特許第6959864号(P6959864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959864
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】フッ素化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/653 20060101AFI20211025BHJP
   C07C 319/20 20060101ALI20211025BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20211025BHJP
   C07C 323/12 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   C07C69/653CSP
   C07C319/20
   C07F7/18 G
   C07C323/12
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-533230(P2017-533230)
(86)(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-503616(P2018-503616A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】EP2015002530
(87)【国際公開番号】WO2016096129
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年12月14日
(31)【優先権主張番号】14004337.3
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】フレデリッヒ,ライナー
【審査官】 西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−052019(JP,A)
【文献】 特開2004−043402(JP,A)
【文献】 特表2004−531617(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/005231(WO,A1)
【文献】 特表2003−518052(JP,A)
【文献】 特開2004−212620(JP,A)
【文献】 特表2016−539085(JP,A)
【文献】 特開2012−087092(JP,A)
【文献】 特表2017−512198(JP,A)
【文献】 BOUTEVIN, B et al.,Synthesis of fluorinated polysiloxanes. Part 7. Copolycondensation of 1,4-bis(hydroxydimethylsilyl)benzene with fluorinated dichlorosilanes,Journal of Fluorine Chemistry,1989年,Vol. 45,pp. 355-376
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ib)、(Id)、(Ie)、(Ig)、(Ih)または(I’)
【化1】
【化2】
(Rf−CHF−CF−S−CHR)−L−(X) (I’)
式中
Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、
R=Hまたはアルキル基、
L=単結合または任意に官能基を含有する飽和の、分枝状または非分枝状のアルキレン基、
X=エチレン性不飽和基、アルコキシシラン基、シラノール基またはハロシラン基、
mは≧1であり、
nは≧1であり、
R’’=C1−C4−アルキル、
R’’’=Hまたはアルキル基、および
=HまたはC1−C4−アルキル
で表わされる化合物。
【請求項2】
基Rfが、CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−CF−、CF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−およびCF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−CF−の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
基Rが、CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−2−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF−の群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
基Rが、HまたはC1−C3アルキルと等しいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
基Rが、Hまたはメチル基と等しいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
基Xが、アクリラートまたはメタクリラート基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
基Xが、−SiR’と等しいことを特徴とし、式中、基R’は、互いに独立して、OH、ハロゲン、またはアルコキシとしい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R’が、アルコキシ基OR’’式中、R’’はC1−C4−アルキルと等しいであることを特徴とする、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R’’が、C1−またはC2−アルキルと等しいことを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
mおよびnが、互いに独立して1−3と等しいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式(I’a)〜(I’h)
【化1】
【化2】
式中、Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、R’’=C1−C4−アルキルおよびR’’’=Hまたはアルキル基
の1つに適合することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Rfが、CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−またはCF−O−(CF1−2−O−と等しいことを特徴とする、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
機能性被膜および表面改変の生産のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
以下の工程:
a)フッ素含有化合物の形成を伴う、フッ素含有化合物の炭素骨格の生物学的および/または非生物的分解、
b)工程a)において形成されたフッ素含有化合物の気相への変換、
c)気相におけるUV照射による、工程a)において形成されたフッ素含有化合物の低分子量化合物への分解、
d)工程c)において形成された低分子量化合物の気相から液相および/または固相への変換、
e)液相および/または固相において、工程c)において形成された低分子量化合物の無機化、
を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物の分解のためのプロセス。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物およびそれぞれの用途に好適である担体および任意にさらなる添加物を含む、組成物。
【請求項16】
被膜された物品であって、当該被膜が、請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を使用して生産された、前記物品。
【請求項17】
a)式(Rf−CHF−CF−S)−アルキル−(OH)で表わされる化合物を得るための、式Rf−CF=CFで表わされるパーフルオロオレフィンの式(HS)x−アルキル−(OH)yで表わされるメルカプトアルコールとの反応、およびb)a)において調製された化合物の不飽和酸または酸無水物との反応(式中、Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、およびxおよびyが互いに独立して≧1である)を含む、請求項に記載の式(I’)で表わされる化合物の調製のためのプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロ化末端基を含有する新規化合物および(例えば防埃被膜における)その使用に関する。
例えばディスプレイ産業における防埃被膜は、シロキサン基によって表面へ結合され得るパーフルオロ化化合物から主になる。織物産業における防埃被膜は、アクリラート、メタクリラートまたはシロキサン基によって表面へ結合され得るパーフルオロ化化合物から主になる。それらの化学的安定性のため、これらの化合物は、このクラスの材料のパーフルオロ化含有量が天然の手段によって分解され得ないことから、長年にわたって批判されてきた。さらに、これら長寿命の材料が生物圏にいかなる影響を有するのか、それらが様々な動物種における生物濃縮をもたらすのかは明確に明らかにされていなかった。
【0002】
したがって防埃被膜のための代替的な物質について需要がある。
本発明は、式(I)または(I’)
(Rf−CHF−CF−O−CHR)−L−(X) (I)
(Rf−CHF−CF−S−CHR)−L−(X) (I’)
式中
Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、
R=Hまたはアルキル基、
L=単結合または二価有機基、
X=アンカー基、
mは≧1であり、
nは≧1である、
で表わされる化合物に第一に関する。
【0003】
パーフルオロ化基Rfは、好ましくは群:
CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−CF−、CF−(CF0−3O−(CF−O)1−8−およびCF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される。
パーフルオロ化基Rfは、特に好ましくは群:
CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される。
【0004】
変形において、パーフルオロ化基Rfは、好ましくはCF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−O−(CF1−3−およびCF−O−(CF1−3−O−の群から、特にCF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−2−およびCF−O−(CF1−3−O−の群からも選択され得る。
基Rは、好ましくはHまたはC1−C3アルキル、特にHまたはメチル基と等しい。
Lは、好ましくは単結合、または飽和または不飽和の、分枝状または非分枝状の、ヘテロ原子および/または官能基を任意に含有する炭化水素単位である。Lは、特に好ましくは単結合、または飽和の、分枝状または非分枝状の、ヘテロ原子および/または官能基を任意に含有するアルキレン基である。
【0005】
基Xは、例えば織物またはガラス表面などの基板表面への、式(I)で表わされる化合物の付着を促進するために好適であるアンカー基である。換言すれば、基Xは、好ましくは、基板表面への共有結合を形成する反応性基である。
Xは、好ましくは、エチレン性不飽和基、特にアクリラートまたはメタクリラート基、アルコキシシラン基またはハロシラン基である。
Xは、−SiR’であり得、式中、基R’は、互いに独立して、アルキル、OH、ハロゲン、アルコキシまたはアリールオキシと等しく、式中、少なくとも1つの基R’はアルキル基ではない。R’は、好ましくはアルコキシ基OR’’であり、式中、R’’はC1−C4−アルキル、特にC1−またはC2−アルキルと等しい。
特にガラス表面への結合について、Xは、好ましくはアルコキシシラン基−Si(OR’’であり、式中、R’’は、C1−C4−アルキル、特にC1−またはC2−アルキルと等しい。
本発明の特に好ましい変形において、特に織物表面への結合について、Xは、好ましくは、アクリラートまたはメタクリラート基である。
mは、好ましくは1−3、特に1または2である。
nは、好ましくは1−3、特に1である。
【0006】
式中、1または2以上の変数が好ましい意味を有する式(I)および(I’)で表わされる化合物が特に有利である。すべての変数が好ましい意味を有する化合物がとりわけ有利である。式中:
Rf=CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF−、
R=HまたはCH
L=単結合、または任意に分枝状であり、および/または、官能基を含有するC1−C4−アルキレン基、
X=アルコキシシラン基−Si(OR’’、式中、R’’はC1−またはC2−アルキルと等しい、
およびm=1または2およびn=1
である化合物が特に好ましい。
【0007】
式中:
Rf=CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF−、
R=HまたはCH
L=単結合、または任意に分枝状であり、および/または、ヘテロ原子、特にO、および/または官能基、特にOHを含有するC1−C4−アルキレン基、
X=アクリラートまたはメタクリラート基、および
m=1または2およびn=1
である化合物もまた特に好ましい。
【0008】
式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる化合物、式中、Rf=任意にヘテロ原子を含有するパーフルオロ化アルキル基、R’’=C1−C4−アルキル、特にC1−またはC2−アルキル、R’’’=Hまたはアルキル基、好ましくはHまたはメチルと等しい、およびRはHまたはC1−C4−アルキル、好ましくはHまたはCHと等しい、が特に好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
式中、パーフルオロ化基Rfが、群:
CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−CF−、CF−(CF0−3O−(CF−O)1−8−およびCF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される、式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる化合物が好ましい。
式中、パーフルオロ化基Rfが、群:
CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される、式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる化合物が特に好ましい。
【0013】
変形において、パーフルオロ化基Rfは、好ましくは、CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−O−(CF1−3−およびCF−O−(CF1−3−O−の群、特にCF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−2−およびCF−O−(CF1−2−O−の群からも選択され得る。
特に、式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる化合物、式中、Rfは好ましいまたは特に好ましい基の1つであり、およびR’’=C1−またはC2−アルキルおよび/またはR’’’=Hまたはメチル、が好ましい。式(Ic)〜(Ih)および/または(I’a)、(I’c)および(I’e)で表わされる化合物、特に好ましいRf、R’’、R’’’およびR基を有するものが、ここで特に好ましい。
【0014】
新規化合物の利点は、それらが容易に分解可能であることである。それらは、分子において特定の名目上の破壊点を有する。したがって、大気へ入ることが可能である、対応する低分子量のフラグメントを形成することが可能であり、したがってUV光の下で成層圏において分解され得る。
以下の構造のハイドロフルオロエーテルは、例えば加水分解および酸化によって、易揮発性およびUV分解性の化合物へ変換され得る。分解産物は、次いで雨により、大気から洗い落とされ、地上へ移り、そこで無機化され得る。
【化4】
【0015】
ここで基Xは、例えば、ガラス表面(例えばトリアルコキシシラン)への付着に特に好適である反応性アンカー基を表す。
式(I)および(I’)で表わされる化合物は、容易に合成され得る。式(I)で表わされる化合物の調製のために使用される開始材料は、市販のものであり、および/または、市販の開始材料から開始するそれらの調製は、当業者によく知られているか、またはそれらは、既に知られた合成プロセス、例えば、フリーラジカル付加(A. A. Il’in et al., Russian Journal of Applied Chemistry, 2007, Vol. 80, No. 3, pp. 405-418を参照)に類似して調製され得る。
【0016】
オルガノシランの物質クラスに属する、式(I)および(I’)で表わされる好ましい化合物は、式(I)
で表わされるメトキシシランについての例によって示されるとおり、以下の簡単な合成によって達成され得る:
【化5】
分枝状のハイドロフルオロエーテルシランを得るために、パーフルオロオレフィンは、二官能性のヒドロキシアルケンと反応させる。
【化6】
【0017】
トリメトキシシランは、次いで好適な溶媒において容易に分散され、処理される表面(例えばガラス)へ適用され得る。トリメトキシシランは、大気中の湿度によって加水分解し、例えばガラスのSiOH基と永続的な共有結合を形成する。
アクリラートまたはメタクリラート基を含有する本発明による化合物は、例えば、当業者に既に知られた方法による対応するアルコールの酸または酸無水物との反応によって調製され得る。
式(I’)で表わされる対応する化合物は、対応するパーフルオロオレフィンの対応するチオ化合物との反応を介して調製され得る。パーフルオロプロピルビニルエーテルの2−メルカプトエタノールまたは1,4−ジメルカプトブタン−2,3−ジオールとの反応および式(I’c)または(I’e)で表わされる化合物へのさらなる変換は、例によって言及され得る。
【0018】
本発明は、a)式(Rf−CHF−CF−S)−アルキル−(OH)で表わされる化合物を得るための、式Rf−CF=CFで表わされるパーフルオロアルキルビニルエーテルの式(HS)x−アルキル−(OH)yで表わされるメルカプトアルコールとの反応、およびb)a)において調製された化合物の不飽和酸または酸無水物、式中、Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、xおよびyは互いに独立して≧1である、との反応を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I’)で表わされる化合物の調製のためのプロセスにも関する。
【0019】
パーフルオロ化基Rfは、好ましくは群:
CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−CF−、CF−(CF0−3O−(CF−O)1−8−およびCF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される。
パーフルオロ化基Rは、特に好ましくは群:
CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−2−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF−、特にCF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−およびCF−O−(CF1−3−O−
から選択される。
【0020】
ここで好ましい硫黄含有中間体は、上記のとおり、式(II)、(III)および(IV):
【化7】
式中、Rf=ヘテロ原子を任意に含有するパーフルオロ化アルキル基、RはHまたはC1−C4−アルキル、好ましくはHまたはCHと等しい、
で表わされる化合物である。
【0021】
式(II)、(III)および(IV)で表わされる化合物、式中、パーフルオロ化基Rfは、群:
CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−、CF−(CF0−3−O−(CF1−3−O−CF−、CF−(CF0−3O−(CF−O)1−8−およびCF−(CF0−3−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される、が好ましい。
式(II)、(III)および(IV)で表わされる化合物、式中、パーフルオロ化基Rfは、群:
CF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−3−、CF−O−(CF1−3−O−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF−O)1−8−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF
から選択される、が特に好ましい。
【0022】
変形において、パーフルオロ化基Rfもまた、好ましくは、CF−(CF0−3−、CF−(CF0−3−O−、CF−O−(CF1−3−およびCF−O−(CF1−3−O−の群から、特にCF−(CF1−2−、CF−(CF1−2−O−、CF−O−(CF1−2−およびCF−O−(CF1−2−O−の群から選択され得る。
特に、式(II)、(III)および(IV)、式中、Rfは好ましいかまたは特に好ましい基の1つであり、RはHまたはCHと等しい、で表わされる化合物が好ましい。
【0023】
式(IIa)、(IIIa)および(IVa):
【化8】
式中、Rf’=CF−(CF1−2−、CF−O−(CF1−3−、CF−(CF1−2−O−CF−、CF−O−(CF1−2−O−CF−およびCF−O−(CF−O)1−8−CF−、R=HまたはCH
で表わされる化合物が特に好ましい。
例において示された合成は、式(I)、(I’)、(Ia)〜(Ih)および(I’a)〜(I’h)で表わされるさらなる化合物の調製または式(II)、(III)および(IV)で表わされるさらなる中間体の調製にも類似して使用され得る。
【0024】
式(I)および(I’)で表わされる化合物、好ましくは式(Ia)〜(Ih)および(I’a)〜(I’h)で表わされる化合物は、以下の工程:
a)好ましくは適切に高い蒸気圧を有する、好ましくは非毒性のフッ素含有化合物の形成を伴う、フッ素含有化合物の炭素骨格の生物学的および/または非生物的分解、
b)工程a)において形成されたフッ素含有化合物の気相への変換、
c)工程a)において形成されたフッ素含有化合物の、気相におけるUV照射による低分子量化合物への分解、
d)工程c)において形成された低分子量化合物の気相から液相および/または固相への変換、
e)工程c)において形成された低分子量化合物の液相および/または固相における無機化、
を含む、フッ素含有化合物の分解のためのプロセスによって好ましくは分解され得る。
【0025】
好ましくは、フッ素含有塩は、工程a)において形成されない。
特に、パーフルオロ化化合物は、工程a)において形成されない。工程a)において形成されたフッ素含有化合物は、好ましくは、それらを気相へ容易に変換するかまたは変換されることを可能にするために、好ましくは大気圧で、充分に高い蒸気圧を有する。
本発明による化合物は、特に、内部および外部の領域の両方の物品についての全種類の機能性被膜の生産および表面改変について、単独で、または、他のフルオロ化および/または非フルオロ化化合物との混合物の形態においてもまた使用され得る。
原則として、全ての表面、特にガラス、セラミック、エナメル、金属、プラスチック、エラストマー、天然産物、織物を、必要である場合には好適な前処理の後に、被膜し得る。
【0026】
本発明は、本発明による式(I)および/または(I’)で表わされる化合物の使用、または式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる好ましい化合物の使用、および、例えば、防埃および/または疎水性被膜の生産についての上記の好ましい態様、特に、例えば、ディスプレイ産業における被膜の、織物仕上およびガラス被膜についての上記の好ましい態様にさらに関する。
式(I)および/または(I’)で表わされる化合物、または式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる好ましい化合物以外に、被膜は、溶媒、添加物、界面活性剤、補助剤および充填剤もまた含み得る。シリコーン粒子および任意に表面が改変された色素もまたを例として言及がなされ得る。
【0027】
使用の好ましい領域は、例えば、光学的要素または織物のための被膜における、例えば、例えばディスプレイ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、双眼鏡、窓ガラスまたは鏡のための抗指紋被膜における使用、または織物仕上のための疎水性化剤としての使用などの本発明による化合物の使用である。
本発明による化合物またはそれらを含む混合物は、全体領域または部分領域にわたって、当業者に既に知られた様々な被膜プロセスによって(例えば、CVD、PVD、スプレー被膜、インクジェット、オフセットプロセスによって)好適な表面に適用され得る。
【0028】
本発明は、本発明にしたがって用いられる化合物の、本明細書において言及された全使用に関する。当該目的のための、式(I)および/または(I’)で表わされる化合物、または式(Ia)〜(Ih)および/または(I’a)〜(I’h)で表わされる好ましい化合物のそれぞれの使用、は当業者に既に知られており、よって、本発明にしたがって用いられる化合物の使用は問題を起こさない。
本発明は、少なくとも1つの本発明による化合物を含む組成物にも関し、ここで、組成物は、溶媒、添加物、界面活性剤、補助剤および充填剤をも含み得る。
本発明は、被膜された物品、特に上で言及された物品にも関し、その被膜は、少なくとも1つの本発明による化合物を使用して生産される。ディスプレイ、光学レンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、双眼鏡、窓ガラス、鏡および織物が好ましい。
以下の例は、保護の範囲を制限することなく、本発明をより詳細に説明する。
【0029】

略称
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル
THF テトラヒドロフラン
MTBE tert−ブチルメチルエーテル
RT 室温
【0030】
例1:式(Id)、式中、R=H、R’’’=CHおよびRf=C−O、で表わされる化合物の合成
【化9】
例1a:
【化10】
100gの2,3−ジヒドロキシプロピルアセタート、595gのパーフルオロプロピルビニルエーテル、134gの炭酸カリウムおよび460gのアセトニトリルを、圧力容器において80℃で70時間撹拌する。内圧は、反応の間、4barまで増加する。反応産物を100mlのアセトニトリルによって反応器から洗い落し、混合物を濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにおいて分離し、粗産物を減圧下で蒸留する(b.p.75℃、0.3mbar)。収量:533g=80%。
1H-NMR: 6.8 ppm (m, 2 H, -CFH); 4.8 ppm (m,1 H, -OCH); 4.3 ppm (m, 4H, -CH2); 2.1 ppm (s, 3 H, O=CCH3)
【0031】
例1b:
【化11】
30gのエステルを、圧力反応器において50barおよび40℃で12時間、水素を使用して、20mlのメタノール、0.5gのナトリウムメトキシド、27mgのRu−MACHO(Takasago International、日本)によって水素化させる。50mlのメチルtert−ブチルエーテルおよび50mlの水を反応混合物へ加え、有機相を分離し、NaSO上で乾燥させる。産物を、溶媒から離し、真空中で蒸留する(b.p.:74℃、0.4mbar)。
収量:20g=70%。
1H-NMR: 6.8 ppm (m, 2 H, -CFH); 4.8 - 4.3 ppm (m, 5H, -CH2);
【0032】
例1c:
【化12】
10gのフルオロアルコールアルコールを、0.5gのトルエン−4−スルホン酸一水和物とともに、35mlのトルエンにおいて溶解する。2.7gのメタクリル酸無水物を、次いで撹拌しながら徐々に加え、反応混合物を110℃で24h撹拌する。25mlの水および25mlのMTBEを、室温まで冷却されたバッチへ加え、分液漏斗において分離する。水相をその後25mlのMTBEで2回洗浄する。組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過する。溶媒を、その後ロータリーエバポレーターにおいて蒸留する。収量:9.98g
1H-NMR: 6.8 ppm (m, 2 H, -CFH); 6.0 ppm (d,1H, =CH); 5.6 ppm (d,1H,=CH); 4.8 - 4.3 ppm (m, 5H, -CH2); 1.7 ppm (s, 3H, -CH3)
【0033】
例2:式(I’)、式中、R’’’=CHおよびRf=C−O、で表わされる化合物の合成
【化13】
例2a:
【化14】
8.63gのパーフルオロプロピルビニルエーテルを、120℃で18時間、圧力反応器において、2.5gの1,4−ジメルカプトブタン−2,3−ジオール、25mlのアセトニトリルおよび0.67gの炭酸カリウムとともに加熱する。25mlの水および25mlのMTBEを、反応混合物へ加え、相を分離する。水相を2x25mlのMTBEで抽出し、組み合わされた有機相を70mlの水および70mlの飽和NaCl溶液によって洗浄する。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を蒸留する。
収量:9.82g=88%
1H-NMR: 6.8 ppm (d, 2 H, -CFH); 3.6 ppm (m, 2H, -CHOH); 3.0 ppm (m, 4H, -SCH2);
【0034】
例2b:
【化15】
10gのフルオロアルコールアルコールを、0.5gのトルエン−4−スルホン酸一水和物とともに35mlのトルエンに溶解する。4.5gのメタクリル酸無水物を、次いで撹拌しながら徐々に加え、反応混合物を110℃で24h撹拌する。25mlの水および25mlのMTBEを、室温まで冷却したバッチへ加え、分液漏斗において分離する。水相をその後25mlのMTBEで2回洗浄する。組み合わされた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過する。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒をその後除去する。収量:14.5g
1H-NMR: 6.8 ppm (m, 2 H, -CFH); 6.0 ppm (d,2H, =CH); 5.6 ppm (d,2H,=CH); 3.6 ppm (m, 2H, -OCH-); 3.0 ppm (m, 4H, -SCH2); 1.6 ppm (s, 6H, -CH3)
【0035】
例3:式(I’c)、式中、R’’’=CHおよびRf=C−O、で表わされる化合物の合成
【化16】
例3a:
【化17】
77.30gのパーフルオロプロピルビニルエーテルを、100℃で18時間、圧力反応器において、52.21gの2−メルカプトエタノール、40mlのアセトニトリルおよび12gの炭酸カリウムとともに加熱する。25mlの水および25mlのMTBEを反応混合物へ加え、相を分離する。水相を2x25mlのMTBEで抽出し、組み合わされた有機相を、70mlの水および70mlの飽和NaCl溶液で洗浄する。抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を除去し、粗材料を蒸留する(b.p.45〜49℃、0.1mbar)。収量:63.40g=63%
1H-NMR: 6.8 ppm (dt, 1 H, -CFH); 3.6 ppm (t, 2H, -CH2O-); 3.1 ppm (t, 2H, -SCH2);
【0036】
例3b:
【化18】
10gのフルオロアルコールアルコールを、60mlのトルエンに、0.5gのトルエン−4−スルホン酸一水和物とともに溶解する。4.5gのメタクリル酸無水物を、次いで撹拌しながら徐々に加え、反応混合物を110℃で24h撹拌する。25mlの水および25mlのMTBEを、室温まで冷却したバッチへ加え、分液漏斗において分離する。水相をその後25mlのMTBEで2回洗浄する。組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにおいて除去する。
収量:11.30g=94%
1H-NMR: 7.1 ppm (m, 1 H, -CFH); 6.1 ppm (m,1H, =CH); 5.7 ppm (m,1H,=CH); 4.3 ppm (t, 2H, -CH2O-); 3.2 ppm (t,2H, -SCH2); 1.9 ppm (s, 3H, -CH3)
【0037】
例4:式(Id)、式中、R’’’=CH、R=CHおよびRf=CF−O−C−Oで表わされる化合物の合成
【化19】
例4a:
【化20】
5gのメチル3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオナート、20mlの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−3−トリフルオロビニルオキシプロパン、60mlのアセトニトリルおよび6gの炭酸カリウムを、80℃で20h、圧力反応器において撹拌する。1.5barの圧力が確立された。反応を終了させ、水およびMTBEを反応混合物へ加える。相を分離し、水相を2x50mlのMTBEで抽出する。組み合わされた有機相を、その後70mlの水および70mlのNaCl溶液で洗浄する。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を蒸留する。
産物重量:20.58g 75%
1H-NMR: 6.6 ppm (m, 2 H, -CFH); 4.2 ppm (dd, 4H, -CH2O); 3.7 ppm (s,3H, -OCH3); 1.25 ppm (s, 3H CCH3)
【0038】
例4b:
【化21】
20gのエステルを、50barおよび40℃で12時間、圧力反応器において、水素を使用して、15mlのメタノール、0.3gのナトリウムメトキシド、15mgの触媒によって水素化する。50mlのメチルtert−ブチルエーテルおよび50mlの水を反応混合物へ加え、有機相を分離され、NaSO上で乾燥する。産物を溶媒から離し、真空中で蒸留する(b.p.:95℃、0.1mbar)。
収量:16g=82%。
1H-NMR: 6.6 ppm (m, 2 H, -CFH); 6.1 ppm (m,1H, =CH); 5.7 ppm (m,1H,=CH); 4.3-4.1 ppm (m, 6H, -CH2O); 1.3 ppm (s, 3H CCH3)
【0039】
例4c:
【化22】
10gのフルオロアルコールアルコールを、0.5gのトルエン−4−スルホン酸一水和物とともに、35mlのトルエンに溶解する。2gのメタクリル酸無水物を、次いで撹拌しながら徐々に加え、反応混合物を110℃で24h撹拌する。25mlの水および25mlのMTBEを、室温まで冷却したバッチへ加え、分液漏斗において分離する。水相をその後25mlのMTBEで2回洗浄し、組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、濾過する。溶媒をロータリーエバポレーターにおいて除去する。収量:10.5g=96%
1H-NMR: 6.6 ppm (m, 2 H, -CFH); 6.2 ppm (m,1H, =CH); 5.7 ppm (m,1H,=CH); 4.3-4.1 ppm (m, 6H, -CH2O); 1.9 ppm (s, 3H, -CH3); 1.25 ppm (s, 3H CCH3)
【0040】
例5:式(Ih)、式中、R’’=CHおよびRf=C−O、で表わされる化合物の合成
【化23】
例5a:
【化24】
3.56gのブタ−2−エン1,4−ジオールおよび26.87gのパーフルオロビニルオキシプロパンを、2.84gのKOHおよび27.5gのアセトニトリルとともに、オートクレーブにおいて80℃まで加熱し、この温度で24h反応させる。この間、内圧は初期の2.6barから1barへ急降下する。室温への冷却後、バッチを濾過し、溶媒を蒸留する。溶媒を真空中で除去する。粗収量:m=30.28g
粗産物を30mlのアセトニトリルに溶解し、20mlのトルエンを加え、白色ゲルを析出させる。沈殿物を微小シリカゲルを介して濾過して除き、20mlのアセトニトリルでゆすぐ。溶媒の除去後、残留物を乾燥する。
収量:m=24.8g
1H-NMR: 6.7 ppm (m, 2 H, -CFH); 6.0 ppm (s,2H, =CH); 4.6 ppm (s, 4H, -CH2O);
【0041】
例5b:
【化25】
12mlのabs.THF中の0.15gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(〜40%のPt)および10gのパーフルオロオレフィンを、氷冷された100mlの四首フラスコにアルゴン下で初期に導入する。1.84mlのトリクロロシランを、注射器を介して、撹拌および氷冷しながら、ITが5℃を超えないような速度でバッチへ加える。バッチを60℃まで加熱し、この温度で4h反応させる。混合物を、その後一晩かけてアルゴン下でRTまで冷却する。5mlのトリメチルオルトホルマートを加え、2mlのMeOHをその後加える。この添加の間、温度は33℃まで5K上昇する。混合物を50℃まで温め、この温度で2h撹拌する。バッチを冷却し、溶媒を除去し、残留物を真空中で乾燥する。粗収量:m=18.95g
バッチを、高真空の管球蒸留器において120℃で精製する。
1H-NMR: 6.7 ppm (dt, 2 H, -CFH); 3.8 ppm (m,4 H, -OCH2); 3.5 ppm (s,9H, -OCH3); 1.4 ppm (m,2 H, -CH2); 0.6 ppm (m,1 H, -SiCH);
【0042】
例6:式(Ig)、式中、R’’=CHおよびRf=C−Oで表わされる化合物の合成
【化26】
例6a:
【化27】
10.0gのアリルオキシ−1,2−プロパンジオールを、60.4gのパーフルオロビニルオキシプロパン、13.6gの炭酸カリウムおよび46.5gのアセトニトリルと、オートクレーブにおいて80℃で48h反応させる。完了後、バッチを濾過し、溶媒を真空中で除去する。収量:m=50.2g
産物は真空中で蒸留される(64〜65℃、3mbar)
1H-NMR: 6.8 ppm (d, 2 H, -CFH); 5.9 ppm (m, 1H, CH); 5.3 ppm (d, 1H, =CH2), 5.2 ppm (d, 1H, =CH2), 4.8 ppm (d, 1H, =CH) 4.2 ppm (m,2 H, -OCH2); 4.0 ppm (m,2 H, -OCH2); 3.8 ppm (m,2 H, -OCH2)
【0043】
例6b:
【化28】
12mlのabs.THF中の0.15gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(〜40%のPt)および10gのパーフルオロオレフィンを、氷冷された100ml四首フラスコにアルゴン下で初期に導入する。1.84mlのトリクロロシランは、注射器を介して、撹拌および氷冷しながら、ITが5℃を超えないような速度でバッチに加える。バッチを60℃まで加熱し、この温度で4h反応させる。混合物を、その後一晩かけて、アルゴン下でRTまで冷却する。5mlのトリメチルオルトホルマートを加え、2mlのMeOHをその後加える。バッチを50℃まで温め、この温度で6h撹拌する。バッチを冷却し、溶媒を除去し、残留物を真空中で乾燥する。粗収量:m=15.2g
産物は管球蒸留器において精製される。115℃ 0.01mbar
1H-NMR: 6.8 ppm (d, 2 H, -CFH); 5.9 ppm (m, 1H, CH); 4.2 ppm (m, 2H, -OCH2); 4.0 ppm (m, 2H, -OCH2); 3.5 ppm (s, 9H,-OCH3); 3.4 ppm (m, 2H, -OCH2) 1.5-0.6ppm (m, 4H, CH2-CH2-Si-)