(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、前記被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、前記検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、
かつ前記第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、前記第1の軸の方向に沿って、前記被検体個体及び前記被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う表示制御部
を備えた表示制御装置。
前記表示制御部は、前記被検体個体の前記複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行う場合、前記被検体個体の前記所定数分の検査結果よりも過去の複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行う
請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記被検体個体の品種と同一の品種の前記複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行う場合、前記同一の品種の検査結果を記憶する記憶装置から取得可能な全ての検査結果、又は前記全ての検査結果のうちの直近の一部の検査結果を表す情報を表示する制御を行う
請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、同一の値の検査結果が複数存在する場合、同一の値の検査結果を表す情報の各々を前記第1の軸の方向に沿って異なる時点に対応する位置上に表示する制御を行う
請求項6に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記複数の検査結果の数、及び前記複数の検査結果における所定の時点よりも前の検査結果の割合の少なくとも一方に応じて、前記複数の検査結果を表す情報の表示状態を異ならせて表示する制御を行う
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記複数の検査結果の数、及び前記複数の検査結果における所定の時点よりも前の検査結果の割合の少なくとも一方に応じて、前記複数の検査結果を表す情報の色を異ならせて表示する制御を行う
請求項10に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、検査結果が異常値である検査項目について、検査結果が正常値の下限値未満であるか、又は上限値を超えるかによって更に色を異ならせて表示する制御を行う
請求項14に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、検査結果が前記正常値の下限値未満である検査項目について、前記下限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示する制御を行い、かつ検査結果が前記正常値の上限値を超える検査項目について、前記上限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示する制御を行う
請求項15に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記被検体の健康診断における前記グラフを表示する第1表示画面と、前記健康診断で行う検査項目とは異なる検査項目を含む不定期検査における前記グラフを表示する第2表示画面とを切り替える制御を行う
請求項1から請求項17の何れか1項に記載の表示制御装置。
前記表示制御部は、前記不定期検査における検査項目のうち、前記健康診断にも含まれる検査項目については、前記検査結果の履歴として前記健康診断の検査結果を含めて前記グラフを表示する制御を行う
請求項18又は請求項19に記載の表示制御装置。
被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、前記被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、前記検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、
かつ前記第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、前記第1の軸の方向に沿って、前記被検体個体及び前記被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う
処理をコンピュータが実行する表示制御方法。
被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、前記被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、前記検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、
かつ前記第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、前記第1の軸の方向に沿って、前記被検体個体及び前記被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、例えば、直近の検査結果が異常値であった場合に、たまたま異常であったのか、それとも、異常の傾向が強いのかを判断することができない。同様に、例えば、直近の検査結果が正常値であった場合に、たまたま正常であったのか、それとも、正常の傾向が強いのかを判断することもできない。このため、医師等の診察者による被検体の適切な診断を支援することができない、という問題点があった。
【0006】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、診察者による被検体の適切な診断を支援することができる表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の表示制御装置は、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う表示制御部を備えている。
【0008】
なお、本開示の表示制御装置は、被検体が動物である場合、品種が動物の品種であり、被検体が人間である場合、品種が人種であってもよい。
【0009】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、被検体個体の複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行う場合、被検体個体の所定数分の検査結果よりも過去の複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行ってもよい。
【0010】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行う場合、同一の品種の検査結果を記憶する記憶装置から取得可能な全ての検査結果、又は全ての検査結果のうちの直近の一部の検査結果を表す情報を表示する制御を行ってもよい。
【0011】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の双方の複数の検査結果を表す情報を表示する制御を行ってもよい。
【0012】
また、本開示の表示制御装置は、複数の検査結果を表す情報が、複数の検査結果それぞれに対応する点が、特定の時点に対応する位置上にプロットされた一軸上の散布図であってもよい。
【0013】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、同一の値の検査結果が複数存在する場合、同一の値の検査結果を表す情報の各々を第1の軸の方向に沿って異なる時点に対応する位置上に表示する制御を行ってもよい。
【0014】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、複数の検査結果を表す情報を、ヒストグラムによって表示する制御を行ってもよい。
【0015】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、検査結果の頻度に、古い検査結果ほど小さい重み値を用いた重み付けを行って上記制御を行ってもよい。
【0016】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、複数の検査結果の数、及び複数の検査結果における所定の時点よりも前の検査結果の割合の少なくとも一方に応じて、複数の検査結果を表す情報の表示状態を異ならせて表示する制御を行ってもよい。
【0017】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、複数の検査結果の数、及び複数の検査結果における所定の時点よりも前の検査結果の割合の少なくとも一方に応じて、複数の検査結果を表す情報の色を異ならせて表示する制御を行ってもよい。
【0018】
また、本開示の表示制御装置は、検査項目毎に、検査結果が異常値であるか否かを判定する判定部を更に備え、所定の検査項目が、判定部により検査結果が異常値であると判定された検査項目であってもよい。
【0019】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、検査結果が異常値であると判定された検査項目について、異常の度合いが高いほど優先的にグラフを表示する制御を行ってもよい。
【0020】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、更に、複数の検査項目を、検査結果が異常値である検査項目と正常値である検査項目とで色を異ならせて表示する制御を行ってもよい。
【0021】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、検査結果が異常値である検査項目について、検査結果が正常値の下限値未満であるか、又は上限値を超えるかによって更に色を異ならせて表示する制御を行ってもよい。
【0022】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、検査結果が正常値の下限値未満である検査項目について、下限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示する制御を行い、かつ検査結果が正常値の上限値を超える検査項目について、上限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示する制御を行ってもよい。
【0023】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、複数の検査項目をタイル状に並べて表示する制御を行ってもよい。
【0024】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、被検体の健康診断におけるグラフを表示する第1表示画面と、健康診断で行う検査項目とは異なる検査項目を含む不定期検査におけるグラフを表示する第2表示画面とを切り替える制御を行ってもよい。
【0025】
また、本開示の表示制御装置は、第1表示画面におけるグラフとして表示する過去の検査結果の数が、第2表示画面におけるグラフとして表示する過去の検査結果の数よりも多くてもよい。
【0026】
また、本開示の表示制御装置は、表示制御部が、不定期検査における検査項目のうち、健康診断にも含まれる検査項目については、検査結果の履歴として健康診断の検査結果を含めてグラフを表示装置に表示する制御を行ってもよい。
【0027】
一方、上記目的を達成するために、本開示の表示制御方法は、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う処理をコンピュータが実行するものである。
【0028】
また、上記目的を達成するために、本開示の表示制御プログラムは、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で表示する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本開示の表示制御装置は、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、同一の色及び濃度のヒストグラムによって表示する制御を行う表示制御部を備えている。
【0030】
また、上記目的を達成するために、本開示の表示制御方法は、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、同一の色及び濃度のヒストグラムによって表示する制御を行う処理をコンピュータが実行するものである。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本開示の表示制御プログラムは、被検体における複数の検査項目のうちの所定の検査項目について、被検体個体の直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフであって、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有するグラフを表示し、かつ第2の軸の特定の時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って、被検体個体及び被検体個体の品種と同一の品種の少なくとも一方の複数の検査結果を表す情報を、同一の色及び濃度のヒストグラムによって表示する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、診察者による被検体の適切な診断を支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0035】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る表示制御装置10の配置場所を説明する。
図1に示すように、表示制御装置10は、動物病院の診察室及びバックヤードに設けられた表示装置12に対応してバックヤードに設けられている。表示装置12は、表示制御装置10に接続され、表示制御装置10によって表示が制御される。表示制御装置10の例としては、パーソナルコンピュータが挙げられ、表示装置12の例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。表示装置12は、被検体の動物の飼い主への説明のために診察室に設けられ、検査結果を予め確認するためにバックヤードにも設けられる。
【0036】
また、バックヤードには、検査結果テーブル16を記憶するストレージ装置14が設けられている。各表示制御装置10とストレージ装置14とは、通信可能に接続される。なお、ストレージ装置14は、例えば、インターネット等のネットワークを介して通信可能なクラウドサーバであってもよい。検査機器による検査を行って得られた検査結果データは、検査機器からネットワークを介してストレージ装置14に転送される。検査機器の例としては、血液検査の場合には蛋白、酵素、窒素、及び電解質等を検査する生化学検査機が挙げられる。また、検査機器の例としては、免疫等を検査する免疫検査機、及び血球を検査する血球計数計等が挙げられる。更に、検査室では、X線画像診断装置、超音波診断装置、及び内視鏡等で検査が行われる場合もあり、これらの装置からも画像等の情報がネットワークを介してストレージ装置14に転送されてもよい。
【0037】
図2に、検査結果テーブル16の一例を示す。
図2に示すように、検査結果テーブル16には、被検体の動物毎に、識別情報の一例としてのID(IDentifier)、名前、性別、年齢、種族、品種、及び検査結果情報が記憶される。検査結果情報には、検査の実施日、検査が健康診断であるか否かを表す情報(
図2では、「健診」と表記)、及び検査機器による検査により得られた各検査項目の検査結果が記憶される。
図2の例では、健診列が「Y」の検査結果は、健康診断で行われる検査項目に対応する検査結果を表し、「N」の検査結果は、健康診断で行われる検査項目とは異なる検査項目を含む不定期検査に対応する検査結果を表す。
【0038】
ここでいう不定期検査とは、定期的に行う健康診断とは異なる検査を意味し、例えば、獣医師等の診察者による診察の結果、特定の疾患の診断のために行われる検査等が挙げられる。なお、不定期検査で行われる検査項目は、健康診断で行われる検査項目を含む場合もある。また、
図2の例では図示を省略しているが、検査結果テーブル16には、各検査項目に対応して、診察者が着目しているか否かを表す情報も記憶される。
【0039】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る表示制御装置10のハードウェア構成を説明する。
図3に示すように、表示制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、表示制御装置10は、表示装置12が接続される外部I/F(InterFace)23、キーボードとマウス等の入力部24、及びネットワークに接続されるネットワークI/F25を含む。CPU20、メモリ21、記憶部22、外部I/F23、入力部24、及びネットワークI/F25は、バス26に接続される。なお、表示装置12は、表示部とタッチパネルとが一体化されており、表示装置12に対するユーザの入力は、外部I/F23を介して表示制御装置10に入力される。
【0040】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、表示制御プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から表示制御プログラム30を読み出してからメモリ21に展開し、展開した表示制御プログラム30を実行する。
【0041】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る表示制御装置10の機能的な構成について説明する。
図4に示すように、表示制御装置10は、受付部40、取得部42、判定部44、表示制御部46、及び印刷制御部48を含む。CPU20が表示制御プログラム30を実行することで、受付部40、取得部42、判定部44、表示制御部46、及び印刷制御部48として機能する。
【0042】
受付部40は、診察者により入力された、健康診断の検査結果を表示する第1表示画面の表示指示を受け付ける。また、受付部40は、診察者により入力された、不定期検査の検査結果を表示する第2表示画面の表示指示を受け付ける。これらの表示指示には、検査結果の表示対象とする動物のIDが含まれる。また、受付部40は、診察者により入力された印刷指示を受け付ける。また、受付部40は、診察者により入力された診察者が着目している検査項目を受け付ける。
【0043】
取得部42は、検査結果テーブル16を参照し、受付部40により受け付けられたIDに対応する名前、性別、年齢、種族、品種、及び検査結果情報を取得する。
【0044】
判定部44は、取得部42により取得された検査結果情報に含まれる検査項目毎に、検査結果が異常値であるか否かを判定する。具体的には、判定部44は、検査結果が動物の種族毎で、かつ検査項目毎に予め定められた正常値の下限値以上で、かつ上限値以下である場合、検査結果が正常値であると判定する。また、判定部44は、検査結果が正常値の下限値未満であるか、又は正常値の上限値を超える場合、検査結果が異常値であると判定する。なお、以下では、この正常値の下限値以上で、かつ上限値以下の範囲を「正常値範囲」といい、正常値の下限値未満の範囲、及び上限値を超える範囲を「異常値範囲」という。なお、この正常値の下限値及び上限値は、動物の品種毎で、かつ検査項目毎に予め定められていてもよい。
【0045】
表示制御部46は、受付部40により受け付けられた表示指示に応じて第1表示画面と第2表示画面とを切り替える制御を行う。また、表示制御部46は、第1表示画面及び第2表示画面において、判定部44により検査結果が異常値であると判定された検査項目について、検査結果の履歴を表すグラフを表示装置12に表示する制御を行う。この検査結果の履歴は、直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果を含む。また、このグラフは、検査結果を表す第1の軸と時系列を表す第2の軸とを有する。本実施形態では、表示制御部46は、直近の検査結果及び直近の1つ前の検査結果の少なくとも一方が異常値であると判定された検査項目について、上記グラフを表示装置12に表示する制御を行う。このように直近及び直近の1つ前の検査結果の少なくとも一方が異常値である検査項目のグラフを表示することで、当該検査項目の検査結果が異常から正常になった状態、正常から異常になった状態、及び異常が継続している状態、の3つの状態を診察者に認識させ易くすることが可能となる。また、表示制御部46は、上記グラフにおいて、正常値範囲と異常値範囲とを視認可能に表示する制御を行う。なお、表示制御部46は、上記グラフにおいて、正常値範囲と異常値範囲との何れか一方を視認可能に表示する制御を行ってもよい。
【0046】
また、表示制御部46は、第1表示画面におけるグラフとして表示する過去の検査結果の数は、第2表示画面におけるグラフとして表示する過去の検査結果の数よりも多くする。また、表示制御部46は、上記グラフの第2の軸の特定の時点に対応する位置(本実施形態では、右端の位置)上に、第1の軸の方向に沿って、上記所定数分の検査結果よりも更に過去の複数の検査結果を表す情報を表示装置12に表示する制御を行う。また、この際、表示制御部46は、この複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる濃度で表示する制御を行う。なお、表示制御部46は、この複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色で表示する制御を行ってもよい。本実施形態では、表示制御部46は、過去の複数の異なる時点の検査結果それぞれに対応する矩形状の点を、上記グラフの第2の軸の特定の時点に対応する位置上にプロットした一軸上の散布図を表示装置12に表示する制御を行う。すなわち、頻度が高い検査結果ほど、点が重なってプロットされることによって濃度が高くなる。
【0047】
また、表示制御部46は、第2表示画面において、不定期検査における検査項目のうち、健康診断にも含まれる検査項目については、検査結果の履歴として健康診断の検査結果を含めてグラフを表示装置12に表示する制御を行う。
【0048】
また、表示制御部46は、判定部44により検査結果が正常値であると判定された検査項目であっても、受付部40により受け付けられた診察者が着目している検査項目については、上記グラフを表示装置12に表示する制御を行う。
【0049】
また、表示制御部46は、各表示画面において、上記グラフとは別に、直近の検査結果の一覧を表示する制御を行う。この制御の際、表示制御部46は、正常値範囲と異常値範囲とを視認可能に表示する制御を行う。
【0050】
印刷制御部48は、受付部40により印刷指示が受け付けられた場合、不図示の印刷装置に対し、表示装置12に表示されている画面を、1枚の用紙に収まるようにレイアウトして印刷する制御を行う。また、印刷はカラーで行われることが望ましい。また、印刷された表示結果を後日に見た場合に、異常値である検査項目がどれであったかを見つけやすいように、文章での記載(例えば、「血糖値、AST/GOTが上限超え」等)を行ってもよい。あるいは、検査結果が異常値である検査項目のフォントを太字に変更したり、下線を付したり、及び別フォントに(例えば、ゴシックからイタリック等に)変更したりすることによって強調してもよい。また、印刷装置が白黒機の場合でも検査結果が異常値である検査項目が判別しやすいように、検査結果が異常値である検査項目のフォントを太字に変更したりすることによって強調してもよい。更に、この場合、検査結果が異常値である検査項目の文字に下線を付したり、別フォントに変更したり、フォントサイズを検査結果が正常値である検査項目よりも大きくしたり、塗りつぶしの白抜き(例えば、文字が白で周縁が黒)としたりすること等で強調してもよい。
【0051】
図5に、第1表示画面の一例を示す。
図5に示すように、本実施形態に係る第1表示画面は、表示領域60、62、64を含む。表示領域60は、ヘッダー部であり、表示領域60には、被検体の動物のID、名前、性別、年齢、種族、及び品種が表示される。
【0052】
また、表示領域62には、上記グラフが表示される。各検査項目のグラフの縦軸は検査結果を表す第1の軸であり、横軸は時系列を表す第2の軸である。また、例えば、グラフの表示領域の背景色について、正常値範囲は白とし、かつ異常値範囲はグレーとすることによって、正常値範囲と異常値範囲とが視認可能になっている。また、第1表示画面における各グラフの検査結果の履歴の数は計6個とされている。また、グラフにプロットされている点の色は、正常値の下限値未満である異常値に対応する点は青色、正常値の上限値を超える異常値に対応する点は赤色、正常値に対応する点は黒色とされている。
【0053】
また、表示領域62には、グラフとは別に、横軸の右端部の位置に、縦軸に沿って、グラフとして表示されている検査結果よりも過去の複数の検査結果を表す情報が表示される。本実施形態では、
図5の拡大部分に示すように、グラフとして表示されている検査結果よりも過去の全ての検査結果について、それぞれの検査結果の頻度が高いほど濃度を高くしてバーを表示している。すなわち、診察者は、グラフを見ることによって直近の所定数分の検査結果から異常値が連続しているか、又は異常値が単発で発生しているか等を判別できる。さらに、診察者は、上記のバーを確認することによって、更に過去の検査結果の上限値、下限値、及び頻度の高い値を確認することができる。
【0054】
また、表示領域64には、直近の検査結果の一覧が表示される。
図5に示すように、この検査結果の一覧は、検査項目毎に検査結果の値、検査結果をプロットするためのバー、及び検査結果を表す丸印を含む。まだ、検査結果をプロットするためのバーは、正常値範囲が、例えば白色で網掛けされることによって、正常値範囲と異常値範囲とが視認可能に表示される。また、表示領域64には、検査項目毎に、ピン留めをしているか否かを表すアイコンが表示される。診察者は、着目している検査項目をピン留めすることによって、表示領域62にグラフを表示することができる。
図5の例では、「尿素窒素」がピン留めされている状態を示している。本実施形態では、ピン留めされた検査項目に対応するグラフは、検査結果が異常値である検査項目に対応するグラフよりも優先的に(本実施形態では上の位置に)表示される。また、表示領域64には、印刷ボタン及び終了ボタンも表示される。
【0055】
また、表示領域62の上部には、検査ボタンと健康診断ボタンとが表示され、第1表示画面が表示されている状態で、診察者が検査ボタンを指定することによって、第2表示画面に切り替えることが可能となっている。同様に、後述する第2表示画面が表示されている状態で、診察者が健康診断ボタンを指定することによって、第1表示画面に切り替えることが可能となっている。
【0056】
図6に、第2表示画面の一例を示す。
図6に示すように、本実施形態に係る第2表示画面も、第1表示画面と同様に、表示領域60、62、64を含む。以下では、第2表示画面における第1表示画面と異なる部分についてのみ説明する。
【0057】
図6に示すように、第2表示画面では、表示領域62のグラフに履歴として表示される検査結果の数が第1表示画面よりも少なくなっている。また、第2表示画面では、表示領域62のグラフに、直近の不定期検査における検査項目のうち、健康診断にも含まれる検査項目については、検査結果の履歴として健康診断の検査結果が含まれている。
【0058】
また、第2表示画面では、表示領域64の検査結果の一覧にも、直近の不定期検査における検査項目のうち、健康診断にも含まれる検査項目については、検査結果の履歴として健康診断の検査結果が表示される。また、第2表示画面における表示領域64の検査結果の一覧では、直近の不定期検査には含まれず、かつ過去の健康診断には含まれる検査項目については、直近の不定期検査の検査結果が表示されない。
【0059】
なお、一例として
図7に示すように、第2表示画面における表示領域64の検査結果の一覧において、直近の不定期検査には含まれず、かつ過去の健康診断には含まれる検査項目(例えば、
図6に示すA/G比及び総ビリルビン等)については、検査項目自体を表示しないようにしてもよい。
【0060】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る表示制御装置10の作用を説明する。CPU20が表示制御プログラム30を実行することによって、
図8に示す表示制御処理が実行される。
図8に示す表示制御処理は、例えば、診察者により入力された被検体の動物のIDを含む画面の表示指示を表示制御装置10が受信した場合に実行される。
【0061】
図8のステップS10で、受付部40は、診察者により入力された被検体の動物のIDを含む画面の表示指示を受け付ける。ステップS12で、取得部42は、検査結果テーブル16を参照し、ステップS10の処理により受け付けられたIDに対応する名前、性別、年齢、種族、品種、及び検査結果情報を取得する。
【0062】
ステップS14で、判定部44は、前述したように、ステップS12の処理により取得された検査結果情報に含まれる検査項目毎に、検査結果が異常値であるか否かを判定する。ステップS16で、表示制御部46は、前述したように、ステップS12の処理により取得された各種情報、及びステップS14の処理による判定結果に基づいて、第1表示画面を表示装置12に表示する制御を行う。このように、本実施形態では、初期画面として第1表示画面を表示装置12に表示しているが、初期画面として第2表示画面を表示してもよい。また、初期画面として第1表示画面及び第2表示画面の何れを表示するかを診察者に選択させてもよい。
【0063】
ステップS18で、受付部40は、診察者による入力を受け付ける。ステップS20で、表示制御部46は、ステップS18の処理により受け付けられた入力が、第1表示画面と第2表示画面の切り替え指示であるか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS24に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップS22に移行する。具体的には、第1表示画面が表示されている状態で検査ボタンが指定されるか、又は、第2表示画面が表示されている状態で健康診断ボタンが指定されると、ステップS20の判定が肯定判定となる。
【0064】
ステップS22で、表示制御部46は、ステップS18の処理により受け付けられた入力に応じて、第1表示画面と第2表示画面とを切り替える制御を行う。具体的には、表示制御部46は、第1表示画面が表示されている状態で検査ボタンが指定された場合、第2表示画面を表示装置12に表示する制御を行う。また、表示制御部46は、第2表示画面が表示されている状態で健康診断ボタンが指定された場合、第1表示画面を表示装置12に表示する制御を行う。ステップS22の処理が終了すると、処理はステップS18に戻る。
【0065】
ステップS24で、表示制御部46は、ステップS18の処理により受け付けられた入力が、ピン留めする操作に対応する入力か否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS28に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップS26に移行する。
【0066】
ステップS26で、表示制御部46は、前述したように、ピン留めされた検査項目の検査結果に対応する上記グラフを表示領域62に追加して表示する制御を行う。また、表示制御部46は、検査結果テーブル16の検査結果情報におけるピン留めされた検査項目に対応して、診察者が着目していることを表す情報を記憶する。ステップS26の処理が終了すると処理はステップS18に戻る。
【0067】
ステップS28で、表示制御部46は、ステップS18の処理により受け付けられた入力が、印刷ボタンが指定されたことに対応する入力であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS30に移行する。ステップS30で、印刷制御部48は、印刷装置に対し、表示装置12に表示されている画面を、1枚の用紙に収まるようにレイアウトして印刷する制御を行う。ステップS30の処理が終了すると、処理はステップS18に戻る。
【0068】
一方、ステップS28の判定が否定判定となった場合、表示制御処理が終了する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、検査結果が異常値であると判定された検査項目について、直近の検査結果と、過去の検査結果でかつ直近の検査結果から所定数分の検査結果とを含む検査結果の履歴を表すグラフを表示装置12に表示している。更に、グラフとは別に、グラフが有する検査結果を表す第1の軸の方向に沿って、グラフの表示に用いている所定数分の検査結果よりも過去の複数の検査結果を表す情報を表示している。従って、診察者が直近の検査結果及び過去の検査結果を一度に視認できる結果、診察者による動物の適切な診断を支援することができる。
【0070】
なお、上記実施形態において、検査結果が異常値である検査項目が複数存在する場合、表示領域62に、異常の度合いが高いほど優先的に(例えば、上の位置に)グラフを表示する形態としてもよい。この場合における異常の度合いは、検査結果が正常値の下限値未満である場合は、下限値に対する検査結果と下限値との差の絶対値の比とし、検査結果が正常値の上限値を超える場合は、上限値に対する検査結果と上限値との差の絶対値の比とする形態が例示される。更に、この場合、上記の比が大きいほど異常の度合いが高いとする形態が例示される。また、この異常の度合いをAI(Artificial Intelligence)技術によって導出してもよい。この場合のAIとして、検査結果が異常値である検査項目の検査結果の履歴を入力とし、異常の度合いを出力としたディープニューラルネットワークを適用する形態が例示される。
【0071】
また、上記実施形態において、一例として、
図9に示すように、複数の検査項目を、直近の検査結果が異常値である検査項目と正常値である検査項目とで色を異ならせてタイル状に並べて表示装置12に表示する形態としてもよい。また、この場合、検査結果が異常値である検査項目について、検査結果が正常値の下限値未満であるか、又は上限値を超えるかによって更に色を異ならせて表示装置12に表示する形態としてもよい。また、この場合、検査結果が正常値の下限値未満である検査項目について、下限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示装置12に表示する形態としてもよい。また、この場合、検査結果が正常値の上限値を超える検査項目について、上限値との差異の度合いに応じて色の濃度を異ならせて表示装置12に表示する形態としてもよい。これらの場合の差異の度合いは、上記異常の度合いと同様に求める形態が例示される。
【0072】
図9の例では、検査結果が正常値である検査項目は緑色で表示され、検査結果が正常値の上限値を超える項目は赤色で表示され、検査結果が正常値の下限値未満である項目は青色で表示されている。また、
図9の例では、上記差異の度合いが高くなるほど、色の濃度が高く表示されている。
【0073】
図9に示したタイル状の画面は、第1表示画面及び第2表示画面の空き領域に表示してもよいし、初期画面として表示してもよい。初期画面として表示した場合は、このタイル状の画面における検査項目が指定された場合に、その検査項目に対応するグラフを表示装置12に表示する形態が例示される。
【0074】
また、上記実施形態において、第1表示画面及び第2表示画面の少なくとも一方に、更に、次回の健康診断の予定日を表示する形態としてもよい。この場合における予定日は、例えば、品種及び年齢毎に予め定められた健康診断の間隔(例えば、半年に一度)を、直近の健康診断の実施日に加算することによって求めることができる。
【0075】
また、上記実施形態において、印刷ボタンが指定された場合に、更に、検査結果が異常値である検査項目の検査内容の説明文、及びその検査結果を改善するための方法(例えば、投薬、運動、及び食事等)を印刷する形態としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態において、表示領域62に表示されたグラフが選択され、非表示指示(例えば、ダブルタップ操作等)が入力された場合に、選択されたグラフを非表示とする形態としてもよい。また、表示領域64に表示された検査項目が選択され、表示指示が入力された場合に、選択された検査項目のグラフを表示領域62に表示とする形態としてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、判定部44により検査結果が異常値であると判定された検査項目について、検査結果の履歴を表すグラフ及び第1の軸の方向に沿って複数の検査結果を表す情報を表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、全ての検査項目について、検査結果の履歴を表すグラフ及び第1の軸の方向に沿って複数の検査結果を表す情報を表示する形態としてもよい。また、例えば、表示領域64に表示された検査項目のうち、ユーザが選択する操作を行うことにより受付部40により受け付けられた検査項目について、検査結果の履歴を表すグラフ及び第1の軸の方向に沿って複数の検査結果を表す情報を表示する形態としてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、被検体個体の複数の検査結果を表す情報を第1の軸の方向に沿って表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報を第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。この場合、診察者は、被検体個体ではなく、被検体個体の品種と同一の品種の検査結果の傾向を把握することができる。また、この場合、上記複数の検査結果を表す情報の表示に用いる検査結果として、同一の品種の検査結果を記憶する検査結果テーブル16から取得可能な被検体個体の品種と同一の品種の全ての検査結果、又は直近の一部(例えば、直近の1年分)の検査結果を適用する形態が例示される。また、被検体個体の複数の検査結果を表す情報と、被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報とを、ユーザ操作によって切り替えて表示してもよい。
【0079】
また、例えば、
図10に示すように、被検体個体の複数の検査結果を表す情報及び被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報の双方を第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。
図10では、被検体個体の複数の検査結果を表す情報及び被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報を、横に並べて表示する例を示している。また、例えば、被検体個体の複数の検査結果を表す情報と、被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報との色を異ならせて表示してもよい。また、例えば、被検体個体の複数の検査結果を表す情報をグラフの正面視左側に表示し、被検体個体の品種と同一の品種の複数の検査結果を表す情報をグラフの正面視右側に表示してもよい。なお、
図10では、
図5に示した表示領域62における検査項目のうち、1つの検査項目を拡大した状態を示している。なお、この状態は、後述する
図11〜
図18でも同様である。
【0080】
また、上記実施形態において、
図11に示すように、複数の検査結果を表す情報をヒストグラムによって第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。
図11では、頻度が高いほど濃度が高く、かつ第2の軸の方向(画面の正面視横方向)に矩形の点が長くなる例を示している。また、例えば、
図12に示すように、複数の検査結果を表す情報を同一の色及び濃度のヒストグラムによって第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、複数の検査結果を表す情報を、第2の軸の1つの時点に対応する位置上に、第1の軸の方向に沿って表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、
図13に示すように、同一の値の検査結果が複数存在する場合、同一の値の検査結果を表す情報を、第1の軸の方向に沿って第2の軸の異なる時点に対応する位置上に表示する形態としてもよい。
図13では、1つの検査結果を表す点の形が円形であり、かつ時点に対応する位置の数(すなわち、軸)の数が3つである例を示している。また、この場合、
図13に示すように、同一の値の検査結果を表す情報を異なる軸上に1つの点によって表示する際に、点の一部を重ならせて表示する形態が例示される。この場合、重なっている部分の濃度が高く表示されることとなる。
【0082】
また、この形態例において、
図14に示すように、頻度が軸の数を超える検査結果については、頻度が軸の数以下の検査結果と異なる色で表示する形態としてもよい。
図14では、頻度が4を超える検査結果の色が異なっている例を示している。
【0083】
また、上記実施形態では、第1の軸の方向に沿って表示する複数の検査結果を表す情報の形として、矩形を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、
図15に示すように、複数の検査結果を表す情報の形として、楕円形を適用する形態としてもよい。また、この形態例において、
図16に示すように、第2の軸の方向に沿って、中心から遠くなるほど濃度を低くしてもよい。
【0084】
また、上記実施形態において、検査結果の頻度に、古い検査結果ほど小さい重み値を用いた重み付けを行ってもよい。この場合、直近の3年分の検査結果の重み値として1を用い(すなわち、1回の検査結果を頻度1回とする)、直近の3年以前でかつ6年までの検査結果の重み値として0.5を用い(すなわち、2回の検査結果を頻度1回する)、直近の6年以前の検査結果の重み値として0.25(すなわち、4回の検査結果を頻度1回とする)を用いる形態が例示される。
【0085】
また、上記実施形態において、第1の軸の方向に沿って表示する検査結果の数、及びその検査結果の数における所定の時点よりも前の検査結果の割合の少なくとも一方に応じて、第1の軸の方向に沿って表示する複数の検査結果を表す情報の表示状態を異ならせてもよい。具体的には、例えば、検査結果の数が閾値以下の場合に、閾値以上の場合とは異なる色で複数の検査結果を表す情報を第1の軸の方向に沿って表示する。また、例えば、複数の検査結果の数における所定の時点よりも前の検査結果の割合が閾値以下の場合に、閾値以上の場合とは異なる色で複数の検査結果を表す情報を第1の軸の方向に沿って表示する。また、例えば、
図17に示すように、第1の軸の方向に沿って表示する検査結果の数が閾値以下の場合に、ヒストグラムを離散的に表示する。これらの形態例によって、検査結果の数及び検査結果の古さの少なくとも一方によって、検査結果の頻度の精度を把握することができる。
【0086】
また、上記実施形態において、表示領域62に表示するグラフについて、検査結果が院内検査により得られた結果であるか、又は院外検査により得られた結果であるかを区別可能に表示してもよい。この場合、
図18に示すように、院内検査により得られた検査結果の履歴を表すグラフと、院外検査により得られた検査結果の履歴を表すグラフとを正面視縦に並べて表示する形態が例示される。この場合、例えば、
図18に示すように、第1の軸の方向に沿って表示する複数の検査結果を表す情報も院内検査と院外検査とによって分けて表示してもよい。また、例えば、
図5に示す表示領域62のグラフにおいて、院内検査により得られた検査結果と、院外検査により得られた検査結果とでプロットする点の色を異ならせることによって、区別可能に表示してもよい。なお、ここでいう院内検査とは、動物病院内に設置された検査機器で行われた検査を意味し、院外検査とは、動物病院外の他の施設で行われた検査を意味する。また、この場合、検査結果テーブル16の検査結果情報に、更に、院内検査により得られた検査結果であるか、又は院外検査により得られた検査結果であるかを表す情報を記憶する形態が例示される。
【0087】
また、上記実施形態では、被検体として、人間以外の動物を適用する場合について説明したが、これに限定されない。被検体として、人間を適用する形態としてもよい。この場合、上記実施形態における品種は、人種に相当する。また、この場合、被検体の年代と同一の年代の複数の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。また、この場合、被検体の親族の所定数分の検査結果を表す情報を、それぞれの検査結果の頻度に応じて異なる色又は濃度で第1の軸の方向に沿って表示する形態としてもよい。
【0088】
また、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を実行することにより実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記各種処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0089】
また、上記実施形態では、表示制御プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。表示制御プログラム30は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、表示制御プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。