特許第6971344号(P6971344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971344ノズル設置治具およびそれを用いたノズル取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971344
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ノズル設置治具およびそれを用いたノズル取付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20211111BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01L21/31 B
   C23C16/44 B
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-23868(P2020-23868)
(22)【出願日】2020年2月14日
(65)【公開番号】特開2021-129060(P2021-129060A)
(43)【公開日】2021年9月2日
【審査請求日】2020年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 賢卓
(72)【発明者】
【氏名】嶋 信人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕巳
(72)【発明者】
【氏名】森田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】大石 護
【審査官】 加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−151386(JP,A)
【文献】 特開2017−157594(JP,A)
【文献】 特開2018−56280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/44
H01L 21/3065
H01L 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが内部に配置される処理容器の下端開口の周辺部に当接する基準面を有する下プレートと、
前記下プレートに固定され、前記基準面に対して上方に伸びるフレーム部と、
前記フレーム部に固定され、前記処理容器内の前記ノズルの位置を検出するセンサ部を有する上プレートと、
前記上プレートに固定され、前記センサ部の検出した結果に応じて作業者への通知を行う通知器と、
を備えたノズル設置治具。
【請求項2】
前記センサ部は、前記下プレートが前記処理容器の下端開口の周辺部の下端に当接し前記上プレートが前記処理容器の内面に接触している状態で、前記処理容器の半径方向における前記ノズルの位置を検出する、請求項1のノズル設置治具。
【請求項3】
前記センサ部は接触式センサであり、
前記通知器は、前記ノズルが所定の適正位置よりも前記半径方向における内側に傾斜しているときに前記センサ部に接触すると、点灯する請求項2のノズル設置治具。
【請求項4】
前記センサ部と前記通知器は複数組設けられ、前記センサ部は、前記処理容器内に隣接して配置された複数のノズルの位置をそれぞれ検出し、前記通知器は異なる色で点灯する請求項1のノズル設置治具。
【請求項5】
請求項1のノズル設置治具を用いたノズル取付方法であって、
前記処理容器内に前記ノズルを配置するステップと、
前記処理容器に前記ノズル設置治具を装着するステップと、
前記通知器の通知が、前記処理容器の半径方向における前記ノズルの位置が適正であることを示すようになるまで、前記ノズルの傾きを調整するステップと、
を有するノズル取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノズル設置治具およびそれを用いたノズル取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置(以下、ICという)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという)に成膜するのに使用される基板処理装置として、例えば、特許文献1に示されたものがある。この種の基板処理装置においては、ウエハを積載したボートをボートエレベータによって処理室に搬入した後に、ガス供給管からノズルを介して処理室内にガスが供給されるように、構成されている。
【0003】
ノズルは、例えば石英が使用されて垂直部と水平部とがL形状に接合されて形成されており、石英製ノズルの水平部の端部がステンレス鋼等の金属からなるマニホールドに挿通され、金属からなる継手に挿通部周辺がねじ等によって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−145655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ノズル上部の状況確認が困難であり、ノズルとボートが接触しないようにセッティングするのに時間を要する。
【0006】
本開示の目的は、ノズルを反応管に適正に取り付けることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、
ノズルが内部に配置される処理容器の下端開口の周辺部に当接する基準面を有する下プレートと、前記下プレートに固定され、前記基準面に対して上方に伸びるフレーム部と、前記フレーム部に固定され、前記処理容器内の前記ノズルの位置を検出するセンサを有する上プレートと、前記上プレートに固定され、前記センサの検出した結果に応じて作業者への通知を行う通知器と、を備えた技術が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ノズルを反応管に適正に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す図である。
図2】本実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を図1のA−A’線断面図で示す図である。
図3】本実施形態に係る継手部とその周辺を説明する説明図である。
図4】本実施形態で好適に用いられるノズル設置治具を示しており、(a)は側面図、(b)は(a)の破線円内の拡大図である。
図5】本実施形態にかかるノズル設置治具を反応管内に設置した状態を示す縦断面図である。
図6】(a)はノズル位置が適切である状態を示す側面図であり、(b)はノズル位置が適切でない状態を示す側面図である。
図7】他の実施形態にかかるノズル設置を反応管内に設置した状態を示す縦断面図である。
図8図7の破線円内の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態を図面に即して説明する。
【0011】
なお、本開示は本実施形態にかかる基板処理装置に限らず、枚葉式、Hot Wall型、Cold Wall型の処理炉を有する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0012】
図1に示されているように、基板処理装置に使用される処理炉202は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、後述するヒータベース413(図3参照)に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0013】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の筒中空部には処理室201が形成されており、基板としてのウエハ200を後述するボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
【0014】
反応管203の下方には、反応管203と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、反応管203に係合しており、反応管203を支持するように設けられている。なお、マニホールド209と反応管203との間にはシール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209が図示しない釣支具によってヒータベース413に吊着されることにより、反応管203は垂直に据え付けられた状態となっている。反応管203とマニホールド209とにより反応容器(処理容器)が形成される。
【0015】
マニホールド209には、第1ガス導入部としての第1ノズル233aと、第2ガス導入部としての第2ノズル233bと、第3ガス導入部としての第3ノズル233cとが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられており、第1ノズル233a、第2ノズル233b、第3ノズル233cには、それぞれ第1ガス供給管232a、第2ガス供給管232b、第3ガス供給管232cが接続されている。このように、処理室201内へは複数種類、ここでは3種類の処理ガスを供給するガス供給路として、3本のガス供給管が設けられている。
【0016】
第1ガス供給管232aには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241a、及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。また、第1ガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、不活性ガスを供給する第1不活性ガス供給管234aが接続されている。この第1不活性ガス供給管234aには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、第1ガス供給管232aの先端部には、上述の第1ノズル233aが接続されている。第1ノズル233aは、処理室201を構成している反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル233aの側面にはガスを供給する供給孔であるガス供給孔248aが設けられている。このガス供給孔248aは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第1ガス供給管232a、マスフローコントローラ241a、バルブ243a、第1ノズル233aにより第1ガス供給系が構成される。また主に、第1不活性ガス供給管234a、マスフローコントローラ241c、バルブ243cにより、第1不活性ガス供給系が構成される。
【0017】
第2ガス供給管232bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241b、及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。また、第2ガス供給管232bのバルブ243bよりも下流側には、不活性ガスを供給する第2不活性ガス供給管234bが接続されている。この第2不活性ガス供給管234bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241d、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。また、第2ガス供給管232bの先端部には、上述の第2ノズル233bが接続されている。第2ノズル233bは、処理室201を構成している反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第2ノズル233bの側面にはガスを供給する供給孔であるガス供給孔248bが設けられている。このガス供給孔248bは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第2ガス供給管232b、マスフローコントローラ241b、バルブ243b、第2ノズル233bにより第2ガス供給系が構成される。また主に、第2不活性ガス供給管234b、マスフローコントローラ241d、バルブ243dにより第2不活性ガス供給系が構成される。
【0018】
第3ガス供給管232cには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241e、及び開閉弁であるバルブ243eが設けられている。また、第3ガス供給管232cのバルブ243eよりも下流側には、不活性ガスを供給する第3不活性ガス供給管234cが接続されている。この第3不活性ガス供給管234cには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)であるマスフローコントローラ241f、及び開閉弁であるバルブ243fが設けられている。また、第3ガス供給管232cの先端部には、上述の第3ノズル233cが接続されている。第3ノズル233cは、処理室201を構成している反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第3ノズル233cの側面にはガスを供給する供給孔であるガス供給孔248cが設けられている。このガス供給孔248cは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第3ガス供給管232c、マスフローコントローラ241e、バルブ243e、第3ノズル233cにより第3ガス供給系が構成される。また主に、第3不活性ガス供給管234c、マスフローコントローラ241f、バルブ243fにより第3不活性ガス供給系が構成される。
【0019】
第1ガス供給管232aには、酸素原子を含むガス(酸素含有ガス)として、例えば酸素(O)ガスの供給源(ボンベ)が接続されうる。
【0020】
また、第2ガス供給管232bには、水素原子を含むガス(水素含有ガス)として、例えば水素(H)ガスの供給源(ボンベ)が、接続されうる。
【0021】
また、第3ガス供給管232cには、原料ガス、すなわち、シリコンを含む原料ガス(シリコン含有ガス)として、例えばヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCD)ガスの供給源(ボンベ)が、接続されうる。
【0022】
なお、反応管203は、その側壁の一部を外側に膨らませて形成した1つ以上のノズル室を有してもよい。その場合、第1ノズル233a、第2ノズル233a及び第3ノズル233cは、それぞれノズル室内に配置されうる。
【0023】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、圧力検出器としての圧力センサ245及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ242を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。なお、APCバルブ242は、弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能なように構成されている開閉弁である。真空ポンプ246を作動させつつ、圧力センサ245により検出された圧力に基づいてAPCバルブ242の弁の開度を調節することにより、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ242、真空ポンプ246により排気系が構成される。
【0024】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばステンレス鋼等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてOリング220bが設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側には、後述する基板保持具としてのボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。ウエハ200は、その中心が回転軸255と同心になるように、ボート217に積載され、回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を自転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内に対して搬入・搬出することが可能なように構成されている。
【0025】
基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウエハ200を水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる断熱部材218が設けられており、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなるように構成されている。なお、断熱部材218は、石英や炭化シリコン等の耐熱性材料からなる複数枚の断熱板と、これら断熱板を水平姿勢で多段に支持する断熱板ホルダとにより構成してもよい。反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することにより、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、第1ノズル233a等と同様に、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0026】
制御部(制御手段)であるコントローラ280は、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d、241e、241f、バルブ243a、243b、243c、243d、243e、243f、圧力センサ245、APCバルブ242、ヒータ207、温度センサ263、真空ポンプ246、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。コントローラ280により、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d、241e、241fによるガス流量調整、バルブ243a、243b、243c、243d、243e、243fの開閉動作、APCバルブ242の開閉及び圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整、真空ポンプ246の起動・停止、回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作等の制御が行われる。
【0027】
続いて、図3を用いて、炉口ボックス412、第1ノズル233a、第1ガス供給管232aとの関係性について説明する。
【0028】
第1ノズル233aは、第1ガス供給管232aと接続される上流側(基部)がL形状に形成され、その水平部は、マニホールド209の側壁を水平姿勢で貫通する。第1ノズル233aの水平部とマニホールド209の側壁との間にはOリング416が設けられており、処理室201内の気密が確保される。ここでは、マニホールド209の側壁から半径方向に延び、第1ノズル233aの水平部の外径よりもわずかに大きい内径を有する筒状のノズルポート210が成形され、ノズルポート210に第1ガス供給管232aが挿通され、第1ガス供給管232aと第1ノズル233aの間にOリング416が設けられる。
【0029】
第1ノズル233aの上流側はマニホールド209の側壁外側に突出しており、第1ガス供給管232aの下流端に設けられた継手部415と気密に結合している。第1ノズル233aの下流端は、反応管203内にて垂直上方に向けて屈曲している。
【0030】
第1ノズル233aはヒータ207によって加熱されるので、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性を有する非金属材料で構成される。なお上流側(基部)は、ニッケル合金等の金属で構成されてもよい。
【0031】
また、第1ノズル233aの屈曲部の下方には、マニホールド209内壁に設けられた台座(ブラケット)421と、台座421に設けられたネジ孔を鉛直方向に貫通する傾き調整ネジ422と、を備えたノズル傾き調整機構(ノズルサポート)425が設けられている。傾き調整ネジ422の高さを調整してその上端を第1ノズル233aの屈曲部に下方から当接させることで、第1ノズル233aの傾き或いは第1ノズル233aのガス供給孔とウエハ200との距離を調整可能なように構成されている。
【0032】
マニホールド209側壁の外周であって、ヒータ207の下方には、炉口ボックス(スカベンジャー)412が設けられる。炉口ボックス412は、主にヒータベース413と協働して、マニホールド209の外側を囲む壁である炉口ボックス壁423と、炉口ボックス412内を排気する排気口424を備える。炉口ボックス壁423には、第1ガス供給管232a等を貫通させる孔もしくは明示的な吸気口が形成される。炉口ボックス壁423と第1ガス供給管232aは、気密に固定される必要は無く、第1ガス供給管232aは、その上流側が撓むことによって、ノズルポート210の軸方向に移動可能に設けられている。
【0033】
炉口ボックス412は、継手部415等で発生するガス漏れを局所的に捕獲する。漏洩ガスは吸気口等から吸入された空気と共に、排気口424から吸引され、装置外に設けられた除害設備で処理される。なお、炉口ボックス412は内部の雰囲気を隔離して排気できればよく、反応管203のように真空レベルにしたり、雰囲気をパージしたりすることもない。したがって、炉口ボックスは大気雰囲気である。
【0034】
炉口ボックス412内には継手部415が内包されている。継手部415は図示のように、第1ノズル233aの上流端と第1ガス供給管232aの下流端とを覆うように設けられている。継手部415は金属で構成され、各管が連通するように固定する。本例の継手部415は第1ガス供給管232a側に設けられ、相手側の第1ノズル233a又はノズルポート210の係合部211と対応する形状を有して着脱可能に構成される。固定する際は、図示しないネジ等が用いられる。
【0035】
尚、図3においては、説明の便宜上、一組の第1ノズル233aと第1ガス供給管232aを記載しているが、第2ノズル233bと第2ガス供給管232b、第3ノズル233cと第3ガス供給管232cの組み合わせそれぞれも図示の構成とすることができる。それに限るものではなく、いずれか一つの組み合わせのみ図示のような構成としてもよい。
【0036】
続いて継手部415とその周辺の構造について説明する。
第1ノズル233aは、Oリング416を介してノズルポート210に装着される。第1ノズル233aの上流端には第1ガス供給管232aの下流端が向かい合って配置される。第1ガス供給管232aは、搬送するガスに対する耐腐食性等を考慮して材質が選択され、例えばステンレス鋼等で構成される。
【0037】
第1ノズル233aと第1ガス供給管232aは隙間を介して隣接される。ここではその隙間を有する空間を隣接部419と呼ぶ。隙間は、第1ノズル233aと第1ガス供給管232aとが接触して、パーティクルが発生するのを防ぐのに役立つ。また部材の熱膨張の違いを緩和する役割もある。
【0038】
第1ガス供給管232aは金属で構成されるため、同じく金属製の継手部415と、溶接等の接合によって、容易に気密の連結を実現できる。継手部415は、その内周面と第1ノズル233aの外周面とを、Oリング417及び418を介して気密に接続する。Oリング416、417及び418は、耐熱性や耐腐食性に優れたフッ素系ゴム等のシール材で構成される。
【0039】
継手部415とノズルポート210との間の機械的な固定は、図示しないフランジ、ユニオンナット(袋ナット)等の周知の締結部材によって実現される。このような締結部材は、第1ノズル233aと第1ガス供給管232aのそれぞれの中心軸を一致させて、継手部415とノズルポート210の係合部211とを拘止する。継手部415とノズルポート210が固定されると、図示しないフェルール等によってOリング417や418が圧接されるので、第1ノズル233aも締着される。
【0040】
Oリング418は、フランジ415aと第1ノズル233aとの間で、Oリング417よりもノズルポート210側に設けられ、大気に接しうる。Oリング417とOリング418には、圧力調整空間420が形成される。ここで、圧力調整空間420は、主に第1ノズル233aの外壁、フランジ415a、Oリング417、Oリング418で囲まれる空間である。
【0041】
圧力調整空間420は隣接部419や処理室201と隔離されるため、基板処理工程における処理室201における圧力変動の影響が少ない。つまり圧力変動及びそれによって惹き起こされる影響を、複数のOリング417、418に分散させて低減することができる。或いは、好ましくない所定のガス(例えば酸素)に着目した場合、酸素濃度差(勾配)を複数のOリング417、418に分散させて、酸素透過量を低減することができる。なお圧力調整空間420は密封されるものに限らず、所定のガスを含まないガス(例えば純窒素)でパージされてもよい。ある応用例では、圧力調整空間420は炉口ボックス412の空間412aと同程度の圧力に維持されうる。圧力調整空間420と空間412aとが同程度の圧力なので、空間412aから圧力調整空間420に向かう大気成分の流れが抑制される。圧力調整空間420の空間に酸素成分が流れないので、隣接部419への大気成分の侵入が抑制される。
【0042】
以下、本実施形態にかかる基板処理装置のノズル取付方法を、図4図6を参照しつつ説明する。
【0043】
本実施形態にかかるノズル取付方法においては、図4に示されたノズル設置治具10が使用される。ノズル設置治具10は第1ノズル233a、第2ノズル233b、第3ノズル233cにそれぞれ使用されるが、その構成および作用は原理的に同様であるので、便宜上、第1ノズル233aに使用されるものとして説明する。
【0044】
図4に示されているように、ノズル設置治具10は、棒状のフレーム部11と、フレーム部11の下端に設けられる下プレート12と、フレーム部11の上端に設けられる上プレート13と、上プレート13の上に固定されるセンサ部14と、センサ部14が感知すると表示を変化させる発光ダイオード(LED)等で構成される通知器としての点灯部15と、点灯部15を点灯させるための電池を収納した電池ボックス16と、で構成される。フレーム部11と下プレート12、上プレート13は、接合部品であるボルトおよびピンで固定されている。
【0045】
下プレート12はマニホールド209の下端面209bに当接する基準面12aを上面に有する。本例の基準面12aは、金属と擦れてもパーティクル等の発生が少ない低発塵性の材料(例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂)で構成される。基準面12aは、下端面209bのみに当接し、マニホールド209の内周面には当接しない。基準面12aは、マニホールド209の下端面209bを基準にして、下プレート12の上下方向の位置を定めることができれば十分であり、必ずしも平面を要せず、1つの点でもよいが、ノズル設置治具10の振れを防ぐうえでは、少なくとも2点を定めるものが好ましい。
【0046】
フレーム部11は下プレート12に固定され、基準面12aに対して垂直に上方に伸びている。本例のフレーム部11はアルミ製の角管又は円管であり、後述する電気ケーブルが挿通される。
【0047】
上プレート13はフレーム部11に固定され、反応管203の内面に接触する接触面13aを有する。本例の接触面13aは、低発塵性の材料で構成される。接触面13aは、反応管203の内面とセンサ部14との、反応管の半径方向における距離を一定に定めることができれば十分であり、必ずしも平面を要せず、1つの点でもよいが、センサ部14の両側の略等距離の位置の2点を定めるものが好ましい。このとき、センサ部14と、接触面13aの2点は、2等辺三角形を形成する。ノズルがノズル室内に配置される場合、接触面13aの2点は、ノズル室の幅よりも広く離間させ、反応管203の円筒部分に当接するようにする。
【0048】
センサ部14は、第1ノズル233aの位置を検出する接触式センサであり、例えばリミットスイッチで構成され、検出部(レバー)17が反応管の外側を向くように、上プレートに固定される。本例のセンサ部14は、検出対象が検出部17に所定より接近或いは接触したときに回路を閉じる、メイク接点を有する。点灯部15はセンサ部14の現在の検出状態もしくはその変化を、作業者に通知するものであり、視覚的な表示に限らず、音による通知が用いられうる。点灯部15がLEDで構成される場合、作業者に明滅状態を確認しやすくするため、LEDは下向きに設けられうる。なお、メイク接点に代えてブレイク接点を用いれば、点灯部15は照明を兼ねることができる。照明用として常時点灯のLEDを併設してもよい。
【0049】
電池ボックス16は、下プレート12の下面に取り付けられ、内部に設けられた密封型電池が、点灯部15に電力を供給する。すなわち、電池と、点灯部15と、センサ部14が、電気ケーブルによって直列に接続された回路が形成されている。電池ボックス16を下プレート12に設けたことで、ノズル設置治具10は、上側が下側より軽くなり倒れにくく、作業者による扱いが容易になる。
【0050】
マニホールド209に第1ノズル233aを取り付けるに際しては、第1ノズル233aの水平部がマニホールド209のノズルポート210に処理室201側から挿入される。ここで、第1ノズル233aは水平部と垂直部を有するL字形をしており、垂直部は水平部よりも極端に長く構成されているため、垂直部と水平部が交わる屈曲部が下がり、反応管203の半径方向における内側に傾きやすい。適切に設置された第1ノズル233aの垂直部は、反応管203の内壁と数mm程度離間している。
【0051】
ノズル設置治具10は、図5に示されるように、シールキャップ219を下げた状態で、反応管203内部に装着される。その際、作業者は下プレート又はフレーム部11を持ち、下プレート12の上面の基準面12aを押し上げ、第1ノズル233aの直下のマニホールド209の下面に接触させた状態で保持する。このとき、上プレート13の側面の接触面13aと反応管203の内面とを接触を試行する。接触面13aと反応管203の内面とを接触は、通常、感触又は音によって知覚される。この状態で、操作者は、LED部15の明滅を確認する。
【0052】
図6(a)に示されるように、第1ノズル233aが所定の適正位置よりも反応管203半径方向における外側に傾斜していると、第1ノズル233aと検出部17が接触せず、LED点灯部15は消灯する。また、図6(b)に示されるように、第1ノズル233aが所定の適正位置よりも反応管203半径方向における内側に傾斜しているときに、第1ノズル233aと検出部17が接触して点灯部15が点灯する。従って、点灯部15が点灯する場合は、第1ノズル233aの位置が適切ではないため、操作者は一旦ノズル設置治具10を取り外し、ノズルの内側への傾斜が軽減するようにノズルサポート425の調整を行う。そして、再度ノズル設置治具10を装着して、点灯部15の明滅を確認する。この作業が、点灯部15が消灯するまで繰り返される。一方、もし最初の試行で点灯部15は消灯していた場合、第1ノズル233aが外側に傾斜している可能性がある。この時は、点灯部15の点灯が確認されるまで、ノズルが内側へ傾斜するようにノズルサポート425の調整を繰り返す。その後、ノズルが外側へ傾斜するようにノズルサポート425を1回調整し、点灯部15の消灯が確認されれば、作業は完了する。
【0053】
なおノズル設置治具10は、ノズルサポート425の調整時に必ずしも取り外す必要は無く、マニホールド209のフランジにクランプ等で一時的に固定してもよい。その場合、下プレート12は、ノズルサポート425の固定具へのアクセスを妨げないような形状に形成される。たとえば、ノズルサポート425がノズルの底をネジで押して反応管203の半径方向の傾きを補正する傾き調整ネジ422を締緩するドライバーを差し込むための孔が下プレート12に設けられる。
【0054】
第1ノズル233aがノズル設置治具10によって位置決めされた状態で、第1ノズル233aの水平部は、取付口210に設置された継手部415に固定される。この固定により、第1ノズル233aは処理室201の内周面とのクリアランスおよび平行を保持された状態で、マニホールド209に固定的に取り付けられる。
【0055】
本実施形態によれば、以下に示す一つ又は複数の効果が得られる。
【0056】
(1)ノズル設置治具を使用して、ノズルの水平部をマニホールドの取付口に挿入して固定することにより、ノズルの反応管の半径方向における内側への傾斜を抑制しマニホールドに固定することができるので、反応管に適正に取り付けることができる。
【0057】
(2)ノズルを反応管に適正に取り付けることができるので、ノズルの反応管やボートやウエハとの干渉を防止することができ、ノズルや反応管やボートやウエハの破損を防止することができる。
【0058】
(3)ノズルを反応管に適正に取り付けることができるので、ノズルの取付具合に依存する成膜安定性を一定に維持することができる。
【0059】
(4)ノズルではなく反応管に装着されるノズル設置治具を使用することにより、ノズルの先端付近まで手が届かないような長いノズルであっても、先端付近における反応管内壁との距離を容易に把握ことができるので、狭い空間内の一人作業でもノズルを反応管に適正に取り付けることができる。
【0060】
(5)ノズルではなく反応管に装着されるノズル設置治具を使用することにより、ノズルとノズル設置治具との接触が最小限となり、強い接触や擦れに起因するパーティクルや傷の発生を抑えることができる。
【0061】
以上、本開示の実施形態について具体的に説明した。しかしながら、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0062】
例えば、上述の実施形態では、ノズル設置治具10の上プレート13にセンサ部14とLED部15を設置する例を説明したが、図8に示すように、ノズル設置治具10の上プレート13に複数のセンサ部14a,14bと複数のLED部15a,15bを設置するようにしてもよい。
【0063】
上述の実施形態と同様に、ノズル設置治具10は、図7に示されるように、シールキャップ219を下げた状態で、反応管203内部に設置する。その際、フレーム部11を持ち、下プレート12の上面の基準面(不図示)とマニホールド209の下面とを接触させ、上プレート13の側面の接触面13aと反応管203の内面とを接触させて設置する。この状態で、センサ部14a,14bは、それぞれ反応管203の半径方向における第1ノズル233a、第2ノズル233bの位置を並行して検出する。各センサ部14a,14bと点灯部15a,15bはノズルごとに独立しているため、各ノズルの位置が適切であるかどうかを判断することが可能である。複数の点灯部15a,15bはそれぞれ異なる色で点灯するのが好ましい。
【0064】
或いは、センサ部14a,14bは、1つの第1ノズル233aの位置をそれぞれ検出してもよい。例えば、センサ部14a,14bを互いに直交させて配置することで、半径方向の位置と、円周方向の位置をそれぞれ検出し、通知することができる。センサ部14a,14bは接触式に限らず、例えば光学式(非接触)の距離センサのような周知の検出器が利用できる。
【符号の説明】
【0065】
10:ノズル設置治具
11:フレーム部
12:下プレート
13:上プレート
14:センサ部
15:点灯部(通知器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8