(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内箱底面板は、前記内箱背面板の底部に連結された内箱背面板連結底面フラップ、前記内箱右側面板の底部に連結された内箱右側面板連結底面フラップ及び前記内箱左側面板の底部に連結された内箱左側面板連結底面フラップが重なり合うことで形成され、
前記外箱背面板は、前記外箱底面板の前記正面板側とは反対側に連結された外箱底面板連結背面フラップ、前記外箱右側面板に連結された外箱右側面板連結背面フラップ及び前記外箱左側面板に連結された外箱左側面板連結背面フラップが重なり合うことで形成される、請求項1に記載の包装容器。
前記係止片は、前記外箱右側面板の前記外箱背面板側の上端部と、前記外箱左側面板の前記外箱背面板側の上端部と、のうち少なくとも一方に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、請求項1又は2に記載の包装容器。
前記係止片は、前記外箱底面板の前記外箱背面板側に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、請求項1又は2に記載の包装容器。
前記係止片は、前記外箱底面板連結背面フラップの端部側に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、請求項2に記載の包装容器。
前記係止片は、前記内箱背面板連結底面フラップの前記内箱背面板側に形成されており、前記係止片を外側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、請求項2に記載の包装容器。
前記係止片は、前記内箱右側面板の底部と、前記内箱左側面板の底部と、のうち少なくとも一方に形成されており、前記係止片を外側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、請求項1又は2に記載の包装容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で提案されている手法は、バッグインボックスの底面を構成するフラップの1つの角部をめくり上げ、めくり上げた部分を折り曲げて凸状体を形成させるので、凸状体の頂部で形成されるラインは、バッグインボックスの底面に対して斜めに形成される。バッグインボックスの後方部は、形成された凸状体の頂部で支持されるので、凸状体がバッグインボックスの後方部を安定的に支持するためには、凸状体の頂部で形成されるライン全体が安定的に接地していることが好ましい。
【0006】
しかしながら、凸状体の頂部で形成されるラインは、バッグインボックスの底面に対して斜めに形成されるので、ライン全体を接地させるためには、めくり上げられた部分を折り曲げる際に、ユーザ側で折り曲げる角度を調整しなければならない。この調整がうまくいかなければ、バッグインボックスの後方部をライン全体で支持することができなくなり、点で支持することとなるので、バッグインボックスの後方部を安定的に支持することができなくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、注出口を有するバッグインボックスの前方部が低くなるようにバッグインボックス全体に傾斜を持たせながら、バッグインボックスの後方部を安定的に支持する包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る包装容器は、液体を注出する注出口を有する袋体を包装する内箱と、前記内箱を収納する外箱とで構成された2重構造の包装容器であって、
前記内箱は、前記注出口を貫通させて保持する保持孔を形成可能とする正面板と、前記正面板に対向する位置に配置された内箱背面板と、前記正面板と前記内箱背面板とを連結して帯状の胴部を形成させる内箱右側面板及び内箱左側面板と、前記正面板と前記内箱背面板と前記内箱右側面板と前記内箱左側面板から形成される筒の底部に配置された内箱底面板と、を少なくとも有し、
前記外箱は、前記正面板の底部に連結された外箱底面板と、前記外箱底面板の前記内箱右側面板側に連結された外箱右側面板と、前記外箱底面板の前記内箱左側面板側に連結された外箱左側面板と、前記正面板に対向する位置に配置された外箱背面板と、を有し、
前記内箱は、前記外箱を接地させた状態で前記正面板と前記外箱底面板との連結部を支点として回動可能であり、
前記内箱の一部又は前記外箱の一部のうち少なくとも一方が変形することで係止片を形成し、前記内箱を回動させたときに形成される前記内箱と前記外箱との隙間に前記係止片を存在させて、前記内箱の自然回動を止めることで前記内箱の傾斜が維持される、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、内箱(正面板)と外箱(外箱底面板)との連結部を支点として内箱を回動させることができるので、外箱を接地させた状態で、内箱の後方部を持ち上げることができる。そして、内箱を回動させたときに形成される内箱と外箱との隙間に係止片を存在させることで、内箱の自然回動を止めて内箱の傾斜が維持されるので、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。これにより、注出口から液体を注出し易くなるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器が、液体を注出する注出口を有する袋体を包装する内箱と、内箱を収納する外箱とで構成された2重構造となっているので、液体が封入された袋体を保護しつつ、包装容器全体の安定性を確保することができる。
【0010】
(2)本発明に係る包装容器において、前記内箱底面板は、前記内箱背面板の底部に連結された内箱背面板連結底面フラップ、前記内箱右側面板の底部に連結された内箱右側面板連結底面フラップ及び前記内箱左側面板の底部に連結された内箱左側面板連結底面フラップが重なり合うことで形成され、
前記外箱背面板は、前記外箱底面板の前記正面板側とは反対側に連結された外箱底面板連結背面フラップ、前記外箱右側面板に連結された外箱右側面板連結背面フラップ及び前記外箱左側面板に連結された外箱左側面板連結背面フラップが重なり合うことで形成される。
【0011】
この発明によれば、内箱底面板は、内箱背面板連結底面フラップ、内箱右側面板連結底面フラップ及び内箱左側面板連結底面フラップが重なり合うことで形成されるので、3重構造となる。このため、液体が封入された袋体を保護しつつ、内箱の安定性を確保することができる。外箱背面板は、外箱底面板連結背面フラップ、外箱右側面板連結背面フラップ及び外箱左側面板連結背面フラップが重なり合うことで形成されるので、3重構造となる。このため、内箱を保護しつつ、外箱の安定性を確保することができる。
【0012】
(3)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記外箱右側面板の前記外箱背面板側の上端部と、前記外箱左側面板の前記外箱背面板側の上端部と、のうち少なくとも一方に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0013】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、外箱右側面板の外箱背面板側の上端部と、外箱左側面板の外箱背面板側の上端部と、のうち少なくとも一方に形成された係止片を内側に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0014】
(4)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記外箱底面板の前記外箱背面板側に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0015】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、外箱底面板の外箱背面板側に形成された係止片を内側(内箱10が存在する方向)に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0016】
(5)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記外箱底面板連結背面フラップの端部側に形成されており、前記係止片を内側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0017】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、前記外箱底面板連結背面フラップの端部側に形成された係止片を内側(内箱10が存在する方向)に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0018】
(6)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記内箱背面板連結底面フラップの前記内箱背面板側に形成されており、前記係止片を外側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0019】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、前記内箱背面板連結底面フラップの前記内箱背面板側に形成された係止片を外側に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0020】
(7)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記内箱背面板の底部に形成されており、前記係止片を外側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0021】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、前記内箱背面板の底部に形成された係止片を外側に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0022】
(8)本発明に係る包装容器において、前記係止片は、前記内箱右側面板の底部と、前記内箱左側面板の底部と、のうち少なくとも一方に形成されており、前記係止片を外側に折り曲げることで前記隙間に前記係止片を存在させる、ように構成できる。
【0023】
この発明によれば、内箱を回動して外箱との間に隙間を形成させた状態で、前記内箱右側面板の底部と、前記内箱左側面板の底部と、のうち少なくとも一方に形成された係止片を外側に折り曲げるので、前記隙間に係止片を存在させることができ、内箱の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0024】
(9)本発明に係る包装容器において、前記袋体はバッグインボックスを構成する内袋であり、前記包装容器は前記バッグインボックスを構成する外装箱である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、注出口を有するバッグインボックスの後方部が高くなるようにバッグインボックス全体に傾斜を持たせながら、バッグインボックスの後方部を安定的に支持する包装容器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る包装容器について図面を参照しつつ説明する。本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。以下での説明は、最初に本発明に係る包装容器の基本構成及びその各要素について説明し、その後、第1〜第6実施形態の包装容器それぞれの特徴点について説明する。なお、共通する構成部分の説明は簡略化し、特徴的な構成部分を主に説明している。本発明に係る包装容器1は、
図1,4,6,8,10,12に示すように、1枚の板状(シート状)の部材の各部に折曲線やスリット等を設け、各部を折り曲げたり切り取ったりすることで組み立てることもできるが、これに限定されない。包装容器1を構成する複数の部材を連結させて組み立ててもよい。
【0028】
[包装容器の基本構成]
本発明に係る包装容器1は、例えば封入した液体飲料、液体化粧品、液体薬品等の液体を注出する注出口を有する袋体を包装して外形を保持するために用いられるものである。その基本的な構成は、例えば
図1〜
図13に示すように、液体を注出する注出口21を有する袋体2を包装する内箱10と、内箱10を収納する外箱20とで構成された2重構造の包装容器である。
【0029】
内箱10は、注出口21を貫通させて保持する保持孔111を形成可能とする正面板11と、正面板11に対向する位置に配置された内箱背面板12と、正面板11と内箱背面板12とを連結して帯状の胴部を形成させる内箱右側面板13及び内箱左側面板14と、内箱背面板12の底部に連結された内箱背面板連結底面フラップ152、内箱右側面板13の底部に連結された内箱右側面板連結底面フラップ153及び内箱左側面板14の底部に連結された内箱左側面板連結底面フラップ154が重なり合うことで形成される内箱底面板15と、を少なくとも有している。
【0030】
外箱20は、正面板11の底部に連結された外箱底面板250と、外箱底面板250の内箱右側面板13側に連結された外箱右側面板252と、外箱底面板250の内箱左側面板14側に連結された外箱左側面板253と、外箱底面板250の正面板11側とは反対側に連結された外箱底面板連結背面フラップ251、外箱右側面板252に連結された外箱右側面板連結背面フラップ254及び外箱左側面板253に連結された外箱左側面板連結背面フラップ255が重なり合うことで形成される外箱背面板17と、を有している。
【0031】
包装容器1は、これらを組立てることで形成される内箱10と外箱20とが連結してなる直方体又は立方体の外装箱であり、外箱20を接地させた状態で、内箱10と外箱20との連結部Fを支点として内箱10を回動させることができる。そして、内箱10の一部又は外箱20の一部のうち少なくとも一方が変形することで係止片を形成し、内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに係止片を存在させて、内箱10の自然回動を止めることで内箱10の傾斜が維持される。
【0032】
こうした包装容器では、内箱(正面板)と外箱(外箱底面板)との連結部Fを支点として内箱を回動させることができるので、外箱20を接地させた状態で内箱10の後方部を持ち上げることができる。そして、内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに係止片を存在させることで、内箱10の自然回動を止めて内箱10の傾斜が維持されるので、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。これにより、注出口から液体を注出し易くなるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器が、液体を注出する注出口を有する袋体を包装する内箱10と、内箱10を収納する外箱20とで構成された2重構造となっているので、液体が封入された袋体を保護しつつ、包装容器全体の安定性を確保することができる。
【0033】
以下、基本構成の各要素について詳しく説明する。
【0034】
[内箱]
内箱10は、例えば
図1〜
図3に示すように、液体を注出する注出口21を有する袋体2を包装する箱である。内箱10は、注出口21を貫通させて保持する保持孔111を形成可能とする正面板11と、正面板11に対向する位置に配置された内箱背面板12と、正面板11と内箱背面板12とを連結して帯状の胴部を形成させる内箱右側面板13及び内箱左側面板14と、内箱背面板12の底部に連結された内箱背面板連結底面フラップ152と、内箱右側面板13の底部に連結された内箱右側面板連結底面フラップ153と内箱左側面板14の底部に連結された内箱左側面板連結底面フラップ154とが重なり合うことで形成される内箱底面板15と、を少なくとも有する。内箱10の正面板11と、外箱20の外箱底面板250とは連結部Fで連結されている。そのため、外箱20を接地させた状態で、連結部Fを支点として内箱10を回動させることができる。
【0035】
(正面板)
正面板11は、
図1及び
図2に示すように、注出口21を貫通させて保持する板状体である。正面板11には、外箱底面板250と、内箱右側面板13と、内箱左側面板14と、正面板連結上蓋フラップ161と、がそれぞれ連結されている。正面板11と外箱底面板250との連結部には、折曲線11aが設けられている。折曲線11aは、内箱10と外箱20とを連結する連結部Fを構成する。正面板11と内箱右側面板13の連結部には、折曲線11cが設けられている。正面板11と内箱左側面板14との連結部には、折曲線11dが設けられている。正面板11と正面板連結上蓋フラップ161との連結部には、折曲線11bが設けられている。正面板11には、保持孔111の形態をなすミシン目111aと、保持片112の形態をなすミシン目112a及び112bと、折曲線112cとが設けられている。ミシン目111aが切り取られると、保持孔111が形成される。保持孔111は、袋体2の注出口21を貫通させて保持する。ミシン目112a及び112bが切り取られると、保持片112が形成される。保持片112は、袋体2の注出口21を貫通させ易くするためのスペースを形成するとともに、貫通された注出口21を保持する。折曲線112cは、保持片112をめくり上げるための基線となる折曲線である。
【0036】
ユーザは、注出口21を包装容器1の中から引き出して使用するときには、以下の手順に沿った作業を行う。すなわち、(1)ミシン目111aで区画された円形部分を指等で強く押して切り取る。これにより、保持孔111が形成される。(2)ミシン目112a及び112bを切り取りながら、折曲線112cを基線として保持片112を手前にめくり上げる。これにより、注出口21を引き出すためのスペースが形成される。(3)包装容器1の中から注出口21を引き出して、注出口21の基部に設けられた円形状の溝(図示せず)と、保持孔111の淵とを嵌着させる。(4)めくり上げられた状態にある保持片112を元の位置に戻すとともに、保持片112の先端部に形成された半円形又は略半円形の淵を、注出口21の基部に設けられた円形状の溝(図示せず)に嵌着させる。これにより、正面板11に注出口21を固定することができる。
【0037】
(内箱背面板)
内箱背面板12は、
図1に示すように、正面板11に対向する位置に配置された板状体である。内箱背面板12には、内箱背面板連結底面フラップ152と、内箱左側面板14と、内箱背面板連結上蓋フラップ162と、がそれぞれ連結されている。内箱背面板12と内箱背面板連結底面フラップ152の連結部には、折曲線12aが設けられている。内箱背面板12と内箱左側面板14との連結部には、折曲線12cが設けられている。内箱背面板12と内箱背面板連結上蓋フラップ162との連結部には、折曲線12bが設けられている。内箱背面板12には、さらに、糊代片121が連結されている。内箱背面板12と糊代片121との連結部には、折曲線12dが設けられている。糊代片121は、折曲線12dを基線として折り曲げられ、内箱右側面板13の内側の面に接着されることにより、帯状の胴部を筒状に一体固着させる。これにより、筒状の胴部が形成される。
【0038】
(内箱右側面板)
内箱右側面板13は、
図1に示すように、内箱左側面板14に対向した位置に配置された板状体であり、内箱左側面板14とともに正面板11と内箱背面板12とを連結させて帯状の胴部を形成する。内箱右側面板13には、正面板11と、内箱右側面板連結底面フラップ153と、内箱右側面板連結上蓋フラップ163と、がそれぞれ連結されている。内箱右側面板13と正面板11との連結部には、折曲線11cが設けられている。内箱右側面板13と内箱右側面板連結底面フラップ153との連結部には、折曲線13aが設けられている。内箱右側面板13と内箱右側面板連結上蓋フラップ163との連結部には、折曲線13bが設けられている。
【0039】
(内箱左側面板)
内箱左側面板14は、
図1及び
図3に示すように、内箱右側面板13に対向した位置に配置された板状体であり、内箱右側面板13とともに正面板11と内箱背面板12とを連結させて帯状の胴部を形成する。内箱左側面板14には、正面板11と、内箱背面板12と、内箱左側面板連結底面フラップ154と、内箱左側面板連結上蓋フラップ164と、がそれぞれ連結されている。内箱左側面板14と正面板11との連結部には、折曲線11dが設けられている。内箱左側面板14と内箱背面板12との連結部には、折曲線12cが設けられている。内箱左側面板14と内箱左側面板連結底面フラップ154との連結部には、折曲線14aが設けられている。内箱左側面板14と内箱左側面板連結上蓋フラップ164との連結部には、折曲線14bが設けられている。
【0040】
(内箱底面板)
内箱底面板15は、
図1に示すように、内箱背面板連結底面フラップ152と、内箱右側面板連結底面フラップ153と、内箱左側面板連結底面フラップ154と、が重なり合って形成される板状体であり、内箱10の底面部を構成する。内箱底面板15は、各連結部にそれぞれ設けられた折曲線を基線として、内箱背面板連結底面フラップ152、内箱右側面板連結底面フラップ153、内箱左側面板連結底面フラップ154の順で折り曲げられて重なり合うことにより形成される。なお、内箱右側面板連結底面フラップ153と、内箱左側面板連結底面フラップ154と、が折り曲げられる順番は逆であってもよい。
【0041】
内箱背面板連結底面フラップ152は、内箱背面板12に連結された底面フラップであり、内箱背面板12との連結部には、折曲線12aが設けられている。
【0042】
内箱右側面板連結底面フラップ153は、内箱右側面板13に連結された底面フラップであり、内箱右側面板13との連結部には、折曲線13aが設けられている。内箱右側面板連結底面フラップ153の注出口21側の端部には、切欠き部153aが設けられている。
【0043】
内箱左側面板連結底面フラップ154は、内箱左側面板14に連結された底面フラップである。内箱左側面板連結底面フラップ154と内箱左側面板14との連結部には、折曲線14aが設けられている。内箱左側面板連結底面フラップ154の注出口21側の端部には、切欠き部154aが設けられている。
【0044】
(上蓋)
上蓋16は、
図1及び
図2に示すように、上蓋フラップ161〜164が、各連結部にそれぞれ設けられた折曲線を基線として折り曲げられて重なり合うことにより形成される上蓋である。上蓋16は、各連結部にそれぞれ設けられた折曲線を基線として、正面板連結上蓋フラップ161、内箱背面板連結上蓋フラップ162、内箱右側面板連結上蓋フラップ163、内箱左側面板連結上蓋フラップ164の順で折り曲げられて重なり合うことにより形成される。なお、正面板連結上蓋フラップ161と、内箱背面板連結上蓋フラップ162とが折り曲げられる順番は逆であってもよく、内箱右側面板連結上蓋フラップ163と、内箱左側面板連結上蓋フラップ164とが折り曲げられる順番も逆であってもよい。上蓋16には、取っ手(図示せず)を備える袋体2を包装した場合に、取っ手を包装容器1の外部に露出させるための取手孔160が設けられていてもよい。
【0045】
正面板連結上蓋フラップ161は、正面板11の上部に連結された上蓋フラップであり、正面板11との連結部には、折曲線11bが設けられている。正面板連結上蓋フラップ161には、取手孔160の一部を形成する切欠き部161aが設けられている。
【0046】
内箱背面板連結上蓋フラップ162は、内箱背面板12に連結された上蓋フラップであり、内箱背面板12との連結部には、折曲線12bが設けられている。内箱背面板連結上蓋フラップ162には、取手孔160の一部を形成する切欠き部162aが設けられている。
【0047】
内箱右側面板連結上蓋フラップ163は、内箱右側面板13に連結された上蓋フラップであり、内箱右側面板13との連結部には、折曲線13bが設けられている。内箱右側面板連結上蓋フラップ163には、取手孔160の一部を形成するスリット163aとミシン目163bとが設けられている。
【0048】
内箱左側面板連結上蓋フラップ164は、内箱左側面板14に連結された上蓋フラップであり、内箱左側面板14との連結部には、折曲線14bが設けられている。内箱左側面板連結上蓋フラップ164には、取手孔160の一部を形成するスリット164aが設けられている。
【0049】
(内箱の組立手順)
上述したように、糊代片121により胴部が形成された後、以下の手順で内箱10を組立てることができる。ただし、内箱10を組立てる手順は特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)折曲線12aを基線として、内箱背面板連結底面フラップ152を内側に折り曲げる。(2)折曲線13aを基線として、内箱右側面板連結底面フラップ153を内側に折り曲げる。(3)折曲線14aを基線として、内箱左側面板連結底面フラップ154を内側に折り曲げて部分的に内箱右側面板連結底面フラップ153に接着する。なお、(2)と(3)の順番は逆であってもよい。これにより、胴部の底面に内箱底面板15が形成される。(4)折曲線11dを基線として、正面板連結上蓋フラップ161を内側に折り曲げる。(5)折曲線12bを基線として、内箱背面板連結上蓋フラップ162を内側に折り曲げる。(6)折曲線13bを基線として、内箱右側面板連結上蓋フラップ163を内側に折り曲げる。(7)折曲線14bを基線として、内箱左側面板連結上蓋フラップ164を内側に折り曲げる。なお、(4)と(5)の順番は逆であってもよい。(6)と(7)の順番も逆であってもよい。これにより、内箱10を作製することができる。
【0050】
[外箱]
外箱20は、
図1〜
図3に示すように、内箱10を収納する箱である。外箱20は、正面板11の底部に連結された外箱底面板250と、外箱底面板250の内箱右側面板13側に連結された外箱右側面板252と、外箱底面板250の内箱左側面板14側に連結された外箱左側面板253と、外箱底面板250の正面板11側とは反対側に連結された外箱底面板連結背面フラップ251と外箱右側面板252に連結された外箱右側面板連結背面フラップ254と外箱左側面板253に連結された外箱左側面板連結背面フラップ255とが重なり合うことで形成される外箱背面板17と、を有する。外箱20の外箱底面板250と、内箱10の正面板11とは連結部Fで連結されているので、外箱20を接地させた状態で、連結部Fを支点として内箱10を回動させることができる。
【0051】
(外箱底面板)
外箱底面板250は、
図1に示すように、外箱20の底面部を構成するとともに、包装容器1の接地面を有する板状体である。外箱底面板250には、正面板11と、外箱底面板連結背面フラップ251と、外箱右側面板252と、外箱左側面板253と、がそれぞれ連結されている。外箱底面板250と正面板11との連結部には、折曲線11aが設けられている。折曲線11aは、内箱10と外箱20とを連結する連結部Fを構成する。外箱底面板250と外箱底面板連結背面フラップ251の連結部には、折曲線250aが設けられている。外箱底面板250と外箱右側面板252の連結部には、折曲線250bが設けられている。外箱底面板250と外箱左側面板253との連結部には、折曲線250cが設けられている。
【0052】
(外箱右側面板)
外箱右側面板252は、
図1に示すように、外箱20の右側面部を構成するとともに、包装容器1の右側面部の一部を構成する板状体である。外箱右側面板252には、外箱底面板250と、外箱右側面板連結背面フラップ254と、がそれぞれ連結されている。外箱右側面板252と外箱底面板250との連結部には、折曲線250bが設けられている。外箱右側面板252と外箱右側面板連結背面フラップ254との連結部には、折曲線252aが設けられている。
【0053】
(外箱左側面板)
外箱左側面板253は、
図1及び
図3に示すように、外箱20の左側面部を構成するとともに、包装容器1の左側面部の一部を構成する板状体である。外箱左側面板253には、外箱底面板250と、外箱左側面板連結背面フラップ255と、がそれぞれ連結されている。外箱左側面板253と外箱底面板250との連結部には、折曲線250cが設けられている。外箱左側面板253と外箱左側面板連結背面フラップ255との連結部には、折曲線253aが設けられている。
【0054】
(外箱背面板)
外箱背面板17は、
図1に示すように、外箱底面板連結背面フラップ251と、外箱右側面板連結背面フラップ254と、外箱左側面板連結背面フラップ255と、が重なり合って形成される板状体であり、外箱20の背面部を構成する。外箱背面板17は、各連結部にそれぞれ設けられた折曲線を基線として、外箱底面板連結背面フラップ251、外箱右側面板連結背面フラップ254、外箱左側面板連結背面フラップ255の順で折り曲げられて重なり合うことにより形成される。なお、外箱底面板連結背面フラップ251と、外箱右側面板連結背面フラップ254と、外箱左側面板連結背面フラップ255と、が折り曲げられる順番は順不同であってもよい。
【0055】
(外箱の組立手順)
以下の手順で外箱20を組立てることができる。ただし、外箱20を組立てる手順は特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)折曲線250bを基線として、外箱右側面板252を内側に折り曲げる。(2)折曲線250cを基線として、外箱左側面板253を内側に折り曲げる。(3)折曲線250aを基線として、外箱底面板連結背面フラップ251を内側に折り曲げる。(4)折曲線252aを基線として、外箱右側面板連結背面フラップ254を内側に折り曲げる。(5)折曲線253aを基線として、外箱左側面板連結背面フラップ255を内側に折り曲げる。なお、(1)と(2)の順番は逆であってもよいし、(3)と(4)と(5)も順不同でよい。これにより、外箱20を作製することができる。
【0056】
上述した組立手順に従って内箱10と外箱20とを作製した後、折曲線11a(連結部F)を基線として、内箱底面板15と外箱底面板250とが平行に重なり合うまで内箱10を回動させて、外箱20の中に内箱10を収納する。これにより、包装容器1が完成する。
【0057】
[その他]
(包装容器の材質)
包装容器1の材質には、紙製品(段ボール等の紙製品)を用いることが好ましいが、紙製品に限定されない。例えば、加工し易い樹脂等を使用してもよい。樹脂を使用した場合、樹脂の特性を生かした包装容器1を製造することができる。その結果、性質や外観の異なる複数種類の包装容器1を製造することができる。
【0058】
(包装容器の大きさ)
包装容器1の大きさは特に限定されないが、一般家庭で使用される飲料水等を袋体2に封入する場合には、包装容器1の縦横奥行の長さは、それぞれ数十センチ程度となるのが好ましい。
【0059】
[第1〜第6実施形態]
包装容器1の基本的な構成については、上述したとおりであるので、以下の第1〜第6実施形態では、上記基本構成と同様の構成についてはその説明を省略し、それぞれの特徴的な要素について説明する。
【0060】
本発明に係る包装容器の特徴的な構成は、内箱10が、外箱20を接地させた状態で正面板11と外箱底面板250との連結部Fを支点として回動可能であり、その内箱10の一部又は外箱20の一部のうち少なくとも一方が変形することで係止片を形成し、内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに前記係止片を存在させて、内箱10の自然回動を止めることで内箱10の傾斜が維持されることに特徴がある。
【0061】
こうした特徴的な構成により、内箱(正面板11)と外箱(外箱底面板250)との連結部Fを支点として内箱10を回動させることができるので、外箱20を接地させた状態で、内箱10の後方部を持ち上げることができる。そして、内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに係止片を存在させることで、内箱10の自然回動を止めて内箱10の傾斜が維持されるので、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。これにより、注出口から液体を注出し易くなるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器が、液体を注出する注出口を有する袋体を包装する内箱と、内箱を収納する外箱とで構成された2重構造となっているので、液体が封入された袋体を保護しつつ、包装容器全体の安定性を確保することができる。
【0062】
以下では、係止片の形成部位と、内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに形成した係止片を存在させる手段とについて、その態様毎に下記の第1〜第6実施形態で説明する。
【0063】
[第1実施形態]
第1実施形態では、
図1〜
図3に示すように、係止片261,262が、外箱右側面板252の外箱背面板側の上端部と、外箱左側面板253の外箱背面板側の上端部と、のうち少なくとも一方に形成されており、係止片261,262を内側に折り曲げることで隙間Hに係止片261,262を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、外箱右側面板252の外箱背面板側の上端部と、外箱左側面板253の外箱背面板側の上端部と、のうち少なくとも一方に形成された係止片261,262を内側に折り曲げるので、隙間Hに係止片261,262を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。その結果、内箱10の内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口側に集まるので、注出口から多くの液体を注出することができる。これにより、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0064】
(外箱右側面板)
外箱右側面板252について詳しく説明する。
図1及び
図3に示すように、外箱右側面板252と外箱底面板250との連結部には、折曲線250bが設けられている。外箱右側面板252と外箱右側面板連結背面フラップ254との連結部には、折曲線252aが設けられている。そして、折曲線252aの上端部(外箱20の上側)には、係止片261を形成するスリット252b及び252cが設けられている。係止片262の根元には、折曲線252eが設けられている。内箱10を回動させたときに形成される、内箱10と外箱20との隙間Hに向けて係止片261を折り曲げると、内箱10と外箱20との間に係止片261が挟み込まれるので、内箱10の自然回動を止めることができる。これにより、内箱10の傾斜が維持される。
【0065】
(外箱左側面板)
外箱左側面板253について詳しく説明する。
図1及び
図3に示すように、外箱左側面板253と外箱底面板250との連結部には、折曲線250cが設けられている。外箱左側面板253と外箱左側面板連結背面フラップ255との連結部には、折曲線253aが設けられている。そして、折曲線253aの上端部(外箱20の上側)には、係止片262を形成するスリット253b及び253cが設けられている。係止片262の根元には、折曲線253eが設けられている。内箱10を回動させたときに形成される内箱10と外箱20との隙間Hに向けて係止片262を折り曲げると、内箱10と外箱20との間に係止片262が挟み込まれるので、内箱10の自然回動を止めることができる。これにより、内箱10の傾斜が維持される。
【0066】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
使用に伴い、袋体2に封入された液体の容量が減ってくると、注出口21から十分な量の液体が出て来なくなる。特に、袋体2に封入された液体の水面と、注出口21とが同じ高さになると、注出口21から液体がほとんど出なくなるか全く出なくなる。このような場合、ユーザは、
図3(A)に示すような状態にある包装容器1を、
図3(B)に示すような状態になるように内箱10に傾斜をもたせる。
【0067】
具体的には、以下の手順で内箱10に傾斜をもたせる。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)
図3(A)に示すような状態にある内箱10を少し回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)折曲線252eを基線として係止片261を内側に折り曲げる。(3)折曲線253eを基線として係止片262を内側に折り曲げる。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片261及び262を存在させることができるので、内箱10に傾斜をもたせることができる。その結果、
図3(B)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0068】
[第2実施形態]
第2実施形態では、
図4及び
図5に示すように、係止片263が、外箱底面板256の外箱背面板側に形成されており、係止片263を内側に折り曲げることで隙間Hに係止片263を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、外箱底面板256の外箱背面板側に形成された係止片263を内側に折り曲げるので、隙間Hに係止片263を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0069】
(内箱背面板連結底面フラップ)
内箱背面板連結底面フラップ155について詳しく説明する。
図4及び
図5に示すように、内箱背面板連結底面フラップ155は、内箱背面板12に連結された底面フラップであり、内箱背面板12との連結部には、折曲線12aが設けられている。内箱背面板連結底面フラップ155の中心部又はその付近には、後述する係止片263の凸部263aを挿入するための係止片挿入孔264が設けられている。係止片263の凸部263aを挿入するための係止片挿入孔264が設けられているので、係止片263を折り曲げた状態で係止片挿入孔264に凸部263aを挿入すると、
図5(B)に示すような状態となり、係止片263を内箱10に固定することができる。その結果、係止片263の端部が内箱10の表面を滑り、内箱10が重力の作用で元の状態に戻ってしまうことを防ぐことができるので、傾けた状態にある内箱10を安定的に係止することができる。
【0070】
(外箱底面板)
外箱底面板256について詳しく説明する。外箱底面板256は、
図4及び
図5に示すように、外箱20の底面部を構成するとともに、包装容器1の接地面を有する板状体である。外箱底面板256には、正面板11と、外箱底面板連結背面フラップ251と、外箱右側面板252と、外箱左側面板253と、がそれぞれ連結されている。外箱底面板256と正面板11との連結部には、折曲線11aが設けられている。折曲線11aは、内箱10と外箱20とを連結する連結部Fを構成する。外箱底面板256と外箱底面板連結背面フラップ251の連結部には、折曲線256aが設けられている。外箱底面板256と外箱右側面板252の連結部には、折曲線256bが設けられている。外箱底面板256と外箱左側面板253との連結部には、折曲線256cが設けられている。外箱底面板256の中心部又はその付近には、係止片263の形態をなすスリット256dと折曲線256eとが設けられている。折曲線256eを基線として内側(内箱10が存在する方向)に折り曲げると、係止片263が形成される。上述したように、内箱10の内箱背面板連結底面フラップ155には、凸部263aを挿入するための係止片挿入孔264が設けられている。係止片263を折り曲げた状態で係止片挿入孔264に凸部263aを挿入すると、
図5(B)に示すような状態となり、係止片263を固定するとともに、内箱を安定的に係止することができる。
【0071】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
本実施形態において、内箱10に傾斜をもたせる手順は下記のとおりである。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)内箱10を回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)折曲線256eを基線として係止片263を内側に折り曲げる。(3)係止片挿入孔264に凸部263aを挿入する。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片263を存在させることができるので、内箱10に傾斜をもたせることができる。その結果、
図5(A)に示すような状態にあった接地面を、
図5(B)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0072】
[第3実施形態]
第3実施形態では、
図6及び
図7に示すように、係止片265が、外箱底面板連結背面フラップ257の端部側に形成されており、その係止片265を内側に折り曲げることで隙間Hに係止片265を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、外箱底面板連結背面フラップ257の端部側に形成された係止片265を内側に折り曲げるので、隙間Hに係止片265を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0073】
(内箱背面板)
内箱背面板18について詳しく説明する。内箱背面板18は、
図6及び
図7に示すように、正面板11に対向する位置に配置された板状体である。内箱背面板18には、内箱背面板連結底面フラップ152と、内箱左側面板14と、内箱背面板連結上蓋フラップ162と、がそれぞれ連結されている。内箱背面板18と内箱背面板連結底面フラップ152の連結部には、折曲線18aが設けられている。内箱背面板18と内箱左側面板14との連結部には、折曲線18cが設けられている。内箱背面板18と内箱背面板連結上蓋フラップ162との連結部には、折曲線18bが設けられている。内箱背面板18には、さらに、糊代片121が連結されている。内箱背面板18と糊代片121との連結部には、折曲線18dが設けられている。糊代片121は、折曲線18dを基線として折り曲げられ、内箱右側面板13の内側の面に接着されることにより、帯状の胴部を筒状に一体固着させる。これにより、筒状の胴部が形成される。
【0074】
内箱背面板18の中心部又はその付近には、後述する係止片265の凸部265aを挿入するための係止片挿入孔270が設けられている。係止片265の凸部265aを挿入するための係止片挿入孔270が設けられているので、係止片265を折り曲げた状態で係止片挿入孔270に凸部265aを挿入すると、
図7(B)に示すような状態となり、係止片265を固定することができる。その結果、係止片265の端部が内箱10の表面を滑り、内箱10が重力の作用で元の状態に戻ってしまうことを防ぐことができるので、傾けた状態にある内箱10を安定的に係止することができる。
【0075】
(外箱背面板)
外箱背面板17について詳しく説明する。外箱背面板17は、
図6及び
図7に示すように、外箱底面板連結背面フラップ257と、外箱右側面板連結背面フラップ258と、外箱左側面板連結背面フラップ259と、が重なり合って形成される板状体であり、外箱20の背面部を構成する。外箱背面板17は、各連結部にそれぞれ設けられた折曲線を基線として、外箱底面板連結背面フラップ257、外箱右側面板連結背面フラップ258、外箱左側面板連結背面フラップ259の順で折り曲げられて重なり合うことにより形成される。なお、外箱底面板連結背面フラップ257と、外箱右側面板連結背面フラップ258と、外箱左側面板連結背面フラップ259と、が折り曲げられる順番は順不同であってもよい。
【0076】
外箱底面板連結背面フラップ257の先端部(外箱20の上側)には、係止片265の形態をなすスリット257a及び257bと、折曲線257cとが設けられている。折曲線257cを基線として外箱底面板連結背面フラップ257の先端部を内側に折り曲げると、係止片265が形成される。係止片265の先端部には、凸部265aが設けられている。上述したように、内箱10の内箱背面板18には、凸部265aを挿入するための係止片挿入孔270が設けられている。係止片265を折り曲げた状態で係止片挿入孔270に凸部265aを挿入すると、
図7(B)に示すような状態となり、係止片265を固定するとともに、内箱10を安定的に係止することができる。外箱右側面板連結背面フラップ258と外箱左側面板連結背面フラップ259とには、係止片265を折り曲げたときに邪魔とならないように、切欠き部258aと切欠き部259aとがそれぞれ設けられている。なお、係止片265を形成させる場所は、外箱底面板連結背面フラップ257の先端部に限定されず、外箱底面板連結背面フラップ257の先端側の任意の場所に設けることができる。
【0077】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
本実施形態において、内箱10に傾斜をもたせる手順は下記のとおりである。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)内箱10を回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)折曲線257cを基線として外箱底面板連結背面フラップ257の先端部を内側に折り曲げて係止片265を形成させる。(3)係止片挿入孔270に凸部265aを挿入する。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片265を存在させることができるので、内箱10に傾斜をもたせることができる。その結果、
図7(A)に示すような状態にあった外箱20の背面部を、
図7(B)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0078】
[第4実施形態]
第4実施形態では、
図8及び
図9に示すように、係止片266が、内箱背面板連結底面フラップ156の内箱背面板側に形成されており、その係止片266を外側(外箱20が存在する方向)に折り曲げることで隙間Hに係止片266を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、内箱背面板連結底面フラップ156の内箱背面板側に形成された係止片266を外側に折り曲げるので、隙間Hに係止片266を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0079】
(内箱背面板連結底面フラップ)
内箱背面板連結底面フラップ156について詳しく説明する。内箱背面板連結底面フラップ156は、
図8及び
図9に示すように、内箱背面板12に連結された底面フラップであり、内箱背面板12との連結部には、折曲線12aが設けられている。内箱背面板連結底面フラップ156には、折曲線12aに沿って係止片266の形態をなすスリット156aが設けられている。係止片266の先端部には、切欠き部266aが設けられている。この切欠き部266aに指を掛けて、折曲線12aを基線としてめくり上げると、
図9(B)に示すような係止片266が形成される。係止片266は、係止片266の端部が、
図9(C)に示すように外箱20の内側底面角部Cに嵌着することで固定される。内箱10と外箱20との隙間Hの中から内箱10を係止するので、内箱10を傾けた状態を維持することができる。
【0080】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
本実施形態において、内箱10に傾斜をもたせる手順は下記のとおりである。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)内箱10を回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)切欠き部266aに指をかけて、折曲線12aを基線として内箱背面板連結底面フラップ156のスリット156aで区画される部分をめくり上げる。これにより、係止片266を形成させる。(3)外箱20の内側底面角部Cに係止片266の端部を嵌着させる。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片266を存在させることができるので、内箱10に傾斜をもたせることができる。その結果、
図9(A)に示すような状態にあった内箱10の底面部を、
図9(C)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0081】
[第5実施形態]
第5実施形態では、
図10及び
図11に示すように、係止片267が、内箱背面板19の底部に形成されており、係止片267を外側に折り曲げることで隙間Hに係止片267を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、内箱背面板19の底部に形成された係止片267を外側(外箱20が存在する方向)に折り曲げるので、隙間Hに係止片267を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0082】
(内箱背面板)
内箱背面板19について詳しく説明する。内箱背面板19は、
図10及び
図11に示すように、正面板11に対向する位置に配置された板状体である。内箱背面板19には、内箱背面板連結底面フラップ152と、内箱左側面板14と、内箱背面板連結上蓋フラップ162と、がそれぞれ連結されている。内箱背面板19と内箱背面板連結底面フラップ152の連結部には、折曲線19aが設けられている。内箱背面板19と内箱左側面板14との連結部には、折曲線19cが設けられている。内箱背面板19と内箱背面板連結上蓋フラップ162との連結部には、折曲線19bが設けられている。内箱背面板19には、さらに、糊代片121が連結されている。内箱背面板19と糊代片121との連結部には、折曲線19dが設けられている。糊代片121は、折曲線19dを基線として折り曲げられ、内箱右側面板13の内側の面に接着されることにより、帯状の胴部を筒状に一体固着させる。これにより、筒状の胴部が形成される。
【0083】
内箱背面板19には、折曲線19aに沿って係止片267の形態をなすスリット19fが設けられている。係止片267の先端部には、切欠き部267aが設けられている。この切欠き部267aに指を掛けて、折曲線19aを基線としてめくり上げると、
図11(B)に示すような係止片267が形成される。係止片267は、係止片267の端部が、
図11(C)に示すように外箱20の内側底面角部Cに嵌着することで固定される。これにより、係止片267が内箱10と外箱20との隙間Hの中から内箱10を係止するので、内箱10を傾けた状態を維持することができる。
【0084】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
本実施形態において、内箱10に傾斜をもたせる手順は下記のとおりである。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)内箱10を回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)切欠き部267aに指をかけて、折曲線19aを基線としてスリット19fで区画される部分をめくり上げて係止片267を形成させる。(3)外箱20の内側底面角部Cに係止片267の端部を嵌着させる。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片267を存在させることができるので、内箱10に傾斜をもたせることができる。その結果、
図11(A)に示すような状態にあった内箱10の背面部を、
図11(C)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0085】
[第6実施形態]
第6実施形態では、
図12及び
図13に示すように、係止片268,269が、内箱右側面板22の底部と、内箱左側面板23の底部と、のうち少なくとも一方に形成されており、係止片268,269を外側(外箱20が存在する方向)に折り曲げることで隙間Hに係止片268,269を存在させている。こうした構成により、内箱10を回動して外箱20との間に隙間Hを形成させた状態で、内箱右側面板22の底部と、内箱左側面板23の底部と、のうち少なくとも一方に形成された係止片268,269を外側に折り曲げるので、隙間Hに係止片268,269を存在させることができ、内箱10の傾斜を維持することができる。これにより、内箱内の袋体に残留している液体は、重力により注出口側に集まる。その結果、注出口から多くの液体を注出することができるので、袋体に残留する液体の量を減らすことができる。
【0086】
(内箱右側面板)
内箱右側面板22について詳しく説明する。内箱右側面板22は、
図12及び
図13に示すように、内箱左側面板23に対向した位置に配置された板状体であり、内箱左側面板23とともに正面板11と内箱背面板12とを連結させて帯状の胴部を形成する。内箱右側面板22には、正面板11と、内箱右側面板連結底面フラップ153と、内箱右側面板連結上蓋フラップ163と、がそれぞれ連結されている。内箱右側面板22と正面板11との連結部には、折曲線11cが設けられている。内箱右側面板22と内箱右側面板連結底面フラップ153との連結部には、折曲線22aが設けられている。内箱右側面板22と内箱右側面板連結上蓋フラップ163との連結部には、折曲線22bが設けられている。
【0087】
内箱右側面板22の底部(内箱10の底面側)中央部又はその付近には、係止片268を形成するスリット22cが設けられている。係止片268の根元には、折曲線22dが設けられている。係止片268は、端部を爪で引っ掛けてめくり上げることができる。内箱10を回動させ、内箱10の側面部と外箱20の側面部と間に隙間Hを形成させた状態で、係止片268をめくり上げる。これにより、内箱10を回動させて元に戻す途中で、外箱20の外箱右側面板252の切欠き部252dに係止片268が引っ掛かるので、重力による内箱10の自然回動を止めることができる。これにより、内箱10の傾斜が維持される。
【0088】
(内箱左側面板)
内箱左側面板23について詳しく説明する。内箱左側面板23は、
図12及び
図13に示すように、内箱右側面板22に対向した位置に配置された板状体であり、内箱右側面板22とともに正面板11と内箱背面板12とを連結させて帯状の胴部を形成する。内箱左側面板23には、正面板11と、内箱背面板12と、内箱左側面板連結底面フラップ154と、内箱左側面板連結上蓋フラップ164と、がそれぞれ連結されている。内箱左側面板23と正面板11との連結部には、折曲線11dが設けられている。内箱左側面板23と内箱背面板12との連結部には、折曲線12cが設けられている。内箱左側面板23と内箱左側面板連結底面フラップ154との連結部には、折曲線23aが設けられている。内箱左側面板23と内箱左側面板連結上蓋フラップ164との連結部には、折曲線23bが設けられている。
【0089】
内箱左側面板23の底部(内箱10の底面側)中央部又はその付近には、係止片269を形成するスリット23cが設けられている。係止片269の根元には、折曲線23dが設けられている。係止片269は、端部を爪で引っ掛けてめくり上げることができる。内箱10を回動させ、内箱10の側面部と外箱20の側面部と間に隙間Hを形成させた状態で、係止片269をめくり上げる。これにより、内箱10を回動させて元に戻す途中で、外箱20の外箱左側面板253の切欠き部253dに係止片269が引っ掛かるので、重力による内箱10の自然回動を止めることができる。これにより、内箱10の傾斜が維持される。
【0090】
(内箱に傾斜をもたせる手順)
本実施形態において、内箱10に傾斜をもたせる手順は下記のとおりである。なお、内箱10に傾斜をもたせる手順は、特に限定されるものではなく、下記の手順は好適な一例である。すなわち、(1)内箱10を回動させて、内箱10と外箱20との間に隙間Hを形成させる。(2)係止片268の端部に爪を掛けて、折曲線22dを基線としてめくり上げる。(3)係止片269の端部に爪を掛けて、折曲線23dを基線としてめくり上げる。(4)内箱10を回動させて元に戻す途中で、外箱右側面板252の切欠き部252dに係止片268を引っ掛けるとともに、外箱左側面板253の切欠き部253dに係止片269を引っ掛ける。これにより、内箱10と外箱20との隙間Hに係止片268及び269が挟み込まれるので、重力による内箱10の自然回動を止めることができる。これにより、内箱10の傾斜が維持される。その結果、包装容器1の左側面部を、
図13(B)に示すような状態にすることができる。この状態にすると、内箱10内の袋体2に残留している液体は、重力により注出口21側に集まる。これにより、注出口21から液体を注出し易くなるので、袋体2に残留する液体の量を減らすことができる。さらに、包装容器1は、内箱10と外箱20とで構成された2重構造となっているので、内箱10が傾いた状態にあっても、液体が封入された袋体2を保護しつつ、包装容器1全体の安定性を確保することができる。
【0091】
本発明は上記した実施の形態に記載の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や使用例も含むものである。また、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や上記実施の形態の組み合わせを施してもよい。