特許第6965492号(P6965492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

特許6965492安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー
<>
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000002
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000003
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000004
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000005
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000006
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000007
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000008
  • 特許6965492-安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965492
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリー
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20211028BHJP
   H01M 50/578 20210101ALI20211028BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20211028BHJP
   H01M 50/581 20210101ALN20211028BHJP
【FI】
   H01M50/342 101
   H01M50/578
   H01M50/152
   !H01M50/581
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-526522(P2019-526522)
(86)(22)【出願日】2018年3月22日
(65)【公表番号】特表2020-514947(P2020-514947A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】KR2018003397
(87)【国際公開番号】WO2018174621
(87)【国際公開日】20180927
【審査請求日】2019年7月17日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0036732
(32)【優先日】2017年3月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジ、サン グ
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ボク、チョン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミュン アン
(72)【発明者】
【氏名】パク、グン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ダ ナ
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−247483(JP,A)
【文献】 特開2006−147564(JP,A)
【文献】 特表2012−506107(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0034794(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30−50/392
H01M 50/10−50/198
H01M 50/50−50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が円筒状カンに内蔵されている構造の電池においてカンの開放上端部に搭載されるキャップアセンブリーであって、
電池の内圧上昇時に破裂されてガスを排出する安全ベントと、
前記安全ベントの上部に搭載され、ガス排出のための貫通口が形成されている上方突出形のキャッププレートと、
前記安全ベントの下端に付着され、電池の内圧上昇時に前記安全ベントと協働して電流を断電させる電流遮断部材と、
電池の内圧上昇によって破裂された安全ベントの破裂部位が前記キャッププレートと衝突することを防止するためにキャッププレートの内側に付着されているガイド部材と、
を含んでなり、
前記安全ベントは、外周部から下方に折り曲げられる第1折曲部、前記第1折曲部から下方に延びた傾斜部、及び前記傾斜部から中心に向かって水平に折り曲げられた第2折曲部を含んでなり、
前記第1折曲部及び第2折曲部のうち、第2折曲部に、電池の内圧上昇時に破裂を誘導するノッチが形成され、
前記ガイド部材は、キャッププレートの突出部の下面の半径(R)に対して0.3R〜Rの範囲の幅に形成され、
前記ガイド部材は、キャッププレートの突出部の下面を外周部とする平面上の円を基準に10度〜90度の範囲の中心角を有する大きさに形成され
前記第2折曲部は閉曲線形のノッチ形態であり、
前記安全ベントは、電池の内圧上昇時、第2折曲部のノッチ全体が破断されることにより、前記傾斜部と第2折曲部を基準に区分される平坦部が完全に分離される、キャップアセンブリー。
【請求項2】
前記ガイド部材は、電池の内圧上昇時に分離される安全ベントの部位がキャッププレートの方向に上昇することを防止する作用をする、請求項1に記載のキャップアセンブリー。
【請求項3】
前記電流遮断部材は、安全ベントの下端に付着されている上方突出形の突出部が中央に形成されており、ガスの排出のための二つ以上の貫通口が形成されている、請求項1に記載のキャップアセンブリー。
【請求項4】
前記貫通口は電流遮断部材の中心を基準に放射状対称位置に円弧形に形成されている、請求項3に記載のキャップアセンブリー。
【請求項5】
前記第1折曲部は閉曲線形のノッチ形態である、請求項1に記載のキャップアセンブリー。
【請求項6】
前記ガイド部材はキャッププレートの突出部の下面の外周部から中心方向に延びている構造である、請求項1に記載のキャップアセンブリー。
【請求項7】
前記分離された平坦部は、地面に対して傾斜面が形成されるように傾いてガス排出通路を形成する、請求項に記載のキャップアセンブリー。
【請求項8】
前記傾斜面の下部はガイド部材の下面に位置し、傾斜面の上部はガイド部材の反対側に位置する、請求項に記載のキャップアセンブリー。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載のキャップアセンブリーを含む、円筒形電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安全ベントの離脱を防止するガイド部材を含むキャップアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に対する技術の開発及び需要が増加するにつれてエネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、そのような二次電池のうち高いエネルギー密度及び放電電圧のリチウム二次電池に対して多くの研究が行われ、ひいては商用化して広く使われている。
【0003】
二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒形又は角形の金属カンに内蔵されている円筒形電池及び角形電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類される。そのうち、円筒形電池は相対的に容量が大きくて構造的に安定するという利点を有する。
【0004】
電池ケースに内蔵される電極組立体は、陽極/分離膜/陰極の積層構造になった充放電の可能な発電素子であり、活物質が塗布された長いシート状の陽極と陰極の間に分離膜を挟んで巻き取られたジェリーロール型、所定の大きさの多数の陽極と陰極を分離膜を挟んだ状態で順次積層されたスタック型、及びフルセル又はバイセルなどのユニットセルが分離フィルムによって巻き取られているスタック/フォールディング型に分類される。そのうち、ジェリーロール形電極組立体は製造が容易であり、重量当たりエネルギー密度が高い利点を持っている。
【0005】
図1には一般的な円筒形電池のトップアセンブリーの垂直断面図が模式的に示されており、図2には図1の安全ベントの斜視図が模式的に示されている。
【0006】
図1及び図2を参照すると、トップキャップ10は上方に突出した形態であり、その下部には、電池内部温度の上昇時に電池抵抗が大きく増加して電流を遮断するPTC素子(positive temperature coefficient element)20、正常状態では下方に突出した形状になっているが、電池の内部圧力の上昇時に突出しながら破裂されてガスを排気する安全ベント30、及び上端の一側部位が安全ベント30に結合され、下端の一側が電極組立体40の陽極に連結されている接続プレート50が順に位置している。
【0007】
安全ベント30は全体的に円形平面の中心部が凹んでいる構造に形成され、凹んでいる中心部には平面部35があり、平面部35の外周面は上方に周長が増加する傾斜部33になり、傾斜部の上部は外側に折り曲げられて平面部35と平行な外周面31をなしている。外周面31と傾斜部33間の第1折曲部32及び傾斜部33と平面部35間の第2折曲部34には、電池の内圧上昇によって凹部形状が凸部形状に容易に変形されて脱離することができるようにノッチが形成されている。
【0008】
第2折曲部34の大部分はノッチ構造によって平面部35と傾斜部33が弱く結合されているが、第2折曲部の一部36には分離された平面部35が傾斜部33から離脱しないように熔接で強く結合されている。
【0009】
このように、平面部が熔接によって傾斜部と結合されているから、電池セルの内圧が増加してベントが破裂されても、ベントが完全に開放しないし、安全ベントとトップキャップ又はPTC素子の間の空間が非常に狭いから、ガスが排出される経路を広く確保することが難しい。
【0010】
したがって、ガス排出の経路をより広く確保して電池セル内部のガスが早くて速かに排出されることができるようにする技術に対する必要性が高い実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記のような従来技術の問題点及び過去から要請されて来た技術的課題を解決することを目的とする。
【0012】
本出願の発明者らは深度ある研究と多様な実験を繰り返した結果、以降に説明するように、円筒状カンのキャップアセンブリーを構成する安全ベントが電池の内圧上昇によって破裂されて分離される場合、前記安全ベントの破裂部位が離脱することを防止するために、キャッププレートの内側にガイド部材を付着することによってガスが排出される経路を広く確保することができることを確認して本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するための本発明によるキャップアセンブリーは、電極組立体が円筒状カンに内蔵されている構造の電池においてカンの開放上端部に搭載されるキャップアセンブリーであって、電池の内圧上昇時に破裂されてガスを排出する安全ベントと、前記安全ベントの上部に搭載され、ガス排出のための貫通口が形成されている上方突出形のキャッププレートと、前記安全ベントの下端に付着され、電池の内圧上昇時に電流を断電させる電流遮断部材と、電池の内圧上昇によって破裂された安全ベントの破裂部位が離脱することを防止するためにキャッププレートの内側に付着されているガイド部材とを含んでなることができる。
【0014】
このように、本発明は、キャッププレートの内側にガイド部材が付着された構造のキャップアセンブリーを使い、電池の内圧上昇時に安全ベントの内側折曲部が全く破断されて安全ベントの残り部分から分離される構造を含むことにより、電池の内圧上昇の原因になるガスの排出経路をより広く確保することができるので、安全で速かにガスが排出されることができる。
【0015】
したがって、従来に電池内部のガスを排出するために安全ベントを破裂させるとき、安全ベントの折曲部の一部は破断されるが折曲部の他部は破断されなくてベントが完全に開放しないため、電池内部のガスを排出するための通路を確保しにくかった問題点を解決することができる。
【0016】
また、従来のように安全ベントの折曲部の一部が破断されないように結合するために熔接などの方法を用いる必要がないから、電池の製造工程がもっと簡素化するので、生産性が向上する効果を得ることができる。
【0017】
円筒形電池セルは、充放電の過程で電池セルの内部にガスが発生することによって電池セルの内部圧力が上昇することになり、電池セルの内部圧力が一定の水準以上に増加する場合、安全ベントの一部が破裂されてガスを排出することになる。
【0018】
したがって、前記ガイド部材は、電池の内圧上昇時に分離される安全ベントの部位がキャッププレートと衝突することを防止するために、キャッププレートの方向に上昇することを防止する作用をすることができる。
【0019】
一具体例において、前記安全ベントは、外周部から下方に折り曲げられる第1折曲部、前記第1折曲部から下方に延びた傾斜部、及び前記傾斜部から中心に向かって水平に折り曲げられた第2折曲部を含んでなり、前記第1折曲部及び第2折曲部のうち、第2折曲部に、電池の内圧上昇時に破裂を誘導するノッチが形成されることができる。
【0020】
すなわち、前記安全ベントは前記第1折曲部及び第2折曲部によって下方に湾入している構造に形成されることができ、前記第2折曲部にノッチが形成され、電池の内圧上昇時にノッチが破断されてガスが外部に排出される構造になることができる。
【0021】
前記安全ベントは、電池の内圧上昇時、一次的に形状が逆転して湾入した部位が上方に膨らむように変形され、電池の内圧がもっと高くなれば、第2折曲部に形成されたノッチが破断される構造に形成されることができる。
【0022】
もしくは、電池の内圧上昇時、安全ベントの形状が逆転せずに湾入した状態でも第2折曲部に形成されたノッチが破断される構造であってもよい。
【0023】
前記電流遮断部材は電池の内部圧力の上昇時に破裂されて電流を遮断する部材であり、具体的に前記安全ベントの下端に熔接などで付着されている上方に突出した突出部が中央に形成され、ガスの排出のための二つ以上の貫通口が形成された構造になることができる。
【0024】
前記電流遮断部材は、内圧上昇による安全ベントの形状逆転によって電流遮断部材と陽極間の連結部位が破裂されて電流を遮断するようになる。前記突出部の外周面にはノッチが形成されることができ、安全ベントの形状逆転によってノッチ部位が破裂されることにより、突出部は安全ベントと結合された状態で電流遮断部材と電極組立体の陽極の連結部品から容易に分離されることができる。
【0025】
前記貫通口は電流遮断部材の中心を基準に放射状対称位置に円弧形に形成されることができる。このように放射状対称位置に形成される場合には、ガスの排出が一方向にあまりにも偏重することを防止することができ、電流遮断部材自体の強度を確保することができるという利点がある。
【0026】
一具体例において、前記第2折曲部は閉曲線形のノッチ形態であるので、電池の内圧上昇時に閉曲線形の第2折曲部の全体が容易に破裂されることができる。したがって、平面上で円形に破裂された安全ベントの中心部は安全ベントの残りの部分から容易に分離されることができる。
【0027】
前記ガイド部材は破裂された安全ベントの破裂部位が上昇して全く離脱することを防止するとともに広いガス排出通路を確保するための部材であり、前記キャッププレートの突出部の下面の外周部からキャッププレートの中心方向に延びている構造であってもよい。
【0028】
前記ガイド部材はキャッププレートの突出部の下面の半径(R)に対して0.3R〜Rの範囲の幅に形成された構造であってもよく、ガイド部材の幅が0.3Rより小さい場合には破裂されるため、上昇する安全ベントの離脱を防止しにくく、Rより大きい場合には安全ベントの破裂部位がなす傾斜面の角度が小さくなるため、ガス排出通路を確保しにくい。
【0029】
前記ガイド部材は、電池内部のガスを早く排出することができるように、できるだけ広いガス排出通路を確保しなければならないので、キャッププレートの突出部の下面を外周部とする平面上の円を基準に10度〜90度の範囲の中心角を有する大きさになることができる。
【0030】
前記ガイド部材がキャッププレートの突出部の下面を外周部とする平面上の円を基準に10度より小さな中心角を有する大きさの場合には、瞬間的に早く上昇する安全ベントの離脱を防止しにくいことがあり、90度より大きい場合には安全ベントが完全に分離されてもガイド部材にぶつかって垂直に上昇するから、ガス排出通路を広く確保するのに問題になるので好ましくない。
【0031】
前記安全ベントは、電池の内圧上昇時、第2折曲部のノッチが破断されることにより、前記傾斜部と第2折曲部を基準に区分される平坦部が分離される構造であってもよい。
【0032】
前記分離された平坦部は、地面に対して傾斜面が形成されるように傾いてガス排出通路を形成することができる。
【0033】
このように、本発明によるキャップアセンブリーは、キャッププレートの下面にガイド部材が付着されているので、分離された平坦部の一側面はガイド部材によって上昇が抑制され、地面と平行な状態で垂直に上昇せず、地面に対して斜めに傾斜面をなすようになる。
【0034】
例えば、前記傾斜面の下部はガイド部材の下面に位置し、傾斜面の上部はガイド部材の反対側に位置することができ、傾斜面の上部側ではガス排出通路をもっと広く形成することができるので、迅速で安全にガスが排出されることができる。
【0035】
場合によって、前記キャップアセンブリーには、電池の内部温度の上昇時に抵抗が大きく増加して電流を遮断するPTC素子(positive temperature coefficient element)などの部材がさらに含まれることができる。このようなPTC素子は、例えば前記上端キャップと安全ベントの間に介装されることができる。
【0036】
前記キャップアセンブリーは、電流遮断部材、電流遮断部材用ガスケット、安全ベント、PTC素子、及び一つ以上のガス排出口が形成されている上部キャップの積層構造になることができ、前記積層構造の外周面にガスケットがさらに装着された構造であってもよい。
【0037】
前記電極組立体は、例えば陽極、陰極及び前記陽極と陰極の間に介装された分離膜の構造が巻き取られたジェリーロール形電極組立体であってもよいが、これに限定されない。
【0038】
前記円筒状カンの素材は、特に制限されないが、好ましくはステンレススチール、スチール、アルミニウム又はその合金の中でいずれか1種から形成されることができる。
【0039】
また、本発明は、前記キャップアセンブリーを含んでいる円筒形電池を提供する。前記円筒形電池は、高いエネルギー密度、放電電圧、及び出力安全性を提供するリチウム二次電池であってもよいが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】一般的な円筒形電池のトップアセンブリーの垂直断面図である。
図2図1の安全ベントの斜視図である。
図3】一実施例による本発明のトップアセンブリーの垂直断面図である。
図4図3の電流遮断部材の斜視図である。
図5図3の安全ベントの斜視図である。
図6図3の安全ベントの側面図である。
図7図3の安全ベントが破裂した場合を示した側面模式図である。
図8図3のガイド部材が付着されたキャッププレートの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、本発明の実施例による図面に基づいて説明するが、これは本発明のより容易な理解のためのもので、本発明の範疇がこれによって限定されるものではない。
【0042】
図3は一実施例による本発明のトップアセンブリーの垂直断面図を示し、図4図3の電流遮断部材の斜視図を示している。
【0043】
図3及び図4を参照すると、キャップアセンブリー100は、電池の内圧上昇時にガスを排出するために破裂される安全ベント120、安全ベント120の上部に搭載され、ガス排出のための貫通口が形成された上方突出形のキャッププレート110、安全ベントの下端に付着され、電池の内圧上昇時に電流を断電させる電流遮断部材130、及び破裂された安全ベントの破裂部位が元の位置を離脱してトップキャップと衝突することを防止するためのガイド部材140を含んでいる。
【0044】
キャッププレート110と安全ベント120の間にはPTC素子151が介装されており、キャッププレート110、PTC素子151及び安全ベント120の外周面を取り囲む構造のガスケット150がさらに装着されている。
【0045】
電流遮断部材130は電池の内部圧力の上昇時に破裂されて電流を遮断する部材であり、安全ベント120の下端に熔接で付着されている上方突出形の突出部132が中央に形成されており、突出部132を中心に同心円状に3個の貫通ホール137及び貫通ホール137を連結するノッチ135が形成されているブリッジが形成されている。
【0046】
また、電流遮断部材130の外周面にはガス排出のための3個の貫通口136が中心軸を中心に放射状対称位置に円弧形に形成されている。
【0047】
このような電流遮断部材130は、内圧上昇による安全ベント120の破裂分離によって電流遮断部材130と陽極間の連結部位が破裂されて電流を遮断するようになる。突出部132の外周面にはノッチ135が形成されており、安全ベント120の破裂分離によってノッチ135部位が破裂され、突出部132は電流遮断部材130と電極組立体の陽極の連結部品から分離される。
【0048】
図5図3の安全ベントの斜視図を示し、図6図3の安全ベントの側面図を示している。
【0049】
図5及び図6を参照すると、安全ベント120は、外周部121から下方に折り曲げられる第1折曲部122、第1折曲部122から下方に延びた傾斜部123、傾斜部123から中心に向かって水平に折り曲げられた第2折曲部124、及び中心に形成され、地面と平行な平坦部125からなる。
【0050】
第2折曲部124には閉曲線形のノッチ129が形成されているので、電池の内圧上昇時にノッチが破断されることによって平坦部125が傾斜部から完全に分離される。
【0051】
図7図3の安全ベントが破裂した状態の側面図を示している。
【0052】
図7を参照すると、安全ベント120は外周部121及び傾斜部123が連結された状態で凹んでいる形態を維持しているが、平坦部125は傾斜部123から分離されてキャッププレートの方向に移動した。
【0053】
キャッププレート110の突出部111の下面の外周部112にはキャッププレートの中心方向に延びたガイド部材140が付着されている。これは、キャッププレートの方向に移動した平坦部125の一部と接触するようになり、平坦部が地面に対して傾斜面をなすように誘導する。すなわち、傾斜面の下部はガイド部材140の下面に位置し、傾斜面の上部はガイド部材の反対側に位置するようになる。したがって、傾いた平坦部125と傾斜部123間の空間101を通してガスが排出されることができ、平坦部周辺の全方向にガス排出経路が形成されることができるので、迅速で安全にガスが排出されることができる。
【0054】
図8図3のキャッププレートの底面図を示している。
【0055】
図8を参照すると、キャッププレート110の下面は、平面視で、キャッププレート110の突出部111より半径が大きい外周部112からなり、外周部112には中心方向に延びたガイド部材140が付着されている。
【0056】
ガイド部材140は頂点部が切断された扇形に示されているが、この形状に限定されるものではなく、棒形、線形又は多角形の形態に形成されることもできる。
【0057】
ガイド部材の幅(W)はキャッププレートの突出部の下面の半径Rに対して0.3R〜Rの範囲になり、平面視で、円形の外周部112の円周360度を基準に10度〜90度の範囲の中心角113に形成されることができる。
【0058】
このように、本発明によるキャップアセンブリーは、キャッププレートの下面にガイド部材が付着されているから、安全ベントの一部が破裂されて分離されてもガイド部材によって上昇が防止されて傾斜面をなすので、分離された安全ベントの周囲の全方向にガスが早くて安全に排出されることができる。
【0059】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上で説明したように、本発明によるキャップアセンブリーは、電池の内圧上昇時にガスを排出するために破裂される安全ベントの離脱を防止するために、キャッププレートの内側にガイドを部材を付着することにより、安全ベントの破裂部位が残りの安全ベントから完全に脱離されてガスの排出通路を広く確保することができるとともに、安全ベントの破裂部位が離脱してキャッププレートと衝突することを防止することができる。
【0061】
また、安全ベントが破裂されて完全に脱離することを防止するために熔接のような固定部位を形成するための過程を省略することができるので、電池セルの製造過程が簡素化する利点がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8