特許第6966570号(P6966570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966570
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】化学機械研磨後配合物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/30 20060101AFI20211108BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/34 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/28 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/36 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/06 20060101ALI20211108BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20211108BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   C11D3/30
   C11D7/32
   C11D1/62
   C11D3/34
   C11D3/28
   C11D3/20
   C11D3/36
   C11D3/04
   C11D3/06
   C11D3/10
   H01L21/304 647A
   H01L21/304 647B
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-555603(P2019-555603)
(86)(22)【出願日】2018年4月11日
(65)【公表番号】特表2020-516725(P2020-516725A)
(43)【公表日】2020年6月11日
(86)【国際出願番号】US2018027179
(87)【国際公開番号】WO2018191424
(87)【国際公開日】20181018
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】62/484,168
(32)【優先日】2017年4月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フライ, ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, マイケル
【審査官】 柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−519423(JP,A)
【文献】 特表2015−524165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含む洗浄組成物であって、
腐食抑制剤が、酢酸、アセトンオキシム、アクリル酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセリン酸、グリセロール、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスチジン、イミノ二酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、2,4−ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、プロピオン酸、ピロカテコール、ピロメリト酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、シュウ酸、タンニン酸、ピコリン酸、1,3−シクロペンタンジオン、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、シアヌル酸、バルビツル酸、1,2−ジメチルバルビツル酸、ピルビン酸、プロパンチオール、ベンゾヒドロキサム酸類、2,5−ジカルボキシピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、N−アミノエチルピペラジン(N−AEP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(CDTA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン三酢酸(HEdTA)、イミノ二酢酸(IDA)、2−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオウレア、1,1,3,3−テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、グリシン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピロリジン、スレオニン、トリプトファン、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、サリチルヒドロキサム酸、5−スルホサリチル酸及びそれらの組合せからなる群から選択され、腐食抑制剤に対する有機アミンの重量パーセント比が1から100の範囲であり、腐食抑制剤に対するpH調整剤の重量パーセント比が0.1から50の範囲であり、腐食抑制剤に対する有機添加剤の重量パーセント比が0.01から50の範囲である、洗浄組成物。
【請求項2】
少なくとも一種の有機アミンが、一般式NR(式中、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルキル、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルコール、及び直鎖又は分岐鎖のエーテルからなる群から選択される。)を有する化学種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
少なくとも一種の有機アミンがモノエタノールアミンを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
少なくとも一種のpH調整剤が式NROH又はPROH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、及び置換又は非置換のC−C10アリールからなる群から選択される。)を有する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
少なくとも一種のpH調整剤が水酸化コリンを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
少なくとも一種の腐食抑制剤が、システイン、シュウ酸、ヒスチジン又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
有機添加剤が、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、HEDP、HEC又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
アスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、ホルムアミジンスルフィン酸、尿酸、酒石酸、システイン、D−グルコン酸カリウム、ヒドロキシルアミン、亜硝酸カリウム、炭酸グアニジン、8−ヒドロキシ−5−キノリンスルホン酸水和物及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される化学種を含む少なくとも一種の還元剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
リン酸、リン酸二カリウム、炭酸カリウム、ホウ酸、リジン、プロリン、β−アラニン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメチルグリオキシム、(NHHPO、KHPO、(NHPO、KPO、KHPO/KPO、KCO/KHCO、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)及びそれらの組合せからなる群から選択される化学種を含む少なくとも一種の緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
少なくとも一種の酸化剤;フッ化物含有源;研削材料;テトラメチルアンモニウム水酸化物;アゾール含有腐食抑制剤;没食子酸;スルホニウム化合物;アミドキシム化合物;及びそれらの組合せがない、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
腐食抑制剤に対する有機アミンの重量パーセント比が5から50の範囲であり、腐食抑制剤に対するpH調整剤の重量パーセント比が1から30の範囲であり、腐食抑制剤に対する有機添加剤の重量パーセント比が0.1から25の範囲である、請求項1に記載の洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、残留物及び/又は汚染物を、特に、銅含有材料、タンタル含有材料、コバルト含有材料及びルテニウム含有材料のうちの少なくとも1つを含む残留物及び/又は汚染物を、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスウエハは、集積回路を形成するために使用される。マイクロ電子デバイスウエハは、基板、例えばシリコンを含み、その領域は、絶縁性、導電性又は半導性を有する様々な材料を堆積させるためにパターン化される。
【0003】
正確なパターニングを得るために、基板上の層の形成において使用された過剰な材料は除去されなければならない。さらに、機能的且つ信頼性の高い回路を製作するために、多くの場合、平らな、すなわち平坦なマイクロ電子ウエハ表面を調製し、その後に加工することが重要である。したがって、マイクロ電子デバイスウエハのある種の表面を平坦化及び/又は研磨することが必要である。
【0004】
化学機械研磨又は平坦化(「CMP」)は、材料がマイクロ電子デバイスウエハの表面から除去され、物理プロセス、例えば摩耗と、化学プロセス、例えば酸化又はキレート化とを結合することにより表面が研磨されるプロセスである。その最も基本的な形態において、CMPは、除去、平坦化及び研磨プロセスを実現するために、マイクロ電子デバイスウエハの表面をバフ仕上げする研磨パッドに、スラリー、例えば研削材及び活性のある化学の溶液を適用するものである。速く、均一な除去を実現するためには、除去又は研磨プロセスが純粋に物理的な作用又は純粋に化学的な作用からなるよりはむしろ両方の相乗的な組合せからなることが典型的には望ましい。集積回路の製作において、その後のフォトリソグラフィー、パターニング、エッチング及び薄膜加工のために非常に平坦な表面を生成できるように、CMPスラリーはまた、金属と他の材料との複合層を含む膜を優先的に除去可能であるべきである。
【0005】
マイクロ電子デバイスの製作において回路のメタライゼーションに一般に使用される銅ダマシンプロセスにおいて、除去及び平坦化されなければならない層は、約1〜1.5μmの厚さを有する銅層及び約0.05〜0.15μmの厚さを有する銅シード層を含む。これらの銅層は、通常厚さ約50〜300Åのバリア材料の層によって誘電材料表面から分離されており、この層は、酸化物誘電材料内への銅の拡散を防ぐ。研磨後、ウエハ表面全体に良好な均一性を得る鍵の1つは、各材料に対して正確な除去選択性を有するCMPスラリーを使用することである。
【0006】
タンタル及び窒化タンタルが、誘電層内の銅拡散によって引き起こされるデバイス汚染を防ぐバリア層材料として現在使用されている。しかし、タンタルの高抵抗率のために、特に高アスペクト比フィーチャにおいて、バリア層上に効果的に銅を堆積させることは困難である。したがって、銅シード層はバリア層上に最初に堆積されなければならない。回路のフィーチャサイズが65nm、45nm及び32nmスケールに縮小されるにつれて、トレンチ上部でのオーバーハング及びボイド形成を防ぐためにシード層の正確な厚さを制御することが、特に32nm技術ノード以上で極めて困難になる。
【0007】
普通なら製品の機能に有害な影響を及ぼし、又はさらにはその目的の機能に関して役に立たなくするはずの残留物及び汚染物をマイクロ電子デバイス製品からなくすように、ウエハ基板表面調製、堆積、めっき、エッチング及び化学機械研磨を伴う前述の加工作業には洗浄作業を様々に必要とする。多くの場合、これらの汚染物の粒子は0.3μmより小さい。CMP加工後、そのような残留物及び汚染物には、CMPスラリー成分、除去された層からの粒子、及び腐食抑制剤化合物、例えばベンゾトリアゾール(BTA)が含まれる。除去されないと、これらの残留物は、銅線に損傷を与えたり、銅メタライゼーションを著しく粗面化したりする可能性があり、さらにはデバイス基板上のCMP後適用層の付着が不十分になる可能性がある。過度に粗い銅は、製品のマイクロ電子デバイスの電気的性能が不十分になる可能性があるため、銅メタライゼーションの激しい粗面化は特に問題となる。
【0008】
タンタル及び窒化タンタル以外の、又はそれらに加えてバリア材料を含む基板を含む基板から残留物及び汚染物を効果的に除去する組成物並びに方法を提供することが当該技術分野で引き続き必要とされている。組成物及び方法は、銅上の粒子及び他の欠陥を排除すべきであり、さらには銅を腐食したり、あるいは損傷したりすべきでない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は概して、残留物及び/又は汚染物を、前記残留物及び汚染物をその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するための組成物及びプロセスに関する。残留物は、CMP後、エッチ後及び/又はアッシュ後残留物を含んでもよい。本組成物及び本方法は、銅、低誘電率材料、並びにタンタル含有材料、コバルト含有材料及びルテニウム含有材料のうちの少なくとも1つを含むバリア材料を含むマイクロ電子表面を洗浄するとき特に有利である。
【0010】
一態様において、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含む洗浄組成物が記載される。
【0011】
別の態様において、残留物及び汚染物を、前記残留物及び汚染物をその上に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法であって、マイクロ電子デバイスからの前記残留物及び汚染物を少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、洗浄組成物とマイクロ電子デバイスを接触させることを含み、洗浄組成物が銅、低誘電率材料及びバリア材料と適合性であり、バリア材料が、タンタル含有材料、コバルト含有材料及びルテニウム含有材料のうちの少なくとも1つを含み、洗浄組成物が、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含む、方法。
【0012】
他の態様、特徴及び利点は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は概して、残留物及び汚染物を、(一又は複数の)そのような材料をその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに有用な組成物に関する。本組成物は、CMP後、エッチ後又はアッシュ後残留物の除去に特に有用である。
【0014】
参照しやすくするため、「マイクロ電子デバイス」は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリ素子、太陽電池パネル、及び太陽電池基板、光電装置を含む他の製品、並びにマイクロ電子用途、集積回路用途又はコンピュータチップ用途において使用するために製造されたマイクロ電子機械システム(MEMS)に対応する。太陽電池基板には、シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム及びガリウム上のヒ化ガリウムが含まれるがこれらに限定されない。太陽電池基板は、ドープされても、ドープされなくてもよい。「マイクロ電子デバイス」という用語は、いかなる意味においても限定することを意図せず、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリになる任意の基板を含むと理解されるべきである。
【0015】
本明細書において使用されるとき、「残留物」は、プラズマエッチング、アッシング、化学機械研磨、ウェットエッチング及びそれらの組合せを含むがこれらに限定されないマイクロ電子デバイスの製造中に発生する粒子に対応する。
【0016】
本明細書において使用されるとき、「汚染物」は、CMPスラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、ウェットエッチング組成物中に存在する化学物質、ウェットエッチング組成物の反応副生成物、及びCMPプロセス、ウェットエッチング、プラズマエッチング又はプラズマアッシングプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。一般的な汚染物はベンゾトリアゾールを含み、これは、CMPスラリー中に存在することが多い。
【0017】
本明細書において使用されるとき、「CMP後残留物」は、研磨スラリーからの粒子、例えば、シリカ含有粒子、スラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、炭素に富む粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、装置の構成材料粒子、金属、金属酸化物、有機残留物、バリア層残留物、及びCMPプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。本明細書において定義される通り、通常研磨される「金属」には、銅、アルミニウム及びタングステンが含まれる。
【0018】
本明細書において定義される通り、「低誘電率材料」は、積層マイクロ電子デバイスにおいて誘電材料として使用される任意の材料に対応し、この材料は、約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、低誘電率材料には、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化シリコン及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が含まれる。低誘電率材料は、様々な密度及び様々な空隙率を有してもよいと理解されるべきである。
【0019】
本明細書において定義される通り、「錯化剤」には、当業者が錯化剤、キレート剤及び/又は金属イオン封鎖剤と理解する化合物が含まれる。錯化剤は、本明細書に記載の組成物を使用して除去される金属原子及び/若しくは金属イオンと化学的に結合し、又はそれらを物理的に保持する。
【0020】
本明細書において定義される通り、「バリア材料」という用語は、金属線、例えば銅相互接続を封止して、誘電材料内への前記金属、例えば銅の拡散を最小限にするために当該技術分野で使用される任意の材料に対応する。好ましいバリア層材料には、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム、タングステン、コバルト並びに前述の金属のいずれかの窒化物及びケイ化物が含まれる。
【0021】
本明細書において定義される通り、「エッチ後残留物」は、気相プラズマエッチングプロセス、例えばBEOLデュアルダマシン加工、又はウェットエッチングプロセスの後に残る材料に対応する。エッチ後残留物は、有機、有機金属、有機ケイ素又は無機の性質のもの、例えば、シリコン含有材料、炭素系有機材料、並びにエッチガス残留物、例えば酸素及びフッ素であり得る。
【0022】
本明細書において定義される通り、「アッシュ後残留物」は、本明細書において使用されるとき、硬化したフォトレジスト及び/又は下層反射防止膜(BARC)の材料を除去するための酸化性又は還元性プラズマアッシング後に残る材料に対応する。アッシュ後残留物は、有機、有機金属、有機ケイ素又は無機の性質のものであり得る。
【0023】
「実質的にない」は、本明細書において、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満と定義される。一実施態様において、「実質的にない」はゼロパーセントに対応する。
【0024】
本明細書において定義される通り、「ルテニウム含有材料」及び「ルテニウム種」は、純粋なルテニウム、ルテニウム窒化物(別の元素、例えばSi、Ta又はLiを含むルテニウム窒化物を含む。)、ルテニウム酸化物(水酸化物を含むルテニウム酸化物を含む。)及びルテニウム合金を含むがこれらに限定されない。様々なルテニウム酸化物及び窒化物の化学式はルテニウムイオンの酸化状態に基づいて様々であり得、ルテニウムの一般的な酸化状態が0、+2、+3、+4、+6、+7、+8又は−2であることを当業者なら理解するであろう。
【0025】
本明細書において定義される通り、「タンタル含有材料」及び「タンタル種」は、純粋なタンタル、タンタル窒化物(別の元素、例えばSiを含むタンタル窒化物を含む。)、タンタル酸化物(水酸化物を含むタンタル酸化物を含む。)、タンタルアルミナイド及びタンタル合金を含むがこれらに限定されない。様々なタンタル酸化物及び窒化物の化学式はタンタルイオンの酸化状態に基づいて様々であり得、タンタルの一般的な酸化状態が−1、−3、+1、+2、+3、+4及び+5であることを当業者なら理解するであろう。
【0026】
本明細書において定義される通り、「コバルト含有材料」及び「コバルト種」は、純粋なコバルト、酸化コバルト、水酸化コバルト(別の元素、例えばTa又はTiを含むコバルト窒化物を含む。)、タンタル酸化物、CoW、CoP、CoSi及びケイ化コバルトを含むがこれらに限定されない。様々なコバルト酸化物及び窒化物の化学式はコバルトイオンの酸化状態に基づいて様々であり得、コバルトの一般的な酸化状態が−3、−1、+1、+2、+3、+4、_+5であることを当業者なら理解するであろう。
【0027】
本明細書において定義される通り、「ルテニウム含有材料」及び「ルテニウム種」は、純粋なルテニウム、ルテニウム窒化物(別の元素、例えばSi、Ta又はLiを含むルテニウム窒化物を含む。)、ルテニウム酸化物(水酸化物を含むルテニウム酸化物を含む。)及びルテニウム合金を含むがこれらに限定されない。様々なルテニウム酸化物及び窒化物の化学式はルテニウムイオンの酸化状態に基づいて様々であり得、ルテニウムの一般的な酸化状態が0、+2、+3、+4、+6、+7、+8又は−2であることを当業者なら理解するであろう。
【0028】
本明細書において使用されるとき、「約」は、記載の値の±5%に対応することが意図される。
【0029】
本明細書において定義される通り、「反応生成物又は分解生成物」には、表面での触媒作用、酸化、還元、組成成分との反応の結果生成された、さもなければ重合する(一又は複数の)生成物又は(一又は複数の)副生成物;物質若しくは材料(例えば、分子、化合物など。)が、他の物質若しくは材料と組み合わさる、構成成分を他の物質若しくは材料と交換する、分解する、再配置する、さもなければ化学的且つ/若しくは物理的に改変される(一又は複数の)変化又は(一又は複数の)変換の結果生成された(一又は複数の)生成物あるいは(一又は複数の)副生成物(前述の(一又は複数の)反応、(一又は複数の)変化及び/若しくは(一又は複数の)変換のいずれか又は前述のそれらの任意の組合せの(一又は複数の)中間生成物あるいは(一又は複数の)副生成物を含む。)が含まれるがこれらに限定されない。反応生成物又は分解生成物は、当初の反応物より大きい、又はより小さいモル質量を有してもよいと理解されるべきである。
【0030】
「酸化剤」は、別の化学種を酸化できる一方、それ自体は還元される化学種として化学技術分野で周知である。本出願において、酸化剤は、オゾン、硝酸、通気、シクロヘキシルアミノスルホン酸、過酸化水素、FeCl、オキソン、過ホウ酸塩、過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、ヨウ素酸塩、ヒポロリット(hypohlorite)塩、硝酸塩、ペルオキソ一硫酸塩、ペルオキソ一硫酸、硝酸第二鉄、アミン−N−オキシド、尿素過酸化水素、過酢酸、過ヨウ素酸、二クロム酸カリウム、2−ニトロフェノール、1,4−ベンゾキノン、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシフタル酸塩、バナジウム酸化物、メタバナジン酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、硫酸及びそれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
【0031】
「アゾール含有腐食抑制剤」又は「アゾール含有不動態化剤には、トリアゾール及びその誘導体、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、チアゾール及びその誘導体、テトラゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、並びにアジン及びその誘導体が含まれる。
【0032】
本明細書において使用されるとき、「フッ化物含有化合物」は、別の原子にイオン結合したフッ化物イオン(F)を含む塩又は酸化合物に対応する。
【0033】
本明細書において使用されるとき、残留物及び汚染物を、前記残留物及び汚染物をその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するための「適合性」は、マイクロ電子デバイスからの前記残留物/汚染物の少なくとも部分的な除去に対応する。洗浄の有効性は、マイクロ電子デバイス上の物体の減少により評価される。例えば、洗浄前後の分析は、原子間力顕微鏡を使用して実施することができる。試料上の粒子を、ある範囲の画素として記録することができる。ヒストグラム(例えば、Sigma Scan Pro)を適用して、一定強度、例えば、231〜235の画素及び計数された粒子の数をフィルタすることができる。粒子の減少は、以下を使用して計算することができる:
洗浄の有効性=(洗浄前の物体の数−洗浄後の物体の数)/洗浄前の物体の数×100
注目すべきことに、洗浄の有効性の測定法は、単なる例として記載されており、それに限定されるものではない。あるいは、洗浄の有効性は、粒子状物質によって覆われた全表面の割合と考えてもよい。例えば、z平面走査を実施するようAFMをプログラムして一定の高さの閾値を上回る対象のトポグラフィー領域を特定し、次いで、対象の前記領域によって覆われた全表面の領域を計算してもよい。洗浄後に対象の前記領域によって覆われた面積が小さいほど、洗浄組成物がより効果的であることを当業者なら容易に理解するであろう。好ましくは、本明細書に記載の組成物を使用して、残留物/汚染物の少なくとも75%がマイクロ電子デバイスから除去され、より好ましくは残留物/汚染物の少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が除去される。
【0034】
本明細書に記載の組成物は、以下でさらに詳しく説明するように、多種多様な特定の配合物に具体化することができる。
【0035】
ゼロ下限を含む重量パーセントの範囲に関して組成物の特定の成分が議論されるすべてのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な特定の実施態様において存在しても、存在しなくてもよいこと、及びそのような成分が存在する場合、それらは、そのような成分が使用される組成物の全重量に基づいて、0.001重量パーセントという低い濃度で存在してもよいことが理解されるであろう。
【0036】
第1の態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。一実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも二種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも二種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも二種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも二種のpH調整剤、少なくとも二種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも二種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも二種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも二種の有機添加剤及び少なくとも二種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。さらに別の実施態様において、洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも二種のpH調整剤、少なくとも二種の有機添加剤及び少なくとも二種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる。実施態様のいずれかはさらに、少なくとも一種の還元剤、少なくとも一種の緩衝剤、又は少なくとも一種の還元剤及び少なくとも一種の緩衝剤の両方を含むことができる。さらに、本明細書に開示の実施態様のいずれかはさらに、少なくとも一種の界面活性剤を含むことができる。有利には、洗浄組成物は、汚染物、例えばベンゾトリアゾールの除去を向上させる一方、露出した銅の腐食速度及び露出した銅上に残る残留物(例えば、タンタル種、コバルト種及びルテニウム種のうちの少なくとも1つを含むバリア層材料を含むCMP後残留物を含むCMP後残留物)の量を同時に減少させる。
【0037】
第1の態様の洗浄組成物は、マイクロ電子デバイスから残留物材料を除去する前に、少なくとも一種の酸化剤;フッ化物含有源;研削材料;テトラメチルアンモニウム水酸化物;アゾール含有腐食抑制剤;没食子酸;スルホニウム化合物;アミドキシム化合物;及びそれらの組合せが実質的にないもの又はないものにすることができる。さらに、洗浄組成物は、固化して、ポリマー固体、例えば、フォトレジストを生成すべきでない。当業者には容易に理解されるように、配合物は少なくとも一種の界面活性剤を含むことができることが企図されるが、配合物には界面活性剤が実質的にないことも企図される。さらに、洗浄組成物中の少なくとも一種の有機添加剤の量は、組成物の全重量に基づいて、20重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満であり、少なくとも一種のpH調整剤は、好ましくは水酸化アルカリ、例えば、KOHを含む。
【0038】
1つの好ましい実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.1〜約50、好ましくは約1〜約30、より好ましくは約2〜約20、最も好ましくは約4〜約10の範囲内の(一種又は複数種の)pH調整剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;及び約0.01〜約50、好ましくは約0.1〜約25、より好ましくは約1〜約15、最も好ましくは約2〜約10の範囲内の(一種又は複数種の)有機添加剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。加えられる(一種又は複数種の)pH調整剤の量は、本明細書に開示され、且つ当業者には理解される所望のpHに依存する。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。洗浄組成物は、少なくとも一種の還元剤、少なくとも一種の緩衝剤、又は少なくとも一種の還元剤及び少なくとも一種の緩衝剤の両方をさらに含んでもよい。
【0039】
特定の組成物において有用である可能性がある例示的な有機アミンには、一般式NR(式中、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル)、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール及びヘキサノール)、及び式R−O−R(式中、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、上で定義したC−Cアルキルからなる群から選択される。)を有する直鎖又は分岐鎖のエーテルからなる群から選択される。)を有する化学種が含まれる。アミンがエーテル成分を含むとき、アミンはアルコキサミンと考えてもよい。企図される他の有機アミンには、ジシアナミド(C)並びにその塩及びアナログが含まれる。最も好ましくは、R、R及びRのうちの少なくとも1つは直鎖又は分岐鎖のC−Cアルコールである。例には、限定することなしに、アルカノールアミン、例えばアルカノールアミン、例えばアミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、アミノエトキシエトキシエタノール、ブトキシプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、ブトキシイソプロピルアミン、2−エチルヘキシルイソプロポキシアミン、エタノールプロピルアミン、エチルエタノールアミン、n−ヒドロキシエチルモルホリン、アミノプロピルジエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、ジイソプロピルアミン、アミノメチルプロパンジオール、N,N−ジメチルアミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、N,N−ジメチルアミノエチルプロパンジオール、イソプロピルアミン、2−アミノ−1−ブタノール、アミノメチルプロパノール、アミノジメチルプロパノール、N,N−ジメチルアミノメチルプロパノール、イソブタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、3−アミノ、4−ヒドロキシオクタン、2−アミノブチラノール(aminobutylanol)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N,N−ジメチルトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヒドロキシプロプリアミン(hydroxyproplyamine)、ベンジルアミン、ヒドロキシエチルアミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン、他のC−Cアルカノールアミン及びそれらの組合せ;アミン、例えばトリエチレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン及びそれらの組合せ;ジグリコールアミン;モルホリン;並びにアミン及びアルカノールアミンの組合せが含まれる。好ましくは、有機アミンにはモノエタノールアミンが含まれる。
【0040】
pH調整剤には、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH、KOH、RbOH、CsOH)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、Be(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH))、及び式NROH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルキル(例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル)、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ)及び置換又は非置換のC−C10アリール、例えば、ベンジルからなる群から選択され、R、R、R及びRがすべてメチル基になることはない。)を有する化合物が含まれる。市販されているテトラアルキルアンモニウム水酸化物には、テトラエチルアンモニウム水酸化物(TEAH)、テトラプロピルアンモニウム水酸化物(TPAH)、テトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAH)、トリブチルメチルアンモニウム水酸化物(TBMAH)、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物(BTMAH)、水酸化コリン、エチルトリメチルアンモニウム水酸化物、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム水酸化物、ジエチルジメチルアンモニウム水酸化物、トリエチルメチルアンモニウム水酸化物、トリスヒドロキシエチルメチルアンモニウム水酸化物及びそれらの組合せが含まれ、それらを使用することができる。代わりに、又は加えて、少なくとも一種の四級塩基は、式(PR)OH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素、直鎖のC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)、分岐鎖のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ)、置換C−C10アリール、非置換C−C10アリール(例えば、ベンジル)及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。)の化合物、例えば、テトラブチルホスホニウム水酸化物(TBPH)、テトラメチルホスホニウム水酸化物、テトラエチルホスホニウム水酸化物、テトラプロピルホスホニウム水酸化物、ベンジルトリフェニルホスホニウム水酸化物、メチルトリフェニルホスホニウム水酸化物、エチルトリフェニルホスホニウム水酸化物、N−プロピルトリフェニルホスホニウム水酸化物であり得る。一実施態様において、pH調整剤はKOHを含む。別の実施態様において、pH調整剤は水酸化コリンを含む。別の実施態様において、pH調整剤は、本明細書に列挙した少なくとも一種のアルカリ金属水酸化物及び少なくとも一種の別の水酸化物を含む。別の実施態様において、pH調整剤は、KOH及び本明細書に列挙した少なくとも一種の別の水酸化物を含む。さらに別の実施態様において、pH調整剤は、KOH及び水酸化コリンを含む。
【0041】
本明細書において企図される腐食抑制剤には、酢酸、アセトンオキシム、アクリル酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセリン酸、グリセロール、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスチジン、イミノ二酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、2,4−ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、プロピオン酸、ピロカテコール、ピロメリト酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、シュウ酸、タンニン酸、ピコリン酸、1,3−シクロペンタンジオン、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、シアヌル酸、バルビツル酸、1,2−ジメチルバルビツル酸、ピルビン酸、プロパンチオール、ベンゾヒドロキサム酸類、2,5−ジカルボキシリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、N−アミノエチルピペラジン(N−AEP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(CDTA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン三酢酸(HEdTA)、イミノ二酢酸(IDA)、2−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオウレア、1,1,3,3−テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、グリシン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピロリジン、スレオニン、トリプトファン、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、サリチルヒロキサム酸、5−スルホサリチル酸及びそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。好ましい実施態様において、好ましくは腐食抑制剤は、システイン、シュウ酸、ヒスチジンのうちの少なくとも1つ又はそれらの任意の組合せを含む。別の好ましい実施態様において、腐食抑制剤は、システイン及びシュウ酸を含む。さらに別の好ましい実施態様において、腐食抑制剤は、システイン、シュウ酸及び少なくとも一種の別の腐食抑制剤を含む。
【0042】
企図される有機添加剤には、2−ピロリジノン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン(HEP)、グリセロール、1,4−ブタンジオール、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジメチルスルホン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラグライム、ジグリム、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル(ドワノールPnB)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(ドワノールPPh))及びそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。代わりに、又は加えて、有機添加剤は、ホスホン酸及びその誘導体、例えば、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9−トリアザシクロドデカン−N,N’,N’’−トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、イス(is)(ヘキサメチレン)トリアミンホスホン酸、1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’,N’’−トリス(メチレンホスホン酸(NOTP)、それらの塩及びそれらの誘導体を含むことができる。代わりに、又は加えて、有機添加剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、N−ビニルピロリドンモノマーを使用して調製された任意のポリマー、ポリアクリル酸エステル及びポリアクリル酸エステルの類似体、ポリアミノ酸(例えば、ポリアラニン、ポリロイシン、ポリグリシン)、ポリアミドヒドロキシウレタン、ポリラクトン、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン(PEI)、糖アルコール、例えばソルビトール及びキシリトール、アンヒドロソルビトールのエステル、二級アルコールエトキシレート、例えばTERGITOL、及びそれらの組合せを含むことができる。好ましい実施態様において、少なくとも一種の有機添加剤はHEDPを含む。別の好ましい実施態様において、少なくとも一種の有機添加剤は、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含む少なくとも一種のグリコールエーテルを含む。さらに別の好ましい実施態様において、少なくとも一種の有機添加剤は、HEDP、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含む少なくとも一種のグリコールエーテルを含む。さらに別の好ましい実施態様において、少なくとも一種の有機添加剤は、HEC、又はHEDP及びHECの組合せ、又はHEC、HEDP、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル若しくはプロピレングリコールn−ブチルエーテル若しくはプロピレングリコールフェニルエーテルを含む少なくとも一種のグリコールエーテルの組合せ、又はHEC、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル若しくはプロピレングリコールn−ブチルエーテル若しくはプロピレングリコールフェニルエーテルを含む少なくとも一種のグリコールエーテルの組合せを含む。
【0043】
還元剤には、存在するとき、アスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、ホルムアミジンスルフィン酸、尿酸、酒石酸、システイン、D−グルコン酸カリウム、ヒドロキシルアミン、亜硝酸カリウム、炭酸グアニジン、8−ヒドロキシ−5−キノリンスルホン酸水和物及びそれらの任意の組合せが含まれるがこれらに限定されない。好ましくは、還元剤は、アスコルビン酸、酒石酸又はそれらの組合せを含む。存在するとき、少なくとも一種の還元剤は、第1の態様の洗浄組成物中に、組成物の全重量に基づいて、約0.0001重量%〜約1重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.2重量%の量で存在する。
【0044】
界面活性剤には、存在するとき、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性イオン性界面活性剤、例えば:アルギン酸及びその塩;カルボキシメチルセルロース;デキストラン硫酸及びその塩;ポリ(ガラクツロン酸)及びその塩;(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、マレイン酸無水物、スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルスルホン酸及びその塩のホモポリマー;(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、マレイン酸無水物、スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルスルホン酸及びその塩のコポリマー;キトサン;カチオン澱粉;ポリリシン及びその塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジメタアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジエチルアリルアンモニウムクロリド、ジアリルジ(ベータ−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジアリルジ(ベータ−エトキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酸付加塩及び四級塩、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、ビニルピリジンのホモポリマー;並びにジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジメタアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジエチルアリルアンモニウムクロリド、ジアリルジ(ベータ−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジアリルジ(ベータ−エトキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酸付加塩及び四級塩、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、ビニルピリジンのコポリマー;ココジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリルジメチル−アルファ−カルボキシエチルベタイン;セチルジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン;ステアリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン;オレイルジメチル−ガンマ−カルボキシプロピルベタイン;ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン;ココジメチルスルホプロピルベタイン;ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン;ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン;ドデシル硫酸ナトリウム;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩;ラウリルエーテル硫酸ナトリウム;ポリエチレングリコール分岐鎖ノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩;2−ドデシル−3−(2−スルホナトフェノキシ)二ナトリウム;PEG25−PABA;ポリエチレングリコールモノ−C10−16−アルキルエーテル硫酸ナトリウム塩;(2−N−ブトキシエトキシ)酢酸;ヘキサデシルベンゼンスルホン酸;セチルトリメチルアンモニウム水酸化物;ドデシルトリメチルアンモニウム水酸化物;ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド;セチルトリメチルアンモニウムクロリド;N−アルキル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;ドデシルアミン;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド;エチレンジアミンテトラキス(エトキシレート−ブロック−プロポキシレート);並びにそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。存在するとき、少なくとも一種の界面活性剤は、第1の態様の洗浄組成物中に、組成物の全重量に基づいて、約0.00001重量%〜約1重量%、好ましくは約0.00001重量%〜約0.2重量%の量で存在する。
【0045】
存在するとき、緩衝剤は、希釈中及び製造中に洗浄組成物を安定化するために、並びに当業者によって容易に判断される適切な組成pHを得るために加えられる。企図される緩衝剤には、リン酸、リン酸二カリウム、炭酸カリウム、ホウ酸、リジン、プロリン、β−アラニン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメチルグリオキシム、二塩基性リン酸塩(例えば、(NHHPO、KHPO)、三塩基性リン酸塩(例えば、(NHPO、KPO)、二塩基性リン酸塩及び三塩基性リン酸塩の混合物(例えば、KHPO/KPO)、二塩基性炭酸塩及び三塩基性炭酸塩の混合物(例えば、KCO/KHCO)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)並びにそれらの組合せが含まれるがこれらに限定されない。好ましい緩衝剤には、存在するとき、リン酸、炭酸カリウム及びそれらの組合せが含まれる。存在するとき、少なくとも一種の緩衝剤は、第1の態様の洗浄組成物中に、組成物の全重量に基づいて、約0.0001重量%〜約20重量%、好ましくは約1〜約20重量%又は約1〜約10重量%又は約0.1〜約5重量%の量で存在する。
【0046】
特に好ましい実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種の有機添加剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、並びに水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物のうちの少なくとも1つを含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の水酸化コリン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約30、好ましくは約0.5〜約20、より好ましくは約2〜約10、最も好ましくは約2〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)アルカリ金属水酸化物/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;及び約0.01〜約50、好ましくは約0.1〜約25、より好ましくは約1〜約15、最も好ましくは約2〜約10の範囲内の(一種又は複数種の)有機添加剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。好ましくは、水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物の両方が存在し、少なくとも一種のアルカリ金属水酸化物はKOHを含む。驚くべきことに、最良の結果は、組成物の全重量に基づいて、(a)約1:1〜約3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのシュウ酸及びシステイン、又は(b)約1:1:1〜約2:3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのヒスチジン、シュウ酸及びシステインの組合せを含んでいた。
【0047】
別の好ましい実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、ホスホン酸又はその誘導体、少なくとも一種のグリコールエーテル及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.1〜約50、好ましくは約1〜約30、より好ましくは約2〜約20、最も好ましくは約4〜約10の範囲内の(一種又は複数種の)pH調整剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約0.5〜約4の範囲内のホスホン酸又はその誘導体/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;及び約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約20、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)グリコールエーテル/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。好ましくはホスホン酸又はその誘導体はHEDPを含み、少なくとも一種のグリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含む。驚くべきことに、最良の結果は、組成物の全重量に基づいて、(a)約1:1〜約3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのシュウ酸及びシステイン、又は(b)約1:1:1〜約2:3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのヒスチジン、シュウ酸及びシステインの組合せを含んでいた。
【0048】
さらに別の実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、ホスホン酸又はその誘導体、少なくとも一種のグリコールエーテル、少なくとも一種の腐食抑制剤、並びに水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物のうちの少なくとも1つを含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の水酸化コリン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約30、好ましくは約0.5〜約20、より好ましくは約2〜約10、最も好ましくは約2〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)アルカリ金属水酸化物/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約0.5〜約4の範囲内のホスホン酸又はその誘導体/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;及び約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約20、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)グリコールエーテル/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%である。好ましくは、水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物の両方が存在し、少なくとも一種のアルカリ金属水酸化物はKOHを含み、ホスホン酸又はその誘導体はHEDPを含み、少なくとも一種のグリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含む。驚くべきことに、最良の結果は、組成物の全重量に基づいて、(a)約1:1〜約3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのシュウ酸及びシステイン、又は(b)約1:1:1〜約2:3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのヒスチジン、シュウ酸及びシステインの組合せを含んでいた。
【0049】
さらに別の実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のグリコールエーテル、少なくとも一種の緩衝剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、並びに水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物のうちの少なくとも1つを含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の水酸化コリン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約50、好ましくは約0.5〜約30、より好ましくは約2〜約20、最も好ましくは約5〜約15の範囲内の(一種又は複数種の)アルカリ金属水酸化物/(一種又は複数種の)腐食抑制剤約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約20、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)グリコールエーテル/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;及び約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約1〜約8の範囲内の(一種又は複数種の)緩衝剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%である。好ましくは、水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物の両方が存在し、少なくとも一種のアルカリ金属水酸化物はKOHを含み、少なくとも一種のグリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含み、少なくとも一種の緩衝剤はリン酸又は炭酸カリウムを含む。驚くべきことに、最良の結果は、組成物の全重量に基づいて、(a)約1:1〜約3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのシュウ酸及びシステイン、又は(b)約1:1:1〜約2:3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのヒスチジン、シュウ酸及びシステインの組合せを含んでいた。
【0050】
さらに別の実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、少なくとも一種の有機アミン、水、ホスホン酸又はその誘導体、少なくとも一種のグリコールエーテル、少なくとも一種の緩衝剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、並びに水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物のうちの少なくとも1つを含み、それらからなり、又はそれらから実質的になり、以下の重量パーセント比:約1〜約100、好ましくは約5〜約50、より好ましくは約10〜約25、最も好ましくは約12〜約20の範囲内の(一種又は複数種の)有機アミン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約15、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の水酸化コリン/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約30、好ましくは約0.5〜約20、より好ましくは約2〜約10、最も好ましくは約2〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)アルカリ金属水酸化物/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.05〜約15、より好ましくは約0.1〜約10、最も好ましくは約0.1〜約4の範囲内のホスホン酸又はその誘導体/(一種又は複数種の)腐食抑制剤;約0.01〜約25、好ましくは約0.1〜約20、より好ましくは約0.5〜約10、最も好ましくは約1〜約6の範囲内の(一種又は複数種の)グリコールエーテル/(一種又は複数種の)腐食抑制剤及び約1〜約100、好ましくは約5〜約60、より好ましくは約10〜約50、最も好ましくは約20〜約40の範囲内の(一種又は複数種の)緩衝剤/(一種又は複数種の)腐食抑制剤で配合されている。洗浄組成物中の水の量は、組成物の全重量に基づいて、少なくとも80重量である。好ましくは、水酸化コリン及びアルカリ金属水酸化物の両方が存在し、少なくとも一種のアルカリ金属水酸化物はKOHを含み、ホスホン酸又はその誘導体はHEDPを含み、少なくとも一種の緩衝剤はリン酸又は炭酸カリウムを含み、少なくとも一種のグリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールn−ブチルエーテル又はプロピレングリコールフェニルエーテルを含む。驚くべきことに、最良の結果は、組成物の全重量に基づいて、(a)約1:1〜約3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのシュウ酸及びシステイン、又は(b)約1:1:1〜約2:3:1の重量パーセント比の腐食抑制剤としてのヒスチジン、シュウ酸及びシステインの組合せを含んでいた。
【0051】
成分の重量パーセント比の範囲は、第1の態様の組成物のすべての可能な濃縮又は希釈された実施態様を対象に含む。そのために、一実施態様において、洗浄溶液として使用するために希釈することができる濃縮洗浄組成物が提供される。濃縮洗浄組成物又は「濃縮物」は有利に、使用者、例えばCMPプロセス技術者が使用ポイントで濃縮物を所望の強度及びpHに希釈することを可能にする。濃縮洗浄組成物の希釈は、約1:1〜約2500:1、好ましくは約10:1〜約200:1、最も好ましくは約30:1〜約150:1の範囲内にすることができて、洗浄組成物は、ツールにおいて、又はツールの直前で、溶媒、例えば、脱イオン水により希釈される。希釈後、本明細書に開示の成分の重量パーセント比の範囲は不変であるべきであることが当業者によって理解されるべきである。
【0052】
第1の態様の洗浄組成物の濃縮物のpHは、7超、好ましくは約10〜14超の範囲内、より好ましくは約12〜約14の範囲内、最も好ましくは約13〜14の範囲内である。希釈すると、洗浄組成物のpHは約10〜約12の範囲まで低下することが当業者には理解される。
【0053】
第1の態様の組成物は、エッチ後残留物除去、アッシュ後残留物除去表面調製、めっき後洗浄及びCMP後残留物除去を含むがこれらに限定されない用途において有用性があり得る。さらに、洗浄組成物は、装飾用金属、金属線接合、プリント回路基板及び金属又は金属合金を使用する他の電子実装を含むがこれらに限定されない他の金属(例えば、銅含有)製品の洗浄及び保護に有用である可能性があることが企図されている。
【0054】
さらに別の好ましい実施態様において、第1の態様の洗浄組成物は、残留物及び/又は汚染物をさらに含む。残留物及び汚染物は組成物に溶解する。あるいは、残留物及び汚染物は組成物に懸濁する。好ましくは、残留物は、CMP後残留物、エッチ後残留物、アッシュ後残留物、汚染物又はそれらの組合せを含む。
【0055】
本明細書に記載の洗浄組成物は、それぞれの原料を単純に加えて、均一な状態まで混合することで容易に配合される。さらに、組成物は、使用ポイントで、若しくは使用ポイント前に混合される単一パッケージの配合物又はマルチパート配合物として容易に配合することができ、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、又はツールの上流の貯蔵タンク内で混合することができる。それぞれの原料の濃度は、組成物の特定の倍数で大きく異なってもよく、すなわち、より希薄であっても、より濃厚であってもよく、本明細書に記載の組成物は、本明細書の開示と一貫した原料の任意の組合せを多様且つ代替的に含み得、その組合せからなり得、又はその組合せから実質的になり得ることを理解されたい。
【0056】
したがって、別の態様は、一又は複数の容器内に、本明細書に記載の洗浄組成物を生成するように適合された一又は複数の成分を含むキットに関する。キットは、製造工場又は使用ポイントでさらに水と組み合わせるために、一又は複数の容器内に、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含んでもよい。別の実施態様において、キットは、製造工場又は使用ポイントで水と組み合わせるために、一又は複数の容器内に、少なくとも一種の有機アミン、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤及び少なくとも一種の腐食抑制剤を含んでもよい。キットの容器は、前記洗浄組成物の保管及び運搬に適していなければならない(例えば、NOWPak(登録商標)容器(Entegris,Inc.(米国マサチューセッツ州ビルリカ)))。
【0057】
マイクロ電子製造作業に適用されるとき、本明細書に記載の洗浄組成物は、CMP後残留物及び/若しくは汚染物、又はエッチ後残留物若しくはアッシュ後残留物をマイクロ電子デバイスの表面から洗浄するために有用に使用される。洗浄組成物は、デバイス表面の低誘電率材料、バリア層材料(例えば、ルテニウム含有材料、タンタル含有材料及びコバルト含有材料のうちの少なくとも1つ)を実質的に損傷せず、又は金属相互接続、例えば、銅を実質的に腐食しない。好ましくは、洗浄組成物は、残留物除去の前にデバイス上に存在する残留物の少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0058】
CMP後残留物及び汚染物洗浄用途において、本明細書に記載の洗浄組成物は、多くの種類の従来の洗浄ツール、例えば、Verteq社製単一ウエハ用メガソニックGoldfinger、OnTrak systems社製DDS(両面スクラバ)、SEZ又は他の単一ウエハ用スプレーリンス、Applied Materials社製Mirra−Mesa(商標)/Reflexion(商標)/Reflexion LK(商標)及びメガソニックバッチウェットベンチシステムを含むがこれらに限定されないメガソニックス並びにブラシスクラビングと共に使用することができる。
【0059】
CMP後残留物、エッチ後残留物、アッシュ後残留物及び/又は汚染物を、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するための組成物の使用において、洗浄組成物は、典型的には、約5秒〜約10分、好ましくは約1秒〜20分、好ましくは約15秒〜約5分の時間、約20℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約50℃の範囲内の温度でデバイスと接触させる。そのような接触時間及び温度は例示であり、本方法の広範な実施の範囲内で、CMP後残留物/汚染物をデバイスから少なくとも部分的に洗浄するのに効果的なその他の任意の適した時間及び温度の条件が使用されてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」及び「実質的な除去」はいずれも、残留物除去の前にデバイス上に存在する残留物の少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0060】
所望の洗浄作用を達成後、本明細書に記載の組成物の所与の最終使用用途において所望され、且つ効果的であり得るように、洗浄組成物が先に適用されたデバイスから、洗浄組成物が容易に除去される。好ましくは、リンス液は脱イオン水を含む。その後、デバイスは、窒素又は遠心脱水サイクルを使用して乾燥することができる。
【0061】
さらに別の態様は、本明細書に記載の方法にしたがって製造される改善されたマイクロ電子デバイス、及びそのようなマイクロ電子デバイスを含む製品に関する。
【0062】
別の態様は、リサイクルされた洗浄組成物に関し、当業者によって容易に判断される洗浄組成物が適応できる最大量に残留物及び/又は汚染物の負荷が達するまで洗浄組成物がリサイクルされてもよい。
【0063】
さらに別の態様は、マイクロ電子デバイスを含む物品を製造する方法であって、CMP後残留物及び汚染物を、前記残留物及び汚染物をその上に有するマイクロ電子デバイスから洗浄するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを洗浄組成物と接触させることと、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、任意選択的に少なくとも一種の緩衝剤及び任意選択的に少なくとも一種の還元剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる洗浄組成物を使用して、前記マイクロ電子デバイスを前記物品に取り込むこととを含む方法に関する。
【0064】
別の態様において、CMP後残留物及び汚染物を、それらをその上に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法であって、
−CMPスラリーを使用してマイクロ電子デバイスを研磨することと、
−CMP後残留物及び汚染物をマイクロ電子デバイスから除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを本明細書に記載の洗浄組成物と接触させて、CMP後残留物含有組成物を生成することと、
−マイクロ電子デバイスを実質的に洗浄するのに十分な時間の間、マイクロ電子デバイスを洗浄組成物と連続的に接触させることと
を含み、洗浄組成物が、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、任意選択的に少なくとも一種の緩衝剤及び任意選択的に少なくとも一種の還元剤を含み、それらからなり、又はそれらから実質的になる、方法が記載される。
【0065】
別の態様は、洗浄組成物、マイクロ電子デバイス、並びに残留物、汚染物及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む製造品であって、洗浄組成物が、少なくとも一種の有機アミン、水、少なくとも一種のpH調整剤、少なくとも一種の有機添加剤、少なくとも一種の腐食抑制剤、任意選択的に少なくとも一種の緩衝剤及び任意選択的に少なくとも一種の還元剤を含み、残留物がCMP後残留物、エッチ後残留物及びアッシュ後残留物のうちの少なくとも1つを含む、製造品に関する。好ましい実施態様において、マイクロ電子デバイスは、銅、低誘電率材料、並びにルテニウム含有材料、タンタル含有材料及びコバルト含有材料のうちの少なくとも1つを含むバリア材料を含む。
【0066】
本発明の特徴及び利点を、以下の非限定的な例によりさらに詳しく説明する。すべての部及びパーセントは、特に明記されていない限り、重量による。
【実施例】
【0067】
実施例1
表1に示す以下の溶液を調製し、実験前に脱イオン水で60:1に希釈した。配合物Aは、0.05重量%システイン、0.16重量%水酸化コリン、4.5重量%MEA、残部の水を含んでいた。配合物B〜Lは、0.2重量%シュウ酸、0.1重量%システイン、4.950重量%MEA、配合物中で13.2のpHを得るための水酸化コリン及びKOHの混合物、並びに表1に一覧にした残りの成分を含んでいた。溶液を試験して、BTA除去効率(パーセント)及び銅エッチ速度(Å/min)を決定した。その結果も表1に示す。BTA除去効率実験は、その上で成長させたBTA層を有する銅基板を使用して実施した。BTAを含む基板を室温の表1の溶液に浸漬した。エリプソメトリーを使用して、溶液との接触前後にBTA膜厚を決定した。銅エッチ速度実験も銅基板を使用して室温で実施した。
【0068】
実施例2
表2に示す以下の溶液を調製し、実験前に脱イオン水で60:1に希釈した。配合物AA〜KKは、0.2重量%シュウ酸、0.075重量%システイン、4.95重量%MEA、配合物中で13.2のpHを得るための水酸化コリン及びKOHの混合物(配合物CCを除く)、並びに表2に一覧にした残りの成分を含んでいた。注目すべきことに、配合物CCは、約13.7のpHを生じる水酸化コリン及びKOHの混合物を含んでいた。溶液を試験して、BTA除去効率(パーセント)、銅エッチ速度(Å/min)及び低誘電率エッチ速度(Å/min)を決定した。その結果も表2に示す。BTA除去効率実験は、その上で成長させたBTA層を有する銅基板を使用して実施した。BTAを含む基板を室温の表2の溶液に浸漬した。エリプソメトリーを使用して、溶液との接触前後にBTA膜厚を決定した。銅エッチ速度実験及び低誘電率エッチ速度実験もそれぞれ低誘電率及び銅基板を使用して室温で実施した。
【0069】
結果は、配合物CC、DD及びHHが最も高いBTA除去効率を有し、銅エッチ速度及び低誘電率エッチ速度の点から他の配合物に見合っていたことを示す。注目すべきことに、配合物HHが、マイクロ電子基板の銅金属表面から商標登録されたスラリーを除去するのに最も効果的であった。注目すべきことに、配合物CCは、BBのより高いpHのバージョンであり、より良いスラリー除去及びより低い銅エッチ速度を示した。
【0070】
有機添加剤及びpHの選択がBTAの除去並びにスラリー除去に関して重要であることは明らかである。
【0071】
実施例3
表3に示す以下の溶液を調製し、実験前に脱イオン水で60:1に希釈した。配合物LL〜OOは、0.2重量%シュウ酸、0.1重量%システイン、4.95重量%MEA、配合物中で13.2のpHを得るための水酸化コリン及びKOHの混合物、並びに表3に一覧にした残りの成分を含んでいた。濃縮物のpHは約13.2であった。溶液を試験して、BTA除去効率(パーセント)及び銅エッチ速度(Å/min)を決定した。その結果も表3に示す。BTA除去効率実験は、その上で成長させたBTA層を有する銅基板を使用して実施した。BTAを含む基板を室温の表3の溶液に浸漬した。エリプソメトリーを使用して、溶液との接触前後にBTA膜厚を決定した。銅エッチ速度実験も銅基板を使用して室温で実施した。
【0072】
結果は、配合物NN及びOOが最も高いBTA除去効率を有し、銅エッチ速度の点から他の配合物に見合っていたことを示す。注目すべきことに、配合物OOが、マイクロ電子基板の表面から商標登録されたスラリーを除去するのに最も効果的であった。
【0073】
本明細書では例示的な実施態様及び特徴を参照して本発明を様々に開示してきたが、本明細書に前述の実施態様及び特徴は本発明を限定するものではないこと、並びに本明細書の開示に基づいて他の変形、修正及びその他の実施態様を当業者なら思いつくであろうことを理解されたい。したがって、本発明は、すべてのそのような変形、修正及び代替の実施態様を、以下に記載の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に包含するものと広く解釈されるべきである。