(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カップリングデバイスは、第1の部分、第2の部分、およびアクチュエータを含み、前記第1の部分は、第1の接触領域を有し、前記第2の部分は、第2の接触領域を有し、前記カップリングデバイスは、前記第1の状態において、前記第1の接触領域と前記第2の接触領域とを結合するように配置され、前記アクチュエータは、前記第2の状態において、前記第1の接触領域と前記第2の接触領域とを分離するように構成される、請求項1に記載の基板ハンドリングシステム。
前記アクチュエータはガスノズルを含み、前記ガスノズルは、前記第2の状態において、前記第1の接触領域と前記第2の接触領域とを分離するためにガスを供給するように構成される、請求項2に記載の基板ハンドリングシステム。
前記カップリングデバイスは可撓性要素を含み、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記可撓性要素を介して互いに連結され、前記可撓性要素は、前記平面の方向に可撓性である、請求項2または3に記載の基板ハンドリングシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、照明システムIL、サポート構造MT、基板テーブルWT、および投影システムPSを含むリソグラフィ装置を概略的に示している。
【0013】
照明システムILは、放射ビームBを調整するように構成される。照明システムILは、放射線を誘導する、成形する、または制御するために、屈折式、反射式、磁気式、電磁式、静電式、または他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0014】
照明システムILは、放射源SOから放射ビームを受け取る。放射源SOおよびリソグラフィ装置は、例えば、放射源SOがエキシマレーザの場合に、独立した構成要素とすることができる。そのような事例では、放射源SOは、リソグラフィ装置の一部を形成するとみなされず、放射ビームBは、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOから照明システムILに送られる。他の事例では、例えば、放射源SOが水銀ランプの場合に、放射源SOは、リソグラフィ装置の組込み部品とすることができる。放射源SOおよび照明システムILは、ビームデリバリシステムBDと共に、必要に応じて、放射システムと称することができる。
【0015】
照明システムILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを含むことができる。さらに、照明システムILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含むことができる。断面において所望の均一性および強度分布を有するように、照明システムILを使用して放射ビームBを調整することができる。
【0016】
本明細書で使用する「放射ビーム」という用語は、(例えば、約365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長を有する)紫外(UV)線および(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)極端紫外(EUV)線、さらには、イオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含むすべてのタイプの電磁放射線を包含する。
【0017】
サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTは、パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するためにある。サポート構造MTは、特定のパラメータに従って、パターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めシステムPMに連結される。
【0018】
サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの重量を支持する、すなわち、担持する。サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの向きと、リソグラフィ装置の構造と、例えば、パターニングデバイスMAが真空環境で保持されるかどうかなどの他の条件とに応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するのに、機械式、真空式、静電式、または他のクランプ技術を使用することができる。サポート構造MTは、例えば、必要に応じて固定することも、または移動することもできるフレームまたはテーブルとすることができる。サポート構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して所望位置を取ることを保証することができる。
【0019】
本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを形成するなど、放射ビームBに断面パターンを付与するために使用することができる任意のデバイスを指すと広く解釈すべきである。なお、放射ビームBに付与されるパターンは、例えば、パターンが位相シフトフィーチャ、すなわち、いわゆるアシストフィーチャを含む場合に、必ずしも基板Wのターゲット部分Cの所望のパターンに一致しなくてもよい。通常、放射ビームBに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分Cに形成されるデバイスの特定の機能層に対応する。
【0020】
パターニングデバイスMAは、透過式または反射式とすることができる。パターニングデバイスMAの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィでは公知であり、バイナリ、交互配置型位相シフト、および減衰型位相シフト、さらには、様々なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、入射した放射ビームを様々な方向に反射するように、それぞれが個別に傾斜できるマトリクス配列の小ミラーを使用する。傾斜ミラーは、ミラーマトリクスによって反射される放射ビームにパターンを付与する。図に示すように、装置は、透過型マスクを使用する透過型である。
【0021】
基板テーブルWT、例えば、ウェーハテーブルは、基板W、例えば、レジストを被覆されたウェーハを保持するためにある。基板テーブルWTは、特定のパラメータに従って、基板Wを正確に位置決めするように構成された第2の位置決めシステムPWに連結される。
【0022】
投影システムPSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分Cに投影するように構成される。
【0023】
本明細書で使用する「投影システム」という用語は、使用される露光放射に適した、または液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要素に適した、屈折式、反射式、反射屈折式、磁気式、電磁式、および静電式の光学系、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムPSを包含すると広く解釈すべきである。
【0024】
放射ビームBは、サポート構造MTに保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン化される。パターニングデバイスMAを横断すると、放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、放射ビームBを基板Wのターゲット部分C上に収束させる。第2の位置決めシステムPWおよび位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば、放射ビームBの経路に様々なターゲット部分Cを配置するように、正確に移動することができる。同様に、第1の位置決めシステムPMおよび(
図1には示されていない)別の位置センサを使用して、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。通常、サポート構造MTの移動は、ロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを用いて実施することができる。ロングストロークモジュールは、長領域にわたる、投影システムPSに対するショートストロークモジュールの粗動位置決めを可能にする。ショートストロークモジュールは、小領域にわたる、ロングストロークモジュールに対するパターニングデバイスMAの微動位置決めを可能にする。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2の位置決めシステムPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実施することができる。(スキャナではなく)ステッパの場合に、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結する、または固定することができる。
【0025】
パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。基板アライメントマークP1、P2は、図示したように、専用のターゲット部分に配置してあるが、ターゲット部分C間の空所に配置することもできる。同様に、2つ以上のダイがパターニングデバイスMAに設けられた状態で、マスクアライメントマークM1、M2は、ダイ間に配置することができる。
【0026】
リソグラフィ装置は、2つ以上の基板テーブルWTおよび/または2つもしくはサポート構造MTを有するタイプとすることができる。少なくとも1つの基板テーブルWTに加えて、リソグラフィ装置は、測定テーブルを含むことができ、この測定テーブルは、測定を行うように構成されるが、基板を保持するように構成されない。
【0027】
リソグラフィ装置はまた、比較的高い屈折率を有する液体、例えば、水によって、投影システムPSと基板Wとの間の空間を満たすように基板Wの少なくとも一部分を覆うことができるタイプとすることができる。液浸液は、リソグラフィ装置内の他の空間、例えば、パターニングデバイスMAと投影システムPSとの間に加えることもできる。投影システムの開口数を大きくするための液浸技術は当技術分野で公知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板Wなどの構造物が、液中に沈められなければならないことを意味するのではなくて、単に、露光中に液体が投影システムPSと基板Wとの間に配置されることを意味する。
【0028】
図示したリソグラフィ装置は、次の3つのモードの少なくとも1つで使用することができる。第1のモード、いわゆるステップモードでは、サポート構造MTおよび基板テーブルWTは、基本的に静止状態に保たれ、一方、放射ビームに付与されたパターン全体は、一度にターゲット部分Cに投影される。次いで、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがXおよび/またはY方向に移動する。
【0029】
第2のモード、いわゆる走査モードでは、パターニングデバイスMTおよび基板テーブルWTは同期して走査され、一方、放射ビームに付与されたパターンは、ターゲット部分Cに投影される。パターニングデバイスMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大特性および像反転特性によって決まり得る。
【0030】
第3のモードでは、パターニングデバイスMAは、基本的に静止状態に保たれて、プログラマブルパターニングデバイスMAを保持し、基板テーブルWTは、移動または走査され、一方、放射ビームBに付与されたパターンは、ターゲット部分Cに投影される。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、プログラマブルパターニングデバイスは、走査中の基板テーブルWTの各移動後、すなわち、連続放射パルスの合間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上記のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスMAを利用するマスクなしリソグラフィに容易に適用することができる。
【0031】
上記の使用モードの組み合わせ、および/または変形型、あるいは全く異なる使用モードを採用することもできる。
【0032】
図2は、本発明の実施形態による基板ハンドリングシステム200を示している。基板ハンドリングシステム200は、ホルダ202、移動器204、回転デバイス206、およびカップリングデバイス210を含む。ホルダ202は、基板Wを保持するためにある。移動器204は、ホルダ202を平面内の経路に沿って移動させるためにある。回転デバイス206は、ホルダ202を平面に垂直な軸208に沿って回転させるように構成される。移動器204は、ホルダ202を軸208に対して平面内の経路に沿って移動させるためにある。
【0033】
カップリングデバイス210は、第1の状態において、ホルダ202を移動器204および回転デバイス206の1つに結合するように構成される。カップリングデバイス210は、第2の状態において、ホルダ202を移動器204および回転デバイス206の1つから切り離すように構成される。示した
図2の実施形態では、カップリングデバイス210は、第2の状態において、ホルダ202を回転デバイス206から切り離すように構成される。
【0034】
ホルダ202には、基板Wをホルダ202にクランプするクランプデバイスを設けることができる。クランプデバイスは、基板Wをホルダ202に吸い付けるために、負圧または真空を使用するように構成することができる。クランプデバイスは、基板Wをホルダ202にクランプする静電式クランプを有することができる。ホルダ202は、基板Wを保持できる複数の突起を有することができる。
【0035】
ホルダ202には、基板Wの温度を調整する熱調整デバイス212を設けることができる。基板Wは、熱調整デバイス212に熱的に接続される。熱調整デバイス212には、流体が流れるように構成されたチャネルを設けることができる。流体は、基板Wの温度に影響を及ぼすように選択された特定の温度を有する。流体は、液体、例えば、水とすることができるし、またはガス、例えば、ヘリウム、アルゴンとすることができるし、または流体およびガスの組み合わせとすることができる。そのような組み合わせは、特定の圧力、例えば、10barまたは50barまたは100barの状態にあるCO2を含むことができ、そのため、基板ハンドリングシステム200の動作温度は、ほぼCO2の相転移温度である。熱調整デバイス212が、熱負荷を基板Wに伝達する、または熱負荷を基板Wから受け取るときに、CO2の温度は同じに維持され、それに対して、ガスの量と液体の量との間の比率は変わる。CO2の代わりに、他の任意のタイプの2相流体を使用することができる。それに加えて、またはそれに代えて、熱調整デバイス212は、ペルチェ素子および/または電気ヒータなどの電気コンポーネントを含むことができる。熱調整デバイス212は、基板Wの面全体を調整するように構成できるし、または熱調整デバイス212は、基板Wの面の一部を調整するように構成することもできる。熱調整デバイス212は、基板Wを冷却するか、基板Wを加熱するか、または基板Wの冷却および加熱の両方を行うように構成することができる。
【0036】
移動器204は、ホルダ202を平面内の経路に沿って移動させるように構成される。この実施形態では、平面は、水平平面とすることができるxy平面である。経路は、1つの方向、例えば、x方向に沿うことができるし、または2つの方向、例えば、xおよびy方向、もしくはそれらの組み合わせに沿うこともできる。経路は、xy平面の任意の方向に沿うことができる。
図2は、移動器204が、回転デバイス206だけに載っていることを示しているが、移動器204の一部は、ホルダ202に取り付けることもできる。例えば、移動器204は、磁石およびコイルを有するローレンツアクチュエータを含むことができる。磁石は、回転デバイス206およびホルダ202の一方に搭載することができる。コイルは、回転デバイス206およびホルダ202の他方に搭載することができる。移動器204は、ホルダ202を移動させる任意の適切なタイプのアクチュエータ、例えば、磁気式アクチュエータ、空気式アクチュエータ、または圧電アクチュエータを含むことができる。実施形態では、移動器204は、回転デバイス206に連結される。別の実施形態では、移動器204は、回転デバイス206以外の別のコンポーネント、例えば、回転デバイス206を支持するベース218に連結される。
【0037】
回転デバイス206は、ホルダ202を平面に垂直な軸208に沿って回転させるように構成される。回転デバイス206は、ホルダ202を少なくとも60°、120°、180°、または360°だけ回転させるように構成することができる。回転デバイス206は、ホルダ202を360°を超えて、例えば、370°または380°にわたって回転させるように構成することができる。
【0038】
図2の実施形態では、カップリングデバイス210は、第1の状態において、ホルダ202と回転デバイス206とを互いに結合するように構成される。
図3に示すように、第2の状態において、カップリングデバイス210は、ホルダ202を回転デバイス206から切り離すように構成される。第2の状態にある場合に、移動器204は、ホルダ202を軸208に対してxy平面内の経路に沿って移動させることができる。移動器204がホルダ202を軸208に対して移動させると、軸208とホルダ202に載った基板Wの中心との間の位置が変わる。
【0039】
基板ハンドリングシステム200には、基準要素に対する基板Wの中心の位置を表す信号を供給するセンサ214を設けることができる。センサ214は、ベース218に配置することができる。センサ214は、基板Wの縁部の一部に及ぶ測定ビームを供給する。測定ビームが基板Wの縁部と相互作用した後、センサ214は、測定ビームを受け取るように構成される。受け取った測定ビームに基づいて、センサ214は、基板Wの縁部の位置を表す信号を供給することができる。センサ214の測定時に、回転デバイス206が基板Wを回転させると、基板Wの縁部全体の少なくとも一部がセンサ214によって測定される。縁部全体の少なくとも一部の測定された位置に基づいて、基板Wの中心を求めることができる。
図2では、ただ1つのセンサ214が示されているが、実施形態では、複数のセンサ214、例えば、2つ、3つ、または4つのセンサ214が設けられる。センサ214は、光センサとすることができ、この光センサは、放射ビームを基板Wの面に供給する放射源を有し、この面と相互作用した後の放射ビームを受光する検出器を有する。光センサは、基板Wの縁部および/または基板Wの面のマーカと相互作用することができる。光センサは、基板Wの画像を取り込むためのCCDチップまたはCMOSチップを含むことができる。センサ214は、静電容量センサまたは誘導センサなどの、基板Wの縁部を検出するように構成された他の任意のタイプの適切なセンサとすることができる。センサ214は、基板Wのマークに基づいて信号を供給する。例えば、信号は、マークの位置を表す。
【0040】
基板ハンドリングシステム200は、センサ214によって供給された信号に基づいて、移動器204の移動と回転デバイス206の回転とを制御するように構成されたコントローラを含むことができる。センサ214からの信号を使用することで、コントローラは、基板Wの中心の計算位置を算出することができる。計算位置は、基板Wの中心の所望位置とは異なることがある。コントローラは、計算位置と所望位置との間のずれ302を求めるように構成することができる。基板Wの中心を所望位置に配置するために、コントローラは、最初に回転デバイスを所望の回転位置まで回転させることができる。この回転時に、カップリングデバイス210は、ホルダ202を回転デバイス206に結合することができ、そのため、ホルダ202は、回転デバイス206により回転する。所望の回転位置に達すると、カップリングデバイス210は、
図3に示すように、ホルダ202および回転デバイス206を互いから切り離すことができる。コントローラは、ずれ302を最小限にする所望位置までホルダ202をxy平面内の経路に沿って移動させるように移動器204を制御することができる。移動器204を用いてホルダ202を移動させた後、カップリングデバイス210は、再度ホルダ202および回転デバイス206を互いに結合することができる。回転デバイス206は、ホルダ202を回転させることができ、センサ214は、基板Wの調整された中心を表す新たな信号を供給することができる。新たな信号に基づいて、以下のオプションの1つまたは複数を選択することができる。第1のオプションは、基板Wを所望の回転位置まで回転させ、ホルダ202を回転デバイス206から切り離し、移動器204を用いて、ホルダ202を所望位置まで移動させ、ホルダ202を回転デバイス206に結合する方法を繰り返すことである。第1のオプションを使用することで、通常、ずれ302をさらに小さくすることができる。第2のオプションは、新たな信号をリソグラフィ装置用の情報として使用することである。この情報を用いて、リソグラフィ装置は、基板Wの位置を求めることができ、相応して、任意のプロセスステップを調整することができる。第3のオプションは、基板Wが特定の範囲で配置されたかどうかをチェックすることである。第3のオプションの結果に応じて、第1のオプションまたは第2のオプションを選択することができる。
【0041】
コントローラは、基準位置に対するずれ302を求めるように構成することができる。基準位置は、センサ214または軸208の位置とすることができる。基準位置は、センサ214または軸208に対する、校正されたずれとすることができる。
【0042】
ロボットは、基板Wを基板ハンドリングシステム200に搭載する、および/または基板Wを基板ハンドリングシステム200から取り外すように構成することができる。通常、そのようなロボットは、所望する最大限のずれ302を維持しながら、基板を基板ハンドリングシステム200から基板テーブルWTに移すほど高精度ではない。
【0043】
したがって、基板ハンドリングシステム200は、ドッキングデバイスを含むことができる。ロボットが基板Wをホルダ202に搭載する、または基板Wをホルダ202から取り外す前に、ロボットはドッキングデバイスと合体する。ドッキングデバイスは基準要素として機能できるので、ずれ302は、ドッキングデバイスに対して最小になる。ロボットは、ドッキングデバイスと相互作用するために、インターフェイスを有することができる。インターフェイスは、基板Wを保持するロボットの一部に近接することができるので、ロボットによって保持された基板Wの位置とインターフェイスとの間に正確な位置関係を築くことができる。実施形態では、ロボットは、基板ハンドリングシステム200の一部である。
【0044】
ドッキングデバイスに加えて、またはそれに代えて、基板ハンドリングシステム200には、ロボット測定システムを設けることができる。ロボット測定システムは、基準要素に対するロボットの位置を表す出力を供給することができる。出力は、移動器204、回転デバイス206、および/またはカップリングデバイス210を制御するために、コントローラによって使用することができる。ロボット測定システムは、マークおよび検出器システムを含むことができる。マークは、ロボットおよび基板ハンドリングシステム200の一方に付けることができる。検出器システムは、ロボットおよび基板ハンドリングシステム200の他方に搭載することができる。検出器システムは出力を供給することができ、出力は、検出器システムに対するマークの位置によって決まる。
【0045】
基板ハンドリングシステム200は、基準要素に対する移動器204の位置を表すセンサ信号を供給する別のセンサ216を含むことができる。コントローラは、別のセンサ216からのセンサ信号を使用して、移動器204を制御することができる。別のセンサ216は、エンコーダシステム、静電容量センサ、または他の任意の適切なセンサを含むことができる。別のセンサ216は、2つの部分、例えば、エンコーダヘッドおよびスケールを含むことができる。一方の部分は、移動器204に配置することができる。他方は、回転デバイス206またはベース218などの移動器204以外の別のコンポーネントに搭載することができる。
【0046】
実施形態では、第1の状態において、移動器204は、回転デバイス206を移動させながら、ホルダ202を移動させるように構成される。第2の状態において、移動器204は、回転デバイス206を移動させることなく、ホルダ202を移動させるように構成される。別の実施形態では、第1の状態において、回転デバイス206は、移動器204を回転させながら、ホルダ202を回転させるように構成される。第2の状態において、回転デバイス206は、移動器204を回転させることなく、ホルダ202を回転させるように構成される。
【0047】
図4は、本発明の実施形態によるカップリングデバイス210の詳細図を示している。カップリングデバイス210は、第1の部分401、第2の部分402、およびアクチュエータを含む。第1の部分401は、第1の接触領域410を有する。第2の部分402は、第2の接触領域420を有する。カップリングデバイス210は、第1の状態において、第1の接触領域と第2の接触領域420とを結合するように構成される。アクチュエータは、第2の状態において、第1の接触領域410と第2の接触領域420とを分離するように構成される。第1の状態では、第1の接触領域410および第2の接触領域420は、例えば、重力によって共にクランプされる。第1の接触領域410および第2の接触領域420を共にクランプするクランプ装置によって、さらなるクランプ力を付与することができる。クランプ装置は、磁石または別のアクチュエータを含むことができる。第1の接触領域410および第2の接触領域420は、第1の状態におけるxy平面内の任意のスリップを防止するために、高い摩擦係数を有することができる。粗面にする、または高い摩擦材料にすることで、摩擦係数を高くすることができる。
【0048】
アクチュエータは、第2の状態において、第1の接触領域410と第2の接触領域420とを分離するために、ガスを供給するように構成されたガスノズル430を含むことができる。ガスノズル430は、第1の部分401と第2の部分402との間にガスベアリングを形成して、第1の部分401および第2の部分402が、xy平面内で互いに対して移動するのを可能にする。ガスノズル430は、加圧ガスを供給するのに適した任意のタイプのデバイスとすることができ、排出口、ホース、またはチューブを含むことができる。あるいは、アクチュエータは、ローレンツアクチュエータなどの磁気式アクチュエータを含むことができるし、または圧電アクチュエータもしくは他の任意の適切なアクチュエータを含むこともできる。
【0049】
カップリングデバイス210は、第1の部分401と第2の部分402とを連結する可撓性要素を含むことができる。可撓性要素は、xy平面の方向に可撓性である。例えば、x方向、y方向、またはその両方に可撓性である。可撓性要素は、xy平面の任意の方向に可撓性とすることができる。可撓性要素は、第1の部分401および第2の部分402が、軸208のまわりに互いに対して回転するのを防止するために、軸208のまわりの回転に対して非可撓性とすることができる。可撓性要素は、2つの板ばねを含むことができ、各板ばねはx方向に可撓性であり、y方向に非可撓性である。可撓性要素は、2つの別の板ばねを含むことができ、各別の板ばねはy方向に可撓性であり、x方向に非可撓性である。板ばねおよび別の板ばねは、中間体を介して互いに連結することができる。2つの板ばねの1つは、第1の部分401に連結することができ、2つの別の板ばねの1つは、第2の部分402に連結することができる。
【0050】
基板ハンドリングシステム200には、基板Wをホルダ202から持ち上げるように構成された持ち上げピンを設けることができる。持ち上げピンは、基板Wに接触するように構成された可撓性先端部を含む。可撓性先端部は、xy平面内の1つまたは複数の軸に沿って回転自在であり得る。可撓性先端部は、ホルダ202と持ち上げピンとの間の傾斜オフセットによって引き起こされる、xy平面内での基板Wの移動を防止することができる。実施形態では、可撓性先端部は、中心のまわりに回転することができ、可撓性先端部が基板Wを支持する場合に、中心のZ位置は基板Wに配置される。可撓性先端部が基板Wを支持する場合に、中心のZ位置は、基板Wの下、例えば、基板Wの下0.5mm、または1mm、または2mmに配置することができる。
【0051】
基板ハンドリングシステム200は、リソグラフィ装置内の組込みユニットとすることができる。
【0052】
基板ハンドリングシステム200は、リソグラフィ装置以外の装置と共に使用することができる。例えば、基板ハンドリングシステム200を使用して、基板を被覆するための被覆装置、高温で基板を焼成するための焼成装置、基板を洗浄するための洗浄装置との間で基板を移送することができる。基板ハンドリングシステム200は、基板Wの特性を測定するように構成されたメトロロジツールで使用することができる。特性は、基板Wのマーカの位置とすることができる。基板ハンドリングシステム200は、そのような装置の組込み部分とすることができるし、またはそのような装置へのセパレートであるが、それに連結することができる。
【0053】
ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について、本テキストにおいて特定の言及がなされたが、当然のことながら、本明細書で説明したリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他の用途を有することができる。当業者は、そのような代替用途との関連で、本明細書における「ウェーハ」または「ダイ」という用語の任意の使用が、それぞれ、より一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」と同義であるとみなすことができると分かるであろう。本明細書で言及した基板は、露光の前後に、例えば、トラック(通常、基板Wにレジスト層を付加し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールで処理することができる。さらに、基板Wは、例えば、多層ICを形成するために、2回以上処理することができるので、本明細書で使用した基板Wという用語は、処理した複数の層をすでに含む基板Wを指すこともある。
【0054】
本発明の特定の実施形態が上記に説明されたが、当然のことながら、本発明は、説明したものとは別の方法で実施することができる。
【0055】
上記の説明は、例示することを意図され、限定するものではない。したがって、下記に提示する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に対して修正を行うことができると当業者には分かるであろう。