特許第6971441号(P6971441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971441
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】光源モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20211111BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20211111BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20211111BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20211111BHJP
【FI】
   H01L33/00 H
   F21V29/503 100
   F21V29/70
   F21Y115:00
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-188521(P2017-188521)
(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-67807(P2019-67807A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】大川 正美
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 克之
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−256860(JP,A)
【文献】 特開2001−326411(JP,A)
【文献】 特開2003−187477(JP,A)
【文献】 特開2012−256692(JP,A)
【文献】 特開2014−138046(JP,A)
【文献】 特開2017−111862(JP,A)
【文献】 特開2017−168233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21Y 115/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードを有する光半導体と、
前記光半導体を機械的に接続する台座と、
前記光半導体を電気的に接続する配線基板とを有し、
前記台座は、上側に前記光半導体が載置され、前記リードが貫通する第1の孔を有する第1の部分と、前記第1の部分から両側下方に延びた脚部とを備えた本体を含み、
前記配線基板は、前記第1の部分から下方に離れ、かつ、前記脚部同士の間に形成される第1の空間内に配置されており、
前記リードが貫通する第2の孔が形成されたフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板を支持する、前記フレキシブル基板よりも剛性の高い支持基板であって、前記第2の孔に対向する領域に前記第2の孔より大きな第3の孔が形成された支持基板とを含む、光源モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記配線基板は、前記第1の空間に配置される幅狭部と、前記幅狭部につながる幅広部とを含み、
前記本体は、前記幅広部の両端に対応する第2の部分を含み、
前記配線基板は前記本体に対し、前記幅狭部の先端近傍および前記第1の部分と、前記幅広部の両端近傍および前記第2の部分との少なくとも3か所で固定されている、光源モジュール。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記フレキシブル基板及び前記支持基板はT字型である、光源モジュール。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記支持基板は、前記フレキシブル基板よりも熱伝導性が高い、光源モジュール。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記支持基板の熱膨張率は、前記本体の熱膨張率と実質的に同一であり、前記フレキシブル基板が、少なくとも前記第3の孔の周囲で前記支持基板により裏打ちされている、光源モジュール。
【請求項6】
請求項5において、
前記支持基板は、前記本体と同一材料の基板である、光源モジュール。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、さらに、
前記光半導体を前記第1の部分の上側の第1の面に、ねじまたはリベットを介して固定する押さえ板を有する、光源モジュール。
【請求項8】
請求項7において、さらに、
前記光半導体は、キャップと、ステムとを含み、
前記押さえ板は略正方形で、中央に設けられた筒状の押さえ部であって、前記キャップが貫通し、前記ステムの上端に係る押さえ部と、
前記押さえ板の四隅に設けられた前記ねじまたはリベットを通す押さえ孔とを含み、前記ねじまたはリベットにより前記本体に前記四隅が前記第1の面とほぼ平行に取り付けられている、光源モジュール。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれかに記載の光源モジュールの製造方法であって、
前記光源モジュールは、さらに、前記光半導体を前記第1の部分の上側の第1の面に、ねじまたはリベットを介して固定する押さえ板を有し、
前記光半導体は、キャップとステムとを含み、
前記押さえ板は略正方形で、中央に設けられた筒状の押さえ部であって、前記キャップが通過し、前記ステムの上端に係る押さえ部と、
前記押さえ板の四隅に設けられた前記ねじまたはリベットを通す押さえ孔とを含み、
当該製造方法は、前記本体の前記第1の部分に前記光半導体を搭載する際に、前記四隅が前記第1の面と反対側に反り返った状態の前記押さえ板を前記ねじまたはリベットにより前記本体に固定し、前記四隅が前記第1の面とほぼ平行にすることを含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードを有する光半導体が搭載された光源モジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源の放熱性を向上させる技術を提供することが記載されている。特許文献1の光源モジュールは、発光素子、当該発光素子を支持するステム、及び一端側が発光素子に電気的に接続される端子を有する光源と、端子の他端側が電気的に接続され、端子を外部給電端子に電気的に接続するための配線基板と、ステム及び配線基板の間に配置され、発光素子に熱的に接続される熱拡散部材と、を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−170905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば自動車用途などの光源モジュールにおいては、放熱性のみならず、所定の温度範囲における機械的および電気的な安定性も要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、リードを有する光半導体と、光半導体を機械的に接続する台座と、光半導体を電気的に接続する配線基板とを有する光源モジュールである。台座は、上側に光半導体が載置され、リードが貫通する第1の孔を有する第1の部分と、第1の部分から両側下方に延びた脚部とを備えた本体を含む。配線基板は、第1の部分から下方に離れ、かつ、脚部同士の間に形成される第1の空間内に配置されており、さらに、リードが貫通する第2の孔が形成されたフレキシブル基板と、フレキシブル基板を支持する、フレキシブル基板よりも剛性の高い支持基板であって、第2の孔に対向する領域に第2の孔より大きな第3の孔が形成された支持基板とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、所定の温度範囲における機械的および電気的な安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】光源モジュールを斜め上方から見た様子を示す図。
図2】光源モジュールを斜め下方から見た様子を示す図。
図3】光源モジュールを部品に展開して示す図。
図4】光源モジュールの平面図。
図5図4のV−V線における光源モジュールの断面図。
図6】光源モジュールの製造過程の一部を示す図であって、図6(a)は光半導体を台座の本体の上面に搭載し、四隅が反り返った押さえ板を取り付けた状態を示し、図6(b)は押さえ板の四隅を上面に取り付けて押さえ板を本体の上面と平行にした状態にして光半導体を台座に取り付けた状態を示す図。
図7図7(a)は押さえ板の平面図、図7(b)は押さえ板の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、本発明の一形態となる光源モジュール1を、上側から見た斜視図により示している。また、図2に、光源モジュール1を下側から見た斜視図により示し、図3に、光源モジュール1を各部品に展開して示している。さらに、図4に、光源モジュール1を上側から見た平面で示し、図5に、図4で示した線V−Vにおける断面を示している。
【0009】
光源モジュール1は、リード11を有する光半導体10と、光半導体10を機械的に接続する台座20と、光半導体10を電気的に接続する配線基板30とを有する。台座20は、本体23を有し、本体23は、上側2の面21aに光半導体10が載置され、リード11が貫通する第1の孔25を有する第1の部分21と、第1の部分21から両側下方3に延びた一対の脚部22とを含む。配線基板30は、本体23の第1の部分21の下側3の面21bから下方に離れ、かつ、両側の一対の脚部22同士の間に形成される空間(第1の空間)5内に配置されている。配線基板30は、リード11が貫通する第2の孔42が形成されたフレキシブル基板40と、フレキシブル基板40を上側2に支持する、フレキシブル基板40よりも剛性の高い支持基板50とを含む。支持基板50は、さらに、フレキシブル基板40の第2の孔42に対向する領域に設けられた、第2の孔42より大きな第3の孔53を含む。支持基板50は、フレキシブル基板40を下側3に支持するものであってもよい。
【0010】
本明細書において、上側(上方)2とは、台座20の本体23に対して光半導体10が搭載されている方向を示し、下側(下方)3とは上側2と反対の方向を示す。したがって、上側2および下側3は、鉛直方向に沿った上下方向であってもよく、鉛直方向とは無関係な、前後、左右あるいは、適当な第1の方向と、反対側の第2の方向との組み合わせであってもよい。
【0011】
台座20の本体23は、光半導体10を、不図示の放熱基板(ヒートシンク)またはその他の支持基板、例えば車両用ライトの支持基板に機械的に取り付け、光半導体10からの熱を放熱基板などに放熱する、機械的および熱的なインターフェースとしての機能を含んでもよい。台座20の本体23は、機械的剛性が高く、熱伝導性もよい材料、例えば金属、典型的にはアルミニウムまたはその他の複数の成分を含む合金で形成されている。台座20の本体23は、上側2から見た形状がほぼ長方形で、光半導体10を搭載する第1の部分21と、配線基板30を取り付ける第2の部分27とが長手方向4に連結した形状となっている。
【0012】
本体23は、第1の部分21の両側に設けられた脚部22の下側3に、さらに、脚部22から外側に張り出した機械的接続部(接合部)24を含み、ヒートシンクなどに台座20の本体23を取り付けられるようになっている。接合部24には、ねじまたはリベット等を取り付けるための複数の孔24aが設けられている。台座20の本体23の第1の部分21の長手方向4に直交する方向の断面は、第1の部分21、両側の脚部22および張り出した接合部24からなる略Ω状または略逆U字状で、内部に配線基板30を設置するための空間5が形成されている。
【0013】
第1の部分21の長手方向4に繋がった第2の部分27は、第1の部分21に対して長手方向4に直交する方向の長さ(幅)が広い、幅広の部分であって、配線基板30を主に支持する部分である。第2の部分27は、後述するコネクタ48が収まる切り欠き28と、切り欠き28の両側に設けられた取付孔29とを含み、配線基板30をねじ39またはリベットなどにより取付孔29を介して本体23に固定できる。
【0014】
第1の部分21の上面21aには、円形に、周囲の面から若干突き出た状態で平らな面を形成するための載置台21cが設けられており、載置台21cに、キャップ12と、ステム13とを備えた全体が円筒状のキャンパッケージタイプの光半導体10が搭載されている。リード11が貫通する第1の孔25は、載置台21cを第1の部分21を含めて貫通するように設けられており、光半導体10は、リード11が第1の孔25を通り、ステム13の裏面が載置台21cに密着するように搭載される。
【0015】
光源モジュール1は、さらに、光半導体10を第1の部分21の上面21a、具体的には載置台21cに固定するための押さえ板60を有する。光半導体10は、ねじ65またはリベットにより、押さえ板60を介して台座20の本体23の第1の部分21に固定される。押さえ板60は略正方形で、中央に設けられた、光半導体10のキャップ12が貫通する孔61と、その孔61の周囲に設けられた筒状の押さえ部62とを含む。押さえ部62は、ステム13の上端に係るように、押さえ板60から上方2に突き出た円形または円筒状の部分である。押さえ板60は、さらに、四隅64のそれぞれに設けられた押さえ孔63を含み、ねじ65またはリベットを押さえ孔63に取り付けて、四隅64を本体23、具体的には第1の部分21に取り付ける。この際、押さえ板60の四隅64が第1の面21aとほぼ平行となるように取り付けられてもよい。
【0016】
台座20の下側3に取り付けられる配線基板30は、全体として略T字型で、本体23の下側3に形成され、長手方向4に延びた第1の空間5に配置される幅狭部31と、幅狭部31につながる幅広部32とを含む。幅広部32は、本体23の第2の部分27と対応しており、幅広部32の両端近傍に設けられた取付用の孔33と、本体23の幅広の第2の部分27の両端近傍に設けられた取付孔29とを用いて、ねじ39またはリベットにより配線基板30と本体23とを固定できる。
【0017】
配線基板30の幅狭部31の先端近傍、すなわち、幅広部32と反対側にも取付用の孔34が設けられている。本体23の第1の部分21には、取付用の孔34と対向する位置に取付孔26が設けられており、これらの取付孔34および26を用いて、ねじ39またはリベットにより、配線基板30と本体23とを固定できる。したがって、配線基板30と、台座20の本体23とは、長手方向4の一方の端の1か所(取付孔34および26)と、他方の端の直交する2か所(取付孔33および29)の合計3か所で固定される。
【0018】
配線基板30は、周辺の形状が略T字型で同一のフレキシブル基板40と支持基板50との2層構造となっている。フレキシブル基板40と支持基板50とは、耐熱性の樹脂、例えばエポキシ樹脂などにより接着され、フレキシブル基板40が支持基板50により裏打ちされている。フレキシブル基板40は支持基板50により全体(全面)が裏打ちされていてもよく、部分的に、特に、リード11が通過する支持基板50の孔(第3の孔)53の周囲が裏打ちされていてもよい。
【0019】
支持基板50は、フレキシブル基板40よりも剛性が高く、熱伝導性も高い部材で構成され、機械的にフレキシブル基板40を支持するとともに、フレキシブル基板40から熱を放出するヒートシンクとしての機能も果たす。支持基板50の一例は、本体23と同じ金属、例えば、アルミニウム製の基板である。支持基板50は、本体23の熱膨張に合わせて伸び縮みするように、本体23と実質的に同じ熱膨張率(線膨張率)を備えていてもよい。本体23と同一材料である金属製の基板は、支持基板50として適している。
【0020】
フレキシブル基板(フレキシブルプリント基板)40は、ポリイミドなどの絶縁性の薄い樹脂に所定の回路45が形成された柔軟性の高い回路基板であり、フレキシブル基板40の幅狭部31に接続される光半導体10と、フレキシブル基板40の幅広部32に搭載されるコネクタ48とを電気的に接続する機能を果たす。このフレキシブル基板40には、幅狭部31の先端近傍に温度をモニタリングするためのサーミスタ49が搭載されており、回路45は、光半導体10とコネクタ48とを接続する回路45aと、サーミスタ49とコネクタ48とを接続する回路45bとを含む。光半導体10とコネクタ48とを接続する回路45aは、光半導体10の一対のリード11と対応するように幅狭部31に沿って延びた一対の電極46を含み、それぞれの電極46の先端には、光半導体10のリード11が貫通する孔(第2の孔)42が設けられている。
【0021】
フレキシブル基板40と支持基板50とは同じ位置に設けられた取付用の孔33および34を含む。一方、支持基板50は、フレキシブル基板40のリード11を取り付ける一対の第2の孔42に対向した位置に、一対の第2の孔42を囲むように、第2の孔42よりも大きな、面積の広い第3の孔53を含む。したがって、支持基板50の第3の孔53に重なる、フレキシブル基板40の第2の孔42の周りの部分は、支持基板50に裏打ちされておらず、第3の孔53の範囲内で、比較的柔軟に変形(歪み、撓み)する。一方、支持基板50の第3の孔53を除いた部分は、フレキシブル基板40は支持基板50に裏打ちされており、剛性が高く、本体23と機械的に高い強度で接続されている。したがって、フレキシブル基板40とリード11との接合部分は、全体として機械強度が高く、局所的には柔軟性があり、特にリード11のアキシャル方向の柔軟性がある構造となっている。
【0022】
支持基板50に設けられる第3の孔53の径は、リード11をフレキシブル基板40に半田付けする際に形成される半田フィレット43の径よりも大きいことが望ましい。半田フィレット43と支持基板50との干渉を防止でき、フレキシブル基板40の柔軟性を活かすことができる。
【0023】
また、支持基板50は本体23と合わせてほぼ同様に、温度により伸び縮みするので、支持基板50により裏打ちされたフレキシブル基板40も、全体として本体23と合わせて伸び縮みする。このため、フレキシブル基板40においてリード11が貫通する第2の孔42の位置と、本体23に搭載された光半導体10の位置とは、温度の上下によりほぼ同じように移動する。フレキシブル基板40の熱膨張率(線膨張率)は金属製の本体23に対して一般的に大きく、リード11とフレキシブル基板40との間に応力が発生しやすいが、支持基板50でフレキシブル基板40を裏打ちすることにより、温度によるリード11のラジアル方向の動きにフレキシブル基板40の動きを略一致させることができ応力の発生を抑制できる。
【0024】
図5に、断面を用いて示すように、キャンパッケージタイプの光半導体10においては、半導体素子がステム13上に配置された放熱台18上に搭載されており、封止ガラス19で固定されたリード11が、ステム13の底から突き出している。本例の光源モジュール1においては、フレキシブル基板40の接続用の孔(第2の孔)42に接続端子であるリード11が挿通され半田付けによって半田フィレット43ができ、裏打ち板である支持基板50にはその半田フィレット43の径より大きな第3の孔53が設けられている。したがって、第3の孔53の内側では、フレキシブル基板40は柔軟性のある薄膜として、接続端子であるリード11の軸方向(アキシャル方向)に僅かな移動が可能となっている。この構造により、台座20の本体23と、リード11と、封止ガラス19と、ステム(放熱台)13との線膨張率差(熱膨張率差、熱膨張係数差)による封止ガラス19への応力を低減でき、光半導体10が熱応力により破損されることを抑制できる。さらに、リード11の先端部のラジアル方向の動きをフレキシブル基板40により抑制できるので、振動による封止ガラス19の破壊を抑制することも可能となる。
【0025】
一方、フレキシブル基板40はフレキシブルでありながら支持基板50により裏打ちされ、平面を保つことができる。このため、光源モジュール1を製造する際に、リード11とフレキシブル基板40の接続用の第2の孔42との位置関係を精度よく設定でき、位置合わせが容易となる。このため、この構造は、光源モジュール1の自動組立にも有効である。
【0026】
さらに、台座20の本体23と、裏打ちの支持基板50が同種金属で、線膨張率が同じであれば、リード11のラジアル方向に対しての温度変化によるずれが少なくなり、光半導体10の封止ガラス19への応力をさらに低減できる。このため、光半導体10が熱応力により破損されることをさらに抑制できる。
【0027】
気密封止が必要なキャンパッケージタイプの光半導体10は、接続端子であるリード11が突き出る部分において、ステム13との隙間を埋めるようにリード11が封止ガラス19により固定されている。光半導体10と、それを固定する台座20と、台座20の本体23を挟んで光半導体10と半田接続される配線基板30を含む光源モジュール1において、高い信頼性が求められる、例えば自動車用途の温度保証範囲や、振動条件に対して封止ガラス19の破損を防いで気密を確保するとともに、自動機での組立に対応するフレキシブル基板構造を得ることは重要であり、上記の構造を採用することにより、フレキシブル基板40を採用しながら封止ガラス19の破損を抑制できる。
【0028】
図6に、光源モジュール1の製造方法において、光半導体10を台座20の本体23の第1の部分21の上面21aに、押さえ板60を介して、ねじ65により搭載する工程を抜き出して示している。ねじ65はリベットであってもよい。
【0029】
図7に示すように、押さえ板60は、略正方形で、中央に設けられた筒状の押さえ部62であって、キャップ12が貫通し、光半導体10のステム13の上端に係る形状となった押さえ部62と、四隅64に設けられた押さえ孔63とを含み、四隅64が中心に対して上側に反り返った形状となるように形成されている。押さえ孔63同士の間隔(ピッチ)Lと、反り返り量Sとは以下の条件(1)を満たしてもよい。
0<S<0.02×L ・・・(1)
【0030】
図6(a)に示すように、光源モジュール1の製造過程においては、台座20の本体23の第1の部分21の上側の第1の面21aに光半導体10を搭載する際に、四隅64が第1の面21aと反対側に反り返った状態の押さえ板60を、筒状の押さえ部62がキャップ12を通り、ステム13の上端に押さえ部62の内側に突き出た上端が係るように取り付ける。
【0031】
次に、図6(b)に示すように、押さえ孔63に挿入されたねじ65を締めて押さえ板60を介して光半導体10を本体23に固定する際に、四隅64が本体23の第1の面21aとほぼ平行になるまで、ねじ65を本体23に締め込む。筒状の押さえ部62は、第1の面21aに対して上方に反り返った四隅64が第1の面21aと平行になるまで変形すると、それに追従して筒状の押さえ部62が下側に引っ張られながら変形し、ステム13の上端を円周に沿ってほぼ全体を本体23に向かって下側に加圧する。したがって、押さえ板60により安定して光半導体10を本体23の上側の第1の面21aに搭載し、ステム13と本体23とが密着した状態で固定することができる。
【0032】
近年、光半導体10を含む光源モジュール1の重要な用途の1つである自動車用途では、使用環境が一般の灯具とは違い、環境温度、振動条件は過酷であり、線膨張率の異なる材質の組合せや振動による破損対策が急務であった。また、不良率の低減や光半導体10を含む光源モジュール1を組み立てる際には作業者の目の安全性を考慮する必要から自動組立は必須となっており、その対策も必要であった。
【0033】
この光源モジュール1においては、押さえ板60により、台座20の本体23に光半導体10を、ステム13と本体23とが密着した状態で安定して取り付けできる。また、本体23とT字型の配線基板30とは、配線基板30にリード11が取り付けられる第2の孔42を前後に挟んだ三か所に設けられた取付孔26および34、29および33の組み合わせにより、本体23に対して配線基板30が振動しないように安定して取り付けることができる。したがって、光半導体10のリード11と配線基板30とを過酷な振動条件であっても、比較的動きの少ない状態で安定して取り付けることができる。
【0034】
さらに、配線基板30としては、補強板である支持基板50に裏打ちさたフレキシブル基板40が採用され、光半導体10のリード11が挿入される領域は、支持基板50が除かれて、リード11はフレキシブル基板40の可動領域で半田接続されている。このため、台座20の本体23と、リード11との熱膨張率(線膨張率)の差による、アキシャル方向の伸縮は、支持基板50の裏打ちが除かれたフレキシブル基板40の領域がアキシャル方向にフレキシブルに伸縮して吸収される。したがって、リード11を固定する封止ガラス19に熱膨張率の差による応力の影響が及ぶのを抑制できる。さらに、リード11の先端部のラジアル方向の動きをフレキシブル基板40の弾性によって抑制されるため、振動による封止ガラス19の根本破壊を防ぐことができる。
【0035】
また、本体23と同じ金属製の支持基板50によりフレキシブル基板40を裏打ちすることにより、リード11のラジアル方向の熱膨張率の差による応力の発生を抑制することができる。さらに、放熱性の高い支持基板50によりフレキシブル基板40を裏打ちすることにより、リード11を通して光半導体10で発生した熱を逃がすことが容易となる。このため、放熱性が良好で、広い温度範囲で安定して性能を発揮でき、さらに、耐振性も高い光源モジュール1を提供できる。
【0036】
さらに、フレキシブル基板40が支持基板50により裏打ちされているので、リード11を挿入するフレキシブル基板40の第2の孔42の位置を、製造時にも安定して保持でき、自動機での組立にも対応できる光源モジュール1を提供できる。
【符号の説明】
【0037】
1 光源モジュール
10 光半導体、 11 リード、 12 キャップ、 13 ステム
20 台座、 21 光半導体を搭載する第1の部分、 22 脚部、 23 本体
30 配線基板、 40 フレキシブル基板、 45a 回路、 45b 回路、
50 支持基板
60 押さえ板、 61 孔、 62 押さえ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7