(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971403
(24)【登録日】2021年11月4日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】高速端子のランドパッド設計
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 N
H01L23/12 301Z
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-528968(P2020-528968)
(86)(22)【出願日】2018年9月18日
(65)【公表番号】特表2021-506104(P2021-506104A)
(43)【公表日】2021年2月18日
(86)【国際出願番号】US2018051539
(87)【国際公開番号】WO2019112674
(87)【国際公開日】20190613
【審査請求日】2021年7月15日
(31)【優先権主張番号】15/836,239
(32)【優先日】2017年12月8日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】サンジェイ ダンディア
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド アール. タルボット
(72)【発明者】
【氏名】マヘシュ エス. ハルディカール
【審査官】
井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−63081(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0077000(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0207090(US,A1)
【文献】
特開2008−209237(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0015592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路パッケージ基板と、
前記集積回路パッケージ基板の表面に配置された導電性ランドパッドと、を備え、
前記導電性ランドパッドは、
相互接続構造の最後の着地位置として構成された導体部と、
前記相互接続構造の最初の着地位置として構成された隔離導体部であって、前記相互接続構造が前記最初の着地位置にある場合に前記相互接続構造に電気的に接続され、前記相互接続構造が前記最後の着地位置にある場合に前記相互接続構造から電気的に隔離される、隔離導体部と、
前記導体部と前記隔離導体部との間に配置された隔離部と、を含み、
前記隔離部は、前記導体部と前記隔離導体部との間のギャップを含み、
前記ギャップは、電気絶縁固体材料で充填されている、
集積回路アセンブリ。
【請求項2】
前記隔離導体部は、前記導体部の第1側及び前記導体部の第2側を囲む、
請求項1の集積回路アセンブリ。
【請求項3】
前記隔離導体部は、前記導体部の周囲の一部を囲む、
請求項1の集積回路アセンブリ。
【請求項4】
前記周囲の一部は、前記周囲の少なくとも25%であり、前記周囲の50%未満である、
請求項3の集積回路アセンブリ。
【請求項5】
前記ギャップは、前記相互接続構造の半径よりも小さい幅を有する、
請求項1の集積回路アセンブリ。
【請求項6】
前記導体部は、傾斜角部又は丸みを帯びた角部を有する矩形である、
請求項1〜4の何れかの集積回路アセンブリ。
【請求項7】
前記導電性ランドパッドの前記導体部に電気的に接続された前記相互接続構造であって、前記相互接続構造が前記最後の着地位置にある場合に前記導電性ランドパッドの前記導体部と直接接触し、前記相互接続構造が前記最初の着地位置にある場合に前記隔離導体部と直接接触する、相互接続構造を備える、
請求項1〜4の何れかの集積回路アセンブリ。
【請求項8】
前記相互接続構造を使用して、前記導電性ランドパッドの前記導体部をプリント回路基板に機械的及び電気的に接続するように構成された集積回路ソケットを備える、
請求項1〜4の何れかの集積回路アセンブリ。
【請求項9】
前記相互接続構造が前記最後の着地位置にある場合に前記導体部と直接接触する前記相互接続構造であって、前記相互接続構造が前記最初の着地位置にある場合に前記隔離導体部と直接接触する前記相互接続構造と、
前記相互接続構造に直接取り付けられたプリント回路基板と、を備える、
請求項1〜4の何れかの集積回路アセンブリ。
【請求項10】
前記集積回路パッケージ基板に収容された集積回路を備え、
前記集積回路は、前記導体部に電気的に接続されており、前記隔離導体部から電気的に隔離されており、
前記導体部は、前記集積回路の信号を前記相互接続構造に電気的に接続するように構成されており、前記隔離導体部は、前記集積回路の信号から電気的に隔離されるか、前記隔離導体部が前記導電性ランドパッドの性能に及ぼす影響を低減する電圧に接続されるように構成されている、
請求項1〜4の何れかの集積回路アセンブリ。
【請求項11】
導電層を多層パッケージ基板の表面に形成することと、
前記導電層から導電性ランドパッドを形成することであって、前記導電性ランドパッドは、導体部と、隔離導体部と、前記導体部と前記隔離導体部との間に配置された隔離部と、を有し、前記導電性ランドパッドは、前記導電性ランドパッドに対する相互接続構造の接点ワイプの角度及び距離に基づく形状を有する、ことと、
前記多層パッケージ基板の次に隣接する導電層にボイドを形成することであって、前記ボイドは、前記導電性ランドパッドの直下にある、ことと、を含む、
集積回路アセンブリを製造する方法。
【請求項12】
前記隔離部は、受け構造の相互接続構造の接触先端の半径よりも小さい幅を有する、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記隔離部は、前記導体部と前記隔離導体部との間のギャップを含み、
前記ギャップは、電気絶縁材料で充填されている、
請求項11又は12の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
概して、ランドグリッドアレイパッケージ(LGA)は、プリント回路基板に接続されるか、プリント回路基板上の導体に直接接続されるLGAソケットのピン又は導電リードに電気的に接続することができる導電性ランドパッドを含む集積回路用の表面実装パッケージである。従来のLGAランドパッドは、正方形又は長方形であり、関連する端子又は信号経路に負荷を与え、ランドパッドに接続された端子の高速性能を制限することがあるキャパシタンスを有する。したがって、改善されたランドパッド技術が望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
少なくとも一実施形態では、集積回路アセンブリは、集積回路パッケージ基板と、集積回路パッケージ基板の表面に配置された導電性ランドパッドと、を含む。導電性ランドパッドは、導体部(conductor portion)と、隔離導体部(isolated conductor portion)と、導体部と隔離導体部との間に配置された隔離部(isolation portion)と、を含む。隔離導体部は、導体部の第1側及び導体部の第2側を囲んでもよい。隔離導体部は、導体部の周囲の一部を囲んでもよい。隔離部は、導体部と隔離導体部との間にギャップを含んでもよい。ギャップは、受け構造の相互接続構造の半径よりも小さい幅を有してもよい。
【0003】
少なくとも一実施形態では、集積回路アセンブリを製造する方法は、多層パッケージ基板の表面に導電層を形成することを含む。方法は、導電層から導電性ランドパッドを形成することを含む。導電性ランドパッドは、導体部と、隔離導体部と、導体部と隔離導体部との間に配置された隔離部と、を有する。隔離部は、受け構造の相互接続構造の接触先端(contact tip)の半径よりも小さい幅を有してもよい。隔離部は、導体部と隔離導体部との間にギャップを含んでもよい。ギャップは、電気絶縁材料で充填されてもよい。
【0004】
少なくとも一実施形態では、集積回路アセンブリを製造する方法は、集積回路パッケージと受け構造とをスタックに積層することを含む。集積回路パッケージのランド側は、受け構造の相互接続構造に隣接して相互接続構造と位置合わせされ、相互接続構造を、対応するランドパッドの隔離導体部に着地させる(land on)。方法は、ランド側の表面に直交した方向にスタックに加えられる力に応じて、相互接続構造によって受け構造をトラバースすることを含む。トラバースすることは、対応するランドパッドの隔離導体部と導体部との間に配置された対応するランドパッドの隔離部に亘って、対応するランドパッドの隔離導体部から、対応するランドパッドの導体部までの、ランド側の表面に平行な方向にある。導体部は、受け構造の相互接続構造の半径よりも小さい幅だけ、対応する隔離部から分離されてもよい。
【0005】
添付の図面を参照することによって本発明をより良く理解することができ、その多くの目的、特徴及び利点が当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ソケットを使用してプリント回路基板に接続されたLGAパッケージを含む集積回路アセンブリの断面図である。
【
図2】LGAパッケージの従来のランドパッドの平面図である。
【
図3】従来のLGAパッケージを含む集積回路アセンブリに加えられた力に応じて、従来のランドパッドを横切る接点ワイプ経路(contact wipe path)の平面図である。
【
図4】従来のLGAパッケージを含む集積回路アセンブリに加えられた力に応じて、従来のランドパッドを横切る接点ワイプ経路の断面図である。
【
図5】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、分離したLGAランドパッドの平面図である。
【
図6】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、分離したLGAランドパッドを横切る接点ワイプ経路の詳細な平面図である。
【
図7】LGAパッケージと共に使用される受け構造の例示的な相互接続構造を示す図である。
【
図8】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、従来のLGAパッケージを含む集積回路アセンブリに加えられる力に応じて、分離したLGAランドパッドを横切る接点ワイプ経路の断面図である。
【
図9】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、従来のLGAパッケージを含む集積回路アセンブリに加えられた力に応じて、分離したランドパッドの別の実施形態を横切る接点ワイプ経路の断面図である。
【
図10】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、分離したLGAランドパッドの別の実施形態を横切る接点ワイプ経路の詳細な平面図である。
【
図11】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、分離したLGAランドパッドの別の実施形態を横切る接点ワイプ経路の詳細な平面図である。
【
図12】従来のLGAランドパッドのキャパシタンスに寄与する導電性材料の領域、及び、本発明の少なくとも一実施形態と整合する、分離したLGAランドパッドのキャパシタンスに寄与する導電性材料の領域を示す図である。
【
図13】本発明の少なくとも一実施形態と整合する、集積回路パッケージ基板の導電性材料の領域の例示的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
異なる図面における同じ符号の使用は、類似又は同一のアイテムを示す。
【0008】
概して、ランドグリッドアレイ(LGA)パッケージは、セラミック又はプラスチック材料(例えば、ビスマレイミドトリアジン(BT)基板)を使用した従来のパッケージング製造技術によって形成された多層基板を含む。多層基板は、基板内で信号を再分配するために使用される導電層を含む。LGAパッケージは、LGAパッケージの下側に1つ以上の接点(すなわち、ランドパッド又は導電性ランド)を含む。導電層及びランドパッドは、LGAパッケージによって収容された集積回路を、受け構造(例えば、ソケット又はプリント回路基板)上の対応する接点に接続する。典型的なランドパッドは、サイズ及びピッチが変化し得る平坦又は平面構造であり、パッケージの周囲に配置され得る矩形グリッド内又はLGAパッケージの下側の他のパターン内に配置され得る。
【0009】
プリント回路基板、又は、プリント回路基板に取り付けられたソケットは、LGAパッケージのランドパッドとプリント回路基板との間に機械的及び電気的接続をもたらす受け構造である。
図1を参照すると、集積回路ソケット104は、電気接点108(例えば、半田ボール、ピン、リード、又は、他のタイプの電気接点)によって、プリント回路基板106上の電気接点に接続されている。集積回路ソケット104は、ハンドル又は表面プレート105が配置されることに応じて圧縮力Fを加える。プリント回路基板自体が受け構造である場合、(例えば、半田ペーストを使用して)LGAパッケージをプリント回路基板に取り付ける間、圧縮力がLGAパッケージに加えられる。第1方向(例えば、LGAパッケージ102の下側に直交する垂直方向)に加えられる圧縮力Fは、集積回路ソケット104の相互接続構造110(例えば、ピン、リード、又は、他の電気接点)を、LGAパッケージ102のランドパッド112を横切る第2方向(例えば、第1方向に直交し、LGAパッケージ102の下側に平行な方向)に摺動させる。本明細書で言及するように、接点ワイプ(又は、係合ワイプ(engagement wipe))は、ソケットへの接触係合又は挿入の間の嵌合接触面(mating contact surface)(例えば、ランドパッド及び対応する相互接続構造)間の相対運動である。集積回路ソケット104は、例示的なものに過ぎず、他の設計を有してもよいし、異なる接続メカニズムを使用してもよい。例えば、集積回路ソケット104は、ソケットの上部及び下部に接点を有するLGAデュアル圧縮ソケットであってもよい。LGAパッケージ102と集積回路ソケット104との間の電気的接続、及び、集積回路ソケット104とプリント回路基板106との間の電気的接続は、力印加技術又はヒートシンクを使用して行われる。また、集積回路アセンブリ100の他の実施形態では、ハンドル又は表面プレート105が所定の位置に配置されたことに応じて集積回路ソケット104によって圧縮力Fを加えるのではなく、ヒートシンクを使用して、力印加メカニズム無しに圧縮力Fを加える。
【0010】
図2〜
図4を参照すると、ランドパッド112は、集積回路パッケージ基板の下側のランドパッド200のアレイの一部として形成された従来の矩形ランドパッドである。ランドパッド112は、従来の表面実装パッケージ製造技術を使用して、導電性材料(例えば、金めっき銅又は金めっき、ニッケルめっき銅等)から形成され、従来の表面実装パッケージ製造技術は、より緊密な幾可学的形状に適合された従来のプリント回路基板製造技術を含んでもよい。例示的な製造技術は、集積回路パッケージ基板の下側に誘電層を形成し、続いて、誘電層上に形成された導電層の従来のフォトリソグラフィパターニングによってランドパッド112を形成する。
【0011】
図3及び
図4を参照すると、接点ワイプの間、相互接続構造406の先端(tip)408は、最初に、ランドパッド112の初期位置402に着地し、圧縮力Fに応じて、ランドパッド112の最終位置404まで、経路Dに沿ってランドパッド112上をトラバースする。経路Dは、ランドパッドの両側に対して斜めである(例えば、ランドパッド112の端部に対して30°〜40°の角度で横切る)。最終位置404において、ランドパッド112全体が、関連する端子に負荷をかけるキャパシタンスに寄与する。このキャパシタンスは、端子の高速性能を制限する。
【0012】
関連する端子上のランドパッドの容量性負荷(capacitive loading)を低減する技術は、ランドパッドを横切る相互接続構造の接点ワイプ経路を考慮した分離ランドパッド設計(split land pad design)を含む。分離ランドパッド設計は、
図2〜
図4の従来の矩形ランドパッドと比較して、端子の高速性能を改善する。少なくとも一実施形態では、分離ランドパッド設計は、ランドパッド上の相互接続構造の最初の着地位置と、ランドパッド上の相互接続構造の最後の着地位置と、の別々のランドパッド部分を含む。
図5〜
図9を参照すると、分離したランドパッド502の各々は、最終の着地位置における相互接続構造を、LGAパッケージに収容された集積回路の信号(例えば、LGAパッケージに収容された集積回路の端子)に接続する導体部506を含む。相互接続構造は、隔離導体部508内の最初の着地位置512、及び、導体部506内の最後の着地位置504において、分離したランドパッド502に電気的及び機械的に接続する。しかしながら、隔離導体部508は、導体部506から電気的に隔離されており、相互接続構造を、LGAパッケージに収容された集積回路の信号に接続していないが、隔離導体部508が分離したランドパッド502の性能に及ぼす影響を低減する電圧に接続されてもよい(例えば、隔離導体部508が接地電圧に接続され、導体部506が高速I/Oに接続される)。少なくとも一実施形態では、隔離導体部508は、導体部506と同じ材料から形成されるが、別の導電性材料から形成されてもよい。
【0013】
隔離導体部508は、接点ワイプの前に、最初の着地位置512において相互接続構造を受け取る。隔離導体部508は、いくつかの実施形態では、導体部506と同じ材料の導電性材料から形成されるので、隔離導体部508をトラバースした結果として相互接続構造に集まる隔離導体部508のデブリが、最後の着地位置504における相互接続構造と導体部506との間の電気的接続の確立を妨げる可能性が低い。
【0014】
また、分離したランドパッド502は、導体部506と隔離導体部508との間の隔離部510を含む。隔離部510は、導体部506と隔離導体部508との間の電気的な隔離をもたらす物理的バリアである。隔離部510は、導体部506と隔離導体部508との間に電気絶縁材料(例えば、空気又は半田レジスト)で充填されたギャップであってもよいし(
図9)、別の低比誘電率(すなわち、低誘電率)材料(例えば、
図8に示すように、半田レジスト、ポリイミド半田マスク、又は、10.0未満の比誘電率を有する他の材料)で充填されてもよい。概して、隔離部510は、十分な電気的隔離をもたらすのに十分な広さの幅であって、相互接続構造406の先端408に堆積したデブリを低減又は除去するのに十分な狭さの幅を有する。少なくとも一実施形態では、幅d
1(例えば、50ミクロン以下)は、相互接続構造406の先端408の半径r(例えば、半径r=100ミクロン)の50%よりも狭い。したがって、相互接続構造406の先端408は、接点ワイプの間、トレンチ上を滑る。
【0015】
例示的な製造技術は、最初に、集積回路パッケージ基板の下側に誘電層を形成し、次に、従来のフォトリソグラフィパターニングによって分離したパッド構造を形成することによって、分離したランドパッド502を形成する。例えば、導電層(例えば、銅層)をパッケージ表面に形成する。次に、導電層に別の導電性材料(例えば、金)をめっきする。フォトレジストが塗布され、分離したランドパッドパターンを含むレチクルが、フォトレジスト材料を選択的に露光するために使用され、不要な材料が除去される(例えば、エッチングされる)。サブトラクティブパターニングプロセスの代わりにアディティブパターニングプロセスを使用して、材料を必要とする領域のみに導電性構造を形成することができる。また、従来のランドパッド用に設計されたレチクルの完全な再設計を必要とするのではなく、個別の追加のレチクル及び関連するパターニング工程を使用して、隔離構造を、対応する事前形成されたランドパッド内に形成することができる。分離したランドパッドは、ランドパッドよりも小さい半田マスク開口部を有する、半田マスクによって画定されたランドパッドとして形成されてもよい。他の実施形態では、分離したランドパッドは、半田マスク開口部よりも小さい分離したランドパッドを有する、半田マスク上に画定されたランドパッドである。少なくとも一実施形態では、分離したランドパッドは、銅エッチングプロセスを使用して形成される。分離したランドパッドは、半田付け性コーティングで仕上げられてもよい。
【0016】
例示的なパッケージ技術では、分離したパッド構造は、実効ランドパッド面積を実質的に減少させ(すなわち、関連する端子の容量性負荷に寄与する導電性材料の面積を、例えば、約670mm
2から約335mm
2まで約50%減少させ)、対応する信号線の関連する容量性負荷を減少させる(例えば、0.49pFから0.19pFまで約61%減少させる)。他のランドパッド形状及び幾可学的形状が使用されてもよいことに留意されたい。例えば、導体部506及び隔離導体部508を矩形ランドパッドから形成するのではなく、隔離部510によって隔離された隔離導体部及び導体部を有する分離したランドパッドを、菱形ランドパッド(例えば、
図10)、台形ランドパッド(例えば、
図11)、又は、隔離導体部上の最初の着地点から導体部上の最後の着地点までの接点ワイプの角度及び距離に適合した他の規則的又は不規則な形状から形成してもよい。適合することは、距離D及び接点ワイプの所定の角度範囲に基づいて、導体部の最小寸法をもとめることを含んでもよい。分離したランドパッドの導体部の面積をさらに減少させ、これにより、容量性負荷をさらに減少させるために、(例えば、45°の角度の角部、又は、丸みを帯びた角部を有する導体を形成することによって)製造設計ルールに従って角部を減らしてもよい。ワイプ角度が、ターゲットの受け構造の製造者間で標準化される場合(例えば、10°未満の角度範囲に制限される)、導体部506の幾可学的形状がワイプ角度に従ってさらに適合されてもよく、これにより、分離したランドパッド502のキャパシタンスをさらに減少させることに留意されたい。
【0017】
図12及び
図13を参照すると、少なくとも一実施形態では、分離したランドパッドは、多層パッケージ基板の最後の導電層(例えば、20層パッケージの導電層M20)に形成される。分離したランドパッドの個々のキャパシタンスを減少させるために使用可能な別の技術は、多層パッケージの分離したランドパッド502の上の次に隣接する導電層(例えば、導電層M19)内の導体材料を除去することを含む。例えば、上述したパターニング技術を使用して、ボイド(void)904を、最後から2番目の導電層(例えば、導電層M19)に形成してもよい。ボイドは、導電層M20に形成された分離したランドパッドの外周と同じサイズ及び形状を有してもよく、導電層M20の分離したランドパッドと位置合わせされる。
【0018】
本明細書に記載した本発明の説明は、例示的なものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に開示された実施形態の変形及び修正は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された説明に基づいて行うことができる。