特許第6961954号(P6961954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961954(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961954
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/44 20060101AFI20211025BHJP
   C07C 57/07 20060101ALI20211025BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   C07C51/44
   C07C57/07
   B01D5/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-33486(P2017-33486)
(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公開番号】特開2018-8925(P2018-8925A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2019年11月22日
(31)【優先権主張番号】特願2016-128861(P2016-128861)
(32)【優先日】2016年6月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】小川 寧之
【審査官】 中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−240482(JP,A)
【文献】 特開2005−325084(JP,A)
【文献】 特開2000−344688(JP,A)
【文献】 特開昭57−065304(JP,A)
【文献】 特開2006−316066(JP,A)
【文献】 特開2000−254484(JP,A)
【文献】 特開2001−241883(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0040023(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1697675(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
B01D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、該蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法において、
管状胴体と、該管状胴体の上端側と下端側にそれぞれ配置された上側管板及び下側管板と、該上側管板と下側管板との間に架設された複数の伝熱管と、該上側管板の上側及び該下側管板の下側にそれぞれ配置された蓋部とを有し、
該複数の伝熱管のうちの一部はその上端が該上側管板上に突出し、残部は非突出であり、
該非突出伝熱管の本数は3本以上であり、該非突出伝熱管の端部は前記上側管板面に対称的に配置され、且つ該上側管板上中心部及び外周部ないし外周部近傍に設けられており、
該上側管板と該上側管板の上側の蓋部とで形成された受入室に導入された前記蒸留ガスが、該伝熱管内を通過する間に冷却されて凝縮液となる縦型多管式熱交換器を用い、
該受入室に、重合禁止剤含有液を導入し、
該受入室内で該蒸留ガスと接触した該重合禁止剤含有液が、該上側管板上で液流層を形成した後、該上側管板上から該非突出の伝熱管内を流下する(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【請求項2】
前記液流層の液深が2mm以上である請求項1に記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【請求項3】
前記突出伝熱管が前記上側管板上に突出した突出高さが3mm以上である請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【請求項4】
前記重合禁止剤含有液が前記凝縮液を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル酸又はそのエステル(以下「(メタ)アクリル酸類」と称す場合がある。)の製造方法に関するものであり、詳しくは、(メタ)アクリル酸類を含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、この蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸類の製造方法において、縦型多管式熱交換器における重合物の生成及び堆積を防止して、長期間安定的に(メタ)アクリル酸類の連続生産を行う方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸との総称であり、そのいずれか一方でもよく双方でもよい。また、(メタ)アクリル酸類は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのいずれか一方のみでもよく双方を含むものであってもよい。
【背景技術】
【0003】
(メタ)アクリル酸類は非常に重合し易い化合物であり、特に、高温条件下では重合が促進される。(メタ)アクリル酸類の製造工程内でこれらが重合すると、重合により生成した固形物により装置・配管設備が閉塞し、著しい場合には運転を継続することが不可能となる。また、装置・配管設備の閉塞による運転停止に至らずとも、例えば、通常運転時における装置・配管設備の清掃頻度や定期保全時における清掃の負荷の増大など、多くの問題が発生する。
【0004】
そこで、(メタ)アクリル酸類を蒸留する際には、その重合を防止するために、重合禁止剤の添加が行われている。しかし、重合禁止剤の多くは(メタ)アクリル酸類に比べて蒸気圧が低く、揮発した(メタ)アクリル酸類のガス中には、添加した重合禁止剤は殆ど含まれないことが多い。重合禁止剤が含まれていなくても、ガスの状態では(メタ)アクリル酸類の密度が低いために重合反応は実質的に起こらないと考えられるが、一旦該ガスが凝縮して凝縮液となると、該凝縮液は高い重合性を有し、装置の閉塞などを引き起こす。この状態を最も生じやすい装置が、加熱蒸留装置からの留出ガスを冷却凝縮するコンデンサである。このため、従来、コンデンサにおける(メタ)アクリル酸類の重合を防止するために、様々な検討がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸留精製において、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸気を直接接触式の凝縮器により凝縮液とし、得られた凝縮液の一部を更に冷却し、冷却した凝縮液を直接接触式の凝縮器内にスプレー液として供給することで、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸気を速やかに低温化すると共に、スプレー液に重合禁止剤を添加することで、凝縮器における重合物の発生を抑制する方法が示されている。
【0006】
特許文献2では、易重合性化合物の蒸留精製において、易重合性化合物の蒸気を凝縮器で冷却して凝縮液とする際に、凝縮器として縦型多管式熱交換器を用い、得られた凝縮液の一部を縦型多管式熱交換器のガス導入側に循環させ、上側管板上に均一に噴霧して凝縮管(伝熱管)の内面を、管内を流下する凝縮液で濡らすことにより、過熱状態の蒸留ガスが直接凝縮管に接触して重合物が生成するのを防止している。この特許文献2には、循環させる凝縮液に重合禁止剤を加えてもよいことが記載されている。
【0007】
なお、非特許文献1に示されるように、縦型多管式熱交換器では、伝熱管を管板に固定する際、施工上の都合で伝熱管端が管板面から若干突出したものとなることが一般的である。従って、特許文献2に記載の縦型多管式熱交換器では、上側管板面から、すべての伝熱管の上端が突出していると考えられる。
【0008】
一方、特許文献3には、易重合性化合物のガスを冷却凝縮する縦型多管式熱交換器として、管板面から平均1mm突出した伝熱管を有する多管式熱交換器を使用することに比べ、管板面から突出しない伝熱管を有する多管式熱交換器を使用することにより、該多管式熱交換器内の重合物の堆積を抑制することができることが示されている。特許文献3には、伝熱管を上側管板から非突出とすることにより、上側管板面でのプロセス流体の滞留を防止することができ、この結果、易重合性化合物の重合を抑制できると記載されている。
【0009】
特許文献4には、伝熱管と上部管板との接合部の強度を十分に確保した上で、上部管板の表面および伝熱管内での重合物の生成を抑制し、熱交換器の破損もなく、長期の連続運転が可能な多管式熱交換器として、複数の伝熱管のうち、一部はその上端が上部管板から突出していない伝熱管であり、他はその上端が上部管板から突出した伝熱管である多管式熱交換器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公昭60−43056号公報
【特許文献2】特公昭63−11921号公報
【特許文献3】特開2000−254484号公報
【特許文献4】特開2003−240482号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】日本工業規格JIS−B8249(1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、以下の通り、これら従前の技術は、いずれも、十分に満足し得るものとは言えない。
【0013】
特許文献1の方法では、被凝縮流体である蒸気に対し、重量比で数倍から数十倍のスプレー液が必要となる。このため、スプレー液とする凝縮液の冷却や循環、スプレー液とするために要する設備が大がかりとなるため、特に規模の大きな設備においては経済性の面で不利となる。
【0014】
特許文献2の方法は、工業的に広く用いられている手法の一つであり、循環、噴霧する凝縮液量も被凝縮流体である蒸気に比べて高々1/10〜1倍に過ぎない点において、特許文献1の方法に比べて有利であるが、被凝縮流体である蒸気の温度が高い場合には重合防止効果が不十分となるなど、重合防止効果についてはより一層の改善が望まれる。
【0015】
特許文献3に記載される、すべての伝熱管を上側管板面から非突出とした縦型多管式熱交換器を用いて、特許文献2に記載されるように、凝縮液の循環、噴霧を行いながら蒸留ガスを凝縮させた場合も、やはり、被凝縮流体である蒸気の温度が高い場合には、重合物の生成は避けられない。
【0016】
特許文献4には、一部の伝熱管が上部管板から突出せず、その他は上部管板から突出した多管式熱交換器が記載されているが、特許文献4には、受入室に重合禁止剤含有液を導入することについて記載も示唆もない。特許文献4は、上部管板上に液を貯めないことが基本の発明であり(特許文献4の第[0043]段落等)、本発明に係る液流層(液深を有し、且つ液が滞りなく更新される層)を形成するものとは、その技術思想が相反するものである。
また、特許文献4の条件では、蒸留ガスの偏流が起こる可能性があり、蒸留ガスの偏流で、上部管板上で濡れたり乾いたりする部位が継時的に発生するが、濡れることは液流がなく、留まっていることであり、重合の生成は避けられない。
【0017】
本発明は上記従来の問題点を解決し、(メタ)アクリル酸類を含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、該蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸類の製造方法において、縦型多管式熱交換器における重合物の生成及び堆積を防止して、長期間安定的に(メタ)アクリル酸類の連続生産を行える(メタ)アクリル酸類の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル酸類等の蒸留ガスを凝縮させる縦型多管式熱交換器として、特定の構成のものを用い、縦型多管式熱交換器の受入室内で蒸留ガスと重合禁止剤含有液とを接触させた後、上側管板上に所定の液深の液流層を形成させて伝熱管を流下させるようにすることで、重合物の生成、堆積を抑制して長期間安定的に(メタ)アクリル酸類を連続生産できるようになることを見出した。
【0019】
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0020】
[1] (メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、該蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法において、管状胴体と、該管状胴体の上端側と下端側にそれぞれ配置された上側管板及び下側管板と、該上側管板と下側管板との間に架設された複数の伝熱管と、該上側管板の上側及び該下側管板の下側にそれぞれ配置された蓋部とを有し、該上側管板と該上側管板の上側の蓋部とで形成された受入室に導入された前記蒸留ガスが、該伝熱管内を通過する間に冷却されて凝縮液となる縦型多管式熱交換器を用い、該受入室に、重合禁止剤含有液を導入し、該受入室内で該蒸留ガスと接触した該重合禁止剤含有液が、該上側管板上で液流層を形成した後、該伝熱管内を流下する(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【0021】
[2] 前記液流層の液深が2mm以上である[1]に記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【0022】
[3] (メタ)アクリル酸又はそのエステルを含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、該蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法において、管状胴体と、該管状胴体の上端側と下端側にそれぞれ配置された上側管板及び下側管板と、該上側管板と下側管板との間に架設された複数の伝熱管と、該上側管板の上側及び該下側管板の下側にそれぞれ配置された蓋部とを有し、該複数の伝熱管のうちの一部はその上端が該上側管板上に突出し、残部は非突出であり、該上側管板と該上側管板の上側の蓋部とで形成された受入室に導入された前記蒸留ガスが、該伝熱管内を通過する間に冷却されて凝縮液となる縦型多管式熱交換器を用い、該受入室に、重合禁止剤含有液を導入し、該受入室内で該蒸留ガスと接触した該重合禁止剤含有液が、該上側管板上から該非突出の伝熱管内を流下する(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【0023】
[4] 前記重合禁止剤含有液が前記凝縮液を含む[1]乃至[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸又はそのエステルの製造方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、(メタ)アクリル酸類を含むプロセス液を蒸留塔で蒸留ガスとし、該蒸留ガスを縦型多管式熱交換器により凝縮液とする工程を含む(メタ)アクリル酸類の製造方法において、縦型多管式熱交換器における重合物の生成及び堆積を防止して、長期間安定的に(メタ)アクリル酸類の連続生産を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の(メタ)アクリル酸類の製造方法の実施の形態の一例を示す模式的系統図である。
図2図1の縦型多管式熱交換器の上側管板面の斜視図である。
図3】比較例3における短管の取付構造を示す図であって、(a)図は短管の斜視図、(b)図は、上側管板の短管取付部を示す断面図、(c)図は(b)図の平面図である。
図4】実施例1で用いた縦型多管式熱交換器の上側管板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の(メタ)アクリル酸類の製造方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、何ら以下の説明の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更して実施することができる。
なお、以下において、(メタ)アクリル酸類としてアクリル酸を蒸留して蒸留ガスを凝縮させる態様について説明するが、本発明は、アクリル酸に限らず、(メタ)アクリル酸類の蒸留、凝縮に広く適用することができる。
また、以下において、縦型多管式熱交換器の各部の寸法の数値は、汎用の商業設備に用いられる縦型多管式熱交換器としての一例であり、本発明に係る縦型多管式熱交換器の各部の寸法は何ら以下に記載するものに限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の(メタ)アクリル酸類の製造方法の実施の形態の一例を示す模式的な系統図であり、図2は、図1の縦型多管式熱交換器の上側管板面の斜視図である。
本発明は、特に縦型多管式熱交換器に流入するガスが高温の場合に有効であるため、図1では、蒸留塔からの高温の蒸留ガスをそのまま縦型多管式熱交換器に導入して凝縮を行う場合を例示しているが、本発明はこのようなものに何ら限定されず、例えば、蒸留塔からの高温の蒸留ガスを縦型多管式熱交換器の前段に設けた熱交換器(コンデンサ)により部分凝縮させた後の比較的低温の未凝縮ガスを、更に縦型多管式熱交換器で凝縮する態様にも適用することができる。
【0028】
図1は、アクリル酸の製造プロセスにおいて、アクリル酸の反応生成液から溶媒抽出されたアクリル酸含有溶液(粗アクリル酸溶液)から抽出溶媒、アクリル酸、及び高沸点不純物を蒸留分離する工程を示す。図1において、(1)は蒸留塔であり、内挿物として濃縮部に規則充填物(2)、回収上部に不規則充填物(3)、その下に無堰多孔板よりなる棚段(4)を有する。供給ライン(5)より抽出溶媒を含む粗アクリル酸溶液が蒸留塔(1)に供給される。塔頂ガスライン(6)より分離された抽出溶媒蒸気はプレート型熱交換器(7)により冷却凝縮され、還流槽(8)に回収される。回収された抽出溶媒の一部は還流ライン(9)により蒸留塔(1)の塔頂部に循環され、残部は抽出工程(図示せず)に送られる。蒸留塔(1)の塔底液は循環ライン(10)を経てリボイラ(11)により加熱された後、蒸留塔(1)に循環される。高沸点化合物を含む塔底液の一部は抜き出しライン(12)から回収される。
【0029】
蒸留塔(1)の下方に設けられた中段抜き出しライン(13)からは、アクリル酸を主成分とする流体が、ガスの状態で抜き出され、抜き出された蒸留ガスは、縦型多管式熱交換器(14)に供給される。この中段抜き出しライン(13)の外周部は、抜き出された蒸留ガスが途中で凝縮しないように、電気ヒーター又は蒸気配管により加熱され、更に断熱材による保温がなされており、また仮に凝縮液が生じた場合でも該凝縮液が内部に滞留しないよう、中段抜き出しライン(13)は蒸留塔(1)側に向けて下向きの傾斜がつけられている。
なお、縦型多管式熱交換器に供給される蒸留ガスの温度は通常50〜110℃程度である。ただし、前述の通り、縦型多管式熱交換器の前段で別途設けた熱交換器(コンデンサ)により部分凝縮させる場合、縦型多管式熱交換器に供給される未凝縮ガスの温度は15〜50℃程度となる。
【0030】
縦型多管式熱交換器(14)は管状胴体(14A)とその両端にある蓋部(14a)、(14b)を有し、該管状胴体(14A)内部に複数の伝熱管(図示せず)を有する。
【0031】
より具体的には、縦型多管式熱交換器(14)は、軸芯方向が鉛直方向となるように設置された管状胴体(14A)と、この管状胴体(14A)の上端側と下端側のそれぞれに、板面が水平方向となるように配置された上側管板及び下側管板(共に図示せず)と、この上側管板と下側管板との間に、各々の管端部が上側管板及び下側管板に取り付けられ、鉛直方向に架設された複数の伝熱管(図示せず)と、上側管板の上側及び下側管板の下側にそれぞれ配置されたドーム型の蓋部(14a)、(14b)とを有し、上側管板と蓋部(14a)との間の空間に形成された縦型多管式熱交換器(14)の受入室(図示せず)に、中段抜き出しライン(13)からのアクリル酸を主成分とする蒸留ガスが導入される。
【0032】
管状胴体(14A)の上側管板と下側管板との間の側面の下部には、冷却媒体(冷却水)の流入口(図示せず)が設けられ、上部にはその流出口(図示せず)が設けられており、縦型多管式熱交換器(14)の受入室に導入された蒸留ガスは、伝熱管内を流下する間に、伝熱管の外側を流れる冷却媒体により冷却されて凝縮し、下側管板と蓋部(14b)との間の空間に形成された取出室(図示せず)を経てドラム(15)に粗アクリル酸として回収され、次工程へのライン(16)により次工程に送られる。この粗アクリル酸の一部は循環ライン(17)により縦型多管式熱交換器(14)の受入室側に循環される。この循環ライン(17)には、重合禁止剤を含んだ溶液が、重合禁止剤供給ライン(18)を経て供給されている。
【0033】
重合禁止剤を含む粗アクリル酸の循環液(重合禁止剤含有液)の受入室への供給形態には特に制限はないが、この粗アクリル酸循環液が、受入室に導入された蒸留ガスと十分に接触するように、即ち、粗アクリル酸循環液と蒸留ガスとの接触面積がなるべく大きくなるように、また、粗アクリル酸循環液が上側管板全面に行き渡るように、粗アクリル酸循環液は、上側蓋部(14a)に設けられた噴霧ノズルから、受入室内に満遍なく霧状に散布されることが好ましい。
【0034】
図2は、図1の縦型多管式熱交換器(14)における上側管板面を示す斜視図である。上側管板(19)の上面には、等間隔で伝熱管の上端部が取り付けられている。一部の伝熱管(21)は上側管板(19)面からその管端が同じ高さに突出している(以下、この突出した伝熱管を「突出伝熱管」と称す場合がある。)。一方、突出伝熱管(21)以外の伝熱管(20)は、上側管板(19)面から管端が突出しておらず、上側管板(19)の上面とほぼ面一に取り付けられている(以下、管端が上側管板から突出していない伝熱管を「非突出伝熱管」と称す場合がある。)。
【0035】
本発明では、このように、一部の伝熱管(21)の上端が上側管板(19)上に突出し、その他の伝熱管(20)の上端は上側管板(19)面から非突出となっている縦型多管式熱交換器(14)を用いることにより、縦型多管式熱交換器内でのアクリル酸の重合物の発生、その堆積を抑制し、安定運転を継続することができる。
【0036】
その作用機構の詳細は明らかではないが、以下の通り推察される。
【0037】
受入室に導入された粗アクリル酸循環液と蒸留ガスが接触すると、蒸留ガスの一部は粗アクリル酸循環液との接触で凝縮し、残部はガス状のまま粗アクリル酸循環液と混合状態となって上側管板上に到るが、その際、一部は突出伝熱管に流入してこの伝熱管内を流下して凝縮液となり、残部は突出伝熱管の突出高さに応じた液深のガスを含む液溜りとなる。
しかし、伝熱管の残部の上端が上側管板から非突出であることにより、上側管板上に溜ったガスを含む液は、非突出伝熱管側に上側管板上を流動し、この非突出伝熱管内を流下して凝縮液となる。
【0038】
このように、上側管板の上面で、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液が、常に、蒸留ガス又はその凝縮液を含んだ状態で所定の液深を維持すると共に、上側管板を流動して非突出伝熱管に流入、流下することで、上側管板上の液が滞りなく更新される液流層を形成することにより、蒸留ガスのアクリル酸の重合が抑制されると考えられる。
即ち、本発明に係る「液流層」とは、「上側管板上に形成される、液深を有し、且つ液が滞りなく更新される層」である。
【0039】
本発明によれば、受入室内に導入された蒸留ガスは、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液により一部凝縮し、また、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液との混合流体として上側管板上を液流層としてを流れた後伝熱管内を流入するまでの間でも一部凝縮し、ある程度温度が下がる上に、伝熱管を流下して冷却される際には、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液と十分に混合された混合流体となっているため、重合禁止剤の重合抑制効果が効果的に作用し、重合物の生成及び堆積は抑制される。
【0040】
これに対して、特許文献2で用いられている一般的な縦型多管式熱交換器では、すべての伝熱管の上端が上側管板上に突出しているため、上側管板上に重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液の液溜りが形成されても、この液が蒸留ガスと共に伝熱管を流下し難く、即ち、液溜りは更新されず、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液を循環させても、それによる重合抑制効果を十分に得ることができない。
一方、特許文献3のように、すべての伝熱管を上側管板から非突出とすると、上側管板上に液溜りが形成されず、蒸留ガスと重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液とが均一な混合状態で伝熱管内を流下し得ず、やはり、重合禁止剤を含む粗アクリル酸循環液を循環させても、それによる重合抑制効果を十分に得ることができない。
【0041】
本発明において、縦型多管式熱交換器の上側管板上に突出した突出伝熱管の突出高さは、上側管板面全体で確実に所定の液深を維持するため、2mm以上が好ましく、より好ましくは3mm以上である。突出伝熱管の突出高さが2mm以上であると、設置された熱交換器の水平誤差や凝縮液の表面張力、導入される蒸留ガスの偏流などの影響に左右されずに、所定の液深の液流層を形成し易くなる。突出伝熱管の突出高さは液深を維持する点では高いほど好ましいが、この高さが過度に高いと液の更新がされにくくなるため、20mm以下が好ましく、より好ましくは15mm以下である。
【0042】
この突出伝熱管の突出高さは、すべての突出伝熱管でほぼ同じ突出高さであることが好ましい。ここで、ほぼ同じ突出高さとは、上側管板上の均一な液流層の保持に影響を与えない範囲内の振れ幅を有することであり、具体的には設定した突出高さに対して±2mmの範囲内であることが好ましい。但し設定した突出高さが4mm未満の場合は、設定した突出高さの±1mmの範囲内であることが好ましい。
【0043】
また、伝熱管の総数に対する非突出伝熱管の割合が大きく、突出伝熱管の割合が小さいと、上側管板上での液深の維持が困難となり、逆に、非突出伝熱管の割合が小さく、突出伝熱管の割合が大きいと、液深の維持は容易となるが、上側管板上の液流れに偏りが生じ易くなることから、非突出伝熱管の割合は、全伝熱管に対して0.1%以上、20%以下とすることが好ましい。また、上側管板上に均一な液流層を形成するため、非突出伝熱管は、上側管板面において対称的に均等配置で設けることが好ましい。全伝熱管の総数が少ない場合、非突出伝熱管は上側管板上の中心部のみとすることもできるが、上側管板外周部ないし外周部近傍にも非突出伝熱管を設けることがより好ましい。非突出伝熱管は3本以上が好ましく、4本以上がより好ましい。伝熱管総数の増加に伴い、非突出伝熱管の本数を増やす場合、その対称性を高く、且つ相互伝熱管間距離を等しく配置することが好ましい。
【0044】
縦型多管式熱交換器の規模にもよるが、通常、上側管板の面積は0.2〜7m程度(直径0.5〜3m程度)であり、伝熱管の内径は15〜40cm程度である。伝熱管は通常、上側管板の面積当たり100〜400本/m程度、均等配置で設けられるため、本発明では、このような伝熱管のうちの0.1〜20%、特に0.1〜5%を、非突出伝熱管とし、かつその配置を上側管板上において均等配置とし、その他は、上側管板上に2〜20mm程度、特に3〜15mm程度突出させた突出伝熱管とすることが好ましい。
【0045】
本発明による重合抑制効果は、前述の通り、上側管板上を流動した後伝熱管に流入、流下する、所定の液深、即ち、通常2mm以上、好ましくは2〜20mm、より好ましくは3〜15mmの液流層を上側管板上に形成することによるものである。従って、重合抑制のための手段は、上述のように伝熱管の一部を非突出伝熱管とするものに何ら限定されず、このような液流層を形成することができるものであれば、他のいかなる手段をも採用することができる。
例えば、すべての伝熱管を非突出とし、非突出伝熱管同士の間に堰となるような突条部を形成して液流層の液深を維持する設計とすることもできる。
【0046】
本発明は、上側管板上の伝熱管の突出高さを上記の通り設計するなどして、上側管板上に所定の液深の液流層を形成すること以外は、従来法と同様に実施することができ、縦型多管式熱交換器の構成についても、上側管板上における伝熱管の突出、非突出の設計以外は従来の縦型多管式熱交換器と同様のものを採用することができる。
【0047】
縦型多管式熱交換器の下部から抜き出された凝縮液のうち、上記受入室側へ循環される粗アクリル酸循環液の液量は、粗アクリル酸循環液を循環することによる重合防止効果と、生産効率の観点から、縦型多管式熱交換器下部から抜き出される凝縮液の3〜70%程度とすることが好ましい。なお、この凝縮液の温度は通常20〜60℃程度である。
【0048】
なお、本発明において、縦型多管式熱交換器の受入室に導入する重合禁止剤含有液は、熱交換器下部からの凝縮液の一部を循環させたものでなくてもよく、他系統からの粗アクリル酸含有液に重合禁止剤を添加したものであってもよい。
【0049】
重合禁止剤としては、従来、(メタ)アクリル酸類の製造に用いられている重合禁止剤をいずれも用いることができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン等の重金属塩、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、テトラメチルピペリジノオキシル誘導体等のアミノキシル類がなどの1種又は2種以上を用いることができる。
【0050】
重合禁止剤含有液中の重合禁止剤の濃度は、重合禁止剤を添加することによる重合抑制効果を十分に得た上で、後工程での析出等の問題を防止する観点から、10〜2,000ppm程度とすることが好ましい。特に、本発明では、前述の通り、上側管板上に所定の液深の液流層を形成することによる重合抑制効果で、重合禁止剤濃度を従来法よりも低めに設定することも可能となる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明は何ら以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例は試験設備で行ったものであり、各部の寸法は実機とは異なる。
説明の便宜上、まず比較例を挙げる。
【0052】
[比較例1]
プロピレンを原料として、接触気相酸化反応を行う反応工程、反応工程で得られたアクリル酸含有ガスを水で吸収しアクリル酸水溶液を得る捕集工程、得られたアクリル酸水溶液に対してトルエンを用いて抽出を行う抽出工程により、23重量%のアクリル酸を含むトルエン抽出溶液を得た。該抽出溶液をドラムに一旦保存した後、図1に示す蒸留塔(1)で連続的にアクリル酸の分留を行った。蒸留塔(1)の塔頂圧力は10kPa、還流比は1.2とし、塔頂より留出するアクリル酸が供給量に対して3%以下となるよう留出量を調整し、塔底から供給液量に対して重量比で2%の塔底液を抜き出し、中段抜き出しライン(13)より粗アクリル酸蒸気を抜き出した。塔内温度は、塔頂が44℃、中段抜き出し部が94〜95℃、塔底が103〜105℃となった。
外周部が蒸気加熱された中段抜き出しライン(13)を経て、95〜96℃の粗アクリル酸蒸気を縦型多管式熱交換器(14)に供給した。
【0053】
縦型多管式熱交換器としては、内径1インチのSUS316製伝熱管19本を有し、全ての伝熱管上端は上側管板面から非突出で、上側管板面と面一に平滑化したものを用いた。冷却水の供給温度は31〜33℃、凝縮した粗アクリル酸の温度は32〜33℃であった。該凝縮液の約5%を受入室側に循環した。この循環液には、重合禁止剤としてフェノチアジン濃度が100ppmとなるよう、フェノチアジンのアクリル酸溶液を添加した。循環ラインの先端には噴霧ノズルを設け、循環液が上側管板の全面に行き渡るようにした。
【0054】
このようにして蒸留を行ったところ、運転2日目で循環ラインに設けたストレーナが閉塞し、並列のストレーナに切り替えたが、切り替えたストレーナも半日で閉塞するに至り、蒸留塔の運転を停止した。
水洗後に縦型多管式熱交換器を開放すると、上側管板面上、伝熱管内壁面、下側蓋部鏡部内に膨潤した状態で5L程度の重合物が確認された。
【0055】
[比較例2]
上側管板面への粗アクリル酸循環液の循環量を2倍にした以外は比較例1と同様の条件で運転を行った。その結果、運転3日目で急激なストレーナの閉塞が起こり、運転を停止した。水洗後に縦型多管式熱交換器を解放したところ、確認された重合物は2L程度であった。
【0056】
[比較例3]
比較例1で用いた縦型多管式熱交換器に、図3(a)に示すような、伝熱管と同じ厚みと内径を有する長さ10mmの短管31を用い、図3(b),(c)に示すように、この短管31の端面を上側管板30の上面に面一に表出している伝熱管32の端面に合わせて載置し、直径3mmの針金33を3本用いて、短管31の内壁面と伝熱管32の内壁面とを溶接することにより固定することで、全伝熱管の上端が上側管板面から10mm突出したような状態とした。短管31及び針金33の材質は全て縦型多管式熱交換器と同じSUS316である。この状態で比較例1と同様の条件で運転を行った。その結果、運転2日目までは殆どストレーナに捕捉物が見られなかったが、3日目に塔内閉塞で蒸留塔からのガスが流れなくなり緊急停止した。水洗後に縦型多管式熱交換器内を確認したところ、上側管板面上に多くの重合物が堆積し、伝熱管の一部は重合物で完全に閉塞されていた。
【0057】
[実施例1]
伝熱管に溶接した短管の内、中心の1ヶ所のみを取り外したこと以外は比較例3と同様の条件で運転を行った。この状態は、伝熱管のうちの中心の1本のみが非突出伝熱管で、他の18本が10mm突出した状態である。その結果、3日間の運転後も、ストレーナに捕捉物は殆ど見られなかった。水洗後に確認したところ、上側管板面の外周部に僅かな重合物の塊が確認されたのみであった。
【0058】
[実施例2]
更に最も外周部に近い位置の短管のうち、上側管板面において点対象位置の3つの短管を取り外した以外は実施例1と同様の条件で3日間運転を行った。この状態は、伝熱管のうちの中心の1本と外周部の等間隔位置の3本の計4本が非突出伝熱管で、他の15本が10mm突出した状態である。運転期間中、ストレーナの捕捉物は、開放時に混入したと思われる塵を除き確認されなかった。水洗後の確認でも重合物の塊は確認されなかったが、全ての短管を取り外した際、短管接合部のうちの約半分に汚れによる筋が確認された。
【0059】
[実施例3]
図4に示すように、縦型多管式熱交換器の上側管板に設けられた19本(内径1インチ)のうち、16本が上側管板42の上面から5mm突出した突出伝熱管41で、外周部の3ヶ所に非突出伝熱管40を3本均等に設けたこと以外は、比較例1におけると同様の構造の機器を新調し、比較例1と同様の条件で運転を行った。なお、図4は、突出伝熱管41と非突出伝熱管40が明確に区別されるように、非突出伝熱管40の上端面を黒ぬりとしている。2週間の運転継続においてストレーナに重合物の捕捉は認められず、続く1週間で供給するフェノチアジン量を段階的に半減させたが、同様に重合物は確認されなかった。この状態のまま運転を2週間継続した後に停止した。水洗後、縦型多管式熱交換器を開放したところ、伝熱管のうちの1本の内壁面に重合物による筋が確認された以外、重合物はなんら確認されなかった。
【0060】
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で用いた縦型多管式熱交換器の上部蓋部を取り外した状態で、各例における循環液量と同量の水を供給することで、上側管板面上に形成される液流層の有無と液深を確認したところ、以下の通りであった。
伝熱管のすべてが非突出伝熱管である比較例1,2では、上側管板全面に深さのある液流層は形成されなかった。
伝熱管のすべてが突出伝熱管である比較例3では、液深が10mm以上となったが、伝熱管にオーバーフローで流入するため、最表面の液のみが伝熱管に向かって流れるのみであり、層下部の液は流れず、層全体にわたって液が流動する液流層とはならなかった。
これに対して、一部の伝熱管のみを非突出伝熱管とし、残部は突出伝熱管とした実施例1〜3では、上側管板面上に液流層が形成され、中心の1本のみを非突出伝熱管とした実施例1では、その液深は4mm以上であり、中心と外周部の合計4本を非突出伝熱管とした実施例2と外周部の3本を非突出伝熱管とした実施例3では、その液深は3mm以上であった。
【符号の説明】
【0061】
1 蒸留塔
2 規則充填物
3 不規則充填物
4 棚段
5 供給ライン
6 塔頂ガスライン
7 熱交換器
8 還流槽
9 還流ライン
10 循環ライン
11 リボイラ
12 抜き出しライン
13 中段抜き出しライン
14 縦型多管式熱交換器
14A 管状胴体
14a,14b 蓋部
15 ドラム
16 次工程へのライン
17 循環ライン
18 重合禁止剤供給ライン
19 上側管板
20,40 非突出伝熱管
21,41 突出伝熱管
31 短管
33 針金
42 上側管板
図1
図2
図3
図4