(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ペーストが充填される筒状の胴部、前記胴部の先端部に設けられ、その軸心が前記胴部の軸心と重複し、前記胴部よりも細い筒状のノズル部、前記胴部の先端部に前記ノズル部と同軸心で設けられ、前記ノズル部の外側に嵌る筒状で、筒壁面に雌ネジの二条ネジが形成されたスリーブ、及び、前記スリーブへの螺合接続により前記胴部に固定可能な雄ネジが形成されており、当該螺合接続された状態で前記ノズル部の先端に外嵌されて前記ノズル部の先端開口を封止する有底筒状のキャップを備え、前記ノズル部の先端開口から前記ペーストを吐出させる樹脂製のシリンジにおける、前記キャップの螺合接続方法であって、
前記キャップの軸心と前記ノズル部の軸心とを重複させた状態で、前記キャップを、前記胴部に対して相対的に、前記胴部の周方向に回転させて前記キャップを前記スリーブに螺合させる螺合工程と、
前記螺合工程の実行中に前記胴部を前記キャップに対して前記ノズル部の軸方向に沿い相対的に押圧する押圧工程と、を含み、
前記押圧工程は、
第一押圧力で押圧する第一押圧工程と、前記第一押圧工程の後に実行され、前記第一押圧力よりも大きい第二押圧力で押圧する第二押圧工程とを含み、
前記キャップの前記雌ネジのネジ山の下面と前記スリーブの前記雄ネジのネジ山の上面とが離間している状態から、前記キャップの前記雌ネジのネジ山の下面と前記スリーブの前記雄ネジのネジ山の上面とが当接する状態に切り替わるタイミングで、前記第一押圧工程から前記第二押圧工程に切り替わる螺合接続方法。
ペーストが充填される筒状の胴部、前記胴部の先端部に設けられ、その軸心が前記胴部の軸心と重複し、前記胴部よりも細い筒状のノズル部、前記胴部の先端部に前記ノズル部と同軸心で設けられ、前記ノズル部の外側に嵌る筒状で、筒壁面に雌ネジの二条ネジ部が形成されたスリーブ、及び、前記スリーブへの螺合接続により前記胴部に固定可能な雄ネジが形成されており、当該螺合接続された状態で前記ノズル部の先端に外嵌されて前記ノズル部の先端開口を封止する有底筒状のキャップを備え、前記ノズル部の先端開口から前記ペーストを吐出させる樹脂製のシリンジにおける、前記キャップの螺合装置であって、
制御部と、
前記キャップを固定する固定部と、
前記胴部を保持する保持部と、
前記保持部を前記ノズル部の軸心方向に沿い押圧する押圧部と、
前記保持部を前記ノズル部の周方向に沿い、且つ、前記ノズル部の軸心を回転軸心として回転させる回転部と、を備え、
前記保持部は、前記固定部に固定された前記キャップの軸心と前記ノズル部の軸心とが重複し、且つ、前記ノズル部が前記キャップに対向する姿勢で前記胴部を保持し、
前記制御部は、
前記回転部により前記保持部を前記二条ネジ部の螺合方向に回転させながら、前記押圧部で前記保持部を前記キャップに向けて押圧し、
前記キャップの前記雌ネジのネジ山の下面と前記スリーブの前記雄ネジのネジ山の上面とが離間している状態から、前記キャップの前記雌ネジのネジ山の下面と前記スリーブの前記雄ネジのネジ山の上面とが当接する状態に切り替わるタイミングで、前記押圧部の押圧力を増大させる螺合装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のごとく、銀ペーストなどが充填されたシリンジにおいては、ノズル部とノズルキャップとの僅かな隙間を防ぐことが重要である。そのため、ノズル部を適切に封止する方法及び当該方法を実現する装置の提供が望まれる。
【0006】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、螺合接続によりノズル部の先端開口を封止するキャップを備えた樹脂製のシリンジにおいて、ノズル部とキャップとに隙間が生じないように封止するキャップの螺合接続方法及び螺合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る螺合接続方法は、
ペーストが充填される筒状の胴部、前記胴部の先端部に設けられ、その軸心が前記胴部の軸心と重複し、前記胴部よりも細い筒状のノズル部、前記胴部の先端部に前記ノズル部と同軸心で設けられ、前記ノズル部の外側に嵌る筒状で6、筒壁面に二条ネジ部が形成されたスリーブ、及び、前記スリーブへの螺合接続により前記胴部に固定可能であり、当該螺合接続された状態で前記ノズル部の先端に外嵌されて前記ノズル部の先端開口を封止する有底筒状のキャップを備え、前記ノズル部の先端開口から前記ペーストを吐出させる樹脂製のシリンジにおける、前記キャップの螺合接続方法であって、
前記キャップの軸心と前記ノズル部の軸心とを重複させた状態で、前記キャップを、前記胴部に対して相対的に、前記胴部の周方向に回転させて前記キャップを前記スリーブに螺合させる螺合工程と、
前記螺合工程の実行中に前記胴部を前記キャップに対して前記ノズル部の軸方向に沿い相対的に押圧する押圧工程と、を含み、
前記押圧工程における押圧力は、前記螺合工程の実行中に増大される。
【0008】
本発明に係る螺合接続方法は、更に、
前記押圧工程は、第一押圧力で押圧する第一押圧工程と、前記第一押圧工程の後に実行され、第二押圧力で押圧する第二押圧工程とを含み、
前記第二押圧力は、前記第一押圧力よりも大きくてもよい。
【0009】
本発明に係る螺合接続方法は、更に、
前記キャップのねじ込み量を判定する螺合距離検出工程を更に含み、
前記押圧工程は、前記ねじ込み量が所定量となった場合に、前記第一押圧工程から前記第二押圧工程に切り替えてもよい。
【0010】
本発明に係る螺合接続方法は、更に、
前記押圧工程における押圧力は、前記螺合工程の実行に伴って、漸次増大されてもよい。
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る螺合装置は、
ペーストが充填される筒状の胴部、前記胴部の先端部に設けられ、その軸心が前記胴部の軸心と重複し、前記胴部よりも細い筒状のノズル部、前記胴部の先端部に前記ノズル部と同軸心で設けられ、前記ノズル部の外側に嵌る筒状で、筒壁面に二条ネジ部が形成されたスリーブ、及び、前記スリーブへの螺合接続により前記胴部に固定可能であり、当該螺合接続された状態で前記ノズル部の先端に外嵌されて前記ノズル部の先端開口を封止する有底筒状のキャップを備え、前記ノズル部の先端開口から前記ペーストを吐出させる樹脂製のシリンジにおける、前記キャップの螺合装置であって、
制御部と、
前記キャップを固定する固定部と、
前記胴部を保持する保持部と、
前記保持部を前記ノズル部の軸心方向に沿い押圧する押圧部と、
前記保持部を前記ノズル部の周方向に沿い、且つ、前記ノズル部の軸心を回転軸心として回転させる回転部と、を備え、
前記保持部は、前記固定部に固定された前記キャップの軸心と前記ノズル部の軸心とが重複し、且つ、前記ノズル部が前記キャップに対向する姿勢で前記胴部を保持し、
前記制御部は、
前記回転部により前記保持部を前記二条ネジ部の螺合方向に回転させながら、前記押圧部で前記保持部を前記キャップに向けて押圧し、
前記押圧部の押圧力を、前記保持部の回転中に増大させる。
【発明の効果】
【0012】
螺合接続によりノズル部の先端開口を封止するキャップを備えた樹脂製のシリンジにおいて、ノズル部とキャップとに隙間が生じないように封止するキャップの螺合接続方法及び螺合装置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面に基づいて、本発明の実施形態に係る螺合接続方法及び螺合装置について説明する。
【0015】
(概要の説明)
図1には、本実施形態に係る螺合接続方法を用いるシリンジ1を示している。
図2には、本実施形態に係る螺合接続方法を実施する螺合装置Mを示している。
【0016】
シリンジ1は、
図1に示すように、ペーストPを充填可能であり、充填されたペーストPを吐出させることができる容器である。なお、
図1に示すシリンジ1の具体的な形状は本実施形態を説明するための例示に過ぎない。本実施形態に係る螺合接続方法は、シリンジ1の各部の寸法や寸法比率が
図1に示す場合と異なる場合であっても、本実施形態に係る螺合接続方法は実施可能である。また、螺合装置Mは、シリンジ1の寸法等の形状に対応させる変形を加えることにより、本実施形態で説明する螺合接続方法を実施可能である。
【0017】
ペーストPの一例は、導電性フィラーとして銀の微粒子を溶剤や基材樹脂等に分散した熱伝導性導電性接着剤である。このような銀ペーストは、例えば半導体素子をリードフレームや基板等に接着させる接合材料(ダイボンド材)として使用される。熱伝導性導電性接着剤としてのペーストPは、一例として、銀微粒子に加えて、エポキシ樹脂などの基材樹脂、基材樹脂の硬化剤及び有機溶剤などを含む。銀微粒子の平均粒子径(電子顕微鏡の画像解析によって求めた各粒子の面積から算出した円相当の粒子径の平均)の一例は、10nmから50μmである。銀微粒子の粒度分布は、いわゆるひと山のピークでもふた山以上のピークであってもよい。銀微粒子の粒度分布は、例えば、サブミクロン(300nm)未満の領域と、1μmを超える領域とにそれぞれピークを有していてもよい。ペーストPは、例えば、粘度が5から90Pa・s程度で、揺変性が1.0から11.5程度の上記銀微粒子の粒子分散体である。
【0018】
シリンジ1は、ペーストPが充填される筒状の胴部10、胴部10の先端部に設けられ、その軸心Xが胴部10の直胴部分10aの軸心Yと重複し、胴部10よりも細い筒状のノズル部11、胴部10の先端部にノズル部11と同軸心で設けられ、ノズル部11の外側に嵌る筒状で、筒壁面にネジ部13が形成されたスリーブ12、及び、スリーブ12への螺合接続により胴部10に固定可能であり、当該螺合接続された状態でノズル部11の先端に外嵌されてノズル部11の先端開口を封止する有底筒状のキャップ2を備えている。ネジ部13は二条ネジ部として形成されており、本実施形態では、一例として、雌ネジとして形成されている。
【0019】
シリンジ1は、胴部10のノズル部11の先端開口からペーストPを吐出させることができる。シリンジ1では、ペーストPを吐出させる場合、例えば胴部10の筒内に挿入されるプランジャ18を胴部10の筒内部に押し込むことにより、胴部10の筒内に充填されたペーストPを押し出して、ノズル部11から吐出させることができる。なお、ペーストPは、ノズル部11とキャップ2とに隙間が生じないようにノズル部11がキャップ2で封止されたのちに胴部10に充填するとよい。
【0020】
以下の説明では、シリンジ1において、胴部10から見てノズル部11側を先端側と定義し、その反対側を後端側と定義する。
【0021】
図2では、螺合装置Mにシリンジ1が装着されている状態を示している。
図2では、鉛直方向における上側に胴部10の後端側であるクリップ部10bが配置されており、鉛直方向における上側に胴部10の先端側であるノズル部11が配置されている場合を示している。螺合装置Mは、シリンジ1のキャップ2とスリーブ12とを螺合接続する装置である。
【0022】
螺合装置Mは、制御部9と、シリンジ1のキャップ2を固定する固定部3と、シリンジ1の胴部10を保持する保持部4と、保持部4をノズル部11の軸心方向に沿い押圧する押圧部5と、保持部4を前記ノズル部の周方向に沿い、且つ、ノズル部11の軸心Xを回転軸心として回転させる回転部6と、を備えている。以下の説明では、螺合装置Mの上下を説明する場合に、鉛直方向における上向きを上、下向きを下と定義して説明する。
図2の場合では、シリンジ1の先端側は螺合装置Mの下側に対応し、シリンジ1の後端側は螺合装置Mの上側に対応する。
【0023】
制御部9は、回転部6により保持部4をネジ部13の螺合方向に回転させながら、押圧部5で保持部4をキャップ2に向けて押圧し、押圧部5の押圧力を、保持部4の回転中に増大させる。これにより、ノズル部11とキャップ2とに隙間が生じないようにノズル部11をキャップ2で封止することができる。
【0024】
(詳細説明)
図1に示すように、胴部10は、ペーストPを充填可能な円筒状の直胴部分10aを有する、ポリオレフィンなどで形成された樹脂製の容器である。胴部10は、透明であると、ペーストPの状態を外部から目視で把握できるため好ましい。胴部10は、本実施形態では透明である。胴部10は、直胴部分10aの先端部に形成されたノズル部11及びスリーブ12と、直胴部分10aの後端部に形成されたクリップ部10bとを備えている。直胴部分10a、ノズル部11、スリーブ12及びクリップ部10bは射出成型などにより一体成型されている。
【0025】
ノズル部11は、胴部10に充填されたペーストPを吐出する円筒状の部材である。ノズル部11は、後端側から先端側に向けて、ややすぼむ形状とされている。ノズル部11の外径は直胴部分10aの外径よりも小さく形成されている。本実施形態におけるノズル部11は、後端側から先端側にかけて、外径がやや小さくなり、先端側が窄まった形状となっている。ノズル部11の筒内部と直胴部分10aの筒内部とは連通している。ノズル部11の軸心Xは直胴部分10aの軸心Yと重複しており同軸心である。
【0026】
スリーブ12は、キャップ2を固定するための固定座である。スリーブ12は、円筒状に形成されており、ノズル部11を筒の内側にはめ込んだ位置関係で、直胴部分10aの先端部に設けられている。スリーブ12は、ノズル部11の軸心Xと同軸心となるように形成されている。本実施形態において、スリーブ12の外径は直胴部分10aよりも小さく形成されている場合を例示しているが、スリーブ12の外径は直胴部分10aよりも大きく形成されていてもよい。スリーブ12の筒内周面にはネジ部13が二条ネジとして形成されている。
【0027】
クリップ部10bは、直胴部分10aの後端部において、胴部10の径方向外側に延出するリブ状に形成されている。
【0028】
キャップ2は、ポリオレフィンなどで形成された樹脂製の有底筒状の蓋部材である。キャップ2は、本実施形態では透明である。キャップ2は、透明であると、ペーストPの状態を外部から目視で把握できるため好ましいが、キャップ2は、透明である場合に限られない。
【0029】
キャップ2は、スリーブ12と螺合し、ノズル部11の先端部を封止する有底筒状のキャップ部20と螺合装置Mに固定される係合部21とを有する。一例として、キャップ部20の外周面上に、スリーブ12のネジ部13と螺合可能なキャップ側ネジ部23が形成されている。キャップ側ネジ部23は二条ネジの雄ネジである。キャップ部20の筒の内周面は、ノズル部11の外周面に沿うように形成されている。
【0030】
キャップ2がスリーブ12と螺合接続された状態では、ノズル部11がキャップ部20の筒内に嵌る。キャップ部20の筒の内周面は、キャップ2がスリーブ12と螺合接続された状態で、ノズル部11の外周面と当接し、ノズル部11の先端部を封止する。本実施形態では、キャップ2とスリーブ12とは、およそ1回転(約360°)の相対的な回転量で螺合を完了する。なお、キャップ2とスリーブ12とが螺合を完了するまでの回転量はこれに限られず、任意の回転量を設定可能である。
【0031】
シリンジ1では、胴部10及びキャップ2は樹脂で形成されており、スリーブ12のネジ部13やキャップ2のキャップ側ネジ部23の成形精度は通常さほど高くないことから、キャップ2をスリーブ12にしっかりと螺合接続しなければ、ノズル部11とキャップ2とに隙間が生じる場合がある。しかし、後述するように、本実施形態に係る螺合接続方法によれば、キャップ2とスリーブ12とのネジをしっかりと締めつけて螺合接続し、ノズル部11とキャップ2とは隙間なく封止することができる。
【0032】
シリンジ1は、スリーブ12にキャップ2を螺合接続してノズル部11の先端開口を封止された後、胴部10に充填装置などによりペーストPを充填される。更にその後、後端部の開口からプランジャ18と封止蓋19とをこの順で挿入されて後端側の開口を封止される。これにより、シリンジ1は、ペースト充填済み容器となり、ペーストPの塗布機や接着装置などでペーストPの供給容器として使用される。
【0033】
図2に示すように、螺合装置Mは、シリンジ1のキャップ2をスリーブ12に螺合接続する装置である。本実施形態における螺合装置Mは、上述の制御部9、固定部3、保持部4、押圧部5及び回転部6に加えて、更に、固定部3やシリンジ1の胴部10を保持部4へ供給するシリンジガイド84が載置されたターンテーブル81、ターンテーブル81を回転させるモータなどを有する駆動装置83、固定部3を下方から支持して鉛直方向における上下位置を一定に調整するたわみ防止部85、回転部6の回転トルクを検出する回転トルク検出部S1、押圧部5の動作位置を検出する位置検出部S2及びこれらを支持する支柱などで構成される支持本体80を備えている。
【0034】
螺合装置Mでは、上側から下側に向けて、押圧部5及び回転部6、保持部4、シリンジガイド84、固定部3、ターンテーブル81の順に配置されている。
【0035】
制御部9は、螺合装置Mの動作を制御する、螺合装置Mの中央制御機構となる機能部である。制御部9は、螺合装置Mの各部や各センサ類から、動作状況や検出状況に係る情報を受信し、また、各部に動作指令を送出してそれらの動作を制御する。制御部9の詳細は後述する。
【0036】
シリンジガイド84は、上流側の工程装置からシリンジ1の胴部10の供給を受け入れてこれを一時的に保持し、保持部4に供給する供給装置である。本実施形態では、シリンジガイド84は支柱などを介して固定部3と共に一体の供給ユニット82を構成している。供給ユニット82は、ターンテーブル81上に複数個、環状に配列されてよい。シリンジガイド84は、一例として、内部に胴部10を挿入して保持可能な筒状に形成されている。
【0037】
本実施形態では、胴部10は、筒状のシリンジガイド84内に挿入された状態で、保持部4の下方に供給されて、保持部4に受け渡される。
【0038】
保持部4は、挟み込みにより胴部10を把持するなどして胴部10を固定する固定具である。本実施形態において保持部4は、挟み込みにより胴部10を把持する把持機構40を有する。一例として、把持機構40は、胴部10のクリップ部10bを把持して胴部10を固定する。
【0039】
シリンジガイド84に保持された胴部10がターンテーブル81の回転により保持部4の下方位置(以下、保持部4の下方位置を、単に装着位置と記載する)に供給されると、保持部4が把持機構40で胴部10のクリップ部10bを把持して胴部10を固定する。これにより、胴部10は、把持機構40との関係で相対回転を禁止される。把持機構40は、回転部6の回転軸と一体回転可能に連結されている。把持機構40が胴部10を固定すると、シリンジガイド84は胴部10の保持を解除する。
【0040】
固定部3は、キャップ2の固定具である。固定部3は、キャップ2の係合部21を把持するなどして、キャップ部20の開口をノズル部11の先端に対向させてキャップ2を固定する。固定部3は、上流側の工程装置からシリンジ1の胴部10の供給を受け入れてこれを一時的に保持し、ターンテーブル81の回転により装着位置にキャップ2を供給可能とされている。
【0041】
ターンテーブル81の回転により装着位置に位置した際に、固定部3は、キャップ部20の開口をノズル部11の先端に対向させた状態で固定し、キャップ2の軸心Zを回転軸心とした回転を禁止する。例えば、固定部3に、係合部21を固定して保持可能な凹部などを設け、当該凹部に係合部21をはめ込むなどしてキャップ2の回転を禁止することができる。また、固定部3に、係合部21の回転を許容する状態と回転を禁止する状態とを切り替えるロック機構を設けてもよい。
【0042】
回転部6は、回転動力を伝達する回転軸61を有し、胴部10をノズル部11の軸心Xと同軸心で回転させる回転動力発生部である。回転部6は、ステッピングモータやサーボモータなどの電動モータを回転動力発生源として有する。本実施形態では、回転部6は、モータの回転軸61を介して保持部4の把持機構40に連結されており、把持機構40を回転させることでシリンジ1の胴部10を回転させる。これにより、スリーブ12が回転し、ネジ部13がキャップ2と螺合する。回転部6では、回転軸61の回転トルクを回転トルク検出部S1で検出可能とされている。
【0043】
回転トルク検出部S1は、トルクセンサや回転部6の消費する電流値などエネルギー消費量を検出するセンサなどを含む。本実施形態では、回転トルク検出部S1は、回転軸61のねじれに基づいてトルクを検出するトルクセンサを一例として含む。制御部9は、回転トルク検出部S1が検出したトルクに基づいて、キャップ2とスリーブ12とを螺合接続する際の、胴部10の回転の終点を判定する。
【0044】
本実施形態では、制御部9は、回転トルク検出部S1が所定のトルク値まで上昇したこ
とを検知すると、キャップ2とスリーブ12との螺合接続が完了したと判定し、回転部6による回転を停止させる。
【0045】
押圧部5は、胴部10とキャップ2とを螺合接続する際に、胴部10をキャップ2に向けて押圧する装置である。押圧部5は、一例として、エアシリンダ、電動アクチュエータ、サーボモータなどのモータなどの駆動機構を含む。本実施形態では、押圧部5はエアシリンダを有し、胴部10とキャップ2とを螺合接続する際にエアシリンダのシリンダ50を伸長させながら、胴部10をキャップ2に向けて押圧する。なお、シリンダ50は、ノズル部11の軸方向(軸心Xに沿う方向)に伸長可能である。シリンダ50の伸長の押圧力及び動作速度の調整は、当該エアシリンダに供給される圧縮空気の供給速度を調整可能なニードルバルブの開度調整などにより行うことができる。
【0046】
押圧部5は、胴部10とキャップ2とを螺合接続する際に、胴部10をキャップ2に向けて押圧することから明らかであるが、シリンダ50の伸長量(伸長距離)は、胴部10とキャップ2との螺合によるねじ込み量(以下、単にねじ込み量と記載する場合がある)と相関する。押圧部5では、位置検出部S2によりシリンダ50の伸長量を検出可能とされている。
【0047】
押圧部5で胴部10をキャップ2に向けて押圧すると、その押圧力により、キャップ2を介して固定部3及びターンテーブル81が下方に押され、ターンテーブル81の板面がひずむなどして固定部3の位置がずれる場合がある。そこで、本実施形態では、たわみ防止部85により、固定部3をターンテーブル81の下面側から支持可能としている。すなわち、押圧部5で胴部10をキャップ2に向けて押圧する際には、たわみ防止部85が固定部3をターンテーブル81の下面側から支持することで、固定部3上下方向における固定部3の位置ずれを防止している。なお、たわみ防止部85は、押圧部5で胴部10をキャップ2に向けて押圧していない際にはターンテーブル81の下面側からの支持を解除して、例えば、ターンテーブル81の下面から離間し、ターンテーブル81の回転を許容している。たわみ防止部85による固定部3の支持及び支持の解除は、本実施形態では、制御部9により制御される。
【0048】
位置検出部S2は、光学センサや圧力センサなど、シリンダ50の伸長量に係る情報を含む位置情報を検出可能なセンサなどを含む。本実施形態では、位置検出部S2は、シリンダ50の位置変化を光学的に検出する光学位置センサを一例として含む。
【0049】
本実施形態では、制御部9は、位置検出部S2が検出したシリンダ50の位置情報に基づいて、押圧部5の押圧力を変更する。本実施形態では、制御部9は、シリンダ50がノズル部11の軸方向に沿うノズル部11側に向けて所定距離だけ移動したことを位置検出部S2が検知すると、押圧部5に、押圧力を増大させる。
【0050】
本実施形態では、押圧部5のシリンダ50に対して回転部6が昇降可能に接続されており、押圧部5は、回転部6及び保持部4を介して胴部10をキャップ2に向けて押圧可能とされている。詳述すると、押圧部5の押圧力は、シリンダ50から回転部6、回転部6の回転軸61から保持部4の把持機構40、そして把持機構40から胴部10へ伝達される。
【0051】
制御部9は、CPUや当該CPUに螺合装置Mの制御を実現させるプログラム(ソフトウェア)により、ハードウェア又はソフトウェア的に実現される。本実施形態では、制御部9は、
図3に示すように、パーソナルコンピュータやPLCなどのコンピュータC及びその記憶部90に格納された制御ソフトウェアにより実現される。制御部9は、ポートやバス、有線や無線のネットワーク(インターネット回線を含む)などで構成される通信路Nを介して保持部4、押圧部5、回転部6、回転トルク検出部S1、位置検出部S2などと通信可能に接続されている。なお、記憶部90としては、いわゆるUSBメモリなどのフラッシュメモリ、ハードディスク、SSDやCDROMなどの光学ディスクなど、コンピュータCで使用可能な記憶装置又は記憶媒体が一般に利用可能である。
【0052】
以下では、
図1、
図2を参照しつつ、
図3に示す記憶部90に格納されているプログラムについて説明する。
【0053】
図3に示す記憶部90には、パーソナルコンピュータやPLCなどのコンピュータCなどのCPU(制御部9)に、キャップ2の軸心Zとノズル部11の軸心Xとを重複させた状態で、回転部6により、キャップ2を、胴部10に対して相対的に、胴部10の周方向に回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させる螺合工程と、押圧部5により当該螺合工程の実行中に胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い相対的に押圧する押圧工程と、を含み、当該押圧工程における押圧力は、当該螺合工程の実行中に増大される制御の実行を実現させるプログラムが格納されている。
【0054】
また、記憶部90には、コンピュータCなどのCPU(制御部9)に、押圧工程として第一押圧力で押圧する第一押圧工程を実行させる制御と、第一押圧工程の後に実行され、第二押圧力で押圧する第二押圧工程とを実行させる制御とを実現させ、第二押圧力は、第一押圧力よりも大きくなるようにする制御の実行を実現させるプログラムが格納されている。
【0055】
また、記憶部90には、コンピュータCなどのCPU(制御部9)に、位置情報に基づいてキャップ2のねじ込み量を判定する螺合距離検出工程を実行する制御を更に実現させ、当該押圧工程では、当該ねじ込み量が所定量となった場合に、上述の第一押圧工程から第二押圧工程に切り変える制御の実行を実現させるプログラムが格納されている。
【0056】
(螺合接続方法の説明)
図2に示す状態のように、ターンテーブル81の回転により、胴部10及びキャップ2が装着位置に供給されると、制御部9は胴部10のスリーブ12とキャップ2との螺合接続を開始する。まず、シリンジ1の胴部10を保持部4で保持し、且つ、固定部3でキャップ2を固定する。以下では、
図4のタイムチャートを参照しつつ、本実施形態に係る螺合接続方法説明する。
図4では、図の上から下に向けて順に、押圧部5の押圧力、回転部6による胴部10の回転速度及び回転部6で加えている回転のトルクのタイムチャートを示している。
【0057】
胴部10及びキャップ2が装着位置に供給され、シリンジ1の胴部10を保持部4で保持し、且つ、固定部3でキャップ2を固定した状態では、キャップ2の軸心Zとノズル部11の軸心Xとを重複させる。その後、押圧部5で胴部10を押し下げて、スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23とを軽く当接させる。そして、制御部9は、キャップ2を、胴部10の直胴部分10aに対して相対的に、直胴部分10aの周方向に回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させる(螺合工程の一例)。本実施形態では、キャップ2の回転を固定部3で禁止した状態で、胴部10を回転部6が所定の回転速度rで回転を開始する(
図4の時刻t0)。回転速度rは、例えば外径15〜20mm程度の直胴部分10aを有するシリンジ1の場合に、一例として数1rpm以上20rpm以下(例えば、5rpm)である。胴部10の回転が開始すると、スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23とが係合して螺合が開始する。
【0058】
スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23とが係合して螺合が開始するタイミングで、制御部9は、押圧部5による押圧を開始する(
図4の時刻t1)。すなわち、キャップ2をスリーブ12に螺合させる過程において、制御部9は、押圧部5で、胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い(軸心Xに沿う方向に)相対的に押圧する(押圧工程の一例)。
図4では、螺合開始のタイミングで押圧部5の押圧力が値p1(第一押圧力の一例)に設定されている場合を示している(第一押圧工程の一例)。本実施形態では、スリーブ12とキャップ2の螺合開始により、胴部10がキャップ2側に牽引され、これに伴ってシリンダ50がノズル部11の軸方向に沿うキャップ2側に移動開始したことを位置検出部S2が検知すると、制御部9は押圧部5に、押圧力を押圧を開始させる制御を行う(
図4の時刻t1)。
【0059】
回転部6によって胴部10を回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させつつ、押圧部5で胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い押圧する過程において、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は増大される。本実施形態では、キャップ2とスリーブ12との螺合が所定のねじ込み量となったことを制御部9が判定すると(螺合距離検出工程の一例)、例えば階段状に押圧力を上昇させる(
図4の時刻t2)。
図4では、時刻t2は、ねじ込み量が70%となり、押圧力が上昇された場合を例示している。通常、時刻t2は、ねじ込み量が40%以上85%以下となるように設定される。本実施形態では、制御部9は、シリンダ50がノズル部11の軸方向に沿うキャップ2側に向けてねじ込み量が70%に対応する距離だけ移動したことを位置検出部S2が検知すると、押圧部5に、押圧力を値p1よりも大きい値p2(第二押圧力)に増大させる制御を行う(第二押圧工程の一例)。値p2は、例えば、値p1の1.2倍以上6倍以下であり、好ましくは2倍以上、5倍以下である。本実施形態では、値p2が値p1の4倍である場合を例示している。
【0060】
ここで、制御部9が押圧部5の押圧力を値p1から値p2に増大させるタイミング、すなわち、押圧部5の押圧力を値p1から値p2に増大させる所定のねじ込み量は、スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23との二条ネジの螺合状態に基づいて定めることが望ましい。
【0061】
スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23とにおける、これら二条ネジの螺合状態とねじ込み量との関係を、以下、
図5,6の拡大写真図を参照しつつ説明する。
【0062】
図5には、胴部10とキャップ2とを押圧しない状態における、ねじ込み量が浅い(一例としてねじ込み量が40%)の状態のスリーブ12及びキャップ2の部分の拡大写真図を示している。この状態では、キャップ2のキャップ側ネジ部23のネジ山23aの下面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの上面とが当接(
図5の仮想線L1で示した部分)可能、且つ、ネジ山23aの上面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの下面とが離間可能となっている。この状態では、押圧部5の押圧力を値p1に維持しても、回転部6の回転により、キャップ2とスリーブ12との螺合は円滑に進行する。
【0063】
図6には、一例として、ねじ込み量がある程度深い(一例としてねじ込み量が80%の)状態のスリーブ12及びキャップ2の部分の拡大写真図を示している。ねじ込み量がある程度深い状態では、二条ネジの特性により、キャップ2のキャップ側ネジ部23のネジ山23aの下面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの上面とが離間し、且つ、ネジ山23aの上面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの下面とが当接している(
図6の仮想線L2で示した部分)。ここで、キャップ2やスリーブ12は樹脂で形成されており、ひずみを生じやすく、また、キャップ2やスリーブ12の成形精度が高くない場合もある。そのため、ネジ山23aの上面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの下面とが当接している状態(ねじ込みの仕上げ段階)では、キャップ2とスリーブ12とを押付ながらねじ込まなければ、キャップ2とスリーブ12とのネジをしっかりと締めつけて螺合接続できない場合がある。また、単に回転部6(
図2参照)による回転トルクや回転速度を増大させるのみでは、キャップ2とスリーブ12とのネジをしっかりと締めつけて螺合接続できないばかりか、スリーブ12(ネジ部13)を破損するおそれが高まる。
【0064】
そこで、本実施形態では、ネジ山23aの上面と、スリーブ12のネジ部13のネジ山13aの下面とが当接するタイミングの前後近傍、すなわち、ねじ込み量が40%以上85%以下となるタイミングで、押圧部5の押圧力を値p1から値p
2に上昇させている。これにより、キャップ2とスリーブ12とのネジをしっかりと締めつけた状態で螺合を完了させて、ノズル部11とキャップ2とに隙間が生じないようにノズル部11をキャップ2で封止することができる。なお、押圧部5の押圧力を値p1から値p
2に上昇させるタイミングは、ねじ込み量が60%以上80%以下となるタイミングであることが更に好ましい。
【0065】
制御部9が押圧部5の押圧力を値p1から値p2に増大させた後、更に胴部10を回転部6で回転させると、回転トルク検出部S1が、回転部6の回転トルクの上昇を検知し始める(
図4の時刻t3)。その後、回転部6の回転トルクはさらに上昇し、回転トルク検出部S1が所定のトルク値TLまで上昇したことを検知すると、制御部9は、キャップ2とスリーブ12との螺合接続が完了したと判定し、回転部6による回転を停止させる(
図4の時刻t4)。トルク値TLは、本実施形態では例えば0.1Nm以上0.5Nm以下といったオーダーであるが、これはシリンジ1の寸法、大きさに依存する。これにより、キャップ2とスリーブ12の螺合を終了する。この状態では、キャップ2とスリーブ12とのネジはしっかりと締めつけられており、ノズル部11とキャップ2とは隙間なく封止されている。
【0066】
以上のようにして、ノズル部とキャップとに隙間が生じないように封止するキャップの螺合接続方法及び螺合装置を提供することができる。
【0067】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、回転部6によって胴部10を回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させつつ、押圧部5で胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い押圧する過程において、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は増大される場合を説明した。そして、キャップ2とスリーブ12との螺合が所定のねじ込み量となったことを制御部9が判定すると、例えば階段状に押圧力を上昇させる場合を説明した。
【0068】
しかしながら、回転部6によって胴部10を回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させつつ、押圧部5で胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い押圧する過程における押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は、螺合の進行に伴って、漸次増大させてもよい。たとえば、螺合開始時点から徐々に押圧力を上昇させてもよいし、螺合の進行の途中段階から徐々に押圧力を上昇させてもよい。
図7には、一例として、所定のねじ込み量(一例として70%)となった時点(
図7の時刻t2)から、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力を漸次増段させる場合を示している。漸次押圧力を増大させる態様は、必ずしも直線状に増大される場合に限られず、曲線状であってもよい。このように漸次押圧力を上昇させることで螺合の進行(ねじ込み量)に応じた適切な押圧力を設定し、キャップ2とスリーブ12とをしっかりと締めつけて螺合接続し、ノズル部11とキャップ2とを適切に隙間なく封止することができる場合がある。
【0069】
(2)上記実施形態では、回転部6によって胴部10を回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させつつ、押圧部5で胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い押圧する過程において、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は増大される場合を説明した。
【0070】
しかしながら、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は、螺合の進行に伴って、一時的に減少される場合があってもよい。胴部10の回転が開始して、スリーブ12のネジ部13とキャップ2のキャップ側ネジ部23とが係合して螺合が開始時点直後(例えば、ねじ込み量が10%以降)における、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力よりも、その後の螺合の進行時点におけるいずれかの時点での押圧力が大きければ足りる。例えば、
図8に示すように、一例として、所定のねじ込み量(一例として70%)となった時点(
図8の時刻t2)から、押圧力を値p1から値p2の範囲で、パルス状に上下させてもよいし、図示はしないが、波状(一例としてサインカーブ状)に上下させてもよい。このようにパルス状に押圧力を上昇させることで、キャップ2とスリーブ12とを強固に締めつけて螺合接続し、ノズル部11とキャップ2とを確実に隙間なく封止することができる場合がある。
【0071】
(3)上記実施形態では、回転部6によって胴部10を回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させつつ、押圧部5で胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い押圧する過程において、押圧部5で胴部10を押圧する押圧力は増大される場合を説明した。そして、キャップ2とスリーブ12との螺合が所定のねじ込み量となったことを制御部9が判定すると、例えば階段状に押圧力を上昇させる場合を説明し、押圧力が値p1から値p2に階段状に上昇させる場合を例示して説明した。しかしながら、押圧力は、押圧力が値p1から値p2に上昇させるように二段階である場合に限られず、三段階以上の多段数で上昇させてもよい。このように多段数で押圧力を上昇させることで螺合の進行(ねじ込み量)に応じた適切な押圧力を設定し、キャップ2とスリーブ12とをしっかりと締めつけて螺合接続し、ノズル部11とキャップ2とを適切に隙間なく封止することができる場合がある。
【0072】
(4)上記実施形態では、胴部10を回転部6が所定の回転速度rで回転させて、スリーブ12とキャップ2とを螺合させる場合を説明したが、回転部6による胴部10の回転速度は一定である場合に限られない。
図7,8に示すように、所定の回転速度rよりも早い観点速度で回転を開始して、その後、回転速度rまで回転速度を低下させてもよい。このように回転速度を高めれば、スリーブ12とキャップ2との螺合に要する工程時間を短縮し、スループットを向上させることができる。
【0073】
なお、キャップ2とスリーブ12との螺合接続が完了する時点及びその直前(例えば、ねじ込み量が70%以降、
図7,8の時刻t2以降)では、あまり早い回転速度で回転させないほうが良い。キャップ2とスリーブ12との螺合接続が完了する時点及びその直前における回転数が速すぎると、回転部6によって加えられる回転トルクによって、キャップ2やスリーブ12が破損するリスクが生じる場合がある。
【0074】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【解決手段】螺合接続方法は、キャップ2の軸心Zとノズル部11の軸心Xとを重複させた状態で、キャップ2を、胴部10に対して相対的に、胴部10の周方向に回転させてキャップ2をスリーブ12に螺合させる螺合工程と、当該螺合工程の実行中に胴部10をキャップ2に対してノズル部11の軸方向に沿い相対的に押圧する押圧工程と、を含み、