(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記出力部の起動時に前記スイッチをオフ状態に制御し、前記出力部の起動後に前記出力電圧のレベルが所定のレベルとなった場合に前記スイッチをオン状態に制御する
請求項1又は請求項2に記載の出力回路。
前記出力部は、前記出力電圧または前記出力電圧に応じた電圧が反転入力端子に入力され、基準電圧または前記基準電圧に応じた電圧が非反転入力端子に入力された差動増幅回路を含んで構成されている
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の出力回路。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符号を付している。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る出力回路1の構成を示す回路図である。なお、
図1には、出力回路1を駆動するための電源101、出力回路1の出力端子53に接続される負荷容量103及び回路ブロック104が、出力回路1とともに示されている。
【0012】
出力回路1は、出力部10、抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40を含んで構成されている。また、出力回路1は、電源入力端子51、グランド端子52及び出力端子53を有する。
【0013】
電源入力端子51は、電源スイッチ102を介して電源101の正極に接続されている。電源101は、出力回路1を駆動するための電源電圧V
CCを発生させる。グランド端子52は、グランドラインに接続されている。
【0014】
出力部10は、出力ノードn1に生じる出力電圧V
OUTのレベルに応じた大きさの出力電流I
OUTを出力ノードn1から出力する回路ブロックであり、差動増幅器11及び出力トランジスタ12を含んで構成されている。
【0015】
差動増幅器11の非反転入力端子は、基準電圧V
REFを出力する基準電圧源13に接続されている。基準電圧源13は、例えばバンドギャップ回路を含んで構成されていてもよい。差動増幅器11の反転入力端子は、出力ノードn1に接続されている。差動増幅器11の出力端は、出力トランジスタ12のゲートに接続されている。出力トランジスタ12のドレインは、電源電圧V
CCが供給される電源ラインに接続され、出力トランジスタ12のソースは、出力ノードn1に接続されている。
【0016】
差動増幅器11は、反転入力端子に入力される出力電圧V
OUTのレベルが、非反転入力端子に入力される基準電圧V
REFのレベルに一致するように、出力トランジスタ12を駆動する。その結果、出力トランジスタ12は、出力電圧V
OUTと基準電圧V
REFとの差分(誤差入力ともいう)に応じた大きさの出力電流I
OUTを出力する。
【0017】
抵抗素子20は、一端が出力ノードn1に接続され、他端が出力端子53に接続されている。バイパススイッチ30は、一端が出力ノードn1に接続され、他端が出力端子53に接続されている。すなわち、バイパススイッチ30は、抵抗素子20に並列接続されている。バイパススイッチ30は、例えば、リレーで構成されていてもよいし、トランジスタで構成されていてもよい。
【0018】
制御部40は、バイパススイッチ30のオンオフ状態を制御する。すなわち、制御部40は、出力回路1に電源電圧V
CCが投入されてから出力電圧V
OUTが安定化するまで間、バイパススイッチ30をオフ状態に制御し、出力電圧V
OUTが安定化した後にバイパススイッチ30をオン状態に制御する。
【0019】
本実施形態において、制御部40は、発振器41とカウンタ42を含んで構成されている。発振器41は、電源投入後、出力ノードn1に生じる出力電圧V
OUTのレベルが所定のレベルとなった場合に、リセット状態が解除され、複数のパルスを一定の間隔で連続的に出力する。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスの数をカウントする。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスのカウント値が所定値に達した場合に、バイパススイッチ30をオン状態とする制御信号S
Cを出力し、これをバイパススイッチ30に供給する。バイパススイッチ30は、制御信号S
Cに応じてオン状態となる。
【0020】
バイパススイッチ30がオフ状態の場合、出力部10から出力される出力電流I
OUTは、抵抗素子20を経由して負荷容量103及び回路ブロック104に供給される。一方、バイパススイッチ30がオン状態の場合、抵抗素子20の両端がバイパススイッチによって短絡され、出力部10から出力される出力電流I
OUTの大部分は、バイパススイッチ30を経由して負荷容量103及び回路ブロック104に供給される。
【0021】
出力回路1は、出力部10、抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40が、半導体基板上に形成された集積回路の形態で実現されてもよく、また、上記の各構成要素がプリント基板上に搭載された形態で実現されてもよい。
【0022】
以下に、出力回路1の動作について説明する。
図2は、出力回路1の動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。
【0023】
初期状態において、電源スイッチ102及びバイパススイッチ30は、それぞれオフ状態とされている。電源スイッチ102がオン状態とされ、出力回路1に電源電圧V
CCが投入されると、基準電圧V
REFが立ち上がる。差動増幅器11は、反転入力端子に入力される出力電圧V
OUTのレベルが、非反転入力端子に入力される基準電圧V
REFのレベルに一致するように、出力トランジスタ12を駆動する。出力回路1の出力端子53には、負荷容量103及び回路ブロック104が接続されているため、出力電圧V
OUTは、基準電圧V
REFよりも緩やかに立ち上がる。従って、差動増幅器11における誤差入力(V
REF−V
OUT)は、電源電圧V
CCの投入直後に最大となる。出力トランジスタ12は、誤差入力に応じた大きさの出力電流I
OUTを出力するので、電源電圧V
CCの投入直後において、出力電流I
OUTの大きさは最大となり、定常状態における出力電流I
OUTの大きさよりも大きくなる。
【0024】
しかしながら、電源電圧V
CCの投入直後においては、バイパススイッチ30はオフ状態とされているので、出力電流I
OUTは、抵抗素子20を経由して出力端子53から出力される。従って、電源電圧V
CCの投入直後における出力電流I
OUT(突入電流)を抑制することができる。抵抗素子20の抵抗値をR
1とすると、突入電流の電流値をV
OUT/R
1以下に抑えることができる。
【0025】
出力電圧V
OUTのレベルが上昇するに従って、誤差入力(V
REF−V
OUT)は小さくなり、これに伴って出力電流I
OUTも小さくなる。その後、出力電圧V
OUTのレベルが、所定のレベルV
1に達すると、制御部40の発振器41のリセット状態が解除され、発振器41は、複数のパルスを一定の間隔で連続的に出力する。カウンタ42は、発振器41から出力されるパルスの数のカウント値が所定値に達すると、バイパススイッチ30をオン状態とする制御信号S
Cを出力し、これをバイパススイッチ30に供給する。バイパススイッチ30は、制御信号S
Cに応じてオン状態となる。すなわち、出力電圧V
OUTのレベルがV
1に達してから遅延時間T
1が経過した後、バイパススイッチ30はオン状態に移行する。遅延時間T
1を設けることで、出力電圧V
OUTがほぼ安定した段階でバイパススイッチ30をオン状態に移行させることができる。
【0026】
バイパススイッチ30がオン状態となることで、出力電流I
OUTの経路は、抵抗素子20を経由する経路から抵抗値が抵抗素子20よりも小さいバイパススイッチ30を経由する経路に切り替わる。出力電流I
OUTは、経路の切り替わりに応じて一端増加するものの、その後減少に転じ安定化する。このように、出力電圧V
OUTの安定化後においては、出力電流I
OUTの経路をより抵抗値の小さいバイパススイッチ30を経由する経路に切り替えることで、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。これにより、負荷変動に伴う出力端子53から出力される電圧の変動を抑制し、また損失を小さくすることができる。
【0027】
図3は、比較例に係る出力回路1Xの構成を示す回路図である。比較例に係る出力回路1Xは、本発明の実施形態に係る出力回路1が備える抵抗素子20、バイパススイッチ30及び制御部40を備えていない。すなわち、比較例に係る出力回路1Xにおいて、出力ノードn1は、出力端子53に直接接続されており、出力電流I
OUTの経路を切り替える手段を有していない。
【0028】
図4は、比較例に係る出力回路1Xの動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。比較例に係る出力回路1Xによれば、出力電流I
OUTが流れる経路上に抵抗素子が設けられていないので、電源電圧V
CCの投入直後において、出力電流I
OUTが過大となり、過電流防止機能が作動する。その後、出力電流I
OUTの電流値は、出力電圧V
OUTのレベルの上昇に伴って小さくなり、出力電圧V
OUTのレベルが安定化すると安定化する。このように、比較例に係る出力回路1Xによれば、電源投入直後における突入電流が過大となり、電源投入直後における出力電流I
OUTの大きさと、出力電圧V
OUTの安定化後における出力電流I
OUTの大きさとの差が大きくなる。出力回路1を駆動する電源101は、最大電流値に応じた電流容量を有していることが求められることから、比較例に係る出力回路1Xによれば、電源101として、大容量の電源が要求される。
【0029】
一方、本発明の実施形態に係る出力回路1によれば、電源電圧V
CCの投入後、出力電圧V
OUTが安定化するまでの間、バイパススイッチ30はオフ状態に制御され、出力電流I
OUTは、抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。従って、電源101の電流容量を小さくすることができる。また、出力電圧V
OUTが安定化した後は、バイパススイッチ30はオン状態に制御され、出力電流I
OUTはバイパススイッチ30を経由する経路を流れるので、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができ、突入電流を抑制したことに伴う性能低下を回避することができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る出力回路1Aの構成を示す回路図である。出力回路1Aは、バイパススイッチ30がnチャネル型のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)31によって構成されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。MOSFET31のオンオフは、制御部40から供給される制御信号S
Cによって制御される。例えば、制御信号S
Cの信号レベルをグランドレベルとすることで、MOSFET31をオフ状態とすることができ、制御信号S
Cの信号レベルをMOSFETの閾値電圧Vtのレベルよりも高いレベルにすることで、MOSFET31をオン状態とすることができる。
【0031】
出力回路1Aによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧V
CCの投入後、出力電圧V
OUTが安定化するまでの間、MOSFET31はオフ状態に制御され、出力電流I
OUTは抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧V
OUTが安定化した後は、MOSFET31はオン状態に制御され、出力電流I
OUTの大部分は、MOSFET31を経由する経路を流れるので、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。また、バイパススイッチ30をMOSFET31によって構成することで、出力回路1Aを半導体基板上に形成することが可能となる。
【0032】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係る出力回路1Bの構成を示す回路図である。出力回路1Bは、バイパススイッチ30がnチャネル型のMOSFET31によって構成され、抵抗素子20がnチャネル型のMOSFET21によって構成されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。
【0033】
MOSFET31のオンオフは、制御部40から供給される制御信号S
C1によって制御され、MOSFET21のオンオフは、制御部40から供給される制御信号S
C2によって制御される。なお、抵抗素子20を構成するMOSFET21を常時オン状態とするように構成してもよい。
【0034】
バイパススイッチ30を構成するMOSFET31のオン抵抗は、抵抗素子20を構成するMOSFET21のオン抵抗よりも小さいものとされている。ここで、一般的に、MOSFETのドレイン電流Idsは、下記の(1)式によって表すことができる。(1)式において、Lはゲート長、Wはチャネル幅、Vdsはドレイン−ソース間電圧、Vgsはゲート−ソース間電圧、Vtは閾値電圧である。
【数1】
【0035】
従って、MOSFETのオン抵抗Ronは、下記の(2)式によって表すことができる。(2)式に示されるように、MOSFETのオン抵抗Ronは、MOSFETのゲート長L及びチャネル幅Wによって調整することが可能である。例えば、MOSFET31のゲート長LをMOSFET21のゲート長Lよりも短くし、更にMOSFET31のチャネル幅WをMOSFET21のチャネル幅Wよりも広くすることで、MOSFET31のオン抵抗をMOSFET21のオン抵抗よりも小さくすることができる。
【数2】
【0036】
図7は、出力回路1Bの動作の一例を示す図であり、電源投入時における各部の電圧波形及び電流波形を示した図である。
【0037】
初期状態において、電源スイッチ102、抵抗素子20を構成するMOSFET21及びバイパススイッチ30を構成するMOSFET31は、それぞれオフ状態とされている。電源スイッチ102がオン状態とされ、出力回路1Bに電源電圧V
CCが供給されると、制御部40は、抵抗素子20を構成するMOSFET21をオン状態に制御する。また、出力回路1に電源電圧V
CCが供給されると、基準電圧V
REFが立ち上がる。出力電圧V
OUTは、基準電圧V
REFよりも緩やかに立ち上がる。従って、差動増幅器11における誤差入力(V
REF−V
OUT)は、電源電圧V
CCの投入直後に最大となる。出力トランジスタ12は、誤差入力に応じた大きさの出力電流I
OUTを出力するので、電源電圧V
CCの投入直後において、出力電流I
OUTの大きさは最大となり、定常状態における大きさよりも大きくなる。
【0038】
しかしながら、電源電圧V
CCの投入直後においては、抵抗素子20を構成するMOSFET21はオン状態とされ、バイパススイッチ30を構成するMOSFET21はオフ状態とされているので、出力電流I
OUTは、オン抵抗が比較的大きいMOSFET21を経由して出力端子53から出力される。従って、電源電圧V
CCの投入直後における出力電流I
OUT(突入電流)を抑制することができる。
【0039】
出力電圧V
OUTのレベルが上昇するに従って、誤差入力(V
REF−V
OUT)は小さくなり、これに伴って出力電流I
OUTも小さくなる。その後、出力電圧V
OUTのレベルが、所定のレベルV
1に達してから遅延時間T1が経過した後、制御部40は、バイパススイッチ30を構成するMOSFET31をオン状態とする制御信号S
C1を出力し、これをMOSFET31のゲートに供給する。一方、制御部40は、抵抗素子20を構成するMOSFET21のオン状態を継続させる。
【0040】
MOSFET31がオン状態となることで、出力電流I
OUTの経路は、MOSFET21を経由する経路からオン抵抗がより小さいMOSFET31を経由する経路に切り替わる。出力電流I
OUTは、経路の切り替わりに応じて一端増加するものの、その後減少に転じ安定化する。このように、出力電圧V
OUTの安定化後においては、出力電流I
OUTの経路を、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31を経由する経路に切り替えることで、出力回路1の出力インピーダンスを小さくすることができる。これにより、負荷変動に伴う出力端子53から出力される電圧の変動を抑制し、また損失を小さくすることができる。
【0041】
以上のように、出力回路1Bによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧V
CCの投入後、出力電圧V
OUTが安定化するまでの間、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31はオフ状態に制御され、出力電流I
OUTはオン抵抗が比較的大きいMOSFET21を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧V
OUTが安定化した後は、オン抵抗が比較的小さいMOSFET31がオン状態に制御され、出力電流I
OUTの大部分がMOSFET31を経由する経路を流れるので、出力回路1Bの出力インピーダンスを小さくすることができる。
【0042】
[第4の実施形態]
図8、本発明の第4の実施形態に係る出力回路1Cの構成を示す回路図である。出力回路1Cは、基準電圧VREFを抵抗素子14及び15によって分圧した電圧が、差動増幅器11の非反転入力端子に入力され、出力ノードn1に生じる出力電圧V
OUTを抵抗素子16及び17によって分圧した電圧が差動増幅器11の反転入力端子に入力されている点が、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と異なる。
【0043】
出力回路1Cによれば、上記した第1の実施形態に係る出力回路1と同様、電源電圧V
CCの投入後、出力電圧V
OUTが安定化するまでの間、バイパススイッチ30はオフ状態に制御され、出力電流I
OUTは抵抗素子20を経由する経路を流れるので、突入電流を抑制することできる。また、出力電圧V
OUTが安定化した後は、バイパススイッチ30はオン状態に制御され、出力電流I
OUTの大部分は、バイパススイッチ30を経由する経路を流れるので、出力回路1Cの出力インピーダンスを小さくすることができる。また、出力回路1Cによれば、抵抗素子14、15、16、17の抵抗値を調整することによって出力電圧V
OUTのレベルを調整することが可能となる。