【文献】
Mohammed Alfowzan(他2名),Joint detection of multiple orbital angular momentum optical modes,2013 IEEE Global Communications Conference (GLOBECOM),IEEE,2013年12月13日,pp.2388-2393
【文献】
Eisaku Sasaki(他3名),Pragmatic OAM with polarization multiplexing transmission for future 5G ultra-high capacity radio,2016 46th European Microwave Conference (EuMC),IEEE,2016年10月06日,pp.154-157
【文献】
Haiyue Jing(他3名),Concentric UCAs based low-order radio vortex wireless communications with co-mode interference,2017 IEEE/CIC International Conference on Communications in China (ICCC),IEEE,2017年10月24日
【文献】
Huayang Wu(他3名),UCA-based orbital angular momentum radio beam generation and reception under different array configurations,2014 Sixth International Conference on Wireless Communications and Signal Processing (WCSP),IEEE,2014年10月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のアンテナ素子を円形に等間隔に配置した等間隔円形アレーアンテナ(以下、UCA)を送信装置と受信装置に備え、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、
前記受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、該所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード組数に応じて指定されたOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備えた
ことを特徴とするOAM多重通信システム。
複数のアンテナ素子を円形に等間隔に配置した等間隔円形アレーアンテナ(以下、UCA)を、同心円状に配置した複数のUCAからなるM−UCAを送信装置と受信装置に備え、送信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を受信して分離し、UCA数×OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、
前記受信装置は、前記送信装置は各UCAの各OAMモード間のチャネル情報を用いて、各UCAで受信する同一OAMモード間の信号分離を行うとともに、所定の閾値3より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備えた
ことを特徴とするOAM多重通信システム。
複数のアンテナ素子を円形に等間隔に配置した等間隔円形アレーアンテナ(以下、UCA)を送信装置と受信装置に備え、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、
前記受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、該所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード組数に応じて指定されたOAMモード間の干渉除去処理を行う
ことを特徴とするOAM多重通信方法。
複数のアンテナ素子を円形に等間隔に配置した等間隔円形アレーアンテナ(以下、UCA)を、同心円状に配置した複数のUCAからなるM−UCAを送信装置と受信装置に備え、送信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を受信して分離し、UCA数×OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、
前記受信装置は、前記送信装置は各UCAの各OAMモード間のチャネル情報を用いて、各UCAで受信する同一OAMモード間の信号分離を行うとともに、所定の閾値3より
大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う
ことを特徴とするOAM多重通信方法。
【背景技術】
【0002】
近年、伝送容量向上のため、OAMを用いた無線信号の空間多重伝送技術が報告されている(非特許文献1)。OAMをもつ電磁波は、伝搬軸を中心に伝搬方向にそって等位相面が螺旋状に分布する。異なるOAMモードをもち、同一方向に伝搬する電磁波は、回転軸方向において空間位相分布が直交するため、異なる信号系列で変調された各OAMモー
ドの信号を受信局において分離することにより、信号を多重伝送することが可能である。
【0003】
このOAM多重技術を用いた無線通信システムでは、複数のアンテナ素子を等間隔に円形配置した等間隔円形アレーアンテナ(以下、UCA(Uniform Circular Array)と称する。)を用い、複数のOAMモードを生成・合成して送信することにより、異なる信号系列の空間多重伝送が行われる(非特許文献2)。
【0004】
図5は、OAMモードの信号を生成するためのUCAの位相設定例を示す。
図5において、送信側におけるOAMモード0,1,2,3,…の信号は、UCAの各アンテナ素子(●で示す)に設定する位相差により生成される。すなわち、OAMモードnの信号は、UCAの位相がn回転(n×360 度)になるように各アンテナ素子の位相を設定して生成する。例えば、UCAが8個のアンテナ素子で構成される場合で、OAMモード2の信号を生成する場合は、
図5(3) に示すように、位相が2回転するように、各アンテナ素子に反時計回りに90度の位相差を設定する。なお、OAMモードnの信号に対して位相の回転方向を逆にした信号をOAMモード−nとする。例えば、正のOAMモードの信号の位相の回転方向を反時計回りとし、負のOAMモードの信号の位相の回転方向を時計回りとする。
【0005】
異なる信号系列を異なるOAMモードの信号として生成し、生成した信号を同時に送信することで、空間多重による無線通信ができる。送信側では、各OAMモードで伝送する信号をあらかじめ生成・合成し、単一のUCAで各OAMモードの合成信号を送信してもよいし、複数のUCAを用いて、OAMモード毎に異なるUCAで各OAMモードの信号を送信してもよい。
【0006】
図6は、OAM多重信号の位相分布と信号強度分布の例を示す。
図6(1),(2) において、送信側から伝搬方向に直交する端面(以下、伝搬直交平面と称する。)で見た、OAMモード1とOAMモード2の信号の位相分布を矢印で表す。矢印の始めは0度であり、位相が線形に変化して矢印の終わりは 360度である。すなわち、OAMモードnの信号は、伝搬直交平面において、位相がn回転(n×360 度)しながら伝搬する。
【0007】
各OAMモードの信号は、OAMモード毎に信号強度分布と信号強度が最大になる位置が異なる。具体的には、OAMモードが高次になるほど、信号強度が最大になる位置が伝搬軸から遠くなる(非特許文献2)。ここで、OAMモードの値が大きい方を高次モードと称する。例えば、OAMモード3の信号は、OAMモード0、OAMモード1、OAMモード2の信号より、高次モードである。
【0008】
図6(3) は、OAMモードごとに信号強度が最大になる位置を円環で示すが、OAMモードが高次になるほど信号強度が最大になる位置が中心軸から遠くなり、かつ伝搬距離に応じてOAMモード多重信号のビーム径が広がり、OAMモードごとに信号強度が最大になる位置を示す円環が大きくなる。
【0009】
図7は、OAM多重信号を分離するためのUCAの位相設定例を示す。
図7において、受信側では、UCAの各アンテナ素子の位相を、送信側のアンテナ素子の位相と逆方向になるように設定し、各OAMモードの信号を分離する。すなわち、各アンテナ素子の位相は、
図5の場合と逆方向に回転するように設定し、例えばOAMモード2の信号を分離する場合は、位相が2回転するように、各アンテナ素子に時計回りに90度の位相差を設定する。
【0010】
OAM通信は、OAMモードの次数を高くすることにより、理論的には多重数を無限に増やすことができる。しかし、OAMモードが高次になるほど受信電力が低下するため(非特許文献3)、現実的に使えるOAMモードの数には制限がある。例えば、OAMモード±2までは所望の受信電力を満たすが、OAMモード±3より高いOAMモードは所望の受信電力を満たさない場合には、使えるOAMモードが2,1,0,−1,−2の5つに制限されることになる。
【0011】
一方、
図8に示すように、同心円状に複数のUCAを配置したM(Multi)−UCAを用い、UCA毎に所要の受信電力を満たすOAMモードを使うことで、多重数を増やすことができる。例えば互いに半径が異なる4個のUCA1,UCA2,UCA3,UCA4を用い、各UCAがOAMモード2,1,0,−1,−2を用いてそれぞれ異なる信号列を5多重伝送すると、4個のUCAの合計で20多重伝送が可能となる。この場合、OAMモード間の独立な特性により、各UCAの異なるOAMモード間では干渉が生じないが、各UCAの同一のOAMモード間では受信側にて干渉が生じるため、等化処理等により同一OAMモード間の信号を分離する必要がある。
【0012】
すなわち、M−UCAを構成するm個のUCAは、それぞれn個のOAMモードの信号を生成し、それらを同時に送信することにより、m×nの時系列データ(ストリーム)を空間多重して伝送することができる。上記の例では、送信側から4個のUCAと5個のOAMモードを用いて20ストリームの多重伝送を行った場合に、受信側では4個のUCAで受信するOAMモード2,1,0,−1,−2ごとに4個のストリームの分離処理を行うことで、20ストリームの信号を分離することができる。これにより、高次OAMモードを使わず、複数のUCAで低次OAMモードを複数送信し、同じOAMモード間のみで信号分離処理を行うことで、多重数を増やし、伝送容量を向上することができる。
【0013】
以下、単一のUCAを用いた伝送方法を「OAM通信」と称し、M−UCAを用いた伝送方法を「OAM−MIMO通信」と称する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
(OAM通信における課題)
OAM通信では、各OAMモードは独立のため、OAMモード間干渉除去は理論的には不要である。しかし、送受信UCAの軸ズレやRF回路の不完全性等により、OAMモード間で干渉が生じる場合には、このOAMモード間干渉を除去する必要が生じる。この干渉除去法として、各OAMモードの送信ストリームを従来のMIMO通信の各ストリームとしてみなし、従来のMIMO等化技術等で干渉除去を行う手法が考えられる。
【0016】
しかしながら、この干渉除去法では、多重数が増加すると演算量が多重数の3乗に比例し増加する課題がある。また、この干渉除去法の適用のためには、各OAMモードから他のすべてのOAMモードへの干渉の度合い、すなわちチャネル情報を取得する必要が生じる。そのため、多重数の増加に伴ってチャネル推定の負荷が多重数の2乗に比例して生じる課題がある。例えば、5個のOAMモードを用いて多重通信を行う場合、25個のチャネル情報の取得が必要となる。
【0017】
この干渉除去に必要な演算量の増加に対して受信装置の演算能力が一定の場合、送受信可能多重数が制限されて、伝送容量が低下する課題がある。また、一般的に、チャネル情報の取得は、送信装置が既知信号を送り、受信装置がその既知信号を用いてチャネル推定を行う。そのため、既知情報の量が増えると、送受信するデータ量が減ることになって伝送容量が低下することになる。また、チャネル推定に必要な演算量も増加する課題がある。また、干渉の度合いを周期的に把握し干渉除去処理を適応的に行う必要がある。
【0018】
(OAM−MIMO通信における課題)
送受信装置がそれぞれ、M−UCAを用いて多重伝送を行うOAM−MIMO通信では、理論的には、同一のOAMモード間の信号分離処理のみで、すべてのストリームの分離が可能である。ここで、同一のOAMモード間の信号分離処理は、同一のOAMモード間のチャネル情報を用いて、ZF(zero forcing)やMMSE(minimum mean square error) 手法など一般的に使われる等化手法と、MLD(Maximum likelihood decoding)、MDD(Minimum distance decoding)、VD(Viterbi decoder )等の無線通信システムにおいて、一般的に用いられる等化・分離手法が想定される。
【0019】
しかしながら、軸ズレやRF回路等によりOAMモード間干渉が生じると、同一OAMモード間の信号分離以外にも、OAM通信における課題と同様に、異なるOAMモード間の干渉除去処理を行う必要が生じる。この干渉除去法として、M−UCAの各OAMモードの送信ストリームを従来のMIMO通信の各ストリームとしてみなし、従来のMIMO等化技術等で干渉除去を行う手法が考えられる。しかしながら、この干渉除去法では、OAM通信における課題と同様に、多重数が増加すると演算量が多重数の3乗に比例し増加し、チャネル推定の負荷が多重数の2乗に比例して増加する課題がある。これらにより、伝送容量が低下する課題がある。また、干渉の度合いを周期的に把握し干渉除去処理を適応的に行う必要がある。
【0020】
このように、OAM通信およびOAM−MIMO通信において、OAMモード間干渉が生じる場合、多重数の増加に伴いOAMモード間干渉除去に必要な演算量が増加する。また、OAMモード間干渉除去のため必要なチャネル推定負荷も増加する。
【0021】
本発明は、OAM通信およびOAM−MIMO通信において、OAMモード間干渉が生じる場合に、多重数の増加に伴いOAMモード間干渉除去に必要な演算量を削減し、さらにOAMモード間干渉除去に必要なチャネル推定負荷も軽減することができるOAM多重通信システムおよびOAM多重通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1
−1の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、
該所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード組数に応じて指定されたOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備える。
【0023】
第1−2の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備え、干渉除去手段は、各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その最大干渉信号電力が所定の閾値1以下の場合は、OAMモード間の干渉除去処理を行わずに、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段1と、各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2以下の場合は、干渉信号電力が閾値1以下のOAMモード間を除くOAMモード間のみの干渉除去処理を行い、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段2と、各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2より大きい場合は、各OAMモードのすべての受信信号とすべてのOAMモード間のチャネル情報を用いて干渉除去処理を行い、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段3とを備える。
【0024】
第1−3の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備え、干渉除去手段は、所定の時間間隔ごとにすべてのOAMモード間のチャネル情報を取得し、その区間は、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間のみのチャネル情報を取得する構成である。
【0025】
第2の発明は、同心円状に配置した複数のUCAからなるM−UCAを送信装置と受信装置に備え、送信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を受信して分離し、UCA数×OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信システムにおいて、受信装置は、送信装置は各UCAの各OAMモード間のチャネル情報を用いて、各UCAで受信する同一OAMモード間の信号分離を行うとともに、所定の閾値3より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う干渉除去手段を備える。
【0026】
第2の発明のOAM多重通信システムにおいて、干渉除去手段は、複数のUCAの各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その最大干渉信号電力が所定の閾値3以下の場合は、OAMモード間の干渉除去処理を行わずに、各UCAにおける同一OAMモード間の等化処理による信号分離処理を行い、分離後の各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段1と、複数のUCAの各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その干渉信号電力が閾値3より大きいOAMモード組数が所定の閾値4以下の場合は、干渉信号電力が閾値3以下のOAMモード間を除くOAMモード間のみの干渉除去処理を行い、各UCAの各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段2と、複数のUCAの各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、その干渉信号電力が閾値3より大きいOAMモード組数が所定の閾値4より大きい場合は、各UCAの各OAMモードのすべての受信信号と、すべてUCAのOAMモード間のチャネル情報を用いて干渉除去処理を行い、各UCAの各OAMモードの受信信号の復調処理を行う処理手段3とを備える。
【0027】
第2の発明のOAM多重通信システムにおいて、干渉除去手段は、所定の時間間隔ごとにすべてのOAMモード間のチャネル情報を取得し、その区間は、所定の閾値3より大きい干渉を及ぼすOAMモード間のみのチャネル情報を取得する構成である。
【0028】
第3
−1の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、
該所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード組数に応じて指定されたOAMモード間の干渉除去処理を行う。
第3−2の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行った上で、各OAMモードの受信信号の復調処理を行い、干渉除去処理では、各OAMモード間の干渉信号電力を計算し、計算された最大干渉信号電力が所定の閾値1以下の場合は、OAMモード間の干渉除去処理を行わず、計算された干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2以下の場合は、干渉信号電力が閾値1以下のOAMモード間を除くOAMモード間のみの干渉除去処理を行い、計算された干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2より大きい場合は、各OAMモードのすべての受信信号とすべてのOAMモード間のチャネル情報を用いて干渉除去処理を行う。
第3−3の発明は、送信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置のUCAで複数のOAMモードの信号を受信して分離し、OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、受信装置は、OAMモード間のチャネル情報を用いて、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行い、干渉除去処理では、所定の時間間隔ごとにすべてのOAMモード間のチャネル情報を取得し、その区間は、所定の閾値1より大きい干渉を及ぼすOAMモード間のみのチャネル情報を取得する。
【0029】
第4の発明は、同心円状に配置した複数のUCAからなるM−UCAを送信装置と受信装置に備え、送信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を生成して送信し、受信装置の各UCAでそれぞれ複数のOAMモードの信号を受信して分離し、UCA数×OAMモード数の信号を空間多重伝送するOAM多重通信方法において、受信装置は、送信装置は各UCAの各OAMモード間のチャネル情報を用いて、各UCAで受信する同一OAMモード間の信号分離を行うとともに、所定の閾値3より大きい干渉を及ぼすOAMモード間を判定し、そのOAMモード間の干渉除去処理を行う。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、OAM多重通信システムにおいて、軸ズレやRF回路の不完全性が生じる場合、多重数が増加しても、干渉除去処理に要する演算量の軽減ができる。また、チャネル情報取得の負荷を軽減することができる。これらにより、低演算量で、多重数を増やすことができ、伝送容量を向上する効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に示す実施形態では、単一のUCAまたはM−UCAで構成される送信アンテナと受信アンテナの中心は、GPS情報やその他計測手法を用いてそれぞれの伝搬方向が一致し、送信アンテナと受信アンテナは伝搬直交平面に配置されるものとする。しかしながら、GPS情報の誤差やそのたアンテナ配置の誤差により、送信アンテナと受信アンテナの中心のズレ(軸ズレ)が起こり得る場合を想定する。
【0033】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、OAM通信における課題を解決する実施形態である。
図1は、本発明の第1の実施形態における送受信装置の概要を説明する。
図1(1),(2) は、OAMモードn〜OAMモード−nを伝送する場合における送信装置と受信装置を示す。
【0034】
図1(1) において、送信装置は、デジタル信号処理部11、RF処理部12、送信アンテナ部13を備える。デジタル信号処理部11は、データの変調や複数のOAMモードで送信するストリーム生成などの通信に必要なデジタル信号処理を行う。RF処理部12は、周波数変換、RFフィルタリングなどのアナログ処理を行う。送信アンテナ部13は、UCAにより複数のストリームを送信する。
【0035】
図1(2) において、受信装置は、受信アンテナ部21、RF処理部22、デジタル信号処理部23を備える。受信アンテナ部21は、UCAにより複数のOAMモードの信号を受信する。RF処理部22は、受信信号の周波数変換、RFフィルタリングなどのアナログ処理を行う。
【0036】
ここで、送信アンテナ部13および受信アンテナ部21は、OAM通信の場合は、単一のUCAで構成される。デジタル信号処理部23は、SIC等によりOAMモード間の干渉除去処理を行う。チャネル推定を行う際には、送信装置のデジタル信号処理部11は、既知信号を生成し送信し、受信装置のデジタル信号処理部23は、この既知信号の情報を用いて,チャネル推定を行う。
【0037】
図2は、第1の実施形態における受信装置のデジタル信号処理部23の構成例を示す。
図2において、デジタル信号処理部23は、既知信号・データ信号分離部231と、チャネル推定部232と、干渉除去処理判定部233と、復調処理部234と、干渉除去処理部235から構成かれる。既知信号・データ信号分離部231は、RF処理部22から入力した信号を既知信号とデータ信号に分離し、データ信号を復調処理部234に出力し、既知信号をチャネル推定部232に出力する。チャネル推定部232は、既知信号を用いてOAMモード間のチャネル推定を行い、その結果を干渉除去処理判定部233と復調処理部234と干渉除去処理部235に出力する。
【0038】
干渉除去処理判定部233は、チャネル推定の結果と干渉除去処理部235の出力結果を参照し、干渉除去処理の有無を判定し、その結果をチャネル推定部232と、干渉除去処理部235と、復調処理部234に出力する。復調処理部234は、干渉除去処理判定部233の結果を参照し、チャネル推定結果を用いてデータ信号の復調処理を行い、その結果を外部に出力する。同時に、入力データと復調結果を干渉除去処理部235に出力する。干渉除去処理部235は、干渉除去処理判定部233の判定結果を参照し、チャネル推定の結果と復調処理部234の出力信号を用いて干渉除去処理を行う。
【0039】
図3は、第1の実施形態における受信装置のデジタル信号処理部23の処理手順を示す。
図2および
図3において、既知信号・データ信号分離部231は、受信装置のRF処理部22から出力されるOAMモードごとの信号を入力する(S11)。ここで、既知信号は、チャネル推定用既知信号や同期検出用の信号等のデータ信号以外のすべてのコントロール信号を表す。本発明の範囲外である同期検出等の処理は、この既知信号・データ信号分離部231において、あらかじめ決められている通信規格に沿って行われるものにする。本発明では、チャネル推定用の既知信号を対象とする。すなわち、既知信号・データ信号分離部231は、コントロール信号の内、チャネル推定用の既知信号をチャネル推定部232に出力し、コントロール信号以外のデータ信号を復調処理部234に出力する(S12)。OFDMのように、FFT処理が必要な場合は、既知信号・データ信号分離部231は、FFT処理を行ってから既知信号とデータ信号に分離する。
【0040】
次に、チャネル推定部232は、既知信号・データ信号分離部231が出力するチャネル推定用の既知信号を用いてチャネル推定を行う(S13)。チャネル推定処理は、既知信号を用いて、すべてのOAMモードからすべてのOAMモードに対するチャネルに関し、ZFやMMSE等の手法で行えばよい。チャネル推定部232は、このチャネル推定処理結果を干渉除去処理判定部233と復調処理部234に出力する。
【0041】
干渉除去処理判定部233は、各OAMモード間のチャネル推定結果を用いて、各OAMモード間の干渉信号電力を計算する(S14)。この干渉信号電力は、チャネル推定の結果の値の絶対値の2乗等の尺度で計算すればよい。各OAMモード間の干渉信号電力の最大値である最大干渉信号電力が、所定の閾値1より大きいか否かを判定する(S15)。最大干渉信号電力≦閾値1の場合は、パターン1−1の復調処理を行う(S16)。最大干渉信号電力>閾値1の場合は、各OAMモード間の干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組の数が、所定の閾値2より大きいか否かを判定する(S17, S18)。OAMモード組数≦閾値2の場合は、パターン1−2の復調処理を行う(S19)。OAMモード組数>閾値2の場合は、パターン1−3の処理を行う(S23)。
【0042】
このパターン1−1,パターン1−2,パターン1−3の判定結果は、チャネル推定部232と復調処理部234と干渉除去処理部235に入力する。
【0043】
すなわち、パターン1−1の復調処理(S16)では、受信側における各OAMモード間の最大干渉信号電力が所定の閾値1以下の場合に、OAMモード間の独立性が保たれていると判断し、OAMモード間の干渉除去処理を行わずに、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う。
【0044】
パターン1−2の復調処理(S19)では、受信側における各OAMモード間の最大干渉信号電力が所定の閾値1より大きく、かつ干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2以下の場合に、まずOAMモード間の干渉除去処理を行わずに各OAMモードの受信信号の復調を行う。次に、復調した信号を用いて元の信号のレプリカを生成し(S20)、このレプリカとチャネル推定情報を用いて、各OAMモード間でSIC等の手法により干渉除去処理を行い(S21)、その後に各OAMモードの受信信号の復調処理を行う(S22)。このとき、演算量の削減のため、干渉信号電力が閾値1以下OAMモード間の干渉除去処理は行わない。これは、それらのOAMモード間の干渉は小さいため、干渉除去処理をしなくても、性能劣化は許容範囲に収まるためである。
【0045】
パターン1−3の処理では、受信側における各OAMモード間の最大干渉信号電力が所定の閾値1より大きく、かつ干渉信号電力が閾値1より大きいOAMモード組数が所定の閾値2より大きい場合に、各OAMモードのすべての受信信号とすべてのOAMモード間のチャネル情報を用いて、ZF等の等化手法により干渉除去処理を行い(S23)、その後に各OAMモードの受信信号の復調処理を行う(S24)。
【0046】
ここで、チャネル推定部232は、パターン1−1とパターン1−2の場合、復調処理と干渉除去処理に必要なチャネルのみのチャネル推定処理を行うことで、演算量を削減する。すなわち、あらかじめ決められた周期ごとには、すべてのOAMモードのすべてのOAMモードに対するチャネル推定処理を行うが、その周期内では、復調処理と干渉除去処理に必要なチャネルのみのチャネル推定処理を行う。例えば、パターン1−1の場合、チャネル情報取得の負荷を削減するため、異なるOAMモード間のチャネル推定処理を省略してもよい。また、パターン1−2の場合も、SIC処理を行わないOAMモード間のチャネル推定処理を省略してもよい。このようにチャネル推定部232が必要なチャネルの推定処理のみを行う場合、干渉除去処理判定部233は、チャネル推定部232が行ったチャネル推定計算結果のみを用いて、パターン1−1〜1−3の判定を行う。
【0047】
(復調処理部234の動作)
次に、復調処理部234の動作について詳しく説明する。復調処理部234は、既知信号・データ信号分離部231が出力するデータ信号と、チャネル推定部232が出力するチャネル情報を用いて復調処理を行う。ここで、干渉除去処理判定部233から復調処理部234にパターン1−1の結果が入力すると、他のOAMモードからの干渉除去処理を行わずに、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う。
【0048】
また、干渉除去処理判定部233にパターン1−2の結果が入力すると、まず各OAMモードの受信信号の復調処理を行い、その結果を干渉除去処理部235に出力する。また、パターン1−2の場合は、既知信号・データ信号分離部231が復調処理部234に出力したデータ信号も合わせて干渉除去処理部235に出力する。ここで、干渉除去処理部235は、各OAMモード間でSIC等の手法により干渉除去処理を行い、その結果を再び復調処理部234に入力する。復調処理部234は、干渉除去処理部235から入力する信号を用いて、再び各OAMモードの復調処理を行う。この過程を繰り返すことで、干渉除去処理の性能を向上することができる。この繰り返し処理において、繰り返しの数は、あらかじめ決められた数分だけ行うこともできるし、干渉除去処理部235が繰り返し処理をする中で、n回目のレプリカとn+1回目のレプリカの差があらかじめ決められた閾値より小さくなると繰り返し処理を終了することもできる。
【0049】
また、干渉除去処理判定部233にパターン1−3の結果が入力すると、各OAMモード間のチャネル情報を用いて、ZFやMMSE法により等化処理を行い、干渉除去処理を行ってから、各OAMモードの受信信号の復調処理を行う。
【0050】
(干渉除去処理部235の動作)
次に、干渉除去処理部235の動作について詳しく説明する。干渉除去処理部235は、干渉除去処理判定部233からパターン1−2の結果が入力すると、復調処理部234からの入力信号と、チャネル推定部232からのチャネル推定結果を用いて、干渉除去処理を行う。ここで、干渉除去処理判定部233の判定結果がパターン1−2の場合、干渉除去処理を要するOAMモード組に関する情報を干渉除去処理部235に入力する。また、チャネル推定部232は、このパターン1−2の場合、干渉除去処理を要するOAMモード組のみのチャネル推定結果を干渉除去処理部235に入力してもよい。干渉除去処理部235は、まず復調処理部234が出力する復調後の信号とチャネル推定結果を用いて、元の信号のレプリカを生成する。ここで生成するレプリカは、干渉を及ぼすと判断されるOAMモード組のみを生成すればよい。例えば、OAMモード1からOAMモード2への干渉量が閾値1より高い場合、OAMモード1の復調信号と、OAMモード1からOAMモード2へのチャネル情報を用いて、OAMモード1からOAMモード2への干渉に相当するレプリカを生成する。
【0051】
次に、データ信号のOAMモード2の信号からこのレプリカを引き算する。このように、干渉除去処理の対象となるOAMモードのレプリカを生成し、データ信号から引き算した結果を再び復調処理部234に出力する。復調処理部234は、干渉除去処理部235から入力する信号を用いて改めて復調処理を行い、その復調結果を再び干渉除去処理部235に入力する。このような過程を繰り返すことにより、干渉除去性能を改善する。この繰り返し処理は、前述のようにあらかじめ決めた数の繰り返し後に終了してもよいし、元のデータ信号からレプリカ信号の引き算後の信号の、各繰り返し過程の差を計算し、その差があらかじめ決めた閾値より小さくなると、繰り返し処理を終了してもよい。また、繰り返しSIC処理に一般的に使われる終了法により終了してもよい。
【0052】
以下、第1の実施形態の処理について数式を用いて説明する。以下の例では、5個のOAMモード−2,−1,0,1,2を用いてOAM通信を行う場合を想定する。なお、送信信号をXi とし、受信信号をYj とする。ここで、iとjは、OAMモードの次数を表す。また、送信OAMモードiと受信OAMモードj間のチャネルをHj,i と表す。なお、送受信信号は、OFDM方式等のように周波数領域にてデータ変復調を行う通信方式を想定するが、SC(single carrier)方式等のように時間領域にてデータを変復調する通信方式への適用も同様に可能である。
【0053】
受信装置のRF処理部22の出力信号は、以下の式(1) のようになる。ここでは、OFDMの複数のキャリアの内、1個のサブキャリアについて記述するが、他のサブキャリアの同様の手法を適用すればよい。なお、送信側がチャネル推定用の信号とデータ信号を時系列に交互に分けて送信する場合は、チャネル推定用の信号間では、チャネルの変動はないと想定する。すなわち、チャネル推定用の信号を用いてチャネル推定を行ってからそのチャネル推定結果を用いて、データ信号の干渉分離・等化・復調処理を行う際には、チャネル情報は変わらないと想定する。また、チャネル推定用の信号とデータ信号の周波数領域に分けて伝送する場合、すなわち、複数のサブキャリアの内、一部のサブキャリアで既知信号を送信し、残りのサブキャリアでデータ信号を送信する場合は、既知信号を用いてチャネル推定を行い、その結果から内挿(interpolation )等の手法によりデータ信号のサブキャリアのチャネル推定を行うものとする。なお、時間領域と周波数領域を合わせて既知信号を挿入する方式も同様に既知信号を用いてチャネル推定を行い、周波数領域では、内挿等によりデータ信号のサブキャリアのチャネル推定を行い、時間領域では、次回の既知信号と間ではチャネルは変わらないと想定してもよい。
【0054】
なお、既知信号とデータ信号の挿入の方法は、本発明の範囲外の各種類の無線通信方式を採用すると想定する。一般的に使われるの無線通信方式は、既知信号でチャネル推定を行い、内挿やチャネルが変動しない前提で、その推定したチャネル情報を用いてデータ信号の等化処理を行っても問題が生じないように設計されているため、前述のように想定してもよい。
【0056】
ここで、Nk は、受信側のOAMモードkでの雑音を表す。既知信号・データ信号分離部231は、式(1) が表す受信信号の内、チャネル推定用の既知信号とデータ信号を分離し、チャネル推定部232に入力する。チャネル推定用の送信信号、すなわち、式(1) のXi が既知であるため、チャネル推定部232は受信信号と既知信号を用いて、ZF方法等にチャネル推定を行うことができる。この動作によりすべてのHj,i の推定ができる。このチャネル推定処理の結果は、干渉除去処理判定部233に入力される。
【0057】
干渉除去処理判定部233は、すべてのHj,i の絶対値(もしくは絶対値の2乗)と、あらかじめ決められた閾値1との比較を行い、パターン1−1、パターン1−2、パターン1−3の判定を行う。
【0058】
パターン1−1の場合は、他のOAMモードからの干渉を無視してもよいため、復調処理部234は、同一OAMモード間のチャネル情報のみを用いて、チャネル等化処理を行ってから、既知信号・データ信号分離部231から入力するデータ信号に対して復調処理を行う。例えば、ZFによる等化処理の場合、式(2) の復調処理を行う。次に、その結果であるを用いて復調処理を行う。式(2) のXi は、OAMモードiの送信信号の等化処理後の値を表し、式(3) のXi は、式(2) のXi の復調後の信号を表す。なお、Xの上につく「^」や「・」は文中では省略している(以下同様)。また、demod( )は、チャネル符号の復号処理等を含む復調処理を表す。
【0061】
パターン1−2の場合は、まず式(2) のように他の干渉を無視してから各OAMモードの等化処理と復調処理を行い、それらの結果を用いて、レプリカを生成し、干渉除去処理の対象となるOAMモード組の干渉除去処理を行う。ここで、干渉除去処理の対象でないOAMモード間の干渉は雑音とみなす。
【0062】
例えば、干渉除去処理の対象となるOAMモード組が、(-2,0)、(-2,2)、(-1,1)、(0,-2)、(0,2) 、(1,-1)、(2,-2)の場合を示す。ここで、(i,j) は、送信OAMモードiから受信OAMモードjへの干渉を表す。この場合、SIC処理の対象となる式を式(4) に示す。
【0064】
ここで、干渉除去処理の対象でないOAMモード間の干渉は雑音とみなしたため、式(1) の中の干渉除去処理の対象でないOAMモード間の干渉を表す項は、式(4)では雑音と
して表現されている。すなわち、(Nj)’は、雑音とみなされた干渉を含む受信OAMモ
ードjの雑音を表す。SIC処理後の信号は式(5) のように計算する。
【0066】
ここで、mod(Xi )は、送信側のOAMモードiの信号のレプリカである。なお、mod(Xi )は、送信装置が行ったチャネル符号化処理を含む変調処理を表す。次に、干渉除去処理は、式(5) の計算結果(Y-2,Y-1,Y0 ,Y1 ,Y2 )を復調処理部234に入力する。信号復調部234は、式(6) のように等化処理を行う。次に、式(6) の結果を用いて、式(3) で表す復調処理を改めて行う。
【0068】
このパターン1−2では、このような復調処理とレプリカ生成による干渉処理を繰り返して行う。繰り返しの終了は、前記のように所定回数だけ行ってもよいし、前回の繰り返し処理から、次の繰り返し処理の結果の差分が一定値以内になるまで続けてもよい。たとえば、式(5) のYj 、もしくは式(2) のXi または式(3) のXi の差分から、繰り返し処理の終了を判断してもよい。また、このSIC処理に必要なチャネルのみの推定処理を行うことで、チャネル推定の演算量を軽減することができる。
【0069】
パターン1−3の場合は、式(1) のすべての項を用いて、ZFやMMSE等によりすべてのOAMモードの信号に対し、同時に等化処理を行ってから、各OAMモードの復調処理を行う。
【0070】
このように、軸ズレやRFの不完全性によりOAMモード間の干渉が生じた場合、本発明により各OAMモード間の干渉量を考慮して、その処理を要するOAMモード間のみで行うことにより、干渉除去に必要な演算量を削減することができる。また、チャネル推定の演算量の削減も可能となる。特に、GPSや工学位置調整器なのにより、荒い軸ズレはできたが、精密な軸合わせができなかった場合等、パターン1−2が主となる無線通信環境では、特に演算量の削減効果が大きくなる。また、チャネルの時変動により。パターン1−1,1−2,1−3が時変動する場合、本発明によりチャネル状況に合わせて、適切にOAMモード間干渉除去処理を行うことができるため、常に干渉除去処理をしない手法に比べて性能改善効果が得られ、また、常にすべてのOAMモードに対する干渉除去処理を行う手法に比べて、演算量削減ができる。
【0071】
(閾値1と閾値2の設定例)
閾値1と閾値2は、OAM通信の要求性能、チャネルの特性等を考慮し、本発明と別途の手法で決めればよい。
【0072】
例えば、閾値1は、あらかじめ決められているSIR(signal to interference ratio; 干渉と信号の電力比率)から決めることができる。例えば、SINRが10dB以上必要となる設計されたシステムの場合は、閾値1は、信号電力より10dB低くなるように設定される。
【0073】
閾値2は、すべてのOAMモードの等化処理を行う場合と、SIC処理を行う場合の演算量を比較し、SIC処理をする場合の演算量が大きくならないように設定することができる。例えば、5個のOAMモードを用いて通信をする場合、すべてのOAMモードを用いる等化処理の演算量は、OAMモード数5の3乗で 125となる。SIC処理の演算量はSIC処理の手法により異なるが、例えばSIC処理の対象のOAMモード数の 3.5乗の手法を使う場合の等化処理の演算量は、SIC処理の対象のOAMモード数4の 3.5乗で 128となり、5個すべてのOAMモードを用いる等化処理の演算量 125より大きくなるため、閾値2は「3」と設定される。
【0074】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、OAM−MIMO通信における課題を解決する実施形態である。
図4は、本発明の第2の実施形態における送受信装置の概要を説明する。
図4(1),(2) は、複数のUCAを用いて、かつ各UCAがOAMモードnからOAMモード−nを伝送する場合における送信装置と受信装置を示す。
【0075】
図4(1) において、送信装置は、デジタル信号処理部31、RF処理部32、送信アンテナ部33を備える。デジタル信号処理部31は、データの変調や複数のUCA#1〜#mから送信する各OAMモードの信号生成などの通信に必要なデジタル信号処理を行う。RF処理部32は、周波数変換、RFフィルタリングなどのアナログ処理を行う。送信アンテナ部33は、複数のUCA#1〜#mから各OAMモードの信号を送信する。
【0076】
図4(2) において、受信装置は、受信アンテナ部41、RF処理部42、デジタル信号処理部43を備える。受信アンテナ部41は、複数のUCA#1〜#mで各OAMモードの信号を受信する。RF処理部32は、周波数変換、RFフィルタリングなどのアナログ処理を行う。
【0077】
第2の実施形態では、M−UCAを構成するUCAごとに、第1の実施形態と同様のRF処理部32,42、送信アンテナ部33および受信アンテナ部41を備え、デジタル信号処理部43にて本実施形態に必要な信号分離・等化・干渉除去・復調処理を行う構成でもよい。
【0078】
ここで、送信アンテナ部33および受信アンテナ部41は、OAM−MIMO通信の場合は、M−UCAで構成される。複数のUCA#1〜#mが送信する同一OAMモードの複数の信号を、デジタル信号処理部43がOAMモードごとにZFやMMSE手法などによる等化処理により分離する。また、第1の実施形態のパターン1−2と同様のパターン2−2の場合は、SIC等による干渉除去処理を行う。チャネル推定を行う際には、送信装置のデジタル信号処理部31が既知信号を生成し送信し、受信装置のデジタル信号処理部43がこの既知信号の情報を用いて,チャネル推定を行う。また、第1の実施形態のパターン1−3と同様のパターン2−3の場合は、すべてのUCAのすべてのOAMモードを用いて干渉除去処理を行う。
【0079】
受信装置のデジタル信号処理部43の構成は、
図2に示す第1の実施形態のデジタル信号処理部23と同様である。受信装置のデジタル信号処理部43の処理手順は、
図3に示す第1の実施形態の処理手順と同様である。ただし、閾値1を閾値3、閾値2を閾値4と読み替える。
【0080】
以下、
図2および
図3を参照して、第2の実施形態の動作例について説明する。受信装置のRF処理部42の出力信号は、デジタル信号処理部43の既知信号・データ信号分離部231に入力する。ここで、すべてのUCAのすべてのOAMモードの信号は、既知信号・データ信号分離部231に入力し、既知信号はすべてのUCAのすべてのOAMモード毎に、異なるチャネル推定用既知信号や同期検出用のコントロール信号等で構成される。
【0081】
次に、チャネル推定部232は、既知信号・データ信号分離部231が出力するチャネル推定用既知信号を用いてチャネル推定を行う。チャネル推定処理は、既知信号を用いて、各UCAの各OAMモードに対するチャネルに関し、ZFやMMSE等の手法で行えばよい。チャネル推定部232は、このチャネル推定処理結果を干渉除去処理判定部233と復調処理部234と干渉除去処理部235に出力する。
【0082】
干渉除去処理判定部233は、各UCAの各OAMモード間のチャネル推定結果を用いて、各UCAと各OAMモード間の干渉量を計算する。この干渉量は、第1の実施形態のようにチャネル推定計算後の値の絶対値、もしくはその2乗等で計算すればよい。
【0083】
各UCAの各OAMモード間の最大干渉信号電力が所定の閾値3より大きいか否かを判定する。また、各OAMモード間の干渉信号電力が閾値3より大きいOAMモード組の数が所定の閾値4より大きいか否かを判定する。この結果により、第1の実施形態のパターン1−1,1−2,1−3と同様のパターン2−1,2−2,2−3を判定し、判定結果をチャネル推定部232と復調処理部234と干渉除去処理部235に出力する。
【0084】
ここで、チャネル推定部232は、パターン2−1と2−2の場合、第1の実施形態のように、復調処理と干渉除去処理に必要なチャネルのみのチャネル推定処理を行うことで、演算量を削減する。また、このようにチャネル推定部232が必要なチャネルの推定処理のみを行う場合は、第1の実施形態のように、干渉除去処理判定部233は、チャネル推定部232が行ったチャネル推定計算結果のみを用いて、パターン2−1,2−2,2−3の判定を行う。
【0085】
復調処理部234は、既知信号・データ信号分離部231が出力するデータ信号と、チャネル推定部232が出力するチャネル情報を用いて復調処理を行う。すなわち、復調処理部234は、干渉除去処理判定部233からパターン2−1の結果が入力すると、他のUCAの他のOAMモードからの干渉除去処理を行わずに、各UCAから同一OAMモードを用いて送信されたことなる信号間の等化処理を行う。この処理は、ZF等の手法により行えばよい。この処理はOAMモードごとに行う。次に、等化処理後の結果を用いてすべてのデータの復調処理を行う。
【0086】
また、干渉除去処理判定部233からパターン2−2の結果が入力すると、まず、各UCAの同一OAMモード間の等化処理と復調処理を行い、その結果を干渉除去処理部235に出力する。また、パターン2−2の場合は、第1の実施形態のように、既知信号・データ信号分離部231が復調処理部234に出力したデータ信号(復調対象のデータ部分の信号)も合わせて干渉除去処理部235に出力する。ここで、干渉除去処理部235は、SIC処理等による干渉除去処理を行い、その結果を再び復調処理部234に入力する。復調処理部234は、干渉除去処理部235から入力する信号を用いて、再び各UCAの同一OAMモード間の等化処理と復調処理を行う。この過程を繰り返すことで、干渉除去処理の性能を向上することができる。該繰り返し処理の終了は、第1の実施形態と同様に行えばよい。
【0087】
また、干渉除去処理判定部233からパターン2−3の結果が入力すると、各UCAの各OAMモードに対するチャネル情報を用いて、ZFやMMSE法により等化処理を行い、干渉除去処理を行ってから各OAMモードの復調処理を行う。
【0088】
干渉除去処理部235の処理は、第1の実施形態と同様である。本実施形態において、複数のUCAから複数のOAMモードを用いて複数の信号を送受信することは、単一のUCAを用いる第1の実施形態と異なるが、第1の実施形態の復調信号とチャネル情報を用いてレプリカを生成し、受信信号からレプリカを引き算してから、改めて、等化処理と復調処理を行う過程を繰り返すことは同様である。
【0089】
以下、第2の実施形態の例を数式を用いて説明する。以下の例では、4個のUCAが、それぞれ5個のOAMモード2,1,0,−1,−2を用いてOAM通信を行う場合を想定する。なお、送信側のUCAをTx UCA と称し、受信側のUCAをRx UCA と称する。また、簡単のため
図8に示すように、直径が小さいUCAから大きいUCA順にUCA1,2,3,4の番号を付ける。すなわち、Tx UCA3は、送信側の3番目のUCAを表す。なお、k番目のUCAkの送信信号をXi
k とし、l番目のUCAlの受信信号をYj
l とする。ここで、iとjは、OAMモードの次数を表す。例えば、X-1
2 とY1
3は、それぞれ、Tx UCA2のOAMモード2の送信信号と、Rx UCA3のOAMモード1の受信信号を表す。
【0090】
また、送信UCAk の送信OAMモードiと受信UCAl のOAMモードj間のチャネルをHi,j
l,k と表す。なお、送受信信号は、第1の実施形態のように、OFDM方式等のように周波数領域にてデータ変復調を行う通信方式を想定するが、SC(single carrier)方式等のように時間領域にてデータを変復調する通信方式への適用も同様に可能である。
【0091】
本実施形態では、各UCAの各OAMモードが異なる信号を送信する通信システムを想定するが、受信電力向上等に向け、UCAの一部のみを用いて通信を行うことや、ダイバーシティ(diversity) 等の目的に向け各UCAの同一OAMモードで同一の信号を送信することも可能である。また、送信側の各UCAの同一OAMモードに送信事前処理(プリコーディング)処理を行い、その結果を各UCAの同一OAMモードが送信することもできる。すなわち、本実施形態では、送信UCAの同一OAMモードは異なる信号を送信し、受信側のUCAのそのOAMモードの信号の等化処理による信号分離を想定するが、送信側がチャネル情報を用いて、事前に等化処理等の事前処理を行う送信することもできる。この場合、受信側の等化処理の必要性がなくなるため、送受信側の信号処理負荷の分担ができる長所がある。
【0092】
受信装置のRF処理部42の出力信号の式は、以下の式(7) ようになる。本実施形態でも、第1の実施形態のように、チャネル推定用の既知信号とデータ信号を交互に入力する手法や、OFDMの複数のキャリアの一部にチャネル推定用の既知信号を挿入し、内挿(interpolation )等の手法によりチャネル推定を行う手法等が適用できる。
【0094】
ここで、Nj
l は、受信側のl番目のUCAlのOAMモードjの雑音成分を表す。ここで、チャネル推定部は、既知信号を用いてチャネル推定を行う。すなわち、各UCAの各OAMモード間のチャネル推定を行い、Hi,j
l,k 部分を計算する。チャネル推定処理の結果は干渉除去処理判定部に入力される。
【0095】
干渉除去処理判定部は、すべてのHi,j
l,k の絶対値(もしくは絶対値の2乗)と、所定の閾値3との比較を行い、パターン2−1,2−2,2−3の判定を行う。
【0096】
パターン2−1の場合は、各UCAの異なるOAMモードからの干渉を無視してもよい。すなわち、式(7) を式(8) のように、OAMモードごとに分離して考えてもよい。
【0098】
ここで、(Nj
l)'は、パターン2−1におけるl番目の受信UCAlのOAMモードj
の雑音を表す。このパターンでは、異なるOAMモード間の干渉は無視するため、無視される他のOAMモードからの干渉も雑音成分に含めて表す。次に、受信側の各UCAの同一OAMモード間の信号の等化処理を行う。すなわち、式(9) のようにOAMモードごとの等化処理を行う。
【0100】
ここで、Eq( )は等化処理を表す。なお、式(9) のXi
kは、k番目の送信UCAkのO
AMモードiの送信信号の等化処理後の値を表す。なお、Xの上につく「^」や「・」は文中では省略している(以下同様)。この等化処理は、チャネル推定結果と受信UCAの信号を用いて、ZFやMMSE等の手法により行えばよい。
【0101】
次に、等化処理後の結果を用いて復調処理を行う。式(10)のXi
kは、k番目の送信UC
AkのOAMモードiの送信信号の等化処理後の信号の復調信号を表す。なお、demod( )は、チャネル符号の復号処理等を含む復調処理を表す。
【0103】
パターン2−2の場合は、まず、式(8) のように各UCAの異なるOAMモードからの干渉を無視してから、式(9) と式(10)のように、各UCAの同一OAMモード間の等化処理と復調処理を行い、それらの結果を用いてレプリカを生成し、干渉除去処理の対象となるOAMモード組の干渉除去処理を行う。ここで、干渉除去処理の対象でないOAMモード間の干渉は雑音とみなす。式(7) の受信信号を、各送信UCAの異なるOAMモードからの干渉成分と同一OAMモードからの信号に分けると式(11)となる。
【0105】
式(11)には、各UCAの異なるOAMモードからの信号がすべて表されているが、干渉除去処理判定部により、干渉除去処理対象となる信号のみを残し、式(12)のように、他の干渉除去処理の対象でないOAMモード間の干渉は雑音とみなす。
【0107】
ここで、第2項のIは、干渉除去処理判定部により干渉除去対象となるOAMモードの
総数を表し、(Nj
l)
* は、それに含まれてない干渉成分を雑音としてみなした場合の雑
音を表す。本パターンのSIC処理後の信号は式(13)のように計算する。
【0109】
ここで、Yj
lは、受信装置のl番目のUCAlのOAMモードjのSIC処理後の結果を表す。なお、mod(Xi
k)は、送信側のk番目のUCAkのOAMモードiの送信信号の
レプリカを表す。mod( ) は、送信装置が行ったチャネル符号化処理を含む変調処理を表す。すなわち、式(13)は、式(10)の復調後の信号と、チャネル推定結果と、SIC処理対象をOAMモード組を表すIを用いて、信号のレプリカを生成し、受信信号がらそのレプリカを引き算する処理を表す。
【0110】
次に、干渉除去処理は、式(13)の計算結果(Y-2
1 ,Y-1
1 ,Y0
1 ,Y1
1 ,Y2
1)を
復調処理部に入力する。ここで、lは受信UCAlの数を意味するため、この例では、20個の計算結果が入力される。
【0111】
信号復調部は、式(14)のように等化処理を行う。
【数14】
【0112】
ここで、式(9) では、Yj
l を用いて等化処理を行っていたが、式(14)では、SIC処理後の結果であるを用いて等化処理を行う。
【0113】
次に、式(14)の結果を用いて、式(10)で表す復調処理を改めて行う。このパターン2−2では、このような復調処理とレプリカ生成による干渉処理を繰り返して行う。繰り返しの終了は、実施形態1と同様にすればよい。
【0114】
パターン2−3では、式(7) のすべての項を用いて、ZFやMMSE等によりすべてのOAMモードの信号に対し、同時に等化処理を行ってから、各OAMモードの復調処理を行う。
【0115】
このような第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果がある。すなわち、本発明により、軸ズレやRFの不完全性によりOAMモード間の干渉が生じた場合、OAMモード間の干渉量を考慮して、その処理を要するOAMモード間のみで行うことにより、干渉除去に必要な演算量を削減することができる。また、チャネル推定の演算量の削減も可能となる。特に、GPSや工学位置調整器なのにより、荒い軸ズレはできたが、精密な軸合わせができなかった場合等、パターン2−2が主となる無線通信環境では、特に演算量の削減効果が大きくなる。また、チャネルの時変動により。パターン2−1,2−2,2−3が時変動する場合、本発明によりチャネル状況に合わせて、適切にOAMモード間干渉除去処理を行うことができるため、常に干渉除去処理をしない手法に比べて、性能改善効果が得られ、また、常にすべてのOAMモードに対する干渉除去処理を行う手法に比べて、演算量削減ができる。
【0116】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態において、OAMビームの特性を用いて、干渉除去処理の負荷をさらに軽減する実施形態である。
【0117】
干渉除去処理判定部は、符号だけ異なるOAMモードの干渉のパターンは、類似である特徴を用いて、正の符号のOAMモード同士のみで、干渉除去処理の必要性を判断することで、全体の処理量を減らすことができる。例えば、OAMモード1からOAMモード2 への干渉の度合いと、OAMモード1からOAMモード2への干渉の度合いは類似であるため、一方のパターンのみの干渉の度合いだけで閾値と比較することで、全体の信号処理負荷をさらに削減する。また、本発明をデジタルチップ等を用いて実装する際にも正の符号のOAMモード間だけの干渉度合いを判定する回路のみを実装することで、全体の回路規模の削減が可能となる。