2.21g、収率63%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5826S(M+):906.1776;found:906.1777
【0307】
[製造例57]
【化95】
【0308】
化合物P6の代わりに化合物P15(3g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B7(1.76g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P57を確保した。(1.92g、収率55%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5628(M+):938.1319;found:938.1319
【0309】
[製造例58]
【化96】
【0310】
化合物P6の代わりに化合物P16(4g、1当量)を用い、化合物B6(1.13g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P58を確保した。(2.67g、収率67%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11870S(M+):1070.3695;found:1070.3696
【0311】
[製造例59]
【化97】
【0312】
化合物P6の代わりに化合物P16(4g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B15(1.36g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P59を確保した。(2.96g、収率71%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8248S(M+):1120.3600;found:1120.3601
【0313】
[製造例60]
【化98】
【0314】
化合物P6の代わりに化合物P16(4g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B9(1.67g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P60を確保した。(3.53g、収率80%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11870S(M+):1186.3840;found:1186.3840
【0315】
[製造例61]
【化99】
【0316】
化合物P6の代わりに化合物P16(4g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B12(3.36g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P61を確保した。(4.27g、収率74%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11874S(M+):1551.5606;found:1551.5105
【0317】
[製造例62]
【化100】
【0318】
化合物P6の代わりに化合物P16(4g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B19(1.97g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P62を確保した。(3.07g、収率66%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C9254S(M+):1250.3906;found:1250.3906
【0319】
[製造例63]
【化101】
【0320】
化合物P6の代わりに化合物P17(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B15(1.71g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P63を確保した。(3.91g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8244S(M+):1116.3287;found:1116.3288
【0321】
[製造例64]
【化102】
【0322】
化合物P6の代わりに化合物P17(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B13(4.20g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P64を確保した。(3.07g、収率66%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C11866S(M+):1543.4980;found:1543.4981
【0323】
[製造例65]
【化103】
【0324】
化合物P6の代わりに化合物P17(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B9(2.10g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P65を確保した。(4.25g、収率77%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8450S(M+):1182.3492;found:1182.3491
【0325】
[製造例66]
【化104】
【0326】
化合物P6の代わりに化合物P17(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B21(2.07g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P66を確保した。(4.51g、収率82%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8862S(M+):1178.4634;found:1178.4635
【0327】
[製造例67]
【化105】
【0328】
化合物P6の代わりに化合物P18(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B31(1.62g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P67を確保した。(3.44g、収率67%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8048S(M+):1106.3506;found:1106.3506
【0329】
[製造例68]
【化106】
【0330】
化合物P6の代わりに化合物P23(5g、1当量)を用い、化合物B6の代わりに化合物B22(3.48g、2.5当量)を用いたことを除き、製造例35と同様の方法で合成を進行させて、化合物P68を確保した。(3.73g、収率58%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C703612S(M+):1192.2469;found:1192.2469
【0331】
[製造例69]
【化107】
【0332】
化合物A1の代わりに化合物A6(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B23(1.81g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P69を確保した。(4.10g、収率87%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5650S(M+):782.3965;found:782.3965
【0333】
[製造例70]
【化108】
【0334】
化合物A1(3g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B24(1.38g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、化合物P70を確保した。(2.88g、収率91%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C7658S(M+):1062.4219;found:1062.4219
【0335】
[製造例71]
【化109】
【0336】
製造例38により確保した化合物P38(5g、1当量)をTHFに溶解した後、KOH10当量を水に溶かして添加した。その後、温度を80℃に昇温して反応を進行させた。3日間反応を進行後、反応温度を常温に下げた後、塩酸を添加して固体を形成した。生成された固体は水とエタノールで洗いながら減圧濾過により確保した。形成された固体はクロロホルムに入れて撹拌して残っている単量体を除去した後、さらに減圧濾過を進行させて、化合物P71を確保した。(2.88g、収率59%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8250S(M+):1158.3491;found:1158.3491
【0337】
[製造例72]
【化110】
【0338】
化合物P38の代わりに化合物P46(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例71と同様の方法で合成を進行させて、化合物P72を確保した。(2.34g、収率48%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8550S(M+):1154.3178;found:115.3177
【0339】
[製造例73]
【化111】
【0340】
化合物P38の代わりに化合物P60(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例71と同様の方法で合成を進行させて、化合物P73を確保した。(3.47g、収率71%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8250S(M+):1158.3491;found:1158.3490
【0341】
[製造例74]
【化112】
【0342】
化合物P38の代わりに化合物P65(5g、1当量)を用いたことを除き、製造例71と同様の方法で合成を進行させて、化合物P74を確保した。(2.68g、収率55%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C8550S(M+):1154.3178;found:115.3179
【0343】
[製造例75]
【化113】
【0344】
製造例15により確保した化合物P15(5g、1当量)を、化合物B25(2.75g、3当量)と共にアセトンに溶解後、ポタシウムカーボネート3当量を添加して、60℃に温度を昇温して、窒素下で撹拌する。3日間反応を進行させた後、温度を常温に下げた後、THFと水を添加して抽出を進行させた。抽出された有機溶媒は無水マグネシウムスルフェート処理により水分除去後、溶液を濃縮した。濃縮された溶液をTHFとエタノールを通して再結晶を進行させて、化合物P75を確保した。(3.50g、収率60%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5424(M+):942.0904;found:942.0904
【0345】
[製造例76]
【化114】
【0346】
化合物P15の代わりに化合物P24(5g、1当量)を用い、化合物B25の代わりに化合物B26(2.30g、3当量)を用いたことを除き、製造例75と同様の方法で合成を進行させて、化合物P76を確保した。(2.86g、収率52%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5628S(M+):1154.3178;found:115.3179
【0347】
[比較製造例1]
【化115】
【0348】
化合物A1の代わりに化合物A5(2g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B27(0.16g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、比較化合物Z1を確保した。(1.54g、収率75%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C5632S(M+):764.2286;found:764.2286
【0349】
[比較製造例2]
【化116】
【0350】
化合物A1の代わりに化合物A5(2g、1当量)と、化合物B1の代わりに化合物B28(1.70g、1.05当量)を用いたことを除き、製造例1と同様の方法で合成を進行させて、比較化合物Z2を確保した。(2.00g、収率81%)HR LC/MS/MS m/z calcd for C6840S(M+):916.2912;found:916.2912
【0351】
<実施例>
【0352】
[実施例1]
【0353】
製造例1で製造した化合物P1(トルエン溶液における最大吸収波長490nm、最大発光波長631nm)1.5重量部を、アクリル系バインダー(樹脂マトリックス)33.9重量部、多官能性モノマー(ペンタエリスリトールトリアクリレート、日本化薬)59.3重量部、接着助剤、および界面活性剤(KBM503、shinetsu)2.3重量部、光開始剤(Tinuvin(登録商標)477、BASF)3.0重量部を固形分含有量が21重量%となるように、溶媒PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:Propylene glycol monomethyl ether acetate)に溶かして溶液を製造した。前記アクリル系バインダーは、ベンジルメタアクリレート、メタアクリル酸、n−フェニルマレイン酸、およびスチレンの共重合体である。混合された溶液を十分に撹拌した後、ガラス基板上に薄膜をコーティング後、乾燥して色変換フィルムを製造した。製造された色変換フィルムの輝度スペクトルを分光放射輝度計(TOPCON社のSR series)で測定した。具体的には、製造された色変換フィルムをLED青色バックライト(最大発光波長450nm)と導光板とを含むバックライトユニットの導光板の一面に積層し、色変換フィルム上にプリズムシートと多層反射型偏光子フィルムとを積層した後、フィルムベースで青色LED光の明るさが600nitとなるように初期値を設定した。
【0354】
[実施例2]
【0355】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P2(トルエン溶液における最大吸収波長494nm、最大発光波長633nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0356】
[実施例3]
【0357】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P26(トルエン溶液における最大吸収波長484nm、最大発光波長62nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0358】
[実施例4]
【0359】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P27(トルエン溶液における最大吸収波長494nm、最大発光波長628nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0360】
[実施例5]
【0361】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P28(トルエン溶液における最大吸収波長510nm、最大発光波長630nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0362】
[実施例6]
【0363】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P29(トルエン溶液における最大吸収波長517nm、最大発光波長638nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0364】
[実施例7]
【0365】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P30(トルエン溶液における最大吸収波長484nm、最大発光波長624nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0366】
[実施例8]
【0367】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P31(トルエン溶液における最大吸収波長485nm、最大発光波長625nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0368】
[実施例9]
【0369】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P35(トルエン溶液における最大吸収波長500nm、最大発光波長623nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0370】
[実施例10]
【0371】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P36(トルエン溶液における最大吸収波長489nm、最大発光波長618nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0372】
[実施例11]
【0373】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P41(トルエン溶液における最大吸収波長500nm、最大発光波長618nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0374】
[実施例12]
【0375】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P42(トルエン溶液における最大吸収波長503nm、最大発光波長619nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0376】
[実施例13]
【0377】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P44(トルエン溶液における最大吸収波長506nm、最大発光波長623nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0378】
[実施例14]
【0379】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P45(トルエン溶液における最大吸収波長502nm、最大発光波長615nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0380】
[実施例15]
【0381】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P46(トルエン溶液における最大吸収波長507nm、最大発光波長620nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0382】
[実施例16]
【0383】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P47(トルエン溶液における最大吸収波長506nm、最大発光波長621nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0384】
[実施例17]
【0385】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P52(トルエン溶液における最大吸収波長484nm、最大発光波長612nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0386】
[実施例18]
【0387】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P58(トルエン溶液における最大吸収波長500nm、最大発光波長623nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0388】
[実施例19]
【0389】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P59(トルエン溶液における最大吸収波長496nm、最大発光波長618nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0390】
[実施例20]
【0391】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P66(トルエン溶液における最大吸収波長506nm、最大発光波長628nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0392】
[実施例21]
【0393】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P68(トルエン溶液における最大吸収波長506nm、最大発光波長628nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0394】
[実施例22]
【0395】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P69(トルエン溶液における最大吸収波長502nm、最大発光波長617nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0396】
[実施例23]
【0397】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物P75(トルエン溶液における最大吸収波長515nm、最大発光波長633nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0398】
[比較例1]
【0399】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物Z1(トルエン溶液における最大吸収波長509nm、最大発光波長625nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0400】
[比較例2]
【0401】
実施例1において、化合物P1の代わりに化合物Z2(トルエン溶液における最大吸収波長532nm、最大発光波長633nm)を用いたことを除けば、前述した実施例1と同様に実施した。
【0402】
【化117】
【0403】
【化118】
【0404】
【化119】
【0405】
前記実施例1〜23および比較例1および2に用いられた化合物を色変換フィルムに適用時の薄膜の発光波長および薄膜の量子効率(PLQY(%))は、下記表1の通りである。
【0406】
薄膜の発光波長はSCINCO社のFS−2装置を用い、量子効率はHAMAMATSU社のQuantaurus−QY装置を用いて測定した。
【0407】
【表1】
【0408】
前記表1において、λPL,maxは、薄膜状態で現れる物質の最大発光波長を意味し、PLQY(%)は、薄膜状態で現れる物質の量子効率を意味する。
【0409】
前記表1から確認したように、実施例1〜23で製造された色変換フィルムの場合、比較例1および2により製造された色変換フィルムより優れた薄膜の量子効率を有することを確認することができた。実施例2の場合、比較例1の量子効率に比べて2.83倍の量子効率を有する。特に、本願の化学式1のX1およびX2がC(A2)(A3)であり、A2およびA3が互いに結合してフルオレン環を形成する場合(実施例2、3、8、13〜16および20)、薄膜状態の量子効率に優れている。
【0410】
したがって、前記化学式1で表される化合物を含む色変換フィルムは、量子効率に優れていることが分かる。
図1
図2