特許第6965255号(P6965255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許6965255チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法
<>
  • 特許6965255-チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法 図000002
  • 特許6965255-チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法 図000003
  • 特許6965255-チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法 図000004
  • 特許6965255-チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965255
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】チャッキング解除工程中に静電チャック上の残留電荷を除去する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20211028BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20211028BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H01L21/302 101G
   H01L21/302 101B
   H02N13/00 D
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-543148(P2018-543148)
(86)(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公表番号】特表2019-510369(P2019-510369A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】US2017018163
(87)【国際公開番号】WO2017160457
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2019年1月21日
(31)【優先権主張番号】62/307,938
(32)【優先日】2016年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/438,258
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ボイド ウェンデル グレン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】チョー トム ケー
(72)【発明者】
【氏名】ヒラハラ ロバート ティー
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−354621(JP,A)
【文献】 特開昭61−192435(JP,A)
【文献】 特開2010−080678(JP,A)
【文献】 特開平04−100257(JP,A)
【文献】 特開2002−026115(JP,A)
【文献】 特開平10−048063(JP,A)
【文献】 特開2011−204813(JP,A)
【文献】 特開平06−331457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体であって、
ワークピース支持面に形成された1以上のホールを有し、ワークピース支持面はその上に基板を受け入れるように構成された本体と、
本体内に配置され、基板をワークピース支持面で静電的に保持するように構成された電極と、
ワークピース支持面に形成された1以上のホールの第1のホールに配置され、第1のホールから電磁エネルギーを放射するように構成された放射エミッタと、
放射エミッタ上の第1のホール内に配置され、電磁エネルギーを広げるように構成されたディフューザを含み、
電磁エネルギーはワークピース支持面に反射され、
反射された電磁エネルギーへの曝露によって、ワークピース支持面の伝導性は増加して、基板支持体上の残留電荷を放出させている、基板支持体。
【請求項2】
本体はセラミックから形成される請求項1記載の基板支持体。
【請求項3】
本体は、AlN又は酸素でドープされたAlNから形成される請求項1記載の基板支持体。
【請求項4】
放射エミッタはリフトピン内に配置される請求項1記載の基板支持体。
【請求項5】
放射エミッタに結合された電磁エネルギー源を含み、
電磁エネルギー源は約700nm〜約900nmの波長を有する電磁エネルギーを生成するように構成された請求項1記載の基板支持体。
【請求項6】
第2の電極を含む請求項1記載の基板支持体。
【請求項7】
第1のホールは背面ガス配送ホールである請求項1記載の基板支持体。
【請求項8】
処理チャンバであって、
チャンバ蓋と、チャンバ壁と、チャンバ底部とを有し、チャンバ内部容積を囲むチャンバ本体と、
チャンバ内部容積内に配置されたシャワーヘッドと、
チャンバ内部容積内に配置された基板支持体であって、その内部に電極が配置され、基板をワークピース支持面に静電的に保持するように構成された基板支持体と、
シャワーヘッドに配置された放射エミッタであって、基板支持体のワークピース支持面を照射する方向に電磁エネルギーを放射するように構成された放射エミッタと、
シャワーヘッドに形成され、電磁エネルギーを広げるように構成されたディフューザとを備え、
照射している電磁エネルギーへの曝露によって、ワークピース支持面の伝導性は増加して、基板支持体上の残留電荷を放出させている、処理チャンバ。
【請求項9】
基板支持体がセラミック材料から形成される請求項8に記載の処理チャンバ。
【請求項10】
放射エミッタに結合され、基板支持体の伝導性を増加させる波長を有する電磁エネルギーを生成するように構成された電磁エネルギー源を備えた請求項9記載の処理チャンバ。
【請求項11】
放射エミッタに結合され、約700nm〜約900nmの波長を有する電磁エネルギーを生成するように構成された電磁エネルギー源を備えた請求項9記載の処理チャンバ。
【請求項12】
放射エミッタは、基板支持体内に配置されたリフトピン内に配置される請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項13】
放射エミッタは、基板支持体内に配置された背面配送ホール内に配置される請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項14】
基板支持体上の残留電荷を放出する方法であって、
基板支持体のワークピース支持面に配置されたディフューザを介して電磁エネルギーを放射する工程と、
ディフューザにより電磁エネルギーを広げる工程と、
電磁エネルギーを基板支持体のワークピース支持面上に反射する工程と、
反射された電磁エネルギーへの曝露によって基板支持体のワークピース支持面の伝導性を増加させる工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本発明の実施形態は半導体ウエハ処理システムに係り、より詳細には、半導体ウエハを保持するために用いられる静電チャック上の残留電荷を除去するための方法及び装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
高精度製造(例えば、半導体製造)では、製造オペレーション中に基板を固定具によって正確に保持して、均一な品質を高め、欠陥を減少させる必要がある場合がある。幾つかの製造オペレーションでは、静電チャックが、1以上の製造オペレーション中に静電気力(クランプ力)で支持構造体に基板を保持するための固定具として用いられる。静電チャックの設計は様々であるが、静電チャックはチャックに埋設された1以上の電極への電圧の印加を用い、基板及び電極に反対極性の電荷を誘導し、静電クランプ力を生成する。静電クランプ力は、基板をチャックに対して引きつけ、これによって基板を保持する。
【0003】
静電チャックの問題は、基板をチャックから解放することが望まれる場合に、基板及びチャックから電荷を除去することが困難であることである。1つの従来の解決策は、電極と基板の両方を接地し、電荷を排出することである。他の従来の解決策は、電極に印加されるDC電圧の極性を反転することである。
【0004】
これらのアプローチの欠点は、しばしば残留電荷がチャック上に残り、その結果、基板とチャックとの間にいくらかの静電力が残ることである。更に、残りの電荷が局所的に蓄積し、これによって、基板に与えられる静電気力が基板に亘って不均一になることがある。また、残留静電力により、ワークピースをチャックから分離するために大きな機械的力の使用が必要となる場合がある。望ましくないことに、基板を除去するために必要とされる力は、しばしば、基板にクラッキングを生じさせるか、さもなければ、基板を損傷させる。基板が損傷しない場合でも、残留静電気力を機械的に克服することの困難性は、基板搬送ロボットを使用して取り出すことが困難な位置に、基板をチャックから飛び出させることがある。
【0005】
また、残留電荷の蓄積は、次の基板のチャッキングに有害である。蓄積電荷は、加算的(即ち、蓄積された電荷はチャッキング電圧と同じ極性を有する)か、又は、減算的(即ち、蓄積された電荷はチャッキング電圧と反対の極性を有する)かのいずれかによってチャッキング電圧と干渉する。
【0006】
特定のセラミック静電チャックでは、高温暴露(例えば、200℃を超える温度への暴露)により、チャックの材料がより伝導性になる場合がある。従って、チャックが高温に維持されている限り、残留電荷の一部はチャックから電極への伝導により消える可能性がある。更に、プラズマクリーニング工程がウエハ処理の後に実行される場合がある。典型的には、不活性ガス(例えば、アルゴン)が、静電チャックを含むチャンバ内に導入され、プラズマにイオン化される。プラズマは、静電チャックの表面から接地されたチャンバーコンポーネント(例えば、チャンバの壁)まで伝導性経路を形成する可能性がある。プラズマからのイオンは静電チャックの表面に衝突し、残留電荷を消失させる。その後、消失された電荷はプラズマから接地まで移動する。また、プラズマクリーニング工程は、高温を含み、更に残留電荷の消失を強化する場合がある。残念なことに、高温メインテナンスプロセス(直接的な加熱又はプラズマ処理のいずれか)の消失効果は、チャックが冷却され、基板処理の準備がされると、かなり低減される。
【0007】
従って、改良された静電チャックの必要性が存在する。
【概要】
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、静電チャックからの基板のチャッキング解除(デチャッキング)を改良する方法及び装置を含む。基板支持体から残留電荷を放出するための方法及び装置である。一例では、本体、本体内に配置された電極、放射エミッタ及びディフューザを含む基板支持体が提供される。本体はワークピース支持面に形成された1以上のホールを有し、ワークピース支持面はその上に基板を受け入れるように構成される。電極は、基板をワークピース支持面で静電的に保持するように構成される。放射エミッタは、ワークピース支持面に形成された1以上のホールの第1のホールに配置される。放射エミッタは、第1のホールから電磁エネルギーを放射するように構成される。ディフューザは、放射エミッタ上の第1のホール内に配置される。
【0009】
他の例では、処理チャンバが提供される。処理チャンバは、チャンバ蓋、チャンバ壁及びチャンバ底部を有するチャンバ本体を有する。チャンバ本体はチャンバ内部容積を囲む。追加的に、処理チャンバは、チャンバ内部容積内に配置されたシャワーヘッドと、基板支持体を含む。追加的に、処理チャンバは、シャワーヘッド、蓋又は基板支持体に配置された放射エミッタを含む。放射エミッタは、基板支持体のワークピース支持面を照射する方向、又は、基板支持体のワークピース支持面上に反射する方向に電磁エネルギーを放射するように構成される。
【0010】
更に他の例では、基板支持体上の残留電荷を放出する方法が提供される。方法は、基板支持体のワークピース支持面を介して電磁エネルギーを放射する工程と、電磁エネルギーを基板支持体のワークピース支持面上に反射する工程と、反射された電磁エネルギーへの曝露によって基板支持体のワークピース支持表面の伝導性を増加させる工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
更なる構成及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかであり、又は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって認識されるであろう。
【0012】
本発明の実施形態の上記構成を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約した本発明の実施形態のより詳細な説明を実施形態を参照して行う。実施形態の幾つかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを例示しており、従って、その範囲を限定すると解釈されるべきではなく、本発明の実施形態は他の同等に有効な実施形態を含み得ると理解されるべきである。
図1】シャワーヘッド及び基板支持体を有する例示的な処理チャンバの概略側面図である。
図2】第1の実施形態に係る図1の処理チャンバに示された基板支持体の一部を示す。
図3】第2の実施形態に係る図1の処理チャンバに示されたシャワーヘッドの一部を示す。
図4】基板支持体から残留電荷を除去する方法の一実施形態のフロー図を示す。
【詳細な説明】
【0013】
ここで、実施形態が詳細に参照され、その実施例が添付図面に図示されるが、ここでは全てではなく、一部の実施形態が示される。実際には、概念は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書において限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。可能な限り、同様の参照番号は、同様の構成要素又は部品を指すために用いられる。
【0014】
光伝導性は、電磁エネルギー(例えば、可視光、紫外線光、赤外光、又はガンマ線)の吸収により材料がより導電性になる光学的及び電気的現象である。電磁エネルギーを吸収する材料から形成された基板支持体に向けられた電磁エネルギーは、基板支持体の伝導性を増加させる。電磁エネルギーの周波数は、伝導性を高めるために基板支持体を形成する材料に合わせて調整することができる。同じ波長の放射を吸収する幾つかの材料がある場合、それらの吸収は加算され、吸収はもはやいずれかの成分の濃度に比例しない。電磁エネルギーの周波数は基板支持体の材料に合わせて調整され、電磁エネルギーの吸収を高め、従って、基板支持体上に存在する残留電荷を放出するために基板支持体の導電率を高め、これによって、基板から除去することを容易にする。例えば、電磁エネルギー(例えば、光)は、バンドギャップ(即ち、絶縁体及び半導体において、価電子帯の上端と導伝帯の下端の間のエネルギー差)に亘って電子(電荷)を上昇させる、又は、バンドギャップ内で不純物を励起するのに十分なエネルギーで基板支持体に向けられる。その後、基板支持体上の電荷は、基板支持体のその時点の導伝材料内に埋設された電極を介して消失させられる。
【0015】
図1は、内部に設置された基板支持アセンブリ170を有する例示的な処理チャンバ100の概略図を示す。選択的に、処理チャンバ100は、内部に設置されたシャワーヘッド182を有することができる。1以上の基板支持アセンブリ170及び/又はシャワーヘッド182は、内部に配置された放射エミッタ190を有する。一実施形態では、処理チャンバ100は堆積チャンバである。他の実施形態では、処理チャンバ100はエッチングチャンバである。しかしながら、いかなるタイプの処理チャンバ(例えば、物理気相堆積(即ち、スパッタリング)チャンバ、化学気相堆積チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ又は他の真空処理チャンバ)も、本明細書で開示される実施形態を実施するために用いることができる。
【0016】
処理チャンバ100は、底面126を有するチャンバ本体106を含み、処理チャンバ100の内部容積120を囲む蓋104によって覆われる。チャンバ本体106及び蓋104は金属(例えば、アルミニウム)又は他の適切な材料で製造することができる。チャンバ本体106は、アース115に結合される。
【0017】
処理チャンバ100は、真空システム114に連結され、流体連通している。真空システム114はスロットルバルブ(図示せず)及び真空ポンプ(図示せず)を含み、処理チャンバ100を減圧し、排気するために用いられる。処理チャンバ100内の圧力は、スロットルバルブ、及び/又は、真空ポンプを調節することによって調整することができる。
【0018】
ガス供給部118は、処理チャンバ100に結合される。ガス供給部118は、処理チャンバ100の内部容積120に1以上の処理ガスを供給する。一例では、ガス供給部118は、1以上の処理ガスをシャワーヘッド182のマニホルド186に供給することができる。シャワーヘッド182は、処理ガスをマニホルド186から内部容積120に分配するように構成された複数の開口184を有することができる。一実施形態では、ガス供給部118は、ガス(例えば、アルゴン、酸素、塩素、又は、他のガス)を内部容積120に供給し、内部に配置された基板101を処理することができる。
【0019】
RFプラズマ電源117は、処理ガスを励起して、基板101を処理するためのプラズマ102を維持することができる。選択的に、基板支持アセンブリ170は基板101をバイアスして、プラズマ102からイオンを引き付けることができる。処理ガスはガス供給部118から処理チャンバ100内に導入され、ガス圧力はプラズマ点火のための設定値に調整される。
【0020】
制御システム194は処理チャンバ100に結合される。制御システム194は、中央処理装置(CPU)、メモリ、及び、サポート回路を含む。制御システム194は、処理チャンバ100、及び、その内部に収容された放射エミッタ190を制御するために用いられる。CPUは、産業用の設定で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。ソフトウェアルーチンは、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー(商標名)又はハードディスクドライブ、又は、他の形式のデジタル記憶装置)に格納することができる。ソフトウェアルーチンは、CPUによって実行されると、CPUを処理チャンバ100及び放射エミッタ190を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)に変換し、これによって、プロセスが本開示に従って実行される。また、ソフトウェアルーチンは、処理チャンバ100から離れて配置された第2のコントローラ(図示せず)によって格納、及び/又は、実行されてもよい。
【0021】
上で簡単に説明したように、基板支持アセンブリ170は処理チャンバ100の内部容積120に配置される。基板支持アセンブリ170は、処理中に基板101が載置されるワークピース支持面172を有する。基板支持アセンブリ170は、処理中に処理チャンバ100内で基板101を支持するのに適した真空チャック、静電チャック、サセプタ、ヒータ、又は、他の基板サポートを含むことができる。
【0022】
一実施形態では、基板支持アセンブリ170は基板支持体122と支持ベース152を含む。支持ベース152は冷却プレートを含むことができる。また、支持ベース152は、冷却プレート(図示せず)を含むことができる。支持ベース152は、支持シャフト112に結合された支持ハウジング149を含む。支持シャフト112は、図示されている上側処理位置と下側ワークピース搬送位置(図示せず)の間で基板支持アセンブリ170を垂直方向に移動させる昇降機構113に結合することができる。
【0023】
基板支持アセンブリ170は、ロボット(図示せず)によって処理チャンバ100に出し入れする間に、基板101を基板支持面172の上方で支持するための基板リフト130を含むことができる。基板リフト130は、プラットフォーム108と整列したリフトピン109を含むことができる。プラットフォーム108は、シャフト111によって第2リフト機構132に接続される。基板支持アセンブリ170は、リフトピン109を受容するように構成された貫通孔107を含むことができる。リフトピン109は基板支持体122を介して延在し、基板支持面172の上方で基板を適応させることができる。例えば、第2リフト機構132はプラットフォーム108を移動し、これによって、リフトピン109が貫通孔107を介して移動し、リフトピン109がワークピース支持面172の上方に延在し、ワークピース支持面172の上方の位置で基板101が離間され、基板101の処理チャンバ100内外へのロボット移送を容易にすることができる。
【0024】
基板支持体122は本体162を有する。本体162はセラミックパックであってもよい。追加的に、本体162は加熱素子(図示せず)を含むことができる。基板支持体122、冷却プレート、及び/又は、基板支持アセンブリ170の他の構成要素の温度は、1以上の温度モニタに結合された1以上の温度センサ(例えば、熱電対等、図示せず)を用いてモニタすることができる。一例では、本体162は、温度モニタのために少なくとも1の熱電対に結合される。
【0025】
本体162は、本体162のワークピース支持面172に形成されたメサ168及び凹部164を有することができる。本体162は、ワークピース支持面172に形成された1以上のホール198を有することができる。ホール198(例えば、背面ガス配送ホール、センサホール、リフトピンホール、又は他の目的で形成されたホール)は本体162を介して形成することができる。基板101はメサ168上に支持され、凹部164の上に持ち上げることができる。
【0026】
基板支持体122の本体162は、電磁エネルギーに暴露されたときに導体状態又は半導体状態に励起され得る材料(例えば、光伝導効果を受ける材料)で製造される。基板支持体122の材料は、窒化アルミニウム(AlN)又はドーパント(例えば、酸素又は他の不純物)を含むAlNのようなセラミック材料を含むことができる。本体162は、アース115に電気的に結合される。
【0027】
本体162は、クランプ力(Fc)を発生させるために内部に埋設された1以上の電極134を有することができる。1以上の電極134は、単極又は双極の構成で配置されてもよい。電極134は、本体162内に配置された薄いディスク又はメッシュであってもよい。代替的に、電極134の各々は、薄い半円形、又は、「D」字形のプレート、又は、互いに独立して動作することができる他の適切な形状であってもよい。電極134は、本体162の別個のゾーン又は領域にクランプ力を生成するように動作することができる。電極134は、チャッキング電源140(例えば、DC電源)に電気的に接続される。電極134は、基板101を本体162のワークピース支持面172にチャッキングするためのクランプ力(Fc)を供給する。電極134は、任意の適切な導電性材料(例えば、金属又は金属合金)で製造することができる。電極134への電力は、チャッキング電源140に結合された制御システム194によって制御することができる。
【0028】
一実施形態では、放射エミッタ190は基板支持体122内に配置される。例えば、放射エミッタ190は、基板支持体122のワークピース支持面172に形成されたホール198内、リフトピン109内に形成された中空キャビティ内、又は、他の適切な位置に配置することができる。代替的に、図3に示されるように、放射エミッタ190をシャワーヘッド182に配置することができる。放射エミッタ190は、非イオン化放射(例えば、光子又はマイクロ波)を基板支持体122のワークピース支持面172に向け、これによって、特定のドーパント原子(例えば、酸素)を励起し、基板支持体122の材料を半導体状態にする(即ち、光伝導効果を受けるようにする)ことができる。基板支持体122が光伝導状態にあるとき、基板支持体122、及び/又は、ワークピース支持面172に存在する残留電荷は、ワークピース支持面172からの基板101のチャック解除(デチャッキング)を容易にする。ワークピース支持面172上の残留電荷は電極134に放出されるか、又は、最低でも、残留電荷はワークピース支持表面172から基板支持体122の本体162内に移動し、これによって、表面電荷密度が実質的に低減され、基板101のチャック解除がより容易になる。光伝導効果により、基板支持体122は、放射エミッタ190からの電磁エネルギーによって照射される領域で半導体状態になる。一例では、基板支持体122は、放射エミッタ190によって「前コンディション化」され、(例えば、新しい基板をチャッキングする前の)オペレーション前の電荷密度を低減することができる。他の例では、基板支持体122は放射エミッタ190によって照射され、基板101をチャック解除しながら電荷密度を低減することができる。
【0029】
一例では、放射エミッタ190は、基板支持体122のワークピース支持面172から、ワークピース支持面172に対してエネルギーを反射する物体に電磁エネルギーを上向きに導く。例えば、放射エミッタ190は、シャワーヘッド182、蓋104、基板101、又は、処理チャンバ100内の他の物体に電磁エネルギーを導いて、反射し、電磁エネルギーを基板支持体122のワークピース支持面172に戻すことができる。電磁エネルギーが基板101から反射される実施形態では、基板101をワークピース支持面172上に降下させる前に(即ち、処理前に)、基板101をワークピース支持面172上でチャック解除しながら、又は、基板101をワークピース支持面172からリフトした後に(即ち、処理後に)、放射エミッタ190を動作させることができる。電磁エネルギーがシャワーヘッド182又は蓋104から反射される実施形態では、基板101を処理チャンバ100内に移送する前に、放射エミッタ190を動作させることができる。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る、図1の処理チャンバ100に示された基板支持アセンブリ170の一部を示す。基板支持アセンブリ170は、光伝導性によってワークピース支持面172上の残留電荷を低減するため、放射エミッタ190と共に構成される。残留電荷の光伝導放出は、光伝導効果により励起される材料を含む任意の基板支持体(即ち、静電チャックだけでなく)と共に用いることができる。このような基板支持体は、セラミックヒータ、ペデスタル、サセプタ等を含む。
【0031】
放射エミッタ190は、基板支持体122の一部222に配置されて示されている。放射エミッタ190は、基板支持体122の他の部分に同様に配置されてもよい。他の実施形態では、放射エミッタ190は基板搬送ブレードに取り付けられる。放射エミッタ190は電磁エネルギー源192に結合される。エネルギー源192は、可視光、紫外光、赤外光、又はガンマ線の形態で電磁エネルギーを提供することができる。放射エミッタ190は、エネルギー源192からの電磁エネルギーを伝送するためのコンジット210を有してもよい。コンジット210は、光ファイバケーブル又は他の導波路であってもよい。追加的に、放射エミッタ190はディフューザ220を有していてもよい。一実施形態では、エネルギー源192は、ディフューザ220に直接結合される。他の実施形態では、エネルギー源192は、コンジット210を介してディフューザ220に結合される。
【0032】
エネルギー源192は、ほぼガンマ線から極低周波数のラジオ波までの電磁エネルギーの連続的なスペクトルを生成することができる。エネルギー源192は、光源(例えば、ランプ、レーザ、マグネトロン、又は、他の電磁エネルギー源)であってもよい。エネルギー源192は、約10nm〜約100,000nm(例えば、約700nm〜約900nm、例えば、約750nm)の波長範囲で動作する電磁エネルギーを生成することができる。
【0033】
ディフューザ220は、サファイア、石英、又は他の適切な材料から形成することができる。処理オペレーション中の基板101の下に放射エミッタ190、及び、特に、ディフューザ220を配置することにより、ディフューザ220が処理副産物で汚染されることを防止する。ディフューザ220は、プリンティングオペレーションの間等に、基板支持体122内で形成することができる。代替的に、ディフューザ220は、他の適切な方法によって、基板支持体122に接着、溶接、圧入、ねじ止め又は取り付けられてもよい。
【0034】
一例では、電磁エネルギーはディフューザ220を介して進行し、基板支持体122のより広い領域上で波242(矢印で示す)の形態で電磁エネルギーを広げる。エネルギー波242は、基板101の底面201に接触する第1の波241に分解することができる。エネルギー波242が底面に接触する角度は、エネルギー波242を屈折させるように構成されたディフューザ220によって決定することができる。第2の波243は、基板101によって基板支持体122に向かって戻るように反射され、基板支持面172に衝突する。第2の波243はワークピース支持面172で光伝導効果を生じさせ、その中の残留電荷を放電するためにワークピース支持面172の伝導率を増加することができる。
【0035】
一例では、放射エミッタ190は、基板101をチャックする前、即ち、基板101がワークピース支持面172の上方でリフトピン109上に持ち上げられるときに動作する。電磁エネルギーはディフューザ220によって広げられ、基板101の底面201の下のより広い範囲に光子を導く。光子は、基板101の底面201によってワークピース支持面172に反射されて戻って、基板支持体122のワークピース支持面172に衝突し、ワークピース支持面172に光伝導状態を生成する。光伝導状態は基板支持体122のワークピース支持表面172から離れる方向、例えば、支持体122に埋設された電極134を介して放出されるように残留電荷の移動を促進する。必要に応じて、追加の放射エミッタ190をワークピース支持面172の異なる領域に亘って追加し、基板支持体122内のドーパント原子の励起を増加させるために光子の数を増加し、内部の残留電荷を除去するために伝導性を増加させることができる。ワークピース支持面172からの残留電荷の放出は、ワークピース支持面172からの基板101のより容易なチャック解除を促進し、これによって、基板の損傷を低減し、デバイス歩留まりを増加させる。
【0036】
図3は、第2の実施形態に係る図1の処理チャンバ100に示されたシャワーヘッド182の一部を示す。シャワーヘッド182は、光伝導性によって基板支持アセンブリ170上の残留電荷を低減する放射エミッタ190と共に構成される。放射エミッタ190は、図2に示されるものと同様に構成される。放射エミッタ190は、シャワーヘッド182内に配置されたオプションのディフューザ320を有することができる。追加的に、放射エミッタ190は、光ファイバケーブル又は他の導波路であるコンジット310を有することができる。エネルギー源192は、電磁エネルギー342をコンジット310を介してディフューザ320に供給し、基板支持体122に搬送する。一実施形態では、エネルギー源192はディフューザ320に直接的に結合される。他の実施形態では、エネルギー源192は、コンジット310によりディフューザ320に結合される。
【0037】
ディフューザ320は、上述したディフューザ220と同様に構成され、サファイア、石英、又は他の適切な材料から製造することができる。ディフューザ320は、プリンティングオペレーション中等にシャワーヘッド182内に形成することができる。代替的に、ディフューザ320は、他の適切な方法によって、シャワーヘッド182に接着、溶接、圧入、ねじ止め、又は取り付けられてもよい。シャワーヘッド182内にディフューザ320及び放射エミッタ190を配置することにより、電磁エネルギーを基板支持体122に直接的に伝達し、基板101の底面201又は他の物体から電磁エネルギーを反射することによるエネルギー損失を最小化することができる。放射エミッタ190をシャワーヘッド182内に配置することにより、放射エミッタ190が基板支持体122に配置される実施形態と比較して、基板支持体のより広い領域344をディフューザ320からの電磁エネルギーの標的とすることができる。一実施形態では、放射エミッタ190がシャワーヘッド182内に配置されると、基板支持体122上の残留電荷は、基板101が存在しない間に、電磁エネルギー342で除去される。シャワーヘッド182を有さない実施形態では、放射エミッタ190は、蓋104又は処理チャンバ100内の他の場所に配置されてもよいと考えられる。
【0038】
図4は、基板支持体上の残留電荷を除去する方法400の一実施形態のフロー図を示す。方法400は、放射源が電磁エネルギーを放射するように駆動される第1のブロック410で始まる。放射源は、基板支持体を有する処理チャンバに結合される。追加的に、処理チャンバはシャワーヘッドを有することができる。放射源は処理チャンバの外部にあってもよく、コンジット(例えば、光ファイバケーブル)を介して結合されてもよい。代替的に、放射源は処理チャンバ内に配置されてもよい。例えば、放射源は、他の適切な場所の中でも、基板支持アセンブリ、蓋、又は、シャワーヘッド内にあってもよい。放射源は、前述のように、連続スペクトルで電磁エネルギーを提供することができる。放射源は、光源(例えば、ランプ、レーザ、マグネトロン又は他の電磁エネルギー源)であってもよい。電磁エネルギーは、約10nm〜約100,000nm(例えば、約400nm〜約1200nm、約700nm〜約900nm、約750nm)の波長範囲で動作することができる。電磁エネルギーの周波数範囲は、特定の材料が与えられたときに最適なバンドギャップ励起を提供し、これによって電磁伝導現象の最適化を可能にする。一実施形態では、電磁源はロボットの基板搬送ブレードに取り付けられ、基板搬送ブレードが処理チャンバに入るたびに電磁励起を提供する。
【0039】
第2のブロック420において、電磁エネルギーが拡散され、電磁エネルギーが基板支持体の領域に導かれる。電磁エネルギーは、ディフューザを通過し、基板支持体のより広い領域に広がる。第1の実施形態では、ディフューザは基板支持体内に配置される。幾つかの実施形態では、電磁エネルギーは、基板の下面、蓋、又は、シャワーヘッドよって反射され、基板支持体のワークピース支持面に戻る。他の実施形態では、ディフューザはシャワーヘッド又は蓋に配置され、エネルギーを基板支持体のワークピース支持面に直接通過させる。一実施形態では、電磁エネルギーを、基板が処理チャンバ内に存在しない間に供給することができる。他の実施形態では、電磁エネルギーを、基板がワークピース支持面上に存在するか、又はロボットブレード又はリフトピン上に支持されている間に供給することができる。ディフューザは、電磁エネルギーを広げて、ワークピース支持面の広い表面積に対応する。
【0040】
第3のブロック430において、基板支持体のワークピース支持面の材料は、電磁エネルギーの曝露によって励起される。この間、ワークピース支持面は光伝導効果を受ける。光伝導効果は、基板支持体がより伝導性になり、その中の残留電荷を放出することを可能にする。
【0041】
第4のブロック440において、残留電荷は、基板支持体内に配置された電極を介して、又は、アースに除去される。ワークピース支持面内の残留電荷は、光伝導性本体を介して内部に埋設された電極へ流れる。
【0042】
方法400は、各々の処理サイクルの間にワークピース支持面上に蓄積された残留電荷の量に応じて、各々の基板の処理の前又は後に実施されてもよく、又は、定期的に(例えばN番目の基板毎に)実行されてもよい。
【0043】
多くの基板をチャッキング及びチャッキング解除した後、残留電荷は基板支持体のワークピース支持面上に蓄積する。残留電荷は、チャック解除時間を長くすることがあり、基板の破損又は損傷、基板のロボット交換の不良をもたらす可能性があり、更に、基板支持体の寿命を短縮する。電磁エネルギー(光子)を導入し、支持表面の材料内の特定のドーパントを励起することにより、材料は上述の欠陥を緩和する光伝導効果を生じさせる。光伝導状態により、基板支持体のワークピース支持面上の残留電荷は、チャック電極を介して除去するように導くことを可能にする。また、光伝導状態は、薄膜からの表面電荷、又は、プロセス副産物から残された汚染を除去するのにも役立つ。放射エミッタによるワークピース支持面上の残留電荷の除去は、基板支持体の寿命をより長くし、処理チャンバ内で処理される基板の破損又は損傷を減少させる。
【0044】
有利には、放射エミッタは、追加の装置(例えば、より新しいより大きな基板処理システム)に利用可能な限られた内部空間を有する処理チャンバに拡張することができる。放射エミッタは、基板支持体内に配置されると、その上に配置される基板により汚染から保護され、したがって、メインテナンスの間の長いサービス間隔を有する。残留する静電気力の量は放射エミッタによって減少するので、従来の設計でしばしば必要とされていたような基板を基板支持体から分離するために大きな機械的力は必要とされない。従って、基板に対するクラック又は他の損傷が低減される。
【0045】
前述の説明及び関連図面に示された開示の利益を有する本明細書に記載されていない多くの修正及び他の実施形態が、本実施形態の当業者に想起されるであろう。従って、説明及び特許請求の範囲は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されると理解されるべきである。実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限り、実施形態の変更及び変形を包含すると意図される。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
【0046】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1
図2
図3
図4