(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962647
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】統合型スイッチング装置、および統合型スイッチング装置を含むバッテリーモニタリングおよび保護システム
(51)【国際特許分類】
H02H 7/18 20060101AFI20211025BHJP
H02H 7/20 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
H02H7/18
H02H7/20 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-502334(P2020-502334)
(86)(22)【出願日】2019年3月8日
(65)【公表番号】特表2020-527930(P2020-527930A)
(43)【公表日】2020年9月10日
(86)【国際出願番号】KR2019002694
(87)【国際公開番号】WO2019177308
(87)【国際公開日】20190919
【審査請求日】2020年1月20日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0030782
(32)【優先日】2018年3月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャン ボグ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ チャン
【審査官】
坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−209922(JP,A)
【文献】
特開2017−041987(JP,A)
【文献】
特開2017−073906(JP,A)
【文献】
特開2005−243652(JP,A)
【文献】
特開2004−297866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H37/76
69/02
85/00−87/00
H02H 3/08− 3/253
7/00
7/10− 7/20
H02J 1/00− 1/16
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路上に位置し、一つ以上のシャント抵抗を含み、制御信号に基づいて前記電気回路の導通状態を制御するコンタクタ部、
前記コンタクタ部に流れる電流を遮断する遮断部、および
前記コンタクタ部に流れる電流を測定する電流測定部を含み、
前記コンタクタ部、前記遮断部および前記電流測定部は一つのハウジング内に含まれ、
前記電流測定部は、前記シャント抵抗を用いて前記コンタクタ部に流れる電流を測定し、
前記遮断部は、前記シャント抵抗を切断する、統合型スイッチング装置。
【請求項2】
前記コンタクタ部は、
前記電気回路と連結される正極コンタクタ部および負極コンタクタ部、および
前記制御信号に基づいて前記正極コンタクタ部および前記負極コンタクタ部を電気的に連結および短絡する連結部を含み、
前記シャント抵抗は、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に含まれる、請求項1に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項3】
前記遮断部は、
前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に隣接して位置し、前記制御信号が受信されたのに前記電気回路上の導通状態が制御されない場合、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に設けられた前記シャント抵抗を爆発切断して前記コンタクタ部に流れる電流を遮断する、請求項2に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項4】
前記遮断部は、
測定された前記電流の大きさが予め設定された電流の大きさを超過する場合、前記制御信号の受信有無に関係なく、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に設けられた前記シャント抵抗を爆発切断して前記コンタクタ部に流れる電流を遮断する、請求項2または3に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項5】
前記遮断部は、
発熱体を含み、前記発熱体から発生する熱を前記コンタクタ部に印加して前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に含まれた前記シャント抵抗を溶かすことによって、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上を切断する、請求項2から4のいずれか一項に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項6】
前記電流測定部は、
一つ以上の前記シャント抵抗に流れる電流の大きさと予め設定された電流の大きさを比較する一つ以上の比較器を含み、前記一つ以上の比較器を介して出力される比較結果を前記遮断部に含まれる動作部に提供し、
前記動作部は、
前記提供された比較結果に基づいて前記遮断部の動作を制御する、請求項5に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項7】
前記電流測定部は、
CAN(Controller Area Network)通信を用いて測定された前記電流を外部に送信する、請求項1から6のいずれか一項に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項8】
前記遮断部は、
一つ以上の電力遮断装置(Power Disconnect Device;PDD)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項9】
一つの前記ハウジング内には、前記コンタクタ部、前記遮断部および前記電流測定部の組み合わせが一つだけ設けられている
請求項1から8のいずれか一項に記載の統合型スイッチング装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の統合型スイッチング装置を含む、バッテリーモニタリングおよび保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年03月16日付の韓国特許出願第10−2018−0030782号に基づいた優先権の利益を主張し、該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、統合型スイッチング装置に関し、電気回路上の導通状態を制御できるコンタクタ部、コンタクタに異常が発生するかまたはコンタクタの許容電流範囲を超過する大きさの電流が発生する場合にコンタクタを切断して電流を遮断できる遮断部、およびシャント抵抗を用いて電流を測定できる電流測定部が一つの装置に統合されることによって、一つの装置だけで様々な機能を行うことができる統合型スイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、2次電池は、電気自動車、エネルギー貯蔵システムおよび無停電電源供給装置のような高容量を必要とする環境では、単位2次電池セル(Cell)を複数接合することによって一つのバッテリーモジュールとして用いることができ、場合によってはバッテリーモジュールを複数接合して用いることができる。
【0004】
複数のバッテリーモジュールを共に用いる場合、過電流および過電圧などのような異常動作によってバッテリーモジュールが過熱し、そのためにバッテリーモジュールが膨らんで破損するなどの問題が発生しうる。このような問題を補完するために、複数接合して用いる場合、常に各個別モジュールの電圧、電流および温度などの色々な状態情報を測定およびモニタリングして、過電流などのようなバッテリーの異常として発生しうる問題により負荷が損傷するのを防止する技術が必要である。
【0005】
一方、従来、回路短絡(Short Circuit)により発生する高電流からシステムを保護するためにヒューズを用いた。しかし、ヒューズは高電流でない低電流の状況では動作時間が遅れるかまたは動作しないという問題があるため、ヒューズが動作しないかまたは動作時間が遅れる区間に対しては、別途の電流センサが異常電流を認知し、スイッチを開放することによって、電流を遮断する方式を用いた。
【0006】
また、従来、過電圧から保護するために、外部から電圧をセンシングした後、異常兆候が発見されれば信号を用いてコンタクタを開放させる方法を用い、電流測定もまた外部の電流センサを用いて測定した。
【0007】
しかし、このような従来のバッテリーモニタリングおよび保護回路の場合、様々な機能を行うために様々な素子が備えられなければならず、素子の問題および短所を補完するために素子がさらに備えられなければならないため、システムの体積が大きくなり、費用が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するために導き出されたものであり、本発明は、電気回路上の導通状態を制御するコンタクタ部、コンタクタ部に流れる電流を遮断する遮断部、およびコンタクタ部に流れる電流を測定する電流測定部を一つのハウジング内に含ませて一つの装置に統合することによって、システムの体積および費用を減らすことができる統合型スイッチング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置は、電気回路上に位置し、制御信号に基づいて前記電気回路の導通状態を制御するコンタクタ部、前記コンタクタ部に流れる電流を遮断する遮断部、および前記コンタクタ部に流れる電流を測定する電流測定部を含み、前記コンタクタ部、前記遮断部および前記電流測定部は一つのハウジング内に含まれる。
【0010】
一つの実施形態において、前記コンタクタ部は、前記電気回路と連結される正極コンタクタ部および負極コンタクタ部、および前記制御信号に基づいて前記正極コンタクタ部および前記負極コンタクタ部を電気的に連結および短絡する連結部を含んでもよい。
【0011】
一つの実施形態において、前記遮断部は、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に隣接して位置し、前記制御信号が受信されたのに前記電気回路上の導通状態が制御されない場合、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上を爆発切断して前記コンタクタ部に流れる電流を遮断してもよい。
【0012】
一つの実施形態において、前記遮断部は、測定された前記電流の大きさが既に設定された電流の大きさを超過する場合、前記制御信号の受信有無に関係なく、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上を爆発切断して前記コンタクタ部に流れる電流を遮断してもよい。
【0013】
一つの実施形態において、前記コンタクタ部は、前記正極コンタクタ部、前記負極コンタクタ部および前記連結部のうちいずれか一つ以上に含まれる一つ以上のシャント抵抗をさらに含み、前記電流測定部は、前記一つ以上のシャント抵抗を用いて前記コンタクタ部に流れる電流を測定してもよい。
【0014】
一つの実施形態において、前記電流測定部は、CAN(Controller Area Network)通信を用いて測定された前記電流を外部に送信してもよい。
【0015】
一つの実施形態において、前記遮断部は、一つ以上の電力遮断装置(Power Disconnect Device;PDD)を含んでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、電気回路上の導通状態を制御するコンタクタ部、コンタクタ部に流れる電流を遮断する遮断部、およびコンタクタ部に流れる電流を測定する電流測定部を一つのハウジング内に含ませて一つの装置に統合することによって、システムの体積を減らし、費用を減らすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来のバッテリーモニタリングおよび保護システム1を概略的に示す図である。
【0018】
【
図2】従来のバッテリーモニタリングおよび保護システム1に本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100が適用された形態を概略的に示す図である。
【0019】
【
図3】本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100の構成を概略的に示す図である。
【0020】
【
図4】本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100の構成を概略的に示す図である。
【0021】
【
図5】本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'の構成を概略的に示す図である。
【0022】
【
図6】本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'において、遮断部120が動作してシャント抵抗114を爆発切断する形態を例示的に示す図である。
【0023】
【
図7】本発明のまた他の一実施形態による統合型スイッチング装置100''の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では本発明の理解を助けるために好ましい実施形態を提示する。但し、下記の実施形態は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、本実施形態によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0025】
図1は、従来のバッテリーモニタリングおよび保護システム1を概略的に示す図である。
【0026】
図1を参照すれば、従来、回路短絡(Short Circuit)のような異常により発生する高電流から負荷を保護するために電流ヒューズ11を用いた。しかし、電流ヒューズ11は、高電流でない低電流の状況では、動作時間が遅れるかまたは動作しないことがある。
【0027】
したがって、ヒューズが動作しないかまたは動作時間が遅れる区間に対しては、電流センサ13が異常電流を認知し、バッテリー管理システム(Battery Management System;BMS)がリレー12を開放することによって、電流を遮断する方式を用いた。ここで、リレー12は、機械的、電気的なリレーを全て含むことができる。
【0028】
また、過電圧保護は、外部に位置した電圧センサ(図示せず)が電圧をセンシングした後、異常兆候が発見されればコンタクタ制御信号を出力してリレー12を開放させる方式を用い、電流測定は、外部の電流センサ13を用いて測定し、該当の情報を別途の通信を介してMCU(Micro controller Unit)に送信する方式を用いた。
【0029】
結論的に、電圧および電流の異常状況に対する保護動作を行うためには電流ヒューズ11、リレー12および電流センサ13などの様々な部品が必要であるという短所がある。以下では、
図2〜
図7を参照して、このような従来のバッテリーモニタリングおよび保護回路1の短所を克服できる本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100について説明する。
【0030】
図2は、従来のバッテリーモニタリングおよび保護システム1に本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100が適用された形態を概略的に示す図であり、
図3および4は、本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100の構成を概略的に示す図である。
【0031】
図2〜4を参照すれば、本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100は、コンタクタ部110、遮断部120、電流測定部130およびハウジング140を含んで構成されることができる。
【0032】
ここで、
図2〜4に示された統合型スイッチング装置100は一実施形態によるものであって、その構成要素が
図2〜4に示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて付加、変更または削除されてもよい。例えば、コンタクタ部110に含まれる正極コンタクタ部111と負極コンタクタ部112に各々電流測定部130が連結されることができる。
【0033】
また、
図5は、本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'の構成を概略的に示す図であり、
図6は、本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'において、遮断部120が動作してシャント抵抗114を爆発切断する形態を例示的に示す図であり、
図7は、本発明のまた他の一実施形態による統合型スイッチング装置100''の構成を概略的に示す図である。
【0034】
図5〜7に示された本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'および本発明のまた他の一実施形態による統合型スイッチング装置100''は構成要素の位置のような構造的な差だけあり、本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100、本発明の他の一実施形態による統合型スイッチング装置100'および本発明のまた他の一実施形態による統合型スイッチング装置100''に示された構成要素の種類および役割は互いに同一であってもよい。
【0035】
先ず、コンタクタ部110は、電気回路上に位置して電気回路と連結され、制御信号に基づいて電気回路の導通状態を制御することができる。このために、コンタクタ部110は、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113を含むことができる。
【0036】
ここで、導通状態とは、電気回路が切れることなく連結されて閉回路(Closed Circuit)を形成することによって電気回路上に電流が流れるオン(On)状態、および電気回路の一側面が開放または短絡されて開回路(Open Circuit)を形成することによって電気回路上に電流が流れないオフ(Off)状態を意味する。
【0037】
また、ここで、制御信号とは、電気回路の導通状態を変更するためにコンタクタ部110を制御するための信号を意味する。例えば、制御信号は、コンタクタ部110を連結および短絡して電気回路の導通状態をオン状態からオフ状態にまたはオフ状態からオン状態に制御するために外部に位置した制御部から出力される信号であってもよい。
【0038】
正極コンタクタ部111は電気回路に備えられたバッテリー10の正極端子側と連結され、負極コンタクタ部112は負荷側(DC Link(+)端子側)と連結されることができる。
【0039】
連結部113は、制御信号に基づいて、正極コンタクタ部111および負極コンタクタ部112を電気的に連結および短絡することができる。
【0040】
一つの実施形態において、連結部113は、
図3および4に示すように正極コンタクタ部111および負極コンタクタ部112側に後述する遮断部130を位置させるために「T」形状に形成され、
図5および7に示すように連結部113の内側に後述する遮断部130を位置させるために「コ」形状に形成されることができる。しかし、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0041】
一つの実施形態において、連結部113は、外部から出力される信号を受信する信号ライン(図示せず)を含み、信号ラインを通じて正極コンタクタ部111および負極コンタクタ部112との連結および短絡を制御する信号を受信することができる。
【0042】
一つの実施形態において、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113は、電気伝導性金属である金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)または白金(Pt)を含む通電金属からなり、連結部113に形成された接点(図示せず)と正極コンタクタ部111および負極コンタクタ部112が接触するかまたは離れることによって、電気回路の導通状態を変更することができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
【0043】
一つの実施形態において、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上は、一つ以上のシャント抵抗114を含むことができる。例えば、
図3および4に示すように、正極コンタクタ部111および負極コンタクタ部112がシャント抵抗(114−1および114−2)を含むことができる。しかし、本発明は、これに限定されず、
図5に示すように連結部113がシャント抵抗114を含むか、または正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113がいずれもシャント抵抗114を含むことができる。
【0044】
遮断部120は、コンタクタ部110に流れる電流を遮断することができる。このために、遮断部120は、一つ以上の電力遮断装置(Power Disconnect Device;PDD)を含むことができる。
【0045】
PDDは、保護機能をする部品であって、自動車のエアバック(Airbag)などに適用される部品である。PDDは、入力される信号によって爆発させることによって構成要素を切断させることができる。すなわち、遮断部120は、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上に隣接して位置し、遮断部120に含まれたPDDが爆発することによって、遮断部120と隣接して位置した正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上が切断される。
【0046】
他の一つの実施形態において、遮断部120は、発熱体(図示せず)を含み、発熱体から発生する熱をコンタクタ部110に印加して正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上に含まれた通電金属を溶かすことによって、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を切断させることができる。
【0047】
また他の一つの実施形態において、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113は、第2基準電流の大きさを融点とする特定の金属を含み、特定の金属の物質特性を用いて、第2基準電流の大きさを超過する電流が印加される場合、特定の金属が溶けることによって、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を切断させる方式を用いることができる。
【0048】
一つの実施形態において、遮断部120は、制御信号が受信されたのに前記電気回路上の導通状態が制御されない場合、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を爆発切断してコンタクタ部110に流れる電流を遮断することができる。例えば、電気回路の導通状態をオン状態からオフ状態に制御する命令が含まれた制御信号が外部から受信されたが、コンタクタ部110が短絡されず電気回路の導通状態がオン状態に維持される場合、遮断部120は、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうち隣接したいずれか一つ以上を爆発切断することによって、コンタクタ部110に流れる電流を遮断することができる。
【0049】
一つの実施形態において、遮断部120は、制御信号を受信し、既に設定された時間の間電気回路の導通状態が制御されない場合、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を爆発切断することができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
【0050】
一つの実施形態において、遮断部120は、後述する電流測定部130により測定された電流の大きさが既に設定された電流の大きさを超過する場合、制御信号の受信有無に関係なく、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を爆発切断してコンタクタ部110に流れる電流を遮断することができる。
【0051】
ここで、既に設定された電流の大きさとは、ヒューズ11が許容できる電流の大きさの最大値を意味する。例えば、ヒューズ11の最大許容電流値が10Aである場合、既に設定された電流の大きさは10Aに設定された値である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
【0052】
電流測定部130は、コンタクタ部110に流れる電流を測定することができる。例えば、電流測定部130は、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上に含まれた一つ以上のシャント抵抗114を用いてコンタクタ部110に流れる電流を測定することができる。しかし、本発明は、これに限定されず、電気回路上に流れる電流を測定できるいかなる方法でも適用できる。例えば、電流測定部130は、ホールセンサを用いたホールタイプ(Hall type)電流測定方式を用いて電気回路上に流れる電流を測定することができる。
【0053】
一つの実施形態において、電流測定部130は、CAN(Controller Area Network)通信を用いて測定された電流を外部に送信することができる。
【0054】
ここで、CAN通信とは、絡んでいるかまたは被覆によって遮蔽している2本のデータ配線を通じてデータを伝送する通信方式を意味する。しかし、本発明は、これに限定されず、電流測定部130により測定された電流を外部に送信できるいかなる通信方式でも適用できる。
【0055】
一つの実施形態において、電流測定部130は、
図4に示すように一つ以上の比較器を含み、比較器を介してシャント抵抗(114−1および114−2)に流れる電流の大きさと既に設定された電流の大きさとを比較することができる。電流測定部130は、一つ以上の比較器を介して出力された比較結果を遮断部120に含まれた動作部121に提供し、動作部121は、比較結果に基づいて遮断部120の動作を制御することができる。例えば、比較器は、電流測定部130により測定された電流の大きさが既に設定された電流の大きさを超過する場合にはハイ(high)信号を出力し、電流測定部130により測定された電流の大きさが既に設定された電流の大きさ以下である場合にはロー(low)信号を出力することができる。この時、動作部121は、比較器からハイ信号が出力される場合、遮断部120を動作させて、正極コンタクタ部111、負極コンタクタ部112および連結部113のうちいずれか一つ以上を爆発切断させることができる。
【0056】
ハウジング140は、コンタクタ部110、遮断部120および電流測定部130を内側に含むように一定大きさの空間を形成することができる。
【0057】
ハウジング140は、コンタクタ部110、遮断部120および電流測定部130を内側に位置させ、四方をカバーすることによって一つの装置としてパッケージングすることができる。
【0058】
ここで、
図2〜7に示されたハウジング140は長方形に示されているが、これに限定されず、用いられる空間に好適な形態に変更できる。
【0059】
一つの実施形態において、本発明の一実施形態による統合型スイッチング装置100は、火花点火式スイッチ(Pyro switch、図示せず)を含むことができる。
【0060】
火花点火式スイッチは、電気回路上の過電流のような異常状況を検知し、連結部113に含まれた信号ラインにコンタクタ部110のオフ動作を命令する制御信号を印加することによって、コンタクタ部110を物理的にオフになるようにすることができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該技術分野の熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることを理解することができるであろう。