特許第6970142号(P6970142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6970142レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6970142
(24)【登録日】2021年11月1日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20211111BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20211111BHJP
   C08G 75/045 20160101ALI20211111BHJP
【FI】
   G03F7/11 503
   G03F7/26 511
   C08G75/045
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-108532(P2019-108532)
(22)【出願日】2019年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-215540(P2019-215540A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2019年6月11日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0066832
(32)【優先日】2018年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 信 孝
(72)【発明者】
【氏名】權 純 亨
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢
(72)【発明者】
【氏名】白 載 烈
(72)【発明者】
【氏名】周 範 俊
(72)【発明者】
【氏名】崔 有 廷
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−527460(JP,A)
【文献】 特表2011−527461(JP,A)
【文献】 特開2013−140337(JP,A)
【文献】 特開2014−102285(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0164338(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0010610(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
G03F 7/26
C08G 75/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端に少なくとも1つのチオール基(−SH)を有するイソシアヌレート誘導体を重合させてなる重合体と、
溶媒と、
を含む、レジスト下層膜用組成物であって、
前記イソシアヌレート誘導体は、下記の化学式1−1で表される、レジスト下層膜用組成物:
【化1】

前記化学式1−1において、
およびLは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜10シクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜10ヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリーレン基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリーレン基の中から選択され、
は、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリール基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリール基の中から選択される。
【請求項2】
前記重合体は、
前記イソシアヌレート誘導体と、末端に少なくとも1つの反応性官能基を含む化合物と、を反応させてなる構造単位を有する、請求項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項3】
前記構造単位は、
前記イソシアヌレート誘導体のチオール基(−SH)と、
前記反応性官能基を含む化合物の反応性官能基と、を反応させてなるものである、請求項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項4】
前記反応性官能基を含む化合物は、下記の化学式2で表される、請求項2または3に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化2】

前記化学式2において、
およびAは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換または非置換の炭素数1〜10のカーボネート基、−C(=O)R、および−C(=O)OR(RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子およびハロゲン原子の中から選択される)の中から選択され、
Dは、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜30のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、および置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアリーレン基の中から選択される。
【請求項5】
前記化学式2で表される化合物は、下記の化学式2−1〜化学式2−4で表される化合物のうちの1つ以上を含む、請求項に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

前記化学式2−1〜2−4において、
〜Xは、それぞれ独立して、C(炭素原子)、O(酸素原子)、およびS(硫黄原子)の中から選択され、
11〜R14は、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数2〜7のアルケニル基であり、
15およびR16は、それぞれ独立して、水素原子およびハロゲン原子の中から選択され、
k、l、m、n、o、p、およびqは、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
【請求項6】
前記重合体は、下記の化学式3〜化学式6で表される構造単位の中から選択される少なくとも1つの構造単位を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

前記化学式3〜化学式6において、
〜Xは、それぞれ独立して、C(炭素原子)、O(酸素原子)、およびS(硫黄原子)の中から選択され、
およびLは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリーレン基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリーレン基の中から選択され、
は、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリール基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリール基の中から選択され、
k、l、m、n、o、p、およびqは、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
【請求項7】
前記重合体の重量平均分子量が1,000〜100,000である、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項8】
前記重合体は、組成物の総質量に対して0.1〜30質量%含まれる、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項9】
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、グルコールウリル樹脂、およびメラミン樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの重合体をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項10】
界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせである添加剤をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項11】
基板上にエッチング対象膜を形成する工程と、
前記エッチング対象膜の上に請求項1〜10のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する工程と、
前記レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する工程と、
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする工程と、
を含む、パターン形成方法。
【請求項12】
前記フォトレジストパターンを形成する工程は、
前記レジスト下層膜上にフォトレジスト膜を形成する工程と、
前記フォトレジスト膜を露光する工程と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程と、を含む、請求項11に記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記レジスト下層膜を形成する工程は、前記レジスト下層膜用組成物を塗布した後、100℃〜500℃の温度で熱処理する工程をさらに含む、請求項11または12に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜用組成物、およびこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は、数百ナノメートルサイズのパターンから数〜数十ナノメートルサイズのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック技法が必要である。
【0003】
フォトレジストパターンの形成段階で行われる露光工程は、高解像度のフォトレジストイメージを得るための重要な要素のうちの1つである。
【0004】
フォトレジストの露光に用いられる活性エネルギー線の反射は、時々フォトレジスト膜にパターン化されるイメージの解像度に制限を与えるが、基板とフォトレジスト膜との界面または層間ハードマスク(hardmask)から反射される活性エネルギー線が意図しないフォトレジスト領域に散乱する場合、フォトレジスト線幅(linewidth)の不均一性を引き起こし、パターン形成性を妨害することがある。
【0005】
また、反射される活性エネルギー線を吸収すると同時に、フォトレジストとのエッチング選択比が高くなければならないし、工程中に熱硬化が行われた後、工程に用いられる溶媒に対する耐薬品性が必要であり、その他にもフォトレジストのパターニング工程を助けるためにフォトレジストとの優れた接着性が要求される。
【0006】
このように、反射される活性エネルギー線の問題を減少させるために、基板とフォトレジスト膜との間に有機膜、いわゆるレジスト下層膜(Resist Underlayer)を介してフォトレジストを通過した光を吸収させると同時に、エッチング選択比、耐薬品性、およびレジストとの接着性を改善しようとする試みが続いている。
【0007】
特に、半導体パターンが漸次微細化されることによって、フォトレジストの露光に用いられる活性エネルギー線も、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)など短波長への活用が拡大しており、極端紫外線(EUV、Extreme Ultraviolet)光源を用いて10nm台の超微細パターンを形成するためのパターニング工程に適用できるレジスト下層膜に対する必要性が増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5041175号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、コーティング均一性、光学的物性、およびエッチング速度(etching rate)をいずれも向上させて、パターン形成性を向上させることができるレジスト下層膜用組成物を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記レジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、末端に少なくとも1つのチオール基(−SH)を有するイソシアヌレート単量体から誘導される構造単位を有する重合体と、溶媒と、を含むレジスト下層膜用組成物を提供する。
【0012】
本発明の他の実施形態によれば、基板上にエッチング対象膜を形成する工程と、前記エッチング対象膜の上に本発明のレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する工程と、前記レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを、エッチングマスクを用いて前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする工程と、を含むパターン形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、コーティング均一性、光学的物性、およびエッチング速度をいずれも向上させて、パターン形成性を向上させたレジスト下層膜用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
図2】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
図3】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
図4】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
図5】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0016】
図面において複数の層および領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示し、明細書全体にわたって類似の部分については同一の参照符号を付与する。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるというとき、これは他の部分の“直上”にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0017】
本明細書で別途の定義がない限り、‘置換’とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩の基、スルホン酸基またはその塩の基、リン酸またはその塩の基、ビニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基、炭素数3〜30のアリル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜20のヘテロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルケニル基、炭素数6〜15のシクロアルキニル基、炭素数3〜30のヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0018】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘ヘテロ’とは、N、O、SおよびPから選択されるヘテロ原子を1〜3個含有したものを意味する。
【0019】
以下、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物について説明する。
【0020】
本発明に係るレジスト下層膜用組成物は、末端に少なくとも1つのチオール基(−SH)を有するイソシアヌレート誘導体から誘導される構造単位を有する重合体、および溶媒を含む。前記チオール基(−SH)は、重合反応の連結部位として作用できる官能基である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記イソシアヌレート誘導体の末端チオール基(−SH)は、異なる化合物と結合するかまたはイソシアヌレート誘導体同士が重合するサイトとして作用することができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記イソシアヌレート誘導体は下記の化学式1で表される。
【0023】
【化1】
【0024】
前記化学式1において、
〜Rは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、および置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアリール基の中から選択され、この際、前記R〜Rのうち少なくとも1つの末端は、チオール基(−SH)で置換されている。
【0025】
具体的には、前記イソシアヌレート誘導体は、下記の化学式1−1で表される。
【0026】
【化2】
【0027】
前記化学式1−1において、
およびLは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリーレン基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリーレン基の中から選択され、
は、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または非置換の1〜10のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換のまたは炭素数6〜10のアリール基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリール基の中から選択される。
【0028】
また、本発明の一実施形態において、前記構造単位は、前記イソシアヌレート誘導体と末端に少なくとも1つの反応性官能基を含む化合物と、を反応させてなるものであってもよい。
【0029】
具体的には、前記構造単位は、前記イソシアヌレート誘導体のチオール基(−SH)と前記反応性官能基を含む化合物の反応性官能基を反応させてなるものであってもよい。
【0030】
前記反応性官能基を含む化合物は、下記の化学式2で表される化合物であることが好ましい。
【0031】
【化3】
【0032】
前記化学式2において、
およびAは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換または非置換の炭素数1〜10のカーボネート基、−C(=O)R、および−C(=O)OR(RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子およびハロゲン原子の中から選択される)の中から選択され、
Dは、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜30のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、および置換または非置換の炭素数1〜30のヘテロアリーレン基の中から選択される。
【0033】
前記化学式2で表される化合物は、下記の化学式2−1〜化学式2−4で表される化合物のうちの1つ以上を含むことが好ましい。
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
前記化学式2−1〜2−4において、
〜Xは、それぞれ独立して、C(炭素原子)、O(酸素原子)、およびS(硫黄原子)の中から選択され、
11〜R14は、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数2〜7のアルケニル基であり、
15およびR16は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子の中から選択され、
k、l、m、n、o、p、およびqは、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
【0039】
前記構造単位は、下記の化学式3〜化学式6で表される構造単位の中から選択される少なくとも1つであり得る。
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
前記化学式3〜化学式6において、
〜Xは、それぞれ独立して、C(炭素原子)、O(酸素原子)、およびS(硫黄原子)の中から選択され、
およびLは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリーレン基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリーレン基の中から選択され、
は、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜10のアリール基、および置換または非置換の炭素数1〜10のヘテロアリール基の中から選択され、
k、l、m、n、o、p、およびqは、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
【0045】
本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物に含まれる重合体は、前記イソシアヌレート誘導体の末端チオール基(−SH)が異なる化合物と結合するか、イソシアヌレート誘導体同士が重合するように構成され得る。つまり、前記レジスト下層膜組成物に含まれる重合体は、主鎖に硫黄原子(S)が含まれているため、高い屈折率および速いエッチング速度を実現することができる。
【0046】
また、前記レジスト下層膜組成物に上記重合体が含まれることにより、溶解性に優れ、コーティング均一性に優れたレジスト下層膜を形成することができる。このような重合体をレジスト下層膜用材料として用いる場合、ベーキング工程中にピンホールおよびボイドの形成や厚さのばらつきがほとんど生じることなく、均一な薄膜を形成することができる。それだけでなく、下部基板(または膜)に段差が存在する場合、またはパターンを形成する場合、優れたギャップフィルおよび平坦化特性を提供することができる。
【0047】
また、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物は、光学的特徴に優れているため、フォトレジストのパターニング実行時にレジスト下層膜によって露光光線が反射して、フォトレジストの下部面に入射することを最小化できる。また、このようなレジスト下層膜を使用することでフォトレジストの解像度を最適化させ、工程収率を向上させることができる。
【0048】
半導体産業の発達に伴い、半導体パターンの高密度化、集積化が進められ、パターン間の間隔が狭くなることによってフォトリソグラフィを用いたパターニング工程で光学的特性が重要になった。露光の際、乱反射が起きる場合に生じるパターンプロファイルは、欠陥(defect)などの形態で現れるので、これを防止するため、フォトレジストの下部膜に反射防止膜コーティングを形成する方法が導入された。
【0049】
しかし、従来の反射防止膜コーティングの場合、フォトレジストとの関係で屈折率や吸光係数が適合しなくて乱反射が発生する可能性がある。また、耐薬品性が悪く、フォトレジストの塗布に使用される溶剤、フォトレジスト現像液などによってコーティングが損傷する可能性もあり、エッチングガスによってよくエッチングされず、全般的なエッチング速度が低下する恐れもある。さらに、最近、パターンの超薄膜化傾向に合わせて厚さを約100ナノメートル以下程度に薄膜を形成するとき薄膜のコーティング均一性が良くない恐れもある。
【0050】
しかし、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物でレジスト下層膜を形成する場合、フォトリソグラフィに用いる光線(例えば、波長193nm ArFエキシマレーザ)に対する高い屈折率と低い吸光係数とを示すので、露光光線の乱反射などを最小化できる。
【0051】
また、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物は、前述した構造単位を有する重合体を含むため、比較的均一な厚さにコーティングできるとともに、半導体工程で使用される各種溶剤に対する不溶性を有することができる。
【0052】
さらに、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物を用いることにより、厚さ100ナノメートル以下に超薄膜化された薄膜を形成することができ、エッチングガスによってフォトレジストよりも速い速度でエッチングが起きるので、優れたエッチング速度を示す。したがって、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物は、高度なエッチング特性が要求される場合、例えばエッチング速度パターンの縦横比が小さいArF、ArF−i、EUV(Extreme Ultraviolet、極端紫外線)リソグラフィ工程などに適用可能である。一例として、EUVリソグラフィ工程は、10nm〜20nmの波長、一例として、13.5nmのような非常に短い波長の光を用いるリソグラフィ技術であって、20nm以下の幅を有する超微細パターンを形成することができる工程である。
【0053】
また、前記重合体は、1,000〜100,000の重量平均分子量を有することが好ましい。前記重合体は、1,000〜50,000の重量平均分子量を有することがより好ましく、1,000〜20,000の重量平均分子量を有することがさらに好ましい。このような範囲の重量平均分子量を有することによって、重合体を含むレジスト下層膜用組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。なお、重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0054】
前記溶媒は、前記重合体に対する十分な溶解性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、ガンマブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、アセチルアセトン、および3−エトキシプロピオン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0055】
前記重合体は、前記レジスト下層膜用組成物の総質量に対して0.1〜30質量%、0.1〜20質量%、または0.1〜10質量%で含まれ得る。このような範囲で含まれることによって、レジスト下層膜の厚さ、表面粗さ、および平坦化程度を調節することができる。
【0056】
また、前記レジスト下層膜用組成物は、前記化学式2で表される化合物が結合した構造単位を含む重合体以外に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、グルコールウリル樹脂、およびメラミン樹脂の少なくとも1つの他の重合体をさらに含むことができるが、これらに限定されない。
【0057】
また、前記レジスト下層膜用組成物は、前記化学式3〜化学式6で表される構造単位を有する重合体以外に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、グルコールウリル樹脂、およびメラミン樹脂の少なくとも1つの他の重合体をさらに含むことができるが、これらに限定されない。
【0058】
前記レジスト下層膜用組成物は、界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせである添加剤をさらに含むことができる。
【0059】
前記界面活性剤の例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0060】
前記熱酸発生剤の例としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物、および/または2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、有機スルホン酸アルキルエステルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0061】
前記添加剤は、前記レジスト下層膜用組成物100質量部に対して0.001〜40質量部で含まれ得る。このような範囲で含まれることによって、レジスト下層膜用組成物の光学的特性を変えることなく、溶解度を向上させることができる。
【0062】
また、本発明の他の実施形態によれば、前述したレジスト下層膜用組成物を用いて製造されたレジスト下層膜を提供する。前記レジスト下層膜は、前述したレジスト下層膜用組成物を、例えば基板上にコーティングした後、熱処理工程により硬化した形態であってもよい。前記レジスト下層膜は、例えば反射防止膜であってもよい。
【0063】
以下、前述したレジスト下層膜用組成物を用いてパターンを形成する方法について図1図5を参照して説明する。
【0064】
図1〜5は、本発明によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面模式図である。
【0065】
図1を参照すると、まずエッチング対象物を用意する。エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であり得る。以下、エッチング対象物が薄膜102である場合について説明する。薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために、薄膜102の表面を前洗浄する。薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜、またはシリコン酸化膜であり得る。
【0066】
次に、乾燥およびベーキング工程を行って、薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。ベーキング工程(熱処理工程)は、100℃〜500℃で行うことができ、例えば100℃〜300℃で行うことができる。より具体的なレジスト下層膜用組成物については、上述したため、ここではその説明を省略する。
【0067】
図2を参照すると、レジスト下層膜104の上にフォトレジストをコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。
【0068】
フォトレジストの例としては、露光により酸を解離可能な光酸発生剤、酸の存在下で分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する化合物、およびアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジティブ型フォトレジスト、酸発生剤および酸の存在下で分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂と結合可能な基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジティブ型フォトレジストなどが挙げられる。
【0069】
次に、フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。第1ベーキング工程は、90℃〜120℃の温度で行うことができる。
【0070】
図3を参照すると、フォトレジスト膜106を選択的に露光する。
【0071】
フォトレジスト膜106を露光するための露光工程を一例で説明すると、露光装置のマスクステージ上に所定のパターンが形成された露光マスク110を配置し、フォトレジスト膜106上に露光マスク110を配置する。次に、露光マスク110に光を照射することによって、基板100に形成されたフォトレジスト膜106の所定部位が、露光マスク110を透過した光と選択的に反応するようになる。
【0072】
一例として、露光工程で用いることができる光の例としては、365nmの波長を有するi線、248nmの波長を有するKrFエキシマレーザ、193nmの波長を有するArFエキシマレーザのような短波長光があり、その他にも極紫外光に相当する13.5nmの波長を有するEUV(Extreme ultraviolet)などが挙げられる。
【0073】
露光された部位のフォトレジスト膜106bは、非露光部位のフォトレジスト膜106aに比べて高い親水性を有することになる。したがって、露光された部位106bおよび非露光部位106aのフォトレジスト膜は、互いに異なる溶解度を有することになる。
【0074】
次に、基板100に第2ベーキング工程を行う。第2ベーキング工程は、90℃〜150℃の温度で行うことができる。第2ベーキング工程を行うことによって、露光された部位のフォトレジスト膜106bは、特定の溶媒に溶解しやすい状態となる。
【0075】
図4を参照すると、現像液を用いて、露光された部位のフォトレジスト膜106bを溶解した後除去することによって、フォトレジストパターン108を形成する。具体的には、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetramethyl ammonium hydroxide;TMAH)などの現像液を用いて、露光された部位のフォトレジスト膜106bを溶解した後除去することによって、フォトレジストパターン108が完成する。
【0076】
次に、フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして、レジスト下層膜104をエッチングする。このようなエッチング工程で、有機膜パターン112が形成される。エッチングは、例えばエッチングガスを用いた乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスとしては、例えば、CHF、CF、Cl、BCl、またはこれらの混合ガスを用いることができる。上述したように、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物によって形成されたレジスト下層膜は、速いエッチング速度を有するため、短時間で円滑なエッチング工程を行うことができる。
【0077】
図5を参照すると、フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して、露出された薄膜102をエッチングする。その結果、薄膜102は、薄膜パターン114となる。i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長光源を用いた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、数十nm〜数百nmの幅を有することができ、EUV光源を用いた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、20nm以下の幅を有することができる。
【実施例】
【0078】
以下、前述した重合体の合成およびこれを含むレジスト下層膜用組成物の製造に関する実施例を通じて、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、下記の実施例により本発明の技術的範囲が限定されるわけではない。
【0079】
合成例
(合成例1)
500mlの二口丸型フラスコに、1−(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ビス(3−メルカプトプロピル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン〔1−(2−hydroxyethyl)−3,5−bis(3−mercaptopropyl)−1,3,5−triazinane−2,4,6−trione〕30g、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(1,4−Cyclohexanedimethanol divinyl ether)22.92g、AIBN 0.389g、およびジメチルホルムアミド(DMF)150gを投入してコンデンサを連結した。温度を80℃に上げ、2.5時間反応させた後、当該反応液を常温に冷却した。その後、前記反応液を1Lの広口瓶に移し、ヘキサンで3回洗浄し、次に、ジエチルエーテルおよび精製水を用いて順次に洗浄した。得られたガム(gum)状態のレジンを、THF 80gを用いて完全に溶解した後、攪拌中である700gのトルエンにゆっくり滴下した。溶媒を取り除いた後、真空ポンプを用いて残っている溶媒をさらに除去することにより、最終的に下記の化学式3Aで表される構造単位を含む重合体(Mw=6,300)を得た。
【0080】
【化12】
【0081】
(合成例2)
500mlの二口丸型フラスコに、1−(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ビス(3−メルカプトプロピル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン〔1−(2−hydroxyethyl)−3,5−bis(3−mercaptopropyl)−1,3,5−triazinane−2,4,6−trione〕30g、アリルエーテル 11.45g、AIBN 0.326g、およびDMF 120gを投入してコンデンサを連結した。温度を80℃に上げ、2.5時間反応させた後、当該反応液を常温に冷却した。その後、前記反応液を1Lの広口瓶に移した後、ヘキサンで3回洗浄し、次に、精製水を用いて順次に洗浄した。得られたガム(gum)状態のレジンを、THF 80gを用いて完全に溶解した後、攪拌中である700gのトルエンにゆっくり滴下した。溶媒を取り除いた後、真空ポンプを用いて残っている溶媒をさらに除去することにより、最終的に下記の化学式4Aで表される構造単位を含む重合体(Mw=5,800)を得た。
【0082】
【化13】
【0083】
(合成例3)
500mlの二口丸型フラスコに、1−(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ビス(3−メルカプトプロピル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン〔1−(2−hydroxyethyl)−3,5−bis(3−mercaptopropyl)−1,3,5−triazinane−2,4,6−trione〕30g、1,5−ヘキサンジエン ジエポキシド(1,5−hexadiene diepoxide)10.65g、およびトリエチルアミン 10gを投入してコンデンサを連結した。温度を60℃に上げ、2時間反応させた後、当該反応液を常温に冷却した。その後、前記反応液を1Lの広口瓶に移した後、ヘキサンで3回洗浄し、次に、精製水を用いて順次に洗浄した。得られたガム(gum)状態のレジンを、THF 80gを用いて完全に溶解した後、攪拌中である700gのヘキサンにゆっくり滴下した。溶媒を取り除いた後、真空ポンプを用いて残っている溶媒をさらに除去することにより、最終的に下記の化学式5Aで表される構造単位を含む重合体(Mw=4,800)を得た。
【0084】
【化14】
【0085】
(合成例4)
500mlの二口丸型フラスコに、1−(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ビス(3−メルカプトプロピル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン〔1−(2−hydroxyethyl)−3,5−bis(3−mercaptopropyl)−1,3,5−triazinane−2,4,6−trione〕30g、コハク酸クロリド 15.91gを投入して常温で攪拌しながらトリエチルアミン 13.85gを滴下した。2.5時間反応させた後、当該反応液を常温に冷却した。その後、前記反応液を1Lの広口瓶に移し、炭酸カリウム(potassium carbonate)で中和させた後、ヘキサンで3回洗浄し、次に、精製水を用いて順次に洗浄した。得られたガム(gum)状態のレジンを、THF 80gを用いて完全に溶解した後、攪拌中である700gのトルエンにゆっくり滴下した。溶媒を取り除いた後、真空ポンプを用いて残っている溶媒をさらに除去することにより、最終的に下記の化学式6Aで表される構造単位を含む重合体(Mw=2,200)を得た。
【0086】
【化15】
【0087】
(比較合成例)
500mlの二口丸型フラスコに、メチルメタクリレート 40g、2−ヒドロキシエチルアクリレート 52.1g、ベンジルアクリレート 70.4g、AIBN 2g、および1,4−ジオキサン 306gを投入してコンデンサを連結した。温度を80℃に上げ、2.5時間反応後、当該反応液を常温に冷却した。反応液を3Lの広口瓶に移した後、ヘキサンで洗浄した。得られたレジンを30℃真空オーブンで乾燥させて残余の溶媒を除去することにより、最終的に下記の化学式7Aで表される構造単位を含む重合体(Mw=12,000)を得た。
【0088】
【化16】
【0089】
レジスト下層膜用組成物の製造
(実施例1)
合成例1で製造された重合体、PD1174(TCI社製;硬化剤)(重合体100質量部に対して15質量部)およびピリジニウムp−トルエンスルフォナート(重合体100質量部に対して1質量部)を、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよび乳酸エチルの混合溶媒(混合質量比=1:1)に溶かした後、6時間攪拌してレジスト下層膜用組成物を製造した。
【0090】
前記混合溶媒の使用量は、前記重合体の固形分含有量が、製造されるレジスト下層膜用組成物全体に対して1質量%になるようにした。
【0091】
(実施例2〜実施例4)
合成例1で製造された重合体の代わりに、合成例2〜4で製造された重合体をそれぞれ使用したことを除いては、実施例1と同様にして、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0092】
(比較例)
合成例1で製造された重合体の代わりに、比較合成例で製造された重合体を使用したことを除いては、実施例1と同様にして、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0093】
〔光学物性評価〕
実施例1〜4および比較例で製造された組成物を、それぞれ2mlずつ取って4インチウェハーの上にそれぞれ塗布した後、スピンコーター(Mikasa社製)を用いて、1,500rpmで20秒間スピンコーティングを行い、210℃で90秒間硬化して、60nm厚さの薄膜を形成した。
【0094】
それぞれの薄膜に対して、VASE Ellipsometer(J.A.Woollam社製)を用いて、800Å条件で、各薄膜に対する屈折率(n)および吸光係数(k)を測定し、その結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
上記表1に記載の通り、実施例の組成物は、比較例の組成物に比べて高い屈折率を有することを確認することができる。
【0097】
エッチング速度の評価
実施例1〜4および比較例で製造された組成物をそれぞれ2mlずつ取り、12インチのウェハーの上にそれぞれ塗布した後、12” WF track (SVS Co., Ltd., MSX3000)オートトラックを用いて1,500rpmで20秒間スピンコーティングを行った。この後、205℃で60秒間硬化してレジスト下層膜を形成した。形成されたレジスト下層膜それぞれに対して、CF、CHF、およびOガス下で20秒間エッチングを行い、エッチングされた厚さを測定してエッチング速度を確認し、その結果を下記表2に示した。
【0098】
表2において、エッチング速度の結果は、比較例の値を基準(1.0)と設定し、比較例に対する実施例のエッチング速度を相対比率で表した。
【0099】
【表2】
【0100】
上記表2に記載の通り、実施例の組成物によれば、比較例の組成物と比較してエッチング速度が顕著に向上したことを確認することができる。
【0101】
以上、本発明の特定の実施例を説明したが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱しないで、多様に修正および変形できることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとっては自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的思想や観点から個別的に理解されてはならないし、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するものと理解される。
【符号の説明】
【0102】
100 基板、
102 薄膜、
104 レジスト下層膜、
106 フォトレジスト膜、
108 フォトレジストパターン、
110 マスク、
112 有機膜パターン、
114 薄膜パターン。
図1
図2
図3
図4
図5