(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963750
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】吹付け用セメント組成物
(51)【国際特許分類】
C04B 28/04 20060101AFI20211028BHJP
C04B 14/28 20060101ALI20211028BHJP
C04B 22/08 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
C04B28/04
C04B14/28
C04B22/08 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-246762(P2017-246762)
(22)【出願日】2017年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-172264(P2018-172264A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2017-71182(P2017-71182)
(32)【優先日】2017年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】小田部 裕一
(72)【発明者】
【氏名】中島 有一
(72)【発明者】
【氏名】福田 道也
【審査官】
手島 理
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−287461(JP,A)
【文献】
石灰石微粉末,コンクリート工学,2014年05月,Vol.52,No.5,405-408
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02
C04B40/00−40/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントと石灰石微粉末とを含んだ吹付け用セメント組成物であって、
前記石灰石微粉末の含有量が70kg/m3以上200kg/m3以下であり、
前記石灰石微粉末の比表面積が3500cm2/g以上4500cm2/g以下であり、
前記石灰石微粉末中の炭酸カルシウムの含有量が70質量%以上90質量%以下である吹付け用セメント組成物。
【請求項2】
骨材と急結剤と水とを更に含む請求項1に記載の吹付け用セメント組成物。
【請求項3】
前記石灰石微粉末は、該石灰石微粉末に対して50wt%の水と前記石灰石微粉末とを混練攪拌して得られる石灰石微粉末ペーストのJAロート流下時間が15.0秒以上25.0秒以下である請求項1又は2に記載の吹付け用セメント組成物。
【請求項4】
前記石灰石微粉末をセメントに対して15質量%以上60質量%以下含有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の吹付け用セメント組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に吹き付けて使用する吹付け用セメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメントと水とを含む吹付け用セメント組成物を対象物に吹き付けることで、該対象物の表面に吹付け用セメント組成物を施工する方法が知られている。例えば、掘削したトンネルや地下空間などの建設工事では,掘削面に速硬性を有するセメント組成物(具体的には、コンクリート)を吹き付けることによって露出面の崩落が防止されている。
【0003】
吹付け用セメント組成物を対象物に吹き付ける方法としては、一般的に、吹付け用ノズルを用いて、吹付け用セメント組成物を気体と共に噴射し、対象物に吹き付ける方法が知られている。具体的には、セメントを含む粉体材料と水とを別々に吹付け用ノズル内に供給して混合することで吹付け用セメント組成物を形成し、該吹付け用セメント組成物を吹付け用ノズルから気体と共に噴射して対象物に吹き付ける方法(所謂、乾式吹付け工法)が知られている。又は、セメントを含む粉体材料と水とを混練して形成した吹付け用セメント組成物を吹付け用ノズルに供給し、該吹付け用セメント組成物を吹付け用ノズルから噴射して対象物に吹き付ける方法(所謂、湿式吹付け工法)が知られている。
【0004】
ところで、上記のように、吹付け用セメント組成物を吹付け用ノズルから噴射して対象物に吹き付けた場合、吹き付けに伴う衝撃によって、吹付け用セメント組成物中の粉状物質が粉塵となって飛散したり、吹付け用セメント組成物自体の跳ね返りが生じたりする。このような粉塵や跳ね返りの発生は、吹き付けられた吹付け用セメント組成物の組成や吹付け量にバラツキを生じさせる要因となる。
【0005】
そこで、粉塵や跳ね返りを抑制する方法として、吹付け用セメント組成物の成分の一部に、液状の急結剤を使用する方法や(特許文献1,2参照)、粉状の急結剤と液状の急結剤とを併用する方法(特許文献3,4参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−509124号公報
【特許文献2】特開平10−087358号公報
【特許文献3】特開2002−220270号公報
【特許文献4】特開2007−055831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の各方法は、急結剤を所定の状態(液状や粉状)で使用することが必要となるため、所望する状態の急結剤を準備することができない場合には、上記の各方法を用いることができない。
【0008】
そこで、本発明は、粉塵や跳ね返りを抑制することができる吹付け用セメント組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る吹付け用セメント組成物は、セメントと石灰石微粉末とを含んだ吹付け用セメント組成物であって、前記石灰石微粉末の比表面積が3500cm
2/g以上4500cm
2/g以下であり、前記石灰石微粉末中の炭酸カルシウムの含有量が70質量%以上90質量%以下である。
【0010】
斯かる構成によれば、石灰石微粉末の比表面積、及び、石灰石微粉末中の炭酸カルシウムの含有量が所定の範囲であることで、吹付け用セメント組成物を対象物に吹き付けた際に生じる粉塵や跳ね返りを効果的に抑制することができる。
【0011】
本発明に係る吹付け用セメント組成物は、骨材と急結剤と水とを更に含み、前記石灰石微粉末の含有量が70kg/m
3以上200kg/m
3以下であってもよい。
【0012】
本発明に係る吹付け用セメント組成物は、前記石灰石微粉末は、石灰石微粉末ペーストのJAロート流下時間が15.0秒以上25.0秒以下であってもよい。
【0013】
本発明に係る吹付け用セメント組成物は、前記石灰石微粉末をセメントに対して15質量%以上60質量%以下含有してもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、急結剤の状態に影響されることなく、粉塵や跳ね返りを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
本発明に係る吹付け用セメント組成物は、セメントと石灰石微粉末とを含むものである。また、本発明に係る吹付け用セメント組成物は、骨材と急結剤と水とを更に含んでもよい。
【0017】
前記セメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、JIS R 5210に規定された各種のポルトランドセメント、JIS R 5211に規定される各種の高炉セメント、JIS R 5212に規定された各種のシリカセメン卜、及び、JIS R 5213に規定された各種のフライアッシュセメントからなる群から選択される少なくとも一つを用いることができる。前記ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、及び、上記各種のポルトランドセメントの低アルカリ形が挙げられる。また、前記高炉セメントとしては、高炉セメントA種、B種、及び、C種が挙げられる。また、前記シリカセメン卜としては、シリカセメントA種、B種、及び、C種が挙げられる。また、前記フライアッシュセメントとしては、フライアッシュセメントA種、B種、及び、C種が挙げられる。
【0018】
前記骨材としては、粗骨材、及び、細骨材を用いることできる。つまり、本発明に係る吹付け用セメント組成物は、コンクリートを構成するものであってもよい。
【0019】
粗骨材は、5mmのふるい目を通過しないものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、粗骨材としては、砂岩砕石、玉砂利(川砂利)、天然軽量粗骨材(パーライト、ヒル石等)、副産軽量粗骨材、人工軽量粗骨材、再生骨材等が挙げられる。粗骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して180質量%以上210質量%以下であってもよく、190質量%以上200質量%以下であってもよい。
【0020】
細骨材は、10mmのふるい目をすべて通過し、5mmのふるい目を通過するものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、細骨材としては、山砂、川砂、陸砂、及び、海砂等の天然砂や、砂岩,石灰岩等を人工的に破砕して形成された砕砂(より詳しくは、石灰砕砂等)が挙げられる。細骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して220質量%以上285質量%以下であってもよく、230質量%以上275質量%以下であってもよい。
【0021】
なお、上記の粗骨材及び細骨材のサイズは、JIS A 1102に従う骨材のふるい分け試験方法によって測定されるもので、JIS Z 8801−1の試験用ふるい目を表したものである。
【0022】
前記石灰石微粉末としては、比表面積が3500cm
2/g以上4500cm
2/g以下であるものが用いられ、3600cm
2/g以上4400cm
2/g以下であるものを用いることが好ましい。比表面積とは、JIS R 5201 セメントの物理試験方法に規定される方法で測定されるものである。また、石灰石微粉末としては、炭酸カルシウムの含有量が70質量%以上90質量%以下であるものが用いられ、71質量%以上89質量%以下であるものを用いることが好ましい。また、石灰石微粉末としては、石灰石微粉末ペーストのJAロート流下時間が15.0秒以上25.0秒以下であってもよく、15.5秒以上20.0秒以下であってもよく、15.7秒以上16.8秒以下であってもよい。なお、JAロート流下時間とは、下記の実施例に記載の測定方法で測定されるものである。
【0023】
また、吹付け用セメント組成物中の石灰石微粉末の含有量は、70kg/m
3以上200kg/m
3以下であってもよく、75kg/m
3以上190kg/m
3以下であってもよい。また、石灰石微粉末の含有量は、セメントに対して15質量%以上60質量%以下であってもよく、19質量%以上56質量%以下であってもよい。また、石灰石微粉末は、細骨材と石灰石微粉末との合計量に対して、6質量%以上20質量%以下であってもよく、9.5質量%以上19質量%以下であってもよい。
【0024】
前記急結剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミン酸塩系、硫酸塩系、炭酸塩系、ケイ酸塩系、及びカルシウムアルミネート系等が挙げられる。これらのうち、凝結性や強度発現性の面からカルシウムアルミネート系が好ましい。カルシウムアルミネート系は単独でも急結剤として使用できるが、アルミン酸塩、硫酸塩、及び炭酸塩などの無機塩と併用することも可能である。これらのうち、無機塩としては硫酸塩である石膏が好ましい。また、急結剤には、例えば、上記アルミン酸ナトリウムのような急結成分以外の成分が含有されてもよい。急結成分としては、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、及びケイ酸ナトリウムの群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。また、急結剤は、液状であっても粉状であってもよく、均一に混合しやすいという点では液状の急結剤を用いることができる。また、急結剤の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して5質量%以上10質量%以下であってもよく、6質量%以上9質量%以下であってもよい。なお、急結剤に急結成分以外の成分が含まれている場合には、上記の含有量は、急結成分の含有量である。
【0025】
本発明に係る吹付け用セメント組成物には、混和材が含有されてもよい。混和材としては、例えば、フライアッシュ、シリカフューム、セメントキルンダスト、高炉フューム、高炉水砕スラグ微粉末、高炉除冷スラグ微粉末、転炉スラグ微粉末、半水石膏、膨張材、石灰石微粉末、生石灰微粉末、ドロマイト微粉末、ナトリウム型ベントナイト、カルシウム型ベントナイト、アタパルジャイト、セピオライト、活性白土、酸性白土、アロフェン、イモゴライト、シラス(火山灰)、シラスバルーン、カオリナイト、メタカオリン(焼成粘土)、合成ゼオライト、人造ゼオライト、人工ゼオライト、モルデナイト、クリノプチロライト等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
また、本発明に係る吹付け用セメント組成物には、混和剤が含有されてもよい。混和剤としては、例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、分離低減剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、収縮低減剤、起泡剤、発泡剤、防水剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を使用することができる。
【0027】
本発明に係る吹付け用セメント組成物を構成する水としては、特に限定されるものではなく、一般的な上水道水を用いることができる。吹付け用セメント組成物中の水の含有量は、セメントに対して40質量%以上65質量%以下であってもよく、45質量%以上60質量%以下であってもよい。
【0028】
以上のような吹付け用セメント組成物を対象物(例えば、掘削によって形成された壁面等)に吹き付ける際には、吹付け用セメント組成物を噴射する吹付け用ノズルが用いられる。該吹付け用ノズルは、セメント、石灰石微粉末、骨材、及び、水を含む第一組成物と、液状又は粉状の急結剤を含む第二組成物とが供給されて混合されることで吹付け用セメント組成物を形成するように構成されてもよく、セメント、石灰石微粉末、骨材、及び、粉状の急結剤を含む組成物と、水とが供給されて混合されることで吹付け用セメント組成物を形成するように構成されてもよい。又は、吹付け用ノズルは、セメント、石灰石微粉末、及び、骨材を含む第一組成物と、水と液状の急結剤とを含む第二組成物とが供給されて混合されることで吹付け用セメント組成物を形成するように構成されてもよい。
【0029】
以上のように、本発明に係る吹付け用セメント組成物によれば、粉塵や跳ね返りを抑制することができる。
【0030】
即ち、石灰石微粉末の比表面積、及び、石灰石微粉末中の炭酸カルシウムの含有量が所定の範囲であることで、吹付け用セメント組成物を対象物に吹き付けた際に生じる粉塵や跳ね返りを効果的に抑制することができる。
【0031】
なお、本発明に係る吹付け用セメント組成物は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、更に、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【実施例】
【0032】
以下、実施例、及び、比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
<使用材料>
・セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
・水:上水道水
・細骨材:山砂
・粗骨材:砂岩砕石
・フライアッシュ:JIS A 6201 コンクリート用フライアッシュII種(テクノ中部社製)
・化学混和剤:湿式吹付コンクリート用混和剤フローリックTN(フローリック社製)
・急結剤:デンカナトミックTYPE5(デンカ社製)
・石灰石微粉末:下記表1参照
(比表面積は、上記の実施形態と同様の方法で測定されるものである。)
(JAロート流下時間は、以下の方法で測定されるものである。具体的には、石灰石微粉末と該石灰石微粉末に対して50wt%の水とを混練撹拌して石灰石微粉末ペーストを得た。そして、得られた石灰石微粉末ペーストを用いて、「PCグラウトの流動性試験方法(JSCE−F 531−2010)に従ってMIC−363−0−03型(JAロート)で流下試験を行い、流下時間(JAロート流下時間)を測定した。なお、JAロートの寸法は、上端内径100mm、下端内径8mm、全高381.1mmである。)
【0034】
【表1】
【0035】
<セメント組成物の作製>
下記表2の配合で上記の各材料を混練することで、各実施例、及び、各比較例のセメント組成物を作製した。
【0036】
【表2】
【0037】
<スプレッド試験>
上記の表2に示した各配合のセメント組成物に対して、吹付コンクリートの跳ね返りを簡易的に評価できるスプレッド試験(ドイツ工業規格 DIN1048)を実施した。具体的には、各配合のセメント組成物に対して、JIS A 1101 コンクリートのスランプ試験方法による試験を行った。そして、スランプが18±2.5cmであるセメント組成物に対して、スランプ板の片側を4cm持ち上げて落下させる操作を繰り返した。そして、この落下操作の繰り返しにより、各配合のセメント組成物のフローが60cmに到達した際の回数(以下、拡がり回数とも記す)を測定した。
この拡がり回数が多いほど、吹付け用セメント組成物を吹き付けた際の粉塵や跳ね返りが少ないことを意味する。スランプ、及び、拡がり回数の測定結果は、下記表3に示す。
【0038】
<粉塵濃度・跳ね返りの測定>
比較例1、比較例2、実施例4のセメント組成物の配合において、セメント質量に対して急結剤を7質量%添加し、吹付け用セメント組成物を作製した。そして、得られた吹付け用セメント組成物を用いて、粉塵濃度と跳ね返りの測定を行った。粉塵濃度は、JSCE−F 564−2013に基づいて測定し、跳ね返りは、JSCE−F 563−2013に基づいて測定した。吹付け用セメント組成物の吹付時の吐出量は、8m
3/hrとした。粉塵濃度・跳ね返りの測定結果は、下記表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
<まとめ>
まず初めに、表3の比較例1,2及び実施例4を見ると、拡がり回数が多くなるほど、粉塵濃度及び跳ね返り量が小さくなることが認められる。つまり、拡がり回数が多くなるほど、粉塵及び跳ね返りが抑制されることが認められる。そして、各実施例と各比較例とを比較すると、各実施例の方が拡がり回数が多いことが認められる。つまり、石灰石微粉末の比表面積と、石灰石微粉末中の炭酸カルシウムの含有量とを本発明の範囲に調節した吹付け用セメント組成物を用いて吹き付けを行うことで、急結剤の有無や状態に影響されることなく、粉塵や跳ね返りの発生を効果的に抑制することが可能となる。また、JAロート流下時間が本発明の範囲である石灰石微粉末を使用することで、急結剤の有無や状態に影響されることなく、粉塵や跳ね返りの発生を効果的に抑制することが可能となる。