(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。
【0012】
図1を参照して本実施形態による電子顕微鏡の例を説明する。
図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡の構成例について概要を示した図である。本実施形態に係る電子顕微鏡は、試料へ電子線を照射する電子顕微鏡である。本実施形態の電子顕微鏡は、電子銃1、第1の照射レンズコイル2、第2の照射レンズコイル3、第1の偏向コイル4、および第2の偏向コイル5を有する。また、電子顕微鏡は、対物レンズコイル6、対物レンズコイル7、電磁式試料イメージ移動用コイル8、第1の中間レンズコイル9、第2の中間レンズコイル10、第1の投射レンズコイル11、および第2の投射レンズコイル12を有する。
【0013】
また、電子顕微鏡は、励磁電源13〜23、デジタルアナログ変換器(DAC)24〜34、マイクロプロッセサであるMPU35、記憶装置36、演算装置37、CRTコントローラ38、およびモニタ(CRT)39を有する。また、電子顕微鏡は、インターフェース(I/F)40〜41、倍率切替用ロータリーエンコーダ42、入力用ロータリーエンコーダ43、キーボード44、RAM45、およびROM46を有する。
【0014】
また、電子顕微鏡は、カメラ制御部48、蛍光板49(第2の蛍光体)、試料を保持する試料ホルダ51、カメラ56(透過像撮像部)、およびマウス57を有する。
【0015】
電子顕微鏡は、試料に対して電子線を照射し、当該電子線の照射により試料から発生する信号を検出して透過像を撮像する。ここで、透過像を得る手順を簡単に説明する。ユーザによるキーボード44およびマウス57の操作入力に応じて、電子顕微鏡のMPU35は、ROM47に格納された透過像用のレンズデータを読み出し、デジタルアナログ変換器(DAC)24〜34に供給する。
【0016】
励磁電源13〜23は、各レンズ系の第1の照射レンズコイル2、第2の照射レンズコイル3、対物レンズコイル6に電流を出力する。また、励磁電源13〜23は、第1の中間レンズコイル9、第2の中間レンズコイル10、第1の投射レンズコイル11、および第2の投射レンズコイル12にも電流を出力する。MPU35は、励磁電源13および励磁電源14の電流値を読み取り、電子銃のスポットサイズを特定する。ここで、スポットサイズとは、電子銃1が照射する電子線の直径である。MPU35は、当該スポットサイズをカメラ制御部48へ送出する。
【0017】
また、MPU35は、電子銃1に対して電子線の照射要求をする。電子銃1は、これに応じて、電子線を試料ホルダ51上の試料へ照射する。このように、電子銃1は、照射部として機能する。
【0018】
試料ホルダ51上の試料を透過した電子線は、電磁式試料イメージ移動用コイル8、第1の中間レンズコイル9および第2の中間レンズコイル10、第1の投射レンズコイル11、第2の投射レンズコイル12を経由して、蛍光板49上に投影される。蛍光板49は、例えばアルミ板上に塗布された蛍光体である。従って、当該蛍光体は、試料を透過した信号に応じて発光する。
【0019】
カメラ56は、蛍光板49を透過した上記発光による信号を検出して透過像を撮像し、当該透過像による画像データを生成する。このように、カメラ56は、電子銃1による電子線の照射により試料から発生する信号を検出して、透過像の画像データを生成する。カメラ56は、生成した透過像の画像データをカメラ制御部48へ送出する。
【0020】
このカメラ56は、フランジ部分にシンチレータを有する。ここで、
図2を用いてカメラ56のフランジ部分の説明をする。
図2は、カメラ56のフランジ部分の側面断面図である。カメラ56のフランジ部分は、アルミコーティング層101、シンチレータ102(第1の蛍光体)、絶縁体103、フランジ104、ガラス105、および電流読み込み端子106(電流値計測部)を有する。このように、カメラ56は、第1の蛍光体を含む。
【0021】
アルミコーティング層101は、アルミニウムによる層である。シンチレータ102は、上記アルミコーティング層101の下方に取り付けられたシンチレータである。このシンチレータ102は、ガラス105上に塗布された蛍光体を有する。試料を透過した信号を検出すると、当該蛍光体は、試料の透過像を発光し、ガラス105を透過して、カメラ56が有する光学レンズを介して、図示しないCCD等によって受光される。CCDは、受光した透過像を電気信号に変換する。カメラ56は、当該電気信号により透過像の画像データを生成する。なお、CMOS等の他の固体撮像素子により受光してもよい。
【0022】
ガラス105は、シンチレータ102の下方には位置するガラスである。また、アルミコーティング層101およびシンチレータ102を取り囲むように絶縁体103が位置する。
【0023】
アルミコーティング層101、シンチレータ102、絶縁体103、およびガラス105は、フランジ104の上部に位置する。
【0024】
また、電流読み込み端子106は、アルミコーティング層101に接続し、公知の電流値を読み込む端子である。電流読み込み端子106は、シンチレータ102への信号の電流値を計測する。このように、電流読み込み端子106は、シンチレータ102に接するアルミコーティング層101に接続して電流値を読み込むので、シンチレータ102への信号の電流値を計測する。カメラ56は、電流読み込み端子106により計測された電流値をカメラ制御部48へ送出する。
【0025】
なお、カメラ56は、予め定めているタイミングに基づいて、繰り返して透過像の画像データを生成し、電流読み込み端子106により電流値を測定してもよい。この場合、カメラ56は、生成し直した透過像の画像データと測定し直した電流値とをカメラ制御部48へ送出するようにしてもよい。
【0026】
ここで、
図3を用いて、カメラ制御部48の機能を説明する。
図3は、カメラ制御部48の機能ブロックを示す図である。なお、
図3に示す機能をカメラ制御部48とMPU35とを組み合わせて実現するようにしてもよい。カメラ制御部48は、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等により実現される。
【0027】
カメラ制御部48は、取得部481、設定部482、電子線密度算出部483、比較部484、および出力制御部485を有する。
【0028】
取得部481は、各装置から情報を取得する部分である。例えば、キーボード44やマウス57により、基準となる電子線密度である適正電子線密度(例えば、下限電子線密度、上限電子線密度)が入力されると、当該適正電子線密度を取得する。取得部481は、当該適正電子線密度を設定部482へ送出する。
【0029】
ここで、適正電子線密度を入力する画面(適正電子線密度入力画面)について、
図4を用いて説明する。
図4は、適正電子線密度入力画面の例を示す図である。適正電子線密度入力画面は、適正電子線密度を入力するための画面である。ユーザの操作入力に応じてMPU35は、当該適正電子線密度入力画面をCRT39へ表示させる。
【0030】
適正電子線密度入力画面は、下限の設定値入力領域111と、上限の設定値入力領域112と、設定ボタン113を含む。下限の設定値入力領域111に下限電子線密度が入力され、上限の設定値入力領域112に上限電子線密度が入力され、設定ボタン113が押下されると、MPU35は、入力された適正電子線密度をカメラ制御部48へ送出する。
【0031】
図3に戻り、取得部481は、カメラ56から透過像の画像データを取得する。取得部481は、当該画像データを取得すると、出力制御部485へ送出する。また、取得部481は、カメラ56から電流値を取得する。取得部481は、電流値を取得すると、当該電流値を電子線密度算出部483へ送出する。また、取得部481は、MPU35から現状のスポットサイズを取得するようにしてもよい。
【0032】
設定部482は、適正電子線密度を設定する部分である。設定部482は、取得部481から適正電子線密度を取得すると、当該適正電子線密度を記憶することにより、当該電子線密度を設定する。
【0033】
電子線密度算出部483は、取得部481により取得された電流値と、カメラ56のシンチレータ102の面積とに基づいて電子線密度を算出する部分である。電子線密度算出部483は、取得部481により取得された電流値(シンチレータ102への信号の電流値)を取得する。電子線密度算出部483は、予めシンチレータ102の面積の情報を記憶しており、取得部481により取得された電流値と、当該面積の情報とに基づいて電子線密度を算出する。
【0034】
電子線密度算出部483は、算出した電子線密度を比較部484へ送出する。また、電子線密度算出部483は、当該算出した電子線密度を出力制御部485へも送出する。
【0035】
比較部484は、電子線密度算出部483により算出された電子線密度と、設定部482により設定された適正電子線密度との比較をする部分である。比較部484は、電子線密度算出部483から電子線密度を取得する。また、比較部484は、設定部482に設定されている適正電子線密度を取得する。
【0036】
また、比較部484は、電子線密度算出部483により算出された電子線密度と、設定部482により設定された適正電子線密度とを比較する。例えば、比較部484は、電子線密度算出部483により算出された電子線密度と、適正電子線密度の下限電子線密度から上限電子線密度までの範囲とを比較して、電子線密度算出部483により算出された電子線密度が当該範囲に含まれるか否かを判断する。
【0037】
なお、比較部484は、適正電子線密度が上限電子線密度のみ指定されている場合、電子線密度算出部483により算出された電子線密度と、当該上限電子線密度とを比較して、当該上限電子線密度を超えているか否かを判断する。
【0038】
比較部484は、比較した結果(適正電子線密度が示す範囲又は適正電子線密度の上限を逸脱するか否かを示す情報)を出力制御部485へ送出する。
【0039】
出力制御部485は、電子線密度算出部483により算出された電子線密度に関する情報を用いて出力制御する部分である。出力制御部485は、電子線密度算出部483から電子線密度(現状の電子線密度)を取得する。また、出力制御部485は、取得部481から透過像の画像データを取得する。また、出力制御部485は、比較部484から比較した結果を取得する。出力制御部485は、設定部482で設定されている適正電子線密度を取得する。
【0040】
出力制御部485は、上述の現状の電子線密度と、透過像の画像データと、比較した結果と、適正電子線密度とに基づいた画面(電子線密度表示画面)をモニタ39へ表示させる。ここで、
図5および
図6を用いて電子線密度表示画面を説明する。
図5は、電子線密度表示画面の表示例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、電子線密度表示画面は、電子線密度表示領域121と透過像表示領域122とを有する。電子線密度表示領域121は、現状電子線密度表示領域123と比較結果表示領域124とを有する。
【0042】
現状電子線密度表示領域123には、現状の電子線密度の数値を表示する。比較結果表示領域124には、比較結果に基づく情報を表示する。例えば、比較結果表示領域124には、現状の電子線密度を示すインジケータ131を表示し、比較した結果に基づいた色で当該インジケータ131を表示する。
【0043】
例えば、現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱する場合、出力制御部485は、緑でインジケータ131を表示させる。また、現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱しない場合、出力制御部485は、赤でインジケータ131を表示させる。なお、出力制御部485は、インジケータ131を色分け表示しないようにしてもよい。
【0044】
このように、出力制御部485は、電子線密度算出部483により算出された電子線密度に関する情報を用いた出力制御として、現状の電子線密度をインジケータで表示させる。また、出力制御部485は、比較部484による比較結果に基づいた出力制御として、比較結果に基づいて色分けして表示させる。
【0045】
続いて、
図6を用いて、電子線密度表示領域121の詳細を説明する。
図6は、電子線密度表示領域121の詳細を示す図である。
図6に示すように、電子線密度表示領域121における比較結果表示領域124では、下限位置125および上限位置126を表示する。
【0046】
なお、出力制御部485は、基準となる電子線密度が入力されていない場合には、適正電子線密度を用いた比較をせずに、現状の電子線密度のみ表示させるようにしてもよい。
【0047】
ここで、
図7を用いて、電子顕微鏡が電子線密度を表示する処理手順を説明する。
図7は、電子顕微鏡がカメラ56のシンチレータ102で計測した電流値に基づいた電子線密度を表示する処理を示すフローチャートである。
【0048】
まず、電流読み込み端子106がカメラ56におけるシンチレータ102の電流値を計測し、当該電流値をカメラ56からカメラ制御部48へ送出する。カメラ制御部48の取得部481は、当該電流値を取得する(ステップS1)。
【0049】
電子線密度算出部483は、当該電流値と、予め記憶しているシンチレータ102の面積とに基づいて電子線密度を算出する(ステップS2)。
【0050】
出力制御部485は、当該電子線密度を含む画面(電子線密度表示画面)をモニタ39へ表示させることにより、電子線密度を表示させる(ステップS3)。
【0051】
続いて、
図8を用いて、算出した電子線密度が、適正電子線密度が示す範囲を逸脱するか否かを判断して、その結果を表示する処理手順を説明する。
図8は、算出した電子線密度が、適正電子線密度が示す範囲を逸脱するか否かを判断して、その結果を表示する処理を示すフローチャートである。
【0052】
まず、キーボード44やマウス57を用いた操作入力により、適正電子線密度が入力されると、MPU35は、当該適正電子線密度をカメラ制御部48へ送出する。これに応じて、取得部481は、当該適正電子線密度を取得する。このように、電子顕微鏡は、適正電子線密度の入力を受け付ける(ステップS11)。
【0053】
続いて、設定部482は、当該適正電子線密度を設定する(ステップS12)。続いて、
図7に記載のステップS1、ステップS2と同様に、シンチレータ102の電流値を取得し(ステップS13)、電子線密度を算出する(ステップS14)。
【0054】
続いて、比較部484は、算出した電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱しているか否かを判断し、判断した結果を出力制御部485へ送出する(ステップS15)。出力制御部485は、比較部484による比較結果が、電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱していないことを示す場合(ステップS15:Yes)、電子線密度のインジケータを緑で表示した電子線密度表示画面を生成する。出力制御部485は、当該電子線密度表示画面を表示させる(ステップS16)。
【0055】
また、出力制御部485は、比較部484による比較結果が、現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱していることを示す場合(ステップS15:No)、電子線密度のインジケータを赤で表示した電子線密度表示画面を生成する。出力制御部485は、当該電子線密度表示画面を表示させる(ステップS17)。
【0056】
なお、出力制御部485は、上記のように比較結果に基づいて表示させるだけでなく、現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱する場合には、電子銃1を制御し、スポットサイズを縮小させるようにしてもよい。
【0057】
現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱する場合に、取得部481で取得した現状のスポットサイズを予め定めている減少量分低減して、MPU35へ電子銃1のスポットサイズの変更要求をする。また、出力制御部485は、スポットサイズを変更するために、電子銃1、励磁電源13、および励磁電源14等を直接制御するようにしてもよい。
【0058】
上記のように、出力制御部485は、比較結果に基づいた出力制御として、比較結果に基づいて電子銃1による照射状態を変更させてもよい。
【0059】
続いて、
図9を用いて、比較部484による比較結果が、算出した電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱していることを示す場合に、スポットサイズを縮小させる処理手順を説明する。
図9は、算出した電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱しているか否かを判断した結果に基づいて、スポットサイズを縮小させる処理を示すフローチャートである。
【0060】
図9に示すステップS21〜ステップS26は、
図8に示したフローチャートのステップS11〜ステップS16とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0061】
出力制御部485は、比較部484による比較結果が、現状の電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱していることを示す場合(ステップS25:No)、電子銃1に対してスポットサイズを縮小させる。すなわち、出力制御部485は、スポットサイズを変更し(ステップS27)、ステップS23へ進む。
【0062】
このように、カメラ制御部48は、電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱している場合、スポットサイズを縮小させて、再度電子線密度を算出し直し、当該電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱しているか否かを判断する。なお、出力制御部485は、この場合に、さらに電子線密度のインジケータを赤で表示した電子線密度表示画面を生成し、当該電子線密度表示画面を表示させてもよい。
【0063】
なお、上述の実施例では、カメラ56のシンチレータ102の電流値に基づいて電子線密度を算出する場合について述べたが、当該電流値を補正するようにしてもよい。例えば、カメラ56と、試料との間に位置する蛍光板49における、試料から発生する信号の電流値と、シンチレータ102における試料から発生する信号の電流値との相関関係に基づいて、上記補正をしてもよい。この場合、カメラ制御部48は、取得部481により取得された電流値(電流読み込み端子106により計測された電流値)を補正して、補正した結果と第1の蛍光体の面積とに基づいて電子線密度を算出するようにしてもよい。
【0064】
図10を用いて、蛍光板49(第2の蛍光体)およびシンチレータ102(第1の蛍光体)におけるスポットサイズ毎の電流値の計測結果を説明する。
図10は、各スポットサイズにおける電流値を計測した結果を示す図である。
図10のグラフの縦軸が電流値を示し、横軸がスポットサイズを示す。
図10に示すように、蛍光板49で計測した電流値の方が高く計測され、スポットサイズが大きくなる程、蛍光板49で計測した電流値とシンチレータ102で計測した電流値との差が顕著になる。
【0065】
図10に示すような、各スポットサイズにおける蛍光板49とシンチレータ102の電流値を示す情報(例えば、テーブル形式の情報)を、電子線密度算出部483は、それぞれの蛍光体の相関関係を示す情報として記憶しておく。そして、電子線密度算出部483は、当該相関関係を示す情報を参照して、取得部481により取得された電流値を補正して、補正した結果を用いて電子線密度を算出する。
【0066】
例えば、電子線密度算出部483は、電子銃1が照射している現状の電子線のスポットサイズに対応する蛍光板49の電子線密度に補正する。なお、電子線密度算出部483は、電子銃1が照射している電子線のスポットサイズを示す情報を、電子銃1を制御している部分(例えば、MPU35等)等から取得しているものとする。
【0067】
このように、電子線密度算出部483は、カメラ56と試料との間に位置する蛍光板49における電流値を考慮して、シンチレータ102で計測された電流値を補正する。これにより、電子線密度算出部483は、より試料に近い位置で計測された電流値を用いて、試料への影響度合いを反映した電子線密度を算出することができる。
【0068】
上述に記載の実施形態のように、電子銃1は、電子線を照射し、シンチレータ102を有するカメラ56が、当該電子線の照射により試料から発生する信号を検出して透過像を撮像する。電流読み込み端子106は、シンチレータ102への信号の電流値を計測し、電子線密度算出部483は、計測された電流値と、シンチレータ102の面積とに基づいて電子線密度を算出し、出力制御部485は、算出された電子線密度に関する情報を用いて出力制御する。
【0069】
このように、電子顕微鏡は、カメラ56のシンチレータ102への信号(試料を透過した信号)の電流値を計測し、当該電流値と、シンチレータ102の面積とに基づく電子線密度を算出するので、電子線の試料への影響を特定し得る情報を算出することができる。また、上述の実施形態では、電子顕微鏡は、透過像の撮像時の電流値を表示するので、リアルタイムで電子線密度の情報を提供することができる。
【0070】
また、出力制御部485は、電子線密度をインジケータで表示させるので、試料への影響をユーザが視覚的に認識できる形式で出力することができる。
【0071】
また、設定部482は、適正電子線密度を設定し、比較部484が、電子線密度算出部483により算出された電子線密度と、当該適正電子線密度とを比較する。出力制御部485は、比較部484により比較された結果に基づいて出力制御するので、電子線の試料への影響度合いに応じて出力制御することができる。
【0072】
また、出力制御部485は、比較した結果に基づいてインジケータを色分け表示する。このように、電子顕微鏡は、比較した結果に基づいて色分け表示するので、電子線の試料への影響度合いをユーザに容易に認識させることができる。
【0073】
また、出力制御部485は、比較した結果、電子線密度が適正電子線密度の範囲を逸脱している場合、電子銃1を制御して、スポットサイズを縮小させる。このように、出力制御部485は、電子銃1の照射状態を変更させるので、電子線の試料への影響度を軽減させることができる。
【0074】
上述の実施形態では、カメラ制御部48は、算出した電子線密度を表示させる場合について述べたが、当該電子線密度を用いた他の出力制御をしてもよい。例えば、カメラ制御部48は、算出した電子線密度を記憶したり、外部装置へ送信したりしてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、適正電子線密度の入力を受け付ける場合について述べたが、自動で設定するようにしてもよい。この場合、例えば、試料の材料種別をユーザ入力等により特定し、試料の材料種別に応じて設定するようにしてもよい。例えば、材料種別の透過率の違いを考慮して適正電子線密度を設定するようにしてもよい。
【0076】
前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現する動作プログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現してもよい。ハードウェアとソフトウェアを併用してもよい。
【0077】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0078】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。