特許第6966586号(P6966586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6966586-リチウム電池 図000018
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966586
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】リチウム電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/052 20100101AFI20211108BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 10/0567 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20211108BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   H01M10/052
   H01M4/525
   H01M4/505
   H01M10/0567
   H01M10/0568
   H01M10/0569
   H01M4/48
   H01M4/38 Z
【請求項の数】19
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2020-21609(P2020-21609)
(22)【出願日】2020年2月12日
(65)【公開番号】特開2020-136271(P2020-136271A)
(43)【公開日】2020年8月31日
【審査請求日】2020年2月12日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0016355
(32)【優先日】2019年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100210480
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100210170
【弁理士】
【氏名又は名称】光末 竜太
(72)【発明者】
【氏名】朴 仁仙
(72)【発明者】
【氏名】高 明天
(72)【発明者】
【氏名】金 東泳
(72)【発明者】
【氏名】姜 潤錫
(72)【発明者】
【氏名】徐 眞娥
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−093839(JP,A)
【文献】 特開2019−003941(JP,A)
【文献】 特表2010−529633(JP,A)
【文献】 特表2018−523903(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/187276(WO,A1)
【文献】 特開2011−187235(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/146077(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/052
H01M 4/525
H01M 4/505
H01M 10/0567
H01M 10/0568
H01M 10/0569
H01M 4/48
H01M 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と、負極と、前記正極と負極との間に介在される電解質と、を含み、
前記正極は、下記化学式1で表示される正極活物質を含み、
前記電解質は、リチウム塩と、非水系溶媒と、下記化学式3または化学式4で表示される不飽和化合物と、を含むリチウム電池:
[化学式1]
LiNi1−y2−z
前記化学式1で、
0.9≦x≦1.2、0.8≦y≦0.98、0≦z<0.2であり、
Mは、Al、Mg、Mn、Co、Fe、Cr、V、Ti、Cu、B、Ca、Zn、Zr、Nb、Mo、Sr、Sb、W及びBiからなる群のうちから選択される1以上の元素であり、
Aは、酸化数−1または−2である元素であり、
【化2】
前記化学式3及び4で、
n11、n21、n12及びn22は、互いに独立して、0ないし5の整数であり、
及びYは、互いに独立して、−CH=CH−または−C≡C−であり、
11ないしR15、及びR21ないしR25は、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちから選択され、
但し、R11ないしR15のうち少なくとも一つが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちから選択される。
【請求項2】
前記不飽和化合物の含量は、前記電解質100重量部当たり0.005重量部ないし5重量部であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池。
【請求項3】
前記化学式3及び4で、n12及びn22は、それぞれ0であり、
21ないしR25のうち少なくとも一つが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちから選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム電池。
【請求項4】
正極と、負極と、前記正極と負極との間に介在される電解質と、を含み、
前記正極は、下記化学式1で表示される正極活物質を含み、
前記電解質は、リチウム塩と、非水系溶媒と、下記化合物1ないし5及び化合物7ないし13のうちから選択される不飽和化合物と、を含むリチウム電池:
[化学式1]
LiNi1−y2−z
前記化学式1で、
0.9≦x≦1.2、0.8≦y≦0.98、0≦z<0.2であり、
Mは、Al、Mg、Mn、Co、Fe、Cr、V、Ti、Cu、B、Ca、Zn、Zr、Nb、Mo、Sr、Sb、W及びBiからなる群のうちから選択される1以上の元素であり、
Aは、酸化数−1または−2である元素である。
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項5】
前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(FSON、LiCSO、LiN(SOCFCF、及び化学式22ないし25で表示される化合物のうちから選択される1以上を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム電池:
【化6】
【請求項6】
前記電解質において、前記リチウム塩の濃度は、1.0Mないし1.5Mであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項7】
前記非水系溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルプロピオネート(MP)、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート(PP)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、及びそれらの混合物からなる群のうちから選択されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項8】
前記電解質は、環状カーボネート化合物、環状酸無水物化合物、リン(P)含有化合物、硫黄(S)含有化合物、またはそれらの混合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項9】
前記リン含有化合物は、ホスフィン化合物、ホスフェート化合物及びホスファイト化合物のうちから選択される1以上であり、
前記硫黄含有化合物は、スルホン化合物、スルホネート化合物、スルトン化合物及びジスルホネート化合物のうちから選択される1以上であることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池。
【請求項10】
前記電解質100重量部当たり、前記環状カーボネート化合物、環状酸無水物化合物、またはそれらの混合物の含量は、0.1重量部ないし2重量部であることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池。
【請求項11】
前記環状カーボネート化合物は、フッ化エチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)及びビニルエチレンカーボネート(VEC)のうちから選択される1以上であり、
前記環状酸無水物化合物は、マレイン酸無水物及びコハク酸無水物のうちから選択される1以上であることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池。
【請求項12】
前記化学式1でMは、Co、Al及びMnのうち1以上の元素であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項13】
前記正極活物質は、下記化学式30または化学式40で表示されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のリチウム電池:
[化学式30]
Lix’Niy’Co1−y’−z’Alz’
[化学式40]
Lix’Niy’Co1−y’−z’Mnz’
前述の化学式30及び化学式40で、0.9≦x’≦1.2、0.88≦y’≦0.98、0<z’<0.1、0<1−y’−z’<0.2である。
【請求項14】
前記正極は、Li1.02Ni0.80Co0.15Mn0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Mn0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Mn0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Mn0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Mn0.03、LiNi0.94Co0.04Mn0.02、Li1.02Ni0.80Co0.15Al0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Al0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Al0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Al0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Al0.03及びLiNi0.94Co0.04Al0.02のうちから選択される1以上を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項15】
前記負極は、負極活物質を含み、
前記負極活物質が、シリコン系化合物、炭素系化合物、シリコン系化合物と炭素系化合物との複合体、及びシリコン酸化物(SiOx1、0<x1<2)のうちから選択される1以上を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項16】
前記負極活物質がシリコン系化合物またはシリコン酸化物を含み、
前記シリコン系化合物は、シリコン粒子を含み、前記シリコン粒子の平均直径は、200nm以下であることを特徴とする請求項15に記載のリチウム電池。
【請求項17】
前記リチウム電池の、25℃での200サイクル充放電後容量維持率は、75%以上であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項18】
前記リチウム電池の、25℃での200サイクル充放電後の直流内部抵抗(DCIR)上昇率が180%以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項19】
セルエネルギー密度が、500Wh/L以上であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池は、ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンのような携帯用電子機器の駆動電源として使用される。再充電が可能なリチウム二次電池は、既存の鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などと比較し、単位重量当たりエネルギー密度が3倍以上高く、高速充電が可能である。
【0003】
エネルギー密度が高いリチウム二次電池を製造するために、増大された放電容量を提供する正極活物質が使用される。増大された放電容量を有する正極活物質は、相対的に電気化学的安定性が低い。従って、リチウム二次電池の充放電過程において、正極活物質と電解質との副反応が発生し、リチウム二次電池の安定性が低下してしまう。従って、増大された放電容量を提供する正極活物質を含むリチウム二次電池の安定性を改善させる方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、新たなリチウム電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面により、
正極と、負極と、前述の正極と負極との間に介在される電解質と、を含み、
前記正極は、下記化学式1で表示される正極活物質を含み、
前記電解質は、リチウム塩と、非水系溶媒と、下記化学式2で表示される不飽和(unsaturated)化合物と、を含む、リチウム電池が提供される:
[化学式1]
LiNi1−y2−z
前記化学式1で、
0.9≦x≦1.2、0.8≦y≦0.98、0≦z<0.2であり、
Mは、Al、Mg、Mn、Co、Fe、Cr、V、Ti、Cu、B、Ca、Zn、Zr、Nb、Mo、Sr、Sb、W及びBiからなる群のうちから選択される1以上の元素であり、
Aは、酸化数−1または−2である元素であり、
【化1】
前記化学式2で、
及びQのうちいずれか一つが、−(L)−(R)で表示される基であり、Q及びQのうち残り一つが、−(L)−(R)で表示される基であり、
は、置換もしくは非置換のC−C20アルケニレン基、及び置換もしくは非置換のC−C20アルキニレン基のうちから選択され、
L2は、置換もしくは非置換のC−C60アリーレン基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の線状または分枝状のC−C30アルキル基、及び置換もしくは非置換のC−C60アリール基のうちから選択される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、不飽和化合物を含む有機電解液を採用することにより、リチウム電池の副反応が抑制され、ガス低減特性及び寿命特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的な具現例によるリチウム電池の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、例示的な具現例によるリチウム電池用有機電解液、及び前記有機電解液を採用したリチウム電池について、さらに詳細に説明する。
【0009】
一具現例によるリチウム電池は、正極と、負極と、前記正極と負極との間に介在される電解質と、を含み、
前記正極は、下記化学式1で表示される正極活物質を含み、
前記電解質は、リチウム塩と、非水系溶媒と、下記化学式2で表示される不飽和(unsaturated)化合物と、を含む:
[化学式1]
LiNi1−y2−zAz
前記化学式1で、
0.9≦x≦1.2、0.8≦y≦0.98、0≦z<0.2であり、
Mは、Al、Mg、Mn、Co、Fe、Cr、V、Ti、Cu、B、Ca、Zn、Zr、Nb、Mo、Sr、Sb、W及びBiからなる群のうちから選択される1以上の元素であり、
Aは、酸化数−1または−2である元素であり、
【化2】
前記化学式2で、
及びQのうちいずれか一つが、−(L)−(R)で表示される基であり、Q及びQのうち残り一つが、−(L)−(R)で表示される基であり、
は、置換もしくは非置換のC−C20アルケニレン基、及び置換もしくは非置換のC−C20アルキニレン基のうちから選択され、
は、置換もしくは非置換のC−C60アリーレン基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の線状または分枝状のC−C30アルキル基、及び置換もしくは非置換のC−C60アリール基のうちから選択される。
【0010】
前記化学式1で表示される正極活物質のように、Niの含量が多いリチウム金属複合酸化物の場合、高出力及び高容量の電池を具現することができるという長所にもかかわらず、正極から、リチウム金属複合酸化物に含まれたNi陽イオンが、電解質内に溶出されながら、正極の劣化が起こり、前記陽イオンが負極の不動態膜(SEI)と反応してSEI被膜を分解させ、負極活物質のうち一部が電解質に露出され、副反応が起こるというような現象により、容量特性及び寿命特性が低下し、副反応によるガス発生量が上昇するという問題点があった。
【0011】
前記リチウム電池は、それを解決するための構成として、前記化学式2で表示される不飽和化合物を含む電解質を含み、Ni陽イオンによる副反応を最小化させることにより、ガス発生を低減させ、それにより、電池の寿命が向上する。
【0012】
具体的には、前記不飽和化合物は、Ni陽イオンと高い親和性を有し、それを介して、Ni陽イオンの副反応を抑制する効果があり、特に、電池が高い電圧下で駆動される最中にも、Ni陽イオンとの高い親和性を維持し、それを介して、SEI被膜の分解を抑制する効果を有する。また、前記不飽和化合物は、溶媒より先に金属系負極で還元分解される物質であり、負極表面にさらに安定したSEI被膜を形成することができる。前記負極表面に形成されるSEI被膜は、副反応によるガス発生を低減させることにより、電池の電気化学的特性を向上させることができる。結果として、前記不飽和化合物は、SEI被膜の安定性を向上させることにより、リチウム二次電池のガス発生を少なくし、電池性能を向上させることができる効果を示すことができる。
【0013】
このとき、前記電解質に含まれる不飽和化合物の含量は、前記電解質100重量部当たり5重量部以下でも含まれるが、必ずしもそれに限定されるものではなく、正極活物質から電解質内に溶出されたNi陽イオンを安定化させ、不飽和化合物によって負極表面に保護膜形成が良好になされる含量範囲であるならば、いずれも可能である。もし不飽和化合物の含量が5重量部を超えれば、不飽和化合物の自体分解が大きく起こり、被膜抵抗を増大させ、生成されるCOが悪影響を及ぼし、電池容量、保存安定性及びサイクル特性が低下してしまう心配があるために、望ましくない。
【0014】
一具現例によれば、前記不飽和化合物の含量は、前記電解質100重量部当たり0.005重量部ないし5重量部でもある。例えば、前記不飽和化合物の含量は、前記電解質100重量部当たり0.01重量部ないし2重量部、または0.1重量部ないし1.5重量部でもある。
【0015】
もし前記不飽和化合物の含量が、前記電解質100重量部当たり0.005重量部未満であるならば、その含量が過度に少なく、前記保護膜が形成されず、十分な抵抗低減効果を得難い。
【0016】
一具現例によれば、前記Lは、エテニレン(ethenylene)基、プロぺニレン(propenylene)基、イソブテニレン(isobutenylene)基、sec−ブテニレン(sec−butenylene)基、ter−ブテニレン(ter−butenylene)基、ペンテニレン(pentenylene)基、2−ペンテニレン(2−pentenylene)基、3−ペンテニレン(3−pentenylene)基、2,2−ジメチルプロペニレン(dimethylpropenylene)基、2−メチルブテニレン(2−methylbutenylene)基、2−メチル−2−ブテニレン(2−methyl−2−butenylene)基、3−メチルブテニレン(3−methylbutenylene)基、3−メチル−2−ブテニレン(3−methyl−2−butenylene)基、ヘキセニレン(hexenylene)基、2−ヘキセニレン(2−hexenylene)基、3−ヘキセニレン(3−hexenylene)基、2−メチルペンテニレン(2−methylpentenylene)基、2−メチル−2−ペンテニレン(2−methyl−2−pentenylene)基、2−メチル−3−ペンテニレン(2−methyl−3−pentenylene)基、3−メチルペンテニレン(3−methylpentenylene)基、3−メチル−2−ペンテニレン(3−methyl−2−pentenylene)基、3−メチル−3−ペンテニレン(3−methyl−3−pentenylene)基、4−メチルペンテニレン(4−methylpentenylene)基、4−メチル−2−ペンテニレン(4−methyl−2−pentenylene)基、3−ジメチル−2−ブテニレン(3−dimethyl−2−butenylene)基、3,3−ジメチルブテニレン(3−dimethylbutenylene)基、3,3−ジメチル−2−ブテニレン(3,3−dimethyl−2−butenylene)基及び2−エチルブテニレン(2−ethylbutenylene)基のような、二重結合を含むC−C20脂肪族炭化水素基;並びにエチニレン(ethynylene)基、プロピニレン(propynylene)基、イソブチニレン(isobutynylene)基、sec−ブチニレン(sec−butynylene)基、ter−ブチニレン(ter−butynylene)基、ペンチニレン(pentynylene)基、2−ペンチニレン(2−pentynylene)基、3−ペンチニレン(3−pentynylene)基、2,2−ジメチルプロピニレン(dimethylpropynylene)基、2−メチルブチニレン(2−methylbutynylene)基、2−メチル−2−ブチニレン(2−methyl−2−butynylene)基、3−メチルブチニレン(3−methylbutynylene)基、3−メチル−2−ブチニレン(3−methyl−2−butynylene)基、ヘキシニレン(hexynylene)基、2−ヘキシニレン(2−hexynylene)基、3−ヘキシニレン(3−hexynylene)基、2−メチルペンチニレン(2−methylpentynylene)基、2−メチル−2−ペンチニレン(2−methyl−2−pentynylene)基、2−メチル−3−ペンチニレン(2−methyl−3−pentynylene)基、3−メチルペンチニレン(3−methylpentynylene)基、3−メチル−2−ペンチニレン(3−methyl−2−pentynylene)基、3−メチル−3−ペンチニレン(3−methyl−3−pentynylene)基、4−メチルペンチニレン(4−methylpentynylene)基、4−メチル−2−ペンチニレン(4−methyl−2−pentynylene)基、3−ジメチル−2−ブチニレン(3−dimethyl−2−butynylene)基、3,3−ジメチルブチニレン(3−dimethylbutynylene)基、3,3−ジメチル−2−ブチニレン(3,3−dimethyl−2−butynylene)基及び2−エチルブチニレン(2−ethylbutynylene)基のような、三重結合を含むC−C20脂肪族炭化水素基;のうちからも選択される。
【0017】
一具現例によれば、前記Lは、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ−ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基及びアントラセニレン基;並びに
重水素、−F、−Cl、−Br、−I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C−C30アルキル基、C−C30アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ−ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基及びアントラセニレン基;のうちからも選択される。
例えば、前記Lは、フェニレン基またはナフチレン基でもある。
【0018】
一具現例によれば、前述のRないしRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の線状または分枝状のC−C30アルキル基、及び置換もしくは非置換のC−C60アリール基のうちからも選択される。
【0019】
他の具現例によれば、前述のRないしRは、それぞれ独立して、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基及びターフェニル基;並びに
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基及びターフェニル基;のうちからも選択される。
【0020】
前記C−C30アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちからも選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0021】
前記C−C60アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基及びターフェニル基のうちからも選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0022】
一具現例によれば、前記不飽和化合物は、下記の化学式3または化学式4で表示される化合物でもある:
【化3】
【化4】
前記化学式3及び4で、
n11、n21、n12及びn22は、互いに独立して、0ないし5の整数であり、
及びYは、互いに独立して、−CH=CH−または−C≡C−であり、
11ないしR15、及びR21ないしR25は、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちからも選択される。
【0023】
一具現例によれば、前記化学式3及び4で、n12及びn22は、それぞれ0であり、
11ないしR15、及びR21ないしR25のうち少なくとも一つが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基のうちからも選択される。
【0024】
例えば、前記不飽和化合物は、下記化合物1ないし13のうちからも選択される:
【化5】
【化6】
【化7】
【0025】
前記化学式2で表示される不飽和化合物は、二重結合または三重結合を含むスルホネート化合物であり、還元電位が高く、リチウム電池のガス発生が低減され、また負極表面に、正極から溶出されたNi陽イオンを捕獲(capture)することができる安定した不動態膜(SEI:solid electrolyte interphase)を形成し、負極を保護することができるので、リチウム電池の寿命特性が向上する。
【0026】
該電解質は、リチウム塩を含む。該リチウム塩は、有機溶媒に溶解され、電池内において、リチウムイオンの供給源として作用し、例えば、正極と負極との間のリチウムイオンの移動を促進する役割を行うことができる。
【0027】
該電解質に含まれた前記リチウム塩の陰イオンは、PF、BF、SbF、AsF、CSO、ClO、AlO、AlCl、C2x+1SO(ここで、xは、自然数である)、(C2x+1SO)(C2y+1SO)N(ここで、x及びyは、自然数である)及びハライドからなる群のうちから選択された1以上でもある。
【0028】
前記電解質において、リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(FSON、LiCSO、LiN(SOCFCF、及び化学式22ないし25で表示される化合物のうちから選択された1以上を含んでもよい:
【化8】
【0029】
前記リチウム塩の濃度は、0.01M(mol/L)ないし5.0M、0.05Mないし5.0M、0.1Mないし5.0M、または0.1Mないし2.0Mでもあるが、必ずしもそのような範囲に限定されるものではなく、必要によっては、適切な濃度が使用されもする。
【0030】
溶媒非含有電解質において、リチウム塩の含量は、前記溶媒非含有電解質100重量部当たり0.001重量部ないし30重量部でもあるが、必ずしもそのような範囲に限定されるものではなく、電解質が充放電過程において、効果的にリチウムイオン及び/または電子を伝達することができる範囲であるならば、いずれも可能である。
【0031】
該溶媒含有電解質において、リチウム塩の含量は、100mMないし10Mでもある。例えば、前記含量は、100mMないし2Mでもある。例えば、前記含量は、500mMないし2Mでもある。しかし、前記含量が必ずしもそのような範囲に限定されるものではなく、電解質が充放電過程において、効果的にリチウムイオン及び/または電子を伝達することができる範囲であるならば、いずれも可能である。
【0032】
一具現例によれば、前記電解質において、前記リチウム塩の濃度は、1.1Mないし2.5Mでもある。例えば、前記リチウム塩の濃度は、1.15Mないし2.2M、または1.3Mないし2Mでもある。
【0033】
前記非水系溶媒は、カーボネート系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、非プロトン性溶媒、及びそれらの混合物からなる群のうちからも選択される。
【0034】
該カーボネート系溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)などが使用され、前記エステル系溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、ジメチルアセテート、メチルプロピオネート(MP)、エチルプロピオネート(ethyl propionate)、γ−ブチロラクトン、デカノリド、バレロラクトン、メバロノラクトン、カプロラクトンなどが使用されもする。前記エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラグライム、ジグライム、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどが使用され、前記ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノンなどが使用され、ニトリル系溶媒として、アセトニトリル(AN)、スクシノニトリル(SN)、アジポニトリルなどが使用されもする。
【0035】
該非プロトン性溶媒は、単独で、または1以上混合して使用することができ、1以上混合して使用する場合の混合比は、電池性能によって適切に調節することができるが、それは、当業者に自明である。
【0036】
その他溶媒として、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフランなどが使用されもするが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野において、有機溶媒として使用されるものであるならば、いずれも可能である。
【0037】
例えば、前記非水系溶媒は、鎖状カーボネート50体積%ないし95体積%、及び環状カーボネート5体積%ないし50体積%;鎖状カーボネート55体積%ないし95体積%、及び環状カーボネート5体積%ないし45体積%;鎖状カーボネート60体積%ないし95体積%、及び環状カーボネート5体積%ないし40体積%;鎖状カーボネート65体積%ないし95体積%、及び環状カーボネート5体積%ないし35体積%;または鎖状カーボネート70体積%ないし95体積%、及び環状カーボネート5体積%ないし30体積%を含んでもよい。例えば、非水系溶媒は、3種以上の非水系溶媒の混合溶媒でもある。
【0038】
場合により、前記非水系溶媒に、フッ化エチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、リン(P)含有化合物、硫黄(S)含有化合物などをさらに含めることができる。
【0039】
例えば、前記非水系溶媒は、フッ化エチレンカーボネート(FEC)を含んでもよい。
【0040】
例えば、前記リチウム二次電池は、前記フッ化エチレンカーボネートを、前記非水系溶媒総体積を基準に、0.1体積%ないし10体積%で含んでもよい。例えば、前記リチウム二次電池は、前記フッ化エチレンカーボネートを、前記非水系溶媒総体積を基準に、0.5体積%ないし7体積%で含んでもよい。例えば、前記リチウム二次電池は、前記フッ化エチレンカーボネートを、前記非水系溶媒総体積を基準に、1体積%ないし7体積%で含んでもよい。例えば、前記リチウム二次電池は、前記フッ化エチレンカーボネートを、前記非水系溶媒総体積を基準に、2体積%ないし7体積%で含んでもよい。前記非水系溶媒内に、前記フッ化エチレンカーボネートが前記含量範囲で含まれる場合、リチウムイオンの拡散速度を阻害しない効果的なSEI被膜を迅速に形成することができる。
【0041】
一具現例によれば、前記非水系溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルプロピオネート(MP)、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート(PP)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、及びそれらの混合物からなる群のうちからも選択される。
【0042】
前記電解質は、炭素・炭素の単一結合または多重結合を含むカーボネート、炭素・炭素の単一結合または多重結合を含むカルボン酸無水物、またはそれらの混合物を含んでもよい。前記多重結合は、二重結合または三重結合でもあり、前記カーボネート及びカルボン酸無水物は、線形または環形でもある。
【0043】
一具現例によれば、前記電解質は、環状カーボネート化合物、環状酸無水物化合物、リン(P)含有化合物、硫黄(S)含有化合物、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0044】
一具現例によれば、前記電解質は、環状カーボネート化合物、環状酸無水物化合物、またはそれらの混合物を含む。
【0045】
前記不飽和化合物の還元電位が、前記環状カーボネート化合物または前記環状酸無水物化合物の還元電位よりも高い。
【0046】
また、一具現例によれば、前記電解質100重量部当たり、前記環状カーボネート化合物、環状酸無水物化合物、またはそれらの混合物の含量は、0.1重量部ないし2重量部でもある。
【0047】
前記環状カーボネート化合物は、例えば、フッ化エチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)及びビニルエチレンカーボネート(VEC)のうちから選択された1以上でもある。
【0048】
前記環状酸無水物化合物は、例えば、マレイン酸無水物(MA)及びコハク酸無水物(SA)のうちから選択された1以上でもある。
【0049】
前記リン含有化合物は、例えば、ホスフィン化合物、ホスフェート化合物及びホスファイト化合物のうちから選択された1以上でもある。
【0050】
前記ホスフィン化合物は、具体的には、トリフェニルホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(パーフルオロフェニル)ホスフィンでもあるが、それらに限定されるものではない。前記ホスフェート化合物は、具体的には、トリフェニルホスフェート(TPPa)、トリメチルホスフェート(TMPa)でもあるが、それらに限定されるものではない。前記ホスファイト化合物は、具体的には、トリエチルホスファイト(TEPi)、トリメチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト、トリフェニルホスファイトでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0051】
前記硫黄含有化合物は、例えば、スルホン化合物、スルホネート化合物、スルトン化合物及びジスルホネート化合物のうちから選択された1以上でもある。
【0052】
前記スルホン化合物は、具体的には、エチルメチルスルホン、ジビニルスルホンまたはテトラメチレンスルホンでもあるが、それらに限定されるものではない。前記スルホネート化合物は、具体的には、メチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネートまたはジアリルスルホネートでもあるが、それらに限定されるものではない。前記ジスルホネート化合物は、具体的には、メチレンメタンジスルホネート(MMDS)またはブスルファンでもあるが、それらに限定されるものではない。前記スルトン化合物は、具体的には、フルオロプロパンスルトン(FPS)でもあるが、それに限定されるものではない。
【0053】
一具現例によれば、前記リチウム電池において、電解質が1g/Ahないし3g/Ahで含まれてもよい。
【0054】
前記正極は、前記化学式1で表示される正極活物質を含む。
【0055】
例えば、前記化学式1でAは、ハロゲン、S及びNのうち一つでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0056】
前記化学式1でyは、正極活物質内のNi含量を示したものである。
一具現例によれば、前記化学式1でMは、Co、Al及びMnのうち1以上の元素でもある。
【0057】
例えば、前記正極は、Li1.02Ni0.80Co0.15Mn0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Mn0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Mn0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Mn0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Mn0.03、LiNi0.94Co0.04Mn0.02、Li1.02Ni0.80Co0.15Al0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Al0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Al0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Al0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Al0.03及びLiNi0.94Co0.04Al0.02のうちから選択された1以上を含んでもよい。
【0058】
一具現例によれば、前記化学式1でyは、0.88≦y≦0.98を満足することができる。
【0059】
例えば、前記正極活物質が下記の化学式3または化学式4でも表示される:
[化学式3]
Lix’Niy’Co1−y’−z’Alz’
[化学式4]
Lix’Niy’Co1−y’−z’Mnz’
前述の化学式3及び化学式4で、0.9≦x’≦1.2、0.88≦y’≦0.98、0<z’<0.1、0<1−y’−z’<0.2である。
【0060】
例えば、前記正極は、Li1.02Ni0.80Co0.15Mn0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Mn0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Mn0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Mn0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Mn0.03、LiNi0.94Co0.04Mn0.02、Li1.02Ni0.80Co0.15Al0.05、Li1.02Ni0.85Co0.1Al0.05、Li1.02Ni0.88Co0.08Al0.04、Li1.02Ni0.88Co0.10Al0.02、Li1.02Ni0.91Co0.06Al0.03及びLiNi0.94Co0.04Al0.02のうちから選択された1以上を含んでもよい。
【0061】
前述のように、Niの含量が多いリチウム金属酸化物の場合、高容量の電池を具現することができるという長所にもかかわらず、従来の構成による電池においては、Ni3+陽イオンの量が増えることにより、寿命特性が良好ではないという問題点があった。
【0062】
また、後述されるように、リチウムと合金可能な金属を含む負極活物質、または炭素系負極活物質を含むリチウム電池は、高温での触媒作用によるガス発生と、それによる寿命特性低下との問題点があった。
【0063】
前述のように、フッ化エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、リン(P)含有化合物または硫黄(S)含有化合物を、前記の範囲で含む場合には、前記物質の化学反応結果物を含む不動態膜、すなわち、SEI被膜を負極表面の一部または全部に形成させることができる。このとき、前記不飽和化合物は、二重結合または三重結合を含むことにより、還元電位が高く、フッ化エチレンカーボネートなどの化合物より先に還元されることにより、不動態膜において、フッ化エチレンカーボネートなどの化合物を保護し、正極から溶出されたNi陽イオンを捕獲することができる堅固なSEI被膜を形成することができ、また高温保存時、ガス発生を防止することができるので、電池の安全性及び性能向上を具現することができる。
【0064】
また、前記正極は、前述の正極活物質以外にも、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、リチウム鉄リン酸化物及びリチウムマンガン酸化物からなる群のうちから選択された1以上をさらに含んでもよいが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野で利用可能な全ての正極活物質をさらに含んでもよい。
【0065】
前記負極は、負極活物質を含み、前記負極活物質が、シリコン系化合物、炭素系化合物、シリコン系化合物と炭素系化合物との複合体、及びシリコン酸化物(SiOx1、0<x1<2)のうちから選択された1以上を含んでもよい。または、例えば、前記負極は、リチウムと合金可能な金属を含む負極活物質、シリコン系負極活物質及び/または炭素系負極活物質を含んでもよい。
【0066】
例えば、前記シリコン系化合物は、シリコン粒子を含み、前記シリコン粒子の平均直径は、200nm以下でもある。
【0067】
例えば、前記炭素系化合物は、グラファイトを含んでもよい。
【0068】
例えば、シリコン系化合物と炭素系物質との複合体は、シリコンナノ粒子が炭素系化合物上部に配置された構造を有する複合体、シリコン粒子が炭素系化合物表面と内部とに含まれた複合体、シリコン粒子が炭素系化合物にコーティングされ、炭素系化合物内部に含まれた複合体でもある。シリコン系化合物と炭素系物質との複合体は、炭素系化合物粒子上に、平均粒径が約200nm以下であるシリコンナノ粒子を分散させた後、カーボンコーティングして得られる活物質、シリコン粒子がグラファイトの上部及び内部に存在する活物質などでもある。シリコン系化合物と炭素系化合物との複合体の二次粒子平均粒径は、5μmないし20μmであり、シリコンナノ粒子の平均粒径は、200nm以下、150nm以下、100nm以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下でもある。例えば、シリコンナノ粒子の平均粒径は、100nmないし150nmでもある。
【0069】
例えば、前記シリコン系化合物と炭素系化合物との複合体の容量は、300mAh/gないし700mAh/gでもある。例えば、前記シリコン系化合物と炭素系化合物との複合体の容量は、400mAh/gないし600mAh/gでもある。
【0070】
前記リチウム電池に対する、25℃での200サイクル充放電後の容量維持率は、75%以上、例えば、80%以上、または82%以上でもある。例えば、前記リチウム電池の負極が、シリコン化合物またはシリコン酸化物を含む場合、前記リチウム電池の、25℃での200サイクル充放電後の容量維持率は、85%以上でもある。
【0071】
前記リチウム電池の、25℃での200サイクル充放電後、直流内部抵抗(DCIR:direct current internal resistance)上昇率は、180%以下でもある。例えば、前記リチウム電池の負極が、シリコン化合物またはシリコン酸化物を含む場合、前記リチウム電池の、25℃での200サイクル充放電後、DCIR上昇率は、150%以下、例えば、120%以下でもある。
【0072】
前記リチウム電池の電池単位体積当たりセルエネルギー密度が500Wh/L以上でもある。前記リチウム電池が500Wh/L以上の高いエネルギー密度を提供することにより、高い出力を提供することができる。
【0073】
前記リチウム電池は、その形態が特別に制限されるものではなく、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウム硫黄電池などを含む。
【0074】
一具現例によるリチウム二次電池は、次のような方法によっても製造される。
【0075】
まず、正極が準備される。
例えば、正極活物質、導電剤、バインダ及び溶媒が混合された正極活物質組成物が準備される。前記正極活物質組成物が正極集電体上に直接コーティングされ、正極が製造される。対案として、前記正極活物質組成物が別途の支持体上にキャスティングされた後、前記支持体から剥離されたフィルムが金属集電体上にラミネーションされても正極が製造される。前記正極は、前述のところで列挙した形態に限定されるものではなく、前記形態以外の形態でもある。
【0076】
前記正極活物質は、前述の化学式1で表示される正極活物質以外に、一般的なリチウム含有金属酸化物を共に使用することができる。リチウム含有金属酸化物は、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、及びそれらの組み合わせのうちから選択される金属とリチウムとの複合酸化物のうち、2種以上のものを使用することができる。
【0077】
例えば、Li1−bB’(前記式で、0.90≦a≦1.8及び0≦b≦0.5である);Li1−bB’2−c(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiE2−bB’4−c(前記式で、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiNi1−b−cCoB’α(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1−b−cCoB’2−αF’α(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1−b−cCoB’2−αF’(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1−b−cMnB’α(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1−b−cMnB’2−αF’α(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1−b−cMnB’2−αF’(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1である。);LiNiCoMn(前記式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1である。);LiNiG(前記式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiCoG(前記式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiMnG(前記式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiMn(前記式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);QO;QS;LiQS;V;LiV;LiI’O;LiNiVO;Li3−f(PO(0≦f≦2);Li3−fFe(PO(0≦f≦2);LiFePOの化学式のうちいずれか一つで表現される化合物をさらに含んでもよい。
【0078】
前記化学式において、Aは、Ni、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、B’は、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素、またはそれらの組み合わせであり、Dは、O、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Eは、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、F’は、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、またはそれらの組み合わせであり、Qは、Ti、Mo、Mn、またはそれらの組み合わせであり、I’は、Cr、V、Fe、Sc、Y、またはそれらの組み合わせであり、Jは、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、またはそれらの組み合わせである。
【0079】
例えば、LiCoO、LiMn2x(x=1または2)、LiNi1−xMn2x(0<x<1)、LiNi1−x−yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、1−x−y>0.5)、LiFePOなどである。
【0080】
ここで、前記化合物表面にコーティング層を有するものも使用することができ、または、前記化合物とコーティング層を有する化合物を混合して使用することもできるということは言うまでもない。該コーティング層は、コーティング元素のオキシド・ヒドロキシド、コーティング元素のオキシヒドロキシド、コーティング元素のオキシカーボネート、またはコーティング元素のヒドロキシカーボネートのコーティング元素化合物を含んでもよい。それらコーティング層をなす化合物は、非晶質または結晶質でもある。前記コーティング層に含まれるコーティング元素としては、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti、V、Sn、Ge、Ga、B、As、Zr、またはそれらの混合物を使用することができる。コーティング層形成工程は、前記化合物に、そのような元素を使用し、正極活物質の物性に悪影響を与えない方法(例えば、スプレーコーティング法、浸漬法など)によってコーティングすることができるものであるならば、いかなるコーティング方法を使用してもよく、それについては、当該分野の当業者に周知されている内容であるので、詳細な説明は、省略する。
【0081】
前記正極活物質組成物には、導電剤、充填剤などがさらに付加することができる。
【0082】
前記導電剤は、一般的に、正極活物質を含む混合物全体重量を基準に、1重量%ないし30重量%で添加される。そのような導電剤は、当該電池に化学的変化を誘発させず、導電性を有したものであるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック;炭素ファイバや金属ファイバなどの導電性ファイバ;フッ化カーボン;アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカ;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されもする。
【0083】
前記バインダとしては、活物質と導電剤との結合、及び集電体と活物質との結合に一助となる成分であり、一般的に、正極活物質組成物総重量を基準にし、1ないし30重量%で添加される。そのようなバインダの例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリベンジミダゾール、ポリイミド、ポリビニルアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアニリン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げることができる。前記充填剤は、正極の膨脹を抑制する成分として選択的に使用され、当該電池に化学的変化を誘発させず、ファイバ状材料であるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラスファイバ、炭素ファイバなどのファイバ状物質が使用される。
【0084】
前記溶媒としては、N−メチルピロリドン、アセトンまたは水などが使用されもするが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用されるものであるならば、いずれも使用される。該溶媒の含量は、例えば、正極活物質100重量部を基準に、10ないし100重量部である。該溶媒の含量が、前記範囲であるとき、活物質層を形成しやすい。
【0085】
前述の正極活物質、導電剤、充填剤、バインダ及び溶媒の含量は、リチウム電池で一般的に使用するレベルである。リチウム電池の用途及び構成により、前述の導電剤、充填剤、バインダ及び溶媒のうち1以上が省略されてもよい。
【0086】
例えば、N−メチルピロリドン(NMP)を溶媒として使用し、ポリフッ化ビニリデンまたまポリフッ化ビニリデン共重合体をバインダとして使用し、カーボンブラック、アセチレンブラックを導電剤として使用することができる。例えば、正極活物質94重量%、バインダ3重量%、導電剤3重量%を粉末状態で混合した後、固形分が70重量%になるように、N−メチルピロリドンを入れてスラリーを作った後、該スラリーをコーティング、乾燥、圧延させて正極を作製することができる。
【0087】
前記正極集電体は、一般的に、3μm〜50μmの厚さに作る。そのような正極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発させずに、高い導電性を有するものであるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に、カーボン・ニッケル・チタン・銀などで表面処理したものなどが使用されもする。該集電体は、その表面に微細な凹凸を形成し、正極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など多様な形態が可能である。
【0088】
例えば、前記正極は、正極集電体上に・正極活物質を塗布、乾燥及びプレッシングして製造されるが、前述の正極活物質以外にも、必要によっては、バインダ及び溶媒が混合された正極活物質組成物が準備される。前記正極活物質組成物が金属集電体上に直接コーティング及び乾燥され、正極板が製造される。対案として、前記正極活物質組成物が別途の支持体上にキャスティングされた後、前記支持体から剥離されたフィルムが、金属集電体上にラミネーションされて正極板が製造される。
【0089】
例えば、製造された正極活物質組成物のローディングレベル(loading level)は、30mg/cm以上でもあり、具体的には、35mg/cm以上でもあり、さらに具体的には、40mg/cm以上でもある。また、電極密度は、3g/cc以上、具体的には、3.5g/cc以上でもある。
【0090】
一具現例において、高いセルエネルギー密度のために、前記製造された正極活物質組成物のローディングレベルは、35mg/cm以上ないし50mg/cm以下でもあり、電極密度は、3.5g/cc以上4.2g/cc以下でもある。
【0091】
他の具現例において、前記正極板の両面上に、前記正極活物質組成物が、ローディングレベル37mg/cm、電極密度3.6g/ccでも両面コーティングされる。
【0092】
前述のような正極活物質のローディングレベル及び電極密度の範囲を満足する場合、そのような正極活物質を含む電池は、500wh/L以上の高いセルエネルギー密度を発揮することができる。例えば、前記電池は、500wh/L以上ないし900wh/L以下のセルエネルギー密度を発揮することができる。
【0093】
次に、負極が準備される。
例えば、負極活物質、導電剤、バインダ及び溶媒を混合し、負極活物質組成物が準備される。
【0094】
前記負極は、負極集電体上に、負極活物質を塗布、乾燥及びプレッシングして製造され、前述の負極活物質以外にも、必要によっては、バインダ及び溶媒が混合された負極活物質組成物が準備される。
【0095】
例えば、前記負極活物質組成物が、負極集電体上に直接コーティング及び乾燥され、負極が製造される。対案として、前記負極活物質組成物が、別途の支持体上にキャスティングされた後、前記支持体から剥離されたフィルムが、金属集電体上にラミネーションされても負極板が製造される。
【0096】
該負極活物質は、例えば、シリコン系化合物、シリコン酸化物(SiO(0<x<2)、シリコン系化合物と炭素系物質との複合体でもある。ここで、シリコン粒子のサイズ(例えば、平均粒径)は、200nm未満、例えば、10ないし150nmである。用語サイズは、シリコン粒子が球形である場合には、平均粒径を示し、シリコン粒子が非球型である場合には、平均長軸長を示すことができる。
【0097】
シリコン粒子のサイズが前記範囲であるとき、寿命特性にすぐれ、一具現例による電解質を使用した場合、リチウム二次電池の寿命がさらに一層改善される。
【0098】
前記炭素系材料としては、結晶質炭素、非晶質炭素、またはそれらの混合物でもある。前記結晶質炭素は、無定形、板状、鱗片状(flake)、球形またはファイバ型の天然黒鉛または人造黒鉛のような黒鉛でもあり、前記非晶質炭素は、ソフトカーボン(soft carbon:低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メゾ相ピッチ(mesophase pitch)炭化物、焼成されたコークスなどでもある。
【0099】
シリコン系化合物と炭素系物質との複合体は、例えば、シリコン粒子がグラファイト上部に配置された構造を有する複合体、またはシリコン粒子がグラファイト表面と内部とに含まれた複合体を有することができる。前記複合体は、例えば、グラファイト粒子上に、平均粒径が、約200nm以下、例えば、100ないし200nm、具体的には、150nmであるSi粒子を分散させた後、カーボンコーティングした活物質、またはシリコン(Si)粒子がグラファイトの上部及び内部に存在する活物質を有することができる。そのような複合体は、商品名SCN1(Si particle on Graphite)またはSCN2(Si particle inside as well as on Graphite)として入手可能である。SCN1は、グラファイト粒子上に、平均粒径が約150nmであるSi粒子を分散させた後、カーボンコーティングした活物質である。そして、SCN2は、平均粒径が約150nmであるSi粒子が、グラファイトの上部及び内部に存在する活物質である。
【0100】
前記負極活物質は、前述の負極活物質以外に、当該技術分野でリチウム二次電池の負極活物質として使用されるものであるならば、共に使用することも可能である。例えば、Si、Sn、Al、Ge、Pb、Bi、Sb、Si−Y’合金(前記Y’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族ないし16族元素、遷移金属、遷移金属酸化物、希土類元素、またはそれらの組み合わせ元素であり、Siではない)、Sn−Y’合金(前記Y’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族ないし16族元素、遷移金属、希土類元素、またはそれらの組み合わせ元素であり、Snではない)などでもある。前記元素Y’としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、またはそれらの組み合わせでもある。
【0101】
例えば、前記負極活物質は、リチウムチタン酸化物、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などでもある。
【0102】
前記負極活物質組成物には、導電剤、充填剤などがさらに付加されもする。
【0103】
一方、前記負極活物質組成物において、バインダ、溶媒、導電剤及び充填剤は、前記正極活物質組成物の場合と同一のものを使用することができる。
【0104】
ただし、負極活物質組成物においては、水を溶媒として使用することができる。例えば、水を溶媒として使用し、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、アクリレート系重合体、メタクリレート系重合体をバインダとして使用し、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイトを導電剤として使用することができる。
【0105】
前述の負極活物質、導電剤、バインダ及び溶媒の含量は、リチウム二次電池で一般的に使用するレベルである。リチウム二次電池の用途及び構成により、前述の導電剤、バインダ及び溶媒のうち1以上が省略されもする。
【0106】
例えば、負極活物質94重量%、バインダ3重量%、導電剤3重量%を粉末状態で混合した後、固形分が約70重量%になるように、水を入れてスラリーを作った後、該スラリーをコーティング、乾燥、圧延させて負極極板を作製することができる。
【0107】
前記負極集電体は、一般的に、3μm〜50μmの厚さに作られる。そのような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発させず、導電性を有したものであるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面に、カーボン・ニッケル・チタン・銀などで表面処理したもの、アルミニウム・カドミウム合金などが使用されもする。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成し、負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など多様な形態に使用されもする。
【0108】
前記製造された負極活物質組成物のローディングレベルは、前記正極活物質組成物のローディングレベルによって設定される。
【0109】
例えば、前記負極活物質組成物のg当たり容量により、12mg/cm以上でもあり、具体的には、15mg/cm以上でもある。また、電極密度は、1.5g/cc以上、具体的には、1.6g/cc以上でもある。
【0110】
一具現例において、高いセルエネルギー密度のために、前記製造された負極活物質組成物のローディングレベルは、15mg/cm以上ないし25mg/cm以下でもあり、電極密度は、1.6g/cc以上2.3g/cc以下でもある。
【0111】
前述のような負極活物質のローディングレベル及び電極密度の範囲を満足する場合、そのような負極活物質を含む電池は、500wh/L以上の高いセルエネルギー密度を発揮することができる。
【0112】
次に、前記正極と負極との間に挿入される分離膜が準備される。
【0113】
前記分離膜は、リチウム電池で一般的に使用されるものであるならば、いずれも使用可能である。電解質のイオン移動に対して低抵抗でありながら、電解液含湿能にすぐれるものが使用されもする。例えば、ガラスファイバ、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはそれらの組み合わせ物のうちから選択されたものであり、不織布であっても織布であってもよい。例えば、リチウムイオン電池には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような巻き取り可能な分離膜が使用され、リチウムイオンポリマー電池には、電解質含浸能にすぐれる分離膜が使用されもする。例えば、前記分離膜は、下記方法によっても製造される。
【0114】
高分子樹脂、充填剤及び溶媒を混合し、分離膜組成物が準備される。前記分離膜組成物が、電極上部に直接コーティング及び乾燥され、分離膜が形成される。または、前記分離膜組成物が支持体上にキャスティング及び乾燥された後、前記支持体から剥離された分離膜フィルムが電極上部にラミネーションされ、分離膜が形成される。
【0115】
前記分離膜製造に使用される高分子樹脂は、特別に限定されるものではなく、電極板の結合剤に使用される物質がいずれも使用される。例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、またはそれらの混合物などが使用されもする。
【0116】
次に、前述の電解質が準備される。
【0117】
一具現例によれば、該電解質は、前述の電解質以外に、非水電解液、固体電解質、無機固体電解質を追加して含んでもよい。
【0118】
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合体などが使用されもする。
【0119】
前記無機固体電解質としては、例えば、LiN、LiI、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiSiO、LiSiS、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiPO−LiS−SiSなどが使用されもする。
【0120】
図1から分かるように、前記リチウム二次電池1は、正極3、負極2及び分離膜4を含む。前述の正極3、負極2及び分離膜4が巻き取られたり折り畳まれたりして、電池ケース5に収容される。次に、前記電池ケース5に電解質が注入され、キャップ(cap)アセンブリ6に密封され、リチウム二次電池1が完成される。前記電池ケースは、円筒状、角形、薄膜型などでもある。例えば、前記リチウム二次電池は、大型薄膜型電池でもある。前記リチウム二次電池は、リチウムイオン電池でもある。
【0121】
前述の正極及び負極の間に分離膜が配置され、電池構造体が形成される。前記電池構造体がバイセル構造に積層された後、電解質に含浸され、得られた結果物がポーチに収容されて密封されれば、リチウムイオンポリマー電池が完成される。
【0122】
また、前記電池構造体は、複数層積層されて電池パックを形成し、そのような電池パックが、高容量及び高出力が要求される全ての機器に使用されもする。例えば、ノート型パソコン、スマートフォン、電気車両などに使用されもする。
【0123】
一具現例によるリチウム二次電池は、一般的なニッケルリッチリチウムニッケル複合酸化物を、正極活物質として採用したリチウム二次電池と比較し、DCIR上昇率が顕著に低下し、優秀な電池特性を発揮することができる。
【0124】
前述の正極、負極、電解質を適用したリチウム二次電池の作動電圧は、例えば、下限は、2.5ないし2.8Vであり、上限は、4.1ないし4.4Vであり、エネルギー密度は、500wh/L以上と優秀である。
【0125】
また、前記リチウム二次電池は、例えば、電池的モータによって動力を受けて動くパワーツール(power tool);電気自動車(EV:electric vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV:hybrid electric vehicle)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV:plug-in hybrid electric vehicle)などを含む電気車両;電気自転車(E−bike)、電気スクータ(E scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力保存用システムなどを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0126】
本明細書において、アルキルは、完全飽和された分枝状または非分枝状(あるいは、直鎖状または線状)の炭化水素を言う。
【0127】
「アルキル」の非制限的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、n−ヘプチルなどを挙げることができる。
【0128】
「アルキル」のうち1以上の水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたC−C20アルキル基(例:CF、CHF、CHF、CClなど)、C−C20アルコキシ基、C−C20アルコキシアルキル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボン酸基やその塩、スルホニル基、スルファモイル(sulfamoyl)基、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20ヘテロアルキル基、C−C20アリール基、C−C20アリールアルキル基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールアルキル基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20ヘテロアリールオキシアルキル基またはC−C20ヘテロアリールアルキル基でも置換される。
【0129】
用語「ハロゲン」は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。
【0130】
「アルコキシ」は、「アルキル−O−」を示し、該アルキルは、前述の通りである。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。前記アルコキシ中の1以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一置換基によっても置換される。
【0131】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を有する分枝状または非分枝状の炭化水素を言う。アルケニル基の非制限的な例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、プロペニル基、イソブテニル基などを挙げることができ、前記アルケニル中の1以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一置換基でも置換される。
【0132】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素・炭素三重結合を有する分枝状または非分枝状の炭化水素を言う。前記「アルキニル」の非制限的な例としては、エチニル基、ブチニル基、イソブチニル基、イソプロピニル基などを挙げることができる。
【0133】
「アルキニル」のうち1以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一置換基でも置換される。「アリール」は、芳香族環が1以上の炭素環に選択的に融合された基も含む。「アリール」の非制限的な例として、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基などがある。また、「アリール」基において、1以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0134】
「ヘテロアリール」は、N、O、PまたはSのうちから選択された1以上のヘテロ原子を含み、残り環原子が炭素である単環式(monocyclic)または二環式(bicyclic)の有機基を意味する。前記ヘテロアリール基は、例えば、1−5個のヘテロ原子を含んでもよく、5〜10環メンバー(ring member)を含んでもよい。前述のSまたはNは、酸化され、さまざまな酸化状態を有することができる。
【0135】
ヘテロアリールの例としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、テトラゾリル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、2−ピラジン−2−イル、ピラジン−4−イル、ピラジン−5−イル、2−ピリミジン−2−イル、4−ピリミジン−2−イルまたは5−ピリミジン−2−イルを有することができる。
【0136】
用語「ヘテロアリール」は、ヘテロ芳香族環が、1以上のアリール、脂環族(cyclyaliphatic)またはヘテロ環に選択的に融合された場合を含む。
【0137】
以下、実施例及び比較例を介して、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、該実施例は、本発明を例示するためものであり、それらだけで本発明の範囲が限定されるものではない。
【実施例】
【0138】
実施例1ないし10、及び比較例1ないし8
下記の表2及び表3に記載された構成通り、リチウム電池を製造した。各構成は、具体的には、下記のように製造した。
【0139】
(正極1の製造)
正極活物質として、LiNi0.88Co0.10Mn0.02、導電剤として、カーボンブラック、バインダとして、ポリフッ化ビニリデンを使用し、前述の正極活物質、導電剤、バインダを、97.7:1:1.1の重量比で、N−メチルピロリドン(NMP)に入れてミキシングした。得られた混合物を、15μm厚のアルミニウムホイルに、片面当たり33mg/cmの量で分散させ両面コーティングした。このアルミニウムホイルを、乾燥後に圧延し、電極密度が3.6g/ccになるように正極1を製造した。
【0140】
(正極2の製造)
正極活物質として、LiNi0.88Co0.10Mn0.02、導電剤として、カーボンブラック、バインダとして、ポリフッ化ビニリデンを使用し、前述の正極活物質、導電剤、バインダを、97.7:1:1.1の重量比でN−メチルピロリドン(NMP)に入れてミキシングした。得られた混合物を、12μm厚のアルミニウムホイルに、片面当たり33.6mg/cmの量で分散させ両面コーティングした。このアルミニウムホイルを、乾燥後に圧延し、電極密度が3.6g/ccになるように正極2を製造した。
【0141】
(負極1の製造)
負極活物質として、SSC−G[約100nm大きさのSiを含む二次粒子を作った後、これをCVD及びピッチでカーボンコーティングして、1300mAh/gの容量を発揮するように設計した活物質(SSC:グラファイト=14.7:85.3)]と、バインダ(AGバインダ)とを96:4の重量比でN−メチルピロリドンに入れてミキシングした。得られた混合物を、8μm厚の銅ホイルに片面当たり15.6mg/cmの量で分散させ両面コーティングした。この銅ホイルを、乾燥後圧延して、電極密度が1.65g/ccになるように負極1を製造した。
【0142】
(負極2の製造)
負極活物質としてSSC−G[100nmサイズのSiを含む二次粒子を作った後、これをCVD(chemical vapor deposition)及びピッチでカーボンコーティングし、1,300mAh/gの容量を発揮するように設計した活物質(SSC:グラファイト=14.7:85.3)]と、バインダ(AGバインダ)とを、96:4の重量比で、N−メチルピロリドンに入れてミキシングした。得られた混合物を、8μm厚の銅ホイルに、片面当たり15.5mg/cmの量で分散させ両面コーティングした。この銅ホイルを、乾燥後に圧延し、電極密度が1.65g/ccになるように負極2を製造した。
【0143】
(電解質の製造)
溶媒1として、1.15M LiPF及びFEC/EC/EMC/DMC(体積比:3/10/47/40)、溶媒2として、1.3M LiPF及びFEC/EC/EMC/DMC(体積比:5/20/35/40)に、ビニレンカーボネート(0.5wt%)とTMP(2wt%)とを追加したもの、溶媒3として、1.3M LiPF及びFEC/EC/EMC/DMC(体積比:3/15/12/70)を使用した。溶媒1ないし3に添加剤として、下記表2及び3に記載された添加剤を添加し、電解質を製造した。各添加剤の構造を、下記表1に示した。
【0144】
【表1】
【0145】
(リチウム電池の組み立て)
前記正極と負極との間に、ポリプロピレンで製造された16μm厚の分離膜を介在させ、前記電解質を注入してリチウム電池を製造した。
【0146】
評価例1:ガス発生量及び直流内部抵抗特性評価
実施例1ないし5、及び比較例1ないし7でそれぞれ製造されたリチウム電池に対して、25℃で0.2C rate(レート)の電流で、電圧が3.6V(対Li)に至るまで定電流充電し、次に、放電時、電圧が2.8V(対Li)に至るまで、0.2 rateの定電流で放電した(化成段階、最初のサイクル)。その後、0.2C rateの電流で、電圧が4.25V(対Li)に至るまで定電流充電した。次に、放電時、電圧が2.8V(対Li)に至るまで、0.2 rateの定電流で放電した(化成段階、2回目サイクル)。第三に、0.5C rateの電流で、電圧が4.25V(対Li)に至るまで定電流充電し、次に、定電圧モードで4.25Vを維持しながら0.05C rateの電流でカットオフ(cut−off)した。次に、放電時、電圧が2.8V(対Li)に至るまで、0.2 rateの定電流で放電した。4番目の化成工程は、3番目工程の反復である(0.5C充電/0.2C放電)。最後に、0.2C rateで、4.25V(対Li)まで定電流充電し、定電圧モードで4.25Vを維持しながら、0.05C rateの電流でカットオフする。
【0147】
前述のところで、1C充電というのは、電池の容量(mAh)が1時間の充電によって達されることができるように充電することを意味する。同様に、1C放電というのは、電池の容量(mAh)が1時間の放電によって完全に消耗するように放電することを意味する。
【0148】
前記化成段階を経たリチウム電池を、60℃で10日間放置した後のガス発生量及び直流内部抵抗特性を評価し、下記表2に示した。
【表2】
【0149】
前記表2を参照し、実施例1ないし5のリチウム電池は、比較例1ないし7のリチウム電池に比べて、ガス発生量が顕著に減少し、実質的に同等なレベルの直流内部抵抗上昇率を示し、したがって安定性にすぐれることが確認された。
【0150】
評価例2:寿命特性評価
実施例6ないし10、及び比較例8でそれぞれ製造されたリチウム電池に対して、1C/1Cの充放電電流、2.8Vないし4.3Vの作動電圧、CC・CV 1/10Cカットオフ条件で、45℃で200サイクル充放電した後、寿命及び直流内部抵抗を測定した。結果を下記表3に示した。
【0151】
【表3】
【0152】
前記表3を参照し、実施例6ないし10のリチウム電池は、比較例8のリチウム電池に比べて、実質的に同等であるか、あるいはさらに優秀なレベルの寿命及び直流内部抵抗上昇率を示し、安定性にすぐれることが確認された。
【符号の説明】
【0153】
1・・・リチウム電池
2・・・負極
3・・・正極
4・・・セパレータ
5・・・電池ケース
6・・・キャップアセンブリ
図1