特許第6969725号(P6969725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6969725
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】重合体およびこれを含む有機太陽電池
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/12 20060101AFI20211111BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20211111BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C08G61/12
   H01L31/04 112A
   H01L31/04 152B
   H01L31/04 152D
【請求項の数】11
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2019-542549(P2019-542549)
(86)(22)【出願日】2018年9月11日
(65)【公表番号】特表2020-507648(P2020-507648A)
(43)【公表日】2020年3月12日
(86)【国際出願番号】KR2018010609
(87)【国際公開番号】WO2019066305
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2019年8月14日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0125116
(32)【優先日】2017年9月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジ フーン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ソンリム
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ドゥーワン
(72)【発明者】
【氏名】リム、ボギュ
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/047808(WO,A1)
【文献】 特表2014−501032(JP,A)
【文献】 BIN, H. et al.,Non-Fullerene Polymer Solar Cells Based on Alkylthio and Fluorine Substituted 2D-Conjugated Polymers Reach 9.5% Efficiency,Journal of the American Chemical Society,2016年,V138,P4657-4664
【文献】 LI, S. et al.,Energy-Level Modulation of small-molecule electron acceptors to achieve over 12% efficiency in polymer Solar Cells,Advanced materials,2016年,V28,N42,P9423-9429
【文献】 KIM, J. et al.,Enhanced and controllable open-circuit voltage using 2D-conjugated benzodithiophene (BDT) homopolymers by alkylthio substitution,Journal of Materials Chemistry C,2016年,V4,N11,P2170-2177
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/12
H01L 51/44
H01L 51/46
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式6−1から6−3、6−5、6−6、および7−1から7−のいずれかで表される単位を含む重合体:
[化学式6−1]
【化1】
[化学式6−2]
【化2】
[化学式6−3]
【化3】
[化学式6−5]
【化4】
[化学式6−6]
【化5】
[化学式7−1]
【化6】
[化学式7−2]
【化7】
[化学式7−3]
【化8】
[化学式7−4]
【化9】
[化学式7−5]
【化10】
[化学式7−6]
【化11】
[化学式7−7]
【化12】
[化学式7−8]
【化13】
[化学式7−9]
【化14】
前記化学式6−1から6−3、6−5、6−6、および、7−1から7−において、
は、互いに同一または異なり、それぞれ水素;置換もしくは非置換のアルキル基;カルボキシル基;またはエステル基(−COOR')であり
R'は、置換もしくは非置換のアルキル基であり
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、前記Rとは異なるものであり、
Qは、互いに同一または異なり、それぞれ記化学式3または4で表される単位であり、
lおよびmは、モル分率を示し、
0<l<1であり、
0<m<1であり、
0<l+m≦1であり、
kは、単位の繰り返し数であって、1〜10,000の整数であり、
[化学式3]
【化15】
[化学式4]
【化16】
前記化学式3または4において、
〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素;置換もしくは非置換のアルキル基;カルボキシル基;またはエステル基(−COOR')であり、
Eは、SまたはNR"であり、
R'およびR"は、互いに同一または異なり、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基であり、
およびAは、互いに同一または異なり、それぞれ水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のアルコキシ基であり、
c〜fは、それぞれ0または1であり、
【化17】
は、他の単位または置換基に連結される部位である。
【請求項2】
前記化学式3は、下記化学式3−1〜3−3のうちのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載の重合体:
[化学式3−1]
【化18】
[化学式3−2]
【化19】
[化学式3−3]
【化20】
前記化学式3−1〜3−3において、
〜R、R"、AおよびAは、前記化学式3で定義したものと同じである。
【請求項3】
前記化学式4は、下記化学式4−1または4−2で表されるものである、請求項1に記載の重合体:
[化学式4−1]
【化21】
[化学式4−2]
【化22】
前記化学式4−1および4−2において、
〜R14およびR'は、前記化学式4で定義したものと同じである。
【請求項4】
前記重合体は、下記化学式8〜13、15、16,18、および19のうちのいずれか1つで表される単位を含むものである、請求項1に記載の重合体:
[化学式8]
【化23】
[化学式9]
【化24】
[化学式10]
【化25】
[化学式11]
【化26】
[化学式12]
【化27】
[化学式13]
【化28】
[化学式15]
【化29】
[化学式16]
【化30】
[化学式18]
【化31】
[化学式19]
【化32】
前記化学式8〜13、15、16,18、および19において、R〜R14、R、R、A、A、c、d、l、mおよびkは、前記化学式3、4、6−1から6−3、6−5、および、6−6の少なくともいずれかで定義したものと同じである。
【請求項5】
前記重合体は、下記化学式20〜37のうちのいずれか1つで表される単位を含むものである、請求項1に記載の重合体:
[化学式20]
【化33】
[化学式21]
【化34】
[化学式22]
【化35】
[化学式23]
【化36】
[化学式24]
【化37】
[化学式25]
【化38】
[化学式26]
【化39】
[化学式27]
【化40】
[化学式28]
【化41】
[化学式29]
【化42】
[化学式30]
【化43】
[化学式31]
【化44】
[化学式32]
【化45】
[化学式33]
【化46】
[化学式34]
【化47】
[化学式35]
【化48】
[化学式36]
【化49】
[化学式37]
【化50】
前記化学式20〜37において、
〜R14、R、R、A、A、c、d、l、mおよびkは、前記化学式3、4、および、7−1から7−の少なくともいずれかで定義したものと同じである。
【請求項6】
前記重合体は、ランダム重合体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の重合体。
【請求項7】
前記重合体の数平均分子量は、5,000g/mol〜1,000,000g/molである、請求項1から6のいずれか一項に記載の重合体。
【請求項8】
第1電極と、
前記第1電極に対向して備えられる第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層とを含み、
前記光活性層は、電子供与体および電子受容体を含み、
前記電子供与体は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体を含み、前記電子受容体は、非フラーレン(non−fullerene)系化合物を含むものである有機太陽電池。
【請求項9】
前記非フラーレン(non−fullerene)系化合物は、下記化学式Aで表されるものである、請求項8に記載の有機太陽電池:
[化学式A]
【化51】
前記化学式Aにおいて、
〜Xは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換の2価のヘテロ環基であり、
MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;ハロゲン基;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
pおよびqは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、
pまたはqが2の場合、括弧内の構造は、互いに同一である。
【請求項10】
前記化学式Aで表される化合物は、下記化学式A−1〜A−5のうちのいずれか1つである、請求項9に記載の有機太陽電池:
[化学式A−1]
【化52】
[化学式A−2]
【化53】
[化学式A−3]
【化54】
[化学式A−4]
【化55】
[化学式A−5]
【化56】
【請求項11】
前記電子供与体と前記電子受容体との質量比は、1:2〜2:1である、請求項8から10のいずれか一項に記載の有機太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年9月27日付で韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2017−0125116号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、重合体およびこれを含む有機太陽電池に関する。
【背景技術】
【0003】
有機太陽電池は、光起電力効果(photovoltaic effect)を応用することにより太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる素子である。太陽電池は、薄膜を構成する物質によって無機太陽電池と有機太陽電池に分けられるが、従来の無機太陽電池はすでに経済性と材料上の需給で限界を見せていることから、加工が容易かつ安価で、多様な機能性を有する有機太陽電池が長期的な代替エネルギー源として注目されている。
【0004】
太陽電池は、太陽エネルギーからできるだけ多くの電気エネルギーを出力できるように効率を高めることが重要であるが、既存の電子受容体(acceptor)物質であるフラーレン(fullerene)系化合物は、可視光領域で低い吸収率を有し、熱的安定性が低いなどの問題点がある。
【0005】
これによって、最近、非フラーレン(non−fullerene)系化合物を電子受容体物質として用いた有機太陽電池の例が多く発表されており、その電力変換効率は4%〜5.9%程度まで達成された。ただし、非フラーレン系化合物は、現在、特定の高分子との組み合わせにおいてのみ良い効率を示しているので、非フラーレン系化合物と良い効率を示し得る新規高分子を見出すことが重要な課題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、重合体およびこれを含む有機太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様は、
下記化学式1で表される第1単位と、
下記化学式2で表される第2単位と、
下記化学式3または4で表される第3単位とを含む重合体を提供する。
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
前記化学式1〜4において、
〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素;置換もしくは非置換のアルキル基;カルボキシル基;またはエステル基(−COOR')であり、
Eは、SまたはNR"であり、
R'およびR"は、互いに同一または異なり、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基であり、
およびAは、互いに同一または異なり、それぞれ水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のアルコキシ基であり、
a〜fは、それぞれ0または1であり、
〜Yは、互いに同一または異なり、それぞれ下記化学式5で表されるものであり、
[化学式5]
【化5】
前記化学式5において、
Lは、直接結合、SまたはOであり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、
およびRは、互いに同一または異なり、それぞれ水素;ハロゲン基;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
前記化学式1と化学式2は、互いに異なる構造を有するものであり、
前記化学式1〜5において、
【化6】
は、他の単位または置換基に連結される部位である。
【0008】
また、本明細書の一実施態様は、
第1電極と、
前記第1電極に対向して備えられる第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層とを含み、
前記光活性層は、電子供与体および電子受容体を含み、
前記電子供与体は、前記重合体を含み、前記電子受容体は、非フラーレン(non−fullerene)系化合物を含むものである有機太陽電池を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本明細書の一実施態様に係る重合体は、広い光吸収領域と高いLUMOエネルギー準位を有するので、前記重合体を光活性層に用いた時、高い水準の光−電変換効率を有する有機太陽電池を製造することができる。
【0010】
また、本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、電子供与体として前記重合体を用い、電子受容体として前記非フラーレン系化合物を用いることにより、熱的安定性および色相特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池を示す図である。
図2】本明細書の製造例1で合成された重合体1の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図3】本明細書の製造例1で合成された重合体1のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図4】本明細書の製造例2で合成された重合体2の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図5】本明細書の製造例2で合成された重合体2のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図6】本明細書の製造例3で合成された重合体3の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図7】本明細書の製造例3で合成された重合体3のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図8】本明細書の製造例4で合成された重合体4の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図9】本明細書の製造例4で合成された重合体4のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図10】本明細書の製造例5で合成された重合体5の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図11】本明細書の製造例5で合成された重合体5のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図12】本明細書の製造例6で合成された重合体6の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図13】本明細書の製造例6で合成された重合体6のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図14】本明細書の製造例7で合成された重合体7の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図15】本明細書の製造例7で合成された重合体7のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図16】本明細書の製造例8で合成された重合体8の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図17】本明細書の製造例8で合成された重合体8のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図18】本明細書の製造例9で合成された重合体9の溶液状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
図19】本明細書の製造例9で合成された重合体9のフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0013】
本明細書において、「単位」は、化合物が重合反応によって重合体内で2価の基以上の形態で含まれる構造を意味する。
【0014】
本明細書において、「単位を含む」の意味は、重合体内の主鎖に含まれるという意味である。
【0015】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0016】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0017】
本明細書において、エネルギー準位は、エネルギーの大きさを意味するものである。したがって、真空準位からマイナス(−)方向にエネルギー準位が表示される場合にも、エネルギー準位は、当該エネルギー値の絶対値を意味すると解釈される。例えば、HOMOエネルギー準位とは、真空準位から最高占有分子オービタル(highest occupied molecular orbital)までの距離を意味する。また、LUMOエネルギー準位とは、真空準位から最低非占有分子オービタル(lowest unoccupied molecular orbital)までの距離を意味する。
【0018】
本明細書において、「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子の置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一または異なっていてもよい。
【0019】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;アルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルケニル基;アリール基;およびヘテロ環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。
【0020】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
【0021】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜50のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチルブチル、1−エチルブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、および5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜20のものが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、およびp−メチルベンジルオキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書において、前記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜25のものが好ましい。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、およびターフェニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書において、前記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10〜24のものが好ましい。具体的には、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、およびフルオレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。前記フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0025】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。
【0026】
本明細書において、ヘテロ環基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。ヘテロ環基の炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜60のものが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン(phenanthroline)基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0027】
本明細書において、
【化7】
は、他の単位または置換基に連結される部位を意味する。
【0028】
本明細書の一実施態様は、前記化学式1で表される第1単位と、前記化学式2で表される第2単位と、前記化学式3または4で表される第3単位とを含む重合体を提供する。
【0029】
本明細書の一実施態様において、前記R〜Rは、それぞれ水素である。
【0030】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、水素;または炭素数1〜20のアルキル基である。
【0031】
本明細書の一実施態様において、前記Eは、Sである。
【0032】
本明細書の一実施態様において、前記Eは、NR"である。
【0033】
本明細書の一実施態様において、R'およびR"は、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。
【0034】
本明細書の一実施態様において、前記AおよびAは、それぞれ水素;ハロゲン基;炭素数1〜20のアルコキシ基である。
【0035】
本明細書の一実施態様において、前記AおよびAは、互いに同一または異なり、それぞれ水素またはフッ素である。
【0036】
本明細書の一実施態様において、前記AおよびAは、互いに同一または異なり、それぞれフッ素またはオクチルオキシである。
【0037】
本明細書の一実施態様において、前記AおよびAは、それぞれオクチルオキシである。
【0038】
本明細書の一実施態様において、前記aおよびbは、それぞれ0である。
【0039】
本明細書の一実施態様において、前記aおよびbは、それぞれ1である。
【0040】
本明細書の一実施態様において、前記cおよびdは、それぞれ0である。
【0041】
本明細書の一実施態様において、前記cおよびdは、それぞれ1である。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記eおよびfは、それぞれ0である。
【0043】
本明細書の一実施態様において、前記eおよびfは、それぞれ1である。
【0044】
本明細書の一実施態様において、前記Y〜Yは、互いに同一または異なり、それぞれ前記化学式5で表されるものである。
【0045】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、互いに同一であり、前記YおよびYは、互いに同一であり、前記YおよびYは、互いに異なるものである。
【0046】
本明細書の一実施態様において、前記Lは、直接結合、またはSである。
【0047】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数1〜20のアルキル基である。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数1〜10のアルキル基である。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、2−エチルヘキシル基である。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、オクチル基である。
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記RおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ水素またはハロゲン基である。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記RおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ水素またはフッ素である。
【0053】
本明細書の一実施態様において、前記RおよびRは、それぞれ水素である。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記化学式2は、下記化学式2−1または2−2で表されるものである。
[化学式2−1]
【化8】
[化学式2−2]
【化9】
【0055】
前記化学式2−1および2−2において、Y、Y、RおよびRは、前記化学式2で定義したものと同じである。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記RおよびRは、水素である。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記化学式3は、下記化学式3−1〜3−3のうちのいずれか1つで表されるものである。
[化学式3−1]
【化10】
[化学式3−2]
【化11】
[化学式3−3]
【化12】
【0058】
前記化学式3−1〜3−3において、R〜R、R"、AおよびAは、前記化学式3で定義したものと同じである。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記R〜Rは、互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数1〜20のアルキル基である。
【0060】
本明細書の一実施態様において、前記R〜Rは、互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数1〜10のアルキル基である。
【0061】
本明細書の一実施態様において、前記R〜Rは、互いに同一または異なり、それぞれ水素またはn−オクチル基である。
【0062】
本明細書の一実施態様において、前記R〜Rは、それぞれ水素である。
【0063】
本明細書の一実施態様において、前記RおよびRは、それぞれn−オクチル基であり、RおよびRは、それぞれ水素である。
【0064】
本明細書の一実施態様において、前記R"は、炭素数1〜15のアルキル基である。
【0065】
本明細書の一実施態様において、前記化学式4は、下記化学式4−1または4−2で表されるものである。
[化学式4−1]
【化13】
[化学式4−2]
【化14】
【0066】
前記化学式4−1および4−2において、R〜R14およびR'は、前記化学式4で定義したものと同じである。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数1〜20のアルキル基である。
【0068】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数5〜15のアルキル基である。
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素または炭素数7〜10のアルキル基である。
【0070】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素またはエチルヘキシル基である。
【0071】
本明細書の一実施態様において、前記R〜R14は、互いに同一または異なり、それぞれ水素または2−エチルヘキシル基である。
【0072】
本明細書の一実施態様において、前記R12は、カルボキシル基である。
【0073】
本明細書の一実施態様において、前記R12は、エステル(−COOR')基である。
【0074】
本明細書の一実施態様において、前記R'は、炭素数1〜15のアルキル基である。
【0075】
本明細書の一実施態様において、前記化学式5は、下記化学式5−1〜5−3のうちのいずれか1つである。
[化学式5−1]
【化15】
[化学式5−2]
【化16】
[化学式5−3]
【化17】
【0076】
前記化学式5−1〜5−3において、Rは、前記化学式5で定義したものと同じである。
【0077】
本明細書の一実施態様において、前記化学式5−1は、下記2つの化学式のうちのいずれか1つで表されるものである。
【化18】
【化19】
【0078】
本明細書の一実施態様において、前記化学式5−2は、下記2つの化学式のうちのいずれか1つで表されるものである。
【化20】
【化21】
【0079】
本明細書の一実施態様において、前記化学式5−3は、下記2つの化学式のうちのいずれか1つで表されるものである。
【化22】
【化23】
【0080】
本明細書の一実施態様において、前記Y〜Yは、それぞれ前記化学式5−1で表されるものであり、前記YおよびYは、互いに異なる。
【0081】
本明細書の一実施態様において、前記Y〜Yは、それぞれ前記化学式5−2で表されるものであり、前記YおよびYは、互いに異なる。
【0082】
本明細書の一実施態様において、前記Y〜Yは、それぞれ前記化学式5−3で表されるものであり、前記YおよびYは、互いに異なる。
【0083】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−1で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−2で表されるものである。
【0084】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−1で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−3で表されるものである。
【0085】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−2で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−1で表されるものである。
【0086】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−2で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−3で表されるものである。
【0087】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−3で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−1で表されるものである。
【0088】
本明細書の一実施態様において、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−3で表されるものであり、前記YおよびYは、それぞれ前記化学式5−2で表されるものである。
【0089】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式6または7で表される単位を含むものである。
[化学式6]
【化24】
[化学式7]
【化25】
前記化学式6および7において、Y〜YおよびR〜Rは、前記化学式1および2で定義したものと同じであり、
Qは、互いに同一または異なり、それぞれ前記化学式3または4で表される単位であり、
lおよびmは、モル分率を示し、
0<l<1であり、
0<m<1であり、
0<l+m≦1であり、
kは、単位の繰り返し数であって、1〜10,000の整数である。
【0090】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式6で表される単位を含むものである。
【0091】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式6で表される単位を含むものであり、前記Qは、それぞれ前記化学式3で表されるものである。
【0092】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式6で表される単位を含むものであり、前記Qは、それぞれ前記化学式4で表されるものである。
【0093】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式7で表される単位を含むものである。
【0094】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式7で表される単位を含むものであり、前記Qは、それぞれ前記化学式3で表されるものである。
【0095】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、前記化学式7で表される単位を含むものであり、前記Qは、それぞれ前記化学式4で表されるものである。
【0096】
本明細書の一実施態様において、前記Qは、それぞれ下記の単位の中から選択されたいずれか1つである。
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【0097】
本明細書の一実施態様において、前記lは、0.5である。
【0098】
本明細書の一実施態様において、前記mは、0.5である。
【0099】
本明細書の一実施態様において、前記kは、1〜10,000の整数、好ましくは500〜5,000の整数である。
【0100】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、下記化学式6−1〜6−6のうちのいずれか1つで表されるものである。
[化学式6−1]
【化30】
[化学式6−2]
【化31】
[化学式6−3]
【化32】
[化学式6−4]
【化33】
[化学式6−5]
【化34】
[化学式6−6]
【化35】
前記化学式6−1〜6−6において、R〜R、R、l、m、kおよびQは、前記化学式5および6で定義したものと同じであり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、前記Rとは異なるものである。
【0101】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、化学式の炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0102】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、化学式の炭素数3〜15の置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0103】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、化学式の炭素数5〜10の置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0104】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数1〜20の直鎖のアルキル基であり、前記Rは、炭素数1〜20の分枝鎖(branched)のアルキル基である。
【0105】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数5〜10の直鎖のアルキル基であり、前記Rは、炭素数5〜10の分枝鎖のアルキル基である。
【0106】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、2−エチルヘキシル基であり、前記Rは、オクチル基である。
【0107】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数1〜20の直鎖のアルキル基であり、前記Rは、炭素数1〜20の分枝鎖(branched)のアルキル基である。
【0108】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、炭素数5〜10の直鎖のアルキル基であり、前記Rは、炭素数5〜10の分枝鎖のアルキル基である。
【0109】
本明細書の一実施態様において、前記Rは、2−エチルヘキシル基であり、前記Rは、オクチル基である。
【0110】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−1で表されるものである。
【0111】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−2で表されるものである。
【0112】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−3で表されるものである。
【0113】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−4で表されるものである。
【0114】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−5で表されるものである。
【0115】
本明細書の一実施態様において、前記化学式6は、前記化学式6−6で表されるものである。
【0116】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、下記化学式7−1〜7−10のうちのいずれか1つで表されるものである。
[化学式7−1]
【化36】
[化学式7−2]
【化37】
[化学式7−3]
【化38】
[化学式7−4]
【化39】
[化学式7−5]
【化40】
[化学式7−6]
【化41】
[化学式7−7]
【化42】
[化学式7−8]
【化43】
[化学式7−9]
【化44】
[化学式7−10]
【化45】
前記化学式7−1〜7−10において、R〜R、R、l、m、kおよびQは、前記化学式5および7で定義したものと同じであり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、前記Rとは異なるものである。
【0117】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−1で表されるものである。
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−2で表されるものである。
【0119】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−3で表されるものである。
【0120】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−4で表されるものである。
【0121】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−5で表されるものである。
【0122】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−6で表されるものである。
【0123】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−7で表されるものである。
【0124】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−8で表されるものである。
【0125】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−9で表されるものである。
【0126】
本明細書の一実施態様において、前記化学式7は、前記化学式7−10で表されるものである。
【0127】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式8〜19のうちのいずれか1つで表される単位を含むものである。
[化学式8]
【化46】
[化学式9]
【化47】
[化学式10]
【化48】
[化学式11]
【化49】
[化学式12]
【化50】
[化学式13]
【化51】
[化学式14]
【化52】
[化学式15]
【化53】
[化学式16]
【化54】
[化学式17]
【化55】
[化学式18]
【化56】
[化学式19]
【化57】
前記化学式8〜19において、R〜R14、R、A、A、c、d、l、mおよびkは、前記化学式1〜6で定義したものと同じであり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、前記Rとは異なるものである。
【0128】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式20〜37のうちのいずれか1つで表される単位を含むものである。
[化学式20]
【化58】
[化学式21]
【化59】
[化学式22]
【化60】
[化学式23]
【化61】
[化学式24]
【化62】
[化学式25]
【化63】
[化学式26]
【化64】
[化学式27]
【化65】
[化学式28]
【化66】
[化学式29]
【化67】
[化学式30]
【化68】
[化学式31]
【化69】
[化学式32]
【化70】
[化学式33]
【化71】
[化学式34]
【化72】
[化学式35]
【化73】
[化学式36]
【化74】
[化学式37]
【化75】
前記化学式20〜37において、R〜R14、R、A、A、c、d、l、mおよびkは、前記化学式1〜7で定義したものと同じであり、
は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、前記Rとは異なるものである。
【0129】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、ランダム重合体である。ランダム重合体の場合、溶解度が向上して、素子の製造工程上、時間および費用的に経済的な効果がある。
【0130】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、置換もしくは非置換のヘテロ環基;または置換もしくは非置換のアリール基である。
【0131】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、4−(トリフルオロメチル)フェニル(4−(trifluoromethyl)phenyl)基である。
【0132】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、ブロモ−チオフェン(bromo−thiophene)基である。
【0133】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、トリフルオロ−ベンゼン(trifluoro−benzene)基である。
【0134】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の数平均分子量は、5,000g/mol〜1,000,000g/molが好ましい。
【0135】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、1〜10の分子量分布を有することができる。好ましくは、前記重合体は、1〜3の分子量分布を有する。
【0136】
分子量分布は低いほど、数平均分子量が大きくなるほど、電気的特性と機械的特性がより良くなる。
【0137】
前記重合体は、各単位の単量体をクロロベンゼンを溶媒として、Pd(dba)およびP(o−tolyl)と共に入れて、マイクロ波反応器で重合して製造される。
【0138】
本明細書に係る重合体は、多段階の化学反応で製造することができる。アルキル化反応、グリニャール(Grignard)反応、スズキ(Suzuki)カップリング反応、およびスティル(Stille)カップリング反応などによりモノマーを製造した後、スティルカップリング反応などの炭素−炭素カップリング反応により最終重合体を製造することができる。導入しようとする置換基がボロン酸(boronic acid)またはボロン酸エステル(boronic ester)化合物の場合には、スズキカップリング反応により製造することができ、導入しようとする置換基がトリブチルチン(tributyltin)またはトリメチルチン(trimethyltin)化合物の場合には、スティルカップリング反応により製造することができるが、これに限定されるものではない。
【0139】
本明細書の一実施態様は、第1電極と、前記第1電極に対向して備えられる第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層とを含み、前記光活性層は、電子供与体および電子受容体を含み、前記電子供与体は、前記重合体を含み、前記電子受容体は、非フラーレン(non−fullerene)系化合物を含むものである有機太陽電池を提供する。
【0140】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体は、前記化学式1で表される第1単位と、前記化学式2で表される第2単位と、前記化学式3または4で表される第3単位とを含む重合体であり、前記電子受容体は、非フラーレン系化合物である。
【0141】
本明細書の一実施態様に係る重合体は、互いに異なる置換基を有するベンゾジチオフェンまたはジチエノベンゾジチオフェンによって、電子供与体物質に含まれた時、従来の電子供与体物質より向上した性能を示すことができる。具体的には、前記重合体を有機太陽電池の電子供与体物質として用いる場合、交差重合による高分子より高い分子量を有することができ、ベンゾジチオフェンまたはジチエノベンゾジチオフェンの互いに異なる置換基、例えば、チオールアルキルおよびフッ素のような置換基によってより低いHOMOエネルギー準位と有機太陽電池で有利な分子配列を有することができる。これによって、高い短絡電流密度(short−circuit current density)が得られるだけでなく、LUMOエネルギーレベルの変化によって向上した開放電圧(open−circuit voltage)が得られるので、窮極的には、有機太陽電池の光−電変換効率を高めることができる。
【0142】
本明細書の一実施態様において、前記重合体に関する説明は、前述した内容と同じである。
【0143】
本明細書の一実施態様において、前記非フラーレン系化合物は、下記化学式Aで表されるものである。
[化学式A]
【化76】
前記化学式Aにおいて、
〜Xは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換の2価のヘテロ環基であり、
MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;ハロゲン基;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
pおよびqは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、
pまたはqが2の場合、括弧内の構造は、互いに同一である。
【0144】
本明細書の一実施態様において、X〜Xは、互いに同一または異なり、それぞれアルキル基である。
【0145】
もう一つの実施態様において、X〜Xは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数1〜30のアルキル基である。
【0146】
もう一つの実施態様において、X〜Xは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基である。
【0147】
本明細書の一実施態様において、XおよびXは、それぞれ水素である。
【0148】
本明細書の一実施態様において、Z〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれアリーレン基である。
【0149】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数6〜25のアリーレン基である。
【0150】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、それぞれフェニレン基である。
【0151】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ2価のヘテロ環基である。
【0152】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数2〜30の2価のヘテロ環基である。
【0153】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数2〜10の2価のヘテロ環基である。
【0154】
もう一つの実施態様において、Z〜Zは、2価のチオフェン基である。
【0155】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれ水素である。
【0156】
もう一つの実施態様において、MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれアルキル基である。
【0157】
もう一つの実施態様において、MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基である。
【0158】
もう一つの実施態様において、MaおよびMbは、メチル基である。
【0159】
もう一つの実施態様において、MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれハロゲン基である。
【0160】
もう一つの実施態様において、MaおよびMbは、それぞれフッ素である。
【0161】
本明細書の一実施態様において、pおよびqは、それぞれ0である。
【0162】
もう一つの実施態様において、pおよびqは、それぞれ1である。
【0163】
もう一つの実施態様において、pおよびqは、それぞれ2である。
【0164】
本明細書の一実施態様において、前記化学式Aで表される化合物は、下記化学式A−1〜A−5のうちのいずれか1つである。
[化学式A−1]
【化77】
[化学式A−2]
【化78】
[化学式A−3]
【化79】
[化学式A−4]
【化80】
[化学式A−5]
【化81】
【0165】
本明細書において、前記Meは、メチル基を意味する。
【0166】
本明細書の一実施態様において、前記非フラーレン系化合物は、フラーレン系化合物より熱安定性が高い。
【0167】
また、本明細書の一実施態様において、前記非フラーレン系化合物を光活性層の電子受容体として含み、前記重合体を光活性層の電子供与体として含む有機太陽電池は、熱安定性に優れ、電力変換効率に優れている。
【0168】
もう一つの実施態様において、前記電子供与体は、前記重合体であり、前記電子受容体は、前記化学式A−1で表される化合物である。
【0169】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体と電子受容体との質量比は、1:2〜2:1であり、好ましくは1:1.5〜1.5:1、さらに好ましくは1:1であってもよい。
【0170】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体および電子受容体は、バルクヘテロジャンクション(BHJ)を構成することができる。
【0171】
バルクヘテロジャンクションとは、光活性層で電子供与体物質と電子受容体物質とが互いに混合されていることを意味する。
【0172】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体は、p型有機物層であってもよく、前記電子受容体は、n型有機物層であってもよい。
【0173】
本明細書の一実施態様において、前記光活性層は、添加剤をさらに含んでもよい。
【0174】
本明細書の一実施態様において、前記添加剤の分子量は、50g/mol〜300g/molである。
【0175】
本明細書の一実施態様において、前記添加剤は、沸点が30℃〜300℃の有機物である。
【0176】
本明細書において、有機物とは、炭素原子を少なくとも1以上含む物質を意味する。
【0177】
一つの実施態様において、前記添加剤は、1,8−ジヨードオクタン(DIO:1,8−diiodooctane)、1−クロロナフタレン(1−CN:1−chloronaphthalene)、ジフェニルエーテル(DPE:diphenylether)、オクタンジチオール(octane dithiol)、およびテトラブロモチオフェン(tetrabromothiophene)からなる群より選択される添加剤のうち1または2種の添加剤をさらに含んでもよい。
【0178】
本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、第1電極と、光活性層と、第2電極とを含む。前記有機太陽電池は、基板、正孔輸送層、および/または電子輸送層がさらに含まれてもよい。
【0179】
本明細書の一実施態様において、前記基板は、透明性、表面平滑性、取扱容易性および防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板になってもよいが、これに限定されず、有機太陽電池に通常用いられる基板であれば制限はない。具体的には、ガラス、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PP(polypropylene)、PI(polyimide)、またはTAC(triacetyl cellulose)などが使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0180】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池が外部光源から光子を受けると、電子供与体と電子受容体との間で電子と正孔が発生する。発生した正孔は、電子供与体層を介してアノードに輸送される。
【0181】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、付加的な有機物層をさらに含んでもよい。前記有機太陽電池は、様々な機能を同時に有する有機物を用いて有機物層の数を減少させることができる。
【0182】
本明細書の一実施態様において、前記第1電極は、アノードであり、前記第2電極は、カソードである。もう一つの実施態様において、前記第1電極は、カソードであり、前記第2電極は、アノードである。
【0183】
本明細書の一実施態様において、有機太陽電池は、カソード、光活性層、およびアノードの順に配列されてもよく、アノード、光活性層、およびカソードの順に配列されてもよいが、これに限定されない。
【0184】
もう一つの実施態様において、前記有機太陽電池は、アノード、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、およびカソードの順に配列されてもよく、カソード、電子輸送層、光活性層、正孔輸送層、およびアノードの順に配列されてもよいが、これに限定されない。
【0185】
図1は、第1電極101、電子輸送層102、光活性層103、正孔輸送層104、および第2電極105を含む本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池を示す図である。
【0186】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、基板−第1電極−正孔輸送層−光活性層−電子輸送層−第2電極の構造を有するノーマル(Normal)構造であってもよい。
【0187】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、基板−第1電極−電子輸送層−光活性層−正孔輸送層−第2電極の構造を有するインバーテッド(Inverted)構造であってもよい。
【0188】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、タンデム(tandem)構造である。この場合、前記有機太陽電池は、2層以上の光活性層を含むことができる。本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、光活性層が1層または2層以上であってもよい。
【0189】
もう一つの実施態様において、バッファ層が、光活性層と正孔輸送層との間、または光活性層と電子輸送層との間に備えられる。この時、正孔注入層がアノードと正孔輸送層との間にさらに備えられてもよい。また、電子注入層がカソードと電子輸送層との間にさらに備えられてもよい。
【0190】
前記第1電極の材料は、透明で導電性の優れた物質になってもよいが、これに限定されない。例えば、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;およびポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0191】
前記第1電極の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング、E−ビーム、熱蒸着、スピンコーティング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、ドクターブレード、またはグラビアプリンティング法を使用することができる。
【0192】
前記第1電極を基板上に形成する場合、これは、洗浄、水分除去、および親水性改質過程を経ることができる。
【0193】
例えば、パターニングされたITO基板を洗浄剤、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次に洗浄した後、水分除去のために、加熱板で100℃〜150℃で1分〜30分間、好ましくは120℃で10分間乾燥し、基板が完全に洗浄されると、基板表面を親水性に改質する。
【0194】
前記のような表面改質により接合表面電位を光活性層の表面電位に適した水準に維持することができる。また、改質時、第1電極上に高分子薄膜の形成が容易になり、薄膜の品質が向上することもできる。
【0195】
第1電極の前処理技術としては、a)平行平板型放電を利用した表面酸化法、b)真空状態でUV紫外線を用いて生成されたオゾンを通して表面を酸化する方法、およびc)プラズマによって生成された酸素ラジカルを用いて酸化する方法などがある。
【0196】
第1電極または基板の状態によって、前記方法のうちの1つを選択することができる。ただし、どの方法を利用しても、共通して、第1電極または基板表面の酸素離脱を防止し、水分および有機物の残留を最大限に抑制することが好ましい。この時、前処理の実質的な効果を極大化することができる。
【0197】
具体例として、UVを用いて生成されたオゾンを通して表面を酸化する方法を使用することができる。この時、超音波洗浄後、パターニングされたITO基板を加熱板(hot plate)でベーキング(baking)してよく乾燥させた後、チャンバに投入し、UVランプを作用させて、酸素ガスがUV光と反応して発生するオゾンによってパターニングされたITO基板を洗浄することができる。
【0198】
しかし、本明細書におけるパターニングされたITO基板の表面改質方法は特に限定させる必要はなく、基板を酸化させる方法であればいずれの方法でも構わない。
【0199】
前記第2電極は、仕事関数の小さい金属になってもよいが、これに限定されない。具体的には、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属、またはこれらの合金;またはLiF/Al、LiO/Al、LiF/Fe、Al:Li、Al:BaF、Al:BaF:Baのような多層構造の物質になってもよいが、これに限定されるものではない。
【0200】
前記第2電極は、5×10−7torr以下の真空度を示す熱蒸着器の内部で蒸着されて形成されるが、この方法にのみ限定されるものではない。
【0201】
前記正孔輸送層および/または電子輸送層物質は、光活性層で分離された電子と正孔を電極に効率的に伝達させる役割を担い、物質を特に制限しない。
【0202】
前記正孔輸送層物質は、PEDOT:PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)doped with poly(styrenesulfonic acid));モリブデン酸化物(MoO);バナジウム酸化物(V);ニッケル酸化物(NiO);またはタングステン酸化物(WO)などになってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0203】
前記電子輸送層物質は、電子抽出金属酸化物(electron−extracting metal oxides)になってもよいし、具体的には、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体;Alqを含む錯体;Liqを含む金属錯体;LiF;Ca;チタン酸化物(TiO);亜鉛酸化物(ZnO);またはセシウムカーボネート(CsCO)などになってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0204】
光活性層は、電子供与体および/または電子受容体のような光活性物質を有機溶媒に溶解させた後、溶液をスピンコーティング、ディップコーティング、スクリーンプリンティング、スプレーコーティング、ドクターブレード、およびブラシペインティングなどの方法で形成することができるが、これらの方法にのみ限定されるものではない。
【0205】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例】
【0206】
<製造例:重合体1〜9の合成>
【0207】
製造例1.重合体1の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−yl)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))117.9mg(0.5eq)、(4,8−ビス(5−((2−エチルヘキシル)チオ)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−((2−ethylhexyl)thio)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))126.31mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体1)を精製した。
[重合体1]
【化82】
【0208】
図2および図3は、それぞれ前記重合体1の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0209】
製造例2.重合体2の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))117.9mg(0.5eq)、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)−4−フルオロチオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)−4−fluorothiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))122.64mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体2)を精製した。
[重合体2]
【化83】
【0210】
図4および図5は、それぞれ前記重合体2の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0211】
製造例3.重合体3の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))117.9mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−(オクチル)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−(octyl)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))132.58mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体3)を精製した。
[重合体3]
【化84】
【0212】
図6および図7は、それぞれ前記重合体3の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0213】
製造例4.重合体4の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))117.9mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−((オクチル)チオ)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−((octyl)thio)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))140.94mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体4)を精製した。
[重合体4]
【化85】
【0214】
図8および図9は、それぞれ前記重合体4の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0215】
製造例5.重合体5の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−((2−エチルヘキシル)チオ)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−((2−ethylhexyl)thio)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))126.31mg(0.5eq)、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)−4−フルオロチオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)−4−fluorothiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))122.64mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体5)を精製した。
[重合体5]
【化86】
【0216】
図10および図11は、それぞれ前記重合体5の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0217】
製造例6.重合体6の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−((2−エチルヘキシル)チオ)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−((2−ethylhexyl)thio)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))126.31mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−(オクチル)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−(octyl)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))132.58mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体6)を精製した。
[重合体6]
【化87】
【0218】
図12および図13は、それぞれ前記重合体6の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0219】
製造例7.重合体7の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−((2−エチルヘキシル)チオ)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−((2−ethylhexyl)thio)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))126.31mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−((オクチル)チオ)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−((octyl)thio)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))140.94mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体7)を精製した。
[重合体7]
【化88】
【0220】
図14および図15は、それぞれ前記重合体7の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0221】
製造例8.重合体8の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)−4−フルオロチオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)−4−fluorothiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))122.64mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−(オクチル)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−(octyl)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))132.58mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体8)を精製した。
[重合体8]
【化89】
【0222】
図16および図17は、それぞれ前記重合体8の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0223】
製造例9.重合体9の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)−4−フルオロチオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)−4−fluorothiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))122.64mg(0.5eq)、4,8−ビス(5−((オクチル)チオ)チオフェン−2−イル)ジチエノベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(4,8−bis(5−((octyl)thio)thiophen−2−yl)dithienobenzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))140.94mg(0.5eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)200mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体9)を精製した。
[重合体9]
【化90】
【0224】
図18および図19は、それぞれ前記重合体9の溶液およびフィルム状態のUV−Vis吸収スペクトルを示す図である。
【0225】
製造例10.重合体10の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−(2−ethylhexyl)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))321mg(1.0eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)272.08mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体10)を精製した。
[重合体10]
【化91】
【0226】
製造例11.重合体11の合成
コンデンサ付きの丸いフラスコに、(4,8−ビス(5−((2−エチルヘキシル)チオ)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−2,6−ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)((4,8−bis(5−((2−ethylhexyl)thio)thiophen−2−yl)benzo[1,2−b:4,5−b']dithiophene−2,6−diyl)bis(trimethylstannane))133mg(1.0eq)、1,3−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)−5,7−ビス(2−エチルヘキシル)−4H,8H−ベンゾ[1,2−c:4,5−c']ジチオフェン−4,8−ジオン(1,3−bis(5−bromothiophen−2−yl)−5,7−bis(2−ethylhexyl)−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c']dithiophene−4,8−dione)105.2mg(1.0eq)、およびPd(PPh 0.01g(0.03eq)を注入した後、トルエン16mLおよびDMF1mLを注入した。この後、100℃で17時間還流させ、メタノールにより反応を終了した後、メタノール、ヘキサン、およびアセトンにより合成された高分子(下記の重合体11)を精製した。
[重合体11]
【化92】
【0227】
前記重合体1〜9は、ランダム共重合により形成され、前記重合体10および11は、交差共重合により形成された。
【表1】
【0228】
前記表1で、Mnは数平均分子量を、Mwは重量平均分子量を、Dは分子量分布を意味する。また、Solution λmaxは溶液状態における重合体の最大吸収波長を意味し、Film λmaxはフィルム状態における重合体の最大吸収波長を意味し、Film λedgeはフィルム状態における吸収端を意味し、Optical Eoptはフィルム状態における重合体のHOMOおよびLUMOエネルギーバンドギャップを意味する。
【0229】
<実施例:有機太陽電池の製造>
【0230】
実施例1.
【0231】
(1)複合溶液の製造
前記重合体1と140℃でアニーリング(annealing)した下記化学式A−1を1:1でクロロベンゼン(Chlorobenzene、CB)に溶かして複合溶液(composit solution)を製造した。この時、濃度は2wt%に調節し、前記複合溶液に1,8−ジヨードオクタン(DIO:1,8−diiodooctane)0.5vol%を添加した。
[化学式A−1]
【化93】
【0232】
(2)有機太陽電池の製造
ITOが1.5×1.5cmのバータイプ(bar type)でコーティングされたガラス基板(11.5Ω/□)を蒸留水、アセトン、および2−プロパノールを用いて超音波洗浄し、ITO表面を10分間オゾン処理して第1電極を形成した。
【0233】
前記第1電極上に、ZnOナノ粒子溶液(N−10、Nanograde Ltd、2.5wt% in 1−butanol、0.45μm PTFEでフィルタリング)を4,000rpmで40秒間スピンコーティング(spin−coating)した後、80℃で10分間熱処理して残っている溶媒を除去することにより、電子輸送層を形成した。
【0234】
この後、前記(1)で製造した複合溶液を、前記電子輸送層上に、70℃、1,700rpmで25秒間スピンコーティングして80nm〜100nmの厚さの光活性層を形成し、前記光活性層上に、MoOを0.2Å/sの速度および10−7torrの真空下で10nmの厚さに熱蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0235】
この後、熱蒸着器の内部でAgを1Å/sの速度で100nmの厚さに蒸着して第2電極を形成することにより、インバーテッド(inverted)構造の有機太陽電池を製造した。
【0236】
実施例2.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体2を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0237】
実施例3.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体3を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0238】
実施例4.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体4を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0239】
実施例5.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体5を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0240】
実施例6.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体6を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0241】
実施例7.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体7を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0242】
実施例8.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体8を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0243】
実施例9.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体9を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0244】
比較例1.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体10を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0245】
比較例2.
前記実施例1における前記重合体1の代わりに前記重合体11を用いたことを除けば、実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0246】
前記実施例1〜9、比較例1および2で製造された有機太陽電池の光電変換特性を100mW/cm(AM1.5)の条件で測定し、下記表2にその結果を示した。
【表2】
【0247】
前記表2で、前記Spin−speedは電子輸送層上に複合溶液をスピンコーティングして光活性層を形成する時の、装備の回転速度を、Vocは開放電圧を、Jscは短絡電流を、FFは充填率(Fill factor)を、ηはエネルギー変換効率を意味する。開放電圧と短絡電流は、それぞれ電圧−電流密度曲線の4つの象限におけるX軸およびY軸切片であり、この2つの値が高いほど、太陽電池の効率は好ましく高くなる。また、充填率(Fill factor)は、曲線の内部に描ける長方形の広さを短絡電流と開放電圧との積で割った値である。エネルギー変換効率(η)は、前記開放電圧(Voc)、短絡電流(Jsc)および充填率(FF)の積を入射した光の強度(Pin)で割ると求められ、この値が高いほど好ましい。
【数1】
【0248】
前記表2の結果をみると、本明細書の一実施態様に係る重合体1〜9を電子供与体として用いた実施例1〜9の有機太陽電池は、重合体10および11を電子供与体として用いた比較例1および2の有機太陽電池に比べて、開放電圧が高く、充填率などの素子効率に優れ、エネルギー変換効率に優れていることが分かる。
【符号の説明】
【0249】
101:第1電極
102:電子輸送層
103:光活性層
104:正孔輸送層
105:第2電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19