特許第6957810号(P6957810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

特許6957810バッテリー管理システム、バッテリーパック及び電気車両
<>
  • 特許6957810-バッテリー管理システム、バッテリーパック及び電気車両 図000002
  • 特許6957810-バッテリー管理システム、バッテリーパック及び電気車両 図000003
  • 特許6957810-バッテリー管理システム、バッテリーパック及び電気車両 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957810
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】バッテリー管理システム、バッテリーパック及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   H02H 9/02 20060101AFI20211021BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20211021BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20211021BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20211021BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20211021BHJP
【FI】
   H02H9/02 D
   H02J7/00 P
   H02J7/00 S
   H02H7/00 L
   H02H7/18
   B60L3/00 J
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-543773(P2020-543773)
(86)(22)【出願日】2019年11月19日
(65)【公表番号】特表2021-515510(P2021-515510A)
(43)【公表日】2021年6月17日
(86)【国際出願番号】KR2019015894
(87)【国際公開番号】WO2020106042
(87)【国際公開日】20200528
【審査請求日】2020年8月19日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0143780
(32)【優先日】2018年11月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ホ−デュク
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ−フン
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−198172(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/074502(WO,A1)
【文献】 特開2017−229108(JP,A)
【文献】 特開2016−46851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 9/02
H02J 7/00
H02H 7/00
H02H 7/18
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッテリーの第1端子と第2端子との間の第1電圧を検出するように構成された第1電圧センサーと、
電気負荷側に設けられたキャパシタの第1端と第2端との間の第2電圧を検出するように構成された第2電圧センサーと、
前記第1バッテリーの第1端子と前記キャパシタの第1端との間に設けられたメインコンタクターに含まれたコンタクターコイルの第1端に接続するハイサイドドライバーと、
前記コンタクターコイルの第2端に接続するローサイドドライバーと、
前記コンタクターコイルの第1端と前記ハイサイドドライバーとの間、または前記コンタクターコイルの第2端と前記ローサイドドライバーとの間に設けられる安全スイッチを含む誤動作防止回路と、
前記第1電圧センサー及び前記第2電圧センサーの検出結果に基づいて信号を出力する制御回路と、を含み、
前記制御回路は、
前記第1電圧に基づいて第1臨界電圧を決定し、
前記第2電圧が前記第1臨界電圧以上である場合、第1ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記誤動作防止回路は、
前記メインコンタクターの第1端と第2端との間の第3電圧が第2臨界電圧未満である場合、前記第1ハイレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記安全スイッチは、
前記第2ハイレベル信号によってターンオンされる、バッテリー管理システム。
【請求項2】
前記制御回路は、前記ハイサイドドライバー、前記ローサイドドライバー、前記第1電圧センサー、前記第2電圧センサー及び前記誤動作防止回路に動作可能に結合され、
前記制御回路は、
前記第1電圧に第1スケーリング値を掛けて前記第1臨界電圧を決定し、
前記第1スケーリング値は、0より大きくかつ1より小さい、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記第1電圧から所定の基準電圧を差し引いて前記第1臨界電圧を決定するように構成される、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記第2電圧が前記第1臨界電圧未満である場合、第1ローレベル信号を出力するように構成され、
前記誤動作防止回路は、
前記第1ローレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ローレベル信号を出力するように構成され、
前記安全スイッチは、前記第2ローレベル信号によってターンオフされる、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項5】
前記誤動作防止回路は、
前記第1バッテリーの第1端子と前記メインコンタクターの第1端との間の第1共通ノードに接続する第1入力ピン、前記キャパシタの第1端と前記メインコンタクターの第2端との間の第2共通ノードに接続する第2入力ピン及び第1出力ピンを備える電圧比較器と、
前記第1出力ピンに接続する第3入力ピン、前記制御回路に接続する第4入力ピン及び前記安全スイッチに接続した第2出力ピンを備える検証回路と、をさらに含み、
前記電圧比較器は、
前記第1入力ピンと前記第2入力ピンとの間に印加される前記第3電圧が前記第2臨界電圧未満である場合、前記第1出力ピンから第3ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記検証回路は、
前記第3入力ピン及び前記第4入力ピンに前記第3ハイレベル信号と前記第1ハイレベル信号が各々入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ハイレベル信号を出力するように構成される、請求項4に記載のバッテリー管理システム。
【請求項6】
前記電圧比較器は、
前記第3電圧が前記第2臨界電圧以上である場合、前記第1出力ピンから第3ローレベル信号を出力するように構成され、
前記検証回路は、
前記第3入力ピンに前記第3ローレベル信号が入力されるか、または前記第4入力ピンに前記第1ローレベル信号が入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ローレベル信号を出力するように構成される、請求項5に記載のバッテリー管理システム。
【請求項7】
第1バッテリーの第1端子と第2端子との間の第1電圧を検出するように構成された第1電圧センサーと、
電気負荷側に設けられたキャパシタの第1端と第2端との間の第2電圧を検出するように構成された第2電圧センサーと、
前記第1バッテリーの第1端子と前記キャパシタの第1端との間に設けられたメインコンタクターに含まれたコンタクターコイルの第1端に接続するハイサイドドライバーと、
前記コンタクターコイルの第2端に接続するローサイドドライバーと、
前記コンタクターコイルの第1端と前記ハイサイドドライバーとの間、または前記コンタクターコイルの第2端と前記ローサイドドライバーとの間に設けられる安全スイッチを含む誤動作防止回路と、
前記第1電圧センサー及び前記第2電圧センサーの検出結果に基づいて信号を出力する制御回路と、を含み、
前記制御回路は、
前記第1電圧に基づいて第1臨界電圧を決定し、
前記第2電圧が前記第1臨界電圧以上である場合、第1ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記誤動作防止回路は、
前記メインコンタクターに並列接続したプレチャージ回路の抵抗素子の第1端と第2端との間の第3電圧が第2臨界電圧未満である場合、前記第1ハイレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記安全スイッチは、前記第2ハイレベル信号によってターンオンされる、バッテリー管理システム。
【請求項8】
前記誤動作防止回路は、
前記抵抗素子の第1端に接続する第1入力ピン、前記抵抗素子の第2端に接続する第2入力ピン及び第1出力ピンを備える電圧比較器と、
前記第1出力ピンに接続する第3入力ピン、前記制御回路に接続する第4入力ピン及び前記安全スイッチに接続した第2出力ピンを備える検証回路と、をさらに含み、
前記電圧比較器は、
前記第1入力ピンと前記第2入力ピンとの間に印加される前記第3電圧が前記第2臨界電圧未満である場合、前記第1出力ピンから第3ハイレベル信号を出力するように構成され、
前記検証回路は、
前記第3入力ピン及び前記第4入力ピンに前記第3ハイレベル信号と前記第1ハイレベル信号が各々入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ハイレベル信号を出力するように構成される、請求項7に記載のバッテリー管理システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のバッテリー管理システムを含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパックを含む、電気車両。
【請求項11】
第2バッテリーと、
前記制御回路からの第4ハイレベル信号に応じて、前記第2バッテリーの電圧を昇圧した後、前記昇圧された電圧を前記キャパシタの第1端と第2端との間に印加するように構成されたコンバータと、をさらに含み、
前記制御回路は、前記第2電圧が前記第1臨界電圧未満である場合、前記コンバータに前記第4ハイレベル信号を出力するように構成される、請求項10に記載の電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーと電気負荷との間に接続した充放電経路を開閉するメインコンタクターを突入電流から保護するための技術に関する。
【0002】
本出願は、2018年11月20日出願の韓国特許出願第10−2018−0143780号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
電源システムにおいて、バッテリーと電気負荷との間にはメインコンタクターが設けられることが通常である。バッテリーと電気負荷との間の電力伝達のために、バッテリー管理システムは、メインコンタクターをオンオフ制御する。バッテリーと電気負荷との電圧差が大きい状態でメインコンタクターが閉められる場合、瞬間的な高電流が流れてメインコンタクターが損傷してしまう場合がある。このような問題を防止するためには、メインコンタクターを閉める前に電気負荷側のキャパシタを充電するプレチャージ過程が要求される。
【0006】
ところが、実際にキャパシタのプレチャージが完了する前であるにも拘わらず、キャパシタのプレチャージが完了したと間違って処理される可能性があり、この場合、メインコンタクターを通して突入電流が流れてしまい、メインコンタクターが損傷し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、詳しくは、電気負荷側に設けられたキャパシタのプレチャージが完了したか否かを二重に確認することで、突入電流によるメインコンタクターの損傷を防止することができるバッテリー管理システム及びそれを含むバッテリーパック、並びに該バッテリーパックを含む電気車両を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一面によるバッテリー管理システムは、第1バッテリーの第1端子と第2端子との間の第1電圧を検出するように構成された第1電圧センサーと、電気負荷側に設けられたキャパシタの第1端と第2端との間の第2電圧を検出するように構成された第2電圧センサーと、前記第1バッテリーの第1端子と前記キャパシタの第1端との間に設けられたメインコンタクターに含まれたコンタクターコイルの第1端に接続するハイサイドドライバーと、前記コンタクターコイルの第2端に接続するローサイドドライバーと、前記コンタクターコイルの第1端と前記ハイサイドドライバーとの間、または前記コンタクターコイルの第2端と前記ローサイドドライバーとの間に設けられる安全スイッチを含む誤動作防止回路と、前記ハイサイドドライバー、前記ローサイドドライバー、前記第1電圧センサー、前記第2電圧センサー及び前記誤動作防止回路に動作可能に結合する制御回路と、を含む。前記制御回路は、前記第1電圧に基づいて第1臨界電圧を決定するように構成される。前記第2電圧が前記第1臨界電圧以上である場合、第1ハイレベル信号を出力するように構成される。前記誤動作防止回路は、前記メインコンタクターの第1端と第2端との間の第3電圧が第2臨界電圧未満である場合、前記第1ハイレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ハイレベル信号を出力するように構成される。前記安全スイッチは、前記第2ハイレベル信号によってターンオンされる。
【0010】
前記制御回路は、前記第1電圧に第1スケーリング値を掛けて前記第1臨界電圧を決定するように構成され得る。前記第1スケーリング値は、0より大きくかつ1より小さい。
【0011】
前記制御回路は、前記第1電圧から所定の基準電圧を差し引いて前記第1臨界電圧を決定するように構成され得る。
【0012】
前記制御回路は、前記第2電圧が前記第1臨界電圧未満である場合、第1ローレベル信号を出力するように構成され得る。前記誤動作防止回路は、前記第1ローレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ローレベル信号を出力するように構成され得る。前記安全スイッチは、前記第2ローレベル信号によってターンオフされる。
【0013】
前記誤動作防止回路は、前記第1バッテリーの第1端子と前記メインコンタクターの第1端との間の第1共通ノードに接続する第1入力ピン、前記キャパシタの第1端と前記メインコンタクターの第2端との間の第2共通ノードに接続する第2入力ピン及び第1出力ピンを備える電圧比較器と、前記第1出力ピンに接続する第3入力ピン、前記制御回路に接続する第4入力ピン及び前記安全スイッチに接続した第2出力ピンを備える検証回路と、をさらに含み得る。前記電圧比較器は、前記第1入力ピンと前記第2入力ピンとの間に印加される前記第3電圧が前記第2臨界電圧未満である場合、前記第1出力ピンから第3ハイレベル信号を出力するように構成され得る。前記検証回路は、前記第3入力ピン及び前記第4入力ピンに前記第3ハイレベル信号と前記第1ハイレベル信号が各々入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ハイレベル信号を出力するように構成され得る。
【0014】
前記電圧比較器は、前記第3電圧が前記第2臨界電圧以上である場合、前記第1出力ピンから第3ローレベル信号を出力するように構成され得る。前記検証回路は、前記第3入力ピンに前記第3ローレベル信号が入力されるか、または前記第4入力ピンに前記第1ローレベル信号が入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ローレベル信号を出力するように構成され得る。
【0015】
本発明の他面によるバッテリー管理システムは、第1バッテリーの第1端子と第2端子との間の第1電圧を検出するように構成された第1電圧センサーと、電気負荷側に設けられたキャパシタの第1端と第2端との間の第2電圧を検出するように構成された第2電圧センサーと、前記第1バッテリーの第1端子と前記キャパシタの第1端との間に設けられたメインコンタクターに含まれたコンタクターコイルの第1端に接続するハイサイドドライバーと、前記コンタクターコイルの第2端に接続するローサイドドライバーと、前記コンタクターコイルの第1端と前記ハイサイドドライバーとの間、または前記コンタクターコイルの第2端と前記ローサイドドライバーとの間に設けられる安全スイッチを含む誤動作防止回路と、前記ハイサイドドライバー、前記ローサイドドライバー、前記第1電圧センサー、前記第2電圧センサー及び前記誤動作防止回路に動作可能に結合する制御回路と、を含む。前記制御回路は、前記第1電圧に基づいて第1臨界電圧を決定するように構成される。また、前記制御回路は、前記第2電圧が前記第1臨界電圧以上である場合、第1ハイレベル信号を出力するように構成される。前記誤動作防止回路は、前記メインコンタクターに並列接続したプレチャージ回路の抵抗素子の第1端と第2端との間の第3電圧が第2臨界電圧未満である場合、前記第1ハイレベル信号に応じて、前記安全スイッチに第2ハイレベル信号を出力するように構成される。前記安全スイッチは、前記第2ハイレベル信号によってターンオンされる。
【0016】
前記誤動作防止回路は、前記抵抗素子の第1端に接続する第1入力ピン、前記抵抗素子の第2端に接続する第2入力ピン及び第1出力ピンを備える電圧比較器と、前記第1出力ピンに接続する第3入力ピン、前記制御回路に接続する第4入力ピン及び前記安全スイッチに接続した第2出力ピンを備える検証回路と、をさらに含み得る。前記電圧比較器は、前記第1入力ピンと前記第2入力ピンとの間に印加される前記第3電圧が前記第2臨界電圧未満である場合、前記第1出力ピンから第3ハイレベル信号を出力するように構成され得る。前記検証回路は、前記第3入力ピン及び前記第4入力ピンに前記第3ハイレベル信号と前記第1ハイレベル信号が各々入力される場合、前記第2出力ピンから前記第2ハイレベル信号を出力するように構成され得る。
【0017】
本発明の他面によるバッテリーパックは、前記バッテリー管理システムを含む。
【0018】
本発明のさらに他面による電気車両は、前記バッテリーパックを含む。
【0019】
前記電気車両は、第2バッテリーと、前記制御回路からの第4ハイレベル信号に応じて、前記第2バッテリーの電圧を昇圧した後、前記昇圧された電圧を前記キャパシタの第1端と第2端との間に印加するように構成されたコンバータと、をさらに含み得る。前記制御回路は、前記第2電圧が前記第1臨界電圧未満である場合、前記コンバータに前記第4ハイレベル信号を出力するように構成され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例によれば、電気負荷側に設けられたキャパシタのプレチャージが完了したか否かを二重に確認する。これによって、メインコンタクターが突入電流によって損傷する可能性を低減させることができる。
【0021】
本発明の効果は上述の効果に限定されず、言及していない効果は、本明細書及び添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者に明確に理解されるだろう。
【0022】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施例による電気車両の構成を例示した図である。
図2】本発明の第2実施例による電気車両の構成を例示した図である。
図3】本発明の第3実施例による電気車両の構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0027】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0028】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とすると、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御ユニット」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0029】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとすると、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に(接続)」されている場合も含む。
【0030】
図1は、本発明の第1実施例による電気車両10の構成を例示した図である。
【0031】
図1を参照すれば、電気車両10は、バッテリーパック20、インバータ40、キャパシタ50及び電気負荷60を含む。
【0032】
インバータ40は、バッテリーパック20からのDC電力をAC電力に変換した後に電気負荷60に供給するか、または充電器からのAC電力をDC電力に変換した後にバッテリーパック20に供給するように構成される。インバータ40は、インバータ40の二つの端子の間における電圧変動を平滑化するためのキャパシタ50を含む。
【0033】
バッテリーパック20は、バッテリー30、メインコンタクター110、メインコンタクター120、プレチャージ回路150及びバッテリー管理システム200を含む。
【0034】
バッテリー30は、少なくとも一つの単位セルを含む。単位セルは、例えば、リチウムイオンセルのように再充電可能なものであれば、種類は特に制限されない。バッテリー30が複数の単位セルを含む場合、各単位セルは、他の単位セルに電気的に直列または並列に接続し得る。図1は、バッテリー30の端子31が正極端子であり、バッテリー30の端子32が負極端子である場合を示したが、その逆であってもよい。
【0035】
メインコンタクター110は、バッテリー30の端子31とキャパシタ50の端子51との間に設けられる。メインコンタクター110は、コンタクターコイル111及びコンタクト112を含む。コンタクターコイル111に電源が供給されると、コンタクターコイル111によって生成された磁気力によってコンタクト112は閉動作位置へ移動する。コンタクターコイル111に電源が遮断されると、コンタクト112は、開動作位置へ移動する。コンタクターコイル111に電源が供給されるということは、コンタクターコイル111が導通状態になるということを意味する。
【0036】
メインコンタクター120は、バッテリー30の端子32とキャパシタ50の端子52との間に設けられる。メインコンタクター120は、コンタクターコイル121及びコンタクト122を含む。コンタクターコイル121に電源が供給されると、コンタクターコイル121によって生成された磁気力によってコンタクト122は閉動作位置へ移動する。コンタクターコイル121に電源が遮断されると、コンタクト122は開動作位置へ移動する。コンタクターコイル121に電源が供給されるということは、コンタクターコイル121が導通状態になるということを意味する。
【0037】
プレチャージ回路150は、メインコンタクター110に並列接続する。プレチャージ回路150は、相互に直列接続するプレチャージコンタクター130及び抵抗素子140を含む。プレチャージコンタクター130は、コンタクターコイル131及びコンタクト132を含む。コンタクターコイル131に電源が供給されると、コンタクターコイル131によって生成された磁気力によってコンタクト132は閉動作位置へ移動する。コンタクターコイル131に電源が遮断されると、コンタクト132は開動作位置へ移動する。コンタクターコイル131に電源が供給されるということは、コンタクターコイル131が導通状態になるということを意味する。
【0038】
バッテリー管理システム200は、電圧センサー210、電圧センサー220、ハイサイドドライバー231、ローサイドドライバー232、ハイサイドドライバー233、ローサイドドライバー234、ハイサイドドライバー235、ローサイドドライバー236、制御回路240及び誤動作防止回路300を含む。
【0039】
電圧センサー210は、バッテリー30の両端にかかった電圧(以下、「バッテリー電圧」とも称する。)を検出し、バッテリー電圧を示す電圧信号V1を生成するように構成される。電圧センサー210は、バッテリー30に並列接続し得る。
【0040】
電圧センサー220は、キャパシタ50の両端にかかった電圧(以下、「キャパシタ電圧」とも称する。)を検出し、キャパシタ電圧を示す電圧信号V2を生成するように構成される。電圧センサー220は、キャパシタ50に並列接続し得る。
【0041】
ハイサイドドライバー231は、コンタクターコイル111の第1端と制御回路240の制御ピンCT1との間に接続する。ハイサイドドライバー231は、制御ピンCT1からの制御信号S1に応じて、コンタクターコイル111の第1端に所定の動作電圧(例えば、12V)を供給するように構成される。
【0042】
ローサイドドライバー232は、コンタクターコイル111の第2端と制御回路240の制御ピンCT2との間に接続する。ローサイドドライバー232は、制御ピンCT2からの制御信号S2に応じて、コンタクターコイル111の第2端に接地電圧(例えば、0V)を供給するように構成される。
【0043】
ハイサイドドライバー233は、コンタクターコイル121の第1端と制御回路240の制御ピンCT3との間に接続する。ハイサイドドライバー233は、制御ピンCT3からの制御信号S3に応じて、コンタクターコイル121の第1端に所定の動作電圧を供給するように構成される。
【0044】
ローサイドドライバー234は、コンタクターコイル121の第2端と制御回路240の制御ピンCT4との間に接続する。ローサイドドライバー234は、制御ピンCT4からの制御信号S4に応じて、コンタクターコイル121の第2端に接地電圧を供給するように構成される。
【0045】
ハイサイドドライバー235は、コンタクターコイル131の第1端と制御回路240の制御ピンCT5との間に接続する。ハイサイドドライバー235は、制御ピンCT5からの制御信号S5に応じて、コンタクターコイル131の第1端に所定の動作電圧を供給するように構成される。
【0046】
ローサイドドライバー236は、コンタクターコイル131の第2端と制御回路240の制御ピンCT6との間に接続する。ローサイドドライバー236は、制御ピンCT6からの制御信号S6に応じて、コンタクターコイル131の第2端に接地電圧を供給するように構成される。
【0047】
制御回路240は、ハードウェア的に、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、マイクロプロセッサー(microprocessors)、その他の機能遂行のための電気的ユニットのうち少なくとも一つを用いて具現され得る。制御回路240には、メモリーデバイスが内蔵され得、メモリーデバイスとしては、例えば、RAM、ROM、レジスター、ハードディスク、光記録媒体または磁気記録媒体を用い得る。メモリーデバイスは、制御回路240によって実行される各種制御ロジックを含むプログラム、及び/または前記制御ロジックが実行されるときに発生するデータを保存、更新及び/または消去し得る。
【0048】
制御回路240は、電圧センサー210、電圧センサー220、ハイサイドドライバー231、ローサイドドライバー232、ハイサイドドライバー233、ローサイドドライバー234、ハイサイドドライバー235、ローサイドドライバー236及び誤動作防止回路300に動作可能に結合する。
【0049】
制御回路240は、制御ピンCT1、制御ピンCT2、制御ピンCT3、制御ピンCT4、制御ピンCT5、制御ピンCT6、センシングピンSS1及びセンシングピンSS2を備える。
【0050】
センシングピンSS1は、電圧センサー210に接続し、電圧信号V1を受信する。センシングピンSS2は、電圧センサー220に接続し、電圧信号V2を受信する。
【0051】
制御回路240は、制御信号S1を制御ピンCT1に選択的に出力するように構成される。制御回路240は、制御信号S2を制御ピンCT2に選択的に出力するように構成される。制御回路240は、制御信号S3を制御ピンCT3に選択的に出力するように構成される。制御回路240は、制御信号S4を制御ピンCT4に選択的に出力するように構成される。制御回路240は、制御信号S5を制御ピンCT5に選択的に出力するように構成される。制御回路240は、制御信号S6を制御ピンCT6に選択的に出力するように構成される。各々の制御信号S1〜S6は、ハイレベル(例えば、5V以上)の電圧信号であり得る。
【0052】
制御回路240が制御信号S1及び制御信号S2を出力する間、コンタクト112が閉動作位置へ移動し、これによってコンタクト112を介してバッテリー30の端子31とキャパシタ50の端子51とが相互に電気的に接続する。制御回路240が制御信号S1及び制御信号S2の少なくとも一つの出力を中断する間、コンタクト112は開動作位置へ移動する。
【0053】
制御回路240が制御信号S3及び制御信号S4を出力する間、コンタクト122が閉動作位置へ移動し、これによってコンタクト122を介してバッテリー30の端子32とキャパシタ50の端子52とが相互に電気的に接続する。制御回路240が制御信号S3及び制御信号S4の少なくとも一つの出力を中断する間、コンタクト122が開動作位置へ移動し、これによってバッテリー30の端子32とキャパシタ50の端子52とが相互に電気的に分離する。
【0054】
制御回路240が制御信号S5及び制御信号S6を出力する間、コンタクト132が閉動作位置へ移動し、これによってコンタクト132及び抵抗素子140を介してバッテリー30の端子31とキャパシタ50の端子51とが相互に電気的に接続する。制御回路240が制御信号S5及び制御信号S6の少なくとも一つの出力を中断する間、コンタクト132が開動作位置へ移動する。
【0055】
コンタクト112及びコンタクト132の少なくとも一つが閉動作位置にある間、バッテリー30の端子31とキャパシタ50の端子51とは、相互に電気的に接続する。コンタクト112及びコンタクト132の両方が共に開動作位置にある間、バッテリー30の端子31とキャパシタ50の端子51とが相互に電気的に分離する。
【0056】
制御回路240が制御信号S1の出力を中断するということは、ハイレベル(例えば、5V)の代わりにローレベル(例えば、0V)の信号を制御ピンCT1から出力するということを意味する。制御回路240が制御信号S2の出力を中断するということは、ハイレベルの代わりにローレベルの信号を制御ピンCT2から出力するということを意味する。制御回路240が制御信号S3の出力を中断するということは、ハイレベルの代わりにローレベルの信号を制御ピンCT3から出力するということを意味する。制御回路240が制御信号S4の出力を中断するということは、ハイレベルの代わりにローレベルの信号を制御ピンCT4から出力するということを意味する。制御回路240が制御信号S5の出力を中断するということは、ハイレベルの代わりにローレベルの信号を制御ピンCT5から出力するということを意味する。制御回路240が制御信号S6の出力を中断するということは、ハイレベルの代わりにローレベルの信号を制御ピンCT6から出力するということを意味する。
【0057】
制御回路240は、メインコンタクター110、メインコンタクター120及びプレチャージコンタクター130を次のような手順に制御することができる。
【0058】
先ず、制御回路240は、コンタクト122を閉動作位置へ移動させるために、制御信号S3及び制御信号S4を出力する。その次、制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧未満である場合、コンタクト132を閉動作位置へ移動させるために制御信号S5及び制御信号S6を出力する。その次、制御回路240は、キャパシタ電圧に基づいてキャパシタ50のプレチャージが完了したかを判定する。制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧以上である場合、キャパシタ50のプレチャージが完了したと判定する。制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧未満である場合、キャパシタ50のプレチャージがまだ完了する前であると判定し、制御信号S1及び制御信号S2の少なくとも一つの出力を保留するように構成される。一方、キャパシタ50のプレチャージが完了したと判定された場合、制御回路240は、コンタクト112を閉動作位置へ移動させるために制御信号S1及び制御信号S2を出力する。その次、制御回路240は、コンタクト132を開動作位置へ移動させるために制御信号S5及び制御信号S6の少なくとも一つの出力を中断する。
【0059】
第1臨界電圧は、バッテリー30の電圧範囲を考慮して予め決められていてもよく、例えば、95Vであり得る。または、制御回路240は、バッテリー電圧に第1スケーリング値を掛けた値と同一に第1臨界電圧を決定し得る。第1スケーリング値は、0より大きくかつ1より小さい。例えば、バッテリー電圧が100Vであり、第1スケーリング値が0.95であれば、95Vが第1臨界電圧として制御回路240によって決定される。または、制御回路240は、バッテリー電圧から所定の基準電圧(例えば、5V)を差し引いて第1臨界電圧を決定し得る。
【0060】
誤動作防止回路300は、キャパシタ50のプレチャージが実際には完了する前であるにも拘わらず、制御回路240の誤動作、電圧信号V1のエラーまたは電圧信号V2のエラーなどによって、コンタクト112が閉動作位置へ移動する問題を防止するように提供される。
【0061】
誤動作防止回路300は、安全スイッチ310、電圧比較器320及び検証回路330を含む。
【0062】
安全スイッチ310は、コンタクターコイル111の第1端とハイサイドドライバー231との間、またはコンタクターコイル111の第2端とローサイドドライバー232との間に設けられる。理解を助けるために、図1では、安全スイッチ310がコンタクターコイル111の第2端とローサイドドライバー232との間に接続したことに示した。安全スイッチ310がターンオフされている間には、制御回路240によって制御信号S1及び制御信号S2が出力されても、コンタクターコイル111は非導通状態に維持されるので、コンタクト112は開動作位置に維持される。
【0063】
安全スイッチ310としては、例えば、MOSFETのような半導体スイッチを用い得る。安全スイッチ310の制御端子(例えば、MOSFETのゲート)は、検証回路330の出力ピンOUT2に接続し得る。安全スイッチ310は、出力ピンOUT2からの信号がハイレベルであることに応じて、ターンオンされる。安全スイッチ310は、出力ピンOUT2からの信号がローレベルであることに応じて、ターンオフされる。
【0064】
電圧比較器320は、入力ピンIN1、入力ピンIN2及び出力ピンOUT1を備える。入力ピンIN1は、ノードN1に接続する。ノードN1は、バッテリー30の端子31とメインコンタクター110の第1端とを接続する充放電経路内における特定の箇所または領域である。入力ピンIN2は、ノードN2に接続する。ノードN2は、キャパシタ50の端子51とメインコンタクター110の第2端とを接続する充放電経路内における特定の箇所または領域である。出力ピンOUT1は、検証回路330の入力ピンIN3に接続する。
【0065】
電圧比較器320は、入力ピンIN1と入力ピンIN2との間の電圧(以下、「第1検証電圧」と称することがある。)を第2臨界電圧と比較する。第1検証電圧は、バッテリー電圧とキャパシタ電圧との電圧差を示す。
【0066】
第2臨界電圧は、3Vのように第1臨界電圧より小さく予め決められたものであり得る。または、制御回路240は、バッテリー電圧に第2スケーリング値を掛けた値と同一に第2臨界電圧を決定し得る。第2スケーリング値は、第1スケーリング値より小さくてもよい。例えば、バッテリー電圧が100Vであり、第2スケーリング値が0.05であれば、5Vが第2臨界電圧として制御回路240によって決定される。または、制御回路240は、1から第1スケーリング値を差し引いて第2スケーリング値を決定し得る。
【0067】
電圧比較器320は、第1検証電圧が第2臨界電圧未満である場合、出力ピンOUT1にハイレベル信号を出力するように構成される。即ち、制御信号S1及び制御信号S2とは独立的に、キャパシタ50のプレチャージが完了したことを示すハイレベル信号が出力ピンOUT1から出力され得る。一方、電圧比較器320は、第1検証電圧が第2臨界電圧以上である場合、出力ピンOUT1にローレベル信号を出力するように構成される。出力ピンOUT1から出力されるローレベル信号は、キャパシタ50のプレチャージがまだ完了する前であることを示す。
【0068】
検証回路330は、入力ピンIN3、入力ピンIN4及び出力ピンOUT2を備える。入力ピンIN3は、電圧比較器320の出力ピンOUT1に接続する。入力ピンIN4は、制御ピンCT1及び制御ピンCT2の少なくとも一つに接続し得る。これによって、ハイサイドドライバー231及びローサイドドライバー232の少なくとも一つが、制御回路240からハイレベルの信号を受けるようになれば、入力ピンIN4もハイレベルの信号を受けるようになる。または、入力ピンIN4は、制御回路240に備えられた別途の制御ピン(図示せず)に接続し、該制御ピンからのハイレベル信号を受信することもできる。理解を助けるために、図1では、入力ピンIN4が制御ピンCT2に接続したことに示した。
【0069】
検証回路330は、ハードウェア的に、ANDゲートを含むように具現され得る。検出回路は、入力ピンIN3によって受信される信号及び入力ピンIN4によって受信される信号の少なくとも一つがローレベルである場合、出力ピンOUT2からローレベル信号を出力するように構成され得る。検証回路330は、入力ピンIN3によって受信される信号及び入力ピンIN4によって受信される信号が両方ともハイレベルである場合、出力ピンOUT2からハイレベル信号を出力するように構成され得る。即ち、誤動作防止回路300は、キャパシタ電圧と共に第1検証電圧に基づき、プレチャージの完了有無を二重に確認する。これによって、キャパシタ電圧及び第1検証電圧が両方ともプレチャージ完了を示す場合のみに、検証回路330が安全スイッチ310をターンオンするためのハイレベル信号を出力ピンOUT2から出力することで、コンタクターコイル111が導通可能な状態になる。
【0070】
図2は、本発明の第2実施例による電気車両10の構成を例示した図である。
【0071】
図2に示した電気車両10については、図1を参照して前述の第1実施例と共通する内容についての反復的な説明は省略し、相違点を中心にして説明する。
【0072】
第2実施例の電気車両10と第1実施例の電気車両10との相違点は、電圧比較器320の入力ピンIN1及び入力ピンIN2が、メインコンタクター110の第1端及び第2端に各々接続する代わりに、抵抗素子140の第1端及び第2端に各々接続するという点である。即ち、入力ピンIN1は抵抗素子140の第1端に、そして入力ピンIN2は抵抗素子140の第2端に接続する。これによって、第1実施例とは異なり、第1検証電圧の代わりに抵抗素子140の両端にかかった電圧(以下、「第2検証電圧」と称することがある。)が電圧比較器320によって第3臨界電圧と比較される。
【0073】
電圧比較器320は、第2検証電圧が第3臨界電圧未満の場合、出力ピンOUT1からハイレベル信号を出力するように構成される。一方、電圧比較器320は、第2検証電圧が第3臨界電圧以上である場合、出力ピンOUT1にローレベル信号を出力するように構成される。第3臨界電圧は、第1実施例における第2臨界電圧と同一であり得る。
【0074】
図3は、本発明の第3実施例による電気車両10の構成を例示した図である。
【0075】
図3に示した電気車両10については、図1を参照して前述の第1実施例と共通する内容についての反復的な説明は省略し、相違点を中心にして説明する。
【0076】
第3実施例の電気車両10と第1実施例の電気車両10との相違点は、(i)バッテリーパック20からプレチャージ回路150、ハイサイドドライバー235及びローサイドドライバー236が除去され、(ii)バッテリー160及びコンバータ170が加えられ、(iii)制御回路240から制御ピンCT5及び制御ピンCT6が除去され、(iv)制御回路240に制御ピンCT7が加えられるという点である。
【0077】
バッテリー160及びコンバータ170は、プレチャージ回路150の代わりに、キャパシタ50をプレチャージするためのものである。バッテリー160の正格電圧は、バッテリー30の正格電圧より低くてもよい。
【0078】
制御回路240は、制御ピンCT7を介してコンバータ170に動作可能に結合する。コンバータ170に設けられた一対の電圧入力端子は、バッテリー160の両端161、162に一つずつ接続し、バッテリー160の電圧を受ける。コンバータ170に設けられた一対の電圧出力端子は、キャパシタ50の両端51、52に一つずつ接続する。
【0079】
コンバータ170は、制御ピンCT7からの制御信号S7に応じて、バッテリー160の電圧を昇圧した後、昇圧された電圧をキャパシタ50の両端に印加するように構成される。制御信号S7は、ハイレベル信号であり得る。コンバータ170は、制御ピンCT7からのローレベル信号に応じて、バッテリー160の電圧の昇圧を中断する。キャパシタ50は、制御回路240によって制御信号S7が出力される間、コンバータ170によって昇圧された電圧にプレチャージされる。
【0080】
制御回路240は、メインコンタクター110、メインコンタクター120及びコンバータ170を、次のように制御することができる。
【0081】
先ず、制御回路240は、コンタクト122を閉動作位置へ移動させるために、制御信号S3及び制御信号S4を出力する。その次、制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧未満である場合、キャパシタ50をプレチャージするために制御ピンCT7から制御信号S7を出力する。その次、制御回路240は、キャパシタ50のプレチャージが完了したかを判定する。制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧以上である場合、キャパシタ50のプレチャージが完了したと判定する。制御回路240は、キャパシタ電圧が第1臨界電圧未満である場合、キャパシタ50のプレチャージがまだ完了する前であると判定する。キャパシタ50のプレチャージが完了したと判定された場合、制御回路240は、コンタクト112を閉動作位置へ移動させるために制御信号S1及び制御信号S2を出力する。その次、制御回路240は、コンバータ170の動作を停止するために制御信号S7の出力を中断する。
【0082】
一方、前述した第1実施例、第2実施例及び第3実施例において、メインコンタクター120が電気車両10から除去されてもよく、バッテリー30の端子32とキャパシタ50の端子52とは相互に直接接続するか、または導電体(例えば、電気ケーブル)によって接続し得る。この場合、ハイサイドドライバー233、ローサイドドライバー234、制御ピンCT3及び制御ピンCT4がバッテリー管理システム200から除去され得る。
【0083】
前述した実施例によれば、キャパシタ50のプレチャージが完了したか否かを二重に確認することで、高電流がメインコンタクター110を流れることによるメインコンタクター110の損傷を防止することができる。
【0084】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0085】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0086】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2
図3