(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャリアにおける前記複数の加熱素子の各々の第1の複合電圧負荷を測定することを更に含み、温度を特定することが、前記第1の複合電圧負荷を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
前記第1の複合電流負荷と前記第2の複合電流負荷との間の前記差異を使用して抵抗を特定することを更に含み、温度を特定することが、特定された前記抵抗を使用して温度を特定することを含む、請求項1に記載の方法。
電力状態を変更することが、前記複数の加熱素子のサブセットの電力状態を変更することを更に含み、温度を特定することが前記複数の加熱素子がグループ化され、温度がそのグループの加熱素子の間で平均されることを含む、請求項1に記載の方法。
前記第1及び第2の複合電流負荷を測定することが、前記複数の加熱素子の各々に電力供給する電力供給源において、電流負荷を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
前記工程が、前記第1の複合電流負荷と前記第2の複合電流負荷との間の前記差異を使用して抵抗を特定することを更に含み、温度を特定することが、特定された前記抵抗を使用して温度を特定することを含む、請求項7に記載の媒体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0001]本書では、基板支持体の温度を測定するために、処理チャンバ内で基板を保持する支持体、キャリア、ペデスタル、又はチャックにおける、加熱素子のアレイが使用されうる。加熱素子は温度に関連する抵抗を有するので、支持体の温度の指標として、加熱素子の抵抗が測定されうる。これにより、支持体の直上にある基板の温度が示される。ヒータ素子のアレイにより、支持体上の種々の位置における個別の温度測定がもたらされる。この別々の測定により、基板全体における温度変動の測定が可能になる。これにより、温度を一様にするようヒータを稼働させること、又は、ムラのある温度を補正するよう支持体を修正することが、可能になる。
【0010】
[0002]場合によっては、静電チャック(ESC)には、ESCの温度をESCの表面全体の種々の位置において別様に調整することを可能にするために、ヒータ素子のアレイが設置される。本明細書はESCとの関連において提示されているが、本書の構造物及び技法は、他の種類の基板キャリアにも適用されうる。ヒータ素子のアレイは、温度センサ又は熱的センサとしても使用されうる。これにより、基板の温度を特定することが可能になる。次いで対応するヒータ素子は、測定された温度を適応させるよう、起動されるか、又は作動停止されうる。
【0011】
[0003]ヒータ素子は電流を受けるよう配線される。加熱素子は、典型的には、元来、抵抗と温度との直線相関を有する。ESCにおいて使用されることが多いヒータ素子は、タングステンとアルミナで作られたメタライズ材を有する。このメタライズ材は、他の多くの材料と同様に、直線相関を伴って温度に応答し、この直線相関が測定及び制御に使用されうる。
【0012】
[0004]ヒータ素子を使用することによって、外部の温度センサが不要になり、ESC及び処理チャンバが単純化される。近接して配列された多数の点において温度を測定することによって、基板全体における温度変動に関するより正確な情報も、得ることができる。
【0013】
[0005]ヒータ素子からの熱的センサデータは、開ループモデル、又は時間ベースの閉ループ制御PID(Proportional−Integral−Derivative:比例−積分−導関数)スキームにフィードを行うために使用されうる。測定は、RF(無線周波数)ホット環境の内部及び外部で行われてよく、かつ、プラズマエッチング及びその他のプロセスにおいて、多数の異なる方式で実装されうる。熱的センサは、ESC及び基板の温度の開ループ検証に、ESC及び基板の温度の閉ループ制御に、かつ、加熱アレイ又は冷却チャネル要素の損傷の診断に、使用されうる。
【0014】
[0006]上述のアプローチの代替例は、各ヒータ素子の付近に1つの熱的センサを配置することである。そのような場合、各ヒータ素子は、ESCに熱を印加する速度(rate)を制御するためのワイヤの対を要する。各熱的センサは、温度示度を送信するためのワイヤの対も要する。このシステムでは、配線、スイッチ、配電器、及び熱プローブ又はRTD(Resistance Temperature Detector:抵抗温度検出器)の制御回路を収容するために、設置面積が大きくなる。
【0015】
[0007]設置面積が大きくなると、ESC内のスイッチ素子又はその他の論理デバイスのために使用できるはずであったスペースを占有する。全ての追加ワイヤを受容し、かつ、温度測定の全てを追跡し維持するための、制御ボックス内のスペースもあるはずである。スペースを要することに加えて、外部の処理デバイスとの、複雑なI/Oインターフェース及びメカニカルインターフェースも必要になる。このコスト及び複雑性の増大は、コスト削減のために測定の数及び精度が余儀なく低減されるような設計に、つながる可能性がある。
【0016】
[0008]上述の技法は、複数のヒータゾーンを有するウエハ、ペデスタル、キャリア、及び静電チャックに適用されうる。これらはバルク加熱ゾーンも含みうる。一部の実施形態では、RFホット環境において使用される、150を上回る数の小型抵抗ヒータがあるが、300以上になることもある。これには全て、300mmシリコンウエハのキャリアが提供されうる。後述するように、制御アーキテクチャは、数百の加熱ゾーンをサポートするようスケール調整されうる。このアーキテクチャは、RFホット環境の内部と外部の両方のデバイスにリアルタイム制御を提供するが、追加の温度測定ハードウェアを要するものではない。
【0017】
[0009]温度を測定するためには、ある特定のヒータ素子への加熱電流がオフにされる。次いで、このヒータ素子を通るように測定電流が流される。ヒータ素子を通過する全電流又は一部の電流を測定するために、センサハードウェアが使用されうる。一部の実施形態では、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)周波数が使用されうる。
【0018】
[0010]測定される電流とESCの温度との間の相関は、いくつかの異なる方式で正確に測定されうる。1つの方式は、起動されたアレイ素子を時間設定すること(timing)、及び、この素子によって使用される電流及び電圧を測定することによるものである。電流又は電圧又はその両方が、インライン分流抵抗器、電流クランプ、ホール効果センサ、及び分圧器といったデバイスによって測定されうる。信号は、その後の処理のために、アナログデジタル変換器によってデジタル化される。
【0019】
[0011]
図1は、本書に記載のヒータを特徴とする静電チャック又は他の任意の基板キャリアに取り付けられた基板の温度プロファイルを特定するための、減算アプローチのプロセスフロー図である。2において、第1の複合電流負荷が測定される。この電流負荷は、全て単一の電流供給源により電力供給される、キャリアの加熱素子の全て又は1グループの加熱素子の全てによって、消費される電流である。このプロセスでは、単一の加熱素子又は加熱素子の小グループが、個別にオン又はオフにされうる。
【0020】
[0012]4において、電力が、キャリアの加熱素子のうちの1つから切断される。この例では、加熱素子は、共通の電力供給源を有するが、個別に又はグループごとに制御されうる。各加熱素子又は各グループの加熱素子は、選択された加熱素子が電力を消費しなくなり、キャリア又は保持されている基板を加熱しなくなるように、オフに切り替えられうるか、電力が供給停止されうるか、又は、他の何らかの方式で接続を断たれうる。これは素子iと称され、ここでiは、測定される加熱素子全てを通じて漸増する(incremented)変数である。
【0021】
[0013]選択された加熱素子が接続を断たれている状態で、6において、電流負荷が再度測定される。これにより、選択された第1加熱素子への電力が切断された後の、全ての加熱素子についての第2の複合電流負荷が提供される。8において、第1の複合電流負荷と第2の複合電流負荷との間の差異が特定される。これにより、選択された加熱素子すなわち素子iによって消費されていた電流が提供される。10において、選択された加熱素子の温度が特定される。
【0022】
[0014]加熱素子の温度は、その抵抗と直接的に関連している。抵抗は、電流と既知の電圧とを使用して特定されうる。電圧は、既知でなければ、電流負荷と同時に測定されることもある。抵抗は加熱素子の温度との直接相関を有し、加熱素子の温度は、加熱素子の領域におけるキャリアの温度と同じである。加熱素子の温度は次いで、経験的測定に基づくモデル又はルックアップテーブルを使用することによって、保持されている基板と関連付けられうる。加熱素子における温度が特定されると、システムは次いで、12において、選択された加熱素子に電力を再接続するよう動きうる。
【0023】
[0015]14において、別の加熱素子が選択される。第1素子が素子1と指定されるのであれば(i=1)、iは漸増し、次の素子は素子2となる(i=2)。iが漸増した後、又は単に次の加熱素子を選択した後に、プロセスは2に戻り、他の加熱素子の各々について、接続の切断、電流負荷の測定、差異と温度の特定、及び、ヒータ素子の再接続という工程が繰り返されて、キャリアの加熱素子の各々における温度が特定される。
【0024】
[0016]加熱素子の全てが測定されてから、プロセスは終了する。このプロセスでは、加熱素子の選択は、オフセット又は間隔によって順序決定されうる。加熱素子は温度測定を行うために一時的にオフにされるので、キャリアのその加熱素子の領域内は、若干冷えることになる。次に測定されることになる加熱素子は、直前に測定された加熱素子から一定距離離間していることが可能なので、局所冷却が次の測定に影響を与えることはない。同領域内の別の加熱素子が測定される前に、キャリアがもとの状態に戻る時間はある。
【0025】
[0017]上述したように、各加熱素子での温度の測定において、加熱素子はグループ化されうる。この場合、温度は、そのグループの加熱素子全体で平均される。一例としては、特定された電流、電圧、又は抵抗は、複数の加熱素子の測定されたサブセット(一部)の中で、除算されうるか又は分配されうる。これは、単に加熱素子の数で除算することによって、又は別の方式で、行われうる。次いで、除算された抵抗を使用して温度が特定されうる。
【0026】
[0018]
図2は、ヒータを有する静電チャック又はその他の基板キャリアに取り付けられた基板の温度プロファイルを特定するための、加算アプローチのプロセスフロー図である。22において、複数の加熱素子のうちの第1加熱素子が、オフに切り替えられ、電力が供給停止され、又は、何らかの方式で電力使用から切断される。24において、第1の複合電流負荷が測定される。この電流負荷は、温度測定の対象になっている加熱素子を除く、全て単一の電流供給源により電力供給される、キャリアの加熱素子の全て又は1グループの加熱素子の全てによって、消費される電流である。このプロセスでは、単一の加熱素子又は加熱素子の小グループがオフにされる。その他の加熱素子には電力が供給され、これが測定対象となる。26において、選択された加熱素子iに電力が供給再開され、28において、電流が再度測定される。電力供給のこの特定の実行形態に応じて、
図1の例と同様に、電圧も電流と共に測定されうるか、又は電圧は一定に維持されうる。
【0027】
[0019]30において、2度の測定の間の差異が特定される。これにより、選択された加熱素子iによって消費される電力が分離される。32において、この差異は、加熱素子の温度を特定するために使用される。温度は抵抗と直接的に関連しており、抵抗は、電流及び電圧の差異を使用して特定されうる。この温度特定は、次いで、プロセスの修正、製造上のばらつきの検出、歩留まりの改善、及びその他の目的に使用するために、測定時間と共にログに記憶されうる。
【0028】
[0020]34において、プロセスは、全ての加熱素子が測定されていれば終了し、又は、最初に戻って次の加熱素子へと進む。これは、次の加熱素子を表わすようiを漸増させること、次いで、他の加熱素子の各々について、電力の切断、電流の測定、電力の接続、電流の再測定、差異の特定、及び温度の特定という工程を繰り返すことによって、実施されうる。
【0029】
[0021]
図3は、本書に記載のヒータを特徴とする静電チャック又は他の任意の基板キャリアに取り付けられた基板の温度プロファイルを特定するための、代替的な加算・減算アプローチのプロセスフロー図である。上述のように、このプロセスは、プラズマプロセス中の使用に特に良好に適しているが、その他の状況においても使用されうる。40において、抵抗加熱素子の全てに供給される電圧が測定される。この測定は、全ての抵抗加熱素子にひとまとめに供給を行う中央電力供給源において行われうる。加熱素子が小グループごとに電力供給されている(例えば、4つの別個の電力供給源が、加熱素子のうちの4分の1ずつにそれぞれ使用されている)場合には、このプロセスは、各グループに別個に適用されうる。この工程は、先に上述した2つのプロセスにも適用されうる。
【0030】
[0022]42において、第1の複合電流負荷が測定される。この電流負荷は、全て単一の電流供給源により電力供給される、キャリアの加熱素子の全て又は1グループの加熱素子の全てによって消費される電流である。このプロセスでは、単一の加熱素子又は加熱素子の小グループが、個別にオン又はオフにされうる。このプロセスは、加熱素子が通常稼働している間に実施される。したがって、ほとんどの加熱素子は、完全にオンでも完全にオフでもない、中間電力状態にあることになる。換言すると、電流デューティサイクルは中間の何らかの値になる。
【0031】
[0023]プロセスが開始される際に、次の工程のために、加熱素子のうちのある特定の単一加熱素子が選択される。各素子を通じてプロセスを追跡するために、この素子は、例えば素子1、又は変数i=0である素子0と指定される。44において、電力が、第1加熱素子i=0から増大する。一部の実施形態では、この加熱素子は、完全なオンすなわち100%デューティサイクルとなる。このオン状態は、電流を測定するのに十分な長さだけ、必要とされる。電力が増大した後に、46において、全ての加熱素子の電流負荷が再度測定される。次いで48において、この単一加熱素子への電力がオフに切り替えられる。キャリアのその他の加熱素子は影響を受けない。
【0032】
[0024]選択された加熱素子が48において接続を断たれている状態で、50において、電流負荷が再度測定される。これにより、選択された第1加熱素子への電力が切断された後の、全ての加熱素子についての第3の複合電流負荷が提供される。次いで、52において、キャリアは通常稼働に戻ってよく、キャリアの温度は安定化されうる。
【0033】
[0025]56において、第1の複合電流負荷と、第2の複合電流負荷と、第3の複合電流負荷との間の差異が特定される。これにより、選択された加熱素子すなわち素子iによって消費されていた電流が提供される。56において、上記の差異を使用して、選択された加熱素子の温度が特定される。
【0034】
[0026]58において、別の加熱素子が選択される。第1素子が素子1と指定されるのであれば(i=1)、iは漸増し、次の素子は素子2となる(i=2)。iが漸増した後又は単に次の加熱素子を選択した後に、電圧が不変であればプロセスは40又は42に戻り、キャリアの加熱素子の各々においてこの工程が繰り返される。加熱素子の全てが測定されてから、プロセスは終了する。
【0035】
[0027]
図4は、本書に記載のヒータを特徴とする受動静電チャック又は他の任意の基板キャリアに取り付けられた基板の温度プロファイルを特定するための、代替的なアプローチのプロセスフロー図である。このプロセスは、プラズマプロセス中の試験ウエハとしての使用に特に良好に適しているが、その他の状況においても使用されうる。ある特定のチャンバにおいてプロセスを改変する(instrument)ために、試験ウエハが使用されることは多い。試験ウエハは、メモリセルに連結された100以上の熱的センサを伴う、上面を有する。試験ウエハは、プロセスが実行されている間、キャリアに取り付けられており、このプロセス中に各熱的センサにおける温度を記録する。プロセスの後、試験ウエハは除去され、温度のログが読み取られる。プロセスは次いで、この温度データに基づいて調整されうる。
【0036】
[0028]
図4のプロセスは、受動ウエハが上にある加熱されたキャリアを使用して、類似のデータを収集する。ヒータは、試験ウエハを必要とせずに温度データを収拾するために使用される。ウエハの温度は、キャリアの直下でのキャリアの温度に基づいて推定されうる。かかる試験では、加熱素子は加熱のためには使用されず、温度測定のためにのみ使用される。試験ウエハの場合とは異なり、
図4のプロセスでは、プロセスの終了まで待つのではなく、リアルタイムで又はプロセス中に、温度データを収集することが可能になる。これにより、試験プロセスを試験中に修正して、より迅速に望ましい結果を得ることが可能になる。
【0037】
[0029]60において、抵抗加熱素子の全てに供給される電圧が測定される。これは通常、全ての抵抗加熱素子に供給される一次電力供給電圧である。キャリアは試験プロセスに熱を付加するために使用されていないので、62において、電流はゼロ又は微量となる。64において、プロセスが開始される際に加熱素子のうちのある特定の単一加熱素子iが選択され、電力が印加される。これは、最良の温度測定を提供するよう選択された、既知の電力である。後述するように、電流が大きくなれば、典型的には、温度に対する応答も大きくなる。電力供給されているこの1つの加熱素子を用いて、66において、電流負荷が測定される。この電流は、ほぼ完全に、選択された加熱素子によるものである。選択された加熱素子は次いで、オフ(このサイクルの通常状態)に戻されうる。
【0038】
[0030]68において、第1の複合電流負荷と第2の複合電流負荷との間の差異が特定される。これは、ノイズ、漏洩電流、及び、オフ状態電流をゼロではなくするその他のファクターを取り去っている。70において、上記の差異を使用して、選択された加熱素子の温度が特定される。
【0039】
[0031]72において別の加熱素子が選択され、プロセスは、全ての加熱素子が測定されるまで繰り返される。それがこの測定サイクルの終了である。
図1から
図3と同様に、プロセスは、望まれる限り全ての加熱素子に対して完遂されうる。これにより、経時的に連続した温度マップが提供される。
【0040】
[0032]
図5は、典型的な商業的抵抗性熱デバイスの電気応答特性と、典型的な商業的加熱素子の電気応答特性の、比較ためのグラフである。縦方向の目盛りは構成要素の抵抗を示し、水平方向の目盛りは構成要素の温度を示している。上方の線は、抵抗の変化により温度を測定するために特別に設計された抵抗性熱デバイスに対応している。図示しているように、約20oCの室温では抵抗は約108Ωである。これは、100oCではおよそ140Ωに増大する。図示しているように、図の温度範囲内の熱デバイスの応答はほぼ一直線である。これにより、測定された抵抗に基づいて、容易かつ迅速に温度を特定することが可能になる。
【0041】
[0033]加熱素子の応答は下方の線で示されている。この線もほぼ一直線であるが、傾斜が緩い。結果として、温度測定の精度が低くなる。これは、熱デバイスが、温度に応答して大きな変化を示すよう特に設計されていることの結果である。加熱素子は、効率的に電流を熱に変換するよう設計される。改変が加えられれば、加熱素子の応答は改善されうる。この例では、加熱素子は、室温で約70Ωの抵抗を有する。100oCでは、抵抗は約90Ωに増大している。熱デバイスは2つの温度間で約30Ωの変化を示しているが、加熱素子は、同じ温度変化を通じて約20Ωの変化しか示していない。
【0042】
[0034]
図6は、加熱素子がオン及びオフにされる際の、基板キャリアの電力供給源からの電流の、時間に対するグラフである。これは、上述の加算・減算技法がいかにして使用されうるかを示している。このグラフは、様々な加熱素子の状態が変更される際の、共通の主要電力供給源からの種々の電流レベルを示している。第1状態230は、ほとんどの加熱素子が電力供給されている時の、平均的な電流又は電力に対応している。232において、一又は複数の加熱素子がオンからオフに切り替えられる。これにより、総電流の減少がもたらされる。234において小電流段階は終了し、236において、これらの加熱素子はオン状態に戻される。234における電流と236における電流との間の差異が、オンからオフにされた加熱素子によって消費される電流を特定するために使用されうる。これは次いで、これらの加熱素子の近隣の温度を特定するために使用されうる。
【0043】
[0035]同様に、238における電流は平均的な又は通常の電力を反映しており、240において、一又は複数の加熱素子の第2の組が、オフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより総電流が増大する。242においてオンサイクルは終了し、244において、これらの加熱素子はオフ状態に戻される。242における電流と244における電流との間の差異が、電流の流れを特定するため、及び、この電流の流れを用いて加熱素子の第2の組の近隣の温度を特定するために、使用されうる。図の描写を単純化するために、湾曲形状は四角形として図示している。実際のシステムにおいては、各変化の後の加熱素子及び電力供給源が状態の変化に順応する際に、整定時間(settling time)が存在する。加熱素子及び電力供給源の応答は、図のように即時かつ直接的なものにはならない。
【0044】
[0036]
図7は、上述の方法と共に使用されるのに適した、基板キャリア及び温度制御システムのブロック図である。システムは、端末504に連結されている制御ボックス502を有する。端末は、オペレータが機械プロセスを制御することを可能にするためのユーザインターフェースを有する、プロセス制御ソフトウェア又は温度制御ソフトウェアを実行する従来型のコンピュータの形態でありうる。端末は、大容量記憶媒体に連結されたプロセッサ、ユーザインターフェース、及び、制御ボックスとのインターフェースを有しうる。端末は、高速メモリ、無線又は有線の通信インターフェース、追加のプロセッサなどといった、その他の構成要素を有しうる。大容量記憶装置は、ソリッドステート記憶装置、光学記憶装置、又は磁気記憶装置における、命令、パラメータ、及び様々なログを有する機械可読媒体の形態でありうる。制御ボックスは、端末からの命令又はコマンドに応じて、基板キャリア506の動作を制御する。制御ボックスは、端末からの一般コマンドのもとで自律的に稼働することが可能でありうる。制御ボックスは、キャリアのその他の機能(例えば、クランプ電極、冷却剤、ガス注入、及び、本書で示している温度測定の特徴を分かりにくくしないようここでは図示されていないその他の機能)も制御しうる。
【0045】
[0037]制御ボックスは、加熱素子電力コントローラ510、及び電力供給源512を含む。電力供給源は、基板キャリア506内のファンアウト(扇状に広がる)配電器518に、単一のラインでの単一給電516を提供する。ファンアウト配電器は、電力供給源512からの電力を、キャリア506の加熱素子530の全てに供給する。この電力は、実行形態に応じて、相当量になりうる。図示している実施形態では、150の加熱素子が存在しており、その各々に10ワットが流れることが可能であるので、電力供給源は、1500ワットをキャリアに提供する。電圧、電流、及びその他のパラメータは、制御ボックス内の電力供給源512によって測定され、制御される。
【0046】
[0038]制御ボックスの電力コントローラは、データインターフェース514を通じて、キャリア506のキャリアコントローラ522に制御信号を送信する。制御信号は、加熱素子530の各々に供給される電力を調整し、オン状態からオフ状態への変更を行い、かつ、キャリアのその他のパラメータを調整するために、使用されうる。この例では、データ信号が、端末からの、又は制御ボックスの電力コントローラ内で生成された情報に基づいて、ヒータの各々の動作パラメータを設定する。制御信号514はパケットのシーケンスであってよく、各パケットが、加熱素子のそれぞれについてパラメータを設定する。ある特定の加熱素子の状態が、任意のパケットを用いて、順序決定されたパケットのシーケンスの中でそのパケットの順番が来る前でも、変更されうるように、加熱素子のうちのある特定の加熱素子を識別するために、パケットヘッダ又は識別フィールドが使用されることもある。
【0047】
[0039]この例では、キャリアコントローラは、各加熱素子のための状態更新パケットを受信し、加熱素子の各々のために、別々のPWM(Pulse Width Modulated:パルス幅変調)アナログ信号を生成する。ある特定のヒータをオフ状態に設定するために、PWM信号はゼロデューティサイクル信号又はロー(low)信号となる。種々の加熱量を設定するために、コントローラは、各加熱素子について、それぞれのPWM信号のデューティサイクルを調整する。これにより、各加熱素子が、その素子に固有の信号を使用して個別に制御されることが可能になる。この例では、150の固有かつ個別の(各加熱素子につき1つの)PMW接続が存在する。PWM信号は、キャリアコントローラによって生成され、各加熱素子の電力インターフェースで受信される。キャリアコントローラからの固有信号は、非常に単純なものであってよいので、PWMパルスのデューティサイクルを示す光信号のオン/オフサイクルにすぎない。これらは、それぞれの加熱素子のための増幅器のゲートドライバに直接変換されうる。
【0048】
[0040]加熱素子530の各々のところには、電力インターフェース528と、実際の抵抗加熱素子530とがある。電力インターフェースは、光アイソレータなどのアイソレータ532でPWM信号を受信し、このPWM信号を増幅器に印加する。増幅器は、ファンアウト配電器から電力520を受け、PWM信号に基づいて、受けた電力を変調する。キャリアを加熱し、したがって基板を加熱するために、変調された電力が抵抗ヒータ530に印加される。感応性の高い信号をキャリア内のノイズからシールドするために、キャリアにおいては光信号が使用される。プラズマ、バイアス電力、活性イオン、及び、プラズマチャンバのその他の態様は、電気信号、特にアナログ電気信号を妨害しうる。
【0049】
[0041]このシステムを使用する場合、温度測定サイクルを開始するために端末504が使用されうる。あるいは、制御ボックス510が、温度測定サイクルを動作させうる。制御ボックスは、
図1から
図4で説明したように、ある特定の順序で、かつある特定のタイミングで、加熱素子のうちの特定の加熱素子のデューティサイクルをゼロに設定し、次いで再び通常状態に戻すために、キャリアコントローラ522に制御信号514を送信する。電力供給源は、キャリア全体にわたって各ヒータがオン及びオフにされるにつれて、ヒータからの電流の流れの変化をモニタする。この温度情報は、各ヒータに適用されるデューティサイクルを増減させるため、又は、ある特定のプロセスについての測定基準(metrics)を提供するために、使用されうる。各加熱素子は数マイクロ秒以内にオン又はオフから切り替えられうるが、加熱における変化には、キャリアに新たな安定温度を生じさせるために数秒が必要になる。数分間かかるプロセスでは、温度は、そのプロセスを通じて多数回測定されうる。
【0050】
[0042]150のヒータを使用することで、キャリアの小領域についての非常に明確な情報がもたらされる。望ましい精度に応じて、より多い又は少ない数のヒータが使用されうる。加えて、各加熱素子は個別に制御されることから、コントローラは、一部のヒータのみで温度を試験しうる。コントローラは、150の異なる温度部位の代わりに、50の使用可能なヒータのみにおいて温度を測定することによって、50の異なる部位だけを使用することも可能である。150の加熱素子が提案されているが、望ましい精度に応じて、より多い又は少ない数の加熱素子が存在してよい。粗い制御レベルで加熱を増大させるために、その他のヒータ(いくつかの大型大電力ヒータなど)が存在することもある。この粗い制御レベルはその後、多数の小型ヒータを使用して調整されうる。この例では、各ヒータは個別に制御される一方、いくつかのヒータは、1グループのヒータがグループとして制御されるように、単一のPWM入力部及び増幅器528に接続されうる。
【0051】
[0043]
図8は、組み立て済みの静電チャックの等角図である。支持シャフト212は、アイソレータ216を通り、ベースプレート210を支持する。中間アイソレータプレート208及び上方冷却プレート206は、ベースプレートによって保持される。上部冷却プレート206は、ヒータプレートの上面上に誘電体パック205を保持する。このパックは、被加工物204を支持するための上方円形プラットフォームと、ヒータプレートに付いている下方同心円ベース207とを有する。上方プラットフォームは、静電気によって被加工物を付着させる内部電極を有する。あるいは、被加工物は、クランプされても、真空誘引されても、又は別の方式で取り付けられてもよい。
【0052】
[0044]冷却プレートの金属のところに上部プレートのセラミックを保持するために、パック215と上部冷却プレート206との間に接着ボンド218が存在する。ヒータは、上部プレート又は中間ヒータプレートに形成されうる。かかる実施形態では、中間プレートは、ヒータの在り処ではなくなり、その他の機能を実施する。キャリアコントローラは、冷却プレート又は他の任意の場所に取り付けられうる。抵抗加熱素子及び関連する電力インターフェースは、パックのセラミック内に埋め込まれうる。これにより、ヒータは、最大の効果を得るために、可能な限り上部プレート上の基板の近くに配置される。
【0053】
[0045]ESCは、上述したパック内の抵抗ヒータを使用して、被加工物の温度を制御することが可能である。加えて、冷却プレートでは冷却流体が使用されうる。電力、制御信号、冷却剤、ガスなどが、支持シャフト212を通じて、冷却プレート206及びパック205に供給される。ESCは、支持シャフトを使用して操作され、適所に保持されることも可能である。
【0054】
[0046]
図9は、本書に記載の実施形態による、ペデスタル128を有するプラズマシステム100の部分断面図である。ペデスタル128は能動的な冷却システムを有し、この冷却システムにより、ペデスタル上に位置付けられた基板が多数のプロセス条件及びチャンバ条件のもとにある間に、広い温度範囲全体にわたってこの基板の温度を能動的に制御することが可能になる。プラズマシステム100は、処理領域120を画定する側壁112及び底部壁116を有する、処理チャンバ本体102を含む。
【0055】
[0047]ペデスタル、キャリア、チャック、又はESC128は、システム100における底部壁116に形成された通路122を通って、処理領域120に配置されている。ペデスタル128は、その上面上に基板(図示せず)を支持するよう適合している。基板は、多種多様な材料のうち任意のもので作製されたチャンバ100によって処理が行われる、多種多様な被加工物のうち任意のものでありうる。ペデスタル128は、オプションで、基板温度を望ましいプロセス温度に加熱及び制御するための、抵抗性素子などの加熱素子(図示せず)を含みうる。あるいは、ペデスタル128は、ランプアセンブリなどの遠隔加熱素子によって加熱されうる。
【0056】
[0048]ペデスタル128は、シャフト126によって電力出力部又は電力ボックス103に連結され、電力ボックス103は、処理領域120内でのペデスタル128の上昇及び移動を制御する駆動システムを含みうる。シャフト126は、ペデスタル128に電力を提供するための電力インターフェースも内包する。電力ボックス103は、電力及び温度の計器のためのインターフェース(熱電対インターフェースなど)も含む。シャフト126は、電力ボックス103に取り外し可能に連結するよう適合したベースアセンブリ129も含む。周縁リング135を電力ボックス103の上方に図示している。一実施形態では、周縁リング135は、ベースアセンブリ129と電力ボックス103の上面との間に機械的インターフェースを提供するよう構成された機械的な止め部又はランドとして適合した肩部である。
【0057】
[0049]ロッド130は、底部壁116に形成された通路124を通って配置されており、ペデスタル128を通って配置された基板リフトピン161を作動させるために使用される。基板移送ポート160を通じて、典型的にはロボット(図示せず)を使用して、チャンバに被加工物を出し入れすることを可能にするために、基板リフトピン161は、ペデスタルの上面から被加工物を上昇させる。
【0058】
[0050]チャンバリッド104がチャンバ本体102の上部に連結される。リッド104は、リッド104に連結された一又は複数のガス分配システム108を収容する。ガス供給システム108はガス注入通路140を含み、ガス注入通路140は、シャワーヘッドアセンブリ142を通じて処理領域120内に反応ガス及び洗浄ガスを供給する。シャワーヘッドアセンブリ142は環状ベースプレート148を含み、環状ベースプレート148は、面板146との間に配置されたブロッカプレート144を有する。
【0059】
[0051]高周波(RF)源165がシャワーヘッドアセンブリ142に連結される。RF源165は、シャワーヘッドアセンブリ142の面板146と加熱されたペデスタル128との間でのプラズマの生成を促進するために、シャワーヘッドアセンブリ142に電力供給する。一実施形態では、RF源165は、高周波無線周波数(HFRF)電源(13.56MHzのRF発生器など)でありうる。別の実施形態では、RF源165は、HFRF電源と、低周波無線周波数(LFRF)電源(300kHzのRF発生器など)とを含みうる。あるいは、RF源は、プラズマ生成を促進するために、処理チャンバ本体102のその他の部分(ペデスタル128など)に連結されうる。RF電力がリッド104に伝わることを防ぐために、リッド104とシャワーヘッドアセンブリ142との間に誘電体アイソレータ158が配置される。シャドウリング106は、ペデスタル128の外縁部に配置されてよく、ペデスタル128の望ましい高さで基板と係合する。
【0060】
[0052]稼働中にガス分配システム108の環状ベースプレート148を冷却するために、オプションで、環状ベースプレート148に冷却チャネル147が形成される。ベースプレート148が所定の温度に維持されるように、水、エチレングリコール、ガスなどといった熱伝導流体が、冷却チャネル147を通って循環しうる。
【0061】
[0053]処理領域120内で側壁101、112が処理環境に暴露されるのを防ぐために、チャンバライナアセンブリ127が、処理領域120内のチャンバ本体102の側壁101、112の直近に配置される。ライナアセンブリ127は周縁ポンピングキャビティ125を含み、周縁ポンピングキャビティ125は、処理領域120からガス及び副生成物を排気し、かつ処理領域120内の圧力を制御するよう構成された、ポンピングシステム164に連結される。複数の排気ポート131が、チャンバライナアセンブリ127に形成されうる。排気ポート131は、ガスが、システム100内での処理を促進する様態で処理領域120から周縁ポンピングキャビティ125へと流れることを可能にするよう、構成される。
【0062】
[0054]システムコントローラ170は、チャンバ内の製造プロセスを制御するために、多種多様なシステムに連結される。コントローラ170は、温度制御アルゴリズム(例えば温度フィードバック制御)を実行するための温度コントローラ175を含んでよく、かつ、ソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアの両方の組み合わせ、のいずれかでありうる。システムコントローラ170は、中央処理ユニット172、メモリ173、及び入出力インターフェース174も含む。温度コントローラは、ペデスタル上のセンサ(図示せず)から、温度示度143を受信する。温度センサは、冷却剤チャネルの近位若しくはウエハの近位にあってよく、又は、ペデスタルの誘電体材料内に配置されうる。温度コントローラ175は、感知された一又は複数の温度を使用して制御信号を出力し、この制御信号は、ペデスタルアセンブリ142と、プラズマチャンバ105の外部の熱源及び/又はヒートシンク(熱交換器177など)との間の熱伝導率に影響を与える。
【0063】
[0055]システムは、制御される熱伝導流体ループ141であって、流れが温度フィードバックループに基づいて制御される熱伝導流体ループ141も、含みうる。この例示的な実施形態では、温度コントローラ175は熱交換器(HTX)/冷却器177に連結される。熱伝導流体は、バルブ(図示せず)を通り、バルブによって制御された流量で、熱伝導流体ループ141を通って流れる。バルブは、熱流体の流量を制御するために、熱交換器内に、又は、熱交換器の内部若しくは外部のポンプに、組み込まれうる。熱伝導流体は、ペデスタルアセンブリ142内の導管を通って流れてから、HTX177に戻る。熱伝導流体の温度はHTXによって上下し、流体は次いで、ループを通ってペデスタルアセンブリへと戻る。
【0064】
[0056]HTXは、熱伝導流体を加熱するためのヒータ186を含むことによって、基板を加熱する。ヒータは、熱交換器内のパイプの周りの抵抗コイルを使用して、又は、加熱された流体が熱交換機を通じて熱流体を内包している導管に熱を伝える熱交換器を伴って、形成されうる。HTXは、熱流体から熱を奪うクーラ188も含む。これは、周囲空気若しくは冷却流体に、又はそれ以外の多種多様な任意の方式で熱を放出するために、ラジエータを使用して行われうる。温度制御された流体がまず加熱されるか又は冷却されてから、この制御流体の熱が熱伝導流体ループ内の熱流体の熱と交換されるように、ヒータとクーラとが組み合わされうる。
【0065】
[0057]ペデスタルアセンブリ142内のHTX177と流体導管との間のバルブ(又は他の流量制御デバイス)は、流体ループへの熱伝導流体の流量を制御するよう、温度コントローラ175によって制御されうる。温度コントローラ175、温度センサ、及びバルブは、構造及び動作を単純化するように組み合わされうる。実施形態では、熱交換器は、流体導管から戻った後の熱伝導流体の温度を感知し、流体の温度及びチャンバ102の動作状態に望ましい温度に基づいて、熱伝導流体の加熱と冷却のいずれかを行う。
【0066】
[0058]被加工物アセンブリに熱を加えるために、ESCにおいて電気ヒータ(図示せず)が使用される。ヒータ素子に給電して望ましい温度を得るために、抵抗性素子の形態の電気ヒータが、温度制御システム175によって制御される電力供給源179に連結される。
【0067】
[0059]熱伝導流体は、脱イオン水/エチレングリコール、フッ素系冷却剤(3MのFluorinert(登録商標)若しくはSolvay Solexis, Inc.のGalden(登録商標)など)、又は、他の任意の好適な誘電流体(パーフルオロ不活性ポリエーテルを含有するものなど)といった液体でありうるが、それらに限定されるわけではない。本明細書は、PECVD処理チャンバとの関連においてペデスタルについて説明しているが、本書に記載のペデスタルは、多種多様なチャンバで、多種多様なプロセスのために使用されうる。
【0068】
[0060]裏側ガス(backside gas)源178(加圧ガス供給源やポンプなど)及びガスリザーバが、質量流量計185又はその他の種類のバルブを通じて、チャックアセンブリ142に連結される。裏側ガスは、ヘリウム、アルゴン、又は、チャンバのプロセスに影響することなくウエハとパックとの間に熱対流をもたらす任意のガスでありうる。ガス源は、システムが接続されているシステムコントローラ170の制御のもと、下記で詳述するペデスタルアセンブリのガス出口を通じてウエハの裏側にガスを送り込む。
【0069】
[0061]
図4に具体的に示しているわけではないが、処理システム100は、プラズマ源、真空ポンプシステム、アクセスドア、微細加工装置、レーザシステム、及び自動ハンドリングシステムなどといった、その他のシステムも含みうる。図示しているチャンバは一例として提供されており、被加工物の性質及び望ましいプロセスに応じて、他の多種多様なチャンバのうちの任意のものが、本発明と共に使用されうる。本書に記載のペデスタル及び熱流体制御システムは、種々の物理的なチャンバ及びプロセスと共に使用されることに適合しうる。
【0070】
[0062]本発明の明細書及び付随する特許請求の範囲において、単数形の「1つの(a、an)」及び「この/その/前記(the)」は、複数形も含むことが(明らかにそうでないことが文脈により示されていない限り)意図されている。本書において、「及び/又は・かつ/又は(and/or)」という語は、列挙された関連アイテムのうちの一又は複数の、あらゆる可能な組み合わせを表わし、かつ包含することも、理解されよう。
【0071】
[0063]「連結され(coupled)」及び「接続され(connected)」という語、並びにこれらの派生語は、本書では、構成要素間の機能的又は構造的な関係性について説明するために使用されうる。これらの語は、互いに対する同義語であることを意図するものではないことを、理解すべきである。むしろ、特定の実施形態では、「接続され」は、2つ以上の要素が互いに、物理的、光学的、又は電気的に直接接触していることを示すために、使用されうる。「連結され」は、2つ以上の要素が互いに、直接的か間接的(要素間に他の介在要素がある状態)のいずれかで、物理的、光学的、又は電気的に接触していること、及び/又は、2つ以上の要素が互いと協働するか若しくは相互作用すること(例えば因果関係にある場合)を、示すために使用されうる。
【0072】
[0064]本書において、「上方(over)」、「下(under)」、「間(between)」、及び「に/上に(on)」という語は、ある構成要素又は材料層の、他の構成要素又は層に対する相対位置を表わすものであり、この場合、注目すべきはかかる物理的関係性である。例えば、材料層との関連においては、別の層の「上方又は下に配置された」ある層は、この別の層と直接接触していることも、一又は複数の介在層を有することもある。更に、2つの層の「間に配置された」ある層は、この2つの層と直接接触していることも、一又は複数の介在層を有することもある。その一方で、第2の層「上の」第1の層は、この第2の層と直接接触している。構成要素のアセンブリとの関連においても、同様の区別がなされるべきである。
【0073】
[0065]上記の説明は例示のためのものであり、限定のためのものではないことを、理解されたい。例えば、図面のフロー図は、本発明の特定の実施形態によって実施される工程のある特定の順序を示しているが、かかる順序は必須ではない(例えば、代替的な実施形態では、これらの工程が異なる順序で実施されること、特定の工程が組み合わされること、特定の工程が重複することなどが可能である)ことを、理解すべきである。更に、上記の説明を読み、理解することで、当業者には、他の多くの実施形態が自明となろう。具体的かつ例示的な実施形態を参照しつつ本発明について説明してきたが、本発明は、説明している実施形態に限定されるわけではなく、付随する特許請求の範囲の本質及び範囲における修正例及び変形例を用いて実践可能であることが、認識されよう。したがって、本発明の範囲は、付随する特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求が権利付与される均等物の全範囲に関連して、定められるべきである。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
処理中に、キャリアに取り付けられた基板の温度プロファイルを特定するための方法であって、
前記キャリアにおける複数の加熱素子の各々の第1の複合電流負荷を測定することと、
前記複数の加熱素子のうちの第1加熱素子の電力状態を変更することと、
前記第1加熱素子の電力状態を変更した後に、前記複数の加熱素子の各々の第2の複合電流負荷を測定することと、
前記第1の複合電流負荷と前記第2の複合電流負荷との間の差異を特定することと、
前記差異を使用して、前記第1加熱素子の温度を特定することと、
前記第1加熱素子の電力状態を前記変更の前の状態に戻し、かつ、前記複数の加熱素子のうちの他の加熱素子の各々について、電力の変更、電流負荷の測定、差異の特定、及び温度の特定を繰り返して、前記複数の加熱素子の各々における温度を特定することとを含む、方法。
(態様2)
前記キャリアにおける前記複数の加熱素子の各々の第1の複合電圧負荷を測定することを更に含み、温度を特定することが、前記第1の複合電圧を使用することを含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記複合電流負荷の差異を使用して抵抗を特定することを更に含み、温度を特定することが、特定された前記抵抗を使用して温度を特定することを含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
温度を特定することが、前記特定された抵抗に直線係数を適用することを含む、態様3に記載の方法。
(態様5)
電力状態を変更することが、前記複数の加熱素子のサブセットの電力状態を変更することを更に含み、温度を特定することが、前記複合電流負荷の差異を前記サブセットの前記加熱素子の間で分散させることと、分散された前記電流の差異を使用して温度を特定することとを含む、態様1に記載の方法。
(態様6)
前記第1加熱素子の電力状態を変更することが、前記第1加熱素子に、ゼロデューティサイクルを有するパルス幅変調信号を送信することを含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
前記第1の複合電流を測定する前に、前記複数の加熱素子の各々に電力供給することを更に含み、電力状態を変更することが、前記第1加熱素子から電力を除去することを含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
前記第1の複合電流負荷を測定することが、前記抵抗加熱素子が前記第1加熱素子を除いてオン状態である時に測定を行うことを含み、電力状態を変更することが、前記第1加熱素子をオン状態に変更することを含む、態様1に記載の方法。
(態様9)
前記第1の複合電流負荷を測定することが、処理チャンバ内での温度制御されたプロセスの通常稼働中、前記抵抗加熱素子がオン状態である時に測定を行うことを含み、電力状態を変更することが、前記プロセス中に前記第1加熱素子の電力状態を電力が増大したオン状態に変更することを含み、更に、
前記第2の複合電流負荷が測定された後に、前記第1加熱素子の電力状態をオフ状態に変更することと、
電力状態を前記オフ状態に変更した後に、前記複数の加熱素子の各々の第3の複合電流負荷を測定することとを含み、
前記差異を特定することが、前記第2の複合電流負荷と前記第3の複合電流負荷との間の差異を特定することを含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
前記第1の複合電流負荷を測定することが、処理チャンバ内でのプロセス中、前記抵抗加熱素子がオフ状態である時に測定を行うことを含み、電力状態を変更することが、前記プロセス中に前記第1加熱素子の電力状態をオン状態に変更することを含む、態様1に記載の方法。
(態様11)
前記複合電流負荷を測定することが、前記抵抗加熱素子の各々に電力供給する電力供給源において、電流負荷を測定することを含む、態様1に記載の方法。
(態様12)
命令を有している機械可読媒体であって、機械によって動作させられると、前記機械に、
基板キャリアにおける複数の加熱素子の各々の第1の複合電流負荷を測定することと、
前記複数の加熱素子のうちの第1加熱素子の電力状態を変更することと、
前記第1加熱素子の電力状態を変更した後に、前記複数の加熱素子の各々の第2の複合電流負荷を測定することと、
前記第1の複合電流負荷と前記第2の複合電流負荷との間の差異を特定することと、
前記差異を使用して、前記第1加熱素子の温度を特定することと、
前記第1加熱素子の電力状態を前記変更の前の状態に戻し、かつ、前記複数の加熱素子のうちの他の加熱素子の各々について、電力の変更、電流負荷の測定、差異の特定、及び温度の特定を繰り返して、前記複数の加熱素子の各々における温度を特定することとを含む、工程を実施させる、機械可読媒体。
(態様13)
前記工程が、前記複合電流負荷の差異を使用して抵抗を特定することを更に含み、温度を特定することが、特定された前記抵抗を使用して温度を特定することを含む、態様12に記載の媒体。
(態様14)
前記工程が、前記第1の複合電流を測定する前に、前記複数の加熱素子の各々に電力供給することを更に含み、電力状態を変更することが、前記第1加熱素子から電力を除去することを含む、態様12に記載の媒体。
(態様15)
前記第1の複合電流負荷を測定することが、処理チャンバ内での温度制御されたプロセスの通常稼働中、前記抵抗加熱素子がオン状態である時に測定を行うことを含み、電力状態を変更することが、前記プロセス中に前記第1加熱素子の電力状態を電力が増大したオン状態に変更することを含み、方法は更に、
前記第2の複合電流負荷を測定した後に、前記第1加熱素子の電力状態をオフ状態に変更することと、
電力状態を前記オフ状態に変更した後に、前記複数の加熱素子の各々の第3の複合電流負荷を測定することとを含み、
前記差異を特定することが、前記第2の複合電流負荷と前記第3の複合電流負荷との間の差異を特定することを含む、態様12に記載の媒体。