(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項9において規定される式Pの化合物の重合から得られるか得ることができるポリマーと、請求項1、4または6において規定される式I〜IIIの化合物の群から選択される1種類以上の化合物を含む液晶媒体とを含む複合システム。
【発明を実施するための形態】
【0045】
これらの本発明による改良された液晶媒体は、
・式Gの1種類以上の化合物と、
・式I、IIおよびIIIの化合物の群から選択される1種類以上の化合物と、および
・任意成分として化合物CCおよびCPの群から選択される1種類以上の化合物、好ましくは化合物CP、より好ましくは化合物CCおよびCPの両者と、および
・また任意成分として式Pの1種類以上の化合物と、および
・また任意成分として1種類以上のキラル化合物/ドーパントと
を含む。
【0046】
【化5】
式中、
R
1およびR
2は互いに独立に、それぞれ1〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはフッ素化されていないアルコキシ、それぞれ2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシまたはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
Y
1はハロゲン、好ましくはFまたはClを表し、
好ましくはR
1およびR
2は互いに独立に、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはフッ素化されていないアルコキシ、それぞれ2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシまたはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
特に好ましくはR
1は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは、それぞれ2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
特に好ましくはR
2は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはフッ素化されていないアルコキシを表す。
【0047】
【化6】
式中、
L
11は、R
11またはX
11を表し、
L
12は、R
12またはX
12を表し、
R
11およびR
12は、互いに独立に、H、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキル、好ましくは、アルキルまたはフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
11およびX
12は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されたアルコキシ、フッ素化されたアルケニルオキシ、FまたはClを表し、および
【0050】
【化9】
式中、
L
21はR
21を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
21を表し、
L
22はR
22を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
22を表し、
R
21およびR
22は、互いに独立に、H、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキル、好ましくは、アルキルまたはフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
21およびX
22は、互いに独立に、FもしくはCl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ、もしくは2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、アルケニルオキシもしくはアルコキシアルキル、または−NCS、好ましくは、−NCSを表し、
Z
21およびZ
22の一方はトランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を表し、他方は、それとは独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を表し、好ましくは、それらの一方が−C≡C−またはトランス−CH=CH−を表し、他方が単結合を表し、および
【0053】
【化12】
式中、
L
31は、R
31またはX
31を表し、
L
32は、R
32またはX
32を表し、
R
31およびR
32は、互いに独立に、H、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキル、好ましくは、アルキルまたはフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
31およびX
32は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されたアルコキシ、フッ素化されたアルケニルオキシ、FまたはClを表し、
Z
31〜Z
33は、互いに独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を表し、好ましくは、それらの1個以上が単結合を表し、特に好ましくは、全てが単結合を表し、および
【0056】
【化15】
式中、
Alkenylは、2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、好ましくは2〜4個のC原子を有する1−Eアルケニル、より好ましくはビニルまたは1−E−プロペニル、最も好ましくはビニルを表し、
R
01は、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、好ましくは3個のC原子を有するアルキルを表し、
R
02は、1〜17個、好ましくは1〜5個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、好ましくは1個または2個のC原子を有するアルキルを表す。
【0057】
【化16】
式中、個々の基は以下の意味を有する:
P
a、P
bは、それぞれ互いに独立に、重合性基であり、
Sp
a、Sp
bは、それぞれ互いに独立に、スペーサー基を表し、
s1、s2は、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
n1、n2は、それぞれ互いに独立に、0または1、好ましくは0を表し、
Qは、単結合、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH
2−、−CF
2−CF
2−、−CF
2−CH
2−、−CH
2−CF
2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CH
2)
3O−、−O(CH
2)
3−、−CH=CF−、−C≡C−、−O−、−CH
2−、−(CH
2)
3−、−CF
2−、好ましくは−CF
2O−を表し、
Z
1、Z
4は、単結合、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH
2−、−CF
2−CF
2−、−CF
2−CH
2−、−CH
2−CF
2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CH
2)
3O−、−O(CH
2)
3−、−CH=CF−、−C≡C−、−O−、−CH
2−、−(CH
2)
3−、−CF
2−を表し、ただし、Z
1およびQまたはZ
4およびQは−CF
2O−および−OCF
2−から選択される基を同時には表さず、
A
1、A
2、A
3、A
4は、それぞれ互いに独立に、以下の群より選択されるジラジカル基を表し:
a)トランス−1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンおよび1,4’−ビシクロヘキシレンから成る群(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は−O−および/または−S−で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はFで置き換えられていてもよい。)、
b)1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンから成る群(ただし加えて、1個または2個のCH基はNで置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はLで置き換えられていてもよい。)、
c)テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、テトラヒドロフラン−2,5−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、ピペリジン−1,4−ジイル、チオフェン−2,5−ジイルおよびセレノフェン−2,5−ジイルから成る群(また、それぞれの基はLで一置換または多置換されていてもよい。)、
d)飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和で、置換されていてもよく、5〜20個の環式C原子を有する多環式基(加えて、該基の1つ以上はヘテロ原子で置き換えられていてもよい。)から成る群であって、好ましくは、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、
【0058】
【化17】
からなる群(ただし加えて、これらの基における1個以上のH原子はLで置き換えられていてもよく、および/または、1個以上の二重結合は単結合で置き換えられていてもよく、および/または、1個以上のCH基はNで置き換えられていてもよい)より選択される群、
および代わりに、A
3は単結合でもよく、
Lは、それぞれの出現において同一または異なって、F、Cl、CN、SCN、SF
5、または、直鎖状または分岐状で、それぞれの場合でフッ素化されていてもよく、1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、
R
03、R
04は、それぞれ互いに独立に、H、F、または、直鎖状または分岐状で1〜12個のC原子を有するアルキルを表し、ただし加えて、1個以上のH原子はFで置き換えられていても良く、
Mは、−O−、−S−、−CH
2−、−CHY
1−または−CY
1Y
2−を表し、および
Y
1およびY
2は、それぞれ互いに独立に、R
0に対して上で示される意味の1つを有するか、またはClまたはCNを表し、および代わりに、基Y
1およびY
2の一方は−OCF
3、好ましくは、H、F、Cl、CNまたはCF
3を表す。
【0059】
本発明は更に、単独または個々の混合物からの1種類以上の更なる重合性化合物と組み合わせて式Pの1種類以上の化合物を重合して得られるポリマー安定化システムと、および
そのような安定化されたシステムを高周波数技術用の素子または装置において使用することとに関する。
【0060】
本発明の第1の好ましい実施形態において本発明による液晶媒体は、式G−1およびG−2の化合物の群から選択される式Gの1種類以上の化合物を含む。
【0061】
【化18】
式中パラメータは、上の式Gで与えられるそれぞれの意味を有する。
【0062】
キラル成分(A)のキラル化合物は好ましくは、絶対値が高いHTPを有する。それらは一般に、比較的低い濃度でメソゲン基礎混合物に添加されるので、キラルドーパントとも呼ばれる。それらは好ましくは、アキラル成分(B)で良好な溶解性を有する。それらは、コレステリックピッチが光の波長よりも遙かに小さい小さな値を有する限り、メソゲン媒体のメソゲン性または液晶特性を損なうことはなく、または僅かな程度にしか過ぎない。しかしながら、コレステリックピッチが光の波長程度であると、コレステリック相の構造とは全く異なる構造を有するブルー相が誘発される。2種類以上のキラル化合物を用いる場合、それらは、同一または反対の回転方向およびツイストの同一または反対の温度依存性を有してよい。
【0063】
メルク社より市販の液晶混合物MLC−6828中において20μm
−1以上、特に40μm
−1以上、特に好ましくはμm
−1以上のHTPを有するキラル化合物が特に好ましい。
【0064】
本発明の好ましい実施形態において、キラル成分(A)は、全てが同一の符号のHTPを有する2種類以上のキラル化合物から成る。
【0065】
個々の化合物のHTPの温度依存性は、高くても低くてもよい。媒体のピッチの温度依存性は、HTPの異なる温度依存性を有する化合物を対応する比率で混合することで補償できる。
【0066】
光学活性成分のために多数のキラルドーパントが当業者には入手可能であって、例えば、コレステリルノナノアート、R/S−811、R/S−1011、R/S−2011、R/S−3011、R/S−4011、B(OC)2C
*H−C−3またはCB15(全て、メルク社ダルムスタット市)などの幾つかは商業的に入手可能である。
【0067】
特に適切なキラルドーパントは、1個以上のキラル基および1個以上のメソゲン基、またはキラル基と共にメソゲン基を形成する1個以上の芳香族または脂環族基を含む化合物である。
【0068】
適切なキラル基は例えば、キラル分枝炭化水素基、キラルエタンジオール類、ビナフトール類またはジオキソラン類、更に、糖誘導体、糖アルコール、糖酸、乳酸、キラル置換グリコール、ステロイド誘導体、テルペン誘導体、アミノ酸または少数で好ましくは1〜5個のアミノ酸配列から成る群より選択される一価または多価キラル基である。
【0069】
好ましいキラル基は、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、アラビノースおよびデキストロースなどの糖誘導体;例えば、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトールまたはそれらの無水誘導体などの糖アルコール、特に、ジアンヒドロソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビド、イソソルビド)、ジアンヒドロマンニトール(イソソルビトール)またはジアンヒドロイジトール(イソイジトール)などのジアンヒドロヘキシトール類;例えば、グルコン酸、グロン酸およびケトグロン酸などの糖酸;例えば、1個以上のCH
2基がアルキルもしくはアルコキシで置換されたモノもしくはオリゴエチレンまたはプロピレングリコールなどのキラル置換グリコール基;例えば、アラニン、バリン、フェニルグリシンもしくはフェニルアラニンなどのアミノ酸またはこれらのアミノ酸の1〜5個の配列;例えば、コレステリルまたはコール酸基などのステロイド誘導体;例えば、メンチル、ネオメンチル、カンフェイル、ピネイル、ターピンイル、イソロンギホリル、フェンチル、カレイル、ミルテニル、ノピル、ゲラニル、リナロイル、ネリル、シトロネリルまたはジヒドロシトロネリルなどのテルペン誘導体である。
【0070】
好適なキラル基およびメソゲン性キラル化合物は、例えば、ドイツ国特許第34 25 503号明細書、ドイツ国特許第35 34 777号明細書、ドイツ国特許第35 34 778号明細書、ドイツ国特許第35 34 779号明細書およびドイツ国特許第35 34 780号明細書、ドイツ国特許第43 42 280号明細書、欧州特許第01 038 941号明細書ならびにドイツ国特許第195 41 820号明細書に記載されている。
【0071】
本発明によって好ましく使用されるキラル化合物は、下に示す式から成る群より選択される。
【0072】
以下の式A−I〜A−IIIの化合物から成る群より選択されるドーパントが特に好ましい。
【0073】
【化19】
式中、
R
a11およびR
a12は、それぞれ互いに独立に、2〜9個、好ましくは7個までの炭素原子を有するアルキル、オキサアルキルまたはアルケニルであり、あるいはR
a11は、メチルまたは1〜9個の炭素原子を有するアルコキシであり、好ましくは両者が、アルキル、好ましくはn−アルキルであり、
R
a21およびR
a22は、それぞれ互いに独立に、1〜9個、好ましくは7個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、2〜9個、好ましくは7個までの炭素原子を有するオキサアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシであり、好ましくは両者が、アルキル、好ましくはn−アルキルであり、
R
a31およびR
a32は、それぞれ互いに独立に、2〜9個、好ましくは7個までの炭素原子を有するアルキル、オキサアルキルまたはアルケニルであり、あるいはR
a11は、メチルまたは1〜9個の炭素原子を有するアルコキシであり、好ましくは両者が、アルキル、好ましくはn−アルキルである。
【0074】
以下の式の化合物から成る群より選択されるドーパントが特に好ましい。
【0075】
【化20】
更に好ましいドーパントは、以下の式A−IVのイソソルビド、イソマンニトールまたはイソイジトールの誘導体である。
【0077】
【化22】
好ましくは、ジアンヒドロソルビトールである。
【0078】
および例えば、ジフェニルエタンジオール(ヒドロベンゾイン)、特に以下の式A−Vのメソゲン性ヒドロベンゾイン誘導体(示していないが、(R,S)、(S,R)、(R,R)および(S,S)エナンチオマーを含む。)などのキラルエタンジオールである。
【0080】
【化24】
それぞれ互いに独立に、Lで一置換、二置換もしくは三置換されてもよい1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
Lは、H、F、Cl、CNまたは1〜7個の炭素原子を有しハロゲン化されていてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアルコキシカルボニルオキシであり、
cは、0または1であり、
Z
0は、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−または単結合であり、および
R
0は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシである。
【0081】
式A−IVの化合物は、国際特許出願公開第98/00428号公報に記載されている。式A−Vの化合物は、英国特許出願公開第2,328,207号公報に記載されている。
【0082】
非常に特に好ましいドーパントは、国際特許出願公開第02/94805号公報に記載される通りのキラルビナフチル誘導体、国際特許出願公開第02/34739号公報に記載される通りのキラルビナフトールアセタール誘導体、、国際特許出願公開第02/06265号公報に記載される通りのキラルなTADDOL誘導体、ならびに国際特許出願公開第02/06196号公報および国際特許出願公開第02/06195号公報に記載される通りの少なくとも1個のフッ素化された架橋基および末端または中央キラル基を有するキラルドーパントである。
【0083】
式A−VIのキラル化合物が特に好ましい。
【0084】
【化25】
式中、
X
1、X
2、Y
1およびY
2は、それぞれ互いに独立に、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF
5、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状のアルキル(該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されてもよく、ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、それぞれ互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、−NH−、NR
0−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい。)、重合性基または20個までの炭素原子を有するシクロアルキルもしくはアリール(該基は、ハロゲン、好ましくはFで一置換もしくは多置換されているか、重合性基で一置換もしくは多置換されていてよい。)であり、
x
1およびx
2は、それぞれ互いに独立に、0、1または2であり、
y
1およびy
2は、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
B
1およびB
2は、それぞれ互いに独立に、芳香族または部分もしくは完全飽和脂肪族6員環(ただし、1個以上のCH基はN原子で置き換えられていてもよく、1個以上の隣接していないCH
2基はOおよび/またはSで置き換えられていてもい。)であり、
W
1およびW
2は、それぞれ互いに独立に、−Z
1−A
1−(Z
2−A
2)
m−Rであり、もしくは2つのうちの一方はR
1またはA
3であり、ただし、両者は同時にHではなく、または
【0085】
【化26】
U
1およびU
2は、それぞれ互いに独立に、CH
2、O、S、COまたはCSであり、
V
1およびV
2は、それぞれ互いに独立に、(CH
2)
n(ただし、1〜4個の隣接していないCH
2基はOおよび/またはSで置き換えられていてもよい。)であり、またはV
1およびV
2の一方は単結合であり、
【0086】
【化27】
両者が単結合であり、
Z
1およびZ
2は、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
0−、−NR
0−CO−、−O−CH
2−、−CH
2−O−、−S−CH
2−、−CH
2−S−、−CF
2−O−、−O−CF
2−、−CF
2−S−、−S−CF
2−、−CH
2−CH
2−、−CF
2−CH
2−、−CH
2−CF
2−、−CF
2−CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、これらの基の2個の組合せ(ただし、2個のOおよび/またはSおよび/またはN原子は互いに直接結合しておらず、好ましくは、−CH=CH−COO−または−COO−CH=CH−である。)または単結合であり、
A
1、A
2およびA
3は、それぞれ互いに独立に、1,4−フェニレン(ただし、1個または2個の隣接していないCH基はNで置き換えられていてもよい。)、1,4−シクロヘキシレン(ただし、1個または2個の隣接していないCH
2基はOおよび/またはSで置き換えられていてもよい。)、1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル(ただし、これらの基のそれぞれはLで一置換または多置換されていてもよい。)であり、加えてA
1は単結合であり、
Lはハロゲン原子、好ましくは、F、CN、NO
2、1〜7個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ(ただし1個以上のH原子は、FまたはClで置き換えられていてもよい。)であり、
mは、それぞれの場合で独立に、0、1、2または3であり、および
RおよびR
1は、それぞれ互いに独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF
5、それぞれ1個もしくは3個〜25個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状アルキル(該基は、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されていてもよく、ただし1個以上の隣接していないCH
2基は、−O−、−S−、−NH−、−NR
0−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、ただし、Oおよび/またはS原子は互いに直接結合されていない。)または重合性基である。
【0087】
式A−VI−1のキラルナフチル誘導体が特に好ましい。
【0088】
【化28】
特に、以下の式A−VI−1a〜A−VI−1cから選択されるものである。
【0089】
【化29】
式中、
環BおよびZ
0は、式A−IVで定義される通りであり、
R
0は式A−IVで定義される通りか、Hか、1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、
bは、0、1または2であり、および
Z
0は特に、−OC(O)−または単結合である。
【0090】
更に、式A−VI−2のキラルビナフチル誘導体が特に好ましい。
【0091】
【化30】
特に、以下の式A−VI−2a〜A−VI−2fから選択されるものである。
【0092】
【化31】
式中、
R
0は、式A−VIで定義される通りであり、
Xは、H、F、Cl、CNまたはR
0、好ましくはFである。
【0093】
本発明により好ましく使用される式Pの重合性化合物は、以下の式から成る群より選択される。
【0098】
【化36】
式中、Lは、それぞれの出現で同一または異なって上および下で示す意味の1つを有し、rは0、1、2、3または4を表し、sは0、1、2または3を表し、nは1および24の間、好ましくは1および12の間、非常に特に好ましくは2および8の間の整数を表し、および式中、単結合または二重結合の端に基が示されていない場合、それは末端CH
3またはCH
2基である。
【0100】
【化37】
基A
2−Q−A
3は、好ましくは、下式の基を表す。
【0101】
【化38】
式中、少なくとも1個の環は、少なくとも1個の基L=Fで置換されている。ここでrは、それぞれの場合で独立に好ましくは、0、1または2である。
【0102】
式Pおよびそのサブ式の化合物中においてP
aおよびP
bは、好ましくはアクリレートまたはメタクリレート、更にはフルオロアクリレートを表す。式Pおよびそのサブ式の化合物中においてSp
aおよびSp
bは、好ましくは、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−および−(CH
2)
p1−O−CO−O−ならびにそれらの鏡像から成る群より選択される基を表し、式中、p1は1〜12、好ましくは1〜6の整数、特に好ましくは1、2または3を表し、ただし、これらの基は、O原子が直接隣接しないようにしてP
aおよびP
bに連結される。
【0103】
式Pの化合物の中でも、
・基P
aおよびP
bが、ビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド基から成る群より選択され、、特に好ましくはアクリレートまたはメタクリレート基であり、
・基Sp
aおよびSp
bが、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−O−CO−および−(CH
2)
p1−O−CO−O−ならびにそれらの鏡像から成る群より選択され、式中、p1は1〜12、好ましくは1〜6の整数、特に好ましくは1、2または3を表し、ただし、これらの基は、O原子が直接隣接しないようにしてP
aおよびP
bに連結されている
ものが特に好ましい。
【0104】
本発明の好ましい実施形態により好ましく使用される式Pの重合性化合物は、好ましくは6員環である環を2個のみ(n1=n2=0)含むものである。以下の式の化合物の群から選択される化合物が特に好ましい。
【0106】
【化40】
式中、P
a、P
b、Sp
a、Sp
b、s1およびs2は、上の式Pで定義される通りであり、好ましくは、Sp
a/bはアルキレン−(CH
2)
n−で、式中、nは、好ましくは3、4、5、6または7であり、P
a/bは、好ましくはメタクリレートまたはアクリレート部分構造である。式Pa、Pb、Pc、Pd、Pe、Pf、Pg、PhおよびPiの群から選択される化合物、特に式Paの化合物を使用することが特に好ましい。
【0107】
本発明によるポリマー安定化装置用のポリマー前駆体における使用に適切で好ましいコモノマーは、例えば、以下の式より選択する。
【0111】
【化44】
式中、パラメータは以下の意味を有する:
P
1およびP
2は、それぞれ互いに独立に、重合性基(好ましくは、P
aに対して、上および下で示される意味の1つを有する。)、特に好ましくは、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、オキセタン、ビニルオキシまたはエポキシ基であり、
Sp
1およびSp
2は、それぞれ互いに独立に、単結合またはスペーサー(好ましくは、Sp
aに対して、上および下で示される意味の1つを有する。)、特に好ましくは、−(CH
2)
p1−、−(CH
2)
p1−O−、−(CH
2)
p1−CO−O−または−(CH
2)
p1−O−CO−O−であり、式中、p1は1〜12の整数であり、ただし、最後に述べた基は隣接する環へO原子を介して連結されており、
ただし代わりにまた、化合物中に存在するP
1−Sp
1−およびP
2−Sp
2−の少なくとも一方がR
aaでないことを条件として、1個以上のP
1−Sp
1−およびP
2−Sp
2−はR
aaでもよく、
R
aaは、H、F、Cl、CN、または、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル(ただし加えて、1個以上の隣接していないCH
2基は、OまたはS原子のいずれもが互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(R
0)=C(R
00)−、−C≡C−、−N(R
0)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、ただしまた、1個以上のH原子は、F、Cl、CNまたはP
1−Sp
1−で置き換えられていてもよい。)、特に好ましくは、直鎖状または分岐状で一フッ素化または多フッ素化されていてもよく1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシ(ただし、アルケニルおよびアルキニル基は少なくとも2個のC原子を有し、分岐状の基は少なくとも3個のC原子を有する。)であり、
R
0およびR
00は、それぞれの出現でそれぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
R
yおよびR
zは、それぞれ互いに独立に、H、F、CH
3またはCF
3であり、
Z
1は、−O−、−CO−、−C(R
yR
z)−または−CF
2CF
2−であり、
Z
2およびZ
3は、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−、−CH
2O−、−OCH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−または−(CH
2)
n−を表し、ただし、nは、2、3または4であり、
Lは、それぞれの出現で互いに独立に、F、Cl、CN、SCN、SF
5、または直鎖状または分岐状で一フッ素化または多フッ素化されていてもよく1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ、好ましくは、Fであり、
L’およびL”は、それぞれ互いに独立に、H、FまたはClであり、
rは、0、1、2、3または4であり、
sは、0、1、2または3であり、
tは、0、1または2であり、および
xは、0または1である。
【0112】
メソゲン媒体がブルー相である温度で動作可能および/または動作する本出願による装置において使用するのに適切で好ましいコモノマーは、例えば、一反応性化合物の群から選択し、当該一反応性化合物は1〜9重量%、特に好ましくは4〜7重量%の濃度でポリマー安定化システムの前駆体中に存在する。好ましい一反応性化合物は、化合物が1個の反応性基のみを有するように1個以上のP
1−Sp
1−およびP
2−Sp
2−が基R
aaである式M1〜M29の化合物である。
【0113】
特に好ましい一反応性化合物は、以下の式の化合物である。
【0114】
【化45】
式中、P
1、Sp
1およびR
aaは、それぞれ上で与えられる意味を有し、はP
1は、好ましくは、アクリレート(CH
2=CH−CO−O−)またはメタクリレート(CH
2=C(CH
3)−CO−O−)である。
【0115】
これらの中でも、下式の化合物が特に好ましい。
【0116】
【化46】
式中、
nは、1〜16、好ましくは2〜8の範囲内の整数、好ましくは偶数であり、
mは、1〜15、好ましくは2〜7の範囲内の整数である。
【0117】
LC媒体またはLC媒体中に存在する重合性もしくは重合した成分が、以下の式の1種類以上の化合物を含む上および下に記載するLC媒体、LC装置(好ましくは高周波数技術用、特には位相シフタまたはマイクロ波アンテナ、例えば漏洩アンテナ用である。)、方法または使用が特に好ましい。
【0118】
【化47】
式中、P
a、P
b、Sp
a、Sp
b、s1、s2およびLは上および下に示す意味を有し、rは0、1、2、3または4を表し、Z
2およびZ
3は、それぞれ互いに独立に、−CF
2−O−または−O−CF
2−を表し、好ましくはZ
2が−CF
2−O−であり、Z
3が−O−CF
2−であるかもしくは逆であるか、またはZ
2が−CO−O−であり、Z
3が−O−CO−であるかもしくは逆であり、最も好ましくはZ
2が−CF
2−O−であり、Z
3が−O−CF
2−であるか、またはZ
2が−CO−O−であり、Z
3が−O−CO−である。
【0119】
好ましくは、本発明により使用する液晶媒体は、ポリマー前駆体またはポリマー前駆体の一部分として、1種類または2種類以上の反応性メソゲン、好ましくは1種類以上の一反応性メソゲン、および同時に、1種類以上の二反応性メソゲンを含む。任意に、1種類以上の反応性メソゲンを、好ましくはHDMA、HDDMA、EHA、EA、EMAなどから選択される非メソゲン性または等方性の反応性化合物で置き換えてもよい。
【0120】
本出願の好ましい実施形態において、本発明により使用する液晶媒体は、1種類または2種類以上の反応性メソゲン、好ましくは1種類以上の一反応性メソゲン、および同時に、1種類以上の二反応性メソゲンを含むポリマー前駆体を重合、好ましくは光重合して得られたまたは得ることができるポリマーを含む。任意に、1種類以上の反応性メソゲンを、好ましくはアクリル酸2−エチルヘキシル(EHA:2−ethylhexyl acrylate)、アクリル酸1,3,3−トリメチルヘキシル(TMHA:1,3,3−trimethylhexyl acrylate)、ジアクリル酸ヘキサノール(HDDA:hexanol diacrylate)、ジメタクリル酸ヘキサノール(HDDMA:hexanol dimethacrylate)などから、またメタクリル酸メチル(MMA:metylmethacrylate)、アクリル酸エチル(EA:ethylacrylate)、メタクリル酸エチル(EMA:ethylmethacrylate)およびアクリル酸6−(4’−シアノビフェニル−4−イルオキシ)ヘキシル(6CBA:6−(4’−cyanobiphenyl−4−yloxy)hexyl acrylate)、メソゲン性モノマーから選択される非メソゲン性または等方性の反応性化合物で置き換えてもよい。
【0121】
【化48】
好ましくは1種類以上の、最も好ましくは全ての一反応性メソゲンはメタクリレート類であり、また、好ましくは1種類以上の、最も好ましくは全ての一反応性メソゲンはビスアクリレート類および混合アクリレート類−メタクリレート類の群から選択され、それらは好ましくは、ビスアクリレート類である。
【0122】
好ましくは、本発明による液晶媒体は、
・好ましくは式G−1または式G−2である式Gの1種類以上の化合物、最も好ましくは式G−1の1種類以上の化合物および式G−2の1種類以上の化合物、
および好ましくは、
・式CCの1種類以上の化合物、
または
・式CPの1種類以上の化合物、
または
・式CCの1種類以上の化合物、および
・式CPの1種類以上の化合物、
およびこれらの化合物に加えて好ましくは
・式Iの1種類以上の化合物、および
・式IIの1種類以上の化合物、
または
・式Iの1種類以上の化合物、および
・式IIIの1種類以上の化合物、
または
・式IIの1種類以上の化合物、および
・式IIIの1種類以上の化合物、
または、最も好ましくは
・式Iの1種類以上の化合物、
・式IIの1種類以上の化合物、および
・式IIIの1種類以上の化合物
を含む。
【0123】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0124】
本発明の好ましい更なる実施形態において、液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物および式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0125】
本発明による液晶媒体は同様に好ましくは、式IIの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0126】
本発明によれば、式Iの1種類以上の化合物、式IIの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む液晶媒体が特に好ましい。
【0127】
加えて、本発明により使用する液晶媒体は、式IVの1種類以上の化合物を含む。
【0131】
【化52】
を表し、
L
4は、1〜6個のC原子を有するアルキル、3〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは4〜6個のC原子を有するシクロアルケニル、好ましくはCH
3、C
2H
5、n−C
3H
7(−(CH
2)
2CH
3)、i−C
3H
7(−CH(CH
3)
2)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンタ−1−エニルまたはシクロヘキサ−1−エニル、特に好ましくはCH
3、C
2H
5、シクロプロピルまたはシクロブチルを表し、
X
4は、H、1〜3個のC原子を有するアルキルまたはハロゲン、好ましくはH、FまたはCl、特に好ましくはHまたはF、非常に特に好ましくはFを表し、
R
41〜R
44は、互いに独立に、それぞれ1〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、それぞれ2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキル、または15個までのC原子を有するシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルシクロアルキルアルキルもしくはアルキルシクロアルケニルアルキル、および代わりにR
43およびR
44の一方または両方はまたHも表し、
好ましくはR
41およびR
42は、互いに独立に、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、またはそれぞれ2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシまたはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
特に好ましくはR
41は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、および
特に好ましくはR
42は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはフッ素化されていないアルコキシを表し、
好ましくはR
43およびR
44は、H、1〜5個のC原子を有するフッ素化されていないアルキル、3〜7個のC原子を有するフッ素化されていないシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、それぞれ4〜12個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルシクロヘキシルもしくはフッ素化されていないシクロヘキシルアルキル、または5〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルシクロヘキシルアルキル、特に好ましくはシクロプロピル、シクロブチルまたはシクロヘキシルを表し、非常に特に好ましくはR
43およびR
44の少なくとも一方がn−アルキル、特に好ましくはメチル、エチルまたはn−プロピルを表し、他方がHまたはn−アルキルを、特に好ましくはH、メチル、エチルまたはn−プロピルを表す。
【0132】
好ましくは液晶媒体は、20μm
−1以上、好ましくは40μm
−1以上、より好ましくは60μm
−1以上の範囲内、最も好ましくは80μm
−1以上〜260μm
−1以下の範囲内のヘリカルツイスト力(HTP:helical twisting power)の絶対値を好ましくは有する1種類以上のキラルドーパントを含有する。
【0133】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で15%〜90%、好ましくは20%〜85%、特に好ましくは25%〜80%の式Iの化合物を含む。
【0134】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で1%〜70%、好ましくは2%〜65%、特に好ましくは3%〜60%の式IIの化合物を含む。
【0135】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で0%〜60%、好ましくは5%〜55%、特に好ましくは10%〜50%の式IIIの化合物を含む。
【0136】
液晶媒体がそれぞれの場合において式I、IIおよびIIIの1種類以上の化合物を含む本発明の好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は45%〜75%、好ましくは50%〜70%、特に好ましくは55%〜65%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は1%〜20%、好ましくは2%〜15%、特に好ましくは3%〜10%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は1%〜30%、好ましくは5%〜25%、特に好ましくは5%〜20%である。
【0137】
液晶媒体がそれぞれの場合において式I、IIおよびIIIの1種類以上の化合物を含む本発明の更に好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は15%〜40%、好ましくは20%〜35%、特に好ましくは25%〜30%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は10%〜35%、好ましくは15%〜30%、特に好ましくは20%〜25%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は25%〜50%、好ましくは30%〜45%、特に好ましくは35%〜40%である。
【0138】
液晶媒体がそれぞれの場合において式IおよびIIの1種類以上の化合物を含むが、最高で5%で好ましくは式IIIの化合物を含まない本発明の好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は10%〜50%、好ましくは20%〜40%、特に好ましくは25%〜35%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は40%〜70%、好ましくは50%〜65%、特に好ましくは55%〜60%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は1%〜4%、好ましくは1%〜3%、特に好ましくは0%である。
【0139】
特に好ましくは本出願による液晶媒体は、合計で50%〜80%、好ましくは55%〜75%、特に好ましくは57%〜70%の式I−1の化合物および/または合計で5%〜70%、好ましくは6%〜50%、特に好ましくは8%〜20%の式I−2およびI−3の化合物群から選択される化合物を含む。
【0140】
本出願による液晶媒体は、同様に好ましくは、全体で5%〜60%、好ましくは10%〜50%、特に好ましくは7%〜20%の式IIの化合物を含む。
【0141】
単一の同族化合物を使用する場合、これらの限定はこの同族体の濃度に対応し、それは、好ましくは2%〜20%、特に好ましくは1%〜15%である。2種類以上の同族体を使用する場合、個々の同族体の濃度は、同様に好ましくは、それぞれの場合で1%〜15%である。
【0142】
式I〜IIIの化合物は、それぞれの場合で、3より大きい誘電異方性を有する誘電的に正の化合物、3より小さく−1.5より大きい誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物、および、−1.5以下の誘電異方性を有する誘電的に負の化合物を包含する。
【0143】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は式CCの1種類以上の化合物を含み、ただし
Alkenylはビニルまたは1−E−プロペニル、最も好ましくはビニルを表し、および
R
01は3〜10個のC原子、好ましくは3〜10個のC原子、最も好ましくは3個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルを表す。
【0144】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は式CCの1種類以上の化合物を含み、ただし
Alkenylはビニルまたは1−E−プロペニル、最も好ましくはビニルを表し、および
R
01は2〜10個のC原子、好ましくは2個または3個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、最も好ましくはビニルまたは1−E−プロペニルを表す。
【0145】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は式CPの1種類以上の化合物を含み、ただし
R
01は、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、好ましくは3個のC原子を有するアルキルを表し、
R
02は、1〜17個、好ましくは1〜5個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、好ましくは1個または2個のC原子を有するアルキルを表す。
【0146】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は、式Iの化合物、好ましくは、式I−1〜I−3の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1および/またはI−2および/またはI−3、好ましくは、式I−1およびI−2の1種類以上の化合物を含み、より好ましくは式Iのこれらの化合物は大部分がそれらより成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に特に好ましくは完全に成る。
【0147】
【化53】
式中、パラメータは式Iに対して上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
R
11は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
R
12は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキル、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルまたは1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルコキシを表し、
X
11およびX
12は、互いに独立に、F、Cl、−OCF
3、−CF
3、−CN、−NCSまたは−SF
5、好ましくは、F、Cl、−OCF
3または−CNを表す。
【0148】
式I−1の化合物は、好ましくは、式I−1a〜I−1dの化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0149】
【化54】
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、
Y
11およびY
12は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、好ましくは、
R
11は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
X
12は、F、Clまたは−OCF
3を表す。
【0150】
式I−2の化合物は、好ましくは、式I−2a〜I−2eの化合物群および/または式I−2fおよびI−2gの化合物群より選択され、より好ましくは、式I−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0151】
【化55】
ただし、それぞれの場合において、式I−2aの化合物は式I−2bおよびI−2cの化合物より除外され、式I−2bの化合物は式I−2cの化合物より除外され、式I−2gの化合物は式I−2fの化合物より除外され、および
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、
Y
11およびY
12は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、好ましくは、
R
11は、アルキルまたはアルケニルを表し、
X
11は、F、Clまたは−OCF
3を表し、好ましくは、
Y
11およびY
12の一方はHを表し、他方はHまたはFを表し、好ましくは同様に、Hを表す。
【0152】
式I−3の化合物は、好ましくは、式I−3aの化合物である。
【0153】
【化56】
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、好ましくは、
X
11は、F、Cl、好ましくは、Fを表し、
X
12は、F、Clまたは−OCF
3、好ましくは、−OCF
3を表す。
【0154】
本発明の更により好ましい実施形態において、式Iの化合物は、化合物I−1a〜I−1dの群より選択され、好ましくは、化合物I−1cおよびI−1dの群より選択され、より好ましくは、式Iのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0155】
式I−1aの化合物は、好ましくは、式I−1a−1およびI−1a−2の化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1aのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0156】
【化57】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内、特に好ましくは3または7の整数を表す。
【0157】
式I−1bの化合物は、好ましくは、式I−1b−1の化合物である。
【0158】
【化58】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0159】
式I−1cの化合物は、好ましくは、式I−1c−1およびI−1c−4の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1c−1およびI−1c−2の化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1cのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0160】
【化59】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0161】
式I−1dの化合物は、好ましくは、式I−1d−1およびI−1d−2の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1d−2の化合物であり、より好ましくは、式I−1dのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0162】
【化60】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0163】
式I−2aの化合物は、好ましくは、式I−2a−1およびI−2a−2の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1a−1の化合物であり、より好ましくは、式I−2aのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0164】
【化61】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0165】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、特に式I−2a−1の場合において、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、(CH
2=CH−(CH
2)
zおよびC
mH
2m+1)、(CH
2=CH−(CH
2)
zおよびO−C
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1および(CH
2)
z−CH=CH
2)である。
【0166】
式I−2bの好ましい化合物は、式I−2b−1の化合物である。
【0167】
【化62】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0168】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0169】
式I−2cの好ましい化合物は、式I−2c−1の化合物である。
【0170】
【化63】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0171】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0172】
式I−2dの好ましい化合物は、式I−2d−1の化合物である。
【0173】
【化64】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0174】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0175】
式I−2eの好ましい化合物は、式I−2e−1の化合物である。
【0176】
【化65】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0177】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0178】
式I−2fの好ましい化合物は、式I−2f−1の化合物である。
【0179】
【化66】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0180】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0181】
式I−2gの好ましい化合物は、式I−2g−1の化合物である。
【0182】
【化67】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0183】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0184】
式IIの化合物は、好ましくは、式II−1〜II−4の化合物群より選択され、より好ましくは、式IIのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0185】
【化68】
式中、
Z
21およびZ
22はトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−、好ましくは、トランス−CH=CH−を表し、他のパラメータは式IIIにおいて上で与えられる意味を有し、好ましくは、
R
21およびR
22は、互いに独立に、H、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
22は、F、Cl、−CNまたは−NCS、好ましくは、−NCSを表し、
および
【0186】
【化69】
を表し、
その他は、互いに独立に、
【0188】
【化71】
を表し、好ましくは、
R
21は、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表し、
ただし、式II−2の化合物は式II−1の化合物より除外する。
【0189】
式II−1の化合物は、好ましくは、式II−1aおよびII−1bの化合物群より選択され、好ましくは、式II−1aの化合物群より選択され、より好ましくは、式II−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0190】
【化72】
式中、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0191】
(R
21およびR
22)の好ましい組み合わせは、ここでは特に(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、式II−1aの場合、特に好ましくは(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)、式II−1bの場合、特に好ましくは(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0192】
式II−2の化合物は、好ましくは、式II−2aの化合物である。
【0193】
【化73】
式中、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0194】
(R
21およびR
22)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0195】
式II−3の化合物は、好ましくは、式II−3aの化合物である。
【0196】
【化74】
式中、パラメータは式II−3において上で示す意味を有し、好ましくは、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表し、および
X
22は、−F、−Cl、−OCF
3、−CNまたは−NCS、特に好ましくは−NCSを表す。
【0197】
式II−4の化合物は、好ましくは、式II−4aの化合物である。
【0198】
【化75】
式中、パラメータは式II−4において上で示す意味を有し、好ましくは、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表し、および
X
22は、−F、−Cl、−OCF
3、−CNまたは−NCS、特に好ましくは−NCSを表す。
【0199】
式IIの更に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0200】
【化76】
式中、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表す。
【0201】
式IIIの化合物は、好ましくは、式III−1〜III−7の化合物群より選択され、より好ましくは、式IIIのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0202】
【化77】
ただし、式III−5の化合物は式III−6の化合物より除外され、
式中、パラメータは式IIIに対して上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
R
31は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
R
32は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
32は、F、Clまたは−OCF
3、好ましくは、−Fを表し、および
特に好ましくは、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0203】
式III−1の化合物は、好ましくは、式III−1a〜III−1dの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0204】
【化78】
式中、
X
32は式III−2に対して上で与えられる意味を有し、および
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、1〜7、好ましくは、2〜6、特に好ましくは、2、3または5を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表し、および
X
32は、好ましくは、Fを表す。
【0205】
式III−2の化合物は、好ましくは、式III−2aおよびIII−2b、好ましくは、式III−2aの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0206】
【化79】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0207】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0208】
式III−3の化合物は、好ましくは、式III−3aの化合物である。
【0209】
【化80】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0210】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0211】
式III−4の化合物は、好ましくは、式III−4aの化合物である。
【0212】
【化81】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0213】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0214】
式III−5の化合物は、好ましくは、式III−5aおよびIII−5b、好ましくは、式IV−5aの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−5のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0215】
【化82】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0216】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0217】
式III−6の化合物は、好ましくは、式III−6aおよびIII−6bの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−6のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0218】
【化83】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0219】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0220】
本発明による媒体は、式IVの1種類以上の化合物を含んでもよい。
【0221】
【化84】
式中、
R
41およびR
42は、互いに独立に、H、1〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されていないアルキルまたはアルケニルを表し、
Z
41およびZ
42の一方は、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を表し、他方は、それとは独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を表し、好ましくは、それらの一方が−C≡C−またはトランス−CH=CH−を表し、他方が単結合を表し、および
【0224】
本出願による液晶媒体は、好ましくは、全体で0〜40%、好ましくは0〜30%、特に好ましくは5〜25%の式IVの化合物を含む。
【0225】
式IVの化合物は、好ましくは、式IV−1〜IV−3の化合物群より選択され、より好ましくは、式IVのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0226】
【化87】
式中、
Y
41およびY
42の一方はHを表し、他方はHまたはFを表し、および
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0227】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0228】
式IV−1の化合物は、好ましくは、式IV−1a〜IV−1cの化合物群より選択され、より好ましくは、式IV−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0229】
【化88】
式中、
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0230】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0231】
式IV−2の化合物は、好ましくは、式IV−2aの化合物である。
【0232】
【化89】
式中、
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0233】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)および(CH
2=CH−(CH
2)
zおよびC
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0234】
式IV−3の化合物は、好ましくは、式IV−3aの化合物である。
【0235】
【化90】
式中、
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0236】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0237】
本発明による媒体は、式Vの1種類以上の化合物を含んでもよい。
【0238】
【化91】
式中、
L
51は、R
51またはX
51を表し、
L
52は、R
52またはX
52を表し、
R
51およびR
52は、互いに独立に、H、1〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されていないアルキルまたはアルケニルを表し、
X
51およびX
52は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルまたはフッ素化されたアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかまたはフッ素化されたアルケニルオキシまたはフッ素化されていないかまたはフッ素化されたアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されたアルコキシ、フッ素化されたアルケニルオキシ、FまたはClを表し、および
Z
51〜Z
53は、互いに独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を表し、好ましくは、それらの1個以上が単結合を表し、特に好ましくは、全てが単結合を表し、
【0241】
式Vの化合物は、好ましくは、式V−1〜V−3の化合物群より選択され、より好ましくは、式Vのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0242】
【化94】
式中、パラメータは式Vにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
【0243】
【化95】
を表し、および
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0244】
一対のパラメータ(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0245】
本出願による液晶媒体は、好ましくは、全体で5%〜30%、好ましくは10%〜25%、特に好ましくは15%〜20%の式Vの化合物を含む。
【0246】
式V−1の化合物は、好ましくは、式V−1a〜V−1eの化合物群より選択され、より好ましくは、式V−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0247】
【化96】
式中、パラメータは上で与えられる意味を有し、好ましくは、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、および、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
X
52は、好ましくは、FまたはClを表す。
【0248】
式V−2の化合物は、好ましくは、式V−2aおよびV−2bの化合物群より選択され、より好ましくは、式V−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0249】
【化97】
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0250】
一対のパラメータ(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0251】
式V−3の化合物は、好ましくは、式V−3aおよびV−3bの化合物である。
【0252】
【化98】
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0253】
一対のパラメータ(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0254】
適切で好ましい重合方法は、例えば熱誘発重合または光重合、好ましくは光重合、特にはUV光重合である。ここで、1種類以上の開始剤もまた任意に添加することができる。重合のための適切な条件および開始剤の適切なタイプおよび量は当業者には既知であり、文献に記載されている。例えばおよび好ましくは、商業的に入手可能な光重合剤Irgacure(登録商標)184、Irgacure(登録商標)369、Irgacure(登録商標)651、Irgacure(登録商標)784(好ましい)、Irgacure(登録商標)819(好ましい)、Irgacure(登録商標)907またはIrgacure(登録商標)1300(全てBASF社製)またはDarocure(登録商標)1173(チバ社製)がフリーラジカル重合に適している。開始剤を用いる場合、その割合は、好ましくは0.001%〜5重量%、特に好ましくは0.001%〜1重量%である。
【0255】
また、本発明による重合性化合物は開始剤なしの重合にも適しており、これは例えば、より低い材料コストおよび特には開始剤またはその分解生成物の考えられる残留量によるLC媒体のより低いコンタミネーションなどの有意な有利を伴う。よってまた、重合は開始剤の添加なしで行うこともできる。よって好ましい実施形態において、LC媒体は重合開始剤を含まない。
【0256】
例えば貯蔵または輸送の際にRMの所望でない自発的な重合を防ぐために、重合性成分またはLC媒体はまた、1種類以上の安定剤も含んでもよい。安定剤の適切なタイプおよび量は当業者に既知であり、文献に記載されている。例えばIrganox(登録商標)1076などの例えばIrganox(登録商標)シリーズ(チバ社製)から商業的に入手可能な安定剤が特に適切である。安定剤を用いる場合、それらの割合はRMまたは重合性成分を含むLSの混合物の合計量を基礎として、好ましくは10ppm〜10,000ppmの範囲、特に好ましくは50ppm〜2,000ppmの範囲、最も好ましくは0.2%または約0.2%である。
【0257】
混合物の特性を、重合の前に下に記載する通り解析する。次いで、1回の照射(180秒)で反応性成分を重合し、得られた媒体の特性を再び解析する。
【0258】
媒体の重合は好ましくは、約3.0mW/cm
2の実効出力を有するUVランプ(例えば、ダイマックス社、Bluewave 200、365nm干渉フィルタ)で180秒照射して行う。重合は、試験用セル/アンテナ装置内において直接行う。UVが誘発するホストの分解を最小にするために、適切なロングパスフィルタ、例えばショット社GG395またはGG410を有益に適用する。
【0260】
結果として最大の安定化となる全体の照射時間は、示される照射出力において典型的には180秒である。最適化された照射/温度プログラムに従って、更に重合を行うこともできる。
【0261】
重合に先立ち媒体における重合性化合物の合計濃度は、好ましくは1%〜20%の、より好ましくは2%〜15%の、最も好ましくは2%〜10%の範囲である。
【0262】
本発明の好ましい実施形態において、媒体は、3より大きい誘電異方性を有する式I−1の1種類以上の誘電的に正の化合物を含む。
【0263】
媒体は、好ましくは、−1.5より高く3までの範囲の誘電異方性を有する式I−2の1種類以上の誘電的に中性の化合物を含む。
【0264】
本発明の好ましい実施形態において、媒体は、式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0265】
本発明の更に好ましい実施形態において、媒体は、式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0266】
本発明により使用する液晶媒体、好ましくかより良好には液晶媒体のネマチック成分は、好ましくは5員および/または6員環を2個以下のみ有する化合物を10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下、非常に特に好ましくは1%以下含み、および、特には全く含まない。
【0267】
略称(頭字語)の定義は、同様に、表Dにおいて下に示されているか、表A〜Cより明らかである。
【0268】
本発明による液晶媒体は、式G、CC、CPおよびI〜V、好ましくはG、CC、CPおよびI〜IV、非常に好ましくはG、CC、I〜IIIおよび/またはVの化合物群より選択される化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分がこれらより成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に好ましくは完全にこれらより成る。
【0269】
本出願において、「含む」は、組成物との関連において、問題となっている構成要素、即ち、媒体または成分が、好ましくは10%以上、非常に好ましくは20%以上の合計濃度で、指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0270】
この関連において、「大部分が〜より成る」は、問題となっている構成要素が、55%以上、好ましくは60%以上、非常に好ましくは70%以上の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0271】
この関連において、「本質的に〜より成る」は、問題となっている構成要素が、80%以上、好ましくは90%以上、非常に好ましくは95%以上の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0272】
この関連において、「完全に〜より成る」は、問題となっている構成要素が、98%以上、好ましくは99%以上、非常に好ましくは100%の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0273】
また、上で明らかには述べられてはいない他のメソゲン化合物も、任意成分として有利に本発明による媒体において使用できる。そのような化合物は当業者に既知である。
【0274】
本発明による液晶媒体は、好ましくは90℃以上の、より好ましくは100℃以上の、更により好ましくは120℃以上の、特に好ましくは150℃以上の、非常に特に好ましくは170℃以上の透明点を有する。
【0275】
本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも0℃以下〜90℃以上、好ましくは100℃以上まで、より好ましくは少なくとも−10℃以下〜100℃以上、非常に好ましくは少なくとも−20℃以下〜100℃以上、特には少なくとも−20℃以下〜110℃以上に及ぶ。
【0276】
1kHzおよび20℃において、本発明による液晶媒体のΔεは、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、非常に好ましくは3以上である。
【0277】
589nm(Na
D)および20℃において、本発明による液晶媒体のΔnは、好ましくは0.200以上〜0.90以下の範囲、より好ましくは0.250以上〜0.90以下の範囲、更により好ましくは0.300以上〜0.85以下の範囲、非常に特に好ましくは0.350以上〜0.800以下の範囲である。
【0278】
本発明の第1の好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体のΔnは、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.55以上である。
【0279】
LC媒体中における式Gの化合物の総濃度は好ましくは1.0%以上〜40%以下の範囲内であり、2種類以上の同族体を使用する場合、この場合のそれぞれの同族体の濃度は好ましくは1.0%以上〜20%以下の範囲内である。1種類の同族体を使用する場合、LC媒体中における式Gの化合物の濃度は好ましくは1.0%以上〜30%以下の範囲内である。
【0280】
本発明によれば、式Iの個々の化合物は、混合物全体の好ましくは10%〜70%、より好ましくは20%〜60%、更により好ましくは30%〜50%、非常に好ましくは25%〜45%の合計濃度において使用される。
【0281】
式IIの化合物は、他に明言しない限り混合物全体の好ましくは1%〜20%、より好ましくは1%〜15%、更により好ましくは2%〜15%、非常に好ましくは3%〜10%の合計濃度において使用される。
【0282】
式IIIの化合物は、混合物全体の好ましくは1%〜60%、より好ましくは5%〜50%、更により好ましくは10%〜45%、非常に好ましくは15%〜40%の合計濃度において使用される。
【0283】
液晶媒体は好ましくは、全体で50%〜100%、より好ましくは70%〜100%、非常に好ましくは80%〜100%、特には90%〜100%の、式G、CC、CP、I、II、III、IVおよびV、好ましくは式G、CC、I、III、IVおよびV、より好ましくは式G、I、II、III、IVおよび/またはVIの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に特に好ましくは完全に成る。
【0284】
本出願において、誘電的に正との表現はΔε>3.0の化合物または成分を記載し、誘電的に中性は−1.5≦Δε≦3.0のものを記載し、誘電的に負はΔε<−1.5のものを記載する。Δεは、1kHzの周波数および20℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物におけるそれぞれ個々の化合物の10%溶液の結果より決定される。ホスト混合物におけるそれぞれの化合物の溶解度が10%未満の場合、濃度を5%に低下する。試験混合物の容量は、ホメオトロピック配向を有するセルおよびホモジニアス配向を有するセルの両者において決定する。両タイプのセルのセル厚は、およそ20μmである。印加される電圧は1kHzの周波数および典型的には0.5V〜1.0Vの有効値を有する矩形波であるが、常にそれぞれの試験混合物の容量閾値よりも低く選択される。
【0285】
Δεは(ε
‖−ε
⊥)と定義され、一方、ε
ave.は(ε
‖+2ε
⊥)/3である。
【0286】
誘電的に正の化合物用に使用されるホスト混合物は混合物ZLI−4792であり、誘電的に中性および誘電的に負の化合物用に使用されるのは混合物ZLI−3086で、両者ともドイツ国メルク社製である。化合物の誘電率の絶対値は、興味ある化合物を添加した際の、ホスト混合物のそれぞれの値の変化より決定される。その値を、興味ある化合物の濃度100%に外挿する。
【0287】
20℃の測定温度においてネマチック相を有する成分は、そのままで測定され、他の全ても化合物と同様に処理される。
【0288】
両方の場合において他に明言しない限り、本出願において閾電圧との表現は光学的閾値について言及し、10%相対的コントラスト(V
10)についてであり、飽和電圧との表現は光学的飽和について言及し、90%相対的コントラスト(V
90)についてである。フレデリクス閾値(V
Fr)とも呼ばれる容量的閾電圧(V
0)は、明示的に述べる場合にのみ使用する。
【0289】
本出願で示されるパラメータの範囲は、他に明示しない限り、全て限界値を含む。
【0290】
互いの組み合わせにおいて特性の各種の範囲に示される異なる上限および下限の値は、追加の好ましい範囲とする。
【0291】
本出願を通じて、他に明示しない限り、以下の条件および定義を適用する。全ての濃度は重量パーセントで示され、それぞれ混合物全体に関するものであり、全ての温度は、摂氏度であり、全ての温度差は差異度である。全ての物理的特性は、「Merck Liquid Crystals、Physical Properties of Liquid Crystals」、1997年11月刊、ドイツ国メルク社に従って決定され、他に明言しない限り、20℃の温度においてである。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長で決定される。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数で決定される。閾電圧ならびに他の全ての電気光学的特性は、ドイツ国メルク社で製造された試験セルを使用して決定される。Δεの決定のための試験セルは、およそ20μmのセル厚を有している。電極は、1.13cm
2の面積および保護リングを有する円形ITO電極である。配向層は、ホメオトロピック配向(ε
‖)用には日本国日産化学社製SE−1211、ホモジニアス配向(ε
⊥)用には日本国日本合成ゴム社製ポリイミドAL−1054である。容量は、0.3V
rmsの電圧を有する正弦波を使用するSolatron1260周波数応答解析装置を使用して決定する。電気光学的測定において使用される光は、白色光である。ドイツ国Autronic−Melchers社製の商業的に入手可能なDMS装置を使用する装置構成を、本明細書においては用いる。特性電圧を、垂直観察の下で決定した。閾値(V
10)、中間灰色(V
50)および飽和(V
90)電圧を、それぞれ、10%、50%および90%相対コントラストに対して決定した。
【0292】
液晶媒体を、A.Penirschke、S.Muller、P.Scheele、C.Weil、M.Wittek、C.HockおよびR.Jakoby:「Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35 GHz」、第34回European Microwave Conference、アムステルダム、545〜548頁に記載される通り、マイクロ波周波数領域における液晶媒体の特性について検討する。
【0293】
これについては、A.Gaebler、F.Golden、S.Muller、A.PenirschkeおよびR.Jakoby「Direct Simulation of Material Permittivites(以下省略)」、12MTC2009、International Instrumentation and Measurement Technology Conference、シンガポール、2009年(IEEE)、463〜467頁、および、ドイツ国特許出願公開第10 2004 029 429号公報も比較されたい。これらにも測定方法が同様に詳細に記載されている。
【0294】
液晶をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の毛細管内に導入する。毛細管は180μmの内径および350μmの外径を有する。有効長は2.0cmである。充填された毛細管を、共振周波数が30GHzの空洞の中心に導入する。この空洞は6.6mmの長さ、7.1mmの幅および3.6mmの高さを有する。次いで、入力信号(ソース)を印加し、市販のベクトルネットワークアナライザを使用して出力信号の結果を記録する。
【0295】
液晶で充填された毛細管がある状態での測定と、液晶で充填された毛細管がない状態での測定との間における共振周波数およびQ因子の変化を、A.Penirschke、S.Muller、P.Scheele、C.Weil、M.Wittek、C.HockおよびR.Jakoby:「Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35 GHz」、第34回European Microwave Conference、アムステルダム、545〜548頁において、そこで記載される通り、式10および11を用いて、対応する目的とする周波数における誘電定数および損失角を決定するために使用する。
【0296】
液晶のダイレクターに垂直および平行な成分に対する特性の値は、磁界中の液晶の配向より得られる。このためには、永久磁石の磁界を使用する。磁界の強さは0.35テスラである。磁石の配置を対応して設定し、次いで、対応して90°回転する。
【0297】
好ましい素子は、位相シフタ、バラクタ、無線および電波アンテナアレイ、整合回路適応フィルタならびにその他である。
【0298】
本出願において明らかに他に明言しない限り、化合物との用語は1種類の化合物および複数種類の化合物の両者を意味する。
【0299】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、それぞれの場合において少なくとも−20℃〜80℃、好ましくは−30℃〜85℃、非常に特に好ましくは−40℃〜100℃のネマチック相を有する。この相は、特に好ましくは、120℃以上まで、好ましくは140℃以上まで、非常に特に好ましくは180℃以上にまで及ぶ。本明細書において、ネマチック相を有するとの表現は、一方でスメクチック相および結晶化が対応する温度における低温で確認されないことを意味し、他方でネマチック相から加熱しても透明化が起きないことを意味する。低温における検討は対応する温度において流動粘度計中で行なわれ、5μmの層厚を有する試験用セルにおいて少なくとも100時間保存して確認する。高温においては、従来法により毛細管中で透明点を測定する。
【0300】
更に、本発明による液晶媒体は、可視領域で特に589.0nmの波長における(即ち、Na「D」線における)高い光学異方性の値で特徴付けられる。589nmでの複屈折率は、好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、特に好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.40以上、非常に特に好ましくは0.45以上である。加えて、複屈折率は、好ましくは0.80以下である。
【0301】
好ましく用いる液晶は、正の誘電異方性を有している。これは、好ましくは2以上、好ましくは4以上、特に好ましくは6以上、非常に特に好ましくは10以上である。
【0302】
更に、本発明による液晶媒体は、マイクロ波領域での高い異方性の値で特徴付けられる。約8.3GHzでの複屈折率は、例えば、好ましくは0.14以上、特に好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、非常に特に好ましくは0.30以上である。加えて、複屈折率は、好ましくは0.80以下である。
【0303】
マイクロ波領域における誘電異方性は、下の通り定義される。
【0304】
【数5】
同調性(τ)は、下の通り定義される。
【0305】
【数6】
性能指数(FoM:figure of merit)とも呼ばれる材料品質(η)は、下の通り定義される。
【0306】
【数7】
ただし最大誘電損失は、下の通りである。
【0307】
【数8】
好ましい液晶材料の材料品質(η)は6以上、好ましくは8以上、好ましくは10以上、好ましくは15以上、好ましくは17以上、好ましくは20以上、特に好ましくは25以上、非常に特に好ましくは30以上である。
【0308】
対応する部品において、好ましい液晶材料は、15°/dB以上、好ましくは20°/dB以上、好ましくは30°/dB以上、好ましくは40°/dB以上、好ましくは50°/dB以上、特に好ましくは80°/dB以上、非常に特に好ましくは100°/dB以上の位相シフタ品質を有する。
【0309】
しかしながら、実施形態によっては、また、負の値の誘電異方性を有する液晶も有利に使用できる。
【0310】
キラルドーパントの濃度、即ちそれぞれLC媒体中のキラルドーパントの総濃度は、好ましくは0.05%以上〜5%以下、より好ましくは0.1%以上〜1%以下、最も好ましくは0.2%以上〜0.8%以下の範囲内である。これらの好ましい濃度範囲は特に、キラルドーパントS−2011、その鏡像異性体R−2011(いずれも、Merck社製)およびそれぞれ同一または同様のHTPを有するキラルドーパントに適用される。S−2011と比較してHTPの絶対値がより高いかまたはより低いかのいずれかのキラルドーパントについては、S−2011のHTP値に対するそれらのHTP値の比に比例して、これらの好ましい濃度を、それぞれ減少または増加しなければならない。
【0311】
用いられる液晶は、個別の物質または混合物のいずれかである。それらは、好ましくは、ネマチック相を有する。
【0312】
用語「アルキル」は、好ましくは、1〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルキル基、特に、直鎖状の基であるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜10個の炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0313】
用語「アルケニル」は、好ましくは、2〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルケニル基、特に、直鎖状の基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニル、C
5〜C
7−4−アルケニル、C
6〜C
7−5−アルケニルおよびC
7−6−アルケニル、特に、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニルおよびC
5〜C
7−4−アルケニルである。更に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0314】
用語「フルオロアルキル」は、好ましくは、末端フッ素を有する直鎖状の基、即ち、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかしながら、フッ素の他の位置が除外されるものではない。
【0315】
用語「オキサアルキル」または「アルコキシアルキル」は、好ましくは、式C
nH
2n+1−O−(CH
2)
mの直鎖状の基を包含し、ただし、nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜10を表す。好ましくは、nが1で、mが1〜6である。
【0316】
ビニル末端基を含有する化合物およびメチル末端基を含有する化合物が、低い回転粘度を有する。
【0317】
本出願において、高周波数技術およびハイパー周波数技術の両者は、1MHz〜1THz、好ましくは1GHz〜500GHz、より好ましくは2GHz〜300GHz、特に好ましくは5GHz〜150GHzの範囲内の周波数を有する用途を表す。
【0318】
本発明による液晶媒体は、通常の濃度で更なる添加剤およびキラルドーパントを含むことができる。これらの更なる構成成分の合計濃度は、混合物全体に基づいて0%〜10%、好ましくは0.1%〜6%の範囲内である。使用される個々の化合物の濃度は、それぞれ好ましくは0.1%〜3%の範囲内である。これらおよび類似の添加剤の濃度は、本出願において、液晶媒体の液晶成分および液晶化合物の値および濃度範囲を言う場合は考慮されない。
【0319】
好ましくは本発明による媒体は、そのコレステリックピッチを調整するために、キラルドーパントとして1種類以上のキラル化合物を含む。本発明による媒体中のそれらの総濃度は、好ましくは0.1%〜15%、より好ましくは1%〜10%、最も好ましくは2%〜6%の範囲内である。
【0320】
本発明による媒体は、物理的特性を調整するために、更なる液晶化合物を含んでよい。そのような化合物は専門家に既知である。本発明による媒体中のそれらの濃度は、好ましくは0%〜30%、より好ましくは0.1%〜20%、最も好ましくは1%〜15%である。
【0321】
応答時間は、それぞれの電気光学的応答の相対コントラストが0%から90%(t
90−t
0)になる相対同調の変化時間の立ち上がり時間(t
on)として与えられ、即ち、電気光学的応答の相対コントラストが100%から10%に戻る(t
100−t
10)それぞれの相対同調変化時間の減衰時間(t
off)として遅延時間(t
10−t
0)、および総応答時間(t
total=t
on+t
off)が挙げられる。
【0322】
本発明による液晶媒体は、複数種類の化合物、好ましくは3〜30種類、より好ましくは4〜20種類、非常に好ましくは4〜16種類の化合物から成る。これらの化合物は、慣用的な方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望量を、より多い量で使用される化合物に溶解する。より高い濃度で使用される化合物の透明点より温度が高い場合には、溶解過程の完了を観察するのは特に容易である。しかしながら、他の慣用の方法、例えば、化合物の同族または共融混合物であってよい、例えば、所謂プレ混合の使用や、構成成分自身が使用可能な状態の混合物である所謂「マルチ・ボトル」システムを使用して媒体を調製することも可能である。
【0323】
例えば、液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの全ての温度は、摂氏度である。全ての温度差は差異度である。
【0324】
本発明および特に以下の例において、メソゲン化合物の構造は、頭字語とも呼ばれる略称を用いて示される。これらの頭字語において、化学式は、下の表A〜Cを使用して以下の通り省略される。全ての基C
nH
2n+1、C
mH
2m+1およびC
oH
2o+1は好ましくは、それぞれの場合でn、mおよびo個のC原子を有する直鎖状のアルキルを表す。表Aには、化合物の核となる構造の環要素のために使用されるコードが列記されており、一方、表Bには、橋架基が示されている。表Cには、左側または右側の末端基のためのコードの意味が与えられている。表Dには、化合物の例示的構造が、それらのそれぞれの略称と共に示されている。
【0328】
【表4】
式中、nおよびmはそれぞれ整数を表し、3つの点「...」はこの表からの他の略称のための場所である。
【0329】
以下の表は、例示構造を、それらのそれぞれの略称と共に示す。これらは、略称のための規則の意味を例示するために示される。それらは、更に、好ましく使用される化合物を表す。
【0330】
<表D:例示的構造>
好ましく使用される式Gの化合物を、下の通り代表的に示す。
【0331】
【表5】
好ましく使用される式CCの化合物を、下の通り代表的に示す。
【0332】
【表6】
好ましく使用される式CPの化合物を、下の通り代表的に示す。
【0333】
【表7】
例示構造は、特に好ましく用いられる3個の6員環を有する化合物である。
【0335】
【表9】
例示構造は、特に好ましく用いられる4個の6員環を有する化合物である。
【0340】
【表14】
この表において、パラメータは以下の意味を有する。
【0341】
l、m、nおよびoは全てそれぞれ互いに独立に0と異なる正の整数で、好ましくはlは1または2であり、mおよびnは好ましくは1〜7より選択され、oは好ましくは1〜6より選択され、好ましくは1または2である。
【0342】
以下の表、即ち、表Eには、本発明によるメソゲン媒体において安定剤として使用できる例示化合物を示す。これらおよび同様の化合物の媒体中における合計濃度は、好ましくは、5%以下である。
【0345】
【表17】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Eからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0346】
以下の表、即ち、表Fには、本発明によるメソゲン媒体においてキラルドーパントとして好ましく使用できる例示化合物を示す。
【0348】
【表19】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Fからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0349】
本出願によるメソゲン媒体は、好ましくは、上の表からの化合物から成る群より選択される2種類以上、好ましくは4種類以上の化合物を含む。
【0350】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、
・好ましくは、表Dからの化合物群より選択され、3つ以上、好ましくは4つ以上の異なる式を有す7種類以上の化合物、好ましくは8種類以上の化合物
を含む。
【実施例】
【0351】
以下の例は、本発明を一切制限することなく本発明を説明する。
【0352】
しかしながら、物理的特性より、当業者に対しては、いかなる特性が達成可能であるか、およびどの範囲で特性を改変できるかが明らかとなる。よって、特に、好ましく達成することができる種々の特性の組み合わせが、当業者のために十分規定される。
【0353】
<比較例1>
以下の表に示す組成および特性を有する液晶混合物C−1を調製し、一般的な物理的特性および19GHzでマイクロ波素子における適用性について検討する。
【0354】
【表20】
この混合物はマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に適している。例を比較すれば、この混合物は明らかに劣った特性を示す。特に低温での保存に対し、非常に安定なわけではない。
<例1>
以下の表に示す通りの組成および特性を有する液晶混合物M−1を調製する。
【0355】
【表21】
「この混合物は低温での保存に対し、比較的安定である。」
この混合物は更にマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に非常に高度に適している。
<例2>
以下の表に示す通りの組成および特性を有する液晶混合物M−2を調製する。
【0356】
【表22】
この混合物はマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に非常に高度に適している。
【0357】
「また低温での保存に対し、比較的安定である。」
<例3>
以下の表に示す通りの組成および特性を有する液晶混合物M−3を調製する。
【0358】
【表23】
「この混合物は低温での保存に対し、比較的安定である。−20℃の温度においてバルクで少なくとも1000時間の保存に対し安定である。」
更にマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に非常に高度に適している。
<例4>
以下の表に示す通りの組成および特性を有する液晶混合物M−4を調製する。
【0359】
【表24】
この混合物はマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に非常に高度に適している。
【0360】
また低温での保存に対し、比較的安定である。
<例5>
以下の表に示す通りの組成および特性を有する液晶混合物M−5を調製する。
【0361】
【表25】
この混合物はマイクロ波領域における用途、特に位相シフタまたはマイクロ波(MW:micro wave)領域におけるLC系アンテナ素子に非常に高度に適している。
【0362】
「また低温での保存に対し、比較的安定である。」