【文献】
大坂 健 Takeshi OSAKA,仮想CPEにおけるIPマルチキャスト配信方式の検討 Study on IP multicast network architecture of th,電子情報通信学会2014年総合大会講演論文集 通信2 PROCEEDINGS OF THE 2014 IEICE GENERAL CONFEREN,2014年03月04日,P.48,B-6-48
【文献】
宮本 正和 Masakazu MIYAMOTO,高速ザッピング性能を備えた多分岐E−PONアクセスにおけるIPマルチキャスト配信制御法に関する研究,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.111 No.468 IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electro,2012年03月01日,第111巻,P.421-426,NS2011-254
【文献】
木村 明寛 Akihiro KIMURA,Open Source Softwareを用いたvCPEシステムの評価 An Evaluation of vCPE System,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.117 No.459 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Ele,2018年02月22日,第117巻,P.187-192,NS2017-200
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願に係る通知装置および通知方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る通知装置および通知方法が限定されるものではない。
【0014】
[第一の実施の形態]
以下の実施の形態では、第一の実施の形態に係る通信システムの構成、通知装置の構成、通知装置における処理の流れを順に説明し、最後に第一の実施の形態による効果を説明する。
【0015】
[通信システムの構成]
まず、
図1を用いて、第一の実施の形態に係る通信システムについて説明する。
図1は、第一の実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。第一の実施の形態に係る通信システムは、MDF(MLD Delivery Function)10、vCPE20、エッジルータ30、OLT40、CPE50、STB(Set Top Box)60およびコンテンツサーバ70を有する。なお、
図1に示す各装置の数は、あくまで一例であり、これに限られるものではない。
【0016】
MDF10は、vCPE20からMLDv2(Multicast Listener Discovery Version 2)を受信する。MDF10は、MLDv2(MLDv2メッセージ)を転送してきたvCPE20の情報(例えば、IPアドレスやMACアドレス)を基に、CPE50が収容されているエッジルータ30とその物理ポート、CPE50が割り当てられているVALN情報を判別し、当該エッジルータ30へCPE50へのコンテンツの配信を指示する。
【0017】
vCPE20は、通信事業者内に配備された仮想CPEである。つまり、vCPE20は従来CPEが保持していた機能を有し、従来宅内で行われるサービス処理を通信事業者網内に配備されたvCPE20が実施する。また、vCPE20は、CPE50とトンネル接続されており、例えば、CPE50からコンテンツのマルチキャストの視聴要求であるMLDv2を受信する。
【0018】
エッジルータ30は、MLDv2メッセージの内容に応じて、ポートを指定してコピートラフィックの配信を行うことができるルータである。エッジルータ30は、MDF10からCPE50へのコンテンツの配信の指示を受け付けると、コンテンツサーバ70から配信されたパケットをコピーし、視聴要求を発信したユーザのSTB60に対して、コンテンツの配信を行う。
【0019】
OLT40は、局側終端装置であり、CPE50を収容する中継装置である。OLT40は、CPE50がカプセル化したユーザ端末のパケットをvCPE20に転送する。CPE50は、vCPE20とトンネル接続され、ユーザ宅内に設置された装置である。CPE50は、ユーザトラフィックは一律トンネルでvCPE20へ転送する。STB60は、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送、IP放送などの放送信号を受信する装置である。STB60は、MLDv2をCPE50に送信する。
【0020】
[MDFの構成]
次に、
図2を用いて、
図1に示したMDF10の構成を説明する。
図2は、第一の実施の形態に係るMDFの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、このMDF10は、通信処理部11、制御部12および記憶部13を有する。以下にMDF10が有する各部の処理を説明する。
【0021】
通信処理部11は、接続される装置との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信処理部11は、vCPE20からMLDv2を受信する。
【0022】
また、記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、通信情報記憶部13aを有する。例えば、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。
【0023】
通信情報記憶部13aは、vCPE20やエッジルータ30、OLT40、CPE50等の他の機器に関する情報を記憶する。例えば、通信情報記憶部13aは、vCPE20に対応するCPE50の情報や、エッジルータ30が収容するCPE50の情報、エッジルータの物理ポートの情報、CPE50が割り当てられているVLANの情報を記憶する。
【0024】
制御部12は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受信部12a、判別部12bおよび指示部12cを有する。ここで、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。
【0025】
受信部12aは、CPE50とトンネル接続されたvCPE20が受け付けたマルチキャストの視聴要求であるMLDv2を受信する。つまり、受信部12aは、vCPE20によって転送されたMLDv2を受信する。
【0026】
判別部12bは、受信部12aによってMLDv2が受信されると、MLDv2の送信元のCPE50を収容するエッジルータ30を判別する。例えば、判別部12bは、MLDv2に含まれるデータから送信元のCPE50およびMLDv2の通知先を特定し、MLDv2の送信元のCPE50が収容されているエッジルータ30とその物理ポート、CPE50が割り当てられているVLAN情報を判別する。
【0027】
指示部12cは、判別部12bによって判別されたエッジルータ30に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する。例えば、指示部12cは、受信部12aが受信したMLDv2を転送先のエッジルータ30にあわせて形式変換し、判別部12bが判別したエッジルータ30の物理ポートへ転送する。また、例えば、指示部12cは、MLDv2の送信元のCPE50の情報やCPE50が割り当てられているVLAN情報、MLDv2の通知先の情報等の関連情報をエッジルータ30に送信するようにしてもよい。
【0028】
ここで、
図3を用いて、エッジルータ30へマルチキャストのコピー配信を指示する処理の一例を説明する。
図3は、エッジルータへマルチキャストのコピー配信を指示する処理を説明する図である。
図3に例示するように、MDF10は、vCPE20からMLDv2を受信すると、配信する物理ポート、VLANを指定する視聴要求(MLDv2)をエッジルータ30に通知する。そして、エッジルータ30は、視聴要求を発信したユーザに対して、エッジがパケットを複製して配信を行う。
【0029】
[MDFの処理の流れ]
次に、
図4を用いて、第一の実施の形態に係るMDF10の処理の流れを説明する。
図4は、第一の実施の形態に係るMDFによる処理を説明するフローチャートである。
【0030】
図4に示すように、MDF10の受信部12aが、vCPE20が受け付けたマルチキャストの視聴要求であるMLDv2を受信すると(ステップS101肯定)、判別部12bは、MLDv2の送信元のCPE50が収容されているエッジルータ30とその物理ポート、CPE50が割り当てられているVLAN情報を判別する(ステップS102)。
【0031】
そして、MDF10は、指示部12cは、判別部12bによって判別されたエッジルータ30に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する(ステップS103)。例えば、指示部12cは、受信部12aが受信したMLDv2を転送先のエッジルータ30にあわせて形式変換し、判別部12bが判別したエッジルータ30の物理ポートへ転送する。
【0032】
[第一の実施の形態の効果]
このように、第一の実施の形態に係るMDF10は、CPE50とトンネル接続されたvCPE20が受け付けたMLDv2を受信し、MLDv2が受信されると、MLDv2の送信元のCPE50を収容するエッジルータ30を判別する。そして、MDF10は、判別されたエッジルータ30に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する。このため、効率的なコンテンツのマルチキャスト配信を行うことができる。つまり、MDF10では、エッジルータ30に対してコンテンツのコピー配信を指示するので、視聴要求を発信したユーザに対して、エッジルータ30がパケットを複製して配信を行うエッジコピー配信方式でコンテンツを配信することができる。つまり、エッジコピー配信方式でコンテンツの配信を行うことができるので、低視聴率チャンネルの帯域の使用効率がよい。また、MDF10では、既存網に変更を加えることなく、vCPE20よりも下位階梯でマルチキャストコピーを実現し、転送効率を改善することが可能である。
【0033】
[第二の実施形態]
上述した第一の実施形態では、コンテンツのコピー配信をエッジルータ30に指示する場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツのコピー配信をOLT40に指示するようにしてもよい。
【0034】
そこで、以下では、第二の実施形態に係るMDF10Aが、コンテンツのコピー配信をOLT40に指示する場合について説明する。なお、第一の実施形態に係る通信システムと同様の構成や処理については説明を省略する。
【0035】
図5を用いて、第二の実施の形態に係る通信システムについて説明する。
図5は、第二の実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。第二の実施形態に係る通信システムは、第一の実施形態に係る通信システムと比較して、MDF Repeater80を有する点が異なる。
【0036】
OLT40などのL2機器では、MLDv2を受け取ったポート(VLAN)に対してマルチキャストのコピー配信を開始する。このため、MDF10Aは、MLDv2を適切なポートでOLTへ通知する必要がある。第二の実施の形態に係る通信システムでは、OLT40の各ポートに接続するMDF中継器として、MDF Repeater80が設置される。
【0037】
MDF10Aは、MDF Repeater80を介してOLT40へCPE50へのコンテンツの配信を指示する。具体的には、MDF10Aは、対象OLT40に接続するMDF Repeater80へMLDv2と関連情報を通知する。
【0038】
MDF Repeater80は、MLDv2と関連情報をMDF10から受信すると、対象OLT40に適切なポートからMLDv2を対象OLT40へ通知する。つまり、MDF Repeater80は、MLDv2の送信元CPE50と対象OLT40とが接続するポートからMLDv2を通知する。
【0039】
OLT40は、MDF10からCPE50へのコンテンツの配信の指示を受け付けると、コンテンツサーバ70から配信されたパケットをコピーし、視聴要求を発信したユーザのSTB60に対して、コンテンツの配信を行う。
【0040】
ここで、MDF10Aの各部の処理について説明する。MDF10Aの判別部12bは、受信部12aによってMLDv2が受信されると、マルチキャストの視聴要求の送信元のCPE50を収容するOLT40を判別する。指示部12cは、判別部12bによって判別されたOLT40に対して、MDF Repeater80を介して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する。
【0041】
ここで、
図6を用いて、OLT40へマルチキャストのコピー配信を指示する処理の一例を説明する。
図6は、OLTへマルチキャストのコピー配信を指示する処理を説明する図である。
図6に例示するように、MDF10Aは、vCPE20からMLDv2を受信すると、OLT40の配線に接続するMDF Repeater80に視聴要求(MLDv2)を通知する。そして、MDF Repeater80は、MLDv2と関連情報をMDF10から受信すると、対象OLT40に適切なポートからMLDv2を対象OLT40へ通知する。
【0042】
つまり、MDF Repeater80は、MLDv2の送信元CPE50と対象OLT40とが接続するポートからMLDv2を通知する。その後、OLT40は、視聴要求を発信したユーザに対して、パケットを複製してパケットを全ONU(図示略)に向けブロードキャストする。なお、視聴要求を出したユーザのONUのフィルタは開放し、配信を受けないユーザのONUはフィルタを閉じることで、視聴要求を出したユーザのみに配信する。
【0043】
次に、
図7を用いて、第二の実施の形態に係るMDF10Aの処理の流れを説明する。
図7は、第二の実施の形態に係るMDFによる処理を説明するフローチャートである。
【0044】
図7に示すように、MDF10Aの受信部12aが、vCPE20が受け付けたマルチキャストの視聴要求であるMLDv2を受信すると(ステップS201肯定)、判別部12bは、MLDv2の送信元のCPE50が収容されているエッジルータ30とその物理ポート、CPE50が割り当てられているVLAN情報を判別する(ステップS202)。
【0045】
そして、MDF10は、指示部12cは、MDF Repeater80を介して、判別部12bによって判別されたエッジルータ30の配下の対象OLT40に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する(ステップS203)。例えば、指示部12cは、MDF10Aは、対象OLT40に接続するMDF Repeater80へMLDv2と関連情報を通知する。
【0046】
[第二の実施の形態の効果]
このように、第二の実施の形態に係るMDF10Aは、MDF Repeater80を介して、コンテンツのコピー配信をOLT40に指示するので、視聴要求を発信したユーザに対して、OLT40がパケットを複製して配信を行うOLTコピー配信方式でコンテンツを配信することができる。つまり、OLTコピー配信方式でコンテンツの配信を行うことができるので、エッジルータとOLTとの間で重複送信が無いため、高視聴率チャンネルの帯域の使用効率が良い。また、MDF10Aでは、既存網に変更を加えることなく、vCPE20よりも下位階梯でマルチキャストコピーを実現し、転送効率を改善することが可能である。
【0047】
[第三の実施形態]
上述した第一の実施形態および第二の実施形態では、コンテンツのコピー配信をエッジルータ30に指示する場合とコンテンツのコピー配信をOLT40に指示する場合とを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツの配信状況に応じて、エッジルータ30およびOLT40のうち、いずれに対してコピー配信を指示するかを選択するようにしてもよい。
【0048】
そこで、以下では、第三の実施形態に係るMDF10Bが、コンテンツの配信状況に応じて、エッジルータ30およびOLT40のうち、いずれに対してコピー配信を指示するかを選択する場合について説明する。なお、第一の実施形態に係る通信システムと同様の構成や処理については説明を省略する。
【0049】
図8を用いて、第三の実施の形態に係る配信システムにおける処理の概要を説明する。
図8は、第三の実施の形態に係る配信システムにおける処理の概要を説明する図である。
図8に示すように、第三の実施形態に係るMDF10Bは、vCPE20からMLDv2を受信すると、視聴状況に応じて、エッジルータ30またはOLT40からのコピー配信を選択し、視聴要求(MLDv2)をエッジルータ30またはOLT40に通知する。
【0050】
例えば、MDF10Bは、vCPE20からMLDv2を受信した際に、該vCPE20に対応するCPE50の情報と、対象CPEが収容されているOLT40での要求チャンネルの視聴者数を取得し、視聴者数が閾値nを超過していた場合はOLT40によるコピー配信を選択し、視聴者数が閾値nを超えない場合にはエッジルータ30によるコピー配信を選択する。
【0051】
エッジルータ30は、複数のCPE50との間に張られた同報用LANと各CPE50との間に張られた個別LANの双方でマルチキャスト配信可能であり、要求に応じて各LANポートを開閉可能とする。
【0052】
ここで、
図9を用いて、
図8に示したMDF10Bの構成を説明する。
図9は、第三の実施の形態に係るMDFの構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、このMDF10Bは、
図2に示した第一の実施の形態に係るMDF10と比較して、格納部12d、選択部12eおよび視聴情報記憶部13bを有する点が異なる。
【0053】
視聴情報記憶部13bは、各チャンネルの視聴者数を記憶する。例えば、視聴情報記憶部13bは、
図10に例示するように、チャンネルと視聴者数とを対応付けたテーブルを記憶する。
図10は、視聴者情報記憶部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【0054】
格納部12dは、受信部12aによって受信されたMLDv2を用いて、各CPE50におけるコンテンツの配信状況を視聴情報記憶部13bに格納する。例えば、格納部12dは、受信部12aによってチャンネルAに対する視聴要求が受信された場合には、視聴情報記憶部13bに記憶されるチャンネルAに対応する視聴者数について、1加算した値に更新する。
【0055】
選択部12eは、視聴情報記憶部13bによって記憶されたコンテンツの配信状況に応じて、エッジルータおよびOLTのうち、いずれに対してコピー配信を指示するかを選択する。例えば、選択部12eは、MLDv2送信元のCPE50が収容されているOLT40での要求チャンネルの視聴者数を視聴情報記憶部13bから取得し、視聴者数が閾値nを超過していた場合はOLT40によるコピー配信を選択し、視聴者数が閾値nを超えない場合にはエッジルータ30によるコピー配信を選択する。
【0056】
判別部12bは、選択部12eによってエッジルータ30が選択された場合には、受信部12aによって受信されたMLDv2に基づいてMLDv2の送信元のCPE50を収容するエッジルータ30を判別し、選択部12eによってOLT40が選択された場合には、MLDv2の送信元のCPE50を収容するOLT40を判別する。
【0057】
指示部12cは、判別部12bによって判別されたエッジルータ30またはOLT40に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する。
【0058】
ここで、
図11〜
図13を用いて、エッジコピー配信からOLTコピー配信に切り替える処理を説明する。
図11〜
図13は、エッジコピー配信からOLTコピー配信に切り替える処理を説明する図である。
図11に示すように、MDF10Bは、チャンネルAの視聴者数が閾値を超過しない場合には、エッジルータ30によるコピー配信を指示する。そして、エッジルータ30は、チャンネルAについてのマルチキャストを各個別VLANで配信する。
【0059】
その後、
図12に例示するように、MDF10Bは、チャンネルAの視聴者数が閾値を超過した場合には、チャンネルAの個別VLANでの配信停止と同報用VLANでの配信開始をエッジルータ30に要求するとともに、OLT40にOLTコピー配信を指示する。また、OLT40は、各ONU90へ配信用のポート開放を指示する。そして、
図13に例示するように、OLTコピー配信時には、視聴者へは同報用VLANで配信が開始される。
【0060】
次に、
図14および
図15を用いて、OLTコピー配信からエッジコピー配信に切り替える処理を説明する。
図14および
図15は、OLTコピー配信からエッジコピー配信に切り替える処理を説明する図である。
図14に示すように、MDF10Bは、OLTコピー配信時において、チャンネルAの視聴者数が閾値を下回る場合には、同報用VLANでの配信停止、および、視聴継続している端末への個別VLANでの配信をエッジルータ30に指示する。また、OLT40は、ONU90のポートを閉塞し、配信を停止する。その後、
図15に例示するように、OLTコピー配信時には、視聴者へは個別VLANでの配信に切り替わり、マルチキャストを各個別VLANで配信する。
【0061】
次に、
図16を用いて、第三の実施の形態に係るMDF10Bの処理の流れを説明する。
図16は、第三の実施の形態に係るMDFによる処理を説明するフローチャートである。
【0062】
図16に示すように、MDF10Bの受信部12aが、vCPE20が受け付けたマルチキャストの視聴要求であるMLDv2を受信すると(ステップS301肯定)、選択部12eは、要求チャンネルの視聴者数を視聴情報記憶部13bから取得し(ステップS302)、視聴者数が閾値nを超えているか判定する(ステップS303)。
【0063】
この結果、選択部12eは、視聴者数が閾値nを超えていると判定した場合には(ステップS303肯定)、OLTコピー配信を選択する(ステップS304)。そして、指示部12cは、MDF Repeater80を介して、対象OLT40に対して、MLDv2の送信元のCPE50へのコンテンツのコピー配信を指示する(ステップS305)。
【0064】
また、選択部12eは、視聴者数が閾値nを超えていないと判定した場合には(ステップS303否定)、エッジコピー配信を選択する(ステップS306)。そして、指示部12cは、エッジルータ30からのコンテンツのコピー配信を指示する(ステップS307)。
【0065】
[第三の実施の形態の効果]
このように、第三の実施の形態に係るMDF10Bは、コンテンツの配信状況に応じて、エッジルータ30およびOLT40のうち、いずれに対してコピー配信を指示するかを選択するので、ユーザのチャンネル視聴状況に応じて、エッジコピー配信、OLTコピー配信を切り替え、効率的なコンテンツの配信を行うことを可能にする。
【0066】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0067】
また、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した各装置が実行する処理について、コンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態及び変形例に係る通信システムにおける各装置が実行する処理について、コンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。以下に、プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0069】
図17は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0070】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1051、キーボード1052に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1061に接続される。
【0071】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち各装置の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、装置における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0072】
また、上述した実施の形態の処理で用いられるデータは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
【0073】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク、WANを介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。