(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は開口部を含み、前記開口部及び前記光学素子は、荷電粒子の前記複数のビームの経路を集合的に形成する、請求項1に記載の装置。
前記第1の導電層、前記第2の導電層、及び前記第3の導電層は、前記光学素子を収容する空洞を集合的に形成し、前記空洞は前記光学素子を互いに電気的に遮蔽するように構成される、請求項1に記載の装置。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書に開示するのは、以下を含む装置である、即ち、第1の導電層、第2の導電層、第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を及ぼすように構成された、複数の光学素子、第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層、並びに、光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層、を含む装置である。
【0007】
[0007] 一実施形態によれば、第3の導電層は複数の穴を含み、穴は光学素子を収容する。
【0008】
[0008] 一実施形態によれば、光学素子は第3の導電層から電気的に絶縁される。
【0009】
[0009] 一実施形態によれば、第3の導電層は、第1の導電層、第2の導電層、又はその両方に電気的に接続される。
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、第1の導電層及び第2の導電層は開口部を含み、開口部及び光学素子は、荷電粒子の複数のビームの経路を集合的に形成する。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、開口部は上下逆さの漏斗状、又は座ぐり形状を有する。
【0012】
[0012] 一実施形態によれば、第3の導電層は、光学素子のうちの少なくとも2つの間に配置される。
【0013】
[0013] 一実施形態によれば、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、光学素子を収容する空洞を集合的に形成し、空洞は光学素子を互いに電気的に遮蔽するように構成される。
【0014】
[0014] 一実施形態によれば、電気絶縁層は不連続な部分を含み、それらの部分の各々は光学素子のうちの1つと物理的に接続される。
【0015】
[0015] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、第1の導電層、第2の導電層、又は第3の導電層に物理的に接続される。
【0016】
[0016] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、光学素子に機械的支持を提供するように構成される。
【0017】
[0017] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、光学素子に対して上流に配置される。
【0018】
[0018] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、光学素子に対して下流に配置される。
【0019】
[0019] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、第3の導電層と第1の導電層との間に延びる。
【0020】
[0020] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、第1の導電層を、第3の導電層、第2の導電層、及び光学素子から絶縁する。
【0021】
[0021] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、電気絶縁層を貫通する導電ビアを含み、この導電ビアは、第1の導電層を第3の導電層に電気的に接続する。
【0022】
[0022] 一実施形態によれば、導電ビアは、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層によって形成され且つ光学素子のうちの1つを収容する空洞を囲む。
【0023】
[0023] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、第3の導電層と第2の導電層との間に延びる。
【0024】
[0024] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、第2の導電層を、第3の導電層、第1の導電層、及び光学素子から絶縁する。
【0025】
[0025] 一実施形態によれば、電気絶縁層は、電気絶縁層を貫通する導電ビアを含み、導電ビアは第2の導電層を第3の導電層に電気的に接続する。
【0026】
[0026] 一実施形態によれば、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、半導体又は金属を含む。
【0027】
[0027] 一実施形態によれば、光学素子は、レンズ、非点収差補正器、偏向器、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0028】
[0028] 一実施形態によれば、光学素子は、丸レンズ静電場、静電双極子場、及び静電四極場からなる群から選択される電場を生成するように構成される。
【0029】
[0029] 一実施形態によれば、光学素子のうちの少なくとも1つは、複数の極を含む。
【0030】
[0030] 一実施形態によれば、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、光学素子のクロストーク又は電界分布の変形を低減するように構成される。
【0031】
[0031] 一実施形態によれば、この装置は更に、ビームとサンプルとの相互作用から生成される信号を捕捉するように構成される検出器を含む。
【0032】
[0032] 一実施形態によれば、この信号は、二次電子若しくは後方散乱電子、オージェ電子、X線、又はカソードルミネセンスを含む。
【0033】
[0033] 一実施形態によれば、荷電粒子は電子を含む。
【0034】
[0034] 本明細書では、以下を含む装置、即ち、第1の導電層、第2の導電層、第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を及ぼすように構成された、複数の光学素子、第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層、並びに、光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層、を含む装置について開示しており、電気絶縁層は第3の導電層と第1の導電層との間、又は第3の導電層と第2の導電層との間に延びている。
【0035】
[0035] 本明細書では、以下を含む装置、即ち、第1の導電層、第2の導電層、第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を及ぼすように構成された、複数の光学素子、第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層、光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層、並びに、第1の導電層と接し、且つ第1の導電層の上流にある第4の導電層、を含む装置について開示する。
【0036】
[0036] 本明細書では、以下を含む装置、即ち、第1の導電層、第2の導電層、第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を及ぼすように構成された、複数の光学素子、第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層、光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層、並びに、第2の導電層と接し、且つ第2の導電層の下流にある第5の導電層、を含む装置について開示する。
【0037】
[0037] 本明細書では、以下を含むシステム、即ち、荷電粒子を生成するように構成された放射源、及び、荷電粒子を用いてサンプルの表面上に複数のプローブスポットを生成し、表面上のプローブスポットをスキャンするように構成された光学系、を含むシステムについて開示しており、光学系は、上記の装置の何れかを含む。
【0038】
[0038] 一実施形態によれば、放射源は電子銃である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[0055] サンプル(例えば、基板及びパターニングデバイス)を検査するための様々な技術がある。検査技術のうちの一種は、光学検査であり、この検査では、基板又はパターニングデバイスに光ビームを向け、光ビームとサンプルとの相互作用(例えば、散乱、反射、回折)を表す信号を記録する。別の種類の検査技術は荷電粒子ビーム検査であり、この検査では、サンプルに荷電粒子(例えば、電子)ビームを向け、荷電粒子とサンプルとの相互作用(例えば、二次放射及び後方散乱放射)を表す信号を記録する。
【0041】
[0056] 荷電粒子ビーム検査で使用される荷電粒子の波長が光学検査で使用される光の波長よりも短いおかげで、荷電粒子ビーム検査は光学検査よりも高い解像度を有することがある。デバイス製造プロセスが進化するにつれて、基板及びパターニングデバイス上のパターンの寸法が益々小さくなったので、荷電粒子ビーム検査がより広く使用されるようになった。荷電粒子ビーム検査のスループットは、そこで使用される荷電粒子間の相互作用(例えば、クーロン効果)のせいで、比較的に低くなる。荷電粒子の複数のビームを使用してスループットを高めることができる。
【0042】
[0057] 一例では、荷電粒子の複数のビームが、サンプル上の複数の領域を同時にスキャンすることができる。複数ビームのスキャンは、同期させることも又は独立させることもできる。複数の領域は、それらの間で重なり合うことがあり、又は、互いに分離していることもある。ビームとサンプルとの相互作用から生成される信号は、複数の検出器によって収集されることがある。検出器の数は、ビームの数より少ないことも、等しいことも、又は多いこともある。複数のビームは、個別に制御されるか、又は集合的に制御されることがある。
【0043】
[0058] 荷電粒子の複数のビームは、サンプルの表面上に複数のプローブスポットを形成することがある。プローブスポットは、表面上の複数の領域を別々に又は同時にスキャンすることができる。各ビームの荷電粒子は、プローブスポットの位置から信号を生成することができる。信号の一例は、二次電子である。二次電子は通常、50eV未満のエネルギーを有する。信号の別の例は、ビームの荷電粒子が電子である場合には、後方散乱電子である。後方散乱電子は通常、ビームの電子のランディングエネルギーに近いエネルギーを有する。プローブスポットの位置からの信号は、複数の検出器によって、別々に又は同時に収集されることがある。
【0044】
[0059] 複数のビームは、それぞれ複数の放射源からのものであることも、又は単一の放射源からのものであることもある。ビームが複数の放射源からのものである場合、複数のカラムがスキャンしビームを表面上に集束させることがあり、また、ビームによって生成された信号は、それぞれカラム内の検出器によって検出されることがある。複数の放射源からのビームを使用した装置は、マルチカラム装置と呼ばれることがある。カラムは、独立であるか、又は多軸磁気若しくは電磁気複合対物レンズを共有することがある(米国特許第8,294,095号を参照。この特許の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。マルチカラム装置によって生成されるプローブスポットは、30〜50mm程の距離だけ離れていることがある。
【0045】
[0060] ビームが単一の放射源からのものである場合、放射源変換ユニットを使用して、単一の放射源の複数の虚像又は実像を形成することができる。それぞれの像及び単一の放射源は、ビーム(全てのビームレットが同一の放射源からのものであるので「ビームレット」とも呼ばれる)の放射器として捉えることができる。放射源変換ユニットは、単一の放射源からの荷電粒子を複数のビーム(「ビームレット」とも呼ばれる)に分割することができる複数の開口部を備えた導電層を有することがある。放射源変換ユニットは、ビームレットに影響を与えて単一の放射源の複数の虚像又は実像を形成することができる光学素子を有することがある。それぞれの像は、ビームレットのうちの1つを放射する放射源として捉えることができる。ビームレットは、マイクロメートルの距離だけ間隔をあけられることがある。投影系及び偏向スキャンユニットを有することがある単一のカラムを使用して、スキャンを行いサンプルの複数の領域上にビームレットを集束させることができる。ビームレットによって生成される信号は、単一のカラム内部の検出器の複数の検出素子によって、それぞれ検出することができる。単一の放射源からのビームを使用した装置は、マルチビーム装置と呼ばれることがある。
【0046】
[0061] 単一の放射源の像を形成するためには、少なくとも2つの方法がある。第1の方法では、各光学素子は、1つのビームレットを集束させそれによって1つの実像を形成する、静電マイクロレンズを有する(例えば、米国特許第7,244,949号を参照。当該特許の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。第2の方法では、各光学素子は、1つのビームレットを偏向させそれによって1つの虚像を形成する、静電マイクロ偏向器を有する(例えば、米国特許第6,943,349号、及び米国特許出願第15/065,342号を参照。当該特許及び特許出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。第2の方法における荷電粒子間の相互作用(例えば、クーロン効果)は、第1の方法におけるものよりも弱いことがある、というのも、実像はより高い電流密度を有するからである。
【0047】
[0062]
図1Aは、荷電粒子の複数のビームを使用して荷電粒子ビーム検査を実行することができる装置400を概略的に示しており、複数のビームの荷電粒子は、単一の放射源(マルチビーム装置)からのものである。装置400は、自由空間に荷電粒子を生成することができる放射源401を有する。一例では、荷電粒子は電子であり、放射源401は電子銃である。装置400は、荷電粒子を用いてサンプル407の表面上に複数のプローブスポットを生成し、サンプル407の表面上のプローブスポットをスキャンすることができる、光学系419を有する。光学系419は、集光レンズ404と、集光レンズ404に対して上流又は下流にある主開口部405とを有することがある。本明細書で使用する場合、「構成要素Aは構成要素Bに対して上流にある」という表現は、装置の通常動作において、荷電粒子のビームが、構成要素Bに到達する前に構成要素Aに到達する、ということを意味する。本明細書で使用する場合、「構成要素Bは構成要素Aに対して下流にある」という表現は、装置の通常動作において、荷電粒子のビームが、構成要素Aに到達した後で構成要素Bに到達する、ということを意味する。光学系419は、放射源401の複数の虚像(例えば、虚像402及び403)を形成するように構成された放射源変換ユニット410を有する。虚像及び放射源401はそれぞれ、ビームレット(例えば、ビームレット431、432、及び433)の放射器として捉えることができる。放射源変換ユニット410は、放射源401からの荷電粒子を複数のビームレットに分割することができる複数の開口部を備えた導電層412と、ビームレットに影響を与えて放射源401の虚像を形成することができる光学素子411と、を有することがある。光学素子411は、ビームレットを偏向させるように構成されたマイクロ偏向器であることがある。ビームレットの電流は、導電層412の開口部のサイズ、又は集光レンズ404の焦点合わせ能力によって影響を受けることがある。光学系419は、複数のビームレットを集束させ、それによってサンプル407の表面上に複数のプローブスポットを形成するように構成された対物レンズ406を含む。放射源変換ユニット410は、プローブスポットの収差(例えば、像面湾曲及び非点収差)を低減又は除去するように構成されたマイクロ補償器を有することもある。
【0048】
[0063]
図1Bは、代替的なマルチビーム装置を概略的に示す。集光レンズ404は、放射源401からの荷電粒子を平行化する。放射源変換ユニット410の光学素子411は、マイクロ補償器413を含むことがある。マイクロ補償器413は、マイクロ偏向器とは別個であることがあり、又は、マイクロ偏向器と一体化されていることがある。別個である場合、マイクロ補償器413はマイクロ偏向器の上流に配置されることがある。マイクロ補償器413は、集光レンズ404又は対物レンズ406の軸外収差(例えば、像面湾曲、非点収差、及び歪み)を補償するように構成される。軸外収差は、軸外の(即ち、装置の主光軸に沿っていない)ビームレットによって形成されるプローブスポットのサイズ又は位置に悪影響を与えることがある。対物レンズ406の軸外収差は、ビームレットの偏向によっても完全に除去されないことがある。マイクロ補償器413は、対物レンズ406の残留軸外収差(即ち、ビームレットの偏向によって除去することができない軸外収差の部分)、又はプローブスポットのサイズの不均一性を補償することができる。マイクロ補償器413の各々は、導電層412の開口部のうちの1つと整列している。マイクロ補償器413はそれぞれ、4つ以上の極を有することがある。ビームレットの電流は、導電層412の開口部のサイズ、及び/又は集光レンズ404の位置によって影響を受けることがある。
【0049】
[0064]
図1Cは、代替的なマルチビーム装置を概略的に示す。放射源変換ユニット410の光学素子411は、事前屈曲マイクロ偏向器414を含むことがある。事前屈曲マイクロ偏向器414は、ビームレットが導電層412の開口部を通過する前に、ビームレットを曲げるように構成されたマイクロ偏向器である。
【0050】
[0065] 単一の放射源からの荷電粒子の複数のビームを使用した装置についての更なる説明を、米国特許出願公開第2016/0268096号、第2016/0284505号、及び第2017/0025243号、米国特許第9607805号、米国特許出願第15/365,145号、第15/213,781号、第15/216,258号、及び第62/440,493号、並びにPCT出願第PCT/US17/15223号に見出すことができ、これらの開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
[0066] 放射源変換ユニット(例えば、
図1A、
図1B、又は
図1Cの放射源変換ユニット410)内の2つの光学素子(例えば、
図1A、
図1B、又は
図1Cのマイクロ偏向器又はマイクロ補償器)が互いに近くにある場合、それらの間にはクロストークが存在することがある。即ち、1つの光学素子によって引き起こされる電場が、別の光学素子のビームパスにまで延在することがあり、他の光学素子を伝搬するビームに影響を与えることがある。例えば、放射源変換ユニット410内のマイクロ偏向器は、電場によってビームレットを曲げることがあり、1つのマイクロ偏向器によって生成された電場は、隣のマイクロ偏向器のビームパスにまで延在することがあり、それによって、隣のマイクロ偏向器を通るビームレットを、隣のマイクロ偏向器によって生成された電場によって引き起こされる曲げに加えてある量だけ、曲げることになる。同様に、例えば、放射源変換ユニット410内のマイクロ補償器のうちの1つによって生成された電場(例えば、四極場又は丸レンズ場)は、隣のマイクロ補償器のビームパスにまで延在することがあり、それによって、隣のマイクロ補償器を通るビームレットに、隣のマイクロ補償器によって生成された電場によって引き起こされる影響に加えてある量だけ、影響を与えることがある。
【0052】
[0067] 光学素子が互いにより近くにある場合(例えば、1つのウェーハ又はウェーハのスタックに統合されている場合)、クロストークはより深刻になる傾向がある。一例として、
図2Aは、ウェーハのスタック内に統合された2つの光学素子611と612との間のクロストークを概略的に示す。
図2Bは、
図2Aの断面A−Aに沿った断面図を概略的に示す。光学素子611及び612は、絶縁層616に取り付けられる。光学素子611及び612の上流に(例えば、円形の形状の)開口部を備えた導電プレート617、又は光学素子611及び612の下流に(例えば、円形の形状の)開口部を備えた導電プレート618がある。光学素子611及び612は、円形の電極又は複数の極を有することがある。光学素子611が導電プレート617及び618の電位とは異なる電位に設定されると、電場が生成されて、光学素子611を通るビームパス613に沿って伝搬するビームレットに影響を与える(例えば、ビームレットの像面湾曲収差を補償する)。
図2A及び
図2Bの等電位線615は、導電プレート617及び618並びに光学素子612が光学素子611の電位とは異なる同じ電位にあり、導電プレート617及び618の開口部が円形であり、光学素子611及び612が円形の電極を有する場合の、電場を表す。等電位線615の広範囲に渡る大きさによって示されるように、電場は、光学素子612を通るビームパス614にまで延在する。従って、光学素子612を通過するビームレットは、光学素子612が生成する電場のみならず、光学素子611が生成する電場によっても、影響を受けることがある、即ち、光学素子611及び612はクロストークを有する。
【0053】
[0068]
図2Bに示すように、等電位線615は軸対称ではない、というのも、光学素子611を取り囲む構造が軸対称ではないからである。従って、光学素子611が生成する電場は、像面湾曲収差を補償する軸対称成分(丸レンズ場とも呼ばれる)だけでなく、偏向場及び非点収差補正場などの高次の回転対称成分も含む。高次成分は、光学素子611を通過するビームレットに収差を追加する。
【0054】
[0069]
図3A及び
図3Bはそれぞれ、一実施形態による、マルチビーム装置の放射源変換ユニットの部分700を概略的に示す。部分700は、第1の導電層720と第2の導電層740との間に挟まれた複数の光学素子710(例えば、マイクロ偏向器、マイクロレンズ、マイクロ非点収差補正器、マイクロ補償器)を有する。第1の導電層720及び第2の導電層740は、光学素子710と共に集合的にビームレットの経路(例えば、経路701、702、及び703)を形成する開口部を有する。部分700は、光学素子710を収容する複数の穴を備えた第3の導電層730も有する。第3の導電層730は、第1の導電層720と第2の導電層740との間に延びる。第3の導電層730は、第1の導電層720、又は第2の導電層740、又はその両方に電気的に接続される。第3の導電層730は、光学素子710のうちの少なくとも2つの間に配置される、即ち、2つの光学素子710のビームパスが接する平面が、第3の導電層730と交差する。第3の導電層730の穴の間の壁は、光学素子710の間に静電遮蔽を提供することができる。部分700は、電気絶縁層750を有する。電気絶縁層750は、光学素子710に物理的に接続される。例えば、電気絶縁層750は不連続な部分を有することがあり、それらの部分の各々は光学素子710のうちの1つに物理的に接続される。電気絶縁層750は、第1の導電層720、第2の導電層740、又は第3の導電層730に物理的に接続される。電気絶縁層750は、光学素子710に機械的支持を提供することができ、光学素子710を、第1の導電層720、第2の導電層740、及び第3の導電層730から電気的に絶縁することができる。第1の導電層720、第2の導電層740、及び第3の導電層730は、互いに電気的に遮蔽された空洞760を集合的に形成し、空洞760の各々は、光学素子710のうちの1つを収容する。空洞760は、円形の断面形状を有することがある。第1の導電層720、第2の導電層740、及び第3の導電層730は、外部の漂遊磁場からビームパスを磁気的に遮蔽するために、磁気伝導性であることがある。
図3A及び
図3Bに示す例では、電気絶縁層750は、光学素子710に対してそれぞれ上流及び下流に配置される。
図3A及び
図3Bに示す例では、第3の導電層730は、第1の導電層720及び第2の導電層740の両方に電気的に接続される。
【0055】
[0070]
図3C及び
図3Dはそれぞれ、一実施形態による、マルチビーム装置の放射源変換ユニットの部分700を概略的に示す。
図3Cに示す例は、電気絶縁層750が第3の導電層730と第1の導電層720との間に延在するという点を除いて、
図3Aの例と同じである。電気絶縁層750は、光学素子710から第1の導電層720を電気的に絶縁する。電気絶縁層750は、第1の導電層720を、第3の導電層730及び第2の導電層740からも電気的に絶縁することができる。電気絶縁層750は、電気絶縁層750を貫通する1つ又は複数の導電ビア723を有することがあり、導電ビア723は、第1の導電層720を第3の導電層730に電気的に接続する。電気絶縁層750は、例えば100ミクロン未満、50ミクロン未満、又は10ミクロン未満など、非常に薄いことがある。電気絶縁層750は、酸化物、窒化物、又は何れかの他の適切な材料であることがある。
【0056】
[0071]
図3Dに示す例は、電気絶縁層750が第3の導電層730と第2の導電層740との間に延在するという点を除いて、
図3Bの例と同じである。電気絶縁層750は、光学素子710から第2の導電層740を電気的に絶縁する。電気絶縁層750は、第2の導電層740を、第3の導電層730及び第1の導電層720からも絶縁することができる。電気絶縁層750は、電気絶縁層750を貫通する1つ又は複数の導電ビア723を有することがあり、それにより、1つ又は複数の導電ビア723によって第2の導電層740を第3の導電層730に電気的に接続し、導電ビア723は、第2の導電層740を第3の導電層730に電気的に接続する。電気絶縁層750は、例えば100ミクロン未満、50ミクロン未満、又は10ミクロン未満など、非常に薄いことがある。電気絶縁層750は、酸化物、窒化物、又は何れかの他の適切な材料であることがある。
【0057】
[0072]
図3E及び
図3Fはそれぞれ、一実施形態による、マルチビーム装置の放射源変換ユニットの部分700を概略的に示す。
図3E及び
図3Fに示す例は、電気絶縁層750が、空洞760の各々を囲む導電ビア723を有し、導電ビア723は第3の導電層730を、第1の導電層720又は第2の導電層740に電気的に接続する、という点を除いて、それぞれ
図3C及び
図3Dの例と同じである。
図3Gは、
図3C又は
図3Dの断面B−Bに沿った断面図を概略的に示す。
【0058】
[0073]
図3Hは、一実施形態による、マルチビーム装置の放射源変換ユニットの部分700を概略的に示す。
図3Hに示す例は、部分700が、第1の導電層720の上流に第4の導電層721を追加で有することを除いて、
図3Cの例と同じである。第4の導電層721は、第1の導電層720に直接的に接合されることがある。第4の導電層721及び第1の導電層720は、同じ材料を有することがある。第4の導電層721は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために側壁が細くなっている開口部を有する。側壁を細くするために、
図3Hに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0059】
[0074]
図3Iは、一実施形態による、マルチビーム装置の放射源変換ユニットの部分700を概略的に示す。
図3Iに示す例は、部分700が、第2の導電層740の下流に第5の導電層741を追加で有することを除いて、
図3Dの例と同じである。第5の導電層741は、第2の導電層740に直接的に接合されることがある。第5の導電層741及び第2の導電層740は、同じ材料を有することがある。第5の導電層741は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために側壁が細くなっている開口部を有する。側壁を細くするために、
図3Iに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0060】
[0075] 第1の導電層720、第3の導電層730、及び第2の導電層740に適した材料は、半導体(例えば、シリコン)及び金属(例えば、金)を含むことがある。第1の導電層720、第3の導電層730、及び第2の導電層740は、必ずしも同じ材料を有するとは限らない。第1の導電層720、第2の導電層740、第3の導電層730は、それぞれ、半導体ウェーハ、金属(例えば、金)コーティングを有する半導体ウェーハ、又は金属(例えば、金)コーティングを有する誘電体プレートから作製することができる。光学素子710は、半導体ウェーハから作製することができる。光学素子710及び第3の導電層730は、同じ半導体ウェーハ、金属(例えば、金)コーティングを有する同じ半導体ウェーハ、又は金属(例えば、金)コーティングを有する同じ誘電体プレートから作製することができる。
図3A〜
図3Iに示した放射源変換ユニットは、光学素子710のクロストーク及び電界分布の変形を低減又は除去するのに役立つことがある。
【0061】
[0076] 放射源変換ユニットは、互いに積み重ねられた
図3A〜
図3Iの部分700を有することがある。例えば、
図4Aは、互いに積み重ねられた
図3Cの2つの部分810及び820を含む放射源変換ユニットを概略的に示す。積層体の上流にある部分810の第2の導電層740と、積層体の下流にある部分820の第1の導電層720とは、単一の層として結合させることができる。部分810内の光学素子710はマイクロ偏向器であり得る。部分820内の光学素子710は、マイクロ補償器であることがあり、これは、マイクロレンズ及びマイクロ非点収差補正器を含むことがある。代替的に、同じ経路に沿った光学素子710は、マイクロ補償器として集合的に働くことがある。部分820の第2の導電層740内の開口部、又は部分810の第1の導電層720内の開口部は、
図1A、
図1B、又は
図1Cの導電層412内の開口部として働くことができる。開口部の側壁は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために細くなっていることがある。側壁を細くするために、
図4Aに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0062】
[0077]
図4Bは、放射源変換ユニットの別の例を示しており、これは、部分810が
図3Hの部分であるという点を除いて、
図4Aの放射源変換ユニットと同様である。
【0063】
[0078]
図5Aは、互いに積み重ねられた
図3Cの3つの部分910、920、及び930を含む放射源変換ユニットを概略的に示す。積層体の上流にある部分910の第2の導電層740と、積層体の中央にある部分920の第1の導電層720とは、単一の層として結合させることができる。積層体の中央にある部分920の第2の導電層740と、積層体の下流にある部分930の第1の導電層720とは、単一の層として結合させることができる。部分910及び920内の光学素子710は、マイクロ補償器、マイクロレンズ、及びマイクロ非点収差補正器であり得る。部分930内の光学素子710は、マイクロ偏向器とすることができる。部分910の第1の導電層720内の開口部は、
図1B又は
図1Cの導電層412内の開口部として働くことができる。開口部の側壁は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために細くなっていることがある。側壁を細くするために、
図5Aに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0064】
[0079]
図5Bは、放射源変換ユニットの別の例を示しており、これは、部分910が
図3Hの部分であるという点を除いて、
図5Aの放射源変換ユニットと同様である。
【0065】
[0080]
図6Aは、互いに積み重ねられた
図3Dの3つの部分910、920、及び930を含む放射源変換ユニットを概略的に示す。積層体の上流にある部分910の第2の導電層740と、積層体の中央にある部分920の第1の導電層720とは、単一の層として結合させることができる。積層体の中央にある部分920の第2の導電層740と、積層体の下流にある部分930の第1の導電層720とは、単一の層として結合させることができる。部分910及び920内の光学素子710は、マイクロ補償器、マイクロレンズ、及びマイクロ非点収差補正器であり得る。部分930内の光学素子710は、マイクロ偏向器とすることができる。部分910の第1の導電層720内の開口部は、
図1B又は
図1Cの導電層412内の開口部として働くことができる。開口部の側壁は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために細くなっていることがある。側壁を細くするために、
図6Aに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0066】
[0081]
図6Bは、放射源変換ユニットの別の例を示しており、これは、部分930が
図3Iの部分であるという点を除いて、
図6Aの放射源変換ユニットと同様である。
【0067】
[0082]
図7Aは、互いに積み重ねられた
図3Cの3つの部分910、920、及び930(即ち、
図5Aの構造)、並びに部分910、920、及び930の積層体の上流にある
図3Dの部分940、を含む放射源変換ユニットを概略的に示す。部分910及び920内の光学素子710は、マイクロ補償器、マイクロレンズ、及びマイクロ非点収差補正器であり得る。部分930内の光学素子710は、マイクロ偏向器とすることができる。部分910の第1の導電層720内の開口部は、
図1Cの導電層412内の開口部として働くことができる。開口部の側壁は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために細くなっていることがある。側壁を細くするために、
図6Aに示すように、開口部は上下逆さの漏斗状を有することがある。部分940内の光学素子710は、事前屈曲マイクロ偏向器であり得る。部分940の第1の導電層720内の開口部の側壁は、開口部における荷電粒子の散乱を低減するために細くなっていることがある。側壁を細くするために、開口部は上下逆さの漏斗状又は座ぐり形状を有することがある。
【0068】
[0083]
図7Bは、放射源変換ユニットの別の例を示しており、これは、部分910が
図3Hの部分であるという点を除いて、
図7Aの放射源変換ユニットと同様である。
【0069】
[0084] 上記の開示は、マルチビーム装置(即ち、荷電粒子の複数のビームを使用した荷電粒子ビーム検査を実行できる装置。複数ビームの荷電粒子は、単一の放射源からのものである)に関してなされたが、実施形態は、マルチカラム装置(即ち、荷電粒子の複数のビームを使用した荷電粒子ビーム検査を実行できる装置。荷電粒子の複数ビームは、複数の放射源から生成される)においても適用可能であり得る。マルチカラム装置の更なる説明は、米国特許第8,294,095号に見出すことができ、当該特許の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
[0085] 実施形態は、以下の条項を使用して更に説明することができる。
条項1.
装置であって
第1の導電層と、
第2の導電層と、
第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を与えるように構成された、複数の光学素子と、
第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層と、
光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層と、を含む装置。
【0071】
条項2.
第3の導電層は複数の穴を含み、穴は光学素子を収容する、条項1に記載の装置。
【0072】
条項3.
光学素子は第3の導電層から電気的に絶縁される、条項1〜2の何れか一項に記載の装置。
【0073】
条項4.
第3の導電層は、第1の導電層、第2の導電層、又はその両方に電気的に接続される、条項1〜3の何れか一項に記載の装置。
【0074】
条項5.
第1の導電層及び第2の導電層は開口部を含み、開口部及び光学素子は、荷電粒子の複数のビームの経路を集合的に形成する、条項1〜4の何れか一項に記載の装置。
【0075】
条項6.
開口部は上下逆さの漏斗状、又は座ぐり形状を有する、条項5に記載の装置。
【0076】
条項7.
第3の導電層は、光学素子のうちの少なくとも2つの間に配置される、条項1〜6の何れか一項に記載の装置。
【0077】
条項8.
第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、光学素子を収容する空洞を集合的に形成し、空洞は光学素子を互いに電気的に遮蔽するように構成される、条項1〜7の何れか一項に記載の装置。
【0078】
条項9.
電気絶縁層は不連続な部分を含み、それらの部分の各々は光学素子のうちの1つと物理的に接続される、条項1〜8の何れか一項に記載の装置。
【0079】
条項10.
電気絶縁層は、第1の導電層、第2の導電層、又は第3の導電層に物理的に接続される、条項1〜9の何れか一項に記載の装置。
【0080】
条項11.
電気絶縁層は、光学素子に機械的支持を提供するように構成される、条項1〜10の何れか一項に記載の装置。
【0081】
条項12.
電気絶縁層は、光学素子に対して上流に配置される、条項1〜11の何れか一項に記載の装置。
【0082】
条項13.
電気絶縁層は、光学素子に対して下流に配置される、条項1〜12の何れか一項に記載の装置。
【0083】
条項14.
電気絶縁層は、第3の導電層と第1の導電層との間に延びる、条項1〜13の何れか一項に記載の装置。
【0084】
条項15.
電気絶縁層は、第1の導電層を、第3の導電層、第2の導電層、及び光学素子から絶縁する、条項14に記載の装置。
【0085】
条項16.
電気絶縁層は、電気絶縁層を貫通する導電ビアを含み、この導電ビアは、第1の導電層を第3の導電層に電気的に接続する、条項14に記載の装置。
【0086】
条項17.
導電ビアは、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層によって形成され且つ光学素子のうちの1つを収容する空洞を囲む、条項16に記載の装置。
【0087】
条項18.
電気絶縁層は、第3の導電層と第2の導電層との間に延びる、条項1〜13の何れか一項に記載の装置。
【0088】
条項19.
電気絶縁層は、第2の導電層を、第3の導電層、第1の導電層、及び光学素子から絶縁する、条項18に記載の装置。
【0089】
条項20.
電気絶縁層は、電気絶縁層を貫通する導電ビアを含み、この導電ビアは第2の導電層を第3の導電層に電気的に接続する、条項18に記載の装置。
【0090】
条項21.
導電ビアは、第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層によって形成され且つ光学素子のうちの1つを収容する空洞を囲む、条項20に記載の装置。
【0091】
条項22.
第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、半導体又は金属を含む、条項1〜21の何れか一項に記載の装置。
【0092】
条項23.
光学素子は、レンズ、非点収差補正器、偏向器、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、条項1〜22の何れか一項に記載の装置。
【0093】
条項24.
光学素子は、丸レンズ静電場、静電双極子場、及び静電四極場からなる群から選択される電場を生成するように構成される、条項1〜23の何れか一項に記載の装置。
【0094】
条項25.
光学素子のうちの少なくとも1つは複数の極を含む、条項1〜24の何れか一項に記載の装置。
【0095】
条項26.
第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層は、光学素子のクロストーク又は電界分布の変形を低減するように構成される、条項1〜25の何れか一項に記載の装置。
【0096】
条項27.
ビームとサンプルとの相互作用から生成される信号を捕捉するように構成される検出器を更に含む、条項1〜26の何れか一項に記載の装置。
【0097】
条項28.
信号は、二次電子若しくは後方散乱電子、オージェ電子、X線、又はカソードルミネセンスを含む、条項27に記載の装置。
【0098】
条項29.
荷電粒子は電子を含む、条項1〜28の何れか一項に記載の装置。
【0099】
条項30.
装置であって、
第1の導電層と、
第2の導電層と、
第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を与えるように構成された、複数の光学素子と、
第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層と、
光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層と、を含み、
電気絶縁層は、第3の導電層と第1の導電層との間、又は第3の導電層と第2の導電層との間に延びる、装置。
【0100】
条項31.
装置であって、
第1の導電層と、
第2の導電層と、
第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を与えるように構成された、複数の光学素子と、
第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層と、
光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層と、
第1の導電層と接触し且つ第1の導電層の上流にある、第4の導電層と、を含む装置。
【0101】
条項32.
装置であって、
第1の導電層と、
第2の導電層と、
第1の導電層と第2の導電層との間の複数の光学素子であって、荷電粒子の複数のビームに影響を与えるように構成された、複数の光学素子と、
第1の導電層と第2の導電層との間の第3の導電層と、
光学素子に物理的に接続された電気絶縁層であって、光学素子を第1の導電層及び第2の導電層から電気的に絶縁するように構成された、電気絶縁層と、
第2の導電層と接触し且つ第2の導電層の下流にある、第5の導電層と、を含む装置。
【0102】
条項33.
システムであって、
荷電粒子を生成するように構成された放射源と、
荷電粒子を用いてサンプルの表面上に複数のプローブスポットを生成し、表面上のプローブスポットをスキャンするように構成された光学系と、を含み、光学系は、条項1〜32の何れか一項に記載の装置を含む、システム。
【0103】
条項34.
放射源は電子銃である、条項33に記載のシステム。
【0104】
[0086] 本明細書で開示した概念は、シリコンウェーハ、又はガラス上のクロムなどのパターニングデバイス、などのサンプルの検査に使用することができるが、開示した概念は、何れかの種類のサンプル、例えば、シリコンウェーハ以外の基板の検査、に使用することができることを理解されたい。
【0105】
[0087] 上記の説明は、限定するものではなく、例示することを意図している。従って、当業者には、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたように修正を加えることができることが、明らかであろう。