(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(PLGA微粒子)
本発明のPLGA微粒子は、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を少なくとも含有し、好ましくは生理活性物質を含有し、更に必要に応じて、分散剤、添加剤などのその他の成分を含有する。
【0011】
前記PLGA微粒子においては、例えば、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)のマトリックス中に、生理活性物質などのその他の成分が分散されている。
【0012】
本発明者らは、ろ過滅菌に適したPLGA微粒子を提供するために鋭意検討を行った。
前記ろ過滅菌とは、被滅菌物に存在する微生物などの菌をろ過によって除去する方法で、通常0.2μm径のメンブレンフィルターを用いる。そのため、200nm超の粒子径を有するPLGAナノ粒子は、ろ過滅菌用フィルターを十分に通過することができない。
そのため、特許第4856752号公報、及び特開2006−131577号公報で製造されるPLGA粒子は、平均粒子径200nm以下のものもある。
しかしながら、マイコプラズマなど細胞の形状に可塑性がある細菌や、より小さな細菌を除去するには0.1μm径のメンブレンフィルターを用いる必要がある。この場合、PLGAナノ粒子の大きさは100nm以下であれば良いということはなく、粒度分布も重要であることを、本発明者らは知見した。そして、粒度分布が広いとフィルターを通らない大粒子が増えて滅菌率が低下することを、本発明者らは知見した。
そして、本発明者らは検討を重ねた結果、十分なろ過滅菌を行うことができる粒度分布を見出し、本発明の完成に至った。
【0013】
<PLGA微粒子の特性>
<<平均体積基準粒子径>>
前記PLGA微粒子の平均体積基準粒子径は、80nm以下であり、10nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上40nm以下がより好ましく、10nm以上30nm以下が特に好ましい。
【0014】
前記PLGA微粒子の平均体積基準粒子径は、動的光散乱法による濃厚系アナライザー(「FPAR−1000」、大塚電子株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明においては、PLGA微粒子の平均体積基準粒子径が80nm以下である。前記平均体積基準粒子径が、80nmを超えると、ろ過滅菌フィルターにかけた時に、つまりやすくなる。また、癌等をターゲットにした場合、平均体積基準粒子径が10nm以上30nm以下であることがさらに好ましい。
【0015】
<<Relative Span Factor(R.S.F)>>
前記PLGA微粒子は、Relative Span Factor(R.S.F)が、下記式(1)を満たす。
0<(R.S.F)≦1.20 ・・式(1)
ここで、(R.S.F)は、(D90−D10)/D50で定義される。
D90は、累積粒度分布の小粒子側からの累積90体積%を表し、D50は、累積粒度分布の小粒子側からの累積50体積%を表し、D10は、累積粒度分布の小粒子側からの累積10体積%を表す。
前記(R.S.F)が、1.20よりも大きいと、フィルターを通らない大粒子が増えて滅菌率が低下する。
【0016】
(R.S.F)は、動的光散乱法による濃厚系アナライザー(「FPAR−1000」、大塚電子株式会社製)を用いて測定することができる。
【0017】
<乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)>
前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)は、乳酸に由来する構成単位と、グリコール酸に由来する構成単位とを有する共重合体である。
以下、「乳酸・グリコール酸共重合体」を「PLGA」と称することがある。
【0018】
前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000〜250,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、3,000〜50,000が更に好ましく、5,000〜10,000が特に好ましい。
【0019】
前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)における、乳酸に由来する構成単位(L)と、グリコール酸に由来する構成単位(G)とのモル比率(L:G)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1:99〜99:1が好ましく、25:75〜99:1がより好ましく、30:70〜90:10が更に好ましく、50:50〜85:15が特に好ましい。
【0020】
前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)は、例えば、乳酸とグリコール酸とを、イオン交換樹脂を触媒として弱い減圧下に加熱し、縮合重合させることにより製造することができる。
また、前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の製造においては、乳酸に代えて、ラクチドを用いてもよい。
【0021】
前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)は、市販品であってもよい。前記市販品は、例えば、和光純薬工業(株)又は多木化学(株)から購入することができる。
【0022】
前記PLGA微粒子における前記乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%以上が好ましく、1質量%以上100質量%以下がより好ましく、10質量%以上99質量%以下が更に好ましく、30質量%以上95質量%以下が更により好ましく、50質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
【0023】
<生理活性物質>
前記生理活性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬化合物、機能性食品化合物、機能性化粧品化合物などが挙げられる。
前記医薬化合物を含有する前記PLGA微粒子は、例えば、医薬に好適に用いることができる。
前記機能性食品化合物を含有する前記PLGA微粒子は、例えば、食品に好適に用いることができる。
前記機能性化粧品化合物を含有する前記PLGA微粒子は、例えば、化粧品に好適に用いることができる。
【0024】
<<医薬>>
前記医薬は、前記医薬化合物を含有し、更に必要に応じて、分散剤、添加剤などのその他の成分を含有する。
【0025】
前記医薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、他の固形の剤形等;鼻内用乃至肺投与用のエアロゾル等;注射用剤、眼内用剤、耳内用剤、経口用剤等の液剤などが挙げられる。
また、前記PLGA微粒子においては、例えば、分散剤、添加剤等を含有することにより、機能性を付与した機能性微粒子や医薬組成物として製造することができる。
【0026】
前記機能性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、即時放出性微粒子、徐放性微粒子、pH依存放出性微粒子、pH非依存放出性微粒子、腸溶性コーティング微粒子、放出制御コーティング微粒子、ナノ結晶含有微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記医薬組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大腸デリバリー製剤、リピッドマイクロスフェア製剤、ドライエマルション製剤、自己乳化型製剤、ドライシロップ、経鼻投与用粉末製剤、経肺投与用粉末製剤、ワックスマトリックス製剤、ハイドロゲル製剤、高分子ミセル製剤、粘膜付着型製剤、胃内浮遊製剤、リポソーム製剤、固体分散体製剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記医薬としては、医薬組成物であってもよいし、原薬であってもよい。
【0028】
<<医薬化合物>>
前記医薬に使用される医薬化合物は、前記機能性微粒子や前記医薬組成物の形態を達成するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水難溶性化合物などが挙げられる。
前記水難溶性化合物とは、水/オクタノール分配係数のlogP値が3以上である化合物を意味する。前記水/オクタノール分配係数は、JIS Z 7260−107(2000)フラスコ振とう法に準拠して測定することができる。
また、前記医薬化合物には、医薬として有効である限り、塩、水和物等のいずれの形態も包含される。
【0029】
前記水難溶性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ノルフロキサシン、タモキシフェン、シクロスポリン、グリベンクラミド、トログリタゾン、ニフェジピン、フェナセチン、フェニトイン、ジギトキシン、ニルバジピン、ジアゼパム、クロラムフェニコール、インドメタシン、ニモジピン、ジヒドロエルゴトキシン、コルチゾン、デキサメタゾン、ナプロキセン、ツルブテロール、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、プランルカスト、トラニラスト、ロラチジン、タクロリムス、アンプレナビル、ベクサロテン、カルシトロール、クロファジミン、ジゴキシン、ドキセルカルシフェロール、ドロナビノール、エトポジド、イソトレチノイン、ロピナビル、リトナビル、プロゲステロン、サキナビル、シロリムス、トレチノイン、バルプロ酸、アムホテリシン、フェノルドパム、メルファラン、パリカルシトール、プロポフォル、ボリコナゾール、ジプラシドン、ドセタキセル、ハロペリドール、ロラゼパム、テニポジド、テストステロン、バルルビシンなどが挙げられる。これらの中でも、シクロスポリンが好ましい。
【0030】
<<機能性食品化合物>>
前記機能性食品化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、リポ酸、フラボノイド、脂肪酸(例えば、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸等)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
<<食品>>
前記食品は、前記機能性食品化合物を含有し、更に必要に応じて、分散剤、添加剤などのその他の成分を含有する。
【0032】
前記食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康食品や栄養補助食品などが挙げられる。
【0033】
<<機能性化粧品化合物>>
前記機能性化粧品化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール類、脂肪アルコール類、及びポリオール類、アルデヒド類、アルカノールアミン類、アルコキシル化アルコール類(例えば、アルコール類、脂肪アルコール類等のポリエチレングリコール誘導体類)、アルコキシル化アミド類、アルコキシル化アミン類、アルコキシル化カルボン酸類、塩を含むアミド類(例えば、セラミド類等)、アミン類、塩及びアルキル置換誘導体類を含むアミノ酸、エステル類、アルキル置換及びアシル誘導体類、ポリアクリル酸類、アクリルアミドコポリマー類、アジピン酸コポリマー水、アミノシリコーン類、生物学的ポリマー類及びその誘導体、ブチレンコポリマー類、炭水化物(例えば、ポリサッカライド類、キトサン、その誘導体類等)、カルボン酸類、カーボマー類、エステル類、エーテル類、及びポリマーエーテル類(例えば、PEG誘導体類、PPG誘導体類等)、グリセリルエステル類及びその誘導体、ハロゲン化合物類、塩を含むヘテロ環化合物類、親水性コロイド類並びに塩及びゴムを含む誘導体類(例えば、セルロース誘導体類、ゼラチン、キサンタンガム、天然ゴム類等)、イミダゾリン類、無機物質(粘土、TiO
2、ZnO等)、ケトン類(例えば、樟脳等)、イセチオネート類、ラノリン及びその誘導体類、有機塩類、塩を含むフェノール類(例えば、パラベン類等)、燐化合物類(例えば、リン酸誘導体類等)、ポリアクリレート類及びアクリレートコポリマー類、タンパク質及び酵素誘導体類(例えば、コラーゲン等)、塩を含む合成ポリマー類、シロキサン類及びシラン類、ソルビタン誘導体類、ステロール類、スルホン酸類及びその誘導体類、ワックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
<<化粧品>>
前記化粧品としては、機能性化粧品化合物を含有し、更に必要に応じて、分散剤、添加剤などのその他の成分を含有する。
【0035】
前記化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スキンケア化粧品、メークアップ化粧品、ヘアケア化粧品、ボディケア化粧品、フレグランス化粧品などが挙げられる。
前記スキンケア化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メーク落とし用クレンジング組成物、洗顔料、乳液、化粧水、美容液、皮膚保湿剤、パック剤、ひげそり用化粧料(例えば、シェーブフォーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション等)などが挙げられる。
前記メークアップ化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ファンデーション、口紅及びマスカラ等が挙げられる。
前記ヘアケア化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、整髪料(例えば、ヘアジェル、ヘアセットローション、ヘアリキッド、ヘアミスト等)などが挙げられる。
前記ボディケア化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボディソープ、日焼け止め化粧料、マッサージクリームなどが挙げられる。
前記フレグランス化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、香水(例えば、パフューム、パルファム等)、オードパルファム(例えば、パフュームコロン等)、オードトワレ(例えば、パフュームドトワレ、パルファンドトワレ等)、オーデコロン(例えば、コロン、フレッシュコロン等)などが挙げられる。
【0036】
前記PLGA微粒子における前記生理活性物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上95質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましい。
【0037】
<分散剤>
前記分散剤は、前記生理活性物質の分散に好適に用いることができる。
前記分散剤としては、低分子量の分散剤であってもよいし、高分子量の分散剤ポリマーであってもよい。
前記低分子量の分散剤とは、重量平均分子量が15,000未満の化合物を意味し、高分子量の分散剤ポリマーとは、1つ以上のモノマーの間に繰り返しの共有結合を含み、重量平均分子量が15,000以上の化合物を意味する。
【0038】
前記低分子量の分散剤としては、医薬等の生理活性物質として許容されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂質類、糖類、シクロデキストリン類、アミノ酸類、有機酸類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記脂質類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中鎖又は長鎖のモノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリド、リン脂質、植物油(例えば、大豆油、アボカド油、スクアレン油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、ナタネ油、サフラワー油、ヒマワリ油等)、魚油、調味油、水不溶性ビタミン、脂肪酸、及びこれらの混合物を含み、これらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコース、マンノース、イドース、ガラクトース、フコース、リボース、キシロース、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラフィノース、マルトトリオース、アカルボース、水溶性セルロース、合成セルロース、又は糖アルコール、例えば、グリセリン、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、若しくはポリオール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、従来、医薬に使用できるものが好ましい。
前記その他の成分としては、例えば、賦形剤、矯味剤、崩壊剤、流動化剤、吸着剤、滑沢剤、矯臭剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、湿潤剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
(PLGA微粒子の製造方法)
本発明のPLGA微粒子の製造方法は、粒子形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記PLGA微粒子の製造方法は、本発明の前記PLGA微粒子を製造する方法として好適である。
【0043】
前記PLGA微粒子の製造方法は、良溶媒と貧溶媒との表面張力差を用いた相互拡散による球形化手段である水中エマルジョン溶媒拡散法(EDS法)に分類される方法である。
PLGAを用いた前記EDA法では、PLGAを溶解させた溶液を、PLGAの貧溶媒である水、もしくは、水性有機溶剤中に投入し、相互に接触させることで、PLGAを含んだ溶液が拡散され、PLGAが貧溶媒と接触することによって、結晶化して球形微粒子が得られる。
【0044】
<粒子形成工程>
前記粒子形成工程は、PLGA溶液を、1つ以上の吐出孔から、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)の貧溶媒である液中に吐出し、PLGA微粒子を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液流動処理、液循環処理を含むことが好ましい。
【0045】
<<PLGA溶液>>
前記PLGA溶液としては、PLGAが前記PLGAの良溶媒に溶解している溶液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記PLGA溶液は、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を前記PLGAの良溶媒に溶解させて得られる。
前記良溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ケトン、エーテル、アセトニトリルなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、炭素数1〜4のアルコールなどが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、炭素数3〜6のケトンなどが挙げられる。前記炭素数3〜6のケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、炭素数2〜6のエーテルなどが挙げられる。前記炭素数2〜6のエーテルとしては、例えば、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種類単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、アルコールとケトンとを併用した溶媒が好ましく、エタノールとアセトンとを併用した溶媒がより好ましい。
【0046】
ここで、本発明において、「良溶媒」とは、前記PLGAの溶解度が大きい溶媒を意味する。「貧溶媒」とは、前記PLGAの溶解度が小さい溶媒又は前記PLGAを溶解しない溶媒を意味する。
例えば「良溶媒」及び「貧溶媒」は、温度25℃における溶媒100gに溶解し得る前記PLGAの質量で規定することができる。本発明においては、「良溶媒」は、前記PLGAを0.1g以上溶解し得る溶媒であることが好ましい。一方、「貧溶媒」は、前記PLGAを0.05g以下しか溶解し得ない溶媒であることが好ましい。
【0047】
前記PLGA溶液中の前記PLGAの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトンとエタノールとの混合溶媒を用いた時の濃度(含有量)として、5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。前記濃度が、5.0質量%以下であると、凝集が生じて粒度分布が悪くなることを防ぐことができる。
なお、前記PLGA溶液中の前記PLGAの含有量を調整することによって、製造されるPLGA微粒子の粒子径をある程度制御することができる。
【0048】
<<吐出孔>>
前記吐出孔としては、1.0mm未満の内径の孔を有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記内径は、1.0μm以上1.0mm未満が好ましい。
前記孔が真円でない場合には、前記孔は、直径1.0mm未満の真円に相当する面積を有していればよい。
【0049】
前記吐出孔は、前記貧溶媒中に入っていてもよいし、入っていなくてもよいが、入っていることが、前記吐出孔における前記PLGA溶液の乾燥を防止し、前記吐出孔における前記PLGA溶液の乾燥による吐出不良を防止できる点で好ましい。言い換えれば、前記吐出孔は、前記貧溶媒と接触していることが好ましい。
前記貧溶媒中に、前記吐出孔を入れる距離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜10mmが好ましく、2.0mm〜5.0mmがより好ましい。言い換えれば、前記吐出孔を、前記貧溶媒に1.0mm〜10mm没入させることが好ましく、2.0mm〜5.0mm没入させることがより好ましい。
【0050】
<<<溶液吐出手段>>>
前記吐出孔は、例えば、溶液吐出手段に形成されている。
前記溶液吐出手段としては、例えば、以下の手段などが挙げられる。
(i)インクジェットノズルのような、平面板上に空いている孔から溶液に圧力をかけて吐出する平面板ノズル吐出手段
(ii)SPG膜のような不定形な形状に空いている孔から溶液に圧力をかけて吐出させる吐出手段
(iii)溶液に振動を付与して、液滴として孔から吐出する吐出手段
【0051】
上記(iii)の吐出手段としては、例えば、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段などが挙げられる。さらに、同時に溶液に圧力をかけて吐出しても良く、これらの手段を組み合わせてもよい。
前記膜振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2008−292976号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
前記レイリー分裂タイプ吐出手段としては、例えば、特許第4647506号号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
前記液振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2010−102195号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
その中でも、液柱共鳴法を利用した液柱共鳴タイプ吐出手段に圧力を加える手段がより好ましい。
【0052】
前記液柱共鳴法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液柱共鳴液室内に収容されたPLGA溶液に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、前記定在波の腹となる領域に前記定在波の振幅方向に形成された前記吐出孔から前記PLGA溶液を吐出することなどが挙げられる。
前記液柱共鳴法としては、液柱共鳴液滴吐出手段により好適に行うことができる。
【0053】
<<貧溶媒>>
前記貧溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水が好ましい。また、作製したPLGA微粒子の安定性を更に確保するために、前記貧溶媒には安定剤が含有されていてもよい。
【0054】
前記安定剤としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)が好ましい。また、添加する安定剤の濃度は5質量%以下であることが好ましい。
【0055】
前記貧溶媒である液としては、例えば、PVA水溶液などが挙げられる。
【0056】
<<液流動処理>>
前記液流動処理としては、前記PLGA溶液が前記貧溶媒である前記液中に吐出される際に、前記液を流動させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液の流速は、0.3m/s以上が好ましく、1.0m/sがより好ましい。
前記液流動処理を行うことにより、前記PLGA微粒子の合着を抑制することができる。
【0057】
前記液を流動させる液流動手段としては、例えば、前記液を撹拌する撹拌部材などが挙げられる。前記撹拌部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、撹拌翼などが挙げられる。
【0058】
<<液循環処理>>
前記粒子形成工程においては、循環されている前記液中に、前記PLGA溶液を、前記吐出孔から前記液中に吐出することが、PLGA微粒子同士の合着を防止する点で好ましい。
そのために、前記液を循環させる液循環処理をすることが好ましい。
前記液循環処理では、例えば、前記液について、循環部材としてのポンプを用いて、循環経路を有する貧溶媒収容部材内を循環させる。
【0059】
<<<良溶媒除去処理>>>
前記液を循環させる場合には、前記液に前記PLGAの前記良溶媒が蓄積される。前記液において前記良溶媒が蓄積されると、PLGA微粒子同士の合着が発生しやすくなる。その点において、循環されている前記液に含まれる前記良溶媒を前記液から除去する良溶媒除去処理を行うことが好ましい。
前記良溶媒除去処理としては、前記液からは前記良溶媒を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液を加熱すること及び前記液を減圧させることの少なくともいずれかにより、前記良溶媒を蒸発させて前記液から除去する方法などが挙げられる。
【0060】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、良溶媒除去工程、ろ過滅菌工程などが挙げられる。
【0061】
<<良溶媒除去工程>>
前記良溶媒除去工程は、作製したPLGA微粒子から良溶媒を取り出す工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記PLGA微粒子を含んだ液を減圧処理にかけることで、前記PLGAの前記良溶媒のみを揮発させて、前記PLGA微粒子を含んだ懸濁液を得る方法などが挙げられる。
【0062】
<<ろ過滅菌工程>>
前記ろ過滅菌工程としては、前記良溶媒除去工程後の懸濁液を、滅菌フィルターにてろ過を行う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ろ過に供される前記懸濁液は、前記貧溶媒により希釈してもよいし、希釈しなくてもよい。
ろ過を行う前には、前記懸濁液に超音波を印加することが好ましい。そうすることで、前記懸濁液中の前記PLGA微粒子の凝集が解消され、前記PLGA微粒子がフィルターを通過しやすくなる。
【0063】
前記滅菌フィルターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイロンメンブレンフィルターなどが挙げられる。
前記滅菌フィルターのろ過精度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜0.45μmが好ましい。
前記滅菌フィルターは市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、LifeASSUR
TM ナイロンメンブレンフィルターカートリッジ(ろ過精度、0.1μm)などが挙げられる。
【0064】
(PLGA微粒子の製造装置)
本発明のPLGA微粒子の製造装置は、PLGA溶液収容器と、溶液吐出手段とを少なくとも有し、好ましくは貧溶媒収容部材、液流動手段を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
【0065】
本発明の前記PLGA微粒子の製造装置について以下に説明するが、本発明の前記PLGA微粒子の製造方法において説明した用語と同じ用語は、以下において詳細な説明がない場合、本発明の前記PLGA微粒子の製造方法において説明した用語と同じ意味を有し、その用語の例示、及び好ましい態様は、前記PLGA微粒子の製造方法において説明した例示、及び好ましい態様がそれぞれ挙げられる。
【0066】
<PLGA溶液収容器>
前記PLGA溶液収容器としては、PLGA溶液を収容する容器である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、可とう性があってもよいし、可とう性がなくてもよい。
前記PLGA溶液収容器の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記PLGA溶液収容器は、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
前記PLGA溶液収容器の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記PLGA溶液収容器は、密閉容器であってもよいし、非密閉容器であってもよい。
【0067】
前記PLGA溶液において、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)は、前記PLGAの良溶媒に溶解している。
【0068】
<溶液吐出手段>
前記溶液吐出手段としては、1.0mm未満の内径の孔を有する1つ以上の吐出孔を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記溶液吐出手段は、前記PLGA溶液収容器と接続されている。前記溶液吐出手段と、前記PLGA溶液収容器とを接続する方法としては、前記PLGA溶液収容器から前記溶液吐出手段に前記PLGA溶液を供給しうる限り、前記特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、管(パイプ、チューブ等)などが挙げられる。
【0069】
前記溶液吐出手段は、前記PLGA溶液に振動を付与する振動付与部材を有することが好ましい。
【0070】
<貧溶媒収容部材>
前記貧溶媒収容部材としては、前記PLGAの貧溶媒である液を収容する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、可とう性があってもよいし、可とう性がなくてもよい。
前記貧溶媒収容部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記貧溶媒収容部材は、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
【0071】
前記貧溶媒収容部材中の前記貧溶媒は、前記PLGA微粒子を製造する際には、撹拌されていてもよいし、撹拌されていなくてもよいが、撹拌されていることが好ましい。
【0072】
前記溶液吐出手段の前記吐出孔は、前記貧溶媒収容部材中の前記貧溶媒中に入っていてもよいし、入っていなくてもよいが、入っていることが、前記吐出孔における前記PLGA溶液の乾燥を防止し、前記吐出孔における前記PLGA溶液の乾燥による吐出不良を防止できる点で好ましい。言い換えれば、前記溶液吐出手段の前記吐出孔は、前記貧溶媒収容部材中の前記貧溶媒と接触していることが好ましい。
前記貧溶媒収容部材中の前記貧溶媒中に、前記溶液吐出手段の前記吐出孔を入れる距離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜10mmが好ましく、2.0mm〜5.0mmがより好ましい。言い換えれば、前記溶液吐出手段の前記吐出孔を、前記貧溶媒収容部材中の前記貧溶媒に1.0mm〜10mm没入させることが好ましく、2.0mm〜5.0mm没入させることがより好ましい。
【0073】
前記貧溶媒収容部材は、前記液を循環可能な循環経路を有することが好ましい。前記液を循環可能な循環経路としては、例えば、配管のみから構成される循環経路であってもよいし、配管と、タンクとを有する循環経路であってもよい。
【0074】
<<良溶媒除去部材>>
前記液を循環させる場合には、前記液に前記PLGAの前記良溶媒が蓄積される。前記液において前記良溶媒が蓄積されると、PLGA微粒子同士の合着が発生しやすくなる。その点において、循環されている前記液に含まれる前記良溶媒を前記液から除去する良溶媒除去部材を有することが好ましい。
前記良溶媒除去部材としては、前記液からは前記良溶媒を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液を加熱する加熱部、前記液を減圧する減圧部などが挙げられる。前記加熱部及び前記減圧部の少なくともいずれかを用いると、前記良溶媒を蒸発させて前記液から除去することができる。
【0075】
<液流動手段>
前記液流動手段としては、前記貧溶媒収容部材内の前記貧溶媒である前記液を流動させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液を撹拌する撹拌部材などが挙げられる。
【0076】
前記液流動手段を用いることにより、前記PLGA微粒子の合着を抑制することができる。
【0077】
本発明の前記PLGA微粒子、並びに本発明の前記PLGA微粒子の製造方法、又は前記PLGA微粒子の製造装置により得られたPLGA微粒子は、ろ過滅菌に適したPLGA微粒子である。
前記ろ過滅菌とは、被滅菌物に存在する微生物などの菌をろ過によって除去する方法で、通常0.1μm径のメンブレンフィルターを用いる。そのため、200nm以上の粒子径を有するPLGAナノ粒子は、ろ過滅菌用フィルターを十分に通過する事ができない。
【0078】
前記溶液吐出手段の一態様である前記液柱共鳴液滴吐出手段について以下に説明する。
図1は、液柱共鳴液滴吐出手段11の概略断面図である。液柱共鳴液滴吐出手段11は、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を有する。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出孔19と、吐出孔19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有する。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続している。
【0079】
PLGA溶液14は、図示されない液循環ポンプにより液供給管を通って、液柱共鳴液滴形成ユニットの液共通供給路17内に流入し、液柱共鳴液滴吐出手段11の液柱共鳴液室18に供給される。そして、PLGA溶液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、液柱共鳴定在波において振幅の大きな部分であって圧力変動が大きい、定在波の腹となる領域に配置されている吐出孔19から液滴21が吐出される。この液柱共鳴による定在波の腹となる領域は、定在波の節以外の領域であり、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域が好ましく、圧力定在波の振幅が極大になる位置(速度定在波としての節)から極小になる位置に向かって±1/4波長の領域がより好ましい。
【0080】
定在波の腹になる領域であれば、吐出孔が複数で開口されていても、それぞれからほぼ均一な液滴を形成することができ、更には効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出孔の詰まりも生じ難くなる。なお、液共通供給路17を通過したPLGA溶液14は図示されない液戻り管を流れてPLGA溶液14に戻される。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内のPLGA溶液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給されるPLGA溶液14の流量が増加する。そして、液柱共鳴液室18内にPLGA溶液14が補充される。そして、液柱共鳴液室18内にPLGA溶液14が補充されると、液共通供給路17を通過するPLGA溶液14の流量が元に戻る。
【0081】
液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室18は、金属、セラミックス、シリコーンなどの駆動周波数において液体の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ材質により形成されるフレームがそれぞれ接合されて形成されている。また、
図1に示すように、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLは、液柱共鳴原理に基づいて決定される。更に、液柱共鳴液室18は、生産性を飛躍的に向上させるために1つの液滴形成ユニットに対して複数配置されていることが好ましい。液柱共鳴液室18の数としては、特に制限はなく、1個以上2,000個以下が好ましい。また、液柱共鳴液室毎に、液供給のための流路が液共通供給路17から連通接続されており、液共通供給路17には複数の液柱共鳴液室18と連通している。
【0082】
また、液柱共鳴液滴吐出手段11における振動発生手段20は所定の周波数で駆動できるものであれば特に制限はないが、圧電体を弾性板9に貼りあわせた形態が好ましい。前記周波数としては、生産性の点から、150kHz以上が好ましく、300kHz以上500kHz以下がより好ましい。前記弾性板は、圧電体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を構成している。前記圧電体は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスなどが挙げられ、一般に変位量が小さいため積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電ポリマーや、水晶、LiNbO
3、LiTaO
3、KNbO
3等の単結晶などが挙げられる。更に、振動発生手段20は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されていることが好ましい。また、上記の1つの材質のブロック状の振動部材を液柱共鳴液室の配置にあわせて、一部切断し、弾性板を介してそれぞれの液柱共鳴液室を個別制御できるような構成が好ましい。
【0083】
さらに、吐出孔19の開口を多数設けることができ、生産効率が高くなる点から、吐出孔19を液柱共鳴液室18内の幅方向に設ける構成を採用することが好ましい。また、吐出孔19の開口配置によって液柱共鳴周波数が変動するため、液柱共鳴周波数は液滴の吐出を確認して適宜決定することが望ましい。
【0084】
液柱共鳴における液滴形成のメカニズムについては、例えば、特開2011−194675号公報の段落〔0011〕〜〔0020〕を参照されたい。
【0085】
次に、本発明のPLGA微粒子の製造装置の一例を、図を用いて説明する。
図2は、PLGA微粒子の製造装置の一例を示す概略図である。PLGA製造装置1は、主に、PLGA溶液収容器13、溶液吐出手段2、及び貧溶媒収容部材61を有する。溶液吐出手段2には、PLGA溶液14を収容するPLGA溶液収容器13と、PLGA溶液収容器13に収容されているPLGA溶液14を液供給管16を通して溶液吐出手段2に供給し、更に液戻り管22を通ってPLGA溶液収容器13に戻すために液供給管16内のPLGA溶液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結されており、PLGA溶液14を随時溶液吐出手段2に供給できる。
溶液吐出手段2は、例えば、
図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11を備えている。
【0086】
PLGA溶液14は、溶液吐出手段2から、貧溶媒収容部材61に収容された貧溶媒62中に液滴21として吐出される。
液滴21が貧溶媒62と接することにより、PLGA溶液が拡散され、PLGAが貧溶媒と接触することによって、結晶化して球形微粒子が得られる。
【0087】
次に、本発明のPLGA微粒子の製造装置の他の一例を、図を用いて説明する。
図3は、撹拌部材を備えるPLGA微粒子の製造装置の一例である。
図3のPLGA微粒子の製造装置は、ガラス容器である貧溶媒収容部材61内の貧溶媒62にPLGA溶液を吐出する場合の概略図である。溶液吐出手段2の吐出部は、貧溶媒62に浸漬された状態で、貧溶媒62にPLGA溶液を吐出する。
図3のPLGA微粒子の製造装置は、撹拌翼51を有する撹拌部材50を備える。撹拌翼51は、貧溶媒収容部材61内の貧溶媒62に浸っている。
溶液吐出手段2により貧溶媒62にPLGA溶液を吐出する際に、撹拌翼51を回転させ、貧溶媒61を撹拌することにより、液滴21から形成されるPLGA微粒子同士の合着を防ぐことができる。
【0088】
次に、本発明のPLGA微粒子の製造装置の更に他の一例を、図を用いて説明する。
PLGA溶液が貧溶媒に接することで形成されるPLGA微粒子同士の合着を防ぐ方法としては、溶液吐出手段の吐出部に貧溶媒の流れを付与することが最も好ましい。その点において、
図4A及び
図4Bの態様が好ましい。
図4Aは、溶液吐出手段の吐出部に貧溶媒の流れを付与できるPLGA微粒子の製造装置の一例の模式図である。
図4AのPLGA微粒子の製造装置は、溶液吐出手段2と、貧溶媒収容部材61と、撹拌部材50と、ポンプ31とを有する。
貧溶媒収容部材61は、液を循環可能な循環経路を有し、循環経路の途中には、貧溶媒収容部材61の一部としてのタンク63を備える。
図4Bは、
図4Aにおける溶液吐出手段2付近(破線部)の拡大図である。
タンク63内部に投入された貧溶媒62は、ポンプ31によって溶液吐出手段2を通り貧溶媒収容部材61内を循環される。その際、溶液吐出手段2の吐出孔からPLGA溶液が貧溶媒62中に吐出される。貧溶媒62である液に流れが付与されることにより液滴21により形成されるPLGA微粒子の合着が抑制される。溶液吐出手段2の吐出孔における貧溶媒62の流速は0.3m/s以上が好ましく、1.0m/sがより好ましい。
タンク63に撹拌翼51を有する撹拌部材50が備えられており、撹拌翼51により貧溶媒62である液を撹拌させることで、PLGA微粒子の合着がより抑制できる。
【0089】
次に、本発明のPLGA微粒子の製造装置の更に他の一例を、図を用いて説明する。
前記液中の前記良溶媒の量が増加すると、PLGA微粒子の合着が増え粒子径は粗大化しやすくなる。これを防止するには、前記液から前記良溶媒を除去し、前記液中の前記良溶媒の量を少なく維持することが好ましい。
図5は、良溶媒を除去する良溶媒除去部材を備えるPLGA微粒子の製造装置の一例の概略図である。
図5のPLGA微粒子の製造装置は、溶液吐出手段2と、貧溶媒収容部材61と、撹拌部材50と、ポンプ31と、良溶媒除去部材としての加熱部33及び減圧部36(真空ポンプ)とを有する。
溶液吐出手段2付近の構成は、
図4A及び
図4Bと同じである。
貧溶媒収容部材61は、液を循環可能な循環経路を有し、循環経路の途中には、貧溶媒収容部材61の一部としてのタンク63を備える。
タンク63内部に投入された貧溶媒62は、ポンプ31によって溶液吐出手段2を通り貧溶媒収容部材61内を循環される。その際、溶液吐出手段2の吐出孔からPLGA溶液が貧溶媒62中に吐出される。貧溶媒62である液に流れが付与されることにより液滴21により形成されるPLGA微粒子の合着が抑制される。
更に、タンク63に加熱部33及び減圧部36を備えることで、貧溶媒62である液中に含まれる良溶媒を除去できる。例えば、加熱部33により貧溶媒62である液を加熱しながら、減圧部36により前記液を減圧する。そうすると、貧溶媒よりも沸点が低い良溶媒は、蒸発する。蒸発した良溶媒は、凝縮器35により恐縮され、回収管37を通じて回収される。
【実施例】
【0090】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0091】
(実施例1)
<PLGA溶液作製>
乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA7510,和光純薬工業社製)が0.3質量%になるように、アセトンとエタノールの質量比が1:1の混合溶媒にスターラーを用いて溶解させ、PLGA溶液を得た。
また、ポリビニルアルコール(PVA,363170,Aldrich社製)0.15gをイオン交換水49.85gに溶解させて、PLGAの貧溶媒である0.3質量%PVA水溶液を作製し、
図3に示すガラス製の貧溶媒収容部材24内に投入した。
【0092】
<PLGA微粒子作製>
前記PLGA溶液を1g、
図1に示す液柱共鳴吐出手段を用いて、
図3に示す攪拌装置23の回転速度を200rpmとした前記貧溶媒(0.3質量%PVA水溶液)中に投入し、PLGAナノ粒子が形成された液を得た。この時、貧溶媒の温度は、25℃であった。
ノズル径 :8.0μm
送液圧力 :0.03MPa
溶液吐出手段:液柱共鳴
駆動周波数 :150kHz
圧電体への印加電圧 :5.0V
ノズルの貧溶媒への没入深さ :3.0mm
【0093】
<良溶媒除去>
次に、前記液を200rpmで撹拌しながら、−50kPa、24時間減圧処理によって良溶媒(アセトン及びエタノール)を除去して、PLGA微粒子が入った懸濁液(PLGA微粒子懸濁液)を得た。
【0094】
<粒度分布評価>
得られたPLGA微粒子懸濁液について、濃厚系アナライザー(「FPAR−1000」、大塚電子株式会社製)による動的光散乱法を用いて平均体積基準粒子径と(R.S.F)を測定した。結果を、表1に示す。また、粒度分布を、
図6に示す。
測定に供するPLGA微粒子懸濁液におけるPLGA微粒子の濃度を0.1質量%に調整した。1回あたりの積算時間は180秒とし、Contin法での平均体積基準粒子径(nm)を求めた。3回測定した値の平均値を本発明における平均体積基準粒子径(nm)とした。
なお、測定した平均体積基準粒子径と(R.S.F)とを下記の基準で評価した。
〔評価基準〕
平均体積基準粒子径
◎:平均体積基準粒子径が10nm以上、50nm以下
○:平均体積基準粒子径が50nmより大きく、80nm以下
×:平均体積基準粒子径が80nmより大きい
【0095】
(R.S.F)
◎:(R.S.F)が0より大きく1.00以下
○:(R.S.F)が1.00より大きく1.20以下
×:(R.S.F)が1.20より大きい
【0096】
<滅菌率評価>
作製したPLGA微粒子懸濁液を孔径0.1μm滅菌用ナイロンメンブレンフィルター(PSA,3M社製)を用いて、ろ過を行った。また、ろ過滅菌後のろ液を50℃の乾燥炉で十分に乾燥させたのち、残ったPLGAの重量を測定し、滅菌率を算出した。結果を表1に示す。
なお、滅菌率は下記の式で算出し、評価の基準とした。
〔算出式〕
滅菌率(%)=〔(ろ過後乾燥させたPLGAの重量)/(ろ過前の懸濁液中のPLGA重量)〕×100
〔評価基準〕
◎:滅菌率が90%以上
○:滅菌率が70%以上90%未満
×:滅菌率が70%未満
【0097】
(実施例2)
実施例1において、PLGA溶液のPLGA濃度を0.3質量%から1.0質量%に変更させ、ノズル径を8.0μmから50μmに変更させた以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0098】
(実施例3)
実施例1において、ノズル径を8.0μmから100μmに変更させた以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0099】
(実施例4)
実施例1において、ノズル径を8.0μmから500μmに変更させた以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0100】
(実施例5)
実施例1において、PLGA溶液中にシクロスポリン(商品名:Cyclosporin A、東京化成工業株式会社製)をPLGAの質量に対して5質量%の割合で添加したこと以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0101】
(実施例6)
実施例1において、溶液吐出手段を液柱共鳴法から、平面板ノズルから振動を付与せずに溶液を吐出させる方式に変更した以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0102】
(実施例7)
実施例6において、ノズル径を8.0μmから50μmに変更し、PLGA溶液のPLGA濃度を0.3質量%から1.0質量%に変更し、更にPLGA溶液中にシクロスポリン(商品名:Cyclosporin A、東京化成工業株式会社製)をPLGAの質量に対して5質量%の割合で添加した以外は、実施例6と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例6と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0103】
(実施例8)
実施例6において、装置を
図4A及び
図4Bに示す構成に変更した以外は、実施例6と同様にして、PLGA微粒子を得た。
具体的な装置構成は、タンク63は300mLの温水加熱可能なタンクを使用し、25℃温水を通液した。攪拌部材50はパドル式攪拌器を用い撹拌翼51を200rpmで回転させた。ポンプ31はニクニ製UODを使用し貧溶媒を送液した。溶液吐出手段2の吐出孔における貧溶媒の流速を測定したところ1.0m/sであった。
実施例6と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0104】
(実施例9)
実施例6において、装置を
図5に示す構成に変更した以外は、実施例6と同様にして、PLGA微粒子を得た。
具体的な装置構成は、タンク63は300mLの温水加熱可能なタンクを使用し、40℃温水を通液した。攪拌部材50はパドル式攪拌器を用い撹拌翼51を200rpmで回転させた。ポンプ31はニクニ製UODを使用し貧溶媒を送液した。溶液吐出手段2の吐出孔における貧溶媒の流速を測定したところ1.0m/sであった。凝縮器35はクロセ製KMSBを使用し、減圧部36としての真空ポンプは大阪空気機械製作所製CV−2Eを用い、運転した。運転中の貧溶媒の温度を計測した所25℃であった。貧溶媒である液中の良溶媒を除去しつつ、PLGA微粒子を作製した。
実施例6と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0105】
(比較例1)
実施例1において、溶液吐出手段を液柱共鳴法から内径1.0mmのテフロンチューブに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0106】
(比較例2)
比較例1において、PLGA溶液のPLGA濃度を0.3質量%から1.0質量%に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
比較例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0107】
(比較例3)
比較例2において、テフロンチューブの内径を1.0mmから2.5mmに変更したこと以外は、比較例2と同様にして、PLGA微粒子を得た。
比較例2と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0108】
(比較例4)
実施例1において、溶液吐出手段を液柱共鳴法から内径5.0mmのテフロンチューブに変更し、更に、PLGA溶液のPLGA濃度を0.3質量%から0.1質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PLGA微粒子を得た。
実施例1と同様の方法により、平均体積基準粒子径、(R.S.F)を測定し、滅菌率を評価した。結果を表1に示す。
【0109】
実施例と比較例の結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を含有し、
Relative Span Factor(R.S.F)が、下記式(1)を満たし、
平均体積基準粒子径が、80nm以下であることを特徴とするPLGA微粒子である。
0<(R.S.F)≦1.20 ・・式(1)
ここで、(R.S.F)は、(D90−D10)/D50で定義される。
D90は、累積粒度分布の小粒子側からの累積90体積%を表し、D50は、累積粒度分布の小粒子側からの累積50体積%を表し、D10は、累積粒度分布の小粒子側からの累積10体積%を表す。
<2> 前記平均体積基準粒子径が、10nm以上50nm以下である前記<1>に記載のPLGA微粒子である。
<3> 生理活性物質を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のPLGA微粒子である。
<4> 乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を前記PLGAの良溶媒に溶解させて得られるPLGA溶液を、1.0mm未満の内径の孔を有する1つ以上の吐出孔から前記PLGAの貧溶媒である液中に吐出し、PLGA微粒子を形成する粒子形成工程を含むことを特徴とするPLGA微粒子の製造方法である。
<5> 前記PLGA溶液に振動を付与し、前記PLGA溶液を、前記吐出孔から前記液中に吐出する前記<4>に記載のPLGA微粒子の製造方法である。
<6> 前記PLGA溶液が前記貧溶媒である前記液中に吐出される際に、前記液が流動させられている前記<4>から<5>のいずれかに記載のPLGA微粒子の製造方法である。
<7> 前記液の流速が、0.3m/s以上である前記<6>に記載のPLGA微粒子の製造方法である。
<8> 循環されている前記液中に、前記PLGA溶液を、前記吐出孔から前記液中に吐出する前記<4>から<5>のいずれかに記載のPLGA微粒子の製造方法である。
<9> 循環されている前記液に含まれる前記良溶媒を前記液から除去する良溶媒除去処理を含む前記<8>に記載のPLGA微粒子の製造方法である。
<10> 乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)が前記PLGAの良溶媒に溶解しているPLGA溶液を収容するPLGA溶液収容器と、
前記PLGA溶液収容器と接続され、1.0mm未満の内径の孔を有する1つ以上の吐出孔を有する溶液吐出手段と、
前記PLGAの貧溶媒である液を収容する貧溶媒収容部材と、を備えることを特徴とするPLGA微粒子の製造装置である。
<11> 前記溶液吐出手段が、前記PLGA溶液に振動を付与する振動付与部材を有する前記<10>に記載のPLGA微粒子の製造装置である。
<12> 前記液を流動させる液流動手段を有する前記<11>から<12>のいずれかに記載のPLGA微粒子の製造装置である。
<13> 前記貧溶媒収容部材が、前記液を循環可能な循環経路を有する前記<11>から<12>のいずれかに記載のPLGA微粒子の製造装置である。
<14> 循環されている前記液に含まれる前記良溶媒を除去する良溶媒除去部材を有する前記<13>に記載のPLGA微粒子の製造装置である。
【0112】
前記<1>から<3>に記載のPLGA微粒子、前記<4>から<9>に記載のPLGA微粒子の製造方法、及び前記<10>から<14>に記載のPLGA微粒子の製造装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。