【実施例】
【0051】
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、
図1、
図4、
図7、
図10、及び、
図13は、各実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1〜ZL5)の構成及び屈折力配分を示す断面図である。また、これらの変倍光学系ZL1〜ZL5の断面図の下部には、広角端状態(W)から中間焦点距離状態(M)を経て望遠端状態(T)に変倍する際の、各レンズ群G1〜G5(又はG6、G7)の光軸に沿った移動方向、及び、無限遠合焦状態(∞)から至近合焦状態に合焦する際の物体側合焦群GfF及び像側合焦群GfRの光軸に沿った移動方向が矢印で示されている。
【0052】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をKとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で表される。なお、以降の実施例において、「e−n」は「×10
-n」を示す。
【0053】
S(y)=(y
2/r)/{1+(1−K×y
2/r
2)
1/2}
+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 (a)
【0054】
なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0である。また、各実施例の表中において、非球面には面番号の左側に*印を付している。
【0055】
[第1実施例]
図1は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の構成を示す図である。この
図1に示す変倍光学系ZL1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、から構成されている。
【0056】
この変倍光学系ZL1において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12とを接合した接合正レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を有して構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凹レンズ形状の非球面負レンズL22、及び、両凸レンズL23を有して構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31を有して構成されている。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL41、及び、両凸レンズL42と両凹レンズL43とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ形状の非球面正レンズL61、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL62と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL63とを接合した接合正レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL64を有して構成されている。また、開口絞りSは、第4レンズ群G4の最も物体側のレンズ面(第15面)の物体側に配置されている。
【0057】
この変倍光学系ZL1では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増大し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が減少し、第6レンズ群G6と像面Iとの空気間隔が増大するように、第1レンズ群G1から第6レンズ群G6の各レンズ群が光軸上を移動する。なお、開口絞りSは、変倍に際し第4レンズ群G4とともに移動する。
【0058】
また、この変倍光学系ZL1では、物体側合焦群GfFを第3レンズ群G3とし、像側合焦群GfRを第5レンズ群G5とし、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4及び第6レンズ群G6を像面Iに対して固定とし、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3を光軸に沿って像側から物体側に移動させ、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5を光軸に沿って像側から物体側に移動させることにより行うように構成されている。なお、この合焦において、物体側合焦群GfFと像側合焦群GfRとの移動軌跡は異なるように構成されている。
【0059】
以下に、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の諸元の値を掲げる。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
【0060】
まず、表1に全体諸元を示す。この全体諸元において、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角[°]、Yは最大像高、TLは全長、及び、BFはバックフォーカスの値を表しており、広角端状態(W)、中間焦点距離状態(M)及び望遠端状態(T)のそれぞれにおける値が示されている。ここで、全長TLは、無限合焦時の最も物体側のレンズ面(
図1における第1面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。また、バックフォーカスBFは、無限遠合焦時の最も像側のレンズ面(
図1における第29面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。なお、BF(air)はバックフォーカスの空気換算長を示している。
【0061】
【表1】
【0062】
次に、表2にレンズデータを示す。このレンズデータにおける第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは、各レンズ面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄nd及び第5欄νdは、d線(λ=587.6nm)に対する屈折率及びアッベ数を示している。また、曲率半径0.00000は平面を示し、空気の屈折率1.00000は省略してある。
【0063】
【表2】
【0064】
また、表3にレンズ群焦点距離を示す。このレンズ群焦点距離におけるgは各レンズ群の符号を、mは各レンズ群の始面(最も物体側のレンズ面の面番号)を、fgは各レンズ群の焦点距離を示している。
【0065】
【表3】
【0066】
この変倍光学系ZL1において、第8面、第9面、第15面、第16面、第23面及び第25面は非球面形状に形成されている。次の表4に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0067】
【表4】
【0068】
また、この変倍光学系ZL1において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D5、第2レンズ群と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D11、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔D13、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔D19、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔D22、及び、第6レンズ群G6と像面Iとの軸上空気間隔D29(バックフォーカスBFに相当する)は、変倍及び合焦に際して変化する。次の表5に、無限遠物体合焦状態、並びに、至近合焦状態での可変間隔を示す。なお、この表5において、Infiniteは無限遠合焦状態を示し、Closestは至近合焦状態を示す。また、Wは広角端状態を、Mは中間焦点距離状態を、Tは望遠端状態を示す。また、D0は変倍光学系ZL1の最も物体側の面(第1面)から物体までの距離を示し、βは撮影倍率を示し、fは全系の焦点距離を示す。
【0069】
【表5】
【0070】
次の表6に、この変倍光学系ZL1における各条件式対応値を示す。この条件式対応値において、ff1は第1合焦群Gf1の焦点距離を、ff2は第2合焦群Gf2の焦点距離を、FZ1Wは広角端状態且つ無限遠合焦状態において第1合焦群Gf1が光軸方向に1[mm]移動した際の軸上合焦位置の変動量[mm]を、FZ1Tは望遠端状態且つ無限遠合焦状態において第1合焦群Gf1が光軸方向に1[mm]移動した際の軸上合焦位置の変動量[mm]を、FZ2Wは広角端状態且つ無限遠合焦状態において前記第2合焦群Gf2が光軸方向に1[mm]移動した際の軸上合焦位置の変動量[mm]を、FZ2Tは望遠端状態且つ無限遠合焦状態において第2合焦群Gf2が光軸方向に1[mm]移動した際の軸上合焦位置の変動量[mm]を、νd1は第1合焦群Gf1に含まれるレンズの媒質のd線に対するアッベ数をそれぞれ表している。なお、この第1実施例において、第1合焦群Gf1は、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3が相当し、第2合焦群Gf2は、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5が相当する。また、νd1は、第1合焦群Gf1である第3レンズ群G3の負メニスカスレンズL31の値である。
【0071】
【表6】
【0072】
このように、第1実施例に係る変倍光学系ZL1は、上記条件式(1)〜(3)、(5)及び(3′)、(6)並びに(7)を満足している。
【0073】
この変倍光学系ZL1の、無限遠合焦状態及び至近合焦状態における、広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図を
図2及び
図3に示す。各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバー又は開口数の値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、横収差図では各像高の値を示している。また、dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示す。また、非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示している。また、歪曲収差図はd線の値を示している。また、以降に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。これらの各収差図より、この変倍光学系ZL1は、合焦における無限遠物体合焦状態から至近合焦状態にわたって、また、変倍における広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0074】
[第2実施例]
図4は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の構成を示す図である。この
図4に示す変倍光学系ZL2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、から構成されている。
【0075】
この変倍光学系ZL2において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12とを接合した接合正レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を有して構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凹レンズ形状の非球面負レンズL22、及び、両凸レンズL23を有して構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズL31と両凸レンズL32とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL41、及び、両凸レンズL42と両凹レンズL43とを接合した接合正レンズを有して構成されている。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ形状の非球面正レンズL61と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL62とを接合した接合正レンズ、両凸レンズL63と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL64とを接合した接合正レンズ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL65、及び、両凹レンズL66を有して構成されている。また、開口絞りSは、第4レンズ群G4の最も物体側のレンズ面(第16面)の物体側に配置されている。
【0076】
この変倍光学系ZL2では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増大し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が減少し、第6レンズ群G6と像面Iとの空気間隔が増大するように、第1レンズ群G1から第6レンズ群G6の各レンズ群が光軸上を移動する。なお、開口絞りSは、変倍に際し第4レンズ群G4とともに移動する。
【0077】
また、この変倍光学系ZL2では、物体側合焦群GfFを第3レンズ群G3とし、像側合焦群GfRを第5レンズ群G5とし、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4及び第6レンズ群G6を像面Iに対して固定とし、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3を光軸に沿って像側から物体側に移動させ、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5を光軸に沿って像側から物体側に移動させることにより行うように構成されている。なお、この合焦において、物体側合焦群GfFと像側合焦群GfRとの移動軌跡は異なるように構成されている。
【0078】
以下に、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の諸元の値を掲げる。まず、表7に全体諸元を示す。
【0079】
【表7】
【0080】
次に、表8に第2実施例におけるレンズデータを示す。
【0081】
【表8】
【0082】
また、表9に第2実施例におけるレンズ群焦点距離を示す。
【0083】
【表9】
【0084】
この変倍光学系ZL2において、第8面、第16面、第17面及び第24面は非球面形状に形成されている。次の表10に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0085】
【表10】
【0086】
また、この変倍光学系ZL2において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D5、第2レンズ群と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D11、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔D14、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔D20、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔D23、及び、第6レンズ群G6と像面Iとの軸上空気間隔D33(バックフォーカスBFに相当する)は、変倍及び合焦に際して変化する。次の表11に、無限遠物体合焦状態、並びに、至近合焦状態での可変間隔を示す。
【0087】
【表11】
【0088】
次の表12に、この変倍光学系ZL2における各条件式対応値を示す。なお、この第2実施例において、第1合焦群Gf1は、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3が相当し、第2合焦群Gf2は、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5が相当する。また、νd1は、第1合焦群Gf1である第3レンズ群G3の両凹レンズL31の値である。
【0089】
【表12】
【0090】
このように、第2実施例に係る変倍光学系ZL2は、上記条件式(1)〜(3)、(5)及び(3′)、(6)並びに(7)を満足している。
【0091】
この変倍光学系ZL2の、無限遠合焦状態及び至近合焦状態における、広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図を
図5及び
図6に示す。これらの各収差図より、この変倍光学系ZL2は、合焦における無限遠物体合焦状態から至近合焦状態にわたって、また、変倍における広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0092】
[第3実施例]
図7は、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の構成を示す図である。この
図7に示す変倍光学系ZL3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、から構成されている。
【0093】
この変倍光学系ZL3において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とを接合した接合正レンズを有して構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL22、両凸レンズL23、及び、像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凹レンズ形状の非球面負レンズL24を有して構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL31、両凸レンズL32と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL33とを接合した接合正レンズ、両凹レンズL34と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL35とを接合した接合正レンズ、及び、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL36を有して構成されている。また、第4レンズ群G4は、像側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL41を有して構成されている。また、第5レンズ群G5は、物体側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL51を有して構成されている。また、開口絞りSは、第3レンズ群G3の非球面正レンズL31と両凸レンズL32との間に配置されている。また、第5レンズ群G5と像面Iとの間にはフィルタFLが配置されている。
【0094】
この変倍光学系ZL3では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5とフィルタFLとの空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1から第5レンズ群G5の各レンズ群が光軸上を移動する。なお、開口絞りSは、変倍に際し第3レンズ群G3とともに移動する。
【0095】
また、この変倍光学系ZL3では、物体側合焦群GfFを第2レンズ群G2とし、像側合焦群GfRを第4レンズ群G4とし、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5を像面Iに対して固定とし、物体側合焦群GfFである第2レンズ群G2を光軸に沿って像側から物体側に移動させ、像側合焦群GfRである第4レンズ群G4を光軸に沿って物体側から像側に移動させることにより行うように構成されている。なお、この合焦において、物体側合焦群GfFと像側合焦群GfRとの移動軌跡は異なるように構成されている。
【0096】
以下に、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の諸元の値を掲げる。まず、表13に全体諸元を示す。
【0097】
【表13】
【0098】
次に、表14に第3実施例におけるレンズデータを示す。
【0099】
【表14】
【0100】
また、表15に第3実施例におけるレンズ群焦点距離を示す。
【0101】
【表15】
【0102】
この変倍光学系ZL3において、第6面、第11面、第12面、第13面、第21面、第22面、第24面及び第25面は非球面形状に形成されている。次の表16に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0103】
【表16】
【0104】
また、この変倍光学系ZL3において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D3、第2レンズ群と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D11、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔D22、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔D24、及び、第5レンズ群G5とフィルタFLIとの軸上空気間隔D26は、変倍及び合焦に際して変化する。次の表17に、無限遠物体合焦状態、並びに、至近合焦状態での可変間隔を示す。
【0105】
【表17】
【0106】
次の表18に、この変倍光学系ZL3における各条件式対応値を示す。なお、この第3実施例において、第1合焦群Gf1は、物体側合焦群GfFである第2レンズ群G2が相当し、第2合焦群Gf2は、像側合焦群GfRである第4レンズ群G4が相当する。また、νd1は、第1合焦群Gf1である第2レンズ群G2の負メニスカスレンズL21の値である。
【0107】
【表18】
【0108】
このように、第3実施例に係る変倍光学系ZL3は、上記条件式(1)〜(3)、(5)及び(3′)、(6)並びに(7)を満足している。
【0109】
この変倍光学系ZL3の、無限遠合焦状態及び至近合焦状態における、広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図を
図8及び
図9に示す。これらの各収差図より、この変倍光学系ZL3は、合焦における無限遠物体合焦状態から至近合焦状態にわたって、また、変倍における広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0110】
[第4実施例]
図10は、第4実施例に係る変倍光学系ZL4の構成を示す図である。この
図10に示す変倍光学系ZL4は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、から構成されている。
【0111】
この変倍光学系ZL4において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL12、及び、両凸レンズL13を有して構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL21と物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ形状の非球面正レンズL31、及び、両凸レンズL32と両凹レンズL33とを接合した接合正レンズを有して構成されている。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凹レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第5レンズ群G5は、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL51と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL52とを接合した接合負レンズ、両凸レンズL53と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL54とを接合した接合正レンズ、両凸レンズL55、及び、両凹レンズL56を有して構成されている。また、開口絞りSは、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズ面(第11面)の物体側に配置されている。
【0112】
この変倍光学系ZL4では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の空気間隔が増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5の空気間隔が減少し、第5レンズ群G5と像面Iの空気間隔が増大するように、第1レンズ群G1から第5レンズ群G5の各レンズ群が光軸上を移動する。なお、開口絞りSは、変倍に際し第3レンズ群G3とともに移動する。
【0113】
また、この変倍光学系ZL4では、物体側合焦群GfFを第2レンズ群G2とし、像側合焦群GfRを第4レンズ群G4とし、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5を像面Iに対して固定とし、物体側合焦群GfFである第2レンズ群G2を光軸に沿って像側から物体側に移動させ、像側合焦群GfRである第4レンズ群G4を光軸に沿って像側から物体側に移動させることにより行うように構成されている。なお、この合焦において、物体側合焦群GfFと像側合焦群GfRとの移動軌跡は異なるように構成されている。
【0114】
以下に、第4実施例に係る変倍光学系ZL4の諸元の値を掲げる。まず、表19に全体諸元を示す。
【0115】
【表19】
【0116】
次に、表20に第4実施例におけるレンズデータを示す。
【0117】
【表20】
【0118】
また、表21に第4実施例におけるレンズ群焦点距離を示す。
【0119】
【表21】
【0120】
この変倍光学系ZL4において、第3面、第7面、第11面、第12面、及び第19面は非球面形状に形成されている。次の表22に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0121】
【表22】
【0122】
また、この変倍光学系ZL4において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D6、第2レンズ群と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D9、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔D15、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔D18、及び、第5レンズ群G5と像面Iとの軸上空気間隔D28(バックフォーカスBFに相当する)は、変倍及び合焦に際して変化する。次の表23に、無限遠物体合焦状態、並びに、至近合焦状態での可変間隔を示す。
【0123】
【表23】
【0124】
次の表24に、この変倍光学系ZL4における各条件式対応値を示す。なお、この第4実施例において、第1合焦群Gf1は、物体側合焦群GfFである第2レンズ群G2が相当し、第2合焦群Gf2は、像側合焦群GfRである第4レンズ群G4が相当する。また、νd1は、第1合焦群Gf1である第2レンズ群G2の非球面負レンズL21の値である。
【0125】
【表24】
【0126】
このように、第4実施例に係る変倍光学系ZL4は、上記条件式(1)〜(3)、(5)及び(3′)、(6)並びに(7)を満足している。
【0127】
この変倍光学系ZL4の、無限遠合焦状態及び至近合焦状態における、広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図を
図11及び
図12に示す。これらの各収差図より、この変倍光学系ZL4は、合焦における無限遠物体合焦状態から至近合焦状態にわたって、また、変倍における広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0128】
[第5実施例]
図13は、第5実施例に係る変倍光学系ZL5の構成を示す図である。この
図13に示す変倍光学系ZL5は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6と、負の屈折力を有する第7レンズ群G7と、から構成されている。
【0129】
この変倍光学系ZL5において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12とを接合した接合正レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を有して構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸レンズL21と両凹レンズL22とを接合した接合正レンズ、及び、両凹レンズL23と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31を有して構成されている。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL41、両凹レンズL42と両凸レンズL43とを接合した接合正レンズ、及び、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL44と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL45とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸レンズL51と両凹レンズL52とを接合した接合負レンズ、並びに、物体側のレンズ面及び像側のレンズ面が非球面形状に形成された両凸レンズ形状の非球面正レンズL53を有して構成されている。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側のレンズ面が非球面形状に形成され、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL61と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL62とを接合した接合負レンズ、及び、両凸レンズL63を有して構成されている。また、第7レンズ群G7は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL71と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL72とを接合した接合負レンズを有して構成されている。また、開口絞りSは、第4レンズ群G4の最も物体側のレンズ面(第15面)の物体側に配置されている。また、第7レンズ群G7と像面Iとの間にはフィルタFLが配置されている。
【0130】
この変倍光学系ZL5では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が変化し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が変化し、第6レンズ群G6と第7レンズ群G7との空気間隔が変化するように、第1レンズ群G1から第6レンズ群G6の各レンズ群が光軸上を移動する。このとき、第7レンズ群G7は像面Iに対して固定されている。なお、開口絞りSは、変倍に際し第4レンズ群G4とともに移動する。
【0131】
また、この変倍光学系ZL5では、物体側合焦群GfFを第3レンズ群G3とし、像側合焦群GfRを第5レンズ群G5とし、無限遠物体から近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第6レンズ群G6及び第7レンズ群G7を像面Iに対して固定とし、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3を光軸に沿って像側から物体側に移動させ、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5を光軸に沿って像側から物体側に移動させることにより行うように構成されている。なお、この合焦において、物体側合焦群GfFと像側合焦群GfRとの移動軌跡は異なるように構成されている。
【0132】
以下に、第5実施例に係る変倍光学系ZL5の諸元の値を掲げる。まず、表25に全体諸元を示す。
【0133】
【表25】
【0134】
次に、表26に第5実施例におけるレンズデータを示す。
【0135】
【表26】
【0136】
また、表27に第5実施例におけるレンズ群焦点距離を示す。
【0137】
【表27】
【0138】
この変倍光学系ZL5において、第26面、第27面及び第28面は非球面形状に形成されている。次の表28に、非球面のデータ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0139】
【表28】
【0140】
また、この変倍光学系ZL5において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D5、第2レンズ群と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D11、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔D13、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔D22、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔27、及び、第6レンズ群G6と第7レンズ群G7との軸上空気間隔D32は、変倍及び合焦に際して変化する。次の表29に、無限遠物体合焦状態、並びに、至近合焦状態での可変間隔を示す。
【0141】
【表29】
【0142】
次の表30に、この変倍光学系ZL5における各条件式対応値を示す。なお、この第5実施例において、第1合焦群Gf1は、像側合焦群GfRである第5レンズ群G5が相当し、第2合焦群Gf2は、物体側合焦群GfFである第3レンズ群G3が相当する。また、νd1は、第1合焦群Gf1である第5レンズ群G5の非球面正レンズL53の値である。
【0143】
【表30】
【0144】
このように、第5実施例に係る変倍光学系ZL5は、上記条件式(1)、(2)、(4)〜(7)を満足している。
【0145】
この変倍光学系ZL5の、無限遠合焦状態及び至近合焦状態における、広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及び横収差図を
図14及び
図15に示す。これらの各収差図より、この変倍光学系ZL5は、合焦における無限遠物体合焦状態から至近合焦状態にわたって、また、変倍における広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。