特許第6959093号(P6959093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959093
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】出力回路及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   G05F1/56 320F
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-189997(P2017-189997)
(22)【出願日】2017年9月29日
(65)【公開番号】特開2019-67027(P2019-67027A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 輝男
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−250650(JP,A)
【文献】 特開平03−242942(JP,A)
【文献】 米国特許第06160490(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力ノードに生じる出力電圧のレベルに応じた大きさの出力電流を前記出力ノードから出力する出力部と、
前記出力ノードに一端が接続された抵抗素子と、
前記抵抗素子に並列接続されたスイッチと、
前記スイッチのオンオフ状態を制御する制御部と、
を含み、
前記抵抗素子は、トランジスタを含んで構成されている
出力回路。
【請求項2】
出力ノードに生じる出力電圧のレベルに応じた大きさの出力電流を前記出力ノードから出力する出力部と、
前記出力ノードに一端が接続された抵抗素子と、
前記抵抗素子に並列接続されたスイッチと、
前記スイッチのオンオフ状態を制御する制御部と、
を含み、
前記抵抗素子は、第1のトランジスタを含んで構成され、
前記スイッチは、前記第1のトランジスタよりもオン抵抗が小さい第2のトランジスタを含んで構成されている
出力回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記出力部の起動時に前記スイッチをオフ状態に制御し、前記出力部の起動後に前記出力電圧のレベルが所定のレベルとなった場合に前記スイッチをオン状態に制御する
請求項1又は請求項2に記載の出力回路。
【請求項4】
前記スイッチは、トランジスタを含んで構成されている
請求項1に記載の出力回路。
【請求項5】
前記出力部は、前記出力電圧または前記出力電圧に応じた電圧が反転入力端子に入力され、基準電圧または前記基準電圧に応じた電圧が非反転入力端子に入力された差動増幅回路を含んで構成されている
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の出力回路が、半導体基板上に形成された半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源投入時に出力回路から出力される突入電流を抑制する技術として、以下の技術が知られている。例えば、特許文献1には、出力電圧を分圧した帰還電圧を第1の入力端子に入力するとともに基準電圧を第2の入力端子に入力して帰還電圧と基準電圧との差分を第1の誤差電圧として出力する第1の誤差増幅器と、基準電圧の電圧源と第1の誤差増幅器の第2の入力端子との間に接続された抵抗およびコンデンサからなるローパスフィルタと、抵抗に発生する電位差を検出して第2の誤差電圧を出力する第2の誤差増幅器と、第1の誤差増幅器から出力される第1の誤差電圧と第2の誤差増幅器から出力される第2の誤差電圧を入力して出力電圧を制御する出力トランジスタと、を備えた電圧レギュレータ回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−235621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出力ノードから出力される出力電圧が反転入力端子に入力され、基準電圧が非反転入力端子に入力された差動増幅器を含んで構成される出力回路においては、電源投入時における突入電流が問題となる。例えば、出力回路の出力端子に負荷容量が接続される場合、負荷容量が充電されるまでの間、差動増幅器の反転入力端子と非反転入力端子との電位差が大きくなるので、突入電流が過大となりやすい。また、出力回路の出力端子に接続される負荷回路の動作が、電源投入時に一時的に不安定になることによっても突入電流が過大となる場合がある。
【0005】
通常、電源は最大電流値に応じた電流容量のものを用意する必要があることから、突入電流が過大となる場合、大容量の電源が要求される。例えば、定常時における出力電流が100mAでも、突入電流が例えば1Aとなる場合、1Aの電流を出力できる電源が要求される。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、出力回路における突入電流を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る出力回路は、出力ノードに生じる出力電圧のレベルに応じた大きさの出力電流を前記出力ノードから出力する出力部と、前記出力ノードに一端が接続された抵抗素子と、前記抵抗素子に並列接続されたスイッチと、前記スイッチのオンオフ状態を制御する制御部と、を含む。前記抵抗素子は、トランジスタを含んで構成されている。本発明の他の出力回路において、前記抵抗素子は、第1のトランジスタを含んで構成され、前記スイッチは、前記第1のトランジスタよりもオン抵抗が小さい第2のトランジスタを含んで構成されている。
本発明に係る半導体装置は、上記の出力回路を半導体基板上に形成したものとして構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、出力回路における突入電流を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る出力回路の構成を示す回路図である。
図2】本発明の実施形態に係る出力回路の電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示す図である。
図3】比較例に係る出力回路1の構成を示す回路図である。
図4】比較例に係る出力回路の電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示す図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る出力回路の構成を示す回路図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る出力回路の構成を示す回路図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る出力回路の電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示す図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る出力回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符号を付している。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る出力回路1の構成を示す回路図である。なお、図1には、出力回路1を駆動するための電源101、出力回路1の出力端子53に接続される負荷容量103及び回路ブロック104が、出力回路1とともに示されている。
【0012】
出力回路1は、出力部10、抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40を含んで構成されている。また、出力回路1は、電源入力端子51、グランド端子52及び出力端子53を有する。
【0013】
電源入力端子51は、電源スイッチ102を介して電源101の正極に接続されている。電源101は、出力回路1を駆動するための電源電圧VCCを発生させる。グランド端子52は、グランドラインに接続されている。
【0014】
出力部10は、出力ノードn1に生じる出力電圧VOUTのレベルに応じた大きさの出力電流IOUTを出力ノードn1から出力する回路ブロックであり、差動増幅器11及び出力トランジスタ12を含んで構成されている。
【0015】
差動増幅器11の非反転入力端子は、基準電圧VREFを出力する基準電圧源13に接続されている。基準電圧源13は、例えばバンドギャップ回路を含んで構成されていてもよい。差動増幅器11の反転入力端子は、出力ノードn1に接続されている。差動増幅器11の出力端は、出力トランジスタ12のゲートに接続されている。出力トランジスタ12のドレインは、電源電圧VCCが供給される電源ラインに接続され、出力トランジスタ12のソースは、出力ノードn1に接続されている。
【0016】
差動増幅器11は、反転入力端子に入力される出力電圧VOUTのレベルが、非反転入力端子に入力される基準電圧VREFのレベルに一致するように、出力トランジスタ12を駆動する。その結果、出力トランジスタ12は、出力電圧VOUTと基準電圧VREFとの差分(誤差入力ともいう)に応じた大きさの出力電流IOUTを出力する。
【0017】
抵抗素子20は、一端が出力ノードn1に接続され、他端が出力端子53に接続されている。バイパススイッチ30は、一端が出力ノードn1に接続され、他端が出力端子53に接続されている。すなわち、バイパススイッチ30は、抵抗素子20に並列接続されている。バイパススイッチ30は、例えば、リレーで構成されていてもよいし、トランジスタで構成されていてもよい。
【0018】
制御部40は、バイパススイッチ30のオンオフ状態を制御する。すなわち、制御部40は、出力回路1に電源電圧VCCが投入されてから出力電圧VOUTが安定化するまで間、バイパススイッチ30をオフ状態に制御し、出力電圧VOUTが安定化した後にバイパススイッチ30をオン状態に制御する。
【0019】
本実施形態において、制御部40は、発振器41とカウンタ42を含んで構成されている。発振器41は、電源投入後、出力ノードn1に生じる出力電圧VOUTのレベルが所定のレベルとなった場合に、リセット状態が解除され、複数のパルスを一定の間隔で連続的に出力する。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスの数をカウントする。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスのカウント値が所定値に達した場合に、バイパススイッチ30をオン状態とする制御信号Sを出力し、これをバイパススイッチ30に供給する。バイパススイッチ30は、制御信号Sに応じてオン状態となる。
【0020】
バイパススイッチ30がオフ状態の場合、出力部10から出力される出力電流IOUTは、抵抗素子20を経由して負荷容量103及び回路ブロック104に供給される。一方、バイパススイッチ30がオン状態の場合、抵抗素子20の両端がバイパススイッチによって短絡され、出力部10から出力される出力電流IOUTの大部分は、バイパススイッチ30を経由して負荷容量103及び回路ブロック104に供給される。
【0021】
出力回路1は、出力部10、抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40が、半導体基板上に形成された集積回路の形態で実現されてもよく、また、上記の各構成要素がプリント基板上に搭載された形態で実現されてもよい。
【0022】
以下に、出力回路1の動作について説明する。図2は、出力回路1の動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。
【0023】
初期状態において、電源スイッチ102及びバイパススイッチ30は、それぞれオフ状態とされている。電源スイッチ102がオン状態とされ、出力回路1に電源電圧VCCが投入されると、基準電圧VREFが立ち上がる。差動増幅器11は、反転入力端子に入力される出力電圧VOUTのレベルが、非反転入力端子に入力される基準電圧VREFのレベルに一致するように、出力トランジスタ12を駆動する。出力回路1の出力端子53には、負荷容量103及び回路ブロック104が接続されているため、出力電圧VOUTは、基準電圧VREFよりも緩やかに立ち上がる。従って、差動増幅器11における誤差入力(VREF−VOUT)は、電源電圧VCCの投入直後に最大となる。出力トランジスタ12は、誤差入力に応じた大きさの出力電流IOUTを出力するので、電源電圧VCCの投入直後において、出力電流IOUTの大きさは最大となり、定常状態における出力電流IOUTの大きさよりも大きくなる。
【0024】
しかしながら、電源電圧VCCの投入直後においては、バイパススイッチ30はオフ状態とされているので、出力電流IOUTは、抵抗素子20を経由して出力端子53から出力される。従って、電源電圧VCCの投入直後における出力電流IOUT(突入電流)を抑制することができる。抵抗素子20の抵抗値をRとすると、突入電流の電流値をVOUT/R以下に抑えることができる。
【0025】
出力電圧VOUTのレベルが上昇するに従って、誤差入力(VREF−VOUT)は小さくなり、これに伴って出力電流IOUTも小さくなる。その後、出力電圧VOUTのレベルが、所定のレベルVに達すると、制御部40の発振器41のリセット状態が解除され、発振器41は、複数のパルスを一定の間隔で連続的に出力する。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスの数のカウント値が所定値に達すると、バイパススイッチ30をオン状態とする制御信号Sを出力し、これをバイパススイッチ30に供給する。バイパススイッチ30は、制御信号Sに応じてオン状態となる。すなわち、出力電圧VOUTのレベルがVに達してから遅延時間Tが経過した後、バイパススイッチ30はオン状態に移行する。遅延時間Tを設けることで、出力電圧VOUTがほぼ安定した段階でバイパススイッチ30をオン状態に移行させることができる。
【0026】
バイパススイッチ30がオン状態となることで、出力電流IOUTの経路は、抵抗素子20を経由する経路から抵抗値が抵抗素子20よりも小さいバイパススイッチ30を経由する経路に切り替わる。出力電流IOUTは、経路の切り替わりに応じて一端増加するものの、その後減少に転じ安定化する。このように、出力電圧VOUTの安定化後においては、出力電流IOUTの経路をより抵抗値の小さいバイパススイッチ30を経由する経路に切り替えることで、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。これにより、負荷変動に伴う出力端子53から出力される電圧の変動を抑制し、また損失を小さくすることができる。
【0027】
図3は、比較例に係る出力回路1Xの構成を示す回路図である。比較例に係る出力回路1Xは、本発明の実施形態に係る出力回路1が備える抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40を備えていない。すなわち、比較例に係る出力回路1Xにおいて、出力ノードn1は、出力端子53に直接接続されており、出力電流IOUTの経路を切り替える手段を有していない。
【0028】
図4は、比較例に係る出力回路1Xの動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。比較例に係る出力回路1Xによれば、出力電流IOUTが流れる経路上に抵抗素子が設けられていないので、電源電圧VCCの投入直後において、出力電流IOUTが過大となり、過電流防止機能が作動する。その後、出力電流IOUTの電流値は、出力電圧VOUTのレベルの上昇に伴って小さくなり、出力電圧VOUTのレベルが安定化すると安定化する。このように、比較例に係る出力回路1Xによれば、電源投入直後における突入電流が過大となり、電源投入直後における出力電流IOUTの大きさと、出力電圧VOUTの安定化後における出力電流IOUTの大きさとの差が大きくなる。出力回路1を駆動する電源101は、最大電流値に応じた電流容量を有していることが求められることから、比較例に係る出力回路1Xによれば、電源101として、大容量の電源が要求される。
【0029】
一方、本発明の実施形態に係る出力回路1によれば、電源電圧VCCの投入後、出力電圧VOUTが安定化するまでの間、バイパススイッチ30はオフ状態に制御され、出力電流IOUTは、抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。従って、電源101の電流容量を小さくすることができる。また、出力電圧VOUTが安定化した後は、バイパススイッチ30はオン状態に制御され、出力電流IOUTはバイパススイッチ30を経由する経路を流れるので、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができ、突入電流を抑制したことに伴う性能低下を回避することができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る出力回路1Aの構成を示す回路図である。出力回路1Aは、バイパススイッチ30がnチャネル型のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)31によって構成されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。MOSFET31のオンオフは、制御部40から供給される制御信号Sによって制御される。例えば、制御信号Sの信号レベルをグランドレベルとすることで、MOSFET31をオフ状態とすることができ、制御信号Sの信号レベルをMOSFETの閾値電圧Vtのレベルよりも高いレベルにすることで、MOSFET31をオン状態とすることができる。
【0031】
出力回路1Aによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧VCCの投入後、出力電圧VOUTが安定化するまでの間、MOSFET31はオフ状態に制御され、出力電流IOUTは抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧VOUTが安定化した後は、MOSFET31はオン状態に制御され、出力電流IOUTの大部分は、MOSFET31を経由する経路を流れるので、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。また、バイパススイッチ30をMOSFET31によって構成することで、出力回路1Aを半導体基板上に形成することが可能となる。
【0032】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係る出力回路1Bの構成を示す回路図である。出力回路1Bは、バイパススイッチ30がnチャネル型のMOSFET31によって構成され、抵抗素子20がnチャネル型のMOSFET21によって構成されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。
【0033】
MOSFET31のオンオフは、制御部40から供給される制御信号SC1によって制御され、MOSFET21のオンオフは、制御部40から供給される制御信号SC2によって制御される。なお、抵抗素子20を構成するMOSFET21を常時オン状態とするように構成してもよい。
【0034】
バイパススイッチ30を構成するMOSFET31のオン抵抗は、抵抗素子20を構成するMOSFET21のオン抵抗よりも小さいものとされている。ここで、一般的に、MOSFETのドレイン電流Idsは、下記の(1)式によって表すことができる。(1)式において、Lはゲート長、Wはチャネル幅、Vdsはドレイン−ソース間電圧、Vgsはゲート−ソース間電圧、Vtは閾値電圧である。
【数1】
【0035】
従って、MOSFETのオン抵抗Ronは、下記の(2)式によって表すことができる。(2)式に示されるように、MOSFETのオン抵抗Ronは、MOSFETのゲート長L及びチャネル幅Wによって調整することが可能である。例えば、MOSFET31のゲート長LをMOSFET21のゲート長Lよりも短くし、更にMOSFET31のチャネル幅WをMOSFET21のチャネル幅Wよりも広くすることで、MOSFET31のオン抵抗をMOSFET21のオン抵抗よりも小さくすることができる。
【数2】
【0036】
図7は、出力回路1Bの動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。
【0037】
初期状態において、電源スイッチ102、抵抗素子20を構成するMOSFET21及びバイパススイッチ30を構成するMOSFET31は、それぞれオフ状態とされている。電源スイッチ102がオン状態とされ、出力回路1Bに電源電圧VCCが供給されると、制御部40は、抵抗素子20を構成するMOSFET21をオン状態に制御する。また、出力回路1に電源電圧VCCが供給されると、基準電圧VREFが立ち上がる。出力電圧VOUTは、基準電圧VREFよりも緩やかに立ち上がる。従って、差動増幅器11における誤差入力(VREF−VOUT)は、電源電圧VCCの投入直後に最大となる。出力トランジスタ12は、誤差入力に応じた大きさの出力電流IOUTを出力するので、電源電圧VCCの投入直後において、出力電流IOUTの大きさは最大となり、定常状態における大きさよりも大きくなる。
【0038】
しかしながら、電源電圧VCCの投入直後においては、抵抗素子20を構成するMOSFET21はオン状態とされ、バイパススイッチ30を構成するMOSFET21はオフ状態とされているので、出力電流IOUTは、オン抵抗が比較的大きいMOSFET21を経由して出力端子53から出力される。従って、電源電圧VCCの投入直後における出力電流IOUT(突入電流)を抑制することができる。
【0039】
出力電圧VOUTのレベルが上昇するに従って、誤差入力(VREF−VOUT)は小さくなり、これに伴って出力電流IOUTも小さくなる。その後、出力電圧VOUTのレベルが、所定のレベルVに達してから遅延時間T1が経過した後、制御部40は、バイパススイッチ30を構成するMOSFET31をオン状態とする制御信号SC1を出力し、これをMOSFET31のゲートに供給する。一方、制御部40は、抵抗素子20を構成するMOSFET21のオン状態を継続させる。
【0040】
MOSFET31がオン状態となることで、出力電流IOUTの経路は、MOSFET21を経由する経路からオン抵抗がより小さいMOSFET31を経由する経路に切り替わる。出力電流IOUTは、経路の切り替わりに応じて一端増加するものの、その後減少に転じ安定化する。このように、出力電圧VOUTの安定化後においては、出力電流IOUTの経路を、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31を経由する経路に切り替えることで、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。これにより、負荷変動に伴う出力端子53から出力される電圧の変動を抑制し、また損失を小さくすることができる。
【0041】
以上のように、出力回路1Bによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧VCCの投入後、出力電圧VOUTが安定化するまでの間、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31はオフ状態に制御され、出力電流IOUTはオン抵抗が比較的大きいMOSFET21を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧VOUTが安定化した後は、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31がオン状態に制御され、出力電流IOUTの大部分がMOSFET31を経由する経路を流れるので、出力回路1Bの出力インピーダンスを小さくすることができる。
【0042】
[第4の実施形態]
図8、本発明の第4の実施形態に係る出力回路1Cの構成を示す回路図である。出力回路1Cは、基準電圧VREFを抵抗素子14及び15によって分圧した電圧が、差動増幅器11の非反転入力端子に入力され、出力ノードn1に生じる出力電圧VOUTを抵抗素子16及び17によって分圧した電圧が差動増幅器11の反転入力端子に入力されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。
【0043】
出力回路1Cによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧VCCの投入後、出力電圧VOUTが安定化するまでの間、バイパススイッチ30はオフ状態に制御され、出力電流IOUTは抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧VOUTが安定化した後は、バイパススイッチ30はオン状態に制御され、出力電流IOUTの大部分は、バイパススイッチ30を経由する経路を流れるので、出力回路1Cの出力インピーダンスを小さくすることができる。また、出力回路1Cによれば、抵抗素子14、15、16、17の抵抗値を調整することによって出力電圧VOUTのレベルを調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1、1A、1B、1C 出力回路
10 出力部
11 差動増幅器
12 出力トランジスタ
20 抵抗素子
21 MOSFET
30 バイパススイッチ
31 MOSFET
40 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8