【実施例】
【0073】
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
また、
図1及び2において、「丸印」は、後述する(ii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率」および(iii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性」のいずれも良好であることを示し、「ばつ印」は、(ii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率」および(iii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性」のいずれかが良好でないことを示し、「丸印」への矢印に付された「下線なし数値」は実施例番号を示し、「ばつ印」への矢印に付された「下線あり数値」は比較例番号を示す。
そして、実施例1〜25および比較例1〜42において、(i)「重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布」、(ii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率」および(iii)「プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性」を、それぞれ下記の方法で測定および評価した。
【0074】
<重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布>
測定対象の重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー製、HLC−8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、測定対象の重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
【0075】
<プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率>
ポジ型レジスト組成物の調製に用いた重合体の重量平均分子量を100%としたときのプリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の割合(%)を算出し、以下の基準に従って、プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率を評価した。
A:ポジ型レジスト組成物の調製に用いた重合体の重量平均分子量を100%としたときのプリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の割合が95.7%以上(維持率大で良好)
B:ポジ型レジスト組成物の調製に用いた重合体の重量平均分子量を100%としたときのプリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の割合が95.7%未満(維持率小)
【0076】
<プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性>
形成したレジストパターンの剥がれの有無を観察して、以下の基準に従って、レジスト膜と被加工物との密着性を評価した。
A:レジストパターンの剥がれ無し(密着性良好)
B:レジストパターンの剥がれ有り
【0077】
(実施例1)
<重合体(F3)の調製>
単量体(a)としてのα−クロロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル3.0gおよび単量体(b)としてのα−メチルスチレン4.40gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.85gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.006975gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6.0時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。次いで、得られた重合物を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF150gとメタノール(MeOH)850gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α−メチルスチレン単位およびα−クロロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−クロロアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。測定した重量平均分子量および分子量分布を下記に示す。
【0078】
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させ、重合体の濃度が2.5質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
【0079】
<レジストパターンの形成>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのマスクブランクス(石英基板(厚み:1.0mm)上にクロム層(厚み:10nm)が形成されたもの)上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度150℃のホットプレートで10分間加熱して(プリベーク工程)、マスクブランクス上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、得られたレジスト膜における重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。また、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(E
op)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液として、フッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))で10秒間リンスして、レジストパターンを形成した。そして、プリベーク工程を経て形成したレジスト膜とマスクブランクスとの密着性を評価した。なお、最適露光量(E
op)は、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
【0080】
<測定評価結果>
測定した重量平均分子量および分子量分布、重量平均分子量の維持率の評価結果、並びに、密着性の評価結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58471、分子量分布:1.366
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0081】
(実施例2)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58576、分子量分布:1.359
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.5%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0082】
(実施例3)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58463、分子量分布:1.358
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0083】
(実施例4)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58506、分子量分布:1.421
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0084】
(比較例1)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48748、分子量分布:1.488
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:81.2%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0085】
(比較例2)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:61437、分子量分布:1.365
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:102.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0086】
(比較例3)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:59508、分子量分布:1.335
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0087】
(比較例4)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:59673、分子量分布:1.343
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0088】
(比較例5)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:59066、分子量分布:1.346
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0089】
(比較例6)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58041、分子量分布:1.369
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:96.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0090】
(比較例7)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58557、分子量分布:1.329
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.5%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0091】
(比較例8)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:59629、分子量分布:1.344
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0092】
(比較例9)
実施例1において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「重合体(F3)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表1に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:60062、分子量分布:1.349
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:58600、分子量分布:1.340
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0093】
(実施例5)
<重合体(F5)の調製>
単量体(a)としてのα−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0gおよび単量体(b)としてのα−メチルスチレン(AMS)3.4764gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0055gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.6205gを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。次いで、得られた重合体(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF100gとメタノール(MeOH)900gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α−メチルスチレン単位およびα−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。なお、得られた重合体は、α−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、α−メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。測定した重量平均分子量および分子量分布を下記に示す。
【0094】
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としての酢酸n−ヘキシルに溶解させ、重合体の濃度が4質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
【0095】
<レジストパターンの形成>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのマスクブランクス(石英基板(厚み:1.0mm)上にクロム層(厚み:10nm)が形成されたもの)上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度150℃のホットプレートで10分間加熱して(プリベーク工程)、マスクブランクス上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、得られたレジスト膜における重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。また、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(E
op)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液として、フッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、バートレルXF(登録商標)、CF
3CFHCFHCF
2CF
3)を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))で10秒間リンスして、レジストパターンを形成した。そして、プリベーク工程を経て形成したレジスト膜とマスクブランクスとの密着性を評価した。なお、最適露光量(E
op)は、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
【0096】
<測定評価結果>
測定した重量平均分子量および分子量分布、重量平均分子量の維持率の評価結果、並びに、密着性の評価結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50473、分子量分布:1.416
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.0%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0097】
(実施例6)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50876、分子量分布:1.414
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.7%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0098】
(実施例7)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50787、分子量分布:1.417
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0099】
(実施例8)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50146、分子量分布:1.422
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0100】
(実施例9)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50791、分子量分布:1.415
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0101】
(実施例10)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:49488、分子量分布:1.437
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:96.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0102】
(比較例10)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:43858、分子量分布:1.482
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:85.1%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0103】
(比較例11)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50412、分子量分布:1.400
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.8%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0104】
(比較例12)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51156、分子量分布:1.404
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0105】
(比較例13)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50972、分子量分布:1.407
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.9%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0106】
(比較例14)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50032、分子量分布:1.405
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0107】
(比較例15)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51211、分子量分布:1.402
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0108】
(比較例16)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51321、分子量分布:1.412
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0109】
(比較例17)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51194、分子量分布:1.436
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0110】
(比較例18)
実施例5において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例5と同様に、「重合体(F5)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表2に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51522、分子量分布:1.403
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50975、分子量分布:1.413
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.9%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0111】
(実施例11)
<重合体(F6)の調製>
単量体(a)としてのα−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0gおよび単量体(b)としての4−フルオロ−α−メチルスチレン(4FAMS)3.23483gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.00521gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。次いで、得られた重合体(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF50gとメタノール(MeOH)950gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(4−フルオロ−α−メチルスチレン単位およびα−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。なお、得られた重合体は、α−クロロアクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、4−フルオロ−α−メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。測定した重量平均分子量および分子量分布を下記に示す。
【0112】
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としての酢酸n−ヘキシルに溶解させ、重合体の濃度が4質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
【0113】
<レジストパターンの形成>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのマスクブランクス(石英基板(厚み:1.0mm)上にクロム層(厚み:10nm)が形成されたもの)上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度150℃のホットプレートで10分間加熱して(プリベーク工程)、マスクブランクス上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、得られたレジスト膜における重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。また、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(E
op)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液として、フッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、バートレルXF(登録商標)、CF
3CFHCFHCF
2CF
3)を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))で10秒間リンスして、レジストパターンを形成した。そして、プリベーク工程を経て形成したレジスト膜とマスクブランクスとの密着性を評価した。なお、最適露光量(E
op)は、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
【0114】
<測定評価結果>
測定した重量平均分子量および分子量分布、重量平均分子量の維持率の評価結果、並びに、密着性の評価結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48317、分子量分布:1.289
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:102.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0115】
(実施例12)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48294、分子量分布:1.288
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:102.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0116】
(実施例13)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47739、分子量分布:1.292
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:100.9%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0117】
(実施例14)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47127、分子量分布:1.299
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0118】
(実施例15)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47174、分子量分布:1.284
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.7%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0119】
(実施例16)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48079、分子量分布:1.293
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0120】
(実施例17)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47218、分子量分布:1.302
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.8%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0121】
(実施例18)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:46546、分子量分布:1.310
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:98.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0122】
(実施例19)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48008、分子量分布:1.291
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.5%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0123】
(実施例20)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47597、分子量分布:1.301
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:100.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0124】
(実施例21)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:46227、分子量分布:1.318
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.7%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0125】
(実施例22)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:46266、分子量分布:1.314
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.8%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0126】
(実施例23)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47934、分子量分布:1.299
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.3%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0127】
(実施例24)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47165、分子量分布:1.306
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:99.7%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0128】
(実施例25)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:45937、分子量分布:1.318
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:97.1%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0129】
(比較例19)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:45219、分子量分布:1.323
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:95.6%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0130】
(比較例20)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47547、分子量分布:1.285
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:100.5%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0131】
(比較例21)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48438、分子量分布:1.283
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:102.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0132】
(比較例22)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48091、分子量分布:1.285
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.6%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0133】
(比較例23)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、140℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47664、分子量分布:1.285
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:100.7%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0134】
(比較例24)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48254、分子量分布:1.288
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:102.0%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0135】
(比較例25)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48710、分子量分布:1.285
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:103.0%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0136】
(比較例26)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、150℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48174、分子量分布:1.288
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.8%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0137】
(比較例27)
実施例11において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、実施例11と同様に、「重合体(F6)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表3に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47311、分子量分布:1.284
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:48018、分子量分布:1.282
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:101.5%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0138】
(比較例28)
<重合体(F0)の調製>
単量体としてのα−クロロアクリル酸メチル3.0gおよびα−メチルスチレン6.88gと、溶媒としてのシクロペンタノン2.47gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.01091gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6.5時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)30gを加えた。そして、THFを加えた溶液をメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体)を得た。なお、得られた重合体は、α−メチルスチレン単位とα−クロロアクリル酸メチル単位とを50mol%ずつ含んでいた。
そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。測定した重量平均分子量および分子量分布を下記に示す。
【0139】
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた重合体を溶剤としてのアニソールに溶解させ、重合体の濃度が2.5質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。
【0140】
<レジストパターンの形成>
スピンコーター(ミカサ製、MS−A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を、直径4インチのマスクブランクス(石英基板(厚み:1.0mm)上にクロム層(厚み:10nm)が形成されたもの)上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度150℃のホットプレートで10分間加熱して(プリベーク工程)、マスクブランクス上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、得られたレジスト膜における重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。また、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS−S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(E
op)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液として、フッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレル(CF
3CFHCFHCF
2CF
3))で10秒間リンスして、レジストパターンを形成した。そして、プリベーク工程を経て形成したレジスト膜とマスクブランクスとの密着性を評価した。なお、最適露光量(E
op)は、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nmとした。
【0141】
<測定評価結果>
測定した重量平均分子量および分子量分布、重量平均分子量の維持率の評価結果、並びに、密着性の評価結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:52766、分子量分布:1.882
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:96.4%、維持率評価結果:A(維持率大で良好)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0142】
(比較例29)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:49993、分子量分布:1.940
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:91.3%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0143】
(比較例30)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50057、分子量分布:1.927
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:91.5%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0144】
(比較例31)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、160℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50172、分子量分布:1.925
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:91.7%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0145】
(比較例32)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:50504、分子量分布:1.921
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:92.3%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0146】
(比較例33)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47222、分子量分布:1.967
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:86.3%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0147】
(比較例34)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47487、分子量分布:1.966
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:86.8%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0148】
(比較例35)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、170℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47751、分子量分布:1.950
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:87.2%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0149】
(比較例36)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:51181、分子量分布:1.908
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:93.5%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0150】
(比較例37)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:45553、分子量分布:1.967
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:83.2%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0151】
(比較例38)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:43595、分子量分布:1.983
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:79.6%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0152】
(比較例39)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、180℃で10分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:43321、分子量分布:1.990
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:79.1%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0153】
(比較例40)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で1分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:47852、分子量分布:1.969
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:87.4%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:B(密着性低)
【0154】
(比較例41)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で3分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:46544、分子量分布:1.958
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:85.0%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0155】
(比較例42)
比較例28において、150℃で10分間加熱するプリベーク工程を行う代わりに、190℃で5分間加熱するプリベーク工程を行ったこと以外は、比較例28と同様に、「重合体(F0)の調製」、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、同様の測定乃至評価を行った。結果を下記および表4に示す。
(i)調製した重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:54734、分子量分布:1.842
(ii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量および分子量分布
重量平均分子量:44424、分子量分布:1.972
(iii)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜における重合体の重量平均分子量の維持率
維持率:81.2%、維持率評価結果:B(維持率小)
(iv)プリベーク工程を経て形成したレジスト膜と被加工物との密着性
密着性評価結果:A(密着性良好)
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
表1〜3及び
図1より、下記式(1)を満たす温度T(℃)および時間t(分間)でプリベーク(加熱)を行った(
図1のグラフにおける直線Aと直線Bとの間に存在する)実施例1〜25のレジスト膜形成方法は、下記式(1)を満たさない(
図1のグラフにおける直線Aと直線Bとの間に存在しない)比較例1〜27のレジスト膜形成方法と比較して、レジスト膜と被加工物(マスクブランクス)との密着性を向上させることができると共に、プリベーク工程前後のレジスト膜における重合体の分子量の変化を低減することができることが分かる。
(−8/15)×T+262/3<t<(−8/15)×T+326/3・・・(1)
【0161】
表4及び
図2より、所定の単量体単位を有する所定の重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いていないと、上記式(1)を満たす温度T(℃)および時間t(分間)でプリベーク(加熱)を行った(
図2のグラフにおける直線Aと直線Bとの間に存在する)としても、(i)レジスト膜と被加工物(マスクブランクス)との密着性を向上させること、並びに、(ii)プリベーク工程前後のレジスト膜における重合体の分子量の変化を低減すること、の両立を図ることができないことが分かる(比較例28〜42)。