【実施例】
【0072】
<実施例>
(触媒製造)
実施例1(サンプル1対応)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを58.6g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを10.7g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0073】
比較例1(サンプル2対応)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水56gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを58.6gを入れて攪拌しながら、硝酸を17.6g添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水1020gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを255.9g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液AとBを混合して1時間攪拌した後、滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた。滴下(dropping)は2時間行い、滴下(dropping)完了後に1時間同一条件で攪拌した。
エージングを終えたパイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0074】
実施例2(サンプル3)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを29.3g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを5.4g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0075】
実施例3(サンプル4)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを70.3g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを12.8g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した(第1共沈液)。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0076】
実施例4(サンプル5)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを82g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを14.5g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0077】
実施例5(サンプル6対応)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、Fe(NO
3)
3・9H
2Oを73.2g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにBi(NO
3)
3・5H
2Oを58.6g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを10.7g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0078】
実施例6(サンプル7対応)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにFe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、そしてBi(NO
3)
3・5H
2Oを58.6g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを10.7g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌した後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に470
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0079】
実施例7(サンプル8対応)
前駆体水溶液A:蒸留水183gが入っているビーカーにFe(NO
3)
3・9H
2Oを63.4g、そしてCo(NO
3)
2・6H
2Oを281.2g順次に投入した後、攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液B:蒸留水100gが入っているビーカーにKNO
3を0.2g、CsNO
3を11.7g、そしてBi(NO
3)
3・5H
2Oを58.6g入れて攪拌しながら、硝酸14gを添加した。
前駆体水溶液C:蒸留水900gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2Oを245.2g入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液C’:蒸留水180gが入っているビーカーに(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O 10.7gを入れて攪拌しながら溶かした。
前駆体水溶液Aは滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液Cに投入して沈殿させた(第1共沈液)。滴下(Dropping)は約1時間行い、その後、約30分程度同一条件で攪拌した。
これと同時に、前駆体水溶液Bを滴下漏斗(dropping funnel)を用いて攪拌中である40
℃の前駆体水溶液C’に添加した(第2共沈液)。滴下(Dropping)は約30分間行い、その後、約1時間程度同一条件で攪拌した。
エージングを終えた第2共沈液を第1共沈液に添加し、同じ条件で約40分間さらに攪拌させた後、パイレックス(登録商標)トレイ(pyrex tray)に移し替えて、120
℃で24時間乾燥した。
乾燥されたサンプルを粉砕機で粉砕した後、標準ふるいを用いて355μm以下大きさの粒子のみ収集してイソプロピルアルコール:蒸留水=1:1の重量比で混合した溶液を噴霧しながら粉末をこねた。
こねられた粉末は円筒形ペレットに押出成形した(直径=0.6cm)。成形を終えたペレットを乾燥した後、空気を流しながら最終的に450
℃で熱処理して触媒を製造した。
【0080】
(XRD測定)
図1は、本発明の実施例1および比較例1による触媒のX線回折(X−ray diffraction、XRD)イメージである。
【0081】
図1を参照すれば、本発明の実施例1によって製造された触媒で、コバルト−モリブデン−酸素結晶構造と、ビスマス−モリブデン−酸素結晶構造、それぞれによるピークを明確に確認することができ、特に、本発明の実施例1でβ−CoMoO
4(a)に該当する回折ピーク(diffraction peak)が相対的に広く現れるのを明確に確認することができ、これはβ−CoMoO
4相が高分散されているということを意味する。
【0082】
(元素含量測定)
前記実施例1および比較例1による触媒に対して、各元素別表面組成と全体組成を測定した。
表面組成はXPSを用いて測定し、全体組成はICP−OESを用いて測定した。
【0083】
測定された組成を下記表1に整理した。
【0084】
【表1】
【0085】
上記表1を参照すれば、本発明の実施例による触媒は、表面で相対的に多い量のビスマスを含み、深部で相対的に多い量のコバルトを含むのを明確に確認することができ、特に、下記計算式1で表される値が約11.2であるのを明確に確認することができる。
【0086】
【数2】
【0087】
上記計算式1で、
BARSは、前記触媒表面で、XPSで測定した、ビスマスのモル含量(atomic ratio、%)/コバルトのモル含量(atomic ratio、%)であり、
BARTは、前記触媒全体で、ICP−OESで測定した、ビスマスのモル含量(atomic ratio、%)/コバルトのモル含量(atomic ratio、%)である。
【0088】
(ブテン酸化脱水素化反応)
前記実施例および比較例で製造した触媒を用いて、ブテン酸化脱水素反応を実施した。
反応器は内径3/4インチ、長さ55cmであり、溶融塩(molten salt)によって温度が調節されるチューブ反応器で行った。この時、溶融塩(molten salt)の温度は320であった。
反応機内部は不活性アルミナボール、触媒、不活性アルミナボールを順次に28、20、59ccずつ充填した。
GHSV(gas hourly space velocity)は1−butene基準に100h
-1であった。
生成物は、熱伝導度検出器(thermal conductivity detector、TCD)および水素炎イオン化検出器(flame ionization detector、FID)が装着されたガスクロマトグラフ(gas chromatograph、GC)を用いて分析した。
【0089】
実験結果を表2に示した。
【0090】
【表2】
【0091】
上記表2を参照すれば、本願発明の実施例によって製造された触媒は、比較例に比べて、転換率において、約10%ポイント以上優れた効果を示すのを確認することができ、CO
x選択度においても、大体比較例より優れているのを確認することができる。