特許第6956777号(P6956777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956777
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】区分的位置合わせモデリング方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   G03F7/20 521
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-502662(P2019-502662)
(86)(22)【出願日】2017年7月7日
(65)【公表番号】特表2019-526820(P2019-526820A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(86)【国際出願番号】US2017041152
(87)【国際公開番号】WO2018017343
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2019年3月18日
【審判番号】不服2020-15717(P2020-15717/J1)
【審判請求日】2020年11月13日
(31)【優先権主張番号】62/364,230
(32)【優先日】2016年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コスクン, テイマー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ファン ジェー.
【合議体】
【審判長】 山村 浩
【審判官】 野村 伸雄
【審判官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−12258(JP,A)
【文献】 特開2012−4564(JP,A)
【文献】 特開2014−167963(JP,A)
【文献】 特開2014−53333(JP,A)
【文献】 特開2013−254849(JP,A)
【文献】 特開2013−236112(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/091529(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24
G03F 9/00-9/02
H01L 21/027
H01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整する方法であって、
前記基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割することと、
前記基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差を決定することであって、
座標の多項式で表されて区画の重ね合わせについての座標のシフトを与える傾向線を使用して、区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差を計算すること、及び
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算すること
を含む、第1の層の合計の重ね合わせ誤差を決定することと、
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて、露光パラメータを調整することと
を含む方法。
【請求項2】
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算することが、
前記重なり領域内に延びる第1の区画の座標シフトを与える第1の傾向線を使用して第1の歪み量を測定することによって、前記第1の区画に対する第1の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記重なり領域内に延びる第2の区画の座標シフトを与える第2の傾向線を使用して第2の歪み量を測定することによって、前記第2の区画に対する第2の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記第1の区画の重ね合わせ誤差及び前記第2の区画の重ね合わせ誤差の平均値を求めることと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて露光パラメータを調整することが、
前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の前記平均に基づき、前記重なり領域の各座標をシフトすること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割することが、
区画ごとに原点を決定することと、
区画ごとに前記原点を使用して、区画ごとに中心を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
点が第1の区画及び第2の区画の両方の要素である場合、前記点が重なり領域内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
合計の重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整するためのコンピュータシステムであって、
プロセッサと、
メモリであって、前記プロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに
前記基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割させ、
前記基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差の決定であって、
座標の多項式で表されて区画の重ね合わせについての座標のシフトを与える傾向線を使用して、区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差を計算すること、及び
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算すること
を含む、第1の層の合計の重ね合わせ誤差の決定を行わせ、
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて、露光パラメータを調整させる
命令を記憶するメモリと
を備えるコンピュータシステム。
【請求項7】
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算することが、
前記重なり領域内に延びる第1の区画の座標シフトを与える第1の傾向線を使用して第1の歪み量を測定することによって、前記第1の区画に対する第1の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記重なり領域内に延びる第2の区画の座標シフトを与える第2の傾向線を使用して第2の歪み量を測定することによって、前記第2の区画に対する第2の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記第1の区画の重ね合わせ誤差及び前記第2の区画の重ね合わせ誤差の平均値を求めることと
を含む、請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて露光パラメータを調整することが、
前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の前記平均に基づき、前記重なり領域の各座標をシフトすること
を含む、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割することが、
区画ごとに原点を決定することと、
区画ごとに前記原点を使用して、区画ごとに中心を決定することと
を含む、請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
点が第1の区画及び第2の区画の両方の要素である場合、前記点が重なり領域内にある、請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって実行されるとき、
基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割するステップと、
前記基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差を決定するステップであって、
座標の多項式で表されて区画の重ね合わせについての座標のシフトを与える傾向線を使用して、区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差を計算すること、及び
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算すること
を含む、第1の層の合計の重ね合わせ誤差を決定するステップと、
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて、露光パラメータを調整するステップと
を実行することによって、コンピュータシステムに、重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の平均を計算することが、
前記重なり領域内に延びる第1の区画の座標シフトを与える第1の傾向線を使用して第1の歪み量を測定することによって、前記第1の区画に対する第1の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記重なり領域内に延びる第2の区画の座標シフトを与える第2の傾向線を使用して第2の歪み量を測定することによって、前記第2の区画に対する第2の区画の重ね合わせ誤差を計算することと、
前記第1の区画の重ね合わせ誤差及び前記第2の区画の重ね合わせ誤差の平均値を求めることと
を含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記合計の重ね合わせ誤差に応じて露光パラメータを調整することが、
前記重なり領域を生じる前記2つ以上の区画の重ね合わせ誤差の前記平均に基づき、前記重なり領域の各座標をシフトすること
を含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記基板を、各々が一つの画像投影システムに対応する複数の区画に分割することが、
区画ごとに原点を決定することと、
区画ごとに前記原点を使用して、区画ごとに中心を決定することと
を含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
点が第1の区画及び第2の区画の両方の要素である場合、前記点が重なり領域内にある、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、マスクレスリソグラフィの分野に関する。より具体的には、本明細書に提供される実施形態は、重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィは、半導体デバイス及び液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイデバイスの製造に広く使用されている。大面積基板は、LCDの製造に利用されることが多い。LCD又はフラットパネルは、一般的に、コンピュータ、タッチパネルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、テレビモニタなどといった、アクティブマトリクスディスプレイに使用される。通常、フラットパネルは、2枚のプレートの間に挟まれたピクセルを形成する液晶材料の層を含みうる。電源からの電力が液晶材料全域にわたって印加されると、液晶材料を通過する光の量がピクセル位置において制御され、画像の生成が可能になりうる。
【0003】
ピクセルを形成する液晶材料層の一部として組み込まれた電気的特徴を作り出すために、一般的にマイクロリソグラフィ技法が用いられる。この技法により、典型的には、基板の少なくとも1つの表面に感光性フォトレジストが付けられる。次いで、パターン生成装置が、パターンの一部として選択された感光性フォトレジストの領域に光を照射して、選択領域内のフォトレジストに化学変化を引き起こし、これらの選択領域に、電気的特徴を作り出す後続の材料除去及び/又は材料追加のプロセスのための準備を行う。
【0004】
ディスプレイデバイス及びその他のデバイスを、消費者が求める価格で、消費者に継続的に提供するために、大面積基板などの基板に正確に、かつ良好なコストパフォーマンスでパターンを作り出す、新たな装置、手法、及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、概して、重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整することに関する。方法は、基板を複数の区画に分割することを含む。各区画は、画像投影システムに対応する。基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差が決定される。区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差が計算される。2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、平均の重ね合わせ誤差が計算される。露光パラメータは、合計の重ね合わせ誤差に応じて調整される。
【0006】
別の実施形態では、合計の重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整するためのコンピュータシステムが、本明細書に開示される。コンピュータシステムは、プロセッサとメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行されるとき、重ね合わせ誤差に応じて基板に対する露光パラメータを調整する方法をプロセッサに実行させる命令を記憶する。方法は、基板を複数の区画に分割することを含む。各区画は、画像投影システムに対応する。基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差が決定される。区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差が計算される。2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、平均の重ね合わせ誤差が計算される。露光パラメータは、合計の重ね合わせ誤差に応じて調整される。
【0007】
更に別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が、本明細書に開示される。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されるとき、方法のステップを実行することによって、コンピュータシステムに、重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整させる命令を記憶する。方法は、基板を複数の区画に分割することを含む。各区画は、画像投影システムに対応する。基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差が決定される。区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差が計算される。2つ以上の区画が重なる重なり領域ごとに、平均の重ね合わせ誤差が計算される。露光パラメータは、合計の重ね合わせ誤差に応じて調整される。
【0008】
本開示の上述の特徴が詳細に理解できるように、上記で概説した本開示のより具体的な説明が実施形態を参照することにより得られ、それら実施形態の幾つかは添付図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態に適用されうることから、添付図面は本開示の例示的な実施形態のみを例示しているにすぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に開示される実施形態から恩恵を受けうるシステムの斜視図である。
図2】一実施形態による複数の画像投影システムの概略斜視図である。
図3】一実施形態による、DMDの2つのミラーにより反射されているビームを概略的に示す。
図4】一実施形態による画像投影装置の斜視図である。
図5】一実施形態によるコンピュータシステムを示す。
図6】一実施形態による、図5のサーバのより詳細な図を示す。
図7】一実施形態によるコントローラ計算システムを示す。
図8】重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整するための方法の工程を概略的に示す。
図9】一実施形態による、その上に堆積された第1の層を有する基板の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0011】
本明細書に開示される実施形態は、概して、重ね合わせ誤差に応じて基板の露光パラメータを調整することに関する。方法は、基板を1つ又は複数の区画に分割することを含む。各区画は、画像投影システムに対応する。基板の上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差が決定される。区画ごとに、区画の重ね合わせ誤差が計算される。2つ以上の区画が重なる重ね合わせ領域ごとに、平均の重ね合わせ誤差が計算される。露光パラメータは、合計の重ね合わせ誤差に応じて調整される。
【0012】
本明細書で使用される「ユーザ(user)」という用語は、例えば、計算デバイス又は無線デバイスを所有する人若しくは主体、計算デバイス又は無線デバイスを操作若しくは利用する人若しくは主体、又はそうでなければ計算デバイス若しくは無線デバイスに関連付けられる人若しくは主体を含む。「ユーザ」という用語は、限定を意図するものではなく、記載されているものを超えて様々な例を含みうると想定される。
【0013】
図1は、本明細書で開示される実施形態から恩恵を受けうるシステム100の斜視図である。断面図に示されるシステム100は、ベースフレーム110、スラブ120、2つ以上のステージ130、及び処理装置160を含む。ある実施形態では、1つのステージ130が使用されうる。ベースフレーム110は、製造施設のフロアに置かれ、スラブ120を支持しうる。受動空気アイソレータ112が、ベースフレーム110とスラブ120との間に位置付けられうる。スラブ120は花崗岩の一枚板であり、2つ以上のステージ130がスラブ120の上に配置されうる。基板140は、2つ以上のステージ130の各々によって支持されうる。複数の孔(図示せず)がステージ130に形成され、それにより、複数のリフトピン(図示せず)がそれらの孔を通って延在可能になりうる。リフトピンは、例えば移送ロボット(図示せず)から基板140を受容するために、伸長位置に上昇しうる。移送ロボットが基板140をリフトピン上に位置付け、リフトピンはその後、基板140をステージ130上へと徐々に下降させうる。
【0014】
基板140は、例えば石英で作られ、フラットパネルディスプレイの一部として使用されうる。他の実施形態では、基板140は、他の材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、基板140は、その上に形成されたフォトレジスト層を有しうる。フォトレジストは、放射線に対して敏感であり、ポジ型フォトレジスト又はネガ型フォトレジストでありうる。つまり、放射線に露光されるフォトレジストの部分は、それぞれ、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布されるフォトレジストデベロッパに、可溶性又は不溶性になるだろう。フォトレジストの化学組成により、そのフォトレジストがポジ型フォトレジストになるか、又はネガ型フォトレジストになるかが決まる。例えば、フォトレジストは、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及びSU−8のうちの少なくとも1つを含みうる。こうして、電子回路を形成するために、パターンが基板140の表面上に作り出されうる。
【0015】
システム100は、一対の支持体122と、一対の軌道124とを更に含みうる。一対の支持体122は、スラブ120上に配置され、スラブ120と一対の支持体122は、単一の材料片でありうる。一対の軌道124は、一対の支持体122によって支持され、2つ以上のステージ130は、軌道124に沿ってX方向に移動しうる。一実施形態では、一対の軌道124は、一対の平行な磁気チャネルである。図示されるように、一対の軌道124の各軌道124は直線的である。他の実施形態では、軌道124は、非直線的形状を有しうる。コントローラ702に位置情報を提供するために、エンコーダ126が各ステージ130に連結されうる(図7参照)。
【0016】
処理装置160は、支持体162及び処理ユニット164を含みうる。支持体162は、スラブ120の上に配置され、2つ以上のステージ130が処理ユニット164の下を通るための開口166を含みうる。処理ユニット164は、支持体162によって支持されうる。一実施形態では、処理ユニット164は、フォトリソグラフィプロセスにおいてフォトレジストを露光させるよう構成された、パターン生成装置である。いくつかの実施形態では、パターン生成装置は、マスクレスリソグラフィ処理を実施するよう構成されうる。処理ユニット164は、筐体165内に配置された、複数の画像投影システム(図2に示す)を含みうる。処理装置160は、マスクレス直接パターニングを実施するために利用されうる。動作中、2つ以上のステージ130のうちの1つは、図1に示す搬入位置から処理位置へと、X方向に移動する。処理位置は、ステージ130が処理ユニット164の下を通る際の、ステージ130の1つ又は複数の位置を指しうる。動作中、2つ以上のステージ130は、複数の空気軸受200によって上昇し、搬入位置から処理位置に、一対の軌道124に沿って移動しうる。ステージ130の動きを安定させるために、複数の垂直ガイド空気軸受(図示せず)が、各ステージ130に連結され、かつ、各支持体122の内壁128に隣接して位置付けられうる。2つ以上のステージ130の各々はまた、基板140の処理及び/又は割り出し(index)のために、軌道150に沿って移動させることによってY方向にも移動しうる。
【0017】
図示されるように、各ステージ130は、ステージ130を上昇させるための複数の空気軸受200を含む。各ステージ130はまた、軌道124に沿ってステージ130を移動させるためのモータコイル(図示せず)も含みうる。温度及び圧力の制御を行うために、2つ以上のステージ130及び処理装置160が、エンクロージャ(図示せず)によって囲まれうる。
【0018】
図2は、一実施形態による、複数の画像投影システム301の概略斜視図である。図2に示されるように、各画像投影システム301は、基板140の表面304に複数の書き込みビーム302を生成する。基板140がX方向及びY方向に移動するにつれて、表面304の全体が、書き込みビーム302によってパターニングされうる。画像投影システム301の数は、基板140のサイズ及び/又はステージ130のスピードに基づいて変動しうる。一実施形態では、処理装置160内に22の画像投影システム301が存在する。
【0019】
画像投影システム301は、光源402、開孔404、レンズ406、ミラー408、DMD410、光ダンプ(投棄所)412、カメラ414、及び投影レンズ416を含みうる。光源402は、発光ダイオード(LED)又はレーザであり、かつ、所定の波長を有する光を生成することが可能でありうる。一実施形態では、所定の波長とは、約450nm未満などの、青色範囲又は近紫外(UV)範囲内のものである。ミラー408は、球面ミラーでありうる。投影レンズ416は、10倍の対物レンズでありうる。DMD410は、複数のミラーを含み、ミラーの数は、投影される画像の解像度に対応しうる。一実施形態では、DMD410は、1920×1080のミラーを含む。
【0020】
動作中、光源402によって、青色範囲内の波長などの所定の波長を有するビーム403が生成される。ビーム403は、ミラー408によってDMD410に反射される。DMD410は、個別に制御されうる複数のミラーを含み、DMD410の複数のミラーの各ミラーは、コントローラ(図示せず)によりDMD410に提供されるマスクデータに基づいて、「オン(on)」位置又は「オフ(off)」位置にありうる。ビーム403がDMD410のミラーに到達すると、投影レンズ416に向けて、「オン」の位置にあるミラーがビーム403を反射し、すなわち、複数の書き込みビーム302を形成する。投影レンズ416は次いで、基板140の表面304に書き込みビーム302を投影する。「オフ」の位置にあるミラーは、基板140の表面304の代わりに、光ダンプ412に向けて、ビーム403を反射する。
【0021】
一実施形態では、DMD410は、2つ以上のミラーを有しうる。各ミラーは、メモリセル上に配置されうる傾斜機構上に配置されうる。メモリセルは、CMOS SRAMでありうる。動作中、メモリセルにマスクデータを読み込むことによって、各ミラーが制御される。マスクデータは、ミラーの傾斜を二進法で静電制御する。ミラーがリセットモードであるときか、又は電力が印加されていない場合には、ミラーは、どの二進数にも対応しない平坦な位置に設定されうる。二進法におけるゼロは、「オフ」の位置に対応しうる。つまり、ミラーが、−10度、−12度、又は他の任意の実現可能な負の傾斜度数に傾斜される。二進法における1は、「オン」の位置に対応しうる。つまり、ミラーが、+10度、+12度、又は他の任意の実現可能な正の傾斜度で傾斜される。
【0022】
図3は、DMD410の2つのミラー502、504によって反射されているビーム403を概略的に示す。図示されるように、「オフ」の位置にあるミラー502は、光源402から発生したビーム403を、光ダンプ412に反射する。「オン」の位置にあるミラー504は、ビーム403を投影レンズ416に向かって反射することにより、書き込みビーム302を形成する。
【0023】
各システム100は、任意の数の画像投影システム301を含み、画像投影システム301の数は、システムによって変動しうる。一実施形態では、84の画像投影システム301が存在する。各画像投影システム301は、40のダイオード、又は任意の数のダイオードを含みうる。このような多数のダイオードを取り扱うためには、より高い電力が必要となるので、多数のダイオードを維持しようとすると問題が生じる。1つの解決策は、ダイオードを直列に整列させることでありうるが、以下に説明するように、直列に構成される場合、機能していないダイオードを検出する必要がある。
【0024】
図4は、一実施形態による画像投影装置390の斜視図である。画像投影装置390は、基板140の平面上のあるスポットに光を集束させ、最終的にその基板140に画像を投影するために使用される。画像投影装置390は、2つのサブシステムを含む。画像投影装置390は、照明システム及び投影システムを含む。照明システムは、少なくとも光パイプ391及び白色光照明デバイス392を含む。投影システムは、少なくともDMD410、フラストレート(frustrated)プリズムアセンブリ288、ビームスプリッタ395、1つ又は複数の投影光学系396a、396b、歪み補償器397、焦点モータ398、及び投影レンズ416(前述)を含む。投影レンズ416は、フォーカス群416a及び窓416bを含む。
【0025】
光源402から画像投影装置390に、光が導入される。光源402は、化学線光源であってもよい。例えば、光源402は、ファイバの束であってもよく、各ファイバは1つのレーザを含む。一実施形態では、光源402は、約100のファイバの束であってもよい。ファイバの束は、レーザダイオードによって照射されてもよい。光源402は、光パイプ(又はカレイド)391に連結される。一実施形態では、光源402は、束のファイバ各々を結合する結合器を介して、光パイプ391に連結される。
【0026】
いったん光源402からの光が光パイプ391に入ると、光パイプ391を出たときに光が均質化され、均一になるように、光パイプ391の内部で光が跳ね返る。一実施例では、光は、光パイプ391内で最大6回又は7回跳ね返ることがある。言い換えれば、光は、光パイプ391内で全部で6−7回の内部反射を経て、均一な光の出力をもたらす。
【0027】
画像投影装置390は、オプションで、様々な反射面(符号なし)を含みうる。様々な反射面は、画像投影装置390を通って進む光の一部を捕捉する。一実施形態では、様々な反射面は、いくらかの光を捕捉し、次に光レベルセンサ393に光を向けるのを助け、レーザレベルがモニタされうる。
【0028】
白色光照明デバイス392は、広帯域の可視光を画像投影装置390の投影システムに投影する。特に、白色光照明デバイス392は、光をフラストレートプリズムアセンブリに方向付ける。化学線光源及び広帯域光源は、互いに独立してオン及びオフにされうる。
【0029】
フラストレートプリズムアセンブリ288は、基板140の表面に投影されることになる光を供給するように機能する。フラストレートプリズムアセンブリ288を使用すれば、内部反射光のすべてが出るので、エネルギー損失は最小になる。フラストレートプリズムアセンブリ288は、ビームスプリッタ395に結合される。
【0030】
DMD410は、フラストレートキューブアセンブリの一部として含まれる。DMD410は、画像投影装置390のパターン生成デバイスである。DMD410及びフラストレートプリズムアセンブリ288の使用は、露光照明を生成する光源402から基板焦点面までずっと、照明の流れの方向を基板140にほぼ垂直に保つことによって、各画像投影装置390の設置面積を最小にするのに役立つ。
【0031】
ビームスプリッタ395は、位置合わせのために基板140から反射された光の一部を更に抽出するために使用される。より具体的には、ビームスプリッタ395は、光を2つの別々のビームに分割するために使用される。ビームスプリッタ395は、投影光学系396に結合される。投影光学系396a、396bの2つの部分が、図4に示される。
【0032】
一実施形態では、焦点センサ及びカメラ284がビームスプリッタ395に取り付けられる。焦点センサ及びカメラ284は、レンズを通した焦点(through lens focus)及び位置合わせ、並びにミラー傾斜角変動を含むがこれに限定されない画像投影装置390の様々な態様の撮像品質をモニタするように構成されうる。加えて、焦点センサ及びカメラ284は、基板140に投影される予定の画像を示しうる。更なる実施形態では、焦点センサ及びカメラ284は、基板140上の画像を捕捉し、それらの画像間での比較を行うために使用されうる。言い換えれば、焦点センサ及びカメラ284は、検査機能を実行するために使用されうる。
【0033】
投影光学系396、歪み補償器397、焦点モータ398、及び投影レンズ416は一緒になって、パターンを準備し、DMD410から基板140上に最終的にパターンを投影する。投影光学系396aは、歪み補償器397に結合される。歪み補償器397は、投影光学系396bに結合され、投影光学系396bは、フォーカスモータ398に結合される。フォーカスモータ398は、投影レンズ416に結合される。投影レンズ416は、フォーカス群416a及び窓416bを含む。フォーカス群416aは、窓416bに結合される。窓416bは、交換可能でありうる。
【0034】
光パイプ391及び白色光照明デバイス392は、第1の取付板341に結合される。加えて、追加的な様々な反射面(符号なし)及び光レベルセンサ393を含む実施形態では、様々な反射面及び光レベルセンサ393はまた、第1の取付板341に結合されうる。
【0035】
フラストレートプリズムアセンブリ288、ビームスプリッタ395、1つ又は複数の投影光学系部分396a、396b及び歪み補償器397は、第2の取付板399に結合される。第1の取付板341及び第2の取付板399は、平面であり、画像投影装置390の上記構成要素の正確な位置合わせを可能にする。言い換えると、光は、単一の光軸に沿って画像投影装置390を通過する。単一の光軸に沿ったこの正確な位置合わせは、コンパクトな装置をもたらす。例えば、画像投影装置390は、約80mmから約100mmの間の厚さを有しうる。
【0036】
図5は、一実施形態による計算システム700を示す。図示されるように、計算システム700は、複数のサーバ708、重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712、及び複数のコントローラ(すなわち、コンピュータ、パーソナルコンピュータ、モバイル/ワイヤレスデバイス)702(明瞭にするために、そのうちの2つのみが示されている)を含みうるのだが、各々が通信ネットワーク706(例えば、インターネット)に接続されている。サーバ708は、ローカル接続(ストレージエリアネットワーク(SAN)、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)を介して、又はインターネットを通じて、データベース714と通信しうる。サーバ708は、データベース714に含まれるデータに直接アクセスすること、又はデータベース714内に含まれるデータを管理するよう設定されるデータベースマネージャとインターフェース接続することのいずれかを実行するように設定される。
【0037】
各コントローラ702は、例えばプロセッサ、システムメモリ、ハードディスクドライブ、バッテリ、マウス及びキーボードなどの入力デバイス、及び/若しくはモニタ又はグラフィカルユーザインターフェースなどの出力デバイス、並びに/又は入力を受け取るだけでなく出力の表示も行うタッチスクリーンのような結合型入力/出力デバイスといった、計算デバイスの従来の構成要素を含みうる。各サーバ708及び重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712は、プロセッサ及びシステムメモリ(図示せず)を含み、かつ関係するデータベースソフトウェア及び/又はファイルシステムなどを使用して、データベース714に記憶されたコンテンツを管理するよう設定されうる。サーバ708は、例えばTCP/IPプロトコルなどのネットワークプロトコルを使用して、互いに、コントローラ702と、重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712と通信するようにプログラムされうる。重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712は、通信ネットワーク706を通じて、コントローラ702と直接通信しうる。コントローラ702は、プログラム及び/又はその他のソフトウェアアプリケーションなどのソフトウェア704を実行するようプログラムされ、かつサーバ708によって管理されているアプリケーションにアクセスする。
【0038】
以下に説明する実施形態では、ユーザは、通信ネットワーク706を通じて、サーバ708に接続されうるコントローラ702をそれぞれ操作しうる。ページ、画像、データ、文書などが、コントローラ702を介してユーザに表示されうる。コントローラ702と通信しているディスプレイデバイス及び/又はグラフィカルユーザインターフェースを通じて、情報及び画像が表示されうる。
【0039】
コントローラ702が、パソコン、ラップトップ型携帯計算デバイス、スマートフォン、ビデオゲームの操作器、家庭用デジタルメディアプレイヤー、ネットワーク接続型テレビ、セットトップボックス、並びに/又は通信ネットワーク706との通信に適した構成要素、及び/若しくは必要なアプリケーション又はソフトウェアを有するその他の計算デバイスでありうることに留意されたい。コントローラ702は、基板位置合わせアプリケーションサーバ712からコンテンツ及び情報を受信するよう設定された他のソフトウェアアプリケーションも実行しうる。
【0040】
図6は、図5の重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712のより詳細な図を示す。重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712は、インターコネクト(相互接続部)806を介して通信を行う、中央処理装置(CPU)802、ネットワークインターフェース804、メモリ820、及びストレージ830を含むが、それらに限定されない。重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712は、I/Oデバイス810(例えば、キーボード、ビデオ、マウス、オーディオ、タッチスクリーンなど)に接続するI/Oデバイスインターフェース808も含みうる。重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712は、通信ネットワーク706を介してデータを伝送するよう設定されたネットワークインターフェース804を更に含みうる。
【0041】
CPU802は、メモリ820に記憶されたプログラミング命令を読み出して実行し、かつ、通常は、他のシステム構成要素の動作を制御し連携させる。同様に、CPU802は、メモリ820にアプリケーションデータを記憶し、メモリ820の中にあるアプリケーションデータを読み出す。代表的には、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどである、CPU802が含まれる。インターコネクト806は、CPU802と、I/Oデバイスインターフェース808と、ストレージ830と、ネットワークインターフェース804と、メモリ820との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送するために使用される。
【0042】
代表的にはランダムアクセスメモリであるメモリ820が通常含まれ、メモリ820は、動作中に、CPU802によって使用されるソフトウェアアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ830は、単一のユニットとして図示しているが、不揮発性のデータを記憶するよう設定された、固定ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリストレージドライブ、テープドライブ、取り外し可能なメモリカード、CD−ROM、DVD−ROM、Blu−Ray、HD−DVD、光ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、クラウドストレージ、又はストレージエリアネットワーク(SAN)などの、固定ストレージデバイス及び/又は取り外し可能なストレージデバイスの組み合わせでありうる。
【0043】
メモリ820は、重ね合わせ誤差ソフトウェア828を含むアプリケーションプラットフォーム826を実行するための命令及びロジックを記憶しうる。ストレージ830は、データ834及び関連するアプリケーションプラットフォームコンテンツ836を記憶するよう設定されたデータベース832を含みうる。データベース832は、任意の種類のストレージデバイスでありうる。
【0044】
ネットワークコンピュータは、本明細書に提示される開示内容と併用できる、別の種類のコンピュータシステムである。ネットワークコンピュータは、通常、ハードディスク又はその他の大容量ストレージを含まず、実行可能プログラムは、CPU802によって実行されるよう、ネットワーク接続からメモリ820に読み込まれる。通常のコンピュータシステムは、一般的に、少なくとも、プロセッサ、メモリ、及び、メモリをプロセッサに結合するインターコネクトを含むことになる。
【0045】
図7は、重ね合わせ誤差アプリケーションサーバ712にアクセスし、アプリケーションプラットフォーム826に関連するデータを読み出す又は表示するために使用されるコントローラ702を示す。コントローラ702は、中央処理装置(CPU)902、ネットワークインターフェース904、インターコネクト906、メモリ920、ストレージ930、及びサポート回路940を含みうるが、それらに限定されない。コントローラ702はまた、I/Oデバイス910(キーボード、ディスプレイ、タッチスクリーン、及びマウスなどのデバイス)をコントローラ702に接続する、I/Oデバイスインターフェース908も含みうる。
【0046】
CPU802と同様に、代表的には、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどであるCPU902が含まれ、代表的にはランダムアクセスメモリであるメモリ920が一般に含まれる。インターコネクト906は、CPU902と、I/Oデバイスインターフェース908と、ストレージ930と、ネットワークインターフェース904と、メモリ920との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送するために使用されうる。ネットワークインターフェース904は、例えば、表面位置合わせアプリケーションサーバ712からコンテンツを転送するために、通信ネットワーク706を介してデータを送信するように設定されうる。ハードディスクドライブ又はソリッドステートストレージドライブ(SSD)などのストレージ930は、不揮発性データを記憶しうる。ストレージ930は、データベース931を包含しうる。データベース931は、データ932及びその他のコンテンツ934を包含しうる。いくつかの実施形態では、データベース931は、画像処理ユニット936を更に含みうる。画像処理ユニットは、データ938及び/又は制御ロジック939を含みうる。例示的には、メモリ920は、アプリケーションインターフェース922を含み、アプリケーションインターフェース922自体が、ソフトウェア命令924を表示し、及び/又はデータ926を記憶し若しくは表示しうる。アプリケーションインターフェース922は、コントローラ702が、表面位置合わせアプリケーションサーバ712によってホストされるデータ及び他のコンテンツにアクセスすることを可能にする、1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションを提供しうる。
【0047】
コントローラ702は、処理装置160、ステージ130、及びエンコーダ126のうちの1つ又は複数と結合され又は通信しうる。処理装置160及びステージ130は、基板処理及び基板の位置合わせに関して、コントローラ702に情報を提供しうる。例えば、処理装置160は、コントローラ702に情報を提供し、コントローラに基板処理が完了したことを警告しうる。エンコーダ126は、コントローラ702に位置情報を提供可能であり、この位置情報は次いで、ステージ130及び処理装置160を制御するために使用される。
【0048】
コントローラ702は、中央処理装置(CPU)902、メモリ920、及びサポート回路940(又はI/O908)を含みうる。CPU902は、様々な処理を制御するために産業用設定で使用される任意の形態のコンピュータプロセッサとハードウェア(パターン生成装置、モータ、及びその他のハードウェアなど)のうちの一方であり、プロセス(処理時間や基板位置など)をモニタしうる。メモリ920は、図7に示されるように、CPU902に接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はその他の任意の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージといった、容易に利用可能なメモリのうちの1つ又は複数でありうる。CPU902に指示するために、ソフトウェア命令及びデータは、コード化され、メモリ内に記憶することができる。サポート回路940も、従来型の様態でプロセッサをサポートするように、CPU902に接続される。サポート回路940は、従来型のキャッシュ942、電源944、クロック回路946、入力/出力回路948、サブシステム950などを含みうる。コントローラ702による可読プログラム(又はコンピュータ命令)が、どのタスクが基板上で実行可能であるかを決定する。プログラムは、コントローラ702による可読ソフトウェアであり、例えば処理時間及び基板位置をモニタし制御するためのコードを含みうる。
【0049】
しかしながら、これら全ての用語及び類似の用語は、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される単なる便宜上の符号にすぎないと留意すべきである。下記検討から明らかであるように、別途特段の記載がない限り、本明細書全体を通じて、「処理する(processing)」「計算する(computing)」「算出する(calculating)」「決定する(determining)」、又は「表示する(displaying)」等といった用語を利用した検討は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はかかる情報のその他のストレージデバイス、伝送デバイス、又はディスプレイデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの作動及びプロセスを指すと認識される。
【0050】
本実施例はまた、本明細書中の動作を実行するための装置にも関する。この装置は、求められる目的のために特別に構築されうるか、又はコンピュータに記憶されるコンピュータプログラムによって選択的に作動するか若しくは再構成される汎用コンピュータを備えうる。かかるコンピュータプログラムは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気カード若しくは光カード、フロッピーディスクと、光ディスクと、CD−ROMと、磁気−光ディスクとを含む任意の種類のディスク、又は電子命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体などであり(ただしそれらに限定されない)、その各々がコンピュータシステムのインターコネクトに結合される、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されうる。
【0051】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又はその他の装置にも本質的に関連していない。様々な汎用システムが、本明細書の教示内容に従ってプログラムと共に使用され、又は求められる方法工程を実行するために、より専門的な装置を構築することが便宜にかなうと分かることもある。多種多様なこれらのシステムの構造は、本明細書の上記の記載から明白になろう。加えて、本開示の例は、何らかの特定のプログラミング言語に関連して説明されているのではなく、ゆえに、様々な例が多様なプログラミング言語を使用して実装されうる。
【0052】
本明細書内でより詳細に説明するように、本開示の実施形態は、製造プロセスでのマスクレスリソグラフィパターニング中のエッジ配置誤差を低減するために、これらの特徴のエッジを禁制角度でディザリング処理することによって、露光多角形のライン波欠陥が禁制角度で補正されるソフトウェアアプリケーションを提供する。
【0053】
一実施形態では、合計の重ね合わせ領域に応じて露光パラメータを調整するための方法1000が開示される。方法1000は、図7に示し関連して上述したように、コントローラ702によって実行されうる。CPU902は、メモリ820に記憶される重ね合わせ誤差ソフトウェア828を実行するようプログラムされ、以下図8で関連して説明される合計の重ね合わせ領域に応じて、露光パラメータを調整するための方法1000を実施する。
【0054】
図8は、図9に示すように、合計の重ね合わせ領域に応じて露光パラメータを調整するための方法1000の工程を概略的に示す。方法1000は、一般に、基板上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差を決定し、その合計の重ね合わせ誤差に応じて露光パラメータを調整することに関する。ある層とその前の層の上に重なる次の層との間では、ある層と次の層の個々のパターンを位置合わせしなければならない。しかしながら、上に重なる複数の層におけるパターン及び材料の違いにより、層間の膜応力及び/又はトポグラフィの変動(又はパターンに関連する違い)は避けられない。基板上に形成された層間で発生した膜応力は、基板を変形させることになり、リソグラフィパターニングプロセスの結果に影響を及ぼし、基板上に形成された半導体デバイスのデバイス歩留まりの問題につながる可能性がある。デバイス構造の重ね合わせ誤差は、さまざまな誤差源から発生しうる。この分野で一般的に見られる源の1つは、フィルム応力、基板の曲率などによって引き起こされる基板フィルム層の変形である。基板上のデバイス構造の膜応力、基板の曲率、基板の変形、又は表面トポグラフィの変動もまた、1つの層から次の層へと形成されるリソグラフィパターンの変位又は位置ずれをもたらす可能性があり、これは、デバイスの歩留まりの結果に悪影響を及ぼし、及び/又はデバイスの性能にばらつきを生じさせる可能性がある。理想的な長方形形状として始まるものは、「ピンクッション(pin−cushion)」の形状となることがあり、基板が様々な方向に引っ張られ、もはや理想的な長方形形状を維持することはない。基板の反りがあると、元の中心Cが、中心C’にシフトすることがある。したがって、中心に対する所与の点(x,y)は、点(x’,y’)に対応しうる。したがって、後続の層を第1の層の上に位置合わせするために、システムは、合計の重ね合わせ誤差を考慮する必要がある。
【0055】
方法1000は、工程1002で開始する。工程1002において、基板1101の表面1102は、1つ又は複数の区画Sに分割される。1つ又は複数の区画Sは、システム100内の1つ又は複数の画像投影システム301に対応する。例えば、n個の画像投影システム301が与えられると、基板1101は、n個の区画Sに分割されることになる。この例では、基板1101は、2×2の画像投影システム301の構成に対応する4つの区画S−Sに分割される。基板1101を1つ又は複数の区画Sに分割することにより、重ね合わせ誤差のより正確な読み取りが可能になる。これは、基板上の複雑な歪みパターンに対して単一の最適な線が十分ではない可能性があるからである。基板を分割することにより、より小さな歪み領域に最適な線を適用することが可能になり、それによって全体の歪みパターンをより正確に読み取ることができる。基板1101が区画に分割されると、各区画の原点(0,0)が決定される。これにより、システムが、以降の計算で、各区画S−Sの中心Cをより簡単に決定することができる。
【0056】
工程1004において、基板上に堆積された第1の層の合計の重ね合わせ誤差が決定される。合計の重ね合わせ誤差を決定することは、各区画Sに対して区画の重ね合わせ誤差を決定すること(サブ工程1008)と、2つ以上の区画Sが重なる領域に対して重なり重ね合わせ誤差を決定すること(サブ工程1010)とを含む。
【0057】
サブ工程1008において、区画の重ね合わせ誤差が、各区画Sについて決定される。区画の重ね合わせ誤差は、最初に基板上に堆積された第1の層の上面を走査して、各区画Sの歪み量を決定することによって決定される。歪みパターンは、座標のシフトを決定するために傾向線に適合される。例えば、線形パターンを有する歪みが与えられた場合、線形傾向線は、その後の露光に対してプロセスパラメータをどのように調整するかを決定するために使用されうる。別の例では、湾曲した歪みを含む歪みが与えられた場合、多項式傾向線は、その後の露光に対してプロセスパラメータをどのように調整するかを決定するために使用されてもよい。一般に、傾向線は、重ね合わせ誤差を考慮するために、元のプロセスパラメータ内の各元の座標(x,y)を修正されたプロセスパラメータ内の修正された座標(x’,y’)に変換することになる多項式を表す。一般に、これは次のように表されうる:
ここで、方程式1は、x方向の座標のシフトを表し、方程式2は、y方向の座標のシフトを表す。方程式1と方程式2は、3つの成分、つまり、元の点(x又はy)、
、及び
に分割される。S(x,y)は、所与の区画Kを表し、ここでS(x,y)は、区分関数であり、次のように表されうる。
点が区画S内にない場合、区分関数S(x,y)は、
をゼロにする。そのように、方程式3は、それぞれの区画内の点のみがその区画に対する最適な線を表す多項式によってシフトされることを保証する。他の区画は、異なる最適な線が使用される歪みパターンを示しうる。したがって、方程式1及び方程式2は、各区画について等価でないことがある。
【0058】
サブ工程1010において、重なり重ね合わせ誤差が決定される。重なり重ね合わせ誤差は、2つ以上の区画Sが重なるこれらの領域で決定される。図9に示すように、重なり領域OA−OAは、2つ以上の区画Sが重なる領域である。所与の重なり領域OAにおける重ね合わせ誤差を決定するために、重なり領域OAを生じる区画の区画重ね合わせ誤差が平均される。x方向のシフトは、方程式4で表され、y方向のシフトは、方程式5で表されうる。
【0059】
重なり領域は、OA(x,y)により表され、ここでOA(x,y)は、下記の方程式6で表される区分方程式である。
方程式6において、S,S∈Sの場合、点(x,y)が少なくとも2つの区画S,Sの交点における要素であるという条件で、OA(x,y)は、関数W(x,y)を表す。点(x,y)が重なり領域内にある場合、関数W(x,y)は、OA(x,y)に対して方程式4及び方程式5に代入され、ここで、W(x,y)は次のように表される。
ここで(cx,cy)は、各区画Sの中心を定義する。
【0060】
各区画S、並びにすべての重なり領域OA内の各点に対するx及びyのシフトを計算した後に、工程1006で、露光パラメータは、工程1010で決定された合計の重ね合わせ誤差に応じて調整される。各区画Sの各点に対して、各点(x,y)は、方程式1及び方程式2に従って(x’,y’)にシフトされる。各重なり領域OA内の各点に対して、各点(x,y)は、方程式4及び方程式5に従って(x’,y’)にシフトされる。重なり領域OAを考慮することによって、方法1000は、隣接する区画S間でのスムーズな移行を可能にする。スムーズな移行は、第1の層内の隣接する区画S間での急激な変化により発生しうる重ね合わせ誤差を軽減する。
【0061】
上記は本明細書に記載の実施形態を対象としているが、これらの実施形態の基本的な範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてもよい。例えば、本開示の態様は、ハードウェア若しくはソフトウェアにおいて、又は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて、実装されうる。本明細書に記載の一実施形態は、コンピュータシステムと共に使用されるプログラム製品として実装されうる。プログラム製品のプログラム(複数可)は、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義し、かつ多様なコンピュータ可読記憶媒体に包含することができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が永続的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD−ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD−ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含むが、これらに限定されない。かかるコンピュータ可読記憶媒体は、開示された実施形態の機能を指示するコンピュータ可読命令を伴うと、本開示の実施形態となる。
【0062】
前述の例は、例示的なものであって限定的なものではないことが、当業者には認識されよう。本明細書を読み、図面を精査することで当業者に明らかになる、これらの例の置換例、強化例、均等物、及び改良例は全て、本開示の本質及び範囲内に含まれることが意図されている。したがって、以下の付随する特許請求の範囲も、これらの教示の本質及び範囲に内包されるものとして、かかる修正例、置換例、及び均等物の全てを含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9