特許第6964979号(P6964979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6964979蒸着で堆積されたフォトレジスト、及びそのための製造及びリソグラフィシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964979
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】蒸着で堆積されたフォトレジスト、及びそのための製造及びリソグラフィシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20211028BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20211028BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H01L21/30 564Z
   G03F7/004
   G03F7/20 503
   G03F7/20 521
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-502257(P2016-502257)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-517633(P2016-517633A)
(43)【公表日】2016年6月16日
(86)【国際出願番号】US2014026826
(87)【国際公開番号】WO2014152023
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月10日
【審判番号】不服2020-10461(P2020-10461/J1)
【審判請求日】2020年7月28日
(31)【優先権主張番号】61/786,042
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/139,457
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】マイケルソン ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドマン ティモシー ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】チン バリー リー
(72)【発明者】
【氏名】フォウド マジード エー
(72)【発明者】
【氏名】ディートン ポール
【合議体】
【審判長】 瀬川 勝久
【審判官】 山村 浩
【審判官】 松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−514293(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/007442(WO,A1)
【文献】 特開2004−172272(JP,A)
【文献】 特開2011−53566(JP,A)
【文献】 特開平7−106224(JP,A)
【文献】 特開昭57−157522(JP,A)
【文献】 特開平7−106234(JP,A)
【文献】 特開昭57−143826(JP,A)
【文献】 特開2010−122305(JP,A)
【文献】 特開2008−135090(JP,A)
【文献】 特開2012−248664(JP,A)
【文献】 特開2000−331939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027,21/30
G03F 7/004-7/04,7/16-7/24,9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端紫外線フォトレジスト堆積システムであって、
内部に基板を保持するための冷却されたチャックを有する真空チャンバと、
極端紫外線フォトレジストの前駆体を加熱及び揮発させ、加熱された極端紫外線フォトレジストの前駆体を真空チャンバ内に導入する加熱された一次入口及び加熱された二次入口と、
加熱された一次入口及び加熱された二次入口に接続された真空チャンバを加熱するための加熱素子とを含み、
冷却されたチャックによって冷却された基板上に蒸着される極端紫外線フォトレジストの前駆体を凝縮させることによって、蒸着された極端紫外線フォトレジストが形成され、
蒸着された極端紫外線フォトレジストには、リガンドの数及び金属原子の数があり、金属原子の数に対するリガンドの数の比が制御されて、蒸着された極端紫外線フォトレジストの特性が制御されており、
蒸着の間、堆積組成及び条件は変化し、蒸着された極端紫外線フォトレジストは上部と底部を有し、システムは極端紫外線フォトレジストが堆積される際に用いられる条件及び化学物質を変化させ、上部から底部まで異なる極端紫外線フォトレジスト組成を生じさせている極端紫外線フォトレジスト堆積システム。
【請求項2】
極端紫外線フォトレジスト堆積システムは、蒸着される極端紫外線フォトレジストを堆積させるための揮発性金属酸化物前駆体を含む極端紫外線フォトレジストの前駆体を提供する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
極端紫外線フォトレジスト堆積システムは、蒸着される極端紫外線フォトレジストを堆積させるための金属アルコキシドを含む極端紫外線フォトレジストの前駆体を提供する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
真空チャンバは、金属酸化物極端紫外線フォトレジスト前駆体を金属酸化物極端紫外線フォトレジストに変換するために、極端紫外線フォトレジストの前駆体を酸化剤と反応させるためのものである、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
真空チャンバは、基板上に分子の堆積をもたらす気相反応を推進させるためのものである、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
極端紫外線フォトレジスト堆積システムは、金属中心の周りでリガンド置換反応を開始するリガンド前駆体を反応させるためのものである、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
極端紫外線フォトレジスト堆積システムは、真空チャンバ内に形成された金属酸化物と結合するためのリガンド前駆体を提供するためのものである、請求項1記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/786,042号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書内に援用される。
【0002】
本出願は、2013年12月23日に出願された同時出願の米国特許出願第14/139,307号に関連し、その内容は参照により本明細書内に援用される。
【0003】
本出願は、2013年12月23日に出願された同時出願の米国特許出願第14/139,371号に関連し、その内容は参照により本明細書内に援用される。
【0004】
本出願は、2013年12月23日に出願された同時出願の米国特許出願第14/139,415号に関連し、その内容は参照により本明細書内に援用される。
【0005】
本出願は、2013年12月23日に出願された同時出願の米国特許出願第14/139,507号に関連し、その内容は参照により本明細書内に援用される。
【技術分野】
【0006】
本発明は、概して、極端紫外線リソグラフィフォトレジストに関する。
【背景】
【0007】
極端紫外線リソグラフィ(EUV、軟X線投影リソグラフィとしても知られている)は、0.13ミクロン及びそれよりも小さい最小フィーチャーサイズの半導体デバイスの製造のための遠紫外線リソグラフィに代わる候補である。
【0008】
しかしながら、概して5〜40ナノメートルの波長範囲内にある極端紫外光は、実質的に全ての材料に強く吸収される。そのため、極端紫外線システムは、光の透過によってではなく、反射によって動作する。一連のミラー、又はレンズ要素、及び反射要素、又は非反射吸収体マスクパターンでコーティングされたマスクブランクの使用を介して、パターニングされた化学光は、レジストがコーティングされた半導体ウェハ上へ反射される。
【0009】
パターンをフォトレジストに転写するために利用されるフォトリソグラフィ技術の進歩は、ますますより小さいパターンが転写されることを可能にしてきた。これは、より小さな集積回路構造が、集積回路内に形成できることを意味する。その結果、より多くの素子を半導体集積回路上の所定の領域内に配置することができ、これは集積回路のコストを大幅に減少させる能力をもたらし、同時に、集積回路が内部に使用される電子デバイス内の機能性を増加させる。
【0010】
半導体集積回路の製造において、フォトレジストは、半導体ウェハ上に堆積される。放射線及び他の処理への曝露では、フォトレジストの曝露された領域は、フォトレジストのそれらの領域を除去がより困難あるいはより容易のいずれかとする変化を受ける。その結果、その後の処理は、パターニングされた除去がより困難な材料を残して、除去がより容易な材料を選択的に除去することができる。その後、このパターンは、例えば、半導体ウェハの下にある層内に所望の構造をエッチングするためのマスクとして残存するフォトレジストを使用することにより、フォトレジストを介して半導体ウェハに転写することができる。
【0011】
ますますより細かいマスクを作る必要性のために、EUVフォトレジストに置かれている多くの要望がある。現在、EUVフォトレジスト向けに解像度、ライン端部粗さ、及び感度(RLS)の要件を同時に満たしている既知の材料はない。RLSの問題に加えて、EUVフォトレジストに対して従来のスピンオン技術は、多くの領域において不十分である。
【0012】
第一に、スピンオンフォトレジストは、環境問題を引き起こす可能性のあるキャスティング溶媒を使用してコーティングされる。
【0013】
第二に、スピンオン堆積技術は、良好な厚さ制御を提供せず、特に、膜厚が減少するのにつれて、鉛直Z方向の厚さのばらつきを有する。
【0014】
第三に、スピンオンフォトレジスト溶液の成分は、表面エネルギー効果に起因して、界面に偏析する傾向がある。
【0015】
こうして、EUVリソグラフィがより必要となるにつれて、これらの問題に対して答えを見つけることがますます重要である。また、コストを削減し、効率とパフォーマンスを向上させ、競争圧力を満たすための必要性は、これらの問題に対する答えを見つけるための重要な必要性に更に大きな緊急性を追加する。
【0016】
これらの問題に対する解決策は、長い間求められてきたが、先行開発は、何の解決策も教示又は示唆してこなかった。したがって、これらの問題に対する解決策は、長い間、当業者には手に入らないものであった。
【概要】
【0017】
本発明の一実施形態は、加熱素子と、基板を保持するための冷却されたチャックとを有する真空チャンバであって、加熱された入口を有する真空チャンバと、冷却されたチャックによって冷却された基板上でフォトレジストを凝縮させるために真空チャンバ内に前駆体を揮発させるための加熱された入口に接続された蒸着システムを含むフォトレジスト堆積システムを提供する。
【0018】
本発明の一実施形態は、極端紫外線光源と、極端紫外線光源からの光を導くためのミラーと、極端紫外線マスクブランクを配置するためのレチクルステージと、蒸着されたフォトレジストでコーティングされたウェハを配置するためのウェハステージを含む極端紫外線リソグラフィシステムを提供する。
【0019】
本発明の一実施形態は、極端紫外線光源と、極端紫外線光源からの光を導くためのミラーと、蒸着されたフォトレジストを用いてパターニングされた極端紫外線マスクを配置するためのレチクルステージと、ウェハを配置するためのウェハステージを含む極端紫外線リソグラフィシステムを提供する。
【0020】
本発明の一実施形態は、半導体ウェハと、半導体ウェハ上の蒸着されたフォトレジストを含む半導体ウェハシステムを提供する。
【0021】
本発明の特定の実施形態は、上記のものに加えて、又は上記のものの代わりに、他の工程又は要素を有する。工程又は要素は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る蒸着システムの断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る半導体ウェハの一部である。
図3】本発明の一実施形態に係るパターニング後の図2の蒸着されたフォトレジストである。
図4】本発明の一実施形態に係るEUVリソグラフィシステムの光学トレインである。
図5】本発明の一実施形態に係るEUVリソグラフィシステムである。
【詳細な説明】
【0023】
以下の実施形態は、当業者が本発明を行い、使用することを可能にするために、十分に詳細に記載されている。他の実施形態が、本開示に基づいて明らかとなり、本発明の範囲から逸脱することなく、システム、プロセス、又は機械的な変更を行うことができることを理解すべきである。
【0024】
以下の説明において、多数の特定の詳細が、本発明の完全な理解を提供するために与えられる。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細なしに実施できることは明らかであろう。本発明を不明瞭にすることを避けるために、いくつかの周知の回路、システム構成、及びプロセスステップは、詳細には開示されない。
【0025】
システムの実施形態を示す図面は、半概略であり、縮尺通りではなく、特に、寸法のいくつかは、提案説明を明確にするためのものであり、描画図内で誇張して示されている。同様に、説明を容易にするため、図面内の図は、概して、同様の方向を示すが、図面内のこの描写は、ほとんどの部分に対して任意である。一般的に、本発明は、任意の向きで動作させることができる。
【0026】
同一の要素に関連して、同じ番号がすべての描画図に使用される。
【0027】
解説の目的のために、本明細書で使用する用語「水平」は、ウェハの平面又は表面に対して平行な平面として定義され、その向きには関係ない。用語「垂直」は、まさに定義されたような水平に対して垂直な方向を指す。用語(例えば、「上方」、「下方」、「底部」、「最上部」、(「側壁」内のような)「側」、「より高い」、「より低い」、「上部」、「上に」、及び「下に」)は、図面内に図示されるように、水平面に対して定義される。用語「上」は、要素間の直接的な接触があることを示す。
【0028】
本明細書で使用する用語「処理」は、材料又はフォトレジストの堆積、記載された構造を形成するのに必要とされる材料又はフォトレジストのパターニング、露光、現像、エッチング、洗浄、及び/又は除去を含む。
【0029】
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る蒸着システムの断面がここに図示される。蒸着システムは、堆積システム100の独立型システム又はその一部とすることができる。蒸着システム100として指定された独立型システムは、加熱された一次入口104及び1以上の加熱された二次入口(例えば、入口106)を有する真空チャンバ102を含む。蒸着システム100は、出口108を有する。
【0030】
真空チャンバ102は、加熱素子110と、半導体ウェハ115、極紫外線マスクブランク、又はその他のマスクブランクを保持するための冷却チャック112とを含む。
【0031】
前駆体116は、揮発され、真空チャンバ102に導入される。それらが冷却チャック112に到達すると、前駆体116は半導体ウェハ115の表面上で凝縮する。前駆体116の例は、金属アルコキシド又は他の揮発性金属酸化物前駆体(例えば、ハフニウムt−ブトキシド、チタンn−ブトキシド、ハフニウムホウ化水素物、及びその他)である。
【0032】
前駆体は、オプションで水又は(オゾン又は過酸化物のような)他の酸化剤と反応させ、これによって金属酸化物前駆体を金属酸化物膜又は金属酸化物粒子に変換することができる。任意の金属酸化物が可能であるが、ハフニウム、ジルコニウム、スズ、チタン、鉄、モリブデンの酸化物がうまく機能する。反応の酸化剤は、金属酸化物前駆体と同時に又は連続的に導入することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、前駆体は、それらの間の気相反応を意図的に推進させるためにチャンバに導入され、半導体ウェハ115上に堆積されるより大きな分子の形成をもたらす。第2の前駆体もまた、(同時に、あるいは他の前駆体との原子層堆積(ALD)反応のように連続的に)導入される。
【0034】
この第2の前駆体は、金属酸化物の粒子又は膜と結合するリガンドである、又は金属中心の周囲に取り付けられた既存のリガンドとのリガンド置換反応を開始する。任意の金属中心が可能であるが、ハフニウム、ジルコニウム、スズ、チタン、鉄、及びモリブデンの金属中心がうまく機能する。例としては、(メタクリル酸、ギ酸、酢酸、及びその他のような)カルボン酸を含むが、他の官能基(例えば、スルホン酸、ジエン)、又は金属酸化物の粒子又は膜と複合体を形成することができる他の化学物質を含むこともできる。
【0035】
ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る半導体ウェハ115の一部がここに図示される。半導体ウェハ115は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープのポリシリコン、ドープ又は非ドープのシリコンウェハ、III−V族材料(例えば、GaAs、GaN、InPなど)、パターン化又は非パターン化ウェハのような材料を含むことができる基板200を有する。基板は、様々な寸法(例えば、直径200mm又は300mmのウェハ)、並びに、長方形又は正方形の枠を有することができる。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、及び/又はベークするために前処理プロセスに曝露させることができる。
【0036】
基板200は、膜処理が製造プロセスの間に実行される基板上に形成された任意の基板又は材料表面とすることができる基板表面204を有する。例えば、処理を実行することができる基板表面204は、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープされたシリコン酸化物、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、及びその他の任意の材料(例えば、金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電性材料)などの材料を含む。基板表面上のバリア層、金属又は金属窒化物は、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タンタル及び窒化タンタル、アルミニウム、銅、又はその他の任意の導体又はデバイス製造のために有用な導電性又は非導電性バリア層を含む。
【0037】
蒸着されたフォトレジスト206は、図1の蒸着装置100を用いて蒸着法により基板表面204上に堆積される。蒸着されたフォトレジスト206と基板200との組み合わせは、半導体ウェハシステム210を形成する。蒸着されたフォトレジスト206は、極端紫外線又はより微細なリソグラフィに特に有用であることが見出された。蒸着システム100は、加熱チャンバと、冷却チャックと組み合わされた加熱された化学物質供給ラインとを含む。蒸着されたフォトレジスト206は、蒸着(蒸発、分解等)、化学蒸着(前駆体反応)、原子層堆積、又はその他のスピンオン堆積以外のプロセスによって堆積させることができる。
【0038】
また、同時に又は順番に、光活性化合物もまたオプションで蒸着法によってチャンバ内に導入することができる。この光活性化合物は、酸発生剤、ラジカル発生剤、又は、活性な化学物質(例えば、膜又は粒子内で溶解度の変化が誘導されるように、置換することができる、又は金属中心の周りでリガンドの置換、再配置、縮合、又は変更を触媒することができるリガンド)を生成するように再配置することができる化合物とすることができる。
【0039】
ここで図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るパターニング後の図2の蒸着されたフォトレジスト206がここに図示される。放射線(UV、DUV、EUV、電子ビーム、可視光、赤外線、イオンビーム、X線、他)への曝露時に、化学反応が、蒸着されたフォトレジスト206内(金属酸化物で、又は光活性化合物内のいずれか)で誘導される。この反応は、最終的に(直接、又は曝露後のベーク又は他の曝露後の処理の後)、溶媒中の蒸着されたフォトレジスト206の溶解性の変化、又はプラズマエッチングプロセス内で膜のエッチング速度の変化をもたらす。溶解性又はエッチング速度のこの変化は、最終的に蒸着されたフォトレジスト206をパターニングして、パターニングされた蒸着されたフォトレジスト300を提供するために使用することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、プロセス条件は、堆積を通じて一定に保たれ、上部から底部まで組成物が均一であるフォトレジストを生じさせる。他の実施形態では、使用される堆積条件又は化学物質は、フォトレジストを堆積させながら変化させ、上部から底部まで異なるフォトレジスト組成物を生じさせる。
【0041】
いくつかの実施形態では、スタックの底部におけるフォトレジストの特性は、特定の目標を達成するために調整することができる。例えば、スタックの底部の材料は、EUV光子をより吸収することができ、EUV光子は、今度は過剰な二次電子の発生につながる可能性があり、その一部は、今度はフォトレジスト内へ上へと導かれ、これによって追加の反応を触媒し、EUVフォトレジストの性能を改善する。この改善は、感度、ライン端部粗さ、汚れ又はフーチングの減少、又は他の改善点の観点から明らかにすることができる。
【0042】
他の実施形態では、フォトレジストは、フォトレジスト堆積の一部として堆積されずに、代わりに別の独立したプロセスによって堆積されたという前述の所望の特性を有する基板上に堆積させることができる。
【0043】
更に他の実施形態では、フォトレジストは、より従来の基板(例えば、シリコン、酸化シリコン、ゲルマニウム、窒化ケイ素、金属、金属酸化物、金属窒化物、底部反射防止コーティングを含む半導体、金属、又は誘電体)及びその他の基板上に堆積される。
【0044】
いくつかの実施形態では、前駆体は、熱蒸発によって気相中に導入されるが、他の技術(例えば、真空蒸着)もまた、堆積用に使用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、金属原子又は粒子サイズの数に対するリガンドの数の比は、フォトレジストの特性(例えば、感光性)を制御するために制御される。
【0046】
いくつかの実施形態では、光活性化合物の反応又は拡散を制限するために、追加の前駆体をフォトレジスト中で共堆積させることができる。光酸発生剤の場合には、この追加の前駆体は、塩基又は光分解性塩基とすることができる。光ラジカル発生剤の場合には、この前駆体は、ラジカルスカベンジャー等とすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、このプロセスは、回転チャックを使用するシステム上で実行され、これによってウェハ全域に亘って堆積厚さの均一性を向上させる。他の実施形態では、コールドトラップが用いられ、これによって未反応の前駆物質がチャンバを出る前に、未反応の前駆物質を捕捉する。
【0048】
本発明の実施形態は、既存の技術よりも良好に、これらの主要な領域内の要件を満たしている可能性がある。更に、真空技術によるフォトレジストの堆積は、いくつかの領域において従来のスピンオン技術に対して利点を有する。まず、システムから溶媒を除去し、これは環境的な利点である。次に、真空蒸着技術は、ユーザがコンフォーマルから平坦化まで堆積を調整することを可能にし、一方、スピンオン膜は、平坦化のみの傾向がある。また、真空蒸着技術は、厚さを介して膜組成のより多くの制御をユーザに与え、ユーザがZ方向に均一の膜を作ることを可能にする。一方、スピンオンプロセスの間、フォトレジスト溶液の成分は、表面エネルギー効果に起因して、界面に偏析する傾向がある。真空蒸着技術はまた、堆積条件を変化させることによって、膜を堆積させながら、厚さを介して制御された組成の変化を作ることを可能にする。この制御は、従来の技術では不可能である。
【0049】
本発明の実施形態に対して予想される主な用途は、パターニングされた放射線技術(可視、ディープUV、EUV、電子線、又はX線リソグラフィ)のいずれかのタイプを用いたマイクロエレクトロニクス及びフォトニックデバイス用のパターニングの全領域内である。記載した成膜方法の特有の側面のために、用途は、平坦な平面基板のみには限定されない。
【0050】
ここで、図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るEUVリソグラフィシステム用の光学トレイン400がここに図示される。光学トレイン400は、EUV光を生成し、それをコレクタ404内に収集するための極端紫外線光源(例えば、プラズマ源)を有する。コレクタ404は、照明システム406の一部であるフィールドファセットミラー408に光を提供し、照明システム406は、瞳ファセットミラー410を更に含む。照明システム406は、レチクル412にEUV光を提供し、レチクル412は、投影光学系414を介してパターニングされた半導体ウェハ416上にEUV光を反射する。
【0051】
ここで、図5を参照すると、本発明の一実施形態に係るEUVリソグラフィシステム500がここに図示される。EUVリソグラフィシステム500は、光学トレイン400の付属物として、EUV光源領域502、レチクルステージ504、及びウェハステージ506を含む。
【0052】
得られた方法、プロセス、装置、デバイス、製品、及び/又はシステムは、直接的で、費用対効果が高く、複雑でなく、汎用性が高く、正確で、敏感で、かつ効果的であり、準備のできた、効率的で、経済的な、製造、応用、及び使用に対して公知の構成要素を適合させることによって実施することができる。図2の蒸着されたフォトレジスト206は、EUVリソグラフィシステム500の重要なコンポーネントであり、EUVリソグラフィシステム500は、蒸着されたフォトレジストなしにその機能を実行することはできない。
【0053】
本発明のもう一つの重要な側面は、コストを削減し、システムを簡素化し、パフォーマンスを向上させるという歴史的傾向を有益に支持し、提供することである。
【0054】
本発明のこれらの及び他の有益な側面は、その結果、技術の状態を少なくとも次のレベルに更に進める。
【0055】
本発明は、特定の最良の態様に関連して説明されてきたが、多くの代替、修正、及び変形が前述の説明に照らして当業者には明らかとなるであろうことが理解されるべきである。したがって、付属の特許請求の範囲内に入るそのような代替、修正、及び変形のすべてを包含することが意図される。本明細書に記載又は添付の図面に図示されるすべての事項は、例示的かつ非限定的な意味で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5