(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記親水性高分子は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルクロライド、またはポリビニリデンフルオライドである、請求項1から3のいずれか一項に記載の気体分離膜の製造方法。
前記多孔性層を形成するステップの後、活性層を形成するステップの前に、前記多孔性層上にガター層(gutter layer)を備えるステップをさらに含むものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の気体分離膜の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0012】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0013】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0014】
本明細書の一実施態様は、多孔性基材上に親水性高分子溶液を塗布して多孔性層を形成するステップと、前記多孔性層上に下記化学式1で表される重合体を含む活性層形成用組成物を塗布して活性層を形成するステップとを含み、前記化学式1で表される重合体は、前記活性層形成用組成物を基準として1重量%〜5重量%含まれるものである気体分離膜の製造方法を提供する。
[化学式1]
【化2】
前記化学式1において、
nは、繰り返し単位数で500〜3,000の整数であり、
R1〜R5は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;アルキル基;または−(C=O)R6であり、R6は、アルキル基である。
【0015】
本明細書の一実施態様に係る気体分離膜の製造方法は、既存の活性層物質を用いた分離膜と対比して、活性層に前記化学式1で表される重合体を用いることにより、二酸化炭素気体透過度およびメタン気体に対比する二酸化炭素気体の選択度の面からすべて向上した結果をもたらす。
【0016】
また、本明細書の一実施態様に係る気体分離膜は、既存の活性層物質、特にセルロースアセテートを用いた時より、固形分含有量が少ない状態でもメタンを基準とする二酸化炭素の選択度に優れた性能を有する。
【0017】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体は、活性層形成用組成物を基準として1重量%〜5重量%含まれる。好ましくは1.5重量%〜5重量%含まれる。さらに好ましくは1.5重量%〜2.5重量%含まれる。さらに好ましくは1.5重量%〜2重量%含まれる。
【0018】
前記化学式1で表される重合体の含有量が前記活性層形成用組成物を基準として1重量%〜5重量%の場合、活性層内の固形分含有量によって最適な粘度および気体透過度を有し、ガスごとの選択度を極大化することができる。
【0019】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層形成用組成物は、ニトロメタンをさらに含んでもよい。この場合、ニトロメタンは、活性層形成用組成物を基準として95重量%〜99重量%含まれる。
【0020】
前記ニトロメタンが97.5重量%〜98重量%の場合、塗布された活性層の気体透過度/選択度性能に優れた効果がある。ニトロメタン95重量%〜97.5重量%の粘度を確認した結果、コーティング物質(化学式1で表される重合体)の濃度が2倍に増加する時、粘度は約10倍増加することが確認されたが、剪断速度(shear rate)が増加しても粘性(viscosity)が一定に維持されて剪断薄膜(shear−thinning)効果が現れず、スロットコーティング工程により塗布量および活性層の厚さ調節が容易である。ただし、コーティングに使用される物質の分子量、溶解時の粘度などを考慮して慎重に決定しなければならない。
【0021】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層形成用組成物は、前記化学式1で表される重合体およびニトロメタンを含むことができる。前記ニトロメタン(CH
3NO
2)は、アセチル化メチルセルロース(AMC)を塗布するために溶媒として含まれる。この場合、ニトロメタンは、ポリスルホンを含む多孔性層(UF支持体)構造を溶かさず、多孔性層および気体分離膜の耐久性を減少させず、化学式1で表される重合体を含む活性層の形成を可能にする。また、活性層の形成時、低い温度でニトロメタン(Molar mass:61.04g/mol、Density:1.1371g/cm
3(20℃)、Melting point:28.38℃、Boiling point:101.19℃、Flash point:35℃)が揮発して気体分離膜の一定の性能を確保することができる。
【0022】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記活性層形成用組成物は、前記化学式1で表される重合体およびニトロメタンからなる。
【0023】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層形成用組成物を塗布する方法は、スロットコーティングを用いることができる。活性層形成用組成物をスロットコーティングを用いて多孔性層上に塗布する場合、塗布される活性層の厚さ調節が容易で、最適な気体分離膜の性能を示す条件でコーティングが可能である。
【0024】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層の厚さは、活性層形成用組成物の濃度およびコーティング条件によって0.2μm〜2μmであってもよい。前記活性層の厚さが0.2μm未満の場合、気体選択度が減少し、前記活性層の厚さが2μm超過の場合、気体透過度が減少することがある。
【0025】
本明細書の一実施態様によれば、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。具体的には、炭素数1〜20のものが好ましい。さらに具体的には、炭素数1〜10のものが好ましい。具体例としては、メチル基;エチル基;プロピル基;n−プロピル基;イソプロピル基;ブチル基;n−ブチル基;イソブチル基;tert−ブチル基;sec−ブチル基;1−メチルブチル基;1−エチルブチル基;ペンチル基;n−ペンチル基;イソペンチル基;ネオペンチル基;tert−ペンチル基;ヘキシル基;n−ヘキシル基;1−メチルペンチル基;2−メチルペンチル基;4−メチル−2−ペンチル基;3,3−ジメチルブチル基;2−エチルブチル基;ヘプチル基;n−ヘプチル基;1−メチルヘキシル基;シクロペンチルメチル基;シクロヘキシルメチル基;オクチル基;n−オクチル基;tert−オクチル基;1−メチルヘプチル基;2−エチルヘキシル基;2−プロピルペンチル基;n−ノニル基;2,2−ジメチルヘプチル基;1−エチルプロピル基;1,1−ジメチルプロピル基;イソヘキシル基;2−メチルペンチル基;4−メチルヘキシル基;または5−メチルヘキシル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書の一実施態様によれば、前記R1〜R5は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;炭素数1〜10のアルキル基;または−(C=O)R6である。
【0027】
本明細書の一実施態様によれば、前記R1およびR3〜R5は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基である。
【0028】
本明細書の一実施態様によれば、前記R1およびR3〜R5は、メチル基である。
【0029】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2は、−(C=O)R6で表されてもよい。
【0030】
本明細書の一実施態様によれば、前記R6は、アルキル基である。
【0031】
本明細書の一実施態様によれば、前記R6は、炭素数1〜10のアルキル基である。
【0032】
本明細書の一実施態様によれば、前記R6は、エチル基である。
【0033】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体は、アセチル化メチルセルロース(AMC)であってもよい。前記アセチル化メチルセルロースは、ロッテ精密化学から入手した。
【0034】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000〜700,000であってもよい。好ましくは400,000〜600,000であってもよい。
【0035】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体の数平均分子量(Mn)は、80,000〜400,000であってもよい。好ましくは100,000〜300,000であってもよい。
【0036】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体の分子量分布(Poly Distribution)は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)で表され、Mw/Mnは、2〜4であってもよい。
【0037】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される重合体の平均分子量および分子量分布が前記範囲を満足する場合に、気体分離膜の活性層に含まれて二酸化炭素気体透過度を高め、メタンに対比する二酸化炭素の選択度を高めることができる。
【0038】
本明細書の一実施態様によれば、前記親水性高分子は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルクロライド、またはポリビニリデンフルオライドなどが使用できるが、必ずしもこれらに制限されることはない。具体的には、前記親水性高分子材料として、ポリスルホンを使用することができる。
【0039】
本明細書の一実施態様によれば、前記親水性高分子溶液は、親水性高分子を溶媒に溶かして形成することができる。前記溶媒は、親水性高分子およびニトロメタンを溶解できる溶媒であれば制限なく使用可能である。例えば、アセトン(acetone)、アセトニトリル(acetonitrile)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはヘキサメチルホスホアミド(HMPA)などがあるが、これらに限定されるものではない。前記親水性高分子は、親水性高分子溶液を基準として12重量%〜20重量%含まれる。
【0040】
本明細書の一実施態様によれば、前記多孔性基材は、気体分離膜の支持体として用いられる材質であれば制限なく使用可能であり、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、または不織布であってもよいが、これに限定されるものではない。具体的には、前記多孔性基材は、不織布を使用することができる。
【0041】
本明細書の一実施態様によれば、前記多孔性層は、多孔性基材上に親水性高分子溶液を塗布して形成されたものを使用することができる。前記多孔性層は、分離膜の支持体の役割を果たすことができる。
【0042】
本明細書の一実施態様によれば、前記多孔性層を形成するステップの後、活性層を形成するステップの前に、前記多孔性層上にガター層(gutter layer)を備えるステップをさらに含んでもよい。前記ガター層は、前記多孔性層上に形成されて均一な活性層の形成を可能にする。本明細書の一実施態様によれば、前記ガター層を形成するガター層形成用組成物は、当技術分野で通常用いられる材料を使用することができる。具体的には、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)を含むことができる。
【0043】
本明細書の一実施態様によれば、前記ガター層形成用組成物を基準として、ポリジメチルシロキサンの含有量は、0.1重量%〜2重量%であってもよい。具体的には0.1重量%〜1重量%が好ましい。
【0044】
本明細書の一実施態様によれば、前記ガター層形成用組成物は、溶媒をさらに含んでもよい。この場合、溶媒の含有量は、前記ガター層形成用組成物を基準として98重量%〜99.9重量%であってもよい。具体的には99重量%〜99.9重量%が好ましい。前記溶媒は、有機溶媒であってもよく、具体的には、ヘキサン(Hexane)であってもよい。
【0045】
本明細書の一実施態様によれば、前記ガター層の厚さは、0.01μm〜1μmであってもよい。前記ガター層の厚さが前記範囲を満足する場合、ガター層上に塗布される活性層形成用組成物が均一に塗布され、均一な活性層を形成することができる。
【0046】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層を形成するステップの後に、前記活性層上に保護層を備えるステップをさらに含んでもよい。前記保護層は、前記活性層上に塗布され、気体分離膜の表面を保護して耐久性および耐汚染性を向上させることができる。
【0047】
本明細書の一実施態様によれば、前記保護層を形成する保護層形成用組成物は、当技術分野で通常用いられる材料を使用することができる。具体的には、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)を含むことができる。
【0048】
本明細書の一実施態様によれば、前記保護層形成用組成物を基準として、ポリジメチルシロキサンの含有量は、0.1重量%〜2重量%であってもよい。具体的には0.1重量%〜1重量%が好ましい。
【0049】
本明細書の一実施態様によれば、前記保護層形成用組成物は、溶媒をさらに含んでもよい。この場合、溶媒の含有量は、前記保護層形成用組成物を基準として98重量%〜99.9重量%であってもよい。具体的には99重量%〜99.9重量%が好ましい。前記溶媒は、有機溶媒であってもよく、具体的には、ヘキサン(Hexane)であってもよい。
【0050】
本明細書の一実施態様によれば、前記保護層の厚さは、0.01μm〜2μmであってもよい。
【0051】
また、本明細書の一実施態様は、多孔性層と、前記多孔性層上に形成された前記化学式1で表される重合体を含む活性層とを含む気体分離膜であって、前記気体分離膜は、メタンを基準として二酸化炭素の選択度が5〜30である気体分離膜を提供する。
【0052】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜の二酸化炭素の透過度は、10GPU〜150GPU(Gas Permeation Unit、10
−6cm
3(STP)/cm
2・s・cmHg)であってもよい。好ましくは80GPU〜125GPUであってもよく、さらに好ましくは100GPU〜125GPUであってもよい。さらに好ましくは120GPU〜125GPUであってもよい。
【0053】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜のメタン透過度は、0.5GPU〜15GPUであってもよい。好ましくは4GPU〜5GPUであってもよく、さらに好ましくは4.5GPU〜5.0GPUであってもよい。
【0054】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜は、メタンを基準として二酸化炭素の選択度が10〜30であってもよい。好ましくは10〜26.7であってもよい。さらに好ましくは25〜26.7であってもよい。
【0055】
本明細書の一実施態様によれば、前記活性層の厚さは、0.2μm〜2μmであってもよい。前記活性層の厚さが0.2μm未満の場合、気体選択度が減少し、前記活性層の厚さが2μm超過の場合、気体透過度が減少することがある。
【0056】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜は、ガター層をさらに含んでもよい。前記ガター層に関する説明は、前述したものと同じである。
【0057】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜は、保護層をさらに含んでもよい。前記保護層に関する説明は、前述したものと同じである。
【0058】
本明細書の一実施態様によれば、前記気体分離膜の厚さは、100μm〜200μmであってもよく、前記気体分離膜の厚さが100μm以上の場合には、分離膜の気体選択度が減少する現象を防止できる効果があり、200μm以下の場合には、気体分離膜の気体透過度が減少する現象を防止できる効果がある。
【0059】
本明細書の一実施態様によれば、前記多孔性層の厚さは、100μm〜200μmであってもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて調節可能である。また、前記多孔性層の気孔サイズは、1nm〜500nmであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0060】
図1は、本明細書の一実施態様に係る気体分離膜の構造を例示するものである。
【0061】
図1には、多孔性基材上に親水性高分子溶液を塗布して形成した多孔性層10と、前記多孔性層10上に備えられた活性層形成用組成物を塗布して形成された活性層11とを含む気体分離膜100が例示されている。前記活性層形成用組成物は、前記化学式1で表される重合体を含むことができる。
【0062】
図2は、本明細書のもう一つの実施態様に係る気体分離膜の構造を例示するものである。
【0063】
図2には、多孔性基材上に親水性高分子溶液を塗布して形成した多孔性層10と、前記多孔性層10上に均一な活性層形成のためのガター層(12、gutter layer)と、前記ガター層12上に活性層形成用組成物を塗布して形成された活性層11と、前記活性層11上に活性層の表面保護および欠陥(defect)防止のための保護層13とを含む気体分離膜200が例示されている。前記活性層形成用組成物は、前記化学式1で表される重合体を含むことができる。
【0064】
本明細書のもう一つの実施態様は、前述した気体分離膜を含む気体分離膜モジュールを提供する。
【0065】
本明細書のもう一つの実施態様は、前述した気体分離膜モジュールを1以上含む気体分離膜装置を提供する。
【0066】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例】
【0067】
<製造例>多孔性層の製造
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶媒に18重量%のポリスルホン固形分を入れて、80℃で12時間以上溶かして均一な液相が得られた。この溶液をポリエステル材質の100μmの厚さの不織布上に50μmの厚さにキャスティングしてポリスルホン多孔性層を形成した。
【0068】
<実施例1>
製造例により製造されたポリスルホン多孔性層に、ガター層(gutter layer)形成のために、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)1重量%、ヘキサン(hexane)99重量%の溶液を塗布した後、60℃のオーブンにて0.5分間乾燥させた。次に、多孔性ポリスルホン支持体/ガター層上に、活性層形成のために、アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%、ニトロメタン95重量%を含む活性層形成用組成物溶液をスロットコーティングを用いて塗布した後、60℃のオーブンにて2分間乾燥させた。活性層の表面に、保護層形成のために、ポリジメチルシロキサン(PDMS、polydimethylsiloxane)1重量%、ヘキサン(hexane)99重量%の溶液を塗布した後、60℃のオーブンにて1分間乾燥させて気体分離膜を製造した。
【0069】
<実施例2>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)2.5重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0070】
<実施例3>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)2.0重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0071】
<実施例4>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)1.75重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0072】
<実施例5>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)1.5重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0073】
<実施例6>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)1.0重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0074】
<比較例1>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにセルロースアセテート(cellulose acetate)5重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0075】
<比較例2>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにセルロースアセテート(cellulose acetate)2.5重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0076】
<比較例3>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにセルロースアセテート(cellulose acetate)1.0重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0077】
<比較例4>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)0.5重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0078】
<比較例5>
実施例1において、前記アセチル化メチルセルロース(AMC)5重量%の代わりにアセチル化メチルセルロース(AMC)10重量%を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で気体分離膜を製造した。
【0079】
<実験例>
前記実施例1〜6および比較例1〜5で製造された気体分離膜を評価した。常温で気体透過セルの上部にPressure Regulatorを用いて一定圧力(50psi、80psi、100psi、200psiなど)(1psi=6,895Pa)のガスを注入して、膜の上部および下部の圧力の差による気体透過を誘導する。この時、分離膜を透過した気体の流量をbubble flowmeterを用いて測定し、安定化時間(>1hour)を考慮して分離膜の透過度を評価する。気体の透過度を測定した結果を下記表1に記載した。
【0080】
【表1】
【0081】
前記P
CO2およびP
CH4は、それぞれCO
2およびCH
4の透過度を意味し、前記CO
2/CH
4の選択度(Selectivity)は、メタン気体を基準とする二酸化炭素気体の気体選択度を意味する。
【0082】
前記表1によれば、実施例1〜6による気体分離膜は、メタンを基準として二酸化炭素の選択度が10以上であって、アセチル化メチルセルロース(AMC)を用いた活性層を含む気体分離膜は、二酸化炭素の透過度および選択度に優れた結果を示した。
【0083】
実施例1によるAMCを用いた活性層を含む気体分離膜は、比較例1によるセルロースアセテートを用いた活性層を含む気体分離膜と対比して、二酸化炭素の透過度はさらに高く、メタンの透過度はさらに低くて、10倍以上向上したCO
2/CH
4の選択度を有する。
【0084】
同じく、実施例2および6によるAMCを用いた活性層を含む気体分離膜は、それぞれ比較例2および3によるセルロースアセテートを用いた活性層を含む気体分離膜と対比して、メタンの透過度より二酸化炭素の透過度がさらに高くて、2倍以上向上したCO
2/CH
4の選択度を有する。
【0085】
また、実施例3〜6によるAMCを活性層に含む気体分離膜は、二酸化炭素の透過度が100GPU以上であって、セルロースアセテートを含む気体分離膜と対比して、著しく優れた二酸化炭素の透過度を示す。
【0086】
特に、実施例3〜5によりAMCを1.5重量%以上2.0重量%以下で製造した気体分離膜の場合、CO
2/CH
4の選択度が25以上であって、セルロースアセテートを含む気体分離膜と対比して、著しく優れたCO
2/CH
4の選択度を示す。
【0087】
一方、AMCの含有量が1重量%未満である比較例4の場合、CO
2/CH
4の選択度が実施例1の半分水準に低下することを確認することができる。また、AMCの含有量が5重量%超過である比較例5の場合、CO
2/CH
4の選択度は実施例1と同じ水準であるが、二酸化炭素およびメタンの透過度が実施例1に比べて著しく低いことを確認することができる。
【0088】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも発明の範疇に属する。