特許第6959368号(P6959368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959368
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20211021BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20211021BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   H01L21/02 Z
   C23C16/44 B
   C23C16/455
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-569327(P2019-569327)
(86)(22)【出願日】2018年6月15日
(65)【公表番号】特表2020-524403(P2020-524403A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】US2018037834
(87)【国際公開番号】WO2018232292
(87)【国際公開日】20181220
【審査請求日】2020年1月23日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0075558
(32)【優先日】2017年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】テ−チュン イム
(72)【発明者】
【氏名】チフン キム
(72)【発明者】
【氏名】テ オグ カン
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−294700(JP,A)
【文献】 特表2005−534484(JP,A)
【文献】 実開平01−084187(JP,U)
【文献】 特開平09−006401(JP,A)
【文献】 特開2008−286303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
C23C 16/44
C23C 16/455
H01L 21/3065
H01L 21/31
C30B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室へのプロセスガスの供給を制御する1つ又はそれより多くの空気弁と、前記空気弁への弁作動ガスの流れを供給するか停止することにより前記空気弁を開くか閉じる1つ又はそれより多くの電磁弁とを有するシリンダ装置;及び
1つ又はそれより多くの電磁弁の動作を制御するガス供給制御装置
を備えるガス供給装置であって;
前記ガス供給制御装置が、
正常運転中に1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御するメイン制御装置、及び
前記メイン制御装置の異常な状態を検知し、異常の検知時にメイン制御装置がすることの代わりに前記1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御するサブ制御装置を含み;
前記メイン制御装置及び前記サブ制御装置が、デジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログインターフェイシングを介してデジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログ検知情報を共有する、ガス供給装置。
【請求項2】
メイン制御装置及びサブ制御装置が、アナログインターフェイシングを介してアナログ検知情報を共有する、請求項1に記載のガス供給装置。
【請求項3】
メイン制御装置及びサブ制御装置が、デジタルインターフェイシングを介してデジタル検知情報を共有する、請求項1に記載のガス供給装置。
【請求項4】
さらに、メイン制御装置及びサブ制御装置が、アナログインターフェイシングを介してアナログ検知情報を共有する、請求項3に記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記デジタル検知情報が、:
火炎検知光センサから入力される火炎検知情報、
高温センサから入力される高温検知情報、及び
ガス漏れセンサから入力されるガス漏れ検知情報からなる群から選択される少なくとも1つを含み、
前記火炎検知光センサ、前記高温センサ、及び前記ガス漏れセンサが、シリンダ装置に取り付けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項6】
前記アナログ検知情報が、
1つ又はそれより多くの圧力センサから入力されるガス供給圧力検出情報、
1つ又はそれより多くの重量センサから入力されるシリンダ重量検知情報及び
1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサから入力されるプロセスガス温度情報からなる群から選択される少なくとも1つを含み、
存在する場合、前記1つ又はそれより多くの圧力センサ、及び1つ又はそれより多くの温度センサ、及び1つ又はそれより多くの重量センサは、シリンダ装置に取り付けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項7】
前記シリンダ装置が、1つ又はそれより多くのヒーター及び1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサをさらに含み、前記メイン制御装置が、前記1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサからの加熱温度検知情報に基づいて、プロセスガスの液化を防止するように1つ又はそれより多くのヒーターの作動を制御し、
前記異常検知が生じた場合、プロセスガスの液化を防止するために、前記サブ制御装置が、前記加熱温度検知情報に基づいて、1つ又はそれより多くのヒーターの作動を制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項8】
前記デジタル検知情報が、
火炎検知光センサから入力される火炎検知情報、
高温センサから入力される高温検知情報、及び
ガス漏れセンサから入力されるガス漏れ検知情報からなる群から選択される少なくとも2つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項9】
前記アナログ検知情報が、
1つ又はそれより多くの圧力センサから入力されるガス供給圧力検知情報
1つ又はそれより多くの重量センサから入力されるシリンダ重量検知情報及び
1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサから入力されるプロセスガス温度情報からなる群から選択される少なくとも2つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項10】
前記ガス供給制御装置が、
前記メイン制御装置及びサブ制御装置と選択的に通信して、プロセスガス供給状況を連続的に監視する監視システム、並びに
正常運転中に、通信ラインを介して前記メイン制御装置及び監視システムを相互に接続し、異常が検知された際に、通信ラインを介して前記サブ制御装置及び監視システムを相互に接続する切換スイッチをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給装置。
【請求項11】
前記ガス供給制御装置が、監視システム及び制御室間の電気通信によって中央制御室と通信する監視システムをさらに含む、請求項10に記載のガス供給装置。
【請求項12】
処理室へのプロセスガスの供給を制御する1つ又はそれより多くの空気弁と、前記空気弁の各々に弁作動ガスの流れの供給するか停止することにより前記空気弁の各々を開くか閉じる1つ又はそれより多くの電磁弁;及び
1つ又はそれより多くの電磁弁の動作を制御するガス供給制御装置とを含むガス供給装置を制御する方法であって;
前記ガス供給制御装置が、
正常運転中に1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御するメイン制御装置及びサブ制御装置をさらに含み、
前記方法が、
デジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログインターフェイシングを介して、前記メイン制御装置及び前記サブ制御装置間でデジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログ検知情報を共有する工程と;
前記メイン制御装置の異常な状態を検知する前記サブ制御装置に、前記ガス供給装置の制御を切り替える工程とを含み;
前記サブ制御装置が、メイン制御装置の代わりに前記1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御する、方法。
【請求項13】
制御をサブ制御装置に切り替える際に、1つ又はそれより多くの電磁弁の弁の位置を維持する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プロセスガス温度情報に応じて、サブ制御装置によって1つ又はそれより多くのヒーターを活性化する工程をさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
中央制御室へプロセスガス供給状況を伝える工程をさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
検知情報が、検知された情報のうちのいずれかについて危険なレベルが検知されたことを示す場合に、中央制御室へ緊急事態を伝える工程をさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項17】
検知情報のいずれかが、検知された情報のうちのいずれかについて危険なレベルが検知されたことを示す場合に、ガス供給装置を停止する工程をさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
【0002】
本件は参照によって本開示に組込まれる、2017年6月15日に出願されたKR出願第10−2017−0075558号に対して優先権を主張する。
【0003】
技術分野
【0004】
本発明は、ガス供給装置、及び半導体設備にプロセスガスを供給する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
背景
【0006】
一般に、半導体は、フォトリソグラフィー、エッチング、及び薄膜形成などの多くのプロセスを繰り返し行うことにより製造される。ほとんどの係る製造プロセスは、閉じた処理室の内部でプロセスガスによって実施される。この目的のために、ガス供給装置は、半導体製造装置等の種々の産業設備において用いられる。
【0007】
ガス供給装置は、高圧ガスが格納されるシリンダであることができる貯蔵タンク、連結管によって貯蔵タンクに接続されたガス供給制御装置、及びプロセスラインを介してガスを供給するように、貯蔵タンクからのガスフローの流れを制御するガス供給制御装置を含む。
【0008】
ガス供給制御装置は、空気弁を開閉することによって処理室に流入するプロセスガスを制御することができる。この場合、空気弁は電磁弁によってオン(開)/オフ(閉)を切り替えることができる。
【0009】
半導体製造プロセスにおいて、ガスの連続供給は重要である。ガス供給制御装置の異常状態、例えば電磁弁誤動作を引き起こすメイン電源停電等の問題(すなわち制御装置の故障)が生じた場合、プロセス欠陥が、空気弁が閉じた際のプロセスガス供給の急な中断により生じる場合がある。
【0010】
本出願人によって出願されたKR特許第10−0347227号は、制御装置の故障を検知すること、及び上に記載されているようなガス供給の突然の停止を回避するために個別のプロセス信号を発生させることにより、開状態にバルブを維持する方法を提案した。
【0011】
しかしながら、前記特許において、故障が制御装置において検知された場合に、空気弁を開けたままにすることはできるが、プロセスガスの液化を防止することができるヒーターを作動させることは可能ではない。加えて、前記特許には、アナログ信号を受信することができないため、プロセスガスの圧力及びシリンダの重量等を知ることができないという欠点がある。
【0012】
加えて、前記特許において、故障が制御装置において生じる場合、ガス供給制御装置及び中央制御室間の通信は不可能となる。結果として、中央制御室によるガス監視は不可能となり、中央制御室がガス供給装置の正確な状態を知ることは不可能となる。
【発明の概要】
【0013】
発明の概要
【0014】
したがって、本発明は先行技術における上記の問題を解決するために発明されたため、本発明の目的は、制御装置に故障がある場合でさえそれが中断されないようにガス供給を制御し;プロセスガス圧力及びシリンダ重量等を検知し;ヒーターを作動させ、制御することを可能にするガス供給装置を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、故障が制御装置において検知された際に、ガス供給装置の状態を正確に知ることができるように、圧力、重量及びヒーターの情報をガス監視システムに送信するようなガス供給装置を提供することである。
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明のガス供給装置は、処理室又は1つ若しくはそれより多くの処理室へのプロセスガスの供給を制御する、処理室に貯蔵タンク又はシリンダを流体接続する供給ラインに位置した1つ又はそれより多くの空気弁と、前記空気弁(又は1つ若しくはそれより多くの空気弁)の各々に弁駆動ガスの流れを供給するか停止することにより前記空気弁(又は1つ若しくはそれより多くの空気弁それぞれ)を開くか閉じる電磁弁(又は1つ又はそれより多くの電磁弁)とを有するシリンダ装置;及び電磁弁(又は1つ若しくはそれより多くの電磁弁)の作動を制御するガス供給制御装置を備える。加えて、前記ガス供給制御装置は、正常運転中に電磁弁(又は1つ若しくはそれより多くの電磁弁)の作動を制御するメイン制御装置、及び前記メイン制御装置の異常な状態を検知し、異常の検知時にメイン制御装置の代わりに前記電磁弁(又は1つ若しくはそれより多くの電磁弁)の作動を制御するサブ制御装置を含む。ここで、前記メイン制御装置及びサブ制御装置は、デジタルインターフェイシングを介してデジタル検知情報を共有し、及び/または前記メイン制御装置及びサブ制御装置は、アナログインターフェイシングを介してアナログ検知情報を共有する。
【0017】
本発明のガス供給装置において、前記デジタル検知情報は、以下の1つ又はそれより多くを含むことができる:前記火炎検知光センサから入力される火炎検知情報、前記高温センサから入力される高温検知情報、ガス漏れセンサから入力されるガス漏れ検知情報;前記火炎検知光センサ、高温センサ、及びガス漏れセンサは、シリンダ装置に取り付けられる。(「高温センサ」という用語は、プロセスガス又はシリンダ装置において用いることができるヒーターの温度を測定する追加の種類の温度センサとは区別して用いられ、ただし、センサの種類は同じであっても異なってもよい。)
【0018】
本発明のガス供給装置において、正常運転中に、前記メイン制御装置が、「プロセスガス温度センサ」と呼ばれる追加の1つ又はそれより多くの温度センサからの加熱温度検知情報に基づいて、プロセスガスの液化を防止するヒーター(又は1つ若しくはそれより多くのヒーター)の作動を制御し、前記異常検知が生じた場合、プロセスガスの液化を防止するために、前記サブ制御装置が、1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサからの加熱温度検知情報に基づいて、ヒーター(又は1つ若しくはそれより多くのヒーター)の作動を制御する。
【0019】
本発明のガス供給装置の1つの実施態様において、前記アナログ検知情報は、以下の1つ若しくはそれより多く、又は2つ若しくはそれより多くを含むことができる:圧力センサ(又は1つ若しくはそれより多くの圧力センサ)から入力されるガス供給圧力検知情報、重量センサ(又は1つ若しくはそれより多くの重量センサ)から入力されるシリンダ重量検知情報、及び1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサから入力されるプロセスガス温度検知情報;前記圧力センサ(又は1つ若しくはそれより多くの圧力センサ)及び重量センサ(又は1つ若しくはそれより多くの重量センサ)は、シリンダ装置に取り付けられる。
【0020】
他の実施例において、上記の示されたセンサのすべて又は幾つかはアナログであることができ、または上記の示されたセンサのすべて又は幾つかは、任意の組み合わせにおいてデジタルであることができる。例えば、他の実施例において、1つ又はそれより多くの重量センサ、1つ又はそれより多くのプロセスガス温度センサ及び1つ又はそれより多くの圧力センサはデジタルであることができ、並びに/または1つ又はそれより多くの火炎検知光センサ、1つ又はそれより多くの高温センサ、及び1つ又はそれより多くのガス漏れセンサはアナログであることができる。代わりに、所望により、アナログ及びデジタル圧力センサの混合、アナログ及びデジタル重量センサの混合、並びにアナログ及びデジタル温度センサの混合、他の種類のセンサに関しても同様、を用いることができる。
【0021】
本発明のガス供給装置において、前記ガス供給制御装置はさらに次のものを含む:前記メイン制御装置及びサブ制御装置と選択的に通信して、プロセスガス供給状況を連続的に監視する監視システム、並びに正常運転中に、前記通信ラインを介して前記メイン制御装置及び監視システムを相互に接続し、異常が検知された際に、前記通信ラインを介して前記サブ制御装置及び監視システムを相互に接続する切換スイッチ。
【0022】
本発明は、デジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログインターフェイシングを介して、前記メイン制御装置及び前記サブ制御装置間でデジタル若しくはアナログ、又はデジタル及びアナログ検知情報を共有する工程と;前記メイン制御装置の異常な状態を検知する前記サブ制御装置へ前記ガス供給装置の制御を切り替える工程とを実施し;サブ制御装置が、メイン制御装置の代わりに前記1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御する、本発明のガス供給装置の使用方法をさらに提供する。方法は、制御をサブ制御装置に切り替える際に、1つ又はそれより多くの電磁弁の弁の位置を維持する工程をさらに含むことができる。
【0023】
本発明は、制御装置が故障状態にある場合でさえそれが中断されないように、ガス供給が制御され;プロセスガス圧力及びシリンダ重量等が検知され;及びヒーター(又は1つ若しくはそれより多くのヒーター)が操作され、制御されることができるという利点を有する。
【0024】
本発明は、ガス供給装置の状態を正確に知り、制御し、プロセスガスを供給し続けることができるように、または検知情報がサブ制御装置に伝えられた検知情報のうちのいずれかに関して危険なレベルを示す場合、装置がサブ制御装置の制御下で停止されることができるように、制御装置において故障が検出された際に、圧力、重量、及びヒーター情報、並びに/又は温度情報がガス監視システムに送信されるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明によるガス供給装置の概略図を示す。
図2図2は、図1のガス供給制御装置の内面図を概略的に示す。
図3図3は、デジタルインターフェイシングを介するメイン制御装置及びサブ制御装置の相互接続を概略的に示す。
図4図4は、アナログインターフェイシングを介するメイン制御装置及びサブ制御装置の相互接続を概略的に示す。
図5図5は、ガス供給制御装置のメイン制御装置及びサブ制御装置と、ガス監視システムとの間の接続の構成を概略的に示す。
図6図6は、本発明のシリンダ装置の1つの実施態様を概略的に示す。
図7図7は、ガス供給制御装置及び1つ又は複数の電磁弁のメイン制御装置及びサブ制御装置と、1つ又は複数のヒーターとの間の接続の構成を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
【0027】
以下に、本発明の好ましい実施態様が、添付の図面に関連して詳細に記載される。
【0028】
図1は、本発明によるガス供給装置の概略図を示す。
【0029】
図1を参照して、本発明によるガス供給装置は、ガス供給制御装置100及びシリンダ装置200を含む。図2は、ガス制御機器100の1つの実施態様の例を示す。図6は、シリンダ装置200の例を示す。シリンダ装置の幾つかの側面は、本開示に図示も記載もされないことに留意されたい。
【0030】
シリンダ装置200は、1つ又はそれより多くの処理室300にプロセスガスを供給する。シリンダ装置200は、プロセスガスを格納する1つ又は複数のガスシリンダを有する。1つの実施態様において、図6において示されるように、シリンダ装置200は、2つのガスシリンダ602A、602Bを交互に操作して、パイプ675を介して処理室300にプロセスガスを供給する。交替する手段によって、シリンダ602Aにより供給されたプロセスガスでA側が動作する一方、B側のシリンダ602は動作可能でない。A側のシリンダ602Aが空であるならば、シリンダ装置200のB側は動作し、A側は動作可能でない。サブ制御装置120が制御を引き受ける場合、それが引き受けた際に、いずれのシリンダ602A又は602B、及び電磁弁と空気弁が動作していたか知り、サブ制御装置120は、シリンダ装置200の側A又はBでシリンダ装置200の動作を継続する。プロセスガスが、シリンダ装置200のA側又はB側のいずれかを介して流れることは、下記の説明において理解される。ガスがA側で流れている場合、A記号を有する要素が用いられる。あるいは、ガスがB側で流れている場合、B記号を有する要素が用いられる。側A及び側Bの両方は、パイプ675、及びA又はBのいずれの記号ももたない他の要素を含む。処理室300は、プロセスガスを用いて半導体作製プロセスを通じて半導体基材を処理する。
【0031】
シリンダ装置200は、(任意選択のレギュレーター605A、605Bを介して)ガスシリンダに格納されたプロセスガスをプロセスレシピに対応する所定圧力及び流量に調節し、プロセスガスを処理室300に供給する。この目的のために、シリンダ装置200は、加圧ガス源(図示せず)に接続された電磁弁(図示せず)によって各々制御される1つ又はそれより多く又は複数の空気弁604A1、604A2、604A3、604B1、604B2及び604B3備えることができる。空気弁604A1、604A2、604A3、604B1、604B2及び604B3は、各シリンダ602A及び602Bにそれぞれ接続されたパイプ622A又は622Bのいずれかと、パイプ622A及び622Bに接続されたパイプ675とを介する処理室300へのプロセスガスの供給を制御する。図示されるように、パイプ675は、シリンダ装置を出て、処理室300にプロセスガスを輸送する。加圧ガス源と流体連通する電磁弁の各々は、空気弁への弁作動ガスの供給を供給又は遮断することにより、それぞれの空気弁を開くか閉じる働きをする。作動ガスは、典型的には製造設備の(ハウス)加圧空気供給(図示せず)から接続されたパイプ(図示せず)を介して供給される加圧空気(清潔な乾燥空気)である;しかしながら、代替ガス、例えば、加圧窒素を用いてもよい。
【0032】
シリンダ装置200は、メイン電源を供給するメイン制御装置100内に位置する電源供給ユニット、及びシリンダ装置200内に位置する複数のセンサを備えることができる。センサは、レギュレーター605A及び605Bそれぞれの下流のライン622A及び622Bそれぞれにおいてプロセスガスの圧力を測定する複数の(1つ又はそれより多くの)圧力センサ306A1及び306B1、並びに/又はシリンダ602A及び602Bそれぞれにおいてプロセスガスの圧力を測定する圧力センサ306A2及び306B2、並びにガスシリンダ602A及び602Bそれぞれの重量を測定する複数の(1つ又はそれより多くの)重量センサ307A、307Bを含む。加えて、センサは、火炎(UVIR)を検知する火炎検知光センサ301、ガス漏れを検知するガス漏れセンサ303及び高温センサ302を含む。高温センサは、装置の内部の異常温度を検知する;所定温度に到達した場合、それはガス供給制御装置100に警急信号を供給する。特定の設定温度(例えば85℃)に到達しているか超過した場合、高温センサは、火災の場合に作動することができる。活性化された場合、火炎センサ、ガス漏れセンサ及び温度センサはさらに警告を送り、及び/またはガス供給装置の停止を引き起こす。加えて、前記センサは、緊急事態を外部に通知するための非常ボタンのプレスを検知するEMOセンサ(図示せず)、及び主電源供給状態を検知する電源センサ(図示せず)をさらに含むことができる。1つの実施態様において、電源センサは、サブ制御装置及びメイン制御装置間のインターフェイス経由である。メイン制御装置が電力を失う場合、メイン制御装置が電力を失った(及び止まった)際に、サブ制御装置は電力の損失を検出する。メイン制御装置が電力を失った際、制限された制御のみであったとしても、サブ制御装置は、シリンダ装置の制御を引き継ぐ。
【0033】
ガス供給制御装置100は、前記センサとの組み合わせにおいて、リアルタイムにおけるシリンダ装置200の動作状態を監視し、それは、メイン電源が遮断された場合、処理室300において現在進行中であるプロセスが完了するまで、プロセスガスが一貫して供給されるようにシリンダ装置200の動作を制御する。例えば、ガス供給制御装置100は、開く際に加圧空気を供給して対応する空気弁を開く1つ又はそれより多くの電磁弁の動作の制御によって1つ又はそれより多くの空気弁を介して処理室300へプロセスガスを供給し続けることにより、サブ制御装置を用いて、処理室300において現在進行中のプロセスが完了するまで、シリンダ装置200のセンサへ電力を供給する。供給された場合、加圧空気は空気弁を開く。好ましくは、メイン電源が遮断されたプロセスについてのプロセス条件及び処理室に供給するプロセスガスの量は、プロセスを始める前にガス制御機器にプログラムされた。予めプログラムされた量のプロセスガスが処理室に供給されるまで、そのプロセスはサブ制御装置の制御の下で継続する。メイン制御装置がプロセスの完了時に依然として機能していない場合、サブ制御装置は警告を鳴らし、シリンダ装置を停止することができる。
【0034】
図2は、図1のガス供給制御装置の内面図を示す。
【0035】
図2を参照して、ガス供給制御装置100は、正常状態において動作するメイン制御装置110、並びに異常な状態において動作するサブ制御装置120、並びにデジタル及び/又はアナログインターフェイシング402を含む。
【0036】
メイン制御装置110は、正常運転中に、それぞれ604A1、604A2、604A3、604B1、604B2、604B3として図6に示される1つ又はそれより多くの空気弁の各々を制御する1つ又は複数の電磁弁S604A1、S604A2、S604A3、S604B1、S604B2、S604B3(図6において示されず、図7において示される)の1つ又はそれより多くの独立した作動を制御する。
【0037】
サブ制御装置120は、メイン制御装置の異常な状態を検知し、異常が検知された際、それは、メイン制御装置110の代わりに、604A1、604A2、604A3、604B1、604B2、604B3として図6に示される1つ又はそれより多くの空気弁への作動ガスの流れを制御する電磁弁の1つ又はそれより多くの作動を制御する。
【0038】
メイン制御装置110及びサブ制御装置120は、図3に示されるように、デジタルインターフェイシング403を介して相互にデジタル検知情報を共有し、図4に示されるように、アナログインターフェイシング404を介してアナログ検知情報を共有する。
【0039】
例えば、メイン制御装置110のPLC(プログラマブルロジック制御装置)デジタル出力、及びサブ制御装置120のデジタル入力は、デジタルインターフェイシング403を介して共有されることができる。この場合、サブ制御装置120は、異常がメイン制御装置110において検知された際に、空気弁604A1、604A2、604A3、604B1、604B2、604B3それぞれへの作動ガスの流れを制御する、1つ又はそれより多くの電磁弁の作動を制御することができ、したがって処理室300へのプロセスガスの供給の遮断を回避する。各電磁弁があった位置(開又は閉)によらず、装置は、異常が検知された時点でメイン制御装置110によって制御された場合、進行中だったプロセスが完了するまで、各電磁弁はサブ制御装置の制御の下でその位置(開又は閉)を維持する。
【0040】
追加の例として、PLC(プログラマブルロジック制御装置)デジタル入力、及びサブ制御装置120のデジタル出力は、デジタルインターフェイシング403を介して共有されることができる。この場合、異常がメイン制御装置110において検知された際、プロセスガスは、メイン制御装置110の代わりに(図6に示されるように)空気弁604A1、604A2、604A3、604B1、604B2、604B3を制御する1つ又はそれより多くの電磁弁(図示せず)の作動を制御するサブ制御装置120のために、処理室300に通常供給され続けることができる。加えて、メイン制御装置110の異常が検知された際、メイン制御装置110の代わりにサブ制御装置120が、シリンダ602A、602Bの各々と接触して、及び/又は好ましくは供給パイプ675がシリンダ装置200から処理室300へ出る場所の近くで、1つ又はそれより多くのシリンダのパイプ下流と接触して位置する1つ又はそれより多くのヒーター633A、633B、633Cの作動を制御する温度センサ304により測定された加熱温度を監視し、これによってプロセスガスが液化するのを防止する。パイプ675と接触したヒーター633C、及び/又はガスを供給しているシリンダと接触したヒーター633A又は633Bを、必要な場合は作動させる。
【0041】
メイン制御装置110及びサブ制御装置120は、アナログインターフェイシングを介して相互にアナログ検知情報を共有する。例えば、メイン制御装置110において異常が検知された際、サブ制御装置120は、メイン制御装置110の代わりに以下の1つ又はそれより多くを連続的に監視することができる:プロセスガス温度センサ304からの温度、及び/又は1つ若しくはそれより多くの圧力センサ306A1、306A2、306B1、306B2(図4には306としてのみ示される)からのガス供給圧力、及び/又は307A若しくは307B(図4には307としてのみ示される)からのシリンダ重量等。1つのプロセスガス温度センサ304だけが図6において示されるが、シリンダ装置200中の温度センサ304などのメイン制御装置及びサブ制御装置と通信する追加の温度センサが任意選択的に与えられてもよいことに留意されたい。追加の温度センサは、ライン622A又は622B上、及び/又はシリンダ602A、602B上に位置することができる。
【0042】
図3は、デジタルインターフェイシング403を介したメイン制御装置及びサブ制御装置の相互接続を示す。
【0043】
図3を参照して、メイン制御装置110及びサブ制御装置120は、デジタルインターフェイシング403を介して相互接続されることの結果として、デジタル検知情報を共有することができる。
【0044】
デジタル検知情報は、火炎検知光センサ301から入力される火炎検知情報、高温度センサ302から入力される高温検知情報、及びガス漏れセンサ303から入力されるガス漏れ検知情報を含むことができる。火炎検知光センサ301、高温センサ302、及びガス漏れセンサ303を、図6中の実施態様において概略的に示されるシリンダ装置200に取り付けることができる。センサの各々は、シリンダ装置が警告を鳴らし、及び/または停止することを引き起こす、予めプログラムされた危険レベルを検出することができる。
【0045】
正常運転中のメイン制御装置110は、プロセスガスの液化を防止するために、1つ又はそれより多くの304等の温度センサからの温度検知情報に基づいて、ヒーター633A、633B、633Cの1つ又はそれより多くの作動を制御することができる。加えて、異常が検出された際、サブ制御装置120は、プロセスガスの液化を防止するために、1つ又はそれより多くの304等の温度センサからの加熱温度検知情報に基づいて、1つ又はそれより多くのヒーター633A、633B、633Cの作動を制御することができる。
【0046】
図4は、アナログインターフェイシングを介したメイン制御装置及びサブ制御装置の相互接続を示す。
【0047】
図4を参照して、メイン制御装置110及びサブ制御装置120は、アナログインターフェイシングを介して相互接続されることの結果として、アナログ検知情報を共有することができる。
【0048】
アナログ検知情報は、1つ又はそれより多くの温度センサ304から入力されるガス供給圧力検出情報、1つ又はそれより多くの圧力センサ306A1、306A2、306B1、306B2、及び1つ又はそれより多くの重量センサ307A、307Bから入力されるシリンダ重量検知情報を含むことができる。この場合、圧力センサ及び重量センサを、図6に示されるようにシリンダ装置に取り付けることができる。
【0049】
図5は、ガス供給制御装置及びガス監視システム130のメイン制御装置110及びサブ制御装置120間の接続の構成を示す。
【0050】
図5を参照して、本発明によるガス供給制御装置100は、監視システム130及び切換スイッチ140をさらに含むことができる。したがって、本発明によるガス供給制御装置100において、異常な状態がメイン制御装置110に生じた際、通信ライン502に接続されたサブ制御装置120は代わりに動作し、その結果、シリンダ装置はプロセスガスを供給し続け、監視システム130は連続的にガス供給状況を監視することができ、サブ制御装置又はメイン制御装置を介して、(1つ又はそれより多くの圧力センサ306A1、306A2又は306B1、306B2によって測定された)圧力及び(1つ又はそれより多くの重量センサ307A又は307Bによって測定された)シリンダの重量に基づいてシリンダ装置200における1つ又はそれより多くのヒーター633A、633B、633Cを制御することができ、それぞれの空気弁の位置を維持する、電磁弁の弁の位置(開又は閉)を維持することができる。「ガス供給状況」又は「プロセスガス供給状況」は、シリンダ装置200おけるセンサからの実際の測定された温度及び圧力、並びに任意選択的に処理室に流入し、既に与えられたプロセスガスの量(量は時間及び流量、並びに/又はシリンダの重量の変化により決定することができる。)を指す。プロセスガス供給状況は、予めプログラムされた温度、及び/又は圧力、及び/又は流量と比較することができ、供給量は、それにより、及び/又は重量の変化及び/又は特定のプロセスに関して処理室300にプロセスガスが流れる時間によって決定することができ、ガス供給装置を、その情報に基づいて制御することができる。他の実施例において、技術者又はメイン制御装置リジューム制御によって手動で停止されるまで、装置は流れを継続する。
【0051】
具体的には、監視システム130がメイン制御装置110及びサブ制御装置120と選択的に通信して、連続的にプロセスガス供給状況を監視する。言いかえれば、正常運転において、監視システム130は、電気通信ライン501を介してメイン制御装置110と通信して、連続的にプロセスガス供給状況を監視する;しかし、異常運転において、それは電気通信ライン502を介してサブ制御装置120と通信して、連続的にプロセスガス供給状況を監視する。
【0052】
正常運転において、切換スイッチ140は、通信ライン501を介してメイン制御装置110及び監視システム130を相互接続する。対照的に、異常運転において、切換スイッチ140は、通信ライン502を介してサブ制御装置120及び監視システム130を相互接続する。
【0053】
図7は、1つの実施態様において、予めプログラムされたプロセスが完了するか停止されるまで、プロセスガス供給状況又はメイン制御装置リジューム制御を維持する、1つ又は複数の電磁弁S604A1、S604A2、S604A3又はS604B1、S604B2、S604B3及びヒーター633C及び633A又は633C及び633Bを備えたメイン制御装置110及びサブ制御装置120間の電気的接続701を介する相互接続通信を示す。電磁弁の各々は、空気弁604A1、604A2、604A3、604B1、604B2、604B3それぞれを制御する。
【0054】
本発明は、以下の効果を有する。
【0055】
第1に、プロセスガスの中断された流れによるプロセス障害を、プロセスガス供給がサブ制御装置によって連続的に制御されることができるため、メイン制御装置が誤動作する場合さえ、発端から防止することができる。
【0056】
第2に、本発明は、ガス圧力、及び/又はプロセスガスの温度及び/又はシリンダの重量等を監視することができ、メイン制御装置が誤動作する場合さえ、1つ又はそれより多くのヒーターを動作させ、制御することができるという利点を有する。
【0057】
第3に、本発明によれば、監視システム及び制御室(図示せず)間の電気通信によって中央制御室から監視されるガス監視システムに切り替えることにより、メイン制御装置誤動作がある場合にさえ、生じる通信不良なく、以下の1つ又はそれより多くを連続的に監視することが可能である:圧力、プロセスガスの温度、重量、ヒーター情報等;したがって、それは、ガス供給装置の状態を正確に知ることができるという利点を有する。
【0058】
上記の説明から、種々の方法において、発明が発明の技術思想や本質的な特徴を変更せずに、改変され、適合されることができることは当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に述べられていた内容に制限されるべきではないが、特許請求の範囲によって規定されるのがよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7