特許第6966046号(P6966046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6966046バッテリーモジュール用FPCB組立体、その製造方法及びそれを含むバッテリーモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966046
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール用FPCB組立体、その製造方法及びそれを含むバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20211028BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20211028BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20211028BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20211028BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H01M50/569
   H01M50/284
   H01M50/211
   H01M10/48 301
   H01M10/48 P
   H05K1/14 E
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-527897(P2020-527897)
(86)(22)【出願日】2019年10月18日
(65)【公表番号】特表2021-511619(P2021-511619A)
(43)【公表日】2021年5月6日
(86)【国際出願番号】KR2019013752
(87)【国際公開番号】WO2020122404
(87)【国際公開日】20200618
【審査請求日】2020年5月25日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0159520
(32)【優先日】2018年12月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サン−ウン
【審査官】 宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−105522(JP,A)
【文献】 特開2004−135012(JP,A)
【文献】 特開2008−226965(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0053981(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0266823(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20−50/298
H01M 50/50−50/598
H01M 50/10−50/198
H01M 10/48
H05K 1/00− 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性及び可撓性を有するフィルムと、前記フィルムの中に予め決定された形態で配置される導体パターンと、を備え電気的信号を伝達するバッテリーモジュール用FPCB組立体であって、
一方向へ延びるメインFPCBと、
前記メインFPCBの少なくとも一側に組み立てられ、前記メインFPCBと異なる方向へ延びるサブFPCBと、を含
前記メインFPCBは、少なくとも一側に第1コネクタターミナルを備え、
前記サブFPCBは、前記メインFPCBへの組み立て部分に、前記第1コネクタターミナルに嵌合する第2コネクタターミナルを備え、
前記第1コネクタターミナルは、各々ソケットタイプの雌コネクタピンの形状で設けられ、前記第2コネクタターミナルは、各々前記雌コネクタピンの中に挿入可能な雄コネクタピンの形状で設けられ、
前記雌コネクタピンと前記雄コネクタピンとは、接続後にクリンチング工程によって圧着される、
バッテリーモジュール用FPCB組立体。
【請求項2】
前記メインFPCBにおいて前記第1コネクタターミナルが備えられる部分のフィルムは凹んで形成され、前記サブFPCBにおいて前記第2コネクタターミナルが備えられる部分のフィルムは突出して形成される、請求項に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体。
【請求項3】
前記メインFPCBが一つであり、前記サブFPCBが少なくとも一つ以上であり、
前記少なくとも一つ以上のサブFPCBが、前記一つのメインFPCBに組み立てられる、請求項1または2に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体。
【請求項4】
前記サブFPCBが、第1サブFPCB及び第2サブFPCBを含み、
前記第1サブFPCB及び前記第2サブFPCBが、各々前記メインFPCBの長手方向に沿った一端部及び他端部に組み立てられ、前記メインFPCBに対して交差する方向へ延びて配置される、請求項に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体。
【請求項5】
前記第1サブFPCB及び第2サブFPCBには、各々少なくとも一つの電圧センシング端子が付着され、前記メインFPCBには、各々少なくとも一つの温度センサーが付着されている、請求項に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体。
【請求項6】
請求項1に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体の製造方法であって、
複数個の前記メインFPCBが予め設計されている第1のFPCB原反及び複数個の前記サブFPCBが予め設計されている第2のFPCB原反から、前記メインFPCB及び前記サブFPCBを各々切り取るFPCB部品準備段階と、
前記メインFPCBの少なくとも一側に備えられる第1コネクタターミナルと、前記サブFPCBの少なくとも一側に備えられる第2コネクタターミナルとを相互接続して、前記メインFPCBと前記サブFPCBとを相互組み立てるFPCB組み立て段階と、を含む、
バッテリーモジュール用FPCB組立体の製造方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリーモジュール用FPCB組立体を含む、バッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールの電圧センシングに使用されるFPCB(軟性回路基板)に関し、より詳しくは、単純な形態で提供されるいくつかのFPCBを接続して構成されるバッテリーモジュール用FPCB組立体と、その製造方法及びそれを含むバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2018年12月11日出願の韓国特許出願第10−2018−0159520号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
通常、印刷回路基板(PCB,Printed Circuit Board)は、TVは勿論、コンピューター、携帯電話、ディスプレイ、通信ネットワーク、二次電池モジュールなどの多様な電子製品に拡く使われている。このようなPCBの一種として、特に、絶縁性及び可撓性を有する軟性印刷回路基板(FPCB,Flexible Printed Circuit Board)が最近広範囲に使われている。
【0004】
具体的に、FPCBは、ポリイミドフィルム(Poly−Imide Film)に銅箔(Copper Foil)を形成した銅箔積層板にドライフィルムをラミネートして、露光、現象及びエッチング工程を経て導体パターンを形成した後に、カバーレイフィルムを接着し、カバーレイフィルムを最外郭の銅箔上に接着する方式で製造される。このようなFPCBは、原材料の可撓性を活用して複雑な製品ケース内に屈曲状態で設けるか、または反復的に動く部位に使われ、その特性上、小型化(デジタルカメラ、カムコーダーなど)、可撓性(プリンターヘッド、ハードディスクなど)、高密度配線(医療機器などの精密機器)、組み立ての合理化(計測機、自動車電装品、バッテリーモジュールなど)のために多様に使われている。
【0005】
従来のバッテリーモジュールは、バッテリーセルの電圧をセンシングして信号を伝送するための手段としてワイヤハーネスをよく用いていた。しかし、ワイヤハーネスは、バッテリーモジュール内における空間的な問題及びコネクタとの接触性において問題が持続的に発生し、最近は上述のようなFPCBがその代案として使われている。
【0006】
一方、バッテリーモジュールの電圧センシング用FPCBは、正極リードと負極リードとが相互反対方向に位置するパウチ型二次電池で構成されたバッテリーモジュールに主に採用されることから、その形状が略Iタイプまたは温度センサーなどの追加などを考慮してEタイプやFタイプとしてよく設計される。
【0007】
ところが、このようにFPCBをIタイプ、EタイプまたはFタイプ形状で製作する場合、スクラップ(Scrap)が過度に残る問題が発生し得る。例えば、FPCBは、ポリアミドフィルム及び銅箔からなるFPCB原反を、予め設計されたFPCB形状で切り取りまたは刷り出し過程を経て製作し得るが、図1のように、Eタイプ形状のFPCB1は、その幾何学的な形状のためFPCB原反2に不使用空間3が過度に残るようになる。不使用空間3、言い換えれば、スクラップはほとんどが再使用できずに捨てられる。これは、FPCBの材料費の上昇の主要原因となる。そこで、FPCB原反2における不使用空間を最小化する方法ないしFPCB設計方案が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、FPCB原反の空間を最大限に活用できるようにFPCBを設計して既存に比べて材料費を節減することを目的とする。
【0009】
但し、本発明が解決しようとする課題はこれに限定されず、ここに言及されていないさらに他の技術的課題は、以下に記載された発明の説明からより明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面によれば、絶縁性及び可撓性を有するフィルムと、フィルムの中に予め決定された形態で配置される導体パターンと、を備えて電気的信号を伝達するバッテリーモジュール用FPCB組立体であって、一方向へ延びるメインFPCBと、メインFPCBの少なくとも一側に組み立てられ、メインFPCBと異なる方向へ延びるサブFPCBと、を含むバッテリーモジュール用FPCB組立体を提供し得る。
【0011】
メインFPCBは、少なくとも一側に第1コネクタターミナルを備え、サブFPCBは、メインFPCBへの組み立て部分に、第1コネクタターミナルに嵌合する第2コネクタターミナルを備え得る。
【0012】
第1コネクタターミナルは、各々ソケットタイプの雌コネクタピンの形状で設けられ、第2コネクタターミナルは、各々雌コネクタピンの中に挿入可能な雄コネクタピンの形状で設けられ得る。
【0013】
雌コネクタピンと雄コネクタピンとは、接続後にクリンチング工程によって圧着され得る。
【0014】
メインFPCBにおいて第1コネクタターミナルが備えられる部分のフィルムは凹んで形成され、サブFPCBにおいて第2コネクタターミナルが備えられる部分のフィルムは突出して形成され得る。
【0015】
メインFPCBが一つであり、サブFPCBが少なくとも一つ以上であり、少なくとも一つ以上のサブFPCBが一つのメインFPCBに組み立てられ得る。
【0016】
サブFPCBは、第1サブFPCB及び第2サブFPCBを含み、第1サブFPCB及び第2サブFPCBが各々メインFPCBの長手方向に沿った一端部及び他端部に組み立てられ、メインFPCBに対して交差する方向へ延びて配置され得る。
【0017】
第1サブFPCB及び第2サブFPCBには各々少なくとも一つの電圧センシング端子が付着され、メインFPCBには各々少なくとも一つの温度センサーが付着され得る。
【0018】
本発明の他の様態によれば、前述のバッテリーモジュール用FPCB組立体の製造方法であって、複数個のメインFPCBが予め設計されている第1のFPCB原反及び複数個のサブFPCBが予め設計されている第2のFPCB原反から、メインFPCB及びサブFPCBを各々 切り取るFPCB部品準備段階と、メインFPCBの少なくとも一側に備えられる第1コネクタターミナルと、サブFPCBの少なくとも一側に備えられる第2コネクタターミナルとを相互接続して、メインFPCBとサブFPCBと、を相互組み立てるFPCB組み立て段階と、を含むバッテリーモジュール用FPCB組立体の製造方法を提供し得る。
【0019】
第1コネクタターミナルが各々ソケットタイプの雌コネクタピンの形状で設けられ、第2コネクタターミナルが各々雌コネクタピンの中に挿入可能な雄コネクタピンの形状で設けられ得る。
【0020】
雌コネクタピンと雄コネクタピンとは、接続後にクリンチング工程によって圧着され得る。
【0021】
本発明の他の様態によれば、前述のバッテリーモジュール用FPCB組立体含むバッテリーモジュールを提供し得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一面によれば、単純な形状のFPCBを複数個接続する方式で複雑な形状のバッテリーモジュール用FPCB組立体を構成することができる。このような単純な形状のFPCBは、FPCB原反に不使用空間が従来よりも少なくなるように配列可能である。したがって、FPCBの製作後に捨てられるスクラップの量を最小化することができ、材料費を節減することができる。
【0023】
本発明の他面によれば、一字型に近い形状の単位FPCBにコネクタピンを採用し、これらを相互嵌合することで、I字形、T字形、E字形、F字形などのバッテリーモジュール用FPCB組立体を従来よりも簡単かつ経済的に具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来技術によるバッテリーモジュール用FPCBの製作時、FPCB原反の空間活用度を説明するための参照図である。
図2】本発明の一実施例によるFPCB組立体の分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるFPCB組立体の結合斜視図である。
図4図3のバッテリーモジュール用FPCB組立体の設置例を説明するための図である。
図5】本発明の一実施例によるFPCB組立体の変形例を示す図である。
図6】本発明の一実施例によるメインFPCBとサブFPCBとの接続構造を説明するための図である。
図7】本発明の一実施例によるメインFPCBとサブFPCBとの接続構造を説明するための図である。
図8図7のコネクタピンの圧着方法を説明するための参照図である。
図9】本発明の一実施例によるバッテリーモジュール用FPCBの製作時、FPCB原反の空間活用度を説明するための参照図である。
図10】本発明の一実施例によるバッテリーモジュール用FPCBの製作時、FPCB原反の空間活用度を説明するための参照図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0026】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0027】
以下に説明するFPCB組立体は、バッテリーモジュールにおいて、二次電池セルの電圧及び温度をセンシングし、これをBMS(Battery Management System)に伝送する役割を果たす配線部品として使用され得る。勿論、本発明によるFPCB組立体は、バッテリーモジュールの電圧センシング用の部品であって、その用途は限定されない。例えば、FPCB組立体は、ある一つの機器または回路基板から提供する信号や電源を他の一つの機器または回路基板に伝送するのに使われ得る。
【0028】
図2及び図3は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール用FPCB組立体の分解斜視図及び結合斜視図である。
【0029】
これらの図面を参照すれば、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール用FPCB組立体10は、メインFPCB20と、メインFPCB20に組み立て可能に設けられる二つのサブFPCB30a、30bと、を含む。
【0030】
メインFPCB20及び二つのサブFPCB30a、30bは、電気的信号を伝送するための導体パターン11と、導体パターン11を保護して絶縁性及び可撓性を付与するフィルムからなり、これらが図面のように組み立てられることで一つのFPCB組立体10を形成する。
【0031】
メインFPCB20は一方向へ延び、二つのサブFPCB30a、30bは、メインFPCB20と異なる方向へ延びた形態を有する。図2及び図3を参照すれば、メインFPCB20は、Y軸方向に沿って延びて配置され、二つのサブFPCB30a、30bは、各々メインFPCB20の両端部に接続し、X軸方向に沿って延びて配置され得る。
【0032】
即ち、二つのサブFPCB30a、30bは、第1サブFPCB30a及び第2サブFPCB30bを含み、第1サブFPCB30a及び第2サブFPCB30bは、各々メインFPCB20の長手方向に沿った一端部と他端部に組み立てられ、メインFPCB20に対して交差する方向へ延びて配置されるように組み立てられる。
【0033】
第1サブFPCB30a及び第2サブFPCB30bは、電圧センシング端子35を備え、バッテリーセルの電圧をセンシングするための部分であって、メイン配線といえるメインFPCB20から異なる方向へ延び、これは、バッテリーセルの電極リードとの接近性を高めるためである。
【0034】
このようなバッテリーモジュール用FPCB組立体10は、図4のように、セル積層体100に装着され得る。ここで、セル積層体100は、パウチ型バッテリーセルを垂直に立てて一方向へ積層したパウチ型バッテリーセルの集合体であり得る。
【0035】
メインFPCB20は、セル積層体100の長手方向に沿ってその上面に配置され、第1サブFPCB30a及び第2サブFPCB30bは、各々セル積層体100において電極リード101が位置した前面及び後面に配置される。バッテリーセルの電極リード101は、ICBボード110、120上のバスバーに溶接され得、これらのバスバーに第1サブFPCB30a及び第2サブFPCB30bの電圧センシング端子35を付着してバッテリーセルの電圧をセンシングする。
【0036】
メインFPCB20には、温度センサー25が付着されることで、温度センサー25でバッテリーセルの温度を感知する。運用中のバッテリーセルは、その領域によって温度差があり得、温度センサー25が付着される個数及び位置は、必要に応じて相違に構成され得る。
【0037】
本実施例は、一つのメインFPCB20に、二つのサブFPCB30a、30bが組み立てられたI字形ないしH字形のFPCB組立体10を開示しているが、本実施例と異なり、一つまたは三つ以上のサブFPCB30a、30bをメインFPCB20に組み立て、より多様な形状でFPCB組立体10を形成することもできる。
【0038】
即ち、FPCB組立体10は、一つのメインFPCB20に少なくとも一つ以上のサブFPCB30a、30bが幾つかの方向へ延びていく形態で組み立てられ得る。
【0039】
例えば、図5は、本実施例の変形例を示した図であって、図5によるFPCB組立体10は、メインFPCB20の中央領域に二つのサブFPCB30c、0dをさらに組み立てたものである。即ち、本変形例によるFPCB組立体10は、一つのメインFPCB20と4個のサブFPCB30a、30b、30c、30dとを組み立てたものである。このようなFPCB組立体10は、セル積層体100の幅方向に沿った両側領域に温度センサー25を容易に配置することができる。
【0040】
続いて、図6図8を参照してメインFPCB20とサブFPCB30a、30bとの接続構造を説明する。
【0041】
本実施例の場合、メインFPCB20とサブFPCB30a、30bとの接続構造は、コネクタ接続方式で具現され得る。このために、図6に示したように、メインFPCB20は、少なくとも一側に第1コネクタターミナル21を備え、サブFPCB30a,30bは、メインFPCB20への組み立て部分に、第1コネクタターミナル21に嵌合する第2コネクタターミナル31を備える。
【0042】
第1コネクタターミナル21は、各々ソケットタイプの雌コネクタピンの形状で設けられ得、第2コネクタターミナル31は、各々雌コネクタピンの中に挿入可能な雄コネクタピンの形状で設けられ得る。
【0043】
雌コネクタピン及び雄コネクタピンは、各々FPCB組立体10の導体パターン11と一対一接続する。例えば、雌コネクタピン及び雄コネクタピンは、銅またはニッケルなどのような伝導性金属から製作され、対応する導体パターン11にはんだ付けなどの方式で各々付着され得る。本実施例の場合、導体パターン11が8個であるが、伝送しようとする信号の個数に応じて導体パターン11の個数は増減可能である。
【0044】
図7に示したように、サブFPCB30a、30bは、第2コネクタターミナル31がメインFPCB20の第1コネクタターミナル21の中に挿入されることでメインFPCB20と接続する。もちろん、この際、メインFPCB20及びサブFPCB30a、30bの導体パターン11も電気的に接続する。
【0045】
本実施例は、第1コネクタターミナル21及び第2コネクタターミナル31をクリンチング工程でさらに圧着することで、第1コネクタターミナル21と第2コネクタターミナル31との接触信頼性をさらに確保することができる。
【0046】
例えば、図8のように、第1コネクタターミナル21の中に第2コネクタターミナル31を挿入した後、当該部分を圧着ジグ40a、40bの間に置いて圧着ジグ40a、40bで押し付けて第1コネクタターミナル21と第2コネクタターミナル31とを一体で圧着する。このように接続したメインFPCB20及びサブFPCB30a、30bは、引張力を受けるとしても切れにくくなる。
【0047】
また、本実施例のメインFPCB20において第1コネクタターミナル21が備えられる部分のフィルムは凹んで形成され、サブFPCB30a、30bにおいて第2コネクタターミナル31が備えられる部分のフィルムは突出して形成される。メインFPCB20の第1コネクタターミナル21が備えられる部分を凹部23、サブFPCB30a、30bの第2コネクタターミナル31が備えられる部分を凸部33と定義すれば、凸部33と凹部23とは互いに形合わせになるように設けられ得る。
【0048】
この場合、サブFPCB30a、30bの凸部33をメインFPCB20の凹部23に合わせた後に押し込めると、8個の第1コネクタターミナル21と第2コネクタターミナル31とが相互ずれることなくスムーズに嵌合でき、コネクタターミナルの損傷なくメインFPCB20とサブFPCB30a、30bとを容易に組み立てることができる。
【0049】
続いて、上述したFPCB組立体10の製造方法を簡略に説明すると、次のようである。
【0050】
FPCB組立体10の製造方法は、FPCB部品準備段階と、FPCB組み立て段階と、を含む。
【0051】
図9及び図10に示したように、第1のFPCB原反50にメインFPCB20を同じパターンに設計し、同様に、第2のFPCB原反60にサブFPCB30a、30bを同じパターンに設計する。この場合、メインFPCB20とサブFPCB30a、30bとを直線形に近く設計し、第1のFPCB原反50及び第2のFPCB原反60の面積を最大限に使うことで、捨てられるスクラップの量を最小化することができる。
【0052】
第1のFPCB原反50及び第2FPCB原反60において、各々メインFPCB20及びサブFPCB30a、30bをその形状どおり切り取ってFPCB部品準備を完了した後、FPCB組み立て段階を行う。
【0053】
FPCB組み立て段階は、非常に簡単である。先ず、メインFPCB20の両端部に備えられている第1コネクタターミナル21に、サブFPCB30a、30bの一側に備えられている第2コネクタターミナル31を挿入してFPCB組立体10の形状を作る。ここで、第1コネクタターミナル21は、前述のようにソケットタイプの雌コネクタピンの形状で設けられ得、第2コネクタターミナル31は、雌コネクタの中に挿入可能な棒状の雄コネクタピンの形状で設けられ得る。
【0054】
その後、クリンチング工程で第1コネクタターミナル21と第2コネクタターミナル31とを一体で圧着する。クリンチング工程は、図8のように、圧着ジグで第1コネクタターミナル21と第2コネクタターミナル31との接続部分を押し付ける方式で行われ得る。このようなクリンチング工程によれば、メインFPCB20とサブFPCB30a、30bとが相互堅固に固定されるので、ある程度の引張力を受けるとてもメインFPCB20とサブFPCB30a、30bとが切れにくい。
【0055】
このようなFPCB組立体10の製造方法によれば、前述のように、FPCB組立体の製作後に捨てられるスクラップの量を減らすことができて材料費が節減され、場合によって幾つかの単純な形状のFPCBを選択的に組み合わせて、I字形、T字形、E字形、F字形などのバッテリーモジュール用FPCB組立体を簡単に製作することができる。
【0056】
一方、本発明によるバッテリーモジュールは、上述したFPCB組立体10を含んで構成され得る。FPCB組立体10は、バッテリーモジュールを構成するバッテリーセルの電圧をセンシングするのに用いられ得る。バッテリーモジュールは、FPCB組立体10に加え、複数個のパウチ型バッテリーセルを積層して形成したセル積層体100とバッテリーセルとの電気的接続のためのICBボード110、120、バッテリーセルを収納するためのモジュールケース(図示せず)、その他、バッテリーセルの電圧及び温度に基づいてバッテリーセルの充放電及び電流の流れを制御するための制御装置として、ヒューズ、リレー、BMSなどをさらに含み得る。
【0057】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、だれでも多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は請求範囲内に含まれる。
【0058】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10