(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該管路と、該管路の一端に接続された該液体の供給源と、該液体の供給源から該管路の他端に該液体を供給するポンプと、該管路に設置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の検査器と、を備える液体供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係る検査器は、例えば、半導体ウェーハ等の被加工物を加工する加工装置において、加工ユニットや該被加工物等に各種の液体を供給する液体供給装置に組み込まれる。該液体供給装置は、該液体の送液路となる管路を備え、該検査器は該管路に配設される。該検査器は、該管路を流れる液体中への気泡の混入の有無を検査できる。
【0021】
該液体は、例えば、純水、酸性溶液、アルカリ溶液、その他の溶液等である。該液体には、スラリー(懸濁液)等の固体粒子を分散させた液状混合物も含まれる。または、該液体は、後述の水溶性の液状樹脂である。アルカリ溶液は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、又は、炭酸水素カリウムのいずれか一または複数が溶解した溶液である。
【0022】
次に、液体を所定の箇所に供給するための管路と、該検査器と、が備えられた液体供給装置の一例について、
図1を用いて説明する。
図1は、液体供給装置2を模式的に示す図である。該液体供給装置2は、該管路12と、該管路12の一端に接続された該液体の供給源14と、該液体の供給源14から該管路12の他端に該液体を供給するポンプ16と、を備える。該液体供給装置2は、例えば、加工装置で加工されるウェーハ10に該液体の供給源14に収容された液体8を供給する機能を有する。
【0023】
該管路12の該他端に設けられる液体吐出部6は、該ウェーハ10等の被加工物を保持するチャックテーブル4の上方に配設される。該液体吐出部6は、該管路12を通じて該液体の供給源14から供給された液体8を該チャックテーブル4に保持されたウェーハ10等に吐出する機能を有する。該液体吐出部6は、該ウェーハ10等の表面に液体8として、例えば、水溶性の液状樹脂を供給する。
【0024】
表面に複数のデバイスが形成されたウェーハ10を該デバイス毎に分割すると、複数のデバイスチップを形成できる。該ウェーハ10を分割する際には、該ウェーハ10が吸収性を有する波長のレーザビームを該ウェーハ10の所定の加工予定位置に照射して、アブレーション加工によりウェーハ10に加工溝を形成する。該ウェーハ10をアブレーション加工するとデブリと呼ばれる加工屑が発生して該ウェーハ10の表面に飛散するが、該ウェーハ10の表面にデブリが付着すると、除去するのは容易ではない。
【0025】
そこで、アブレーション加工を実施する前に予め該水溶性の液状樹脂を該ウェーハ10の表面に供給し、該ウェーハ10の表面に保護膜を形成する。すると、アブレーション加工で発生するデブリは該保護膜上に付着するため、該ウェーハ10にはデブリが直接付着しない。その後、水を含む洗浄液で該ウェーハ10の表面を洗浄すると、該保護膜ごとデブリが洗い流されるため、該ウェーハ10の表面にデブリが残存しにくくなる。すなわち、該ウェーハ10の表面は、該保護膜によりデブリから保護される。
【0026】
該液状樹脂等の液体8が流れる該管路12では、該液体8中に気泡が混入する場合がある。気泡が混入した液体8が該ウェーハ10に供給されて保護膜が形成されると、該保護膜にも気泡が残る。保護膜の気泡部分にレーザビームが照射されたり、レーザ加工により発生したデブリが該気泡部分に到達したりすると、デブリがウェーハ10の表面に付着してしまう。すなわち、該管路12を流れる液体8中に気泡が混入すると、該保護膜で該ウェーハ10の表面を適切に保護できなくなる。
【0027】
また、該管路12に該液状樹脂以外の液体を流す場合にも、該管路12を流れる液体8中に気泡が混入する場合がある。該液体8中に気泡が混入すると、該液体8の流速、流量等を流量計等で正しく計測できず、該液体8の流速や流量等を正しく制御できない場合がある。また、物質が溶解又は分散した液体8に気泡が混入すると、該管路12を流れる該液体8の濃度を高い精度で測定できなくなる場合がある。
【0028】
そこで、該管路12に本実施形態に係る検査器18を配設する。該検査器18は、該管路12内を流れる液体8を検査し、該液体8に気泡が混入した際に該気泡の混入を検出する機能を有する。以下、該検査器18について詳述する。
【0029】
該検査器18は、液体8が流れる該管路12の上流側と、下流側と、に配設された2つの超音波振動子22a,22bと、該2つの超音波振動子22a,22bに電気的に接続された制御部24と、を備える。
図2は、管路12に配設される検査器18を模式的に示す断面図である。
図2には、該制御部24の構成例が模式的に示されている。
【0030】
2つの該超音波振動子22a,22bは、超音波を発生させて管路12を流れる液体8中に該超音波を伝播させることができる。また、該超音波振動子22a,22bは、該超音波振動子22a,22bに伝播した超音波を観測することができる。
【0031】
例えば、該2つの超音波振動子22a,22bの一方に超音波を発生させると、管路12を流れる液体8に該超音波が伝播する。該液体中に伝播する超音波を該2つの超音波振動子22a,22bの他方で観測できる。同様に、該2つの超音波振動子22a,22bの該他方に超音波を発生させると、該超音波を該2つの超音波振動子22a,22bの該一方で観測できる。
【0032】
該検査器18は、さらに、該2つの超音波振動子22a,22bに電気的に接続された制御部24を有する。該制御部24は検査器18による超音波の計測を制御する。該制御部24は、該2つの該超音波振動子22a,22bに電気的に接続された切り替え部26を有する。該切り替え部26は、超音波を発生させる超音波振動子22a,22bと、該超音波を観測させる超音波振動子22a,22bと、を切り替える機能を有する。
【0033】
該切り替え部26は、電源28に電気的に接続されており、該電源28を2つの超音波振動子22a,22bの一方に接続して該超音波振動子に超音波を発生させる。また、該切り替え部26は増幅器30に電気的に接続されており、2つの超音波振動子22a,22bの他方を該増幅器30に接続する。該超音波振動子の他方に到達した該超音波は波形情報を含む電気信号に変換され、該電気信号は該増幅器30に送られる。該電気信号には、例えば、該超音波が電圧値に変換された波形情報が含まれる。
【0034】
該増幅器30は、該検査器18の算出部32に電気的に接続されており、該波形情報を含む電気信号を増幅して該算出部32に送る。該算出部32は、振幅算出部34と、判定部36と、振幅範囲登録部38と、伝播時間算出部40と、伝播時間範囲登録部42と、該液体8の温度を測定する液体温度測定器44に接続された液体温度算出部46と、を備える。該増幅器30で増幅された波形情報を含む電気信号は、算出部32の該振幅算出部34と、該伝播時間算出部40と、に伝達される。
【0035】
該伝播時間算出部40は、該2つの超音波振動子の一方で発生し該管路12に流れる液体8中を伝播する超音波(第1の超音波)を該2つの超音波振動子の他方で観測することで得られた波形情報から、該超音波の伝播時間を第1の伝播時間として算出する。さらに、該伝播時間算出部40は、該2つの超音波振動子の該他方で発生し該管路12に流れる液体8中を伝播する超音波(第2の超音波)を該2つの超音波振動子の該一方で観測することで得られた波形情報から、該超音波の伝播時間を第2の伝播時間として算出する。
【0036】
図3(A)は、2つの超音波振動子22a,22bで観測される超音波の波形の一例を模式的に示すチャートである。
図3(A)には、上流側の超音波振動子で発生し下流側の超音波振動子で観測される超音波の波形48の一例が模式的に示されている。また、
図3(A)には、下流側の超音波振動子で発生し上流側の超音波振動子で観測される超音波の波形50の一例が模式的に示されている。
【0037】
該2つの超音波振動子22a,22bは圧電素子を含み、該超音波振動子22a,22bに到達した超音波は該圧電素子により超音波の振幅を反映した電圧の電気信号に変換される。例えば、該チャートの横軸は超音波の伝播時間を表し、該チャートの縦軸は超音波の振幅(強度)を表す観測電圧値である。
【0038】
管路12に流れる液体8は上流側から下流側に所定の流速で流れているため、管路12に流れる液体8中を伝播する超音波の速度は該液体8の流れの影響を受ける。例えば、上流側から下流側に伝播する超音波の伝播速度は、静止する該液体8中を伝播する超音波の伝播速度よりも速く、下流側から上流側に伝播する超音波の伝播速度は、静止する該液体8中を伝播する超音波の伝播速度よりも遅い。
【0039】
そのため、第1の伝播時間52は、第2の伝播時間54よりも小さくなる。管路12に流れる液体8の流速が速くなる程該液体8中を伝播する超音波の伝播時間の差が大きくなる。該伝播時間算出部40は、算出した該第1の伝播時間52と、該第2の伝播時間54と、の平均を平均伝播時間56として算出する。該伝播時間算出部40は該判定部36に接続されており、算出した該平均伝播時間56を該判定部36に伝達する。
【0040】
管路12に物質が溶解又は分散した液体8が流れる場合に、該液体8中を伝播する超音波の伝播速度は該液体8の濃度によって変化するため、液体8中を伝播する超音波の伝播時間を監視することで該液体8の濃度の異常の発生を検出できる。伝播時間範囲登録部42には、所定の濃度ではない濃度で物質が溶解又は分散した該液体8中を伝播する超音波の伝播時間の範囲、例えば、該平均伝播時間56の範囲が登録されている。
【0041】
該伝播時間範囲登録部42は、所定の濃度ではない濃度で物質が溶解又は分散した該液体8中を伝播する該超音波の登録された伝播時間の範囲を該判定部36に伝達する。該平均伝播時間56が該伝播時間範囲登録部42に登録された該伝播時間の範囲にある場合、該判定部36は該液体8の濃度が所定の濃度ではなく、該液体8の濃度に異常が生じたと判定できる。
【0042】
なお、該伝播時間範囲登録部42に登録される超音波の伝播時間の範囲は、該液体8の濃度が異常である場合の該超音波の伝播時間の範囲に限らない。該伝播時間範囲登録部42には、例えば、該液体8の濃度が正常である場合の超音波の伝播時間の範囲が登録され、該伝播時間範囲登録部42は該判定部36に該超音波の伝播時間の範囲を伝達してもよい。この場合、該判定部36は、該平均伝播時間56が該伝播時間の範囲から逸脱する場合に該液体8の濃度が所定の濃度ではなく該液体8に異常が生じたと判定する。
【0043】
また、該伝播時間範囲登録部42に登録される超音波の伝播時間の範囲は、該平均伝播時間56ではなく、第1の伝播時間52又は第2の伝播時間54の正常時又は異常時の範囲が登録されていてもよい。管路12に該液体8を流すポンプ16により該液体8の流速が決まるため、該ポンプ16の稼働状況により該液体8の流速が判明する場合、該液体8の該流速を考慮に入れて該液体8の異常の発生を検出できる。
【0044】
なお、該液体8中を伝播する超音波の伝播速度は該液体8の温度によっても変化するため、判定時に該液体8の温度も考慮されると該液体の異常を高い精度で検知できる。該液体8の温度は、該液体温度測定器44により測定される。該液体温度測定器44は、例えば、温度計である。該液体温度算出部46は、該液体温度測定器44に管路12を流れる液体8の温度を測定させ、得られた該液体8の温度を該判定部36に伝達する。
【0045】
該液体温度測定器44は、例えば、該管路12の外表面に配設される。その場合、外部環境による影響を抑制するために該液体温度測定器44を断熱材等で覆うことが好ましい。また、該液体温度測定器44は、該管路12に配設されていなくてもよく、例えば、液体の供給源14や、液体吐出部6に配設されていてもよい。
【0046】
なお、該液体8の温度の測定は、2つの超音波振動子22a,22bと、制御部24により超音波を利用して実施してもよい。例えば、該制御部24は、該管路12を流れる液体8中を伝播する超音波を測定することで該超音波の伝播速度を算出し、該伝播速度から該液体8の温度を算出する。
【0047】
振幅算出部34は、該2つの超音波振動子22a,22bの該一方で発生し該管路12に流れる液体8中を伝播する該超音波を該2つの超音波振動子22a,22bの該他方で観測することで得られた該波形情報から該超音波の振幅を算出する。該振幅算出部34は、該判定部36に接続されており、算出した該超音波の振幅を該判定部36に伝達する。
【0048】
なお、振幅算出部34は、該2つの超音波振動子22a,22bの該他方で発生し該管路12に流れる液体8中を伝播する該超音波を該2つの超音波振動子22a,22bの該一方で観測することで得られた該波形情報から該超音波の振幅を算出してもよい。また、該振幅算出部34は、観測された2つの該超音波の振幅の平均を超音波の振幅として算出してもよい。
【0049】
図3(B)は、振幅の異なる2つの超音波の波形を模式的に示すチャートである。ここで、該超音波の振幅は、観測された該超音波の強度(電圧値)の絶対値の最大値とする。例えば、該
図3(B)では、上側に示す超音波の波形58における振幅62aは、下側に示す超音波の波形60における振幅62bよりも大きい。
【0050】
該管路12に流れる液体8中に気泡20が混入すると、該液体8中を伝播する超音波の伝播経路が少なくなるため、該液体8中に気泡20が発生していない場合と比較して振幅算出部34で算出される該超音波の振幅は小さくなる。そのため、該振幅算出部34で算出される該超音波の振幅を監視することで、該液体8中の気泡20の混入を検出できる。
【0051】
該振幅範囲登録部38は、気泡20が混入した該液体8中を伝播する該超音波の振幅の範囲が登録されており、該判定部36に該超音波の振幅の範囲を伝達する。すると、該液体8に気泡が混入した際に、該判定部36は該気泡の混入を検知できる。
【0052】
なお、該振幅範囲登録部38に登録される超音波の振幅の範囲は、気泡20が混入した該液体8中を伝播する超音波の振幅の範囲に限らない。該振幅範囲登録部38には、例えば、気泡20が混入していない該液体8中を伝播する超音波の振幅の範囲が登録され、該振幅範囲登録部38は該判定部36に該超音波の振幅の範囲を伝達してもよい。この場合、該判定部36は、管路12を流れる液体8中を伝播する超音波の振幅が該超音波の振幅の範囲から逸脱する場合に該液体8の気泡が混入したことを検知する。
【0053】
該判定部36は、該振幅算出部34と、該振幅範囲登録部38と、該伝播時間算出部40と、該伝播時間範囲登録部46と、該液体温度算出部46と、に接続されている。
【0054】
該判定部36には、管路12を流れる液体8中を伝播する超音波の振幅が該振幅算出部34から伝達され、気泡20が混入している該液体8中を伝播する超音波の振幅の範囲が該振幅範囲登録部38から伝達される。該判定部36は、該振幅算出部34から伝達された該振幅が該振幅範囲登録部38から伝達された該範囲内であるか否かを判定し、該振幅が該範囲内である場合に該液体8に気泡が混入したと判定する。本実施形態に係る検査器18は、このように管路12を流れる液体8中の気泡の発生を検出できる。
【0055】
該判定部36は、例えば、該液体供給装置2が組み込まれた加工装置の制御部や表示部等に接続されており、液体8中の気泡の混入が検出されたときに該加工装置のオペレータに該気泡の混入を報知し、または、該加工装置の稼働を停止させる。そのため、液体8に気泡が混入したまま該液体吐出部6等から該液体8が供給されるのを防止できる。
【0056】
また、該判定部36には、該伝播時間算出部40から管路12を流れる液体8中を伝播する超音波の平均伝播時間が伝達され、該伝播時間範囲登録部46から所定の濃度ではない濃度で物質が溶解又は分散した該液体8中を伝播する超音波の伝播時間の範囲が伝達される。該判定部36は、該伝播時間算出部40から伝達された該超音波の平均伝播時間56が該伝播時間範囲登録部46から伝達された該範囲内であるか否かを判定する。そして、該平均伝播時間56が該範囲内である場合に該液体8の濃度が異常であると判定する。
【0057】
該判定部36には、該液体温度算出部46から該液体8の温度が伝達される。該液体8中を伝播する超音波の伝播速度は該液体8の濃度だけでなく温度により変化するため、該判定部36は、該液体8の温度を考慮に入れて該液体8の濃度の異常の有無を判定する。
【0058】
該液体8中に気泡が混入している場合、該液体8中を伝播する超音波を観測しても該液体8の濃度の異常を正しく検知できない場合がある。本実施形態に係る検査器18では、該液体8中に気泡が混入していないことを確認した上で該濃度の異常の有無を判定できるため、該濃度異常検知の精度をより高めることができる。
【0059】
該液体8の濃度の異常が検知された場合、該判定部36はその旨を該液体供給装置2が組み込まれた該加工装置の制御部又は表示部に伝達し、該加工装置のオペレータに該濃度の異常を報知し、また、該加工装置の稼働を停止させる。
【0060】
なお、該管路12を流れる該液体8の種別が誤っている場合や該液体8が劣化している場合等、該液体8に濃度以外の異常が生じた場合でも該液体8中を伝播する超音波の伝播速度にその影響が現れる場合がある。該判定部36は、同様に該濃度以外の異常の発生を検知してもよい。また、物質等が溶解又は分散していない純粋な液体8である場合でも、超音波の伝播速度の異常を検出して異物の混入や液体の種別の誤りを検出してもよい。
【0061】
次に、本実施形態に係る検査器18が配設される液体供給装置2が組み込まれる加工装置の例について説明する。該加工装置は、例えば、半導体等でなるウェーハをレーザビームにより加工するレーザ加工装置である。
図4は、該液体供給装置2を備える加工装置の一例としてレーザ加工装置64を模式的に示す斜視図である。
【0062】
該レーザ加工装置64の各構成要素を支持する装置基台66の角部にはカセット載置台68が設けられている。該カセット載置台68には、レーザ加工を実施する前のウェーハ10を収容するカセット70が載せられる。該レーザ加工装置64は、ガイドレール72と、図示しない搬入出装置と、を備え、該搬入出装置は該ウェーハ10を該ガイドレール72に沿って該カセット70から搬出する。
【0063】
該装置基台66上面には、該ウェーハ10を保持するチャックテーブル88と、該チャックテーブル88を移動させる移動機構と、該チャックテーブル88の上方に配設されたレーザ加工ユニット94と、を備える。
【0064】
該装置基台66の上面には、Y軸方向に平行な一対のY軸ガイドレール74と、Y軸ボールねじ78と、Y軸パルスモータ80と、を備えており、Y軸ガイドレール74には、Y軸移動プレート76がスライド可能に取り付けられている。
【0065】
Y軸移動プレート76の下面側には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、該Y軸ガイドレール74に平行な該Y軸ボールねじ78が螺合されている。Y軸ボールねじ78の一端部には、該Y軸パルスモータ80が連結されている。該Y軸パルスモータ80で該Y軸ボールねじ78を回転させると、Y軸移動プレート76はY軸ガイドレール74に沿ってY軸方向に移動する。
【0066】
Y軸移動プレート76の上面には、X軸方向に平行な一対のX軸ガイドレール82と、X軸ボールねじ86と、X軸パルスモータ(不図示)と、を備えており、X軸ガイドレール82には、X軸移動プレート84がスライド可能に取り付けられている。
【0067】
X軸移動プレート84の下面側には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、該X軸ガイドレール82に平行な該X軸ボールねじ86が螺合されている。X軸ボールねじ86の一端部には、該X軸パルスモータが連結されている。X軸パルスモータでX軸ボールねじ86を回転させると、該チャックテーブル88を支持するX軸移動プレート84はX軸ガイドレール82に沿ってX軸方向に移動する。
【0068】
該X軸移動プレート84に支持された該チャックテーブル88の上面は、該ウェーハ10を保持する保持面となる。該チャックテーブル88は、一端が該チャックテーブル88の該保持面に通じ、他端が図示しない吸引源に接続された吸引路(不図示)を内部に備える。該保持面の外周側には、該ウェーハ10を把持するクランプ90が設けられている。該保持面上にウェーハ10を載せ該吸引源を作動させると、該ウェーハ10に負圧が作用し該ウェーハ10がチャックテーブル88に吸引保持される。
【0069】
該チャックテーブル88は、例えば、X軸方向に加工送りされ、該Y軸方向に割り出し送りされる。さらに、該チャックテーブル88は、該保持面に垂直な軸の周りに回転でき、該チャックテーブル88に保持されたウェーハ10の該レーザ加工ユニット94に対する移動方向を切り替えられる。
【0070】
装置基台66の後部には支持部92が立設されており、該支持部92の前面には該レーザ加工ユニット94が配設されている。該レーザ加工ユニット94は加工ヘッド96を備え、該ウェーハ10が吸収性を有する波長のレーザビームを発振して該加工ヘッド96から該チャックテーブル88に保持された該ウェーハ10に該レーザビームを照射する機能を有する。
【0071】
レーザビームをウェーハ10に照射しながら該ウェーハ10をX軸方向に移動させると、該ウェーハ10がアブレーション加工されて、該ウェーハ10の表面にX軸に沿った加工溝が形成される。
【0072】
該装置基台66の該カセット載置台68の近傍にはレーザ加工後のウェーハ10の表面を洗浄する洗浄ユニット100が設けられている。該洗浄ユニット100は、レーザ加工が実施されたウェーハ10の表面に洗浄液を供給し、該レーザ加工で生じるデブリと呼ばれる加工屑を次に説明する水溶性の液状樹脂で形成された保護膜ごと除去する。
【0073】
該洗浄ユニット100の近傍には液状樹脂塗布ユニット98が設けられている。該液状樹脂塗布ユニット98は、レーザ加工を実施する前のウェーハ10の表面に水溶性の液状樹脂を塗布して該ウェーハ10の表面に保護膜を形成する保護膜被覆装置である。該保護膜は、該ウェーハ10の表面を被覆し、レーザ加工により生じるデブリが該ウェーハ10の表面に直接付着するのを防止する。
【0074】
該液状樹脂塗布ユニット98は、該ウェーハ10を保持するチャックテーブル4と、該チャックテーブル4に保持されたウェーハの表面に該水溶性の液状樹脂を供給する液体供給装置2と、を備える。該チャックテーブル4は、上述のチャックテーブル88と同様に構成される。
【0075】
液体供給装置2は、該装置基台66の内部に収容されており、該液状樹脂塗布ユニット98に供給される水溶性の液状樹脂を収容する液体の供給源14と、該液体の供給源14及び該液状樹脂塗布ユニット98に接続された管路12と、ポンプ16(
図1参照)と、を備える。
【0076】
該液体供給装置2は、該チャックテーブル4の上方に配された液体吐出部6をさらに備える。該水溶性の液状樹脂は、ポンプ16の機能により該管路12を通じて該液体の供給源14から該液体吐出部6に供給され、該液体吐出部6から該チャックテーブル4に保持されたウェーハ10の表面に供給される。
【0077】
該液体供給装置2の該管路12には本実施形態に係る検査器18が設けられため、該管路12を流れる該水溶性の液状樹脂中に気泡が混入した場合でも該混入を検出できる。そのため、該ウェーハ10の表面に気泡が混入した該水溶性の液状樹脂が供給されるのを防止できる。
【0078】
また、該装置基台66は、該洗浄ユニット100に純水等の洗浄液を供給する他の液体供給装置を備えてもよい。該他の液体供給装置は、例えば、該液状樹脂塗布ユニット98に接続された該液体供給装置2と同様に本実施形態に係る検査器18を備えても良い。
【0079】
ここで、該液状樹脂塗布ユニット98で実施される該液状樹脂の塗布について
図5(A)を用いて説明する。
図5(A)は、液状樹脂塗布ユニット98による液状樹脂の塗布を模式的に示す断面図である。
【0080】
図5(A)に示す通り、該ウェーハ10の裏面10bには、例えば、金属等で形成された環状のフレーム10dの開口部に張られたテープ10cが貼着される。該ウェーハ10は、該環状のフレーム10dと、該テープ10cと、と一体となったフレームユニットの状態で該カセット70に収容され、該カセット70から搬出されて加工される。
【0081】
該カセット70から該ウェーハ10を搬出した後、該ウェーハ10の裏面10b側を下方に向け、該液状塗布ユニット98の該チャックテーブル4の上に該テープ10cを介して該ウェーハ10を載せる。該チャックテーブル4の吸引源を作動させて該ウェーハ10を吸引させるとともに該チャックテーブル4のクランプに該フレーム10dを把持させることで、該チャックテーブル4に該ウェーハを保持させる。すると、該ウェーハ10の表面10aが上方に露出する。
【0082】
次に、該ウェーハ10の上方に液体吐出部6を配設し、該チャックテーブル4を該ウェーハ10の表面10aに垂直な軸の周りに回転させ、該液体吐出部6から液体8として水溶性の液状樹脂を吐出させる。すると、該ウェーハ10aの表面に該水溶性の液状樹脂が塗布されて保護膜が形成される。
【0083】
次に、レーザ加工装置64のレーザ加工ユニット94におけるレーザ加工について
図5(B)を用いて説明する。
図5(B)は、レーザ加工ユニット94によるウェーハ10のレーザ加工を模式的に示す断面図である。保護膜が形成されたウェーハ10は、レーザ加工ユニット94の下方のチャックテーブル88(
図4参照)上に搬送され、該チャックテーブル88により保持される。
【0084】
図5(B)に示す通り、該ウェーハ10の表面には、複数のデバイス10eが設けられており、該デバイス10eの上面を含む該ウェーハ10の表面10aは、該水溶性の液状樹脂で形成された保護膜102で覆われている。隣接する2つの該デバイス10e間の領域はストリートと呼ばれ、該ウェーハ10には該ストリートに沿って加工ヘッド96からレーザビームが照射される。すると、該ストリートに沿ってウェーハ10がアブレーション加工されて、該ストリートに沿った加工溝104がウェーハ10に形成される。
【0085】
該液体供給装置2により該表面10aに液体8が塗布されて、該表面10aに保護膜102が形成されていると、該ウェーハ10がアブレーション加工されてデブリ10fと呼ばれる加工屑が飛散しても、該デブリ10fは該表面10aに直接付着しない。特に、本実施形態に係る検査器18を備える液体供給装置2は気泡が混入していない液状樹脂を該表面10aに供給できるため、形成された保護膜102にも該気泡が残存しない。そのため、該表面10aが該保護膜102により該デブリ10fから適切に保護される。
【0086】
該ウェーハ10のレーザ加工が完了した後、洗浄ユニット100に該ウェーハ10を搬入して該ウェーハ10を洗浄すると、該デブリ10fは該保護膜102ごと洗い流されるため、該ウェーハ10の表面10aには該デブリ10fが残らない。
【0087】
加工装置等に備えられた管路12には、該管路12を流れる液体8の流量等を測定するための超音波流量計が設けられる場合がある。本実施形態に係る検査器18は、2つの超音波振動子22a,22bと、制御部24と、で構成されるため、該超音波流量計の機能を併せ持つこともできる。そのため、本実施形態に係る検査器18を該超音波流量計に代えて該管路12に配設することで、該検査器18を取り付けるための空間を節約でき、また、該検査器18の導入費用を抑制できる。
【0088】
なお、本発明は、上記の実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。本発明の一態様は、加工装置に備えられた液体供給装置の管路に配設される検査器であるが、該検査器が配設される液体供給装置及び該液体供給装置が備えられる加工装置もまた本発明の一態様である。さらに、水溶性の液状樹脂を供給して保護膜を形成する保護膜被覆装置もまた本発明の一態様である。
【0089】
上記の実施形態では、レーザ加工装置64に備えられる液体供給装置2の管路12に該検査器18を配設する場合について説明したが、該検査器18が配設される加工装置はレーザ加工装置に限られない。例えば、ウェーハ10等の被加工物を研削加工する研削装置や、被加工物を切削加工する切削装置にも被加工物や加工ユニットに供給される各種の液体が流れる管路が備えられる。そのため、該検査器は、研削装置や切削装置に備えられた管路にも配設できる。
【0090】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。