(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
図1は実施形態の通電検査装置によって給電部材との通電検査が行われるリード付き部品を説明するための図である。
図2〜
図5は実施形態の通電検査装置及び通電検査方法を説明するための図である。
【0017】
図1(a)及び(b)に示すように、リード付き部品5は、円盤状の金属ベース10と第1リード11と第2リード12とを備えている。
【0018】
金属ベース10には、第1貫通穴TH1及び第2貫通穴TH2が並んで形成されている。金属ベース10の第1貫通穴TH1に第1リード11が挿通されており、ガラス材などの絶縁材13aによって第1リード11が第1貫通穴TH1に封着されて固定されている。
【0019】
また、金属ベース10の第2貫通穴TH2に第2リード12が挿通されており、絶縁材13bによって第2リード12が第2貫通穴TH2に封着されて固定されている。
【0020】
第1リード11及び第2リード12は、各絶縁材13a,13bによって金属ベース10と絶縁されている。
【0021】
第1リード11及び第2リード12は、金属ベース10の下側の主要部分が外部機器に接続される接続部11a,12aとなっている。
【0022】
リード付き部品5の金属ベース10は、例えば、鉄、又はステンレス鋼から形成される。また、リード付き部品5の第1リード11及び第2リード12は、例えば、鉄、又は鉄(Fe)・ニッケル(Ni)合金(52アロイ)から形成され、外面全体がニッケル(Ni)層で被覆されている。
【0023】
そして、リード付き部品5の第1リード11及び第2リード12の各接続部11a,12aの外面に接続用金属層として金(Au)層が電解めっきにより形成される。電解めっきの前処理工程でリード付き部品5との給電部材との通電検査が行われる。
【0024】
リード付き部品5は、金属ベース10の上に各種の素子が搭載され、素子と、第1リード11及び第2リード12とが接続され、例えば、発光装置や各種のセンサなどに適用される。
【0025】
リード付き部品5の変形例として、
図1の金属ベース10の下面に第3リードが溶接などにより接合されていてもよい。あるいは、
図1の第2リード12が金属ベース10の下面に溶接などにより接合されていてもよい。
【0026】
このように、リード付き部品は、少なくとも、リードが金属ベースの貫通穴に挿通され、絶縁材によって封着されていればよい。
【0027】
次に、実施形態の通電検査装置について説明する。
図2は実施形態の通電検査装置を模式的に示す構成概略図である。
図3は
図2の通電検査装置を上側からみた部分平面図、
図4は
図2の通電検査装置を正面側からみた正面図である。
【0028】
実施形態の通電検査装置は、連続搬送型の電解めっき装置(不図示)に接続される。
図2には、連続搬送型の電解めっき装置の金属ベルト20が示されている。そして、金属ベルト20に給電部材30が連結されている。
【0029】
給電部材30は、金属ベルト20側からねじ込まれた止めねじ32によって金属ベルト20に固定されている。給電部材30は、例えば、ステンレス鋼から形成される。
【0030】
図4の正面図を加えて参照すると、金属ベルト20は、水平方向に帯状に延在しており、幅方向が垂直方向を向くように立って配置されている。また、金属ベルト20は搬送駆動手段(不図示)に接続されており、水平方向に連続的に搬送される。金属ベルト20は、例えば、ステンレス鋼から形成される。
【0031】
図2に
図3(部分平面図)及び
図4(正面図)を加えて参照すると、給電部材30は、下面と上面と4つの側面とで囲まれた直方体又は立方体で形成される。給電部材30の下面に第1通電穴30a及び第2通電穴30bが並んで形成されている。給電部材30の一つの側面が金属ベルト20に接している。
【0032】
給電部材30の第1通電穴30a及び第2通電穴30bは、リード付き部品5の第1リード11及び第2リード12の直径及び深さに対応して形成される。
【0033】
そして、リード付き部品5の第1リード11の上部が給電部材30の第1通電穴30aにはめ込まれている。リード付き部品5の第1リード11は、給電部材30の第1通電穴30aの天面及び内面に接触している。
【0034】
また同様に、リード付き部品5の第2リード12の上部が給電部材30の第2通電穴30bにはめ込まれている。リード付き部品5の第2リード12は、給電部材30の第2通電穴30bの天面及び内面に接触している。
【0035】
このようにして、リード付き部品5の金属ベース10から上側に突出する部分の第1、第2リード11,12が給電部材30に電気的に接続される。
【0036】
リード付き部品5の金属ベース10の上面と給電部材30の下面との間に間隔が設けられ、給電部材30とリード付き部品5の金属ベース10とは絶縁されている。
【0037】
リード付き部品5の金属ベース10を支持治具(不図示)で支持した状態で、リード付き部品5の第1、第2リード11,12を給電部材30の第1、第2通電穴30a,30bの天面に押し込んで固定してもよい。
【0038】
図4の正面図に示すように、金属ベルト20には複数の部品搭載領域Rが区画されており、各部品搭載領域Rに配置された給電部材30にリード付き部品5がそれぞれ接続されている。
図4の例では、5つの部品搭載領域Rが部分的に示されているが、実際には帯状の長い金属ベルト20に多数の部品搭載領域Rが設けられている。
【0039】
以下、一つの部品搭載領域Rの構造について説明する。他の部品搭載領域Rにおいても同様な構造となっている。
【0040】
このようにして、給電部材30からリード付き端子5の第1リード11及び第2リード12に給電される。そして、連続搬送型の電解めっき装置の給電部材30にリード付き部品5を固定した状態で、複数のリード付き部品5の第1リード11及び第2リード12に電解めっきにより金(Au)層が順に形成される。
【0041】
本実施形態では、電解めっきの前処理工程で給電部材30とリード付き部品5との通電を確認するために通電検査が行われる。電解めっきを行う前に通電検査を行うことにより、通電不良のリード付き部品5は電解めっきが行われる前に排除される。
【0042】
このため、リード付き部品5に電解めっきを行った後に、全製品にわたってめっき状態を検査する必要がなく、生産効率を向上させることができる。
【0043】
次に、前述した給電部材30とリード付き部品5との通電検査を行うための装置構成について説明する。
【0044】
図2に示すように、実施形態の通電検査装置1では、前述した金属ベルト20に固定された給電部材30及びリード付き部品5の下に検査槽40が配置されている。検査槽40の中央には絶縁板41が配置されており、検査槽40が第1槽40aと第2槽40bとに分離されている。
【0045】
そして、検査槽40の第1槽40a内にリード付き部品5の第1リード11が配置される。また、検査槽40の第2槽40b内にリード付き部品5の第2リード12が配置される。
【0046】
さらに、検査槽40の下にタンク42が配置されており、タンク42内には通電検査液として使用される電解液42aが収容されている。電解液42aとしては、好ましくは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)系の水溶液が使用されるが、塩化ナトリウム、塩酸、硝酸などの水溶液を使用してもよい。
【0047】
検査槽40の第1槽40aの底面に第1配管7aが接続され、第2槽40bの底面に第2配管7bが接続されている。第1配管7a及び第2配管7bはそれらの下方で第3配管7cに合流しており、第3配管7cの先端がタンク42内に配置されている。
【0048】
タンク42の側板の下部に第4配管7dが接続されており、第4配管7dの途中にポンプPが配置されている。第4配管7dは、第5配管7eと第6配管7fとに分岐されている。
【0049】
第5配管7eは検査槽40の第1槽40aまで延在している。第5配管7eの先端部に第1金属ノズル51が設けられており、第1金属ノズル51の吐出口がリード付き部品5の第1リード11の下部に対向するように配置されている。
【0050】
また、第6配管7fは検査槽40の第2槽40bまで延在している。第6配管7fの先端部に第2金属ノズル52が設けられており、第2金属ノズル52の吐出口がリード付き部品5の第2リード12の下部に対向するように配置されている。
【0051】
第1金属ノズル51及び第2金属ノズル52は、ステンレス鋼などから形成される。第1金属ノズル51及び第2金属ノズル52以外の領域の第1〜第6配管7a〜7fはフッ素樹脂などの絶縁樹脂から形成される。
【0052】
そして、タンク42内の電解液42aがポンプPによって第4配管7d及び第5配管7eを通って第1金属ノズル51に供給され、第1金属ノズル51からリード付き部品5の第1リード11に電解液42aが吹きかけられる。
【0053】
また同様に、タンク42内の電解液42aがポンプPによって第4配管7d及び第6配管7fを通って第2金属ノズル52に供給され、第2金属ノズル52からリード付き部品5の第2リード12に電解液42aが吹きかけられる。
【0054】
リード付き部品5の第1リード11に吹きかけられた電解液42aは検査槽40内の第1槽40aで受け止められ、第1配管7a及び第3配管7cを通ってタンク42に回収される。
【0055】
また同様に、リード付き部品5の第2リード12に吹きかけられた電解液42aは検査槽40内の第2槽40bで受け止められ、第2配管7b及び第3配管7cを通ってタンク42に回収される。このように、リード付き部品5の第1、第2リード11,12に吹きかけられる電解液42aは、装置内の配管経路で循環しながら使用される。
【0056】
また、同じく
図2に示すように、給電部材30及びリード付き部品5が固定された金属ベルト20は、給電パッド3に接続されている。給電パッド3に配線8aを介して第1定電圧電源61のプラス(+)側が接続されている。
【0057】
また、第1定電圧電源61のマイナス(−)側に配線8bを介して第1抵抗素子71が接続されている。さらに、第1抵抗素子71が配線8cを介して第1金属ノズル51に接続されている。
【0058】
また、給電パッド3に配線8dを介して第2定電圧電源62のプラス(+)側が接続されている。
【0059】
さらに、第2定電圧電源62のマイナス(−)側に配線8eを介して第2抵抗素子72が接続されている。さらに、第2抵抗素子72が配線8fを介して第2金属ノズル52に接続されている。
【0060】
最初に、
図2の給電部材30とリード付き部品5の第1リード11との通電検査方法について説明する。
【0061】
第1定電圧電源61から電流を流すと、給電パッド3、金属ベルト20、及び給電部材30を介して、リード付き部品5の第1リード11に電流が供給される。
【0062】
リード付き部品1の第1リード11は第1定電圧電源61のプラス(+)側に電気的に接続されているため、リード付き部品1の第1リード11が第1陽極リードA1となる。
【0063】
一方、第1金属ノズル51は第1定電圧電源61のマイナス(−)側に接続されているため、第1陰極ノズルC1となる。
【0064】
このとき、リード付き部品5の第1リード11は絶縁材13aによって金属ベース10と絶縁されているため、給電部材30から金属ベース10には電流は供給されない。
【0065】
上記したように、リード付き部品5の第1リード11を第1陽極リードA1とし、第1金属ノズル51を第1陰極ノズルC1とした状態で、第1陰極ノズルC1からリード付き部品5の第1リード11に電解液42aを吹きつける。
【0066】
図5は
図2の通電検査装置1の第1陰極ノズルC1からリード付き部品5の第1陽極リードA1に電解液42aを吹きかけた様子を示す部分拡大図である。
【0067】
これにより、
図5に示すように、電解液42aとして水酸化ナトリム系の水溶液を使用する場合は、第1陽極リードA1側でナトリウム(Na)が電子を失ってプラス(+)にイオン化し(酸化反応)、第1陰極ノズルC1側ではナトリウム(Na)イオンが電子を受け取る(還元反応)。
【0068】
その結果、第1陽極リードA1(第1リード11))から電解液42aを介して第1陰極ノズルC1に電流が流れる。
図2に戻って説明すると、この電流は、第1陰極ノズルC1に接続された配線8cを通って第1抵抗素子71に供給される。
【0069】
第1抵抗素子71の両端の電圧V1を測定することにより、給電部材30とリード付き部品5の第1リード11との間に接点不良が存在するかどうかを確認することができる。
【0070】
第1抵抗素子71の両端の電圧V1が合格基準値以上であれば、給電部材30とリード付き部品5の第1リード11との間で接点不良が生じておらず、通電が正常であることが分かる。
【0071】
逆に、第1抵抗素子71の両端の電圧が合格基準値よりも低ければ、給電部材30とリード付き部品5の第1リード11との間で接点不良が生じており、通電不良であることが分かる。
【0072】
あるいは、第1抵抗素子71の両端の電流を測定することにより、給電部材30とリード付き部品5の第1リード11との間に接点不良が存在するかどうかを確認してもよい。
【0073】
通電不良が発生したリード付き部品5は、給電部材30から外されて排除される。通電が正常のリード付き部品5のみが次の電解めっき工程に搬送される。
【0074】
次に、給電部材30とリード付き部品5の第2リード12との通電検査方法について説明する。
【0075】
第2定電圧電源62から電流を流すと、給電パッド3、金属ベルト20、及び給電部材30を介して、リード付き部品5の第2リード12に電流が供給される。
【0076】
リード付き部品5の第2リード12は第2定電圧電源62のプラス(+)側に電気的に接続されているため、リード付き部品5の第2リード12が第2陽極リードA2となる。
【0077】
一方、第2金属ノズル52は第2定電圧電源62のマイナス(−)側に接続されているため、第2陰極ノズルC2となる。
【0078】
上記したように、リード付き部品5の第2リード12を第2陽極リードA2とし、第2金属ノズル52を第2陰極ノズルC2とした状態で、第2陰極ノズルC2からリード付き部品5の第2リード12に電解液42aを吹きつける。
【0079】
これにより、前述した
図5と同様な原理により、第2陽極リードA2(第2リード12))から電解液42aを介して第2陰極ノズルC2に電流が流れる。
図2に示すように、この電流は、第2陰極ノズルC2に接続された配線8fを通って第2抵抗素子72に供給される。
【0080】
第2抵抗素子72の両端の電圧V2を測定することにより、給電部材30とリード付き部品5の第2リード12との間に接点不良が生じているかどうかを確認することができる。
【0081】
あるいは、第2抵抗素子72の両端の電流を測定することにより、給電部材30とリード付き部品5の第2リード12との間に接点不良が存在するかどうかを確認してもよい。
【0082】
連続搬送型の電解めっき装置では、給電部材30が固定された金属ベルト20が連続的に搬送される。一方、検査槽40及びその中に配置された第1陰極ノズルC1及び第2陰極ノズルC2はめっき前処理工程の領域に固定されている(
図2及び
図4)。
【0083】
図2及び
図4を参照すると、給電部材30に接続されたリード付き部品5の第1陽極リードA1及び第2陽極リードA2は、連続搬送されることで、第1陰極ノズルC1及び第2陰極ノズルC2から流出する電解液42aに接触しながら検査槽40を通り過ぎる。
【0084】
リード付き部品5の第1陽極リードA1及び第2陽極リードA2が電解液42aに接触する時間は、例えば、0.2秒〜0.5秒である。
【0085】
リード付き部品5の第1リード11及び第2リード12が電解液42aに接触している間に前述した通電検査が行われ、多数のリード付き部品5の通電検査が連続して順次行われる。
【0086】
第1抵抗素子71及び第2抵抗素子72の両端の各電圧V1,V2の測定は同時に行われる。第1抵抗素子71及び第2抵抗素子72の両端の各電圧V1,V2が共に合格基準値以上であれば、給電部材30とリード付き部品5との通電が合格となる。
【0087】
また、第1抵抗素子71及び第2抵抗素子72の両端の各電圧V1,V2の少なくとも一方の値が合格基準値よりも低ければ、給電部材30とリード付き部品5の通電が不合格となる。
【0088】
図4の正面図に示すように、検査槽40での通電検査に合格したリード付き部品5が電解めっき工程に順次搬送され、リード付き部品5の第1、第2リード11,12の各接続部11a,11bに金めっき層が形成される。
【0089】
以上のように、本実施形態の通電検査装置1では、通電検査の接点として第1、第2陰極ノズルC1,C2から吐出する電解液42aの液流を使用する。これにより、多数のリード付き部品5が連続搬送されてきても、電流経路の接点となる電解液42aがリード付き部品5の第1リード11及び第2リード12に一定時間で密着する。
【0090】
よって、連続搬送型の電解めっき装置の給電部材30とリード付き部品5との通電検査を行う際に、安定した接点を確保できると共に、電解めっき装置の金属ベルト20の搬送を止めることなしに連続して通電検査を行うことができる。
【0091】
また、第1、第2陰極ノズルC1,C2はリード付き部品5の第1、第2陽極リードA1,A2には直接接触せず、第1、第2陽極リードA1,A2に電解液42aを吹きつけることで通電検査が行われる。よって、プローブピンを接触させる手法と違って、プローブピンの摩耗の厳密な管理をする必要がない。
【0092】
このように、電解液42aを通電検査の接点に利用するため、装置の管理が容易になり、部品寿命を長くすることができる。このため、長時間にわたって安定した検査品質を維持することができる。