(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非一時的コンピュータ可読格納媒体を備え、それを以てコンピュータ可読プログラムが体現されており、そのコンピュータ可読プログラムが、請求項1に記載の方法を実行するよう構成されているコンピュータプログラム製品。
周期的でセグメント化されている構造を有し、そのセグメント化のパラメタが、請求項1に記載の方法により導出された推定最小寸法に従うセグメント化オーバレイターゲット。
非一時的コンピュータ可読格納媒体を備え、それを以てコンピュータ可読プログラムが体現されており、そのコンピュータ可読プログラムが、請求項6に記載の方法を実行するよう構成されているコンピュータプログラム製品。
請求項12に記載の方法であって、更に、選択された計測モデルの最適なモデル複雑度を、導出されたモデル不確定性誤差及び所与所要不確定性仕様を基準として判別するステップを有する方法。
非一時的コンピュータ可読格納媒体を備え、それを以てコンピュータ可読プログラムが体現されており、そのコンピュータ可読プログラムが、請求項12に記載の方法を実行するよう構成されているコンピュータプログラム製品。
【発明を実施するための形態】
【0016】
後掲の記述では本発明の諸態様を述べている。説明を目的とし、具体的な構成及び細部を説明することで本発明の一貫理解の実現を図っている。しかしながら、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には察せられる通り、本発明は本願にて提示されている具体的な細部抜きでも実施することができる。更に、本発明を曖昧化させないため周知特徴が省略又は簡略化されているところもある。図面への具体的参照との絡みでは、強調点として、図示事項が例示であり専ら本発明についての例証的議論を目的としていること、並びにその提示目的が本発明の諸原理及び概念的諸側面の最有用且つ理解容易な記述と覚しきものを提供することにあること、がある。こうした関係で、本発明の基礎的理解に必要な以上に本発明の構造的細部を示す試みはされていないものの、その記述を図面と併せ参照することで、いわゆる当業者には、本発明の幾つかの形態をどのようにして現実に実施すればよいかをお分かり頂けよう。
【0017】
本発明の少なくとも1個の実施形態の詳細説明に先立ち理解頂きたいのは、本発明の応用・用途が、後掲の記述にて説明され又は図面に描かれている部材配置及び構成の細部に限定されないことである。本発明は、他の諸実施形態に適用し様々な要領にて実施又は実行することや、開示されている実施形態同士の組合せに適用することが可能である。これもご理解頂けるように、本願にて採用されている表現法及び用語法は、記述を目的とするものであって、限定と見なされるべきものではない。
【0018】
別様に特定、明言されているのでない限り、後掲の議論から明らかな通り、本明細書の随所における議論のうち「処理」、「情報処理」、「計算」、「判別」、「拡張」、「導出」等の語を利用しているものは、コンピュータ若しくは情報処理システム又はそれに類する電子情報処理装置の動作及び/又はプロセスのうち、その情報処理システムのレジスタ及び/又はメモリ内で物理量例えば電子量として表現されているデータを操作及び/又は変換して、その情報処理システムのメモリ、レジスタ又はそれに類する他の情報格納、伝送又は表示装置内で同様に物理量として表現される他のデータにするものを、指すものと認められる。
【0019】
計量ターゲットを設計し、確率論的ノイズに対する計量指標値例えばライン特性(例.ラインエッジ粗さLER、ライン幅粗さLWR及び/又はパターン配置粗さPPR)の不確定性誤差を推定する方法が提供される。CDSEM(限界寸法走査型電子顕微法)又は光学システムによる対応するターゲットでの計量計測の不確定性誤差とライン特性との分析で、ターゲット要素の最小所要寸法を導出することができる。この分析の重要性の裏付けとなるのは、より局所化されたモデル例えばCPE(コレクタブルパー露出)を用いるほど確率論的ノイズの重要性が増しうる、という知見である。推定された不確定性誤差は、ターゲット設計、オーバレイ推定の強化並びに複数通りのコンテキストでの計測信頼性評価に用いることができる。
【0020】
本発明の諸実施形態では以下の事項向けに効率的で経済的な方法及び機構が提供され、それにより計量技術の分野に改善がもたらされる。相異なるオーバレイモデル及び標本プランに対する確率論的ノイズの影響の予測及び比較が可能になること、単一ターゲットから得たオーバレイ計量結果に対するLER、LWR及び/又はPPRの影響の推定が可能になること、特定のオーバレイモデル及び標本プランの所与下でオーバレイ計量コレクタブルに対するLER、LWR又はパターン配置粗さの影響の推定が可能になること、及び/又は、供試構造、ターゲット又はデバイス構造の光学像からのLER、LWR、PPR又はパワースペクトル密度(PSD)の推定が可能になること、である。
【0021】
開示されている諸方法(例.
図1に描かれている方法100及び後掲の諸例)では、計量センサによりもたらされた相異なる計測量の影響及び相互関係が解明され、従来技術では制御できなかった確率論的ノイズの効果が監視、低減及び/又は防止される(後掲の
図2を参照されたい)。更に、開示されている諸方法では、サンプリングの回数及び空間分布及び/又は計測サイト/ターゲットのエリア/サイズが明らかに確率論的ノイズの効果に比し不十分である、という従来技術のリスクが軽減され、正確性確認、リソグラフィ後オーバレイ制御及びエッチング後オーバレイ制御又はロット配備が可能になる。
【0022】
更に、ある製造条件下で計量データが得られる計量ターゲット(群)及び/又はデバイス構造(群)の最小所要サイズを、それと同じ又は別の計量ターゲット(群)及び/又はデバイス構造(群)からの計測諸量により決めたが如くに決めるよう、開示されている諸方法を構成することができる。
【0023】
ある種の実施形態に係る方法100によれば、オーバレイ計量データセットに対する確率論的ノイズの影響を判別すること、光学又はSEM式オーバレイ計測の最小所要ターゲットサイズ又は計測エリアに対するLER及び/又はPSDの影響を判別すること、及び/又は、光学的計量計測結果からLER/PSDを推定すること、のうちいずれかを後に論ずる通り行うことができる。
【0024】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る方法100を描いた上位フローチャートである。この方法の諸段階は、計量ツール及び/又はモジュールのうち、方法100を実現するよう随意に構成可能なものとの関連で、実行することができる。方法100には、後掲の諸段階を、その順序によらず設けることができる。
【0025】
ある種の実施形態に係る方法100では、特定の計量モデルを適用することで導出された、所与オーバレイ計量データセットに対する確率論的ノイズの影響が判別され(段階105)、またそれが、ランダム合成ノイズのノイズ実現値を複数通り生成すること(段階110)、例えば計測及び/又はシミュレーションで得られた計量結果を用い生成することで行われ(段階112)、生成されたノイズ実現値をその所与オーバレイ計量データセットに付加することで修正データセットが生み出され(段階120)、そして少なくとも1個の計量指標を用いその所与オーバレイ計量データセットに関する指標値と修正データセットに関する指標値とが比較される(段階130)。比較130を用いることで、その所与オーバレイ計量データセットに対するノイズ影響の推定結果を提供することができる。ある種の実施形態によれば、そのランダムノイズの振幅を変化させることで、その結果の計量指標例えば3σに対する影響を観測することができ、それに対応する指標(群)を相異なるモデルに関し比較することで、各オーバレイコレクタブル制御モデルに関する最小限標本プラン及び最大許容確率論的ノイズ、及び/又は、その特定の計量モデルに関しもたらされる不確定性仕様、のうちいずれかを推定することができる。ある種の実施形態によれば、3σその他の指標(群)に関する解析的表現を、少なくとも、ある特定の(例.線形)ウェハ/フィールド項モデルに関し導出することができる。線形モデルの場合、恐らくは、一種のノイズ等分配を期することができる。
【0026】
方法100では、更に、その特定の計量モデルに対するノイズの影響を推定することができ(段階150)、またそれを、その特定の計量モデルを適用することで導出された複数個の所与オーバレイ計量データセットに対するノイズの影響を推定することにより、行うことができる(段階155)。
【0027】
方法100では、更に、その特定の計量モデルを相異なるパラメタ値で以て実現してそれに対するノイズの影響を比較することで、その特定の計量モデルのパラメタを最適化することができる(段階160)。方法100では、更に、モデルパラメタに対するノズル影響推定結果の依存性に関し解析的表現を導出することができる(段階170)。モデルパラメタには、例えば、少なくとも、標本サイズ、最大許容確率論的ノイズ、及び/又は、その特定の計量モデルに関しもたらされる不確定性仕様を、含めることができる。
【0028】
方法100の諸段階、例えば生成110、付加120及び比較130のいずれも、少なくとも1個のコンピュータプロセッサにより実行することができる。方法100は、少なくとも1個のコンピュータプロセッサ、例えば計量モジュール内のそれにより、少なくとも部分的に実施することができる。ある種の実施形態では、それを構成するコンピュータプログラム製品がコンピュータ可読格納媒体を備え、そのコンピュータ可読格納媒体を以て体現されたコンピュータ可読プログラムを有し、方法100の関連諸段階を実行するようそのコンピュータ可読プログラムが構成される。ある種の実施形態では、それを構成する計量モジュール(群)が、開示されているコンピュータプログラム製品の諸要素を有する。
【0029】
開示されている諸実施形態の方法100では、個々のターゲットに係る生来的な確率論的ノイズによる従来型リスク並びに計量指標計算結果に対するその影響、例えば現在の光学又はSEM(走査型電子顕微法)式オーバレイ計量におけるそれが、克服及び/又は制御される。それに代え又は付して、ある種の実施形態では、ターゲット要素の寸法及び/又は確率論的ノイズのレベルに下限を課すことで、後述の通り、結果に対する確率論的ノイズの影響を制限しつつノイズ感応的手順を使用することが可能とされる。
【0030】
図2には、本発明の幾つかの実施形態に従い、OVL計測における確率論的ノイズの効果例が提示されている。
図2に描かれているのは、HO(高次)ウェハモデル由来のOVL(オーバレイ)補正に対する確率論的変動の影響を、CPE(コレクタブルパー露出)ウェハモデル由来のOVL補正に対する確率論的変動の影響と対比し、一般論として表した非限定的な例である。
【0031】
図2では、約550個のウェハサイト上での計測/シミュレーションで得られたOVL値へのランダムノイズ付加の効果について、モンテカルロシミュレーションの結果がプールド3σなる計量指標により表されている。シミュレーションされたノイズは相独立な同一分布のガウス雑音であり、相異なる三値のSTD(標準偏差)、即ちそれぞれノイズ1〜3として示す0.5nm、0.4nm及び0.3nmを有していた。どのノイズレベルに関しても、モデルにより求めたサイト毎オーバレイのプールド分散を、HO(高次W3F1即ちウェハ3次補正及びフィールド1次補正)ウェハモデル及びCPEモデルの双方に関し、100個の実現値に亘り算出した。得られた3σ(プールド3σ)が
図2にて対比されている。図示の通り、HOモデルにより求めたオーバレイは、CPEモデルにより求めたオーバレイのそれに比しかなり安定に保たれている。理論に捕らわれず発明者が提唱するところによれば、確率論的ノイズに対しCPEモデルの方が敏感であることは生来のものであり、なぜかといえば、HOモデルではノイズの効果がウェハ全体(例.約550サイト)に亘り平均化されるのに対し、CPEモデルでは各フィールド(例.約9サイト)が相独立に扱われるため、モデルにより求めたOVL分散の変動がより大きくなるからである。生じる3σ変動3σ
modは、等式1
【数1】
の如く、原ノイズの分散σ
Noise、フィット当たりサイト個数N
site並びにモデル項の個数N
termsにより推定することができる。例えば上掲の例では、HOモデルに関してはN
terms=10,N
sites=550となり、CPE HOモデルに関してはN
terms=3,N
sites=9となる。σ
Noise=0.5nmたるノイズ1に関しては、上掲の等式による予測が(3σ
mod)
HO=0.2nm及び(3σ
mod)
CPE=0.87nmとなり、これは
図2に示した数値モンテカルロシミュレーションの結果と符合している。
【0032】
上掲の例にて描出した通り、露出モデル及び制御技術に係る補正がオーバレイ計量に際し用いられる場合、ランダム(確率論的)ノイズの存在が、オーバレイデータから生成されたコレクタブルの忠実性に対し、有害な効果を及ぼすことがある。付加的な分析が非特許文献1にて提示されているので、この参照によりその全体を本願に繰り入れることにする。
【0033】
図2中の例が示している通り、HOウェハレベルモデルからCPEフィールドレベルモデルへ、或いはモデル項導出元サイトの個数に対するコレクタブル個数の比が劇的に増す他の何らかのモデルへと、業界が移行することは、コレクタブル項に対する個別(オーバレイ)マーク忠実性又は不確定性の影響がより強く重大なものになることにつながる。
【0034】
ある種の実施形態の方法100では、更に、ターゲットからSEMにより導出されたCDSEM計量指標値のLER関連不確定性誤差が推定され(段階180)、またそれが、LER(又はLWRその他のパラメタ群)の特徴を記述する確率論的パラメタ(群)の変動範囲を推定すること(段階182)、計量指標値に関する所与計測モデルに従い当該推定範囲から帰結される誤差を例えばシミュレーションを用い及び/又は解析的に導出すること(段階184)、並びに導出された誤差を使用しそのLER関連不確定性誤差を推定すること(段階186)により行われる。ある種の実施形態では、計量ターゲットの光学計量計測の質が、それら計量ターゲットについての対応するCDSEM計量指標値の推定不確定性誤差を基準として推定される(段階190)。例えば、CDSEM計測の不正確性が例えば0.1nmの数倍程度である場合、光学計測をCDSEM計測と比較する際にそのことを勘案するとよい。
【0035】
ある種の実施形態では、単一ターゲット不確定性に基づき複数個の計測モデルに関しLER関連不確定性誤差が推定される(段階191)。ある種の実施形態に係る方法100では、更に、例えば少なくともHOモデル及びCPEモデルを含む複数個の計測モデルに関して不確定性誤差の推定結果が比較され、それら計測モデルのうちそのLER関連不確定性誤差が所与所要仕様に従う1個が選択される(段階192)。ある種の実施形態に係る方法100では、更に、対応する計測モデルの最適なモデル複雑度(例.CPEにおけるパラメタの個数)が、導出された誤差を基準として判別される(段階194)。
【0036】
ある種の実施形態によれば、方法100を、対応する計測モデルに対し、且つ例えば段階182〜194の態で上述されたものと同様のラインに沿って、光学的オーバレイ計測に適用することができる。
【0037】
有益なことに、開示されている方法100により従来技術の短所、即ち画像又はオーバレイ計量用スキャタロメトリ(散乱計測法)データ中のアンダーサンプリング又は固有確率論的ノイズが仇となりデータ源における最小所望不確定性又は忠実性が達成されないままオーバレイ計量計測が実行される、という短所が克服される。
【0038】
方法100の非限定的実現例として、製造されたフィーチャに備わるエッジのLER、LWR、PSDその他の確率論的特性を推定する場合を、以下、先に述べた非限定的な例と同じくLERに的を絞り示すことにする。具体的には、方法100にて、光学又はSEM式オーバレイ計測の最小所要ターゲットサイズ又は計測エリアを対象に、それらの及び/又は対応するパラメタの判別を行うこととする。諸実施形態の方法100にそうしたエスティメータ及び指標を組み込むことで、オーバレイ計量計測及び制御パラメタに対する推定パラメタ(例.LER)の影響を、開示されている手法を用い予測することが可能となる。
【0039】
ある種の実施形態に係る方法100によれば、計量モデルを用い導出されたオーバレイ計量データセットに対するラインエッジ粗さ(確率論的ノイズたるLER)の影響を判別することができ(段階210)、またそれを、エッジ検出結果に対するLERの影響を模するノイズ実現値を複数通り生成して(段階220)諸ターゲット要素のラインエッジ位置を検出し(段階230)、場合によっては所与製造条件に関し最小ターゲット及び/又はデバイスサイズを推定すること(段階240)により行うことができる。
【0040】
ある種の実施形態は、周期的でセグメント化されている構造を有するセグメント化オーバレイターゲットを(計量ターゲットとして)備え、またそれが、方法100により導出された推定最小寸法に従うセグメント化パラメタを(ターゲット設計パラメタとして)有するものである。
【0041】
有益なことに、開示されている方法100の諸実施形態では、LER及びその統計的特性例えば分散、相関関数、相関長又はPSD(パワースペクトル密度)であり例えばSEM画像から導出されたものを用い、ある製造条件下での計量データ取得元たる計量ターゲット(群)及び/又はデバイス構造(群)の最小所要サイズを、それと同じ又は他の計量ターゲット(群)又はデバイス構造(群)からの諸計測量により決められたかの如くに、予測することができる。付加的な諸例が非特許文献1にて提示されているので、この参照によりその全体を本願に繰り入れることにする。
【0042】
以下、LERの統計的特性に基づく最小所要ターゲットサイズ決定の非限定的詳細例を示すことにする。まずは、エッジ検出アルゴリズムによりSEM画像からターゲットバーエッジ輪郭が抽出され、抽出された輪郭を用いLER特性が分析される(非限定的な例たる
図4Bを参照されたい)。注記されることに、そのエッジ検出アルゴリズムは、OVL/位置合わせ計量目的のエッジ抽出に用いられているものと、同じアルゴリズム又は同等性能のアルゴリズムとすることができる。計量ターゲット(以下、計量マークとも称されるものであり、非限定的な例に関しては
図3Aを参照されたい)は、ある非限定的な例によれば、平行なエッジを有する諸構造要素を備えるものとすることができる。計量の目的又はその一部分は、それらエッジに対し垂直な方向に沿いエッジの平均位置X
cを求めることである。方法100であり、平行線構造以外の幾何向けのアルゴリズムを有するものを、例えば後掲のアルゴリズムから直截に導出することができる。
【0043】
図3A〜
図3Cには、本発明の幾つかの実施形態に従い、平行エッジ97付周期構造を有する計量ターゲット95の像が、その像からの計量指標の算出に関する模式的描写付で描かれている。
図3Aに描かれているのは計量ターゲット95である。ターゲット95の周期構造は粗ピッチにより特徴付けられており、またそれを細セグメント化ピッチで以て更にセグメント化することで、ターゲット要素で組成された、より微細な周期構造にすることができる(例えば
図4A及び
図4Cを参照されたい)。この細セグメント化により、以下説明及び分析する通り、ラインエッジ特性の効果が高まる。
図3Bに描かれているのは注目領域(ROI)98であり、ターゲット95上にて定義されている。
図3Cにて提示されているのは、計量指標の非限定的な例たるカーネル3σ(K3S)の計算例であり、K3Sはマーク(ターゲット)の忠実性を指し示している。
【0044】
画像依拠オーバレイ(IBO)の根本には、
図3Bのオーバレイマーク構成構造(例.周期格子)の像の対称中心X
cの判別がある(その詳細に関してはこの参照によりそれらの全体が本願に繰り入れられる特許文献4及び5を参照されたい)。この対称中心は、その像の自己コンボリューション関数の最大値を探すことで、見いだすことができる。
図3Bに示す注目領域(ROI)98は、所与処理層(例.レジスト層)内構造のうち一部分を選択したものであり、x方向沿いオーバレイ計測向けに指定されている。この被選択画像エリアを、それと交差するy方向に亘り平均化することによりx軸上に投射することで、1次元(1D)「カーネル」を生成することができる。ある非限定的な方法によれば、このカーネルの対称中心は、その自己コンボリューションの最大値として見つけることができる。その後は、対応する手続きを2個目の処理層(例.前層)に関し反復することで、やがては、それら2層間のオーバレイを見いだすことができる。
【0045】
K3S指標を導入することで、(この参照によりその全体が本願に繰り入れられる国際特許出願第PCT/US2017/057767号に記載の如く)オーバレイマークの不均一性を特徴記述することができる。公称ROI(
図3B)98は、
図3Cに示す如く、対称的に対をなすN個(典型的には約5〜10個)のサブROI99に分割される(
図3Cでは対応する文字A,B,C,Dにより示されている)。各サブ領域99を用いることで、それ自身の対称中心を見いだし、
【数2】
で示されるN通りの値を求め、それらの分散でK3S、即ち
【数3】
を定めることができる。
【0046】
図4A〜
図4Cには、本発明の幾つかの実施形態に従い、平行エッジ97付周期構造を有する計量ターゲット95のSEM画像に関し非限定的な例が描かれている。
図4Aに描かれているのは、本発明の幾つかの実施形態による、CDSEM画像上でのラインエッジ粗さ並びにリソグラフィラインスペースパターンの独特なセグメント化である。
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態による、ラインエッジ(エッジ輪郭曲線)に関するエッジ関数ε(y)の非限定的な定義例である。
図4Cは、粗ピッチ及び細ピッチセグメント化を伴う周期構造の非限定的な模式例である。
【0047】
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態に従いあるエッジ検出アルゴリズムを用いてSEM画像から抽出されたラインエッジ97(エッジ輪郭曲線)に関する、エッジ関数ε(y)115の非限定的な定義例である。そのLERの統計的特性をこのエッジ関数ε(y)から導出することができる。そのLERの重要且つ妥当な特徴記述は、その相関関数
【数4】
であり統計的平均化が<…>で示されているものと、局所分散σ
LER2=C(0)と、上掲の相関関数から抽出された相関長ξとにより与えられる(LER特性についての更なる詳細に関しては例えば非特許文献2を参照されたい)。
【0048】
LER現象は、不確定性σ
Xc(標準偏差)をX
c(それらエッジに対し垂直な方向に沿ったエッジ97の平均位置であり計量指標例えばオーバレイの基本成分である)の値に負わせる。LER特性とσ
Xcとの間の関係は後述の通りであり、等式2
【数5】
にて提示される不確定性仕様の要請を満たす最小計量ターゲットサイズの判別にそれを用いることが推奨される(例えば段階240を参照されたい)。
【0049】
長さLの単一ラインセグメントiに関しては、その横断方向位置x
iを、そのエッジ関数ε(y)であり例えば
図4Bに従い定義されるものの平均値として、等式3
【数6】
により提示される如く求めることができる。
【0050】
エッジ輪郭の横断方向位置x
iの、対応する統計的不確定性σ
xは、等式4
【数7】
に示す如く、二通りの等価なやり方で表現することができる;この式中、
【数8】
はLER関数の相関関数であり(静止プロセスを仮定)、S(k)はそれに対応するパワースペクトル密度(PSD)である。どちらの関数も同じ情報を含んでおり、フーリエ変換により関連付けられている。これらは、そのエッジ検出アルゴリズムでの想定により、抽出されたエッジ輪郭の分析により得ることができる。重要なパラメタは相関長ξであり、それにより相関関数C(y)の減衰、或いはそれと等価な、PSDたるS(k)のカットオフ周波数について、空間スケールが定まる。
【0051】
多くの場合、LER相関関数は、等式5
【数9】
にて提示される指数形により近似することができる(LER特性についての更なる詳細に関しては例えば非特許文献2を参照されたい)。
【0052】
等式6にて特定される特殊制限ケースでは、例えば
【数10】
を用い、σ
x2(L)に関する上掲の式を簡略化すること、即ち等式6
【数11】
により表される如く近似することができる。
【0053】
LER相関関数が等式3の如く指数形で記述されうる場合、その単一エッジ位置不確定性は等式7
【数12】
により明示的に与えられる。これは等式6中の一般制限式と調和している。
【0054】
計量マーク95又はその一部分が、2N個の統計的に等価で個々の長さがLのエッジにより構成されている場合、それらの平均位置
【数13】
の不確定性は等式8
【数14】
にて表される。
【0055】
等式4を用いることで、等式9
【数15】
により表される如く、最小計量マークの最適パラメタN,Lを得ることができる。
【0056】
等式7にてL≫ξである特殊ケースでは、N及びLに対する(一般には些細ではない)条件が、等式10
【数16】
により表される如く積N×L(例.総集積エッジ長)に対する条件となる。但しS(0)=2ξσ
LER2である。この条件により、ライン本数N及びライン長Lの積の最小所要値
【数17】
がもたらされる。
【0057】
ターゲット内CD均一性(CDU;例えば非特許文献2を参照されたい)に基づく周期構造ターゲットの最小サイズの判別は、そのCDUを、計測されたバーに備わる2本のエッジのLERに関連付けることで、実行することができる。
【0058】
単一エッジ位置不確定性は、ライン幅不確定性(LWU)から等式11
【数18】
により表される如く推認することができる。
【0059】
次いで、最少ライン本数を等式12
【数19】
の如く表すことができる;ここで、CDUには、そのバーの長さLについての情報が既に含まれている(そのため等式12ではLが明示的に現れていない)。
【0060】
SEM計量ターゲットの最小所要サイズについての上掲の推定を、任意なターゲット幾何へと一般化することは、平易なことである。
【0061】
ある種の実施形態では、LER特性から光学的計量計測(例.OVL、K3S等々)に関する下限が推定される。
【0062】
ある種の実施形態によれば、光学的計量計測(例.OVL、K3S等々)の不確定性に対するLERの寄与分を、LER及び/又はそのPSDから推定することができる。ある種の実施形態によれば、対称的周期構造の対称面の不確定性を、光学顕微鏡により生成された像から抽出することができる(そうした構造の非限定的な例に関しては
図3A及び
図4Cを参照されたい)。ある種の実施形態によれば、セグメント化周期構造例えば
図4Cに描かれているそれに関し、イメージングされた格子の対称面の位置の不確定性σ
Xcを、等式13
【数20】
にて提示されている通り、LER特性、ターゲット設計パラメタ及び光学システム特性による近似的なパラメトリック関係により表すことができる。
【0063】
等式13中、L
x,L
yは周期格子の寸法を示しており、P,CDはx方向に沿った粗ピッチ及びそのCDであり、P
fine,CD
fineは細セグメント化ピッチ及びCDであり(
図4Cを参照されたい)、そしてP
cは光学MTFのカットオンピッチである(ここではP
c/Pが1オーダであると仮定している)。等式13により不確定性σ
Xcと関連付けられる要因のうち、(L
x/P)は粗ピッチに対する格子長の比であり粗バー本数を表しており、(CD/P
Fine )は細セグメント化ピッチに対する粗CDの比であり粗バー1本当たりの細セグメント化ライン本数を表しており、(P
c/P)は格子ピッチに対する光学PSF「カットオフ」ピッチの比でありそのイメージングのローパス効果を表しており、そして(P
Fine/CD
Fine)はカーネルコントラストに影響する細セグメント化のデューティサイクルを示している。光学計量の不確定性σ
Xcを用いることで、ターゲット忠実性指標たるカーネル3σに対する下限を推定すること(この参照によりその全体が本願に繰り入れられる国際特許出願第PCT/US2017/057767号を参照されたい)ができ、また、例えばこの参照によりその全体が本願に繰り入れられる特許文献6にて提示される如くに、それを計量指標に係る誤差の大きさの指示子として用いることができる。
【0064】
ある種の実施形態に係る方法100では、更に、所与計測不確定性仕様に従わせることが必要なターゲット要素の最小寸法がプロセス関連LERのパラメタから導出され(段階250)、その推定最小寸法に従うターゲット設計パラメタ(例.セグメント化パラメタ)を有することとなるよう計量ターゲット(例.周期的でセグメント化された構造を有するセグメント化オーバレイターゲット)が設計され(段階260)、場合によってはその設計されたターゲットのオーバレイ計測の不確定性誤差でありLERによるもの、即ち上述のK3S等の指標値に関する下限として役立ちうるものが推定される(段階270)。
【0065】
ある種の実施形態によれば、LER及び/又はそのPSDに課される上限を、計量又はデバイス構造の所与既存高解像度光学像を用いLER及び/又はPSD推定値を抽出することで、光学的計量計測結果から推定することができる。例えば、LERに関する上限推定値(群)を、等式13中の表現を反転させることでターゲット構造の計量指標例えばカーネル3σ及び/又は光学コントラストから導出することができる。
【0066】
本発明の諸態様について上述するに当たり、本発明の諸実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート描写及び/又は部分図を参照した。ご理解頂けるように、それらフローチャート描写及び/又は部分図の各部分、並びにそれらフローチャート描写及び/又は部分図の諸部分の組合せを、コンピュータプログラム命令により実現することができる。それらコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータその他、プログラマブルなデータ処理装置のプロセッサに供給することでマシンを作成し、それら命令をそのコンピュータその他のプログラマブルなデータ処理装置に備わるプロセッサにより実行させることで、そのフローチャート及び/又は部分図或いはその諸部分にて特定されている機能/動作を実施する手段を、生成することができる。
【0067】
それらコンピュータプログラム命令をコンピュータ可読媒体内に格納してもよく、それによりコンピュータ、他のプログラマブルなデータ処理装置又はその他の装置に指令して特定要領で機能させることができるので、そのコンピュータ可読媒体内に格納されている命令により、そのフローチャート及び/又は部分図或いはその諸部分にて特定されている機能/動作を実現する命令入り産品を提供することができる。
【0068】
それらコンピュータプログラム命令をコンピュータ、他のプログラマブルなデータ処理装置又はその他の装置上にロードしてもよく、それによりそのコンピュータ、他のプログラマブルな装置又はその他の装置上で一連の動作ステップを実行させることでコンピュータ実施プロセスを提供することができ、ひいては、そのコンピュータその他のプログラマブルな装置上で実行される命令により、そのフローチャート及び/又は部分図或いはその諸部分にて特定されている機能/動作を実施するプロセスを提供することができる。
【0069】
上掲のフローチャート及び図面には、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の潜在的実現形態のアーキテクチャ、機能及び動作が描かれている。ここに、そのフローチャート又は部分図の各部分を以て、その特定の論理機能(群)を実施する1個又は複数個の可実行命令を含むモジュール、セグメント又はコード部分を表現することができる。これも注記すべきことに、幾つかの代替的実現形態では、その部分に記されている諸機能がそれらの図に記されている順序以外の順序で生起することがある。例えば、相次いで示されている二部分が実際にはほぼ同時に実行されることも、それらの部分がときとして逆の順序で実行されることもあり得、これは関連する機能により左右される。やはり注記されることに、それら部分図及び/又はフローチャート描写の各部分、並びにそれら部分図及び/又はフローチャート描写の諸部分の組合せを、特定の諸機能又は動作を実行する専用ハードウェアベースシステムにより、或いは専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せにより実施することができる。
【0070】
上掲の記述における一実施形態とは本発明の一例又は一実現形態のことである。「ある実施形態」、「一実施形態」、「ある種の実施形態」又は「幾つかの実施形態」なる様々な外見が必ずしも全て同じ実施形態を指すとは限らない。本発明の様々な特徴が単一実施形態の文脈にて記述されているところもあるが、それら特徴を個別に提供してもよいし、何らかの好適な組合せで提供してもよい。逆に、本願では明瞭性を踏まえ本発明が区々な諸実施形態の文脈で記述されているところもあるが、本発明は単一実施形態の態で実現することもできる。本発明の実施形態によっては、先に開示した相異なる実施形態から諸特徴が取り入れられることもあるし、実施形態によっては、先に開示した他の諸実施形態から諸要素が取り入れられることもある。ある特定の実施形態の文脈に沿った本発明の構成要素の開示を、それらの使用がその特定の実施形態のみに限定されるものと捉えるべきではない。更に、ご理解頂けるように、本発明は様々な手法で実行又は実施することができ、且つ本発明は上掲の記述にて概論したもの以外のある種の諸実施形態に従い実施することができる。
【0071】
本発明は、それらの図面やそれに対応する記述に限定されるものではない。例えば、フローが個々の図示ボックス又は状態を通過する必要も、図示及び記述と厳密に同じ順序で通過する必要もない。本願にて用いられている技術用語及び科学用語の意味は、別様に定義されているのでない限り、本発明が属する分野におけるいわゆる当業者によるそれ通り、一般に理解されるべきである。本発明について少数の実施形態との関連で述べたが、それらを本発明の技術的範囲に対する限定事項として解すべきではなく、寧ろその好適諸実施形態のうち幾つかの例示として解すべきである。他の潜在的な変形、修正及び応用もまた本発明の技術的範囲に属する。このように、本発明の技術的範囲は、ここまでに述べられたことにより限定されるべきではなく、添付する特許請求の範囲及びそれらの法的均等物により限定されるべきものである。