特許第6956783号(P6956783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6956783ポリベンザゾールポリマー(P)の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6956783
(24)【登録日】2021年10月7日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ポリベンザゾールポリマー(P)の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/12 20060101AFI20211021BHJP
   D01F 6/74 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   C08G61/12
   D01F6/74 Z
【請求項の数】13
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2019-514107(P2019-514107)
(86)(22)【出願日】2017年9月5日
(65)【公表番号】特表2019-529639(P2019-529639A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017072232
(87)【国際公開番号】WO2018050489
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2020年9月4日
(31)【優先権主張番号】16188838.3
(32)【優先日】2016年9月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ダーフィト ヘッカー
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス マッソンヌ
(72)【発明者】
【氏名】マーセル ブリル
(72)【発明者】
【氏名】マーティン メアガー
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ルーフ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ フレシェル
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヘアマヌッツ
(72)【発明者】
【氏名】イェアク ウノルト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル アール. ブーフマイザー
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−226485(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103880767(CN,A)
【文献】 特表平07−500592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/12
D01F 6/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分:
(a)一般式(I):
【化1】
[式中、
Ar1は、非置換のまたは少なくとも一置換のフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、ビフェニルジイル、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルチオエーテルジイル、ジフェニルスルホンジイル、ベンゾフェノンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、フランジイルおよびチオフェンジイルからなる群から選択され、
ここで、置換基は、−F、−Cl、−Br、−OR1および−C1〜C10−アルキルからなる群から選択され、
ここで、R1は、−Hまたは−C1〜C10−アルキルであり、
1、X2は、互いに無関係に、−OR2、−F、−Clおよび−Brからなる群から選択され、
ここで、R2は、−H、−C1〜C10−アルキル、−C1〜C10−アルケニルまたは一般式(Ia):
【化2】
(式中、
mは、1〜50の自然数であり、かつ
3は、−H、−C1〜C10−アルキルまたは−C1〜C10−アルケニルである)の繰返単位である]の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物、
(b)一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId):
【化3】
[式中、
nは、0または1であり、
1、Y2、Y3、Y4は、互いに無関係に、−H、−OR4または−SR4であり、
ここで、R4は、−H、−C1〜C10−アルキル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、アセチルおよびtert−ブチルオキシカルボニルからなる群から選択され、かつ
ここで、基Y1およびY2の最大で1つは、−Hであり、かつ
ここで、基Y3およびY4の最大で1つは、−Hであり、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8は、互いに無関係に、−NH2または−NH3+-であり、
ここで、Q-は、F-、Cl-、Br-、I-、HSO4-、SO42-、H3C−SO3-、p−H3C−C64−SO3-およびNO3-からなる群から選択されるアニオン等価体である]の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物
および
(c)少なくとも1つのイオン液体(IL)
を含む反応性混合物(RG)の、ポリベンザゾールポリマー(P)と少なくとも1つのイオン液体(IL)とを含む生成物混合物(PG)の獲得下での反応により、
前記少なくとも1つのイオン液体(IL)は、一般式(III)
【化4】
[式中、
n=1、2、3または4であり、
前記カチオン[C]n+は、非置換のまたは少なくとも一置換のイミダゾリウム−カチオン、イミダゾリニウム−カチオン、イミダゾリジニウム−カチオン、第四級アンモニウム−カチオン、第四級ホスホニウム−カチオン、ピラゾリウム−カチオン、ピラゾリニウム−カチオン、ピリジニウム−カチオン、ピリダジニウム−カチオン、ピリミジニウム−カチオン、ピラジニウム−カチオン、ピロリジニウム−カチオン、グアニジニウム−カチオン、チアゾリウム−カチオン、オキサゾリウム−カチオン、トリアゾリウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エニウム−カチオン、およびこれらのカチオンを含むオリゴマーもしくはポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンであり、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択され、
前記アニオン[A]n-は、ハロゲン含有アニオン、シアン化物、チオシアン酸、シアン酸、イソシアン酸、亜硝酸、硝酸、非置換のまたは少なくとも一置換の硫酸、亜硫酸、スルホン酸、カルボン酸、ホウ酸、ボロン酸、炭酸、炭酸エステル、アミド、カルボン酸イミド酸、スルホニルイミド酸、ビス(スルホニル)イミド酸、アルコキシドおよびアリールオキシドからなる群から選択され、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]を有し、
前記ハロゲン含有アニオンの群は、F-、Cl-、Br-、I-、BF-、BCl-、PF-、AsF-、SbF-、AlCl-、AlCl-、AlBr-、AlBr-、ZnCl-、SnCl-、およびFeCl-からなる群から選択される、ポリベンザゾールポリマー(P)の製造方法。
【請求項2】
Ar1は、非置換のまたは少なくとも一置換の1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、ビフェニル−4,4′−ジイル、ジフェニルメタン−4,4′−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイル、ベンゾフェノン−4,4′−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−4,6−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記成分(a)は、イソフタル酸、イソフタル酸無水物、イソフタル酸ジフルオリド、イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、イソフタル酸のポリ無水物、イソフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、イソフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のポリ無水物、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、テレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、フラン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびチオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記成分(b)は、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン、2,5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン二塩酸塩、2、5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタンおよび4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記反応混合物(RG)は、前記反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を5〜25質量%、成分(b)を5〜25質量%、成分(c)を50〜90質量%含むことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのイオン液体(IL)は、カチオン[C]n+として、一般式(IV):
【化5】
[式中、
5、R6、R7、R8、R9は、互いに無関係に、−H、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]の少なくとも1つのイミダゾリウム−カチオンを含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記カチオン[C]n+は、1−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、2,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−プロピル−2−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジプロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチル−5−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのイオン液体(IL)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記反応混合物(RG)の前記反応は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウムおよび水素化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの塩基性化合物の存在で行われることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記生成物混合物(PG)中の前記ポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、前記ポリベンザゾールポリマー(P)の少なくとも40質量%が、前記少なくとも1つのイオン液体(IL)中に溶解していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法により製造されたポリベンザゾールポリマー(P)。
【請求項12】
前記ポリベンザゾールポリマー(P)中の硫黄含有のまたはリン含有の酸の含有率は、1000ppm未満であることを特徴とする、請求項11記載のポリベンザゾールポリマー(P)。
【請求項13】
請求項10または11記載のポリベンザゾールポリマー(P)の繊維材料としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物、ならびに少なくとも1つのイオン液体(IL)を含む反応混合物(RG)の反応によるポリベンザゾールポリマー(P)の製造方法に関する。さらに、本発明は、本発明による方法により得られるポリベンザゾールポリマー(P)、および例えば繊維材料としてのポリベンザゾールポリマー(P)の使用に関する。
【0002】
ポリベンザゾールポリマーは、とりわけ高性能繊維として使用され、かつその優れた引張強さに基づき、その特性の点でガラス繊維、セラミック繊維および炭素繊維を凌ぐ有機ポリマーの種類である。ポリベンザゾールポリマーのような有機高性能繊維は、技術的要求の高い分野で一段と使用されている、というのもこれはことに優れた高い強度および弾性率により、ならびに高い温度耐久性、防炎性および耐薬品性により傑出しているためである。
【0003】
しかしながら、金属素材とは反対に、ポリベンザゾールポリマーを基礎とするポリマーの材料は、しばしば自然環境の影響下で分解プロセスを受けやすく、これが急速な老化、ひいては使用不可能になるまでの特性の悪化を引き起こす。UV放射線および湿度のような外部環境の影響の作用下で、急速な分解が起こり、それにより、最終的に機械特性およびことに引張強さが明らかに低下する。急速な老化により、ポリベンザゾールポリマーを基礎とする材料は、短時間後に交換しなければならないか、または相応する様式で、耐久性のある材料との複合構造により環境の影響に対して保護しなければならない。被覆により老化を遅らせることができるが、この低い耐老化性は、いくつかの特別な領域を越えて、ポリベンザゾールポリマーを基礎とする材料の普遍的な使用性を妨げている。
【0004】
ポリベンザゾールポリマーの製造は公知であり、かつ先行技術において次のように記載されている:
例えば、「Kumar et al., Rigid-Rod Polymeric Fibers, Journal of Applied Polymer Science, Vol. 100, 791-802 (2006)」には、テレフタル酸と少なくとも2つの他の置換基を有する芳香族ジアミノ化合物とからのポリベンザゾールポリマーの製造方法が開示されていて、ここで、2つの他の置換基は、アミノ基、ヒドロキシ基またはチオール基であってよい。これらの出発化合物の反応は、この場合、同時に溶媒、触媒および脱水剤として利用されるポリリン酸の存在で行われる。これとは別に、ポリリン酸の代わりに、メタンスルホン酸、クロロスルホン酸またはトリフルオロ酢酸が溶媒として使用されてもよい。したがって、これらの酸の使用は、とりわけ有利であると考えられる、それというのも、その使用によりポリベンザゾールポリマーはin situでさらなる分離方法なしで製造することができるためである。
【0005】
同様に、米国特許第5,089,591号明細書は、酸中に溶かされたポリベンザゾールオリゴマーを150℃を超える温度でかつ少なくとも10sec-1の剪断速度で反応させるポリベンザゾールポリマーの製造方法を記載している。溶媒として適した酸は、この場合、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびポリリン酸である。
【0006】
米国特許出願公開第2001/003130号明細書(US 2001/003130 A1)は、芳香族ジカルボキシラートの二置換芳香族ジアミノ化合物との反応により得られるポリベンザゾレオイル−ベンザゾールの製造方法を開示していて、ここで、2つの他の置換基は、ヒドロキシ基、チオール基またはアミノ基であってよい。米国特許出願公開第2001/0003130号明細書(US 2001/0003130 A1)に開示されたポリベンザゾレオイルベンザゾールの合成は、ポリリン酸および五酸化リンの存在で行われる。
【0007】
中国特許出願公開第103880767号明細書は、ポリベンザゾールポリマーの製造方法を記載している。この場合、第一の段階で、テレフタル酸ジクロリドおよび4,6−ジアミノレゾルシノール(4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン)を、極めて疎水性のイオン液体中で反応させ、ここで、正確に1分子のテレフタル酸ジクロリドと正確に1分子の4,6−ジアミノレゾルシノールとからなる縮合生成物を得る。ポリベンザゾールポリマーの製造のために、この縮合生成物を第二の段階でリン酸および五酸化リン中で反応させる。
【0008】
しかしながら、ポリベンザゾールポリマーの合成のために今まで使用されていた酸の使用は不利であることが判明した、というのもこれらの酸は、製造プロセス後にポリベンザゾールポリマーから完全には除去することができず、したがって常にわずかな濃度でポリマーマトリックス中に残留するためである。これらの酸残分は、水分の作用下で、ポリマー鎖の加水分解を引き起こす。この分解は、UV作用によってさらに明らかに促進される。
【0009】
例えば、「Holmes et al., The Effect of Enviromental and Mechanical Mechanisms on the Performance of Soft Body Armor, 2009, Analytical Chemistry Division, ICCM International Conferences on Composite Materials 01/2009」は、ベンゾオキサゾール環の欠如する加水分解安定性は、ポリベンゾオキサゾールの製造方法からのリン酸のわずかな残留含有率に起因することを開示している。リン酸は、この場合、遊離リン酸として、またはポリベンゾオキサゾールに結合しているアリールホスファートエステルの形で存在することができ、ここで、アリールホスファートエステルは水の存在でゆっくりと加水分解され、かつリン酸を形成する。
【0010】
「Chin et al., Temperature and humidity aging of poly(p-phenylene-2,6-benzo-bisoxazole) fibers: Chemical and physical characterization, Polymer Degradation and Stability, 92, 1234 -1246 (2007)」には、加水分解または高めた温度に対するポリベンゾオキサゾールポリマーの敏感性がポリリン酸の残分により生じ、このポリリン酸はベンゾオキサゾール環の開環、ひいてはポリマーの分解を引き起こすことが開示されている。
【0011】
したがって、本発明の基礎となる課題は、先行技術で使用された酸なしで実施することができるポリベンザゾールポリマーの改善された製造方法を提供することにある。この改善された方法により、改善された耐老化性を有するポリベンザゾールポリマーを提供することができるべきである。
【0012】
この課題は、次の成分:
(a)一般式(I):
【化1】
[式中、
Ar1は、非置換のまたは少なくとも一置換のフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、ビフェニルジイル、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルチオエーテルジイル、ジフェニルスルホンジイル、ベンゾフェノンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、フランジイルおよびチオフェンジイルからなる群から選択され、
ここで、置換基は、−F、−Cl、−Br、−OR1および−C1〜C10−アルキルからなる群から選択され、
ここで、R1は、−Hまたは−C1〜C10−アルキルであり、
1、X2は、互いに無関係に、−OR2、−F、−Clおよび−Brからなる群から選択され、
ここで、R2は、−H、−C1〜C10−アルキル、−C1〜C10−アルケニルまたは一般式(Ia):
【化2】
(式中、
mは、1〜50の自然数であり、かつ
3は、−H、−C1〜C10−アルキルまたは−C1〜C10−アルケニルである)の繰返単位である]の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物、
(b)一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId):
【化3】
[式中、
nは、0または1であり、
1、Y2、Y3、Y4は、互いに無関係に、−H、−OR4または−SR4であり、
ここで、R4は、−H、−C1〜C10−アルキル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、アセチルおよびtert−ブチルオキシカルボニルからなる群から選択され、かつ
ここで、基Y1およびY2の最大で1つは、−Hであり、かつ
ここで、基Y3およびY4の最大で1つは、−Hであり、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8は、互いに無関係に、−NH2または−NH3+-であり、
ここで、Q-は、F-、Cl-、Br-、I-、HSO4-、SO42-、H3C−SO3-、p−H3C−C64−SO3-およびNO3-からなる群から選択されるアニオン等価体である]の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物
および
(c)少なくとも1つのイオン液体(IL)
を含む反応混合物(RG)の、ポリベンザゾールポリマー(P)と少なくとも1つのイオン液体(IL)とを含む生成物混合物(PG)の獲得下での反応による、ポリベンザゾールポリマー(P)の製造方法により解決される。
【0013】
意外にも、イオン液体は、ポリベンザゾールポリマー(P)の製造用の溶媒として適しているので、先行技術に開示された方法において使用されているような酸は必要ないことが見出された。それにより、イオン液体の存在で得られるポリベンザゾールポリマー(P)は、老化プロセスに対しておよび外部環境の影響に対して高められた耐久性を有する。
【0014】
イオン液体の使用により、ポリベンザゾールポリマーからの酸残分の除去のための手間のかかる分離法または精製法は必要ないので、環境に優しくかつ低コストのプロセス管理を可能にする。ポリベンザゾールポリマー(P)の製造の際のイオン液体の再使用性により、先行技術に開示された方法と比べてプロセス管理の明らかな改善が達成される。
【0015】
イオン液体の使用により、さらに、高分子量のポリベンザゾールポリマー(P)を得ることが可能である。
【0016】
本発明を、次に詳細に説明する。
【0017】
ポリベンザゾールポリマー(P)は、本発明による方法の場合、ポリベンザゾールポリマー(P)を含む生成物混合物(PG)の獲得下での反応混合物(RG)の反応により得られる。
【0018】
ポリベンザゾールポリマーは、当業者に原則として公知であるポリマーの種類である。「ポリベンザゾールポリマー(P)」とは、本発明の範囲内で、ポリベンゾオキサゾールおよび/またはポリベンゾチアゾールからなる繰返単位を含むポリマーであると解釈される。
【0019】
本発明の範囲内で、「ポリベンゾオキサゾール」の用語は、繰返単位としてオキサゾール環と芳香族基とを含むポリマーに関する。芳香族基は、この場合、必ずしもベンゼン環であるとは限らない。
【0020】
本発明の範囲内で、「ポリベンゾチアゾール」の用語は、繰返単位としてチアゾール環と芳香族基とを含むポリマーに関する。芳香族基は、この場合、必ずしもベンゼン環であるとは限らない。
【0021】
反応混合物(RG)は、ポリベンザゾールポリマー(P)の製造のために反応される混合物である。
【0022】
反応混合物(RG)は、成分として、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物(成分(a))、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(成分(b))ならびに少なくとも1つのイオン液体(IL)(成分(c))を含む。
【0023】
成分(a)および(b)は、成分(c)中に、有利に少なくとも部分的に溶解している。反応混合物(RG)中の成分(a)および(b)の全質量を基準として、好ましくは成分(a)および(b)の少なくとも60質量%、特に好ましくは80質量%が、成分(c)中に溶解している。全く特に好ましくは、成分(a)および(b)は、成分(c)中に完全に溶解している。
【0024】
「完全に溶解」の用語は、この場合、反応混合物(RG)中の成分(a)および(b)の全質量を基準として、有利に成分(a)および(b)の最大で5質量%、好ましくは最大で3質量%、より好ましくは最大で2質量%、特に好ましくは最大で1質量%が、成分(c)中で固体粒子として存在することを意味する。全く特に好ましくは、成分(c)は、成分(a)および(b)の固体粒子を全く含まない。したがって、成分(a)および(b)は、全く特に好ましくは、成分(c)から濾過により分離することはできない。
【0025】
成分(c)中での成分(a)および(b)の溶解は、当業者に公知の全ての方法により行うことができる。有利に、成分(a)および(b)は、攪拌しながら成分(c)中に溶解される。成分(c)中での成分(a)および(b)の溶解は、同時にまたは順次に行うことができる。
成分(a)および(b)は、成分(c)中に、有利に、高めた温度で、好ましくは20〜120℃の範囲内で、特に好ましくは40〜100℃の範囲内で溶解される。
【0026】
成分(a)と(b)とは、本発明による方法の場合に、成分(c)の存在で、互いに重縮合反応により反応する。成分(c)は、溶媒として利用され、この場合、有利に成分(a)および(b)とは共重合しない。成分(c)の一部が成分(a)および(b)と共重合する場合には、成分(c)の全質量を基準として、成分(c)の好ましくは最大で1質量%、特に好ましくは最大で0.5質量%が、成分(a)および(b)と共重合する。全く特に好ましくは、成分(c)は、成分(a)および(b)と全く共重合しない。
【0027】
本発明によるポリベンザゾールポリマー(P)は、一実施形態の場合に、少なくとも1つの塩基性化合物の存在での反応混合物(RG)の反応により得られる。少なくとも1つの塩基性化合物は、原則として、当業者に公知の全ての塩基性化合物であってよい。好ましくは、少なくとも1つの塩基性化合物は、塩基性アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物である。特に好ましくは、少なくとも1つの塩基性化合物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウムおよび水素化カルシウムからなる群から選択される。全く特に好ましくは、少なくとも1つの塩基性化合物(B)は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化マグネシウムおよび水素化カルシウムからなる群から選択される。
【0028】
したがって、本発明の他の主題は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウムおよび水素化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの塩基性化合物の存在で、反応混合物(RG)の反応を行うことを特徴とする方法でもある。
【0029】
さらに、ここで定義された少なくとも1つの塩基性化合物とは異なる少なくとも1つの無機塩の存在で、反応混合物(RG)の反応を行ってよい。少なくとも1つの無機塩は、原則として、当業者に公知の全ての無機塩であることができ、かつ正確に1つの無機塩でも、2つ以上の異なる無機塩の混合物であってもよい。好ましくは、少なくとも1つの無機塩は、アルカリ塩、アルカリ土類塩、アルミニウム塩、スズ(II)塩、鉄(II)塩またはマンガン(II)塩である。さらに好ましくは、少なくとも1つの無機塩は、アルカリハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物、スズ(II)ハロゲン化物、鉄(II)ハロゲン化物またはマンガン(II)ハロゲン化物である。特に好ましくは、少なくとも1つの無機塩は、塩化リチウム、ホウ化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化スズ(II)、臭化スズ(II)、ヨウ化スズ(II)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、塩化マンガン(II)、臭化マンガン(II)およびヨウ化マンガン(II)からなる群から選択される。全く特に好ましくは、少なくとも1つの無機塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化スズ(II)、塩化鉄(II)および塩化マンガン(II)からなる群から選択される。
【0030】
重縮合反応は、原則として任意の温度で行ってよい。有利に、重縮合反応は、30〜220℃の範囲内、好ましくは60〜200℃の範囲内、特に好ましくは80〜180℃の範囲内の温度で行われる。
【0031】
重縮合反応の間に、揮発性副生成物が生じることがあり、この揮発性副生成物は、有利に、反応混合物(RG)の反応の間にすでに連続的に分離される。「揮発性副生成物」とは、本発明の範囲内で、反応混合物(RG)の反応の際に生じる、200℃未満、好ましくは150℃未満、特に好ましくは120℃未満の沸点を有する全ての化合物であると解釈される。好ましい揮発性副生成物は、例えば水(反応水)またはハロゲン化水素を含む。揮発性副生成物の分離は、原則として、当業者に公知の全ての方法により行うことができる。好ましい実施形態の場合に、揮発性副生成物は、反応混合物(RG)の反応の間に、場合により窒素流を連続的に供給しながら、連続的に留去される。
【0032】
反応混合物(RG)に関する以後の全ての記述は、重縮合反応を実施する前の混合物に関する。重縮合反応において反応混合物(RG)は反応して、ポリベンザゾールポリマー(P)と少なくとも1つのイオン液体(IL)とを含む生成物混合物(PG)にされる。
【0033】
したがって、生成物混合物(PG)は、重縮合反応の実施後に存在する混合物である。したがって、生成物混合物(PG)に関する全ての記述は、重縮合反応の実施後の混合物に関する。
【0034】
反応混合物(RG)は、有利に、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を5質量%〜25質量%、成分(b)を5質量%〜25質量%および成分(c)を50質量%〜90質量%含む。
【0035】
したがって、本発明の他の主題は、反応混合物(RG)が、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を5〜25質量%、成分(b)を5〜25質量%および成分(c)を50〜90質量%含むことを特徴とする方法である。
【0036】
好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を8質量%〜18質量%、成分(b)を8質量%〜18質量%および成分(c)を64質量%〜84質量%含み、特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を10質量%〜15質量%、成分(b)を10質量%〜15質量%および成分(c)を70質量%〜80質量%含む。
【0037】
特別な実施形態の場合には、反応混合物(RG)は、コモノマーとしてさらに、少なくとも1つの線状のまたは分枝した脂肪族ジカルボキシル化合物を含む。少なくとも1つの線状のまたは分枝した脂肪族ジカルボキシル化合物は、好ましくは2〜20の炭素原子を含む。特に好ましい線状のまたは分枝した脂肪族ジカルボキシル化合物は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびこれらの分枝した異性体である。
【0038】
反応混合物が少なくとも1つの線状のまたは分枝した脂肪族ジカルボキシル化合物を含む場合に、反応混合物(RG)は、有利に、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を3〜15質量%、成分(b)を5〜25質量%、成分(c)を50〜90質量%および少なくとも1つの線状のまたは分枝した脂肪族ジカルボキシル化合物を2〜10質量%含む。反応混合物(RG)中の全ての成分の全質量は、一般に100質量%になる。
【0039】
生成物混合物(PG)は、有利に、生成物混合物(PG)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)を少なくとも5質量%含む。特に好ましくは、生成物混合物(PG)は、生成物混合物(PG)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)を少なくとも10質量%、全く特に好ましくは少なくとも12質量%含む。
【0040】
さらに、生成物混合物(PG)は、有利に、生成物混合物(PG)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)を最大で25質量%含む。特に好ましくは、生成物混合物(PG)は、生成物混合物(PG)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)を最大で22質量%、全く特に好ましくは最大で20質量%含む。
【0041】
生成物混合物(PG)は、有利に、生成物混合物(PG)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)を5質量%〜25質量%、好ましくは10質量%〜22質量%、特に好ましくは12質量%〜20質量%含む。
【0042】
ポリベンザゾールポリマー(P)は、少なくとも1つのイオン液体(IL)中に、有利に少なくとも部分的に溶解している。好ましくは、生成物混合物(PG)中のポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)の少なくとも40質量%、特に好ましくは少なくとも60質量%、全く特に好ましくは少なくとも80質量%が、少なくとも1つのイオン液体(IL)中に溶解している。全く特に好ましくは、ポリベンザゾールポリマー(P)は、少なくとも1つのイオン液体(IL)中に完全に溶解している。
【0043】
したがって、本発明の他の主題は、生成物混合物(PG)中のポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、ポリベンザゾールポリマー(P)の少なくとも40質量%が、少なくとも1つのイオン液体(IL)中に溶解していることを特徴とする方法でもある。
【0044】
「完全に溶解」の用語は、この場合、生成物混合物(PG)中のポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、有利にポリベンザゾールポリマー(P)の最大で5質量%、好ましくは最大で3質量%、より好ましくは最大で2質量%、特に好ましくは最大で1質量%が、少なくとも1つのイオン液体(IL)中に固体粒子として存在することを意味する。全く特に好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、ポリベンザゾールポリマー(P)の固体粒子を全く含まない。したがって、ポリベンザゾールポリマー(P)は、全く特に好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)から濾過により分離することはできない。
【0045】
ポリベンザゾールポリマー(P)は、生成物混合物(PG)から当業者に公知の全ての方法により分離することができる。例えば、ポリベンザゾールポリマー(P)は、適切な沈殿剤の添加により生成物混合物(PG)から沈殿させることができる。
【0046】
適切な沈殿剤は、原則として当業者に公知であり、かつ好ましくは、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコールまたはこれらの混合物のようなプロトン性極性溶媒を含む。
【0047】
成分(a)、(b)および(c)を、次に詳細に説明する。
【0048】
成分(a)
反応混合物(RG)は、成分(a)として、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物を含む。
【0049】
「成分(a)」、「一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物」および「少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物(I)」の用語は、この場合、以後同義に使用される。
【0050】
「一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物」の用語は、この場合、一般式(I)の正確に1つの芳香族ジカルボキシル化合物にも、一般式(I)の2つ以上の異なる芳香族ジカルボキシル化合物の混合物にも関する。一般式(I)の適切な芳香族ジカルボキシル化合物は、原則として当業者に公知である。
【0051】
本発明による方法において使用される少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物は、一般式(I):
【化4】
[式中、
Ar1は、非置換であるかまたは少なくとも一置換のフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、ビフェニルジイル、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルチオエーテルジイル、ジフェニルスルホンジイル、ベンゾフェノンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、フランジイルおよびチオフェンジイルからなる群から選択され、
ここで、置換基は、−F、−Cl、−Br、−OR1および−C1〜C10−アルキルからなる群から選択され、
ここで、R1は、−Hまたは−C1〜C10−アルキルであり、
1、X2は、互いに無関係に、−OR2、−F、−Clおよび−Brからなる群から選択され、
ここで、R2は、−H、−C1〜C10−アルキル、−C1〜C10−アルケニルまたは式(Ia):
【化5】
(式中、
mは、1〜50の自然数であり、かつ
3は、−H、−C1〜C10−アルキルまたは−C1〜C10−アルケニルである)の繰返単位である]を有する。
【0052】
本発明による方法において使用される、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物は、好ましくは、カルボキシル基(−CO2H)、カルボン酸フルオリド(−COF)、カルボン酸クロリド(−OCl)、カルボン酸ブロミド(−COBr)、カルボン酸エステル(−CO22、ここで、R2は、C1〜C10−アルキル基またはC1〜C10−アルケニル基である)およびカルボン酸無水物(−CO22、ここで、R2は、先に定義された一般式(Ia)の繰返単位である)からなる群から互いに無関係に選択される2つの官能基を含む。
【0053】
Ar1は、本発明による方法において、非置換のまたは少なくとも一置換のフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、ビフェニルジイル、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルチオエーテルジイル、ジフェニルスルホンジイル、ベンゾフェノンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、フランジイルおよびチオフェンジイルからなる群から選択される。一般式(I)の相応する適した芳香族ジカルボキシル化合物は、原則として当業者に公知である。原則として、本発明による方法において、当業者に公知の、一般式(I)の相応する全ての芳香族ジカルボキシル化合物を使用することができる。
【0054】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のフェニレン基は、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレン、好ましくは1,4−フェニレンからなる群から選択される。有利に、フェニレン基は非置換である。基Ar1としてフェニレン基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、フタル酸ジフルオリド、フタル酸ジクロリド、フタル酸ジブロミド、イソフタル酸無水物、イソフタル酸ジフルオリド、イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、フタル酸のポリ無水物、イソフタル酸のポリ無水物、テレフタル酸のポリ無水物、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0055】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のナフタレンジイル基は、例えばナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルおよびナフタレン−2,7−ジイル、好ましくはナフタレン−1,4−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルからなる群から選択される。有利に、ナフタレン基は非置換である。基Ar1としてナフタレンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびナフタレン−2,7−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびナフタレン−2,7−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0056】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のアントラセンジイル基は、例えばアントラセン−1,4−ジイル、アントラセン−1,5−ジイル、アントラセン−2,6−ジイルおよびアントラセン−9,10−ジイル、好ましくはアントラセン−2,6−ジイルおよびアントラセン−9,10−ジイルからなる群から選択される。有利に、アントラセン基は非置換である。基Ar1としてアントラセンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばアントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、アントラセン−1,4−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−1,4−ジカルボン酸無水物、アントラセン−1,4−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−1,4−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−1,5−ジカルボン酸無水物、アントラセン−1,5−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−1,5−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−1,5−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−1,4−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−1,5−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにアントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸およびアントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにアントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸およびアントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0057】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のビフェニルジイル基は、例えばビフェニル−3,3′−ジイルおよびビフェニル−4,4′−ジイル、好ましくはビフェニル−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ビフェニルジイル基は非置換である。基Ar1としてビフェニルジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物は、例えばビフェニル−3,3′−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3′−ジカルボン酸無水物、ビフェニル−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ビフェニル−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ビフェニル−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにビフェニル−3,3′−ジカルボン酸およびビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにビフェニル−3,3′−ジカルボン酸およびビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0058】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のジフェニルメタンジイル基は、例えばジフェニルメタン−3,3′−ジイルおよびジフェニルメタン−4,4′−ジイル、好ましくはジフェニルメタン−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ジフェニルメタンジイル基は非置換である。基Ar1としてジフェニルメタンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0059】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のジフェニルエーテルジイル基は、例えばジフェニルエーテル−3,3′−ジイルおよびジフェニルエーテル−4,4′−ジイル、好ましくはジフェニルエーテル−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ジフェニルエーテルジイル基は非置換である。基Ar1としてジフェニルエーテルジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにジフェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0060】
基Ar1として適した非置換のまたは少なくとも一置換のジフェニルチオエーテルジイル基は、例えばジフェニルチオエーテル−3,3′−ジイルおよびジフェニルチオエーテル−4,4′−ジイル、好ましくはジフェニルチオエーテル−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ジフェニルチオエーテルジイル基は非置換である。基Ar1としてジフェニルチオエーテルジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにジフェニルチオエーテル−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0061】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のジフェニルスルホンジイル基は、例えばジフェニルスルホン−3,3′−ジイルおよびジフェニルスルホン−4,4′−ジイル、好ましくはジフェニルスルホン−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ジフェニルスルホンジイル基は非置換である。基Ar1としてジフェニルスルホンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにジフェニルスルホン−3,3′−ジカルボン酸およびジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0062】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のベンゾフェノンジイル基は、例えばベンゾフェノン−3,3′−ジイルおよびベンゾフェノン−4,4′−ジイル、好ましくはベンゾフェノン−4,4′−ジイルからなる群から選択される。有利に、ベンゾフェノンジイル基は非置換である。基Ar1としてベンゾフェノンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸ジフルオリド、ベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸ジクロリド、ベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸ジブロミド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸のポリ無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸およびベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにベンゾフェノン−3,3′−ジカルボン酸およびベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0063】
基Ar1について適した非置換または少なくとも一置換のピリジンジイル基は、例えばピリジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,6−ジイルおよびピリジン−3,5−ジイル、好ましくはピリジン−2、5−ジイルからなる群から選択される。有利に、ピリジンジイル基は非置換である。基Ar1としてピリジンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−カルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−2,6−ジカルボン酸無水物、ピリジン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−3,5−ジカルボン酸無水物、ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリジン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリジン−3,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸およびピリジン−3,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸およびピリジン−3,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0064】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のピリミジンジイル基は、例えばピリミジン−2,4−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルおよびピリミジン−4,6−ジイル、好ましくはピリミジン−4,6−ジイルからなる群から選択される。有利に、ピリミジンジイル基は非置換である。基Ar1としてピリミジンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばピリミジン−2,4−ジカルボン酸、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ならびにピリミジン−2,4−ジカルボン酸、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸およびピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ならびにピリミジン−2,4−ジカルボン酸、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸およびピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0065】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のフランジイル基は、例えばフラン−2,5−ジイルから選択される。有利に、フランジイル基は非置換である。基Ar1としてフランジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばフラン−2,5−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、フラン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、およびフラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0066】
基Ar1について適した非置換のまたは少なくとも一置換のチオフェンジイル基は、例えばチオフェン−2,5−ジイルから選択される。有利に、チオフェンジイル基は非置換である。基Ar1としてチオフェンジイル基を有する相応する芳香族ジカルボキシル化合物(I)は、例えばチオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、およびチオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルを含む。
【0067】
好ましくは、基Ar1は、非置換のまたは少なくとも一置換の1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、ビフェニル−4,4′−ジイル、ジフェニルメタン−4,4′−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイル、ベンゾフェノン−4,4′−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−4,6−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイルからなる群から選択される。特に好ましくは、上述の基は非置換である。
【0068】
したがって、本発明の主題は、Ar1が非置換のまたは少なくとも一置換の1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、ビフェニル−4,4′−ジイル、ジフェニルメタン−4,4′−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイル、ベンゾフェノン−4,4′−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−4,6−ジイル、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイルからなる群から選択されることを特徴とする方法でもある。
【0069】
「非置換」の用語は、本発明の範囲内で、基Ar1が、一般式(I)において示された官能基(−COX1および−COX2)の他に、水素(−H)以外の別の置換基を有しないことを意味する。
【0070】
「少なくとも一置換」の用語は、本発明の範囲内で、基Ar1が、一般式(I)において示された官能基の他に、一般式(I)において示されたカルボキシル基に対してさらに、正確に1つの置換基または2つ以上の置換基を有してよいことを意味する。
【0071】
好ましいC1〜C10−アルキル基は、1〜10の炭素原子を有する線状のおよび分枝した飽和アルキル基を含む。特に好ましいC1〜C10−アルキル基は、この場合、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−もしくは3−メチルペンチルのようなC1〜C6−アルキル基、またはn−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルもしくはn−デシルのような長鎖基、ならびにこれらの分枝した異性体である。
【0072】
好ましいC1〜C10−アルケニル基は、1〜10の炭素原子を有する線状のおよび分枝した少なくとも一価不飽和アルキル基を含む。特に好ましいC1〜C10−アルケニル基は、この場合、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、クロチル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、またはペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプテニル、ヘプタジエニル、ヘプタトリエニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタトリエニル、オクタテトラエニル、ノネニル、ノナジエニル、ノナトリエニル、ノナテトラジエニル、デセニル、デカジエニル、デカトリエニル、デカテトラエニルまたはデカペンタエニルのような長鎖基、ならびにこれらの分枝した異性体である。
【0073】
有利に、一般式(Ia)の繰返単位中のmは、1〜50、特に好ましくは1〜30、全く特に好ましくは1〜10、ことに1〜5の自然数である。最も好ましくは、mは1である。
【0074】
好ましくは、成分(a)は、イソフタル酸、イソフタル酸無水物、イソフタル酸ジフルオリド、イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、イソフタル酸のポリ無水物、イソフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、イソフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のポリ無水物、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、テレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、フラン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびチオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択される。
【0075】
したがって、本発明の他の主題は、成分(a)が、イソフタル酸、イソフタル酸無水物、イソフタル酸ジフルオリド、イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、イソフタル酸のポリ無水物、イソフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、イソフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のポリ無水物、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステル、テレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−2,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジフルオリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジクロリド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸ジブロミド、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のポリ無水物、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、アントラセン−9,10−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジフルオリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸ジブロミド、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のポリ無水物、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリジン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジフルオリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸ジブロミド、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のポリ無水物、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、フラン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、フラン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステル、フラン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフルオリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジブロミド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のポリ無水物、チオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびチオフェン−2,5−ジカルボン酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択されることを特徴とする方法でもある。
【0076】
特に好ましくは、成分(a)は、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミドおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステルからなる群から選択される。
【0077】
反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を少なくとも5質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を少なくとも8質量%、全く特に好ましくは少なくとも10質量%含む。
【0078】
さらに、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を最大で25質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を最大で18質量%、全く特に好ましくは最大で15質量%含む。反応混合物(RG)中の全ての成分の全質量は、一般に100質量%になる。
【0079】
反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を5〜25質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(a)を8〜18質量%、全く特に好ましくは10〜15質量%含む。
【0080】
好ましい実施形態の場合に、成分(a)は、反応混合物(RG)中の成分(a)の全質量を基準として、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択される、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物を少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、全く特に好ましくは少なくとも98質量%含む。成分(a)に関してここに示された質量の記述は、この場合、使用したテレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルの全質量を基準とする。
【0081】
特に好ましい実施形態の場合に、成分(a)は、主に、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択される、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物からなる。
【0082】
「主に、…からなる」の用語は、本発明の範囲内で、成分(a)が、反応混合物(RG)中の成分(a)の全質量を基準として、テレフタル酸、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジフルオリド、テレフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジブロミド、テレフタル酸のC1〜C10−アルキルエステルおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルからなる群から選択される、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物を少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%含むことであると解釈される。
【0083】
他の特に好ましい実施形態の場合に、成分(a)は、主に、テレフタル酸無水物、テレフタル酸ジクロリドおよびテレフタル酸のC1〜C10−アルケニルエステルから選択される、一般式(I)の少なくとも1つの芳香族ジカルボキシル化合物からなる。
【0084】
ことに好ましい実施形態の場合に、成分(a)はテレフタル酸ジクロリドである。
【0085】
成分(b)
反応混合物(RG)は、成分(b)として、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物を含む。
【0086】
「成分(b)」、「一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物」および「少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)」の用語は、この場合、以後同義に使用される。
【0087】
「一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物」の用語は、この場合、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の正確に1つの芳香族ジアミノ化合物にも、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の2つ以上の異なる芳香族ジアミノ化合物の混合物にも関する。一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の適切な芳香族ジアミノ化合物は、原則として当業者に公知である。
【0088】
本発明による方法において使用される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)は、2つのアミノ基を含む。「アミノ基」の用語は、本発明の範囲内で、−NH2であると解釈される。当業者には、アミノ基が、プロトン化された形でアミノ−水素塩(−NH3+-)として存在することができることは明らかであり、ここで、Q-は、フッ化物(F-)、塩化物(Cl-)、臭化物(Br-)、ヨウ化物(I-)、硫酸水素(HSO4-)、硫酸(SO42-)、メタンスルホン酸(H3C−SO3-)、p−トルエンスルホン酸(p−H3C−C64−SO3-)および硝酸(NO3-)からなる群から選択されるアニオン等価体である。
【0089】
「アニオン等価体」の用語は、当業者には、本願の範囲内で、単一の負電荷を有するアニオンまたは2以上の負電荷を有するアニオンの電荷等価体が存在すると解釈される。
【0090】
本発明による方法において使用される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物は、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId):
【化6】
[式中、
nは、0または1であり、
1、Y2、Y3、Y4は、互いに無関係に、−H、−OR4または−SR4であり、
ここで、R4は、−H、−C1〜C10−アルキル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、アセチルおよびtert−ブチルオキシカルボニルからなる群から選択され、かつ
ここで、基Y1およびY2の最大で1つは、−Hであり、かつ
ここで、基Y3およびY4の最大で1つは、−Hであり、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8は、互いに無関係に、−NH2または−NH3+-であり、
ここで、Q-は、F-、Cl-、Br-、I-、HSO4-、SO42-、H3C−SO3-、p−H3C−C64−SO3-およびNO3-からなる群から選択されるアニオン等価体である]を有する。
【0091】
好ましいC1〜C10−アルキル基は、1〜10の炭素原子を有する線状のおよび分枝した飽和アルキル基を含む。特に好ましいC1〜C10−アルキル基は、この場合、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−もしくは3−メチルペンチルのようなC1〜C6−アルキル基、またはn−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルもしくはn−デシルのような長鎖基、ならびにこれらの分枝した異性体である。
【0092】
1、Y2、Y3およびY4は、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物中で、有利に互いに無関係に、ヒドロキシ基またはチオール基である。
【0093】
「ヒドロキシ基」の用語は、本発明の範囲内で、−OHであると解釈される。これと同様に、「チオール基」とは、本発明の範囲内で、−SHであると解釈される。
【0094】
特に好ましい実施形態の場合に、一般式(IIa)および/または(IIb)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物中のY1、Y2、Y3およびY4は、ヒドロキシ基である。
【0095】
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7およびZ8は、互いに無関係に、アミノ基(−NH2)またはアミノ−水素塩(−NH3+-)である。好ましくは、一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)および/または(IId)の少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物中のZ1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7およびZ8は、アミノ−水素塩である。
【0096】
好ましくは、成分(b)は、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン、2,5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタンおよび4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩からなる群から選択される。
【0097】
したがって、本願の他の主題は、成分(b)が、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン、2,5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−1,3−ジチオベンゼン二塩酸塩、4,6−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−1,4−ジチオベンゼン二塩酸塩、2,5−ジアミノ−4−ヒドロキシ−1−チオベンゼン二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル二塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタンおよび4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシジフェニルメタン二塩酸塩からなる群から選択されることを特徴とする方法でもある。
【0098】
特に好ましくは、成分(b)は、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩からなる群から選択される。
【0099】
反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を少なくとも5質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を少なくとも8質量%、全く特に好ましくは少なくとも10質量%含む。
【0100】
さらに、反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を最大で25質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を最大で18質量%、全く特に好ましくは最大で15質量%含む。反応混合物(RG)中の全ての成分の全質量は、一般に100質量%になる。
【0101】
反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を5〜30質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(b)を8〜18質量%、全く特に好ましくは10〜15質量%含む。
【0102】
好ましい実施形態の場合には、成分(b)は、反応混合物(RG)中の成分(b)の全質量を基準として、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)を少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、全く特に好ましくは少なくとも98質量%含む。成分(b)に関してここに示された質量の記述は、この場合、使用した4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩の全質量を基準とする。
【0103】
他の特に好ましい実施形態の場合には、成分(b)は、主に、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)からなる。「主に、…からなる」の用語は、本発明の範囲内で、成分(b)が、反応混合物(RG)中の成分(b)の全質量を基準として、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)を少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%含むことであると解釈される。
【0104】
ことに好ましい実施形態の場合に、成分(b)は、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの芳香族ジアミノ化合物(IIa−d)からなる。
【0105】
この実施形態の場合に、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン二塩酸塩が成分(b)として特に好ましい。
【0106】
ポリベンザゾールポリマー(P)の末端基は、反応条件および成分(a)と成分(b)との間のモル比に依存し、かつ好ましくは、キャッピング試薬により得られたアルキル基またはアリール基である。
【0107】
適切なキャッピング試薬は、原則として当業者に公知であり、モノカルボン酸、モノカルボン酸クロリド、ニトリル、オルト−アミノフェノール、オルト−アミノチオールまたはオルトジアミンを含む。
【0108】
好ましいキャッピング試薬は、例えば安息香酸、4−フェニル安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、ピコリン酸、ナフトエ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸クロリド、4−フェニル安息香酸クロリド、シクロヘキサンカルボン酸クロリド、ピコリン酸クロリド、ナフトエ酸クロリド、酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、ベンゾニトリル、4−フェニルベンゾニトリル、シアノシクロヘキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、オルト−アミノフェノール、オルト−アミノナフトール、オルト−アミノチオフェノール、オルト−アミノチオナフトール、オルト−ジアミノフェノール、またはオルト−ジアミノナフトールを含む。
【0109】
成分(c)
反応混合物(RG)は、成分(c)として、少なくとも1つのイオン液体(IL)を含む。
【0110】
「成分(c)」および「少なくとも1つのイオン液体(IL)」の用語は、この場合、以後同義に使用される。
【0111】
「少なくとも1つのイオン液体(IL)」の用語は、この場合、正確に1つのイオン液体(IL)にも、2つ以上の異なるイオン液体(IL)の混合物にも関する。適切なイオン液体(IL)は、原則として当業者に公知である。
【0112】
イオン液体とは、本発明の主旨で、少なくとも1つのカチオン中心と少なくとも1つのアニオン中心とを有する化合物、ことに少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンとを有し、この場合、これらイオンの少なくとも一方、ことにカチオンは有機物である化合物であると解釈される。
【0113】
イオン液体は、WasserscheidおよびKeimによる、Angewandte Chemie, 112, 3926 - 3945 (2000)での定義によると、非分子のイオン性の特徴を有する比較的低い温度で溶融する塩である。イオン液体は、比較的低い温度ですでに液状でかつその際に粘性が比較的低い。イオン液体は、多数の有機物質、無機物質およびポリマー物質に対して極めて良好な溶解度を有する。さらに、イオン液体は、原則として不燃性であり、非腐食性であり、測定可能な蒸気圧を有しない。
【0114】
イオン液体は、陽イオンと陰イオンとから生成されるが、全体として電荷中性である化合物である。陽イオンも陰イオンも、主に一価であるが、例えばイオン1つ当たり1〜5、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、全く特に好ましくは1〜2の電荷を有する多価アニオンおよび/または多価カチオンも可能である。電荷は、1分子内の多様な局在化されたまたは非局在化された領域に存在してよく、つまりベタイン状であってよく、または個別のアニオンおよびカチオンのように分配されていてもよい。少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンとから構成されているイオン液体が好ましい。
【0115】
イオン液体についての公知の利用分野は、例えば独国特許出願公開第10202838号明細書、国際公開第02/074718号または「Proceeding of Solar Forum, 2001, April 21 - 25, Washington, D.C」に記載されている。
【0116】
本発明は、特別なイオン液体に制限されない;当業者に公知の全ての適切なイオン液体を使用することができる。
【0117】
好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、できる限り低い融点を有する。少なくとも1つのイオン液体(IL)の融点は、好ましくは150℃未満、特に好ましくは100℃未満、全く特に好ましくは80℃未満である。
【0118】
好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、一般式(III):
【化7】
[式中、
n=1、2、3または4であり、
カチオン[C]n+は、非置換のまたは少なくとも一置換のイミダゾリウム−カチオン、イミダゾリニウム−カチオン、イミダゾリジニウム−カチオン、第四級アンモニウム−カチオン、第四級ホスホニウム−カチオン、ピラゾリウム−カチオン、ピラゾリニウム−カチオン、ピリジニウム−カチオン、ピリダジニウム−カチオン、ピリミジニウム−カチオン、ピラジニウム−カチオン、ピロリジニウム−カチオン、グアニジニウム−カチオン、チアゾリウム−カチオン、オキサゾリウム−カチオン、トリアゾリウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エニウム−カチオン、およびこれらのカチオンを含むオリゴマーまたはポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンであり、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択され、
アニオン[A]n-は、ハロゲン化物含有アニオン、シアン化物、チオシアン酸、シアン酸、イソシアン酸塩、亜硝酸、硝酸、ならびに非置換のまたは少なくとも一置換の硫酸、亜硫酸、スルホン酸塩、カルボン酸、ホウ酸、ボロン酸、炭酸、炭酸エステル、アミド、カルボン酸イミド酸、スルホニルイミド酸、ビス(スルホニル)イミド酸、アルコキシドまたはアリールオキシドからなる群から選択され、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]を有する。
【0119】
したがって、本願の他の主題は、少なくとも1つのイオン液体(IL)が、一般式(III):
【化8】
[式中、
n=1、2、3または4であり、
カチオン[C]n+は、非置換のまたは少なくとも一置換のイミダゾリウム−カチオン、イミダゾリニウム−カチオン、イミダゾリジニウム−カチオン、第四級アンモニウム−カチオン、第四級ホスホニウム−カチオン、ピラゾリウム−カチオン、ピラゾリニウム−カチオン、ピリジニウム−カチオン、ピリダジニウム−カチオン、ピリミジニウム−カチオン、ピラジニウム−カチオン、ピロリジニウム−カチオン、グアニジニウム−カチオン、チアゾリウム−カチオン、オキサゾリウム−カチオン、トリアゾリウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウム−カチオン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エニウム−カチオン、およびこれらのカチオンを含むオリゴマーまたはポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンであり、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択され、
アニオン[A]n-は、ハロゲン化物含有アニオン、シアン化物、チオシアン酸、シアン酸、イソシアン酸、亜硝酸、硝酸、ならびに非置換のまたは少なくとも一置換の硫酸、亜硫酸、スルホン酸、カルボン酸、ホウ酸、ボロン酸、炭酸、炭酸エステル、アミド、カルボン酸イミド酸、スルホニルイミド酸、ビス(スルホニル)イミド酸、アルコキシドまたはアリールオキシドからなる群から選択され、
ここで、置換基は、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]を有することを特徴とする方法でもある。
【0120】
「少なくとも1つのカチオン」の用語は、この場合、正確に1つのカチオンにも、
【化9】
[式中、C1、C2、C3およびC4は、互いに無関係に、[C]n+について述べた基から選択される]のような2つ以上のカチオンの混合種にも関する。
【0121】
その他に、
【化10】
[式中、M1、M2、M3は、一価金属カチオンであり、M4は、二価金属カチオンであり、M5は、三価金属カチオンである]のような金属カチオンとの混合種が使用されてもよい。
【0122】
カチオン[C]n+は、好ましくは、
− 一般式(IV)
【化11】
のイミダゾリウム−カチオン、ならびに上記式に類似する全ての異性体のイミダゾリウム−カチオンおよびイミダゾリジウム−カチオン、
− 一般式(V)
[NR5678+ (V)
の第四級アンモニウム−カチオン、
− 一般式(VI)
[PR5678+ (VI)
の第四級ホスホニウム−カチオン、
− 一般式(VII)
【化12】
のH−ピラゾリウム−カチオン、ならびに3H−ピラゾリウム−カチオン、4H−ピラゾリウム−カチオン、1−ピラゾリニウム−カチオン、2−ピラゾリニウム−カチオンおよび3−ピラゾリニウム−カチオン、
− 一般式(VIII)
【化13】
のピリジウム−カチオン、ならびにピリダジニウム−イオン、ピリミジニウム−イオンおよびピラジニウム−イオン、
− 一般式(IX)
【化14】
のピロリジニウム−カチオン、
− 一般式(X)
【化15】
のグアニジニウム−カチオン、
− 少なくとも1つのリン原子または窒素原子、ならびに場合により酸素原子または硫黄原子を有する5員〜6員の複素環式カチオン、例えばチアゾリウム−カチオン、オキサゾリウム−カチオン、1,2,4−トリアゾリウム−カチオンまたは1,2,3−トリアゾリウム−カチオン、特に好ましくは、1つ、2つまたは3つの窒素原子および1つの酸素原子または1つの硫黄原子を有する少なくとも1つの5員または6員の複素環、全く特に好ましくは1つまたは2つの窒素原子を有する少なくとも1つの5員または6員の複素環を含む化合物、
− 一般式(XI)
【化16】
の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウム−カチオンおよび1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エニウム−カチオン、ならびにこれらのカチオンを含むオリゴマーまたはポリマー
からなる群から選択される少なくとも1つの非置換のまたは少なくとも一置換のカチオンであり、
ここで、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに無関係に、−H、−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される。
【0123】
当業者には、一般式(IV)、(VII)、(VIII)および(X)は、それぞれ、相応するカチオンの可能なメソマー極限構造であり、正電荷はいくつかのメソマー極限構造を介して非局在化されていることは明らかである。
【0124】
一般式(IV)〜(XI)中の基R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14について、好ましくはC1〜C18−アルキル基は、1〜18の炭素原子を有する線状のおよび分枝した飽和アルキル基を含み、このアルキル基は場合により1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されていて、ここで、C1〜C18−アルキル基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0125】
酸素原子および/または硫黄原子および/またはイミノ基の数は、制限されない。原則として、この数は、この基中に5以下、好ましくは4以下、全く特に好ましくは3以下である。さらに、2つのヘテロ原子の間に、原則として少なくとも1つの炭素原子、好ましくは少なくとも2つの炭素原子が存在する。
【0126】
非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基は、例えばイミノ、メチルイミノ、イソプロピルイミノ、n−ブチルイミノまたはtert−ブチルイミノであってよい。
【0127】
好ましい官能基は、例えばカルボキシ、カルボキサミド、ヒドロキシ、ジ(C1〜C4−アルキル)−アミノ、C1〜C4−アルキルオキシカルボニル、シアノまたはC1〜C4−アルキルオキシを含む。
【0128】
好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルのようなC1〜C4−アルキル基、または例えばn−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルのような長鎖アルキル基ならびにこれらの分枝した異性体を含む。
【0129】
さらに、官能基および/またはハロゲン基により置換されている好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えば2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)エチル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシルまたは2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチルを含む。
【0130】
さらに、1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子、および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されている好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えばブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルを含む。
【0131】
一般式(IV)〜(XI)中の基R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14について、好ましくはC5〜C12−シクロアルキル基は、5〜12の炭素原子を有する非置換のまたは少なくとも一置換の飽和シクロアルキル基を含み、このシクロアルキル基は、場合により1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されていて、ここで、C5〜C12−シクロアルキル基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0132】
好ましいC5〜C12−シクロアルキル基は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル,ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル,ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルまたはノルボルニルを含む。
【0133】
一般式(IV)〜(XI)中の基R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14について、好ましくは、C6〜C14−アリール基は、6〜14の炭素原子を有する非置換のまたは少なくとも一置換のアリール基を含み、ここで、C6〜C14−アリール基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0134】
好ましいC6〜C14−アリール基は、例えばフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、α−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンゾヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニルまたはエトキシメチルフェニルを含む。
【0135】
好ましくは、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに無関係に、−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル,n−ペンチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、ベンジル、アセチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびクロロからなる群から選択される。
【0136】
特に好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、カチオン[C]n+として、一般式(IV):
【化17】
[式中、
5、R6、R7、R8、R9は、互いに無関係に、−H、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]の少なくとも1つのイミダゾリウム−カチオンを含む。
【0137】
したがって、本願の他の主題は、少なくとも1つのイオン液体(IL)が、カチオン[C]n+として、一般式(IV):
【化18】
[式中、
5、R6、R7、R8、R9は、互いに無関係に、−H、線状のまたは分枝した−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される]の少なくとも1つのイミダゾリウム−カチオンを含むことを特徴とする方法でもある。
【0138】
好ましくはカチオン[C]n+は、1−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、2,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−プロピル−2−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジプロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチル−5−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンである。
【0139】
したがって、本願の他の主題は、カチオン[C]n+が、1−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、2,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−プロピル−2−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジプロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチル−5−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンであることを特徴とする方法でもある。
【0140】
特に好ましくは、カチオン[C]n+は、1−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1−ペンチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンである。
【0141】
全く特に好ましくは、カチオン[C]n+は、1−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンである。
【0142】
アニオンとして、原則として全てのアニオンが使用可能である。
【0143】
アニオン[A]n-は、好ましくは
− ハロゲン含有アニオンの群:例えば
【化19】
− シアン化物、チオシアン化物、シアン酸およびイソシアン酸からなる群:
【化20】
− 亜硝酸および硝酸からなる群:
【化21】
− 一般式:
【化22】
の硫酸、亜硫酸またはスルホン酸の群、
− 一般式:
【化23】
のカルボン酸の群、
− 一般式:
【化24】
のホウ酸の群、
− 一般式:
【化25】
のボロン酸の群、
− 一般式:
【化26】
の炭酸または炭酸エステルの群、
− 一般式:
【化27】
のアミドの群、
− 一般式:
【化28】
のカルボン酸イミド酸、ビス(スルホニル)イミド酸またはスルホニルイミド酸の群、
− 一般式:
【化29】
のアルコキシドまたはアリールオキシドの群
からなる群から選択され、
ここで、RaおよびRbは、互いに無関係に、−H、−C1〜C18−アルキル、−C5〜C12−シクロアルキルおよび−C6〜C14−アリールからなる群から選択される。
【0144】
基RaおよびRbについて、好ましいC1〜C18−アルキル基は、1〜18の炭素原子を有する線状のおよび分枝した飽和アルキル基を含み、前記アルキル基は、場合により1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されていて、ここで、C1〜C18−アルキル基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0145】
酸素原子および/または硫黄原子および/またはイミノ基の数は、制限されない。原則として、この数は、この基中に5以下、好ましくは4以下、全く特に好ましくは3以下である。さらに、2つのヘテロ原子の間に、原則として少なくとも1つの炭素原子、好ましくは少なくとも2つの炭素原子が存在する。
【0146】
非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基は、例えばイミノ、メチルイミノ、イソプロピルイミノ、n−ブチルイミノまたはtert−ブチルイミノであってよい。
【0147】
好ましい官能基は、例えばカルボキシ、カルボキサミド、ヒドロキシ、ジ−(C1〜C4−アルキル)−アミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、シアノまたはC1〜C4−アルキルオキシを含む。
【0148】
好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルのようなC1〜C4−アルキル基、またはn−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルのような長鎖アルキル基、ならびにこれらの分枝した異性体を含む。
【0149】
官能基および/またはハロゲン基により置換されているさらに好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えば2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)エチル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシルまたは2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチルを含む。
【0150】
さらに、1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されている好ましいC1〜C18−アルキル基は、例えばブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニルまたは14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルを含む。
【0151】
基RaおよびRbについて好ましいC5〜C12−シクロアルキル基は、5〜12の炭素原子を有する非置換のまたは少なくとも一置換の飽和シクロアルキル基を含み、このシクロアルキル基は、場合により1つ以上の酸素原子および/または硫黄原子および/または1つ以上の非置換のまたは少なくとも一置換のイミノ基により中断されていて、ここで、C5〜C12−シクロアルキル基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0152】
好ましいC5〜C12−シクロアルキル基は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルまたはノルボルニルを含む。
【0153】
基RaおよびRbについて、好ましいC6〜C14−アリール基は、6〜14の炭素原子を有する非置換のまたは少なくとも一置換のアリール基を有し、ここで、C6〜C14−アリール基は、場合により官能基および/またはハロゲン基により置換されていてよい。
【0154】
好ましいC6〜C14−アリール基は、例えばフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、α−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンゾヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニルまたはエトキシメチルフェニルを含む。
【0155】
好ましくは、RaおよびRbは、互いに無関係に、−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、ベンジル、アセチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびクロロからなる群から選択される。
【0156】
好ましくは、アニオン[A]n-は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラクロロアルミン酸、ヘプタクロロジアルミン酸、テトラブロモアルミン酸、ヘプタブロモジアルミン酸、トリクロロ亜鉛酸、チオシアン酸、亜硝酸、硝酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、亜硫酸、亜硫酸水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トシル酸、デシルベンゼンスルホン酸、ジデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、酢酸、トリフルオロ酢酸、ホウ酸、テトラシアノホウ酸、ビス(オキサラト)ホウ酸、ビス(マロナト)ホウ酸、ビス(フタラト)ホウ酸、ビス(サリチラト)ホウ酸、テトラキス(ヒドロゲンスルファト)ホウ酸、テトラキス(メチルスルホナト)ホウ酸、炭酸、メチル炭酸、炭酸水素、ジシアンアミド、ビス(トリフルオロメチル)イミド酸およびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸からなる群から選択される。
【0157】
特に好ましくは、アニオン[A]n-は、塩化物、テトラクロロアルミン酸、ヘプタクロロジアルミン酸、トリクロロ亜鉛酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トシル酸、デシルベンゼンスルホン酸、ジデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、炭酸、メチル炭酸および炭酸水素からなる群から選択される。
【0158】
全く特に好ましくは、アニオン[A]n-は、塩化物、テトラクロロアルミン酸、硫酸、硫酸水素、メチル硫酸、エチル硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、酢酸、メチル炭酸および炭酸水素からなる群から選択される。
【0159】
好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1,2−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジエチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,2−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルテトラクロロアルミナート、1−エチル−2−メチルテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムスルファート、1,2−ジメチルイミダゾリウムスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムスルファート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムスルファート、1−エチルイミダゾリウムスルファート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムスルファート、1,3−ジエチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムスルファート、1,3−ジブチルイミダゾリウムスルファート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,2−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジエチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,2−ジメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−エチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−ブチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1,2−ジメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1,3−ジエチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−ブチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムエチルスルファート、1,3−ジブチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,2−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,2−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムトシラート、1,2−ジメチルイミダゾリウムトシラート、1,3−ジメチルイミダゾリウムトシラート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムトシラート、1−エチルイミダゾリウムトシラート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムトシラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトシラート、1,3−ジエチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトシラート、1,3−ジブチルイミダゾリウムトシラート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,2−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1,2−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1,2−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−エチル−2−メチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナートおよび1,3−ジブチルイミダゾリウムヒドロゲンカルボナートからなる群から選択される。
【0160】
特に好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジエチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジエチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1,3−ジブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択される。
【0161】
全く特に好ましくは、少なくとも1つのイオン液体(IL)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択される。
【0162】
したがって、本発明の他の態様は、少なくとも1つのイオン液体(IL)が、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択されることを特徴とする方法でもある。
【0163】
反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(c)を少なくとも50質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(c)を少なくとも64質量%、全く特に好ましくは少なくとも70質量%含む。
【0164】
さらに、反応混合物(RG)は、好ましくは、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(c)を最大で90質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(c)を最大で84質量%、全く特に好ましくは最大で80質量%含む。反応混合物(RG)中の全ての成分の全質量は、一般に100質量%になる。
【0165】
反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、好ましくは成分(c)を50〜90質量%含む。特に好ましくは、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)の全質量を基準として、成分(c)を64〜84質量%、全く特に好ましくは70〜80質量%含む。
【0166】
一実施形態の場合に、成分(c)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる少なくとも1つのイオン液体(IL)を、反応混合物(RG)中の成分(c)の全質量を基準として、少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも98質量%含む。
【0167】
他の好ましい実施形態の場合に、成分(c)は、主に、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択される少なくとも1つのイオン液体(IL)からなる。
【0168】
「主に、…からなる」の用語は、本発明との関連で、成分(c)が、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択される少なくとも1つのイオン液体(IL)を、反応混合物(RG)中の成分(c)の全質量を基準として、少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、特に好ましくは少なくとも99.9質量%含むことであると解釈される。
【0169】
他の好ましい実施形態の場合に、成分(c)は、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジエチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセタート、1−エチルイミダゾリウムアセタート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチルイミダゾリウムアセタート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジブチルイミダゾリウムアセタート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルカルボナートおよび1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムメチルカルボナートからなる群から選択される少なくとも1つのイオン液体(IL)からなる。
【0170】
この実施形態の場合に、1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミナートおよび1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナートが特に好ましい。
【0171】
本発明による方法において使用される少なくとも1つのイオン液体(IL)は、原則として、芳香族ポリアミド(アラミド)の製造の際の溶媒としても適している。相応するアラミドは、例えば、商品名Kevlar(登録商標)またはTwaron(登録商標)でも入手可能なポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(PPTA)、ならびに商品名Nomex(登録商標)で入手可能なポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)(PMPI)を含む。
【0172】
ポリベンザゾールポリマー(P)
本発明による方法により、ポリベンザゾールポリマー(P)が製造される。
【0173】
したがって、本発明の他の主題は、本発明による方法により製造されるポリベンザゾールポリマー(P)でもある。
【0174】
好ましくは、ポリベンザゾールポリマー(P)は、次の一般式(XIIa)(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)および/または(XIIf)の繰返単位を有する:
【化30-1】
【化30-2】
【0175】
好ましい実施形態の場合に、ポリベンザゾールポリマー(P)は、一般式(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)および(XIIf)の繰返単位からなる群から選択される繰返単位を、ポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、少なくとも40質量%、好ましくは少なくとも60質量%、特に好ましくは少なくとも80質量%含む。
【0176】
特に好ましい実施形態の場合に、ポリベンザゾールポリマー(P)は、一般式(XIIa)および(XIIb)の繰返単位からなる群から選択される繰返単位を、少なくとも40質量%、好ましくは少なくとも60質量%、特に好ましくは少なくとも80質量%含む。
【0177】
一般式(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)および(XIIf)の繰返単位に関してここに述べられた質量割合は、この場合、一般式(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)および(XIIf)の繰返単位の全質量を基準とする。
【0178】
他の特に好ましい実施形態の場合に、ポリベンザゾールポリマー(P)は、主に、一般式(XIIa)および(XIIb)の繰返単位からなる群から選択される繰返単位からなる。「主に、…からなる」の用語は、本発明の範囲内で、ポリベンザゾールポリマー(P)が、一般式(XIIa)および(XIIb)の繰返単位からなる群から選択される繰返単位を、ポリベンザゾールポリマー(P)の全質量を基準として、少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも97質量%、特に好ましくは少なくとも99質量%含むことであると解釈される。
【0179】
他の特に好ましい実施形態の場合に、ポリベンザゾールポリマー(P)は、一般式(XIIa)および(XIIb)の繰返単位からなる群から選択される繰返単位からなる。
【0180】
ことに好ましくは、ポリベンザゾールポリマー(P)は、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)である。
【0181】
本発明による方法により得られるポリベンザゾールポリマー(P)は、一般に、5〜40dl/g、好ましくは10〜35dl/g、特に好ましくは15〜30dl/gの粘度数を有する。粘度数の決定は、DIN EN ISO 1628-1に従って、メタンスルホン酸中で25℃で行われる。
【0182】
本発明による方法により得られるポリベンザゾールポリマー(P)の質量平均分子量(Mw)は、一般に、20 000〜200 000g/molの範囲内、好ましくは40 000〜180 000g/molの範囲内、特に好ましくは60 000〜120 000g/molの範囲内にある。質量平均分子量は、メタンスルホン酸/メタンスルホン酸無水物(1質量%)中の硫酸リチウム(50mmol/L)の溶液中でのポリベンザゾールポリマー(P)の溶液の静的光散乱の測定により決定された。
【0183】
ポリベンザゾールポリマー(P)中の硫黄含有のまたはリン含有の酸の含有率は、有利に1000ppm未満、好ましくは100ppm未満であり、特に好ましくは、ポリベンザゾールポリマー(P)は、硫黄含有のまたはリン含有の酸を全く含まない。
【0184】
したがって、本発明の他の主題は、ポリベンザゾールポリマー(P)中の硫黄含有のまたはリン含有の酸の含有率は、1000ppm未満であることを特徴とする、ポリベンザゾールポリマー(P)でもある。
【0185】
相応する硫黄含有のまたはリン含有の酸は、当業者に一般に公知であり、かつことにリン酸、ポリリン酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびクロロスルホン酸を含む。
【0186】
本発明による方法により製造されたポリベンザゾールポリマー(P)は、多くの技術分野で、例えば繊維材料として、ガス分離のための熱安定性膜において、プロトン伝導性膜において、電気光学装置においてまたは発光ダイオードにおいて、ことに繊維材料として使用することができる。
【0187】
したがって、本発明の他の主題は、ポリベンザゾールポリマー(P)の繊維材料としての使用でもある。