特許第6957648号(P6957648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6957648供給スペーサおよびこれを含む逆浸透フィルタモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957648
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】供給スペーサおよびこれを含む逆浸透フィルタモジュール
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20211021BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   C02F1/44 A
   B01D63/00 510
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-561830(P2019-561830)
(86)(22)【出願日】2018年11月13日
(65)【公表番号】特表2020-519438(P2020-519438A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】KR2018013841
(87)【国際公開番号】WO2019117479
(87)【国際公開日】20190620
【審査請求日】2019年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0170395
(32)【優先日】2017年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0137968
(32)【優先日】2018年11月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、デ フン
(72)【発明者】
【氏名】リー、アヨン
(72)【発明者】
【氏名】ミン、キュンフーン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ブンジョー
(72)【発明者】
【氏名】イム、イェ フーン
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−089764(JP,A)
【文献】 特開2007−117949(JP,A)
【文献】 特開2004−283708(JP,A)
【文献】 特開2004−089763(JP,A)
【文献】 特表2018−523566(JP,A)
【文献】 特表2006−507919(JP,A)
【文献】 特表2015−526282(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0151745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D61/00−71/82
B01D53/22
C02F1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストランド(Strand)が平行に位置する第1セット、および
複数のストランドが前記第1セットと交差し平行に位置する第2セットを含み、
前記第1および第2セットの交差角度は、
原水の流れ方向に従って段階的に増加
前記原水の前記流れ方向に従って前記第1セットおよび前記第2セットの交差点と非交差点の直径差が減少する、
供給スペーサ。
【請求項2】
前記供給スペーサは、
前記第1および第2セットの交差点と非交差点の直径が互いに異なる、請求項に記載の供給スペーサ。
【請求項3】
前記供給スペーサは、
第1段および第2段からなり、前記第1段は前記第2段より前記第1セットおよび第2セットの交差角度が小さい、請求項1または2に記載の供給スペーサ。
【請求項4】
前記第1および第2セットの交差点間の距離は、
前記第1段より前記第2段が短い、請求項に記載の供給スペーサ。
【請求項5】
前記供給スペーサは、
原水の流れ方向に従って前記第1段の前記第1セットおよび前記第2セットの交差点と非交差点の直径差は前記第2段の前記第1セットおよび前記第2セットの交差点と非交差点の直径差より大きい、請求項に記載の供給スペーサ。
【請求項6】
前記第1および第2セットの交差点のストランド直径が同一である、請求項1からのいずれか一項に記載の供給スペーサ。
【請求項7】
前記第1および第2セットの非交差点のストランド直径は、
前記第1セットのストランドが前記第2セットのストランドより薄い、請求項1からのいずれか一項に記載の供給スペーサ。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載の供給スペーサを含む、逆浸透フィルタモジュール。
【請求項9】
前記逆浸透フィルタモジュールは、
長さ方向に沿って透過液を収容する開口を含むチューブ、および
前記チューブから外側方向に延び、前記チューブ周縁に巻き取られる一つ以上の逆浸透膜を含み、
前記供給スペーサは、
前記一つ以上の逆浸透膜と接触し、前記チューブ周縁に巻き取られる、請求項に記載の逆浸透フィルタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は2017年12月12日に韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2017−0170395号および2018年11月12日に韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2018−0137968号に基づいた優先権の利益を主張し、該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、供給スペーサおよびこれを含む逆浸透フィルタモジュールに関し、より詳しくは、一つの供給スペーサに原水の流れ方向に従ってストランド(Strand)の角度を互いに異なるように形成することによって、差圧減少領域と回収率(Recovery)増加領域が分離されて多機能を有する供給スペーサおよびこれを含む逆浸透フィルタモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
全世界的に地球温暖化に応じた水不足現象が深刻化している中で代替水源の確保技術である水浄化技術が注目を浴びている。
【0004】
よって、海水淡水化、水の再利用など、代替水源を活用した次世代水道事業の核心技術である逆浸透膜(Reverse osmosis membrane)を用いた水処理工程が水産業市場を主導すると予想されている。
【0005】
このような逆浸透膜による逆浸透膜透過水は、純粋な水または限りなく純粋な水に近い水になって、医療用の無菌水や人工透析用の精製水、あるいは電子産業の半導体製造用の水など、様々な分野で利用されている。
【0006】
ここで、逆浸透とは、濃度差のある二つの溶液を半透膜で分離し、一定時間が過ぎれば、濃度の低い溶液が濃度の高い側に移動して一定の水位差を発生させるが、これを浸透現象という。さらに、この過程で発生する水位の差を逆浸透圧という。この原理を利用して水分子だけ半透膜を通過させて水を浄化する装置を逆浸透装置といい、これに入れられる半透膜が逆浸透フィルタモジュールである。
【0007】
このような逆浸透フィルタモジュールは、中央チューブ、供給スペーサ(Feed spacer)、逆浸透膜(RO membrane)、トリコット濾過水路などを含んで構成される。
【0008】
この中、供給スペーサは原水が流入される通路の役割をする。供給スペーサは網形態の一つの形状に形成される。一つの形状からなる供給スペーサに原水が流入される場合、供給スペーサによる流れ妨害で差圧が発生し、これはエネルギー費用の増加につながるという問題が発生する。
【0009】
そして、水透過フラックスにより、必然的に逆浸透膜付近では濃度分極現象が発生し、このような現象が激しくなるほど、逆浸透膜付近で浸透圧が高くなって水透過率が低下するという問題が発生する。
【0010】
これと関連し、一つの供給スペーサを用いて差圧の発生を減少させ、濃度分極現象を緩和させることによって逆浸透フィルタモジュールの効率を増加できる供給スペーサが必要な現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、一つの供給スペーサに交差角度が互いに異なる領域を形成し、交差領域と非交差領域の直径比率を異にすることによって、流路の断面積を増加させて差圧を減少させる領域と回収率を増加させる領域が同時に形成された供給スペーサ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例による供給スペーサは、複数のストランド(Strand)が平行に位置する第1セット、および複数のストランドが前記第1セットと交差し平行に位置する第2セットを含み、前記第1および第2セットの交差角度は、原水の流れ方向に従って増加することを特徴とする。
【0013】
一つの実施例において、前記第1および第2セットの交差角度は、前記原水の流れ方向に従って段階的に増加することを特徴とする。
【0014】
一つの実施例において、前記供給スペーサは、前記第1および第2セットの交差点と非交差点の直径が互いに異なることを特徴とする。
【0015】
一つの実施例において、前記供給スペーサは、原水の流れ方向に従って前記第1および第2セットの交差点と非交差点の直径差が減少することを特徴とする。
【0016】
一つの実施例において、前記供給スペーサは、第1段および第2段からなり、前記第1段は、前記第2段より前記第1セットおよび第2セットの交差角度が小さいことを特徴とする。
【0017】
一つの実施例において、前記第1および第2セットの交差点間の距離は、前記第1段より前記第2段が短いことを特徴とする。
【0018】
一つの実施例において、前記供給スペーサは、原水の流れ方向に従って前記第1段の直径差は前記第2段の直径差より大きいことを特徴とする。
【0019】
一つの実施例において、前記第1および第2セットの交差点のストランド直径が同一であることを特徴とする。
【0020】
一つの実施例において、前記第1および第2セットの非交差点のストランド直径は、前記第1セットのストランドが前記第2セットのストランドより薄いことを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施例による逆浸透フィルタモジュールは、前記供給スペーサを含むことを特徴とする。
【0022】
一つの実施例において、前記逆浸透フィルタモジュールは、長さ方向に沿って透過液を収容する開口を含むチューブ、および前記チューブから外側方向に延び、前記チューブ周縁に巻き取られる一つ以上の逆浸透膜を含み、前記スペーサは、前記一つ以上の逆浸透膜と接触し、前記チューブ周縁に巻き取られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一つの供給スペーサに交差角度が互いに異なる領域を形成し、交差領域と非交差領域の直径比率を異にすることによって、流路の断面積を増加させて差圧を減少させる領域と回収率を増加させる領域が同時に形成された一つの供給スペーサを用いて複数の効果が発生するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例による供給スペーサの平面図である。
図2】本発明の一実施例による供給スペーサの斜視図である。
図3】(a)は図1のA部分のストランド拡大図であり、(b)は図1のB部分のストランド拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を添付図面を参照して詳細に説明すれば以下のとおりである。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不要に濁す恐れのある公知機能および構成に関する詳細な説明は省略することにする。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。よって、図面での要素の形状および大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0026】
明細書の全体にかけて、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことをを意味する。
【0027】
以下では本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。但し、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0028】
<供給スペーサ>
図1は本発明の一実施例による供給スペーサの平面図であり、図2は本発明の一実施例による供給スペーサの斜視図であり、図3(a)は図1のA部分のストランド拡大図であり、図3(b)は図1のB部分のストランド拡大図である。
【0029】
本発明に係る供給スペーサは、複数のストランド(Strand)が平行に位置する第1セットおよび第2セットで構成されることができる。
【0030】
第1セットは一つ以上のストランドが平行に位置することができ、ここで、ストランドは原水方向と傾斜して位置することができる。そして、第2セットも一つ以上のストランドが平行に位置することができ、第1セットと交差して位置することができる。また、第2セットは第1セットと傾き方向が反対に位置し、第1セットおよび第2セット10、20は格子形状として提供されることができる。
【0031】
さらに、第1セット10は原水の流れ方向から10°〜80°の角度で位置し、第2セット20は原水の流れ方向から100°〜170°の傾きで位置することができる。例えば、第1セット10を構成するストランドが原水の流れ方向から30°傾いている場合、第2セット20のストランドは原水の流れ方向から120°傾いて位置することができる。
【0032】
この時、第1セット10と原水の流れ方向との間に形成される角度が10°未満の場合には、ストランドにより形成される流路の断面積が減少し、供給スペーサの中央部分に層流性流速勾配が発生しないので分極現象が増加するという問題が発生し、80°超過の場合には、流路の断面積が減少して原水の流動が上下方向に活発に起こって圧力損失が増加するという問題が発生しうる。ここで、流路は、各セットを構成するストランドにより形成されるものであり、供給スペーサの上部および下部に位置する逆浸透膜と各セットとの間の空いた空間を意味する。
【0033】
そして、本発明に係る供給スペーサは、原水の流れ方向に従って第1および第2セット10、20が交差する角度が互いに異なってもよい。より詳細には、第1および第2セット間の角度に応じて差圧を減少させる領域Aと回収率(Recovery)を増加させる領域Bが分離していてもよい。差圧を減少させる領域と回収率を増加させる領域の広さは、その機能を実行できる限り、限定されないことに留意する。
【0034】
なお、原水と初めて接する部分は、差圧を減少させる領域Aが位置してもよく、原水の流れ方向に従って回収率を増加させる領域Bが位置してもよい。換言すれば、原水の流れ方向に従って第1および第2セット10、20の交差角度は原水の流れ方向に従って増加してもよく、角度増加は段階的になされてもよい。したがって、本発明に係る供給スペースは2段からなってもよく、差圧を減少させる領域A(第1段)は第1および第2セットの交差角度aが回収率を増加させる領域B(第2段)の交差角度aより小さく形成されてもよい。すなわち、差圧を減少させる領域A(第1段)は、第1および第2セットが交差して形成される交差点間の距離dが回収率を増加させる領域B(第2段)の交差点間の距離dより広く形成されてもよい。すなわち、同一の面積を基準に差圧を減少させる領域は交差点の密度が低く、回収率を増加させる領域は交差点の密度が高く形成されてもよい。
【0035】
本発明に係る供給スペーサは、領域に応じて第1および第2セットを構成するストランドの直径比率が互いに異なるように提供されてもよく、第1および第2セット10、20の交差点と非交差点の直径が互いに異なるように提供されてもよい。図2を参照すれば、第1および第2セット10、20を形成するストランドは厚さが非対称的に形成されることができ、これは、ストランドの中間に突出する部分が形成されてストランドの直径が厚くなることによって、突出部分と非突出部分の直径が非対称的に形成されることを意味する。
【0036】
一つの実施例において、差圧を減少させる領域Aを形成するストランドの直径比率は、回収率を増加させる領域Bを形成するストランドの直径比率より大きく形成されてもよい。図3を参照すれば、差圧を減少させる領域Aを形成するストランドの突出部分の直径W2と非突出部分の直径W1との差は、回収率を増加させる領域Bを形成するストランドの突出部分の直径W2と非突出部分の直径W1'との差より大きく形成されてもよい。すなわち、原水の流れ方向に従って交差点と非交差点のストランドの直径差が減少してもよい。
【0037】
そして、本発明に係る供給スペーサは、領域に関係なく厚さが同一であることに留意する。すなわち、第1および第2セット10、20は突出部が交差して供給スペーサを形成することができ、差圧を減少させる領域と回収率を増加させる領域の全ての突出部の直径W2は同一に形成されてもよい。より詳細には、本発明に係る第1および第2セット10、20は、第1セット10を形成するストランドの突出部分と第2セット20を形成するストランドの突出部分が交差することによって供給スペーサの厚さを決定できる。したがって、各領域を形成するストランドの直径比率差は、非突出部分W1、W1'によって調節できる。
【0038】
本発明に係る供給スペーサは、第1および第2セット10、20間の角度a、aの調節およびストランドの直径比率を調節することによって、一つの供給スペーサを用いて複数の機能および効果を発生できるという効果がある。
【0039】
より詳細には、差圧を減少させる領域Aは、第1および第2セット10、20間の角度aを減らし、突出部分W2と非突出部分W1の直径差を増加させることによって、供給スペーサの流路を増加させることができる。それにより、原水が供給スペーサを通して流入される場合、広い流路により供給スペーサが原水流れを妨害しないので差圧が減少するという効果が発生する。差圧の発生を減少させることによって、供給スペーサの濃度分極現象を緩和させ、逆浸透フィルタモジュールの効率を増加できる供給スペーサを提供することができる。
【0040】
そして、回収率を増加させる領域Bは、第1および第2セット10、20間の角度aを増加させ、突出部分W2と非突出部分W1'の直径差を減少させることによって、供給スペーサの流路を減少させて透過水量を増加させることができる。すなわち、同じ圧力で原水を供給スペーサに提供する場合、供給スペーサの流路が減少すれば圧力は増加するようになる。したがって、増加した圧力に応じて回収率が増加するという効果が発生する。
【0041】
この時、差圧を減少させる領域Aの非突出部分W1と回収率を増加させる領域Bの非突出部分W1'は直径が互いに異なってもよい。すなわち、差圧を減少させる領域Aと回収率を増加させる領域Bの直径比率の調節は、非突出部分W1、W1'によって調節できる。
【0042】
したがって、本発明に係る供給スペーサの高さは、差圧を減少させる領域Aと回収率を増加させる領域Bが同一であることを特徴とする。
【0043】
<逆浸透フィルタモジュール>
逆浸透フィルタモジュールは、実際に供給される水を逆浸透圧原理を利用して浄化する役割をするメンブレイン分離装置の構成要素である。逆浸透フィルタモジュールは、逆浸透膜、供給スペーサ、トリコット濾過水路、および長さ方向に沿って透過液を収容する開口を含むチューブを含むことができる。また、1対のテレスコープ防止装置をさらに含むことができるが、これに関する具体的な説明は省略することにする。
【0044】
一つ以上の逆浸透膜は、浸透現象を利用して水に含まれた異質物を濾過させると共に精製水が効果的に流れるように流路の役割をする。このような一つ以上の逆浸透膜は、チューブから外側方向に延び、チューブ周縁に巻き取られる。
【0045】
供給スペーサとしては、上述した本発明に係る供給スペーサが提供されることができる。より詳細には、供給スペーサは複数のストランドが平行に位置して形成される第1および第2セットで構成され、第1および第2セット間の角度と直径比率差により一つ以上の領域に分離されることができる。本発明に係る供給スペーサは、前述した供給スペーサと同様であるため、具体的な説明は省略する。
【0046】
供給スペーサは、外部から原水が流入される通路を形成し、一つの逆浸透膜と他の一つの逆浸透膜との間の間隔を維持させる役割をする。このために、供給スペーサは、一つ以上の逆浸透膜と上側および下側で接触し、一つ以上の逆浸透膜と同様にチューブ周縁に巻き取られるように構成される。
【0047】
ここで、供給スペーサの材質は特に限定されないが、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride)、ポリエステル(Polyseter)およびポリプロピレン(Polypropylene)のいずれか一つからなることが好ましい。
【0048】
トリコット濾過水路は、一般に織物形態の構造を有し、逆浸透膜10を通して精製された水が流れていける空間を作る流路の役割をする。
【0049】
この時、トリコット濾過水路は、一般に織物形態の構造を有し、逆浸透膜10を通して精製された水が流れていける空間を作る流路の役割をする。
【0050】
チューブは、水処理用逆浸透フィルタモジュールの中心に位置し、濾過された水が流入して排出される通路の役割をする。
【0051】
このために、チューブの外側には、濾過された水が流入されるように所定大きさの孔隙(あるいは開口)が形成されることが好ましい。この時、孔隙は、濾過された水がより効率的に流入されるように一つ以上形成されることが好ましい。
【0052】
<比較例>
従来の供給スペーサは、第1および第2セットの角度、ストランドの距離(交差点間の距離)およびストランドの直径差が全て同一な一つの網形態からなっている。
【0053】
<実施例>
実施例は本発明に係る供給スペーサであって、セットの角度、ストランドの距離(交差点間の距離)およびストランドの直径差が互いに異なる二つの形態からなっている。
【表1】
【表2】
【0054】
表1は実施例の第1および第2段の各々の単位長さに対する差圧(Pa/μm)を示したものであり、表2は比較例および実施例の各々の単位長さに対する差圧(Pa/μm)を示したものである。
【0055】
先ず、実施例は、差圧を減少させる領域A(第1段)が回収率を増加させる領域B(第2段)より差圧(Pa/μm)が70%減少したことが分かる。そして、比較例の単位長さ当たりの差圧は0.123Pa/μmであり、実施例の単位長さ当たりの差圧は0.105Pa/μmであって、比較例に比べて85%減少したことが分かる。
【0056】
以上では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることを理解することができるであろう。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】