(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は、請求項1または2に記載の化合物を含むものである、有機発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
[化学式1]
【化4】
前記化学式1で、
X
1、X
2およびX
3は、それぞれ独立に、CHまたはNであり、ただし、X
1、X
2およびX
3のうちの一つ以上がNであり、
L
1は、置換もしくは非置換のC
6−60アリーレン、または置換もしくは非置換のN、OおよびSから構成される群より選択される一つ以上のヘテロ原子を含むC
5−60ヘテロアリーレンであり、
L
2は、単一結合、置換もしくは非置換のC
6−60アリーレン、置換もしくは非置換のN、OおよびSから構成される群より選択される一つ以上のヘテロ原子を含むC
5−60ヘテロアリーレンであり、
Ar
1、Ar
2およびAr
3は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のC
6−60アリール、または置換もしくは非置換のN、OおよびSから構成される群より選択される一つ以上のヘテロ原子を含むC
5−60ヘテロアリールであり、前記アリールまたはヘテロアリールは、シアノ基でさらに置換されてもよく、
ただし、前記フェナントリレンの二つの置換基
【化5】
および
【化6】
は互いに異なる。
【0013】
本明細書で、
【化7】
は、他の置換基に連結される結合を意味する。
【0014】
本明細書で「置換もしくは非置換された」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アルアルキル基;アルアルケニル基;アルキルアリール基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;ヘテロアリールアミン基;アリールアミン基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換もしくは非置換されるか、前記例示した置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換もしくは非置換されたことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。つまり、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基に解釈されてもよい。
【0015】
本明細書でカルボニル基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1から40であることが好ましい。具体的に、下記のような構造の化合物になることができるが、これに限定されるのではない。
【化8】
【0016】
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が炭素数1から25の直鎖、分枝鎖または環状アルキル基または炭素数6から25のアリール基に置換されてもよい。具体的に、下記構造式の化合物になることができるが、これに限定されるのではない。
【化9】
【0017】
本明細書において、イミド基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1から25であることが好ましい。具体的に下記のような構造の化合物になることができるが、これに限定されるのではない。
【化10】
【0018】
本明細書において、シリル基は、具体的にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これに限定されない。
【0019】
本明細書において、ホウ素基は、具体的にトリメチルホウ素基、トリエチルホウ素基、t−ブチルジメチルホウ素基、トリフェニルホウ素基、フェニルホウ素基などがあるが、これに限定されない。
【0020】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素がある。
【0021】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖または分枝鎖であってもよく、炭素数は、特に限定されないが、1から40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1から20である。また一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1から10である。また一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1から6である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であってもよく、炭素数は、特に限定されないが、2から40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2から20である。また一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2から10である。また一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2から6である。具体的な例としては、ビニル、1−プロフェニル、イソプロフェニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3から60であることが好ましく、一実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3から30である。また一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3から20である。また一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3から6である。具体的にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これに限定されない。
【0024】
本明細書において、アリール基は、特に限定されないが、炭素数6から60であることが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよい。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6から30である。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6から20である。前記アリール基が単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基などになることができるが、これに限定されるのではない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などになることができるが、これに限定されるのではない。
【0025】
本明細書において、フルオレニル基は、置換されてもよく、2個の置換基が互いに結合してスピロ構造を形成してもよい。前記フルオレニル基が置換される場合、
【化11】
などになることができる。ただし、これに限定されるのではない。
【0026】
本明細書において、ヘテロ環基は、異種元素としてO、N、SiおよびSのうちの1個以上を含むヘテロ環基であって、炭素数は、特に限定されないが、炭素数2から60であることが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾ−ル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0027】
本明細書において、アルアルキル基、アルアルケニル基、アルキルアリール基、アリールアミン基のうちのアリール基は、前述したアリール基の例示のとおりである。本明細書において、アルアルキル基、アルキルアリール基、アルキルアミン基のうちのアルキル基は、前述したアルキル基の例示のとおりである。本明細書において、ヘテロアリールアミンのうちのヘテロアリールは、前述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アルアルケニル基のうちのアルケニル基は、前述したアルケニル基の例示のとおりである。本明細書において、アリーレンは、2価基であることを除いては前述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリーレンは、2価基であることを除いては前述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、炭化水素環は、1価基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除いては前述したアリール基またはシクロアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロ環は、1価基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除いては前述したヘテロ環基に関する説明が適用可能である。
【0028】
好ましくは、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1−1から1−4のうちのいずれか一つで表される化合物であってもよい。
[化学式1−1]
【化12】
[化学式1−2]
【化13】
[化学式1−3]
【化14】
[化学式1−4]
【化15】
前記化学式1−1から1−4で、
L
1、L
2、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、前記で定義したとおりである。
【0029】
好ましくは、L
1は、下記から構成される群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【化16】
【0030】
より好ましくは、L
1は、
【化17】
からなる群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【0031】
好ましくは、L
2は、単一結合または下記から構成される群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【化18】
【0032】
より好ましくは、L
2は、単一結合、
【化19】
からなる群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【0033】
好ましくは、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、それぞれ独立に、下記から構成される群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【化20】
【化21】
【0034】
好ましくは、前記化学式1で表される化合物は、下記から構成される群より選択されるいずれか一つであってもよい。
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0035】
前記化学式1で表される化合物は、トリアジン(ピリジン、ピリミジン)置換基を含むフェナントリレン基本構造を有し、フェナントリレンの二つの置換基が非対称構造を同時に有することによって、素子内駆動時に耐熱性に優れると共に、結晶化を抑制させることができる。したがって、これを利用した有機発光素子は、高効率、低駆動電圧、高輝度および長寿命などを有することができる。
【0036】
また、前記化学式1で表される化合物は、下記反応式1Aから1Cのような製造方法で製造することができる。前記製造方法は、後述する製造例でより具体化され得る。
[反応式1A]
【化26】
[反応式1B]
【化27】
[反応式1C]
【化28】
前記反応式1Aから1Cで、X
1、X
2、X
3、L
1、L
2、Ar
1およびAr
2は、前記で定義したとおりである。
【0037】
前記化学式1で表される化合物は、前記反応式1Aから1Cの内容を参考にして製造しようとする化合物の構造に合わせて出発物質、反応基の種類および触媒の種類を適切に代替して製造することができる。
【0038】
また、本発明は、前記化学式1で表される化合物を含む有機発光素子を提供する。一例として、本発明は、第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は、前記化学式1で表される化合物を含む、有機発光素子を提供する。
【0039】
本発明の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなってもよく、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有してもよい。しかし、有機発光素子の構造は、これに限定されず、より少ない数の有機層を含んでもよい。
【0040】
また、前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入と輸送を同時に行う層を含んでもよく、前記正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入と輸送を同時に行う層は、前記化学式1で表される化合物を含む。
【0041】
また、前記有機物層は、発光層を含んでもよく、前記発光層は、前記化学式1で表される化合物を含む。
【0042】
また、前記有機物層は、電子輸送層、または電子注入層を含んでもよく、前記電子輸送層、または電子注入層は、前記化学式1で表される化合物を含む。
【0043】
また、前記電子輸送層、電子注入層、または電子注入および電子輸送を同時に行う層は、前記化学式1で表される化合物を含む。特に、本発明による化学式1で表される化合物は、熱的安定性に優れ、6.0eV以上の深いHOMO準位、高い三重項エネルギー(ET)、および正孔安定性を有している。また、前記化学式1で表される化合物を電子注入および電子輸送を同時に行うことができる有機物層に用いる場合、当業界で用いるn−型ドーパントを混合して用いることができる。
【0044】
また、前記有機物層は、発光層および電子輸送層を含み、前記電子輸送層は、前記化学式1で表される化合物を含んでもよい。
【0045】
また、本発明による有機発光素子は、基板上に陽極、1層以上の有機物層および陰極が順次に積層された構造(normal type)の有機発光素子であってもよい。また、本発明による有機発光素子は、基板上に陰極、1層以上の有機物層および陽極が順次に積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であってもよい。例えば、本発明の一実施例による有機発光素子の構造は、
図1および2に例示されている。
【0046】
図1は、基板1、陽極2、発光層3、陰極4からなる有機発光素子の例を示した図面である。このような構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記発光層に含まれてもよい。
【0047】
図2は、基板1、陽極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8および陰極4からなる有機発光素子の例を示した図面である。このような構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層のうちの1層以上に含まれてもよい。
【0048】
本発明による有機発光素子は、前記有機物層のうちの1層以上が前記化学式1で表される化合物を含むことを除いては、当該技術分野に知られている材料と方法で製造されてもよい。また、前記有機発光素子が複数の有機物層を含む場合、前記有機物層は同一の物質または異なる物質で形成されてもよい。
【0049】
例えば、本発明による有機発光素子は、基板上に第1電極、有機物層および第2電極を順次に積層させて製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e−beam evaporation)のようなPVD(physical Vapor Deposition)方法を利用して、基板上に金属または伝導性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極として使用可能な物質を蒸着させて製造することができる。このような方法以外にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順次に蒸着させて有機発光素子を作ることができる。
【0050】
また、前記化学式1で表される化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法により有機物層で形成されてもよい。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらだけに限定されるのではない。
【0051】
このような方法以外にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順次に蒸着させて有機発光素子を製造することができる(国際公開第2003/012890号)。ただし、製造方法がこれに限定されるのではない。
【0052】
一例として、前記第1電極は陽極であり、前記第2電極は陰極であるか、または前記第1電極は陰極であり、前記第2電極は陽極である。
【0053】
前記陽極物質としては、通常、有機物層に正孔注入が円滑に行われるように仕事関数が大きい物質が好ましい。前記陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO
2:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0054】
前記陰極物質としては、通常、有機物層に電子注入が容易に行われるように仕事関数が小さい物質であることが好ましい。前記陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、錫および鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO
2/Alのような多層構造物質などがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0055】
前記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層であり、正孔注入物質としては正孔を輸送する能力を有して陽極での正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0056】
前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層であり、正孔輸送物質として陽極や正孔注入層から正孔を輸送されて発光層に移すことができる物質であって、正孔に対する移動性が大きい物質が適切である。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、伝導性高分子、および共役部分と非共役部分が共にあるブロック共重合体などがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0057】
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子をそれぞれ輸送されて結合させることによって可視光線領域の光を出すことができる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率が良い物質が好ましい。具体的な例として8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯物(Alq
3);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾールおよびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらだけに限定されるのではない。
【0058】
前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含んでもよい。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的に縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これに限定されない。
【0059】
ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的に芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物であって、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換もしくは非置換される。具体的にスチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これに限定されない。
【0060】
前記電子輸送層は、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層であり、電子輸送物質としては、陰極から電子を良好に注入されて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性が大きい物質が適切である。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯物;Alq
3を含む錯物;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯物などがあるが、これらだけに限定されるのではない。電子輸送層は、従来の技術により用いられたとおり、任意の所望するカソード物質と共に用いることができる。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く通常の物質である。具体的にセシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウムおよびサマリウムであり、各場合、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く。
【0061】
前記電子注入層は、電極から電子を注入する層であり、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。具体的にはフルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントロンなどとこれらの誘導体、金属錯体化合物および窒素含有5員環誘導体などがあるが、これに限定されない。
【0062】
前記金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(2−ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これに限定されない。
【0063】
本発明による有機発光素子は、用いられる材料により前面発光型、後面発光型または両面発光型であってもよい。
【0064】
また、前記化学式1で表される化合物は、有機発光素子以外にも有機太陽電池または有機トランジスターに含まれてもよい。
【0065】
前記化学式1で表される化合物およびこれを含む有機発光素子の製造は、以下の実施例で具体的に説明する。しかし、下記の実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらによって限定されるのではない。
【0066】
[製造例]
製造例1:化合物1の製造
[反応式1−1]
【化29】
9−ブロモフェナントレン(9−bromophenanthrene)(50g、195mmol)、(4−クロロフェニル)ボロン酸(33.5g、215mmol)をテトラヒドロフラン(500mL)に溶かした。ここに炭酸ナトリウム2M溶液(162mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4](6.8g、5.9mmol)を入れて12時間還流させた。反応が終わった後、常温で冷却させ、生成された混合物を水とトルエンで3回抽出した。トルエン層を分離した後、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した濾液を減圧蒸留して得られた混合物をクロロホルム、エタノールを利用して3回再結晶して化合物A1(28.1g、収率50%;MS:[M+H]
+=289)を得た。
【0067】
[反応式1−2]
【化30】
化合物A1(28.1g、98mmol)をジメチルホルムアミド(140mL)に溶かした後、0℃に冷却させた。この後、N−ブロモスクシンイミド(17.4g、98mmol)をDMF34mlに溶かした後、徐々に滴加した。以降、徐々に昇温後、常温で1時間攪拌した。反応が終了した後、チオ硫酸ナトリウム溶液で1回、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した濾液を減圧蒸留してカラムクロマトグラフィーで精製して化合物A2(25g、収率70%;MS:[M
+H]
+=367)を得た。
【0068】
[反応式1−3]
【化31】
化合物A2(20.0g、55mmol)と(4−シアノフェニル)ボロン酸(8.8g、60mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(82mL、164mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh
3)
4](1.9g、3mol%)を入れた後、4時間攪拌および還流した。常温に温度を低め、生成された固体を濾過した。濾過された固体をテトラヒドロフランとエチルアセテートで再結晶して濾過した後、乾燥して化合物A3(16.4g、収率77%;MS:[M+H]
+=390)を製造した。
【0069】
[反応式1−4]
【化32】
化合物A3(15g、39mmol)ビス(ピナコラト)ジボロン(10.8g、42mmol)、酢酸カリウム(11.4g、115mmol)、バイ(トリシクロヘキシルホスフィノ)パラジウムバイアセテート(0)[Pd(OAc)
2(PCy
3)
2](0.9g、3mol%)をジオキサン(200mL)に入れて12時間還流させた。反応が終了した後、常温で冷ました後、減圧蒸留して溶媒を除去した。これをクロロホルムに溶かし、水で3回洗浄した後、有機層を分離して硫酸マグネシウムで乾燥した。これを減圧蒸留して化合物A4(16.3g、収率88%;MS:[M+H]
+=482)を製造した。
【0070】
[反応式1−5]
【化33】
化合物A4(16.2g、34mmol)と2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3、5−トリアジン(9g、34mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に分散させた後、2M炭酸カリウム水溶液(aq.K
2CO
3)(50mL、101mmol)を添加し、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム[Pd(PPh
3)
4](1.2g、3mol%)を入れた後、5時間攪拌および還流した。常温に温度を低め、生成された固体を濾過した。濾過された固体をクロロホルムとエチルアセテートで再結晶して濾過した後、乾燥して化合物1(9.5g、収率48%;MS:[M+H]
+=587)を製造した。
【0071】
製造例2:化合物2の製造
[反応式2−1]
【化34】
(4−シアノフェニル)ボロン酸の代わりに[1,1'−ビフェニル]−4−イルボロン酸(11.9g、60mmol)を用いたこと以外は、化合物A3の製造と同様な方法で化合物B1(19.0g、収率79%;MS:[M+H]
+=441)を製造した。
【0072】
[反応式2−2]
【化35】
化合物A4の代わりに化合物B1(15g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物B2(19.0g、収率91%;MS:[M+H]
+=532)を製造した。
【0073】
[反応式2−3]
【化36】
化合物A3の代わりに化合物B2(17.9g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物2(12.9g、収率60%;MS:[M+H]
+=638)を製造した。
【0074】
製造例3:化合物3の製造
[反応式3−1]
【化37】
(4−シアノフェニル)ボロン酸の代わりに(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)ボロン酸(11.9g、60mmol)を用いたこと以外は、化合物A3の製造と同様な方法で化合物C1(19.0g、収率81%;MS:[M+H]
+=442)を製造した。
【0075】
[反応式3−2]
【化38】
化合物A4の代わりに化合物C1(15g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物C2(18.1g、収率88%;MS:[M+H]
+=533)を製造した。
【0076】
[反応式3−3]
【化39】
化合物A3の代わりに化合物C2(17.9g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物3(9.7g、収率45%;MS:[M+H]
+=639)を製造した。
【0077】
製造例4:化合物4の製造
[反応式4−1]
【化40】
(4−シアノフェニル)ボロン酸(4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸(17.3g、60mmol)を用いたこと以外は、化合物A3の製造と同様な方法で化合物D1(22.0g、収率76%;MS:[M+H]
+=530)を製造した。
【0078】
[反応式4−2]
【化41】
化合物A4の代わりに化合物D1(15g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物D2(21.3g、収率89%;MS:[M+H]
+=622)を製造した。
【0079】
[反応式4−3]
【化42】
化合物A3の代わりに化合物D2(20.9g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物4(15.4g、収率63%;MS:[M+H]
+=727)を製造した。
【0080】
製造例5:化合物5の製造
[反応式5−1]
【化43】
(4−シアノフェニル)ボロン酸ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸(12.7g、60mmol)を用いたこと以外は、化合物A3の製造と同様な方法で化合物E1(21.3g、収率89%;MS:[M+H]
+=455)を製造した。
【0081】
[反応式5−2]
【化44】
化合物A4の代わりに化合物E1(15g、33mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物E2(21.1g、収率93%;MS:[M+H]
+=547)を製造した。
【0082】
[反応式5−3]
【化45】
化合物A3の代わりに化合物E2(18.4g、34mmol)を用いたこと以外は、化合物A4の製造と同様な方法で化合物5(11g、収率50%;MS:[M+H]
+=652)を製造した。
【0083】
[実験例]
実験例1−1
ITO(indium tin oxide)が1,300Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー社(Fischer Co.)製品を用い、蒸留水としてはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルター(Filter)で2次濾過された蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄を行い、乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを利用して前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着器に基板を輸送させた。
【0084】
前記のように準備されたITO透明電極上に下記HI−1化合物を50Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。前記正孔注入層上に下記HT−1化合物を250Åの厚さに熱真空蒸着して正孔輸送層を形成し、HT−1蒸着膜上に下記HT−2化合物を50Åの厚さに真空蒸着して電子阻止層を形成した。前記HT−2蒸着膜上に発光層として前記の実施例1で製造した化合物1と燐光ドーパントである下記YGD−1化合物を88:12の重量比に共蒸着して400Åの厚さの発光層を形成した。前記発光層上に下記ET−1化合物を250Åの厚さに真空蒸着し、追加的に下記ET−2化合物を100Åの厚さに2%重量比のLiと共蒸着して電子輸送層および電子注入層を形成した。前記電子注入層上に1000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して陰極を形成した。
【化46】
【0085】
前記の過程で有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は1×10
−7〜5×10
−8torrを維持した。
【0086】
実験例1−2から1−5
前記実験例1−1で実施例1の化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を用いることを除いては、前記実験例1−1と同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0087】
比較実験例1−1から1−3
前記実験例1で実施例1の化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を用いることを除いては、前記実験例1−1と同様な方法で有機発光素子を製造した。下記表1のCE1からCE3の化合物は下記のとおりである。
【化47】
【0088】
前記実験例および比較実験例において、有機発光素子を10mA/cm
2の電流密度で駆動電圧と発光効率を測定し、50mA/cm
2の電流密度で初期輝度に対して95%になる時間(LT95)を測定した。その結果を下記表1に示した。
【0090】
前記表1に示されたとおり、本発明の化合物を発光層物質として用いる場合、比較実験例に比べて効率および寿命が優れた特性を示すことを確認することができた。
【0091】
実験例2−1
ITO(indium tin oxide)が1,000Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059 glass)を、分散剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。洗剤はフィッシャー社(Fischer Co.)の製品を用い、蒸留水はミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルター(Filter)で2次濾過された蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール溶剤の順に超音波洗浄を行い、乾燥させた。
このように準備されたITO透明電極上に下記HI−1化合物を500Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。前記正孔注入層上に下記HT−1化合物を400Åの厚さに真空蒸着して正孔輸送層を形成し、発光層としてホストH1とドーパントD1化合物を97.5:2.5の重量比に300Åの厚さに真空蒸着した。前記発光層上に下記化合物ET−Aを50Åの厚さに真空蒸着して電子輸送層を形成した。前記電子輸送層上に実施例1で製造した化合物1とLiQ(Lithium Quinolate)を1:1の重量比に真空蒸着して350Åの厚さに電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層上に順次に12Åの厚さにリチウムフロリド(LiF)と2,000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して陰極を形成した。
【化48】
【0092】
前記の過程で有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のリチウムフロリドは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10
−7〜5×10
−6torrを維持して、有機発光素子を製作した。
【0093】
実験例2−2から2−5
前記実験例2−1で実施例1の化合物1の代わりに下記表2に記載された化合物を用いることを除いては、前記実験例2−1と同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0094】
比較実験例2−1から2−3
前記実験例2−1で実施例1の化合物1の代わりに下記表2に記載された化合物を用いることを除いては、前記実験例2−1と同様な方法で有機発光素子を製造した。下記表2のCE4、CE2およびCE3の化合物は下記のとおりである。
【化49】
【0095】
前記実験例および比較実験例において、有機発光素子を10mA/cm
2の電流密度で駆動電圧と発光効率を測定し、50mA/cm
2の電流密度で初期輝度に対して95%になる時間(LT95)を測定した。その結果を下記表1に示した。
【0097】
前記表2に示されているように、本発明の化合物を電子輸送層物質として用いる場合、比較実験例に比べて効率および寿命が優れた特性を示すことを確認することができた。