(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
セリウムイオンが付着した基板を基板保持回転機構により保持して回転させつつ硫酸および過酸化水素水をノズルから供給し、次いで、純水を用いて洗浄する第1洗浄工程と、
その後、前記基板を基板保持回転機構により保持して回転させつつ塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて前記基板を洗浄する第2洗浄工程と、
その後、前記基板を乾燥させる乾燥工程と、を備える基板処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、少ない工程数で研磨後の基板を十分に洗浄できる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、研磨液を用いて基板を研磨する研磨部と、前記研磨部で研磨された基板を硫酸および過酸化水素水を用いて洗浄する第1洗浄部と、前記第1洗浄部によって洗浄された基板を塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて洗浄する第2洗浄部と、前記第2洗浄部によって洗浄された基板を乾燥させる乾燥部と、を備える基板処理装置が提供される。
【0006】
基板処理装置内に第1洗浄部および第2洗浄部を設ける。そして、硫酸および過酸化水素水を用いた第1洗浄部による洗浄により、研磨液を除去できる。塩基性の薬液および過酸化水素水を用いた第2洗浄部による洗浄により、第1洗浄部で用いられた硫酸に起因する成分を除去できる。これにより、少ない工程数で、研磨後の基板を十分に洗浄できる。
【0007】
前記研磨部によって研磨された後、かつ、前記第1洗浄部によって洗浄される前の前記基板を乾燥させる機構を持たないのが望ましい。
また、前記研磨部によって研磨された基板を乾燥させることなく前記第1洗浄部に搬送する搬送部を備えるのが望ましい。
より望ましくは、前記搬送部によって搬送中の基板に液体を浴びせる第1液体供給機構を備える。
また、当該搬送部は、前記研磨部によって研磨された後、かつ、前記第1洗浄部によって洗浄される前の基板が載置される基板ステーションと、前記基板ステーションに載置された基板に液体を浴びせる第2液体供給機構と、を備えるのが望ましい。
研磨後の基板を乾燥させないことで、第1洗浄部による洗浄時に、効率よく基板上の残渣を除去できる。
【0008】
前記第1洗浄部は、開閉可能な第1シャッタが設けられた第1筐体に収納され、前記第2洗浄部は、開閉可能な第2シャッタが設けられた第2筐体に収納され、前記乾燥部は、開閉可能な第3シャッタが設けられた第3筐体に収納されるのが望ましい。
これにより、第1洗浄部で用いられる硫酸や過酸化水素水が第2洗浄部や乾燥部に侵入するのを抑えられるし、第2洗浄部で用いられる塩基性の薬液や過酸化水素水が第1洗浄部や乾燥部に侵入するのを抑えられる。
【0009】
前記研磨部によって研磨された基板を、塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて洗浄する第3洗浄部を備え、前記第1洗浄部は、前記第3洗浄部によって洗浄された基板を洗浄するのが望ましい。
前記第3洗浄部は、塩基性の薬液および過酸化水素水を前記基板に供給しつつ、洗浄部材を前記基板に接触させて洗浄するのが望ましい。
前記第2洗浄部は、塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて前記基板を洗浄した後、2流体ジェット洗浄を行うのが望ましい。
これらの構成により、洗浄力がさらに向上する。
【0010】
前記研磨部は、セリアを含む研磨液を用いて前記基板を研磨してもよい。
第1洗浄部による洗浄によって、セリアの残留を減らすことができる。
【0011】
また、本開示の一態様によれば、基板処理装置における研磨部によって、研磨液を用いて基板を研磨する研磨工程と、その後、前記基板処理装置における第1洗浄部によって、前記基板を硫酸および過酸化水素水を用いて洗浄する第1洗浄工程と、その後、前記基板処理装置における第2洗浄部によって、前記基板を塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて洗浄する第2洗浄工程と、その後、前記基板処理装置における乾燥部によって、前記基板を乾燥させる乾燥工程と、を備える基板処理方法が提供される。
【0012】
基板処理装置内に設けられた第1洗浄部および第2洗浄部によって、硫酸および過酸化水素水を用いた洗浄と、塩基性の薬液および過酸化水素水を用いた洗浄とを行う。これにより、少ない工程数で、研磨後の基板を十分に洗浄できる。
【0013】
前記研磨工程の後、研磨された基板を乾燥させることなく前記研磨部から前記第1洗浄部に前記基板を搬送する搬送工程を備えるのが望ましい。
研磨後の基板を乾燥させないことで、第1洗浄部による洗浄時に、効率よく基板上の残渣を除去できる。
【0014】
本発明の一態様によれば、セリウムイオンが付着した基板を硫酸および過酸化水素水を用いて洗浄する第1洗浄工程と、その後、塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて前記基板を洗浄する第2洗浄工程と、その後、前記基板を乾燥させる乾燥工程と、を備える基板処理方法が提供される。
硫酸および過酸化水素水を用いて基板を洗浄することにより、セリウムイオンを除去できる。その後に塩基性の薬液および過酸化水素水を用いて基板を洗浄することで硫酸を除去できる。
【0015】
前記第1洗浄工程では、セリウム濃度が1.0×10
10atms/cm
2以上であるセリウムイオンが付着した基板を洗浄し、前記乾燥工程を経た基板のセリウム濃度は、ICP−MS法による測定において検出限界以下であるのが望ましい。
【0016】
前記第1洗浄工程および/または前記第2洗浄工程では、前記基板を加熱してもよい。
【0017】
前記第1洗浄工程の前に、セリウムイオンが付着した前記基板に対して、塩基性の薬液および過酸化水素水を供給する工程、回転するスポンジ部材を接触させる工程、および、気体および液体のジェット流を供給する工程の少なくとも1つの工程を備えるのが望ましい。
このような粗洗浄を行うことで、さらに、一連の基板洗浄工程における洗浄力が向上する。
【0018】
前記第1洗浄工程、前記第2洗浄工程および前記乾燥工程は、洗浄槽内で行われ、前記第1洗浄工程と前記第2洗浄工程との間に、前記洗浄槽の内側を洗浄する工程と、前記第2洗浄工程と前記乾燥工程との間に、前記洗浄槽の内側を洗浄する工程と、を備えるのが望ましい。
これにより、薬液(特に、硫酸と塩基性の薬液)が反応するのを抑制できる。
【0019】
前記第1洗浄工程の前に、セリウムイオンを含むスラリーを用いて前記基板を研磨する研磨工程を備え、前記研磨工程と前記研磨工程との間に、研磨後の基板を乾燥させないのが望ましい。
研磨後の基板を乾燥させないことでウォーターマークの発生懸念、かつ、セリアのウェーハへの固着懸念を抑制し、セリアをより確実に基板上から除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
少ない工程数で、研磨後の基板を十分に洗浄できる。また、トータルでの処理時間を短縮できる。
また、セリアを用いて研磨された基板について、別途、研磨装置から取り出した基板を別置きの洗浄装置で洗浄することなく、同一の研磨装置内で最後まで乾燥させることなく洗浄できるため、洗浄過程において基板が乾燥してしまうことによるウォーターマーク発生懸念を抑制しつつも、セリアを用いて研磨され、かつ、セリアが付着した研磨後の基板を洗浄しセリアをより確実に除去することができる。
さらに、セリウム砥粒は基板との電気的に引き合う力が強く、基板に付着したセリアは単にアルカリ性の薬液や界面活性剤を含む洗浄液で洗浄するだけでは除去できないことが、本発明者らの検討で判明した。本発明によれば、こうしたセリアをより確実に基板上から除去することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
図1は、基板処理装置の概略構成の一例を模式的に示す図であり、基板処理装置の概略上面図と考えてもよい。基板処理装置は、ロードポート1と、1または複数の研磨部2と、複数の洗浄装置31〜33と、1または複数の乾燥装置4と、搬送部5〜9と、基板ステーション10,11と、制御部12とを備えている。ロードポート1以外の各部は装置13内に収納され得る。
【0024】
ロードポート1は装置13の短辺に隣接して配置され、半導体ウエハなどの基板をストックする基板カセットが載置される。
【0025】
研磨部2は装置13の長辺に沿って並置され、例えばセリア(CeO
2)を含むスラリーを用いて基板を研磨する。研磨後の基板にはスラリーが残存することもある。なお、研磨部2は基板の表面を研磨することを想定しているが、基板のベベルを研磨するものであってもよい。
【0026】
ここで、スラリー(研磨剤)中の酸化セリウムの平均粒径(D
50)は、通常、0.5〜1.5μmとされる。また、酸化セリウムの含有量は、基板用研磨剤全量に対して1〜10質量%である。酸化セリウム砥粒は、従来のシリカ砥粒に比べ研磨特性は優れるものの、比重が大きいため沈降しやすいとの特性がある。パターン凹部の研磨速度が凸部の研磨速度に比べて十分小さい研磨特性が得られる範囲に界面活性剤の添加量及びpHを調整する必要があり、そのため粘度を1.0〜1.4mPa・sの範囲内にし、かつ、界面活性剤の添加量とともに粘度が増加するので、この点も考慮しながら、パターン依存性の少ない平坦化特性を実現するため、研磨時に、界面活性剤を添加した後の研磨剤のpHを5.5〜9として、シリコン酸化膜の研磨速度とシリコン窒化膜の研磨速度の選択比を大きくすることが望ましい。
【0027】
洗浄装置31〜33は、装置13における研磨部2とは反対側の長辺に沿って並置され、研磨後の基板を洗浄する。なお、研磨後の基板を乾燥させると、基板に付着した残渣を除去しにくくなるため、基板処理装置は、研磨部2で研磨された後、かつ、洗浄装置31〜33で洗浄される前の基板を乾燥させる機構を持たないのが望ましい。洗浄装置31〜33による洗浄については後に詳述する。
【0028】
乾燥装置4は洗浄装置33と隣接して配置され、洗浄後の基板を乾燥する。
搬送部5は、洗浄前の基板用ハンドと、洗浄後の基板用ハンドがあり、ロードポート1と、ロードポート1側の研磨部2と、乾燥装置4との間に配置され、ロードポート1、搬送部6および乾燥装置4にアクセスできる。搬送部5は例えば搬送ロボットであり、ロードポート1から処理前の基板を受け取って搬送部6に受け渡す。また、搬送部5は乾燥済の基板を乾燥装置4から取り出す。
【0029】
搬送部6は研磨部2に沿って配置され、搬送部5、研磨部2および基板ステーション10にアクセスできる。搬送部6は搬送部5から基板を受け取り、研磨部2に投入する。また、搬送部6は、研磨済の基板を研磨部2から取り出し、搬送部6,7間に設けられた基板ステーション10に載置する。
【0030】
搬送部7は、基板ステーション10および洗浄装置32,33に囲まれた領域に配置され、基板ステーション10,11、洗浄装置32,33にアクセスできる。搬送部7は、研磨されて基板ステーション10に載置された基板を取り出し、基板ステーション11に載置する。また、搬送部7は、洗浄装置32によって洗浄された基板を取り出し、洗浄装置33に投入する。
【0031】
搬送部8は洗浄装置31,32間に配置され、洗浄装置31,32および基板ステーション11にアクセスできる。搬送部8は、基板ステーション11に載置された基板を取り出し、洗浄装置31に投入する。また、搬送部8は洗浄装置31によって洗浄された基板を取り出し、洗浄装置32に投入する。なお、基板ステーション11は洗浄装置32の近辺に配置されるが、具体的な配置例は後述する。また、基板ステーション11内には、基板が乾燥してしまわないように、基板に対して純水を供給するための不図示の純水供給ノズルを設けることができる。
【0032】
搬送部9は洗浄装置33と乾燥装置4との間に配置され、これらにアクセスできる。搬送部9は、洗浄装置33によって洗浄された基板を取り出し、乾燥装置4に投入する。
【0033】
制御部12は基板処理装置における各部の制御を行う。例えば、制御部12はプロセッサであり、所定のプログラムを実行することによって、研磨部2、洗浄装置31〜33、乾燥装置4、搬送部5〜9の動作を制御する。
【0034】
この基板処理装置によって基板は次のように処理される。まず、ロードポート1に載置された処理前の基板が、搬送部5によって搬送部6に受け渡される。搬送部6はいずれかの研磨部2に基板を投入し、その研磨部2によって基板が研磨される。研磨後の基板は搬送部6によって基板ステーション10に載置される。
【0035】
次いで、搬送部7は基板ステーション10に載置された基板を基板ステーション11を介して搬送部8に受け渡す。搬送部8は基板を洗浄装置31に投入し、洗浄装置31によって基板が洗浄される。洗浄後の基板は搬送部8によって洗浄装置32に投入され、洗浄装置32によって基板が洗浄される。洗浄後の基板は搬送部7によって洗浄装置33に投入され、洗浄装置33によって基板が洗浄される。
【0036】
洗浄後の基板は搬送部9によって乾燥装置4に投入され、乾燥装置4によって基板が乾燥される。乾燥後の基板は搬送部5によって取り出される。
【0037】
洗浄液の廃液は、それぞれのチャンバーから独立された配管より外部へ排出されることで、他の薬液の雰囲気がチャンバー内に来ることはない。
【0038】
図2は、洗浄装置31〜34およびその関連部の一例を詳細に示す図であり、基板処理装置の概略正面図と考えてもよい。
【0039】
例えば2台の洗浄装置31が上下に並んで配置される。洗浄装置31は、搬送部8側に開口が設けられた筐体31aと、この開口を開閉可能なシャッタ31bと、筐体31a内に収納された洗浄部31cとを有する。本洗浄部31cは、アンモニア水と過酸化水素水の混合液を用いた洗浄として、APM(Ammonium hydrogen-Peroxide Mixture)洗浄を行う。洗浄部31cは、APM洗浄として混合液を基板に供給するのみでもよいが、混合液を供給しつつロール型スポンジなどの洗浄部材を接触させて物理的な洗浄(スクラブ洗浄)を行ってもよい。筐体31aはアンモニア水や過酸化水素水に対する耐性が高いのが望ましい。また、筐体31a内に独立した排気機構(不図示)が設けられるのが望ましい。
【0040】
例えば2台の洗浄装置32が上下に並んで配置される。洗浄装置32は、搬送部8側および搬送部7側に開口が設けられた筐体32aと、これらの開口を開閉可能なシャッタ32bと、筐体32a内に収納された洗浄部32cとを有する。本洗浄部32cは、硫酸と過酸化水素水の混合液を用いた洗浄として、SPM(Sulfuric-acid and hydrogen-Peroxide mixture)洗浄を行う。筐体32aは硫酸や過酸化水素水に対する耐性が高いのが望ましい。また、筐体32a内に独立した排気機構(不図示)が設けられるのが望ましい。そして、2台の洗浄装置32の間に基板ステーション11が設けられてもよい。
【0041】
例えば2台の洗浄装置33が上下に並んで配置される。洗浄装置33は、搬送部7側および搬送部9側に開口が設けられた筐体33aと、これらの開口を開閉可能なシャッタ33bと、筐体33a内に収納された洗浄部33cとを有する。本洗浄部33cはアンモニア水と過酸化水素水の混合液を用いた洗浄として、APM洗浄を行う。洗浄部33cは、APM洗浄として混合液を基板に供給するのみでもよいが、混合液を供給しつつペン型スポンジなどの洗浄部材で物理的な洗浄(スクラブ洗浄)を行ってもよいし、APM洗浄後に2流体ジェット洗浄を行ってもよい。筐体33aはアンモニア水や過酸化水素水に対する耐性が高い材料、例えばPVC材が望ましい。また、筐体33a内に独立した排気機構(不図示)が設けられるのが望ましい。
【0042】
例えば2台の乾燥装置4が上下に並んで配置される。乾燥装置4は、搬送部9側および搬送部5(
図1参照)側に開口が設けられた筐体4aと、これらの開口を開閉可能なシャッタ4bと、筐体4a内に収納された乾燥部4cとを有する。本乾燥部4cは例えば基板のSRD(Spin Rinse Dry)乾燥を行う。また、筐体4a内に独立した排気機構(不図示)が設けられるのが望ましい。
【0043】
搬送部7は例えば搬送ロボットであり、下ハンド7aおよび上ハンド7bを有する。下ハンド7aは相対的に汚染度が高い基板を搬送し、上ハンド7bは相対的に汚染度が低い基板を搬送する。具体的には、下ハンド7aは、研磨部2によって研磨されて基板ステーション10に載置された未洗浄の基板を取り出し、基板ステーション11に載置する。また、上ハンド7bは、洗浄装置32のいずれかによって洗浄された基板を取り出し、洗浄装置33のいずれかに投入する。
【0044】
搬送部8は例えば搬送ロボットであり、下ハンド8aおよび上ハンド8bを有する。下ハンド8aは相対的に汚染度が高い基板を搬送し、上ハンド8bは相対的に汚染度が低い基板を搬送する。具体的には、下ハンド8aは、基板ステーション11に載置された未洗浄の基板を取り出し、洗浄装置31のいずれかに投入する。また、上ハンド8bは、洗浄装置31のいずれかによって洗浄された基板を取り出し、洗浄装置32のいずれかに投入する。
【0045】
搬送部9は例えば搬送ロボットであるが、洗浄済の基板を搬送するため、1つのハンド9aを有していればよい。ハンド9aは、洗浄装置33のいずれかによって洗浄された基板を取り出し、乾燥装置4のいずれかに投入する。
【0046】
また、高温APM供給源21、過酸化水素供給源22、高温硫酸供給源23および高温純水供給源24が設けられる。これらは装置13の外部にあってもよい。高温APM供給源21は室温〜80℃程度のAPMを洗浄装置31,33に供給する。過酸化水素供給源22は室温程度の過酸化水素水を洗浄装置32に供給する。高温硫酸供給源23は室温〜80℃程度の硫酸を洗浄装置32に供給する。高温純水供給源24は75〜95℃程度の純水を洗浄装置32に供給することができる。
【0047】
あるいは、赤外線ヒーター等の外部からの熱供給源を、洗浄装置31〜33のそれぞれの内部に設けて、洗浄装置31〜33の内部を外部からの供給熱で高温にしてこれを維持することで、高温APM供給源21、高温硫酸供給源23および高温純水供給源24からそれぞれ各洗浄装置31〜33に供給される、APM、硫酸および純水の温度をより低い温度、例えば、室温〜40℃程度の温度にすることもできる。このように構成すれば、それぞれの供給源から各洗浄装置31〜33に接続される各配管及び配管継目といった部材の耐薬品性をそれほど確保せずとも使用することができるので装置構成上は有利となる。
【0048】
なお、
図2に示す基板処理装置は一例にすぎず、洗浄装置31〜33および乾燥装置4の数や配置位置、搬送部7〜9および基板ステーション10,11の構成は適宜設計すればよい。また、洗浄部31c,33cはアンモニア水を用いた洗浄を行うこととしたが、他の塩基性(アルカリ性)の薬液と過酸化水素水を用いて洗浄を行ってもよい。
【0049】
図3は、基板処理装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。まず研磨部2が基板を研磨する(ステップS1)。基板研磨の際にセリアを含むスラリーが用いられる場合、研磨後の基板上にはセリアが残存していることがある。より具体的には、セリウム濃度が1.0×10
10atms/cm
2以上となるセリウムイオンが基板の表面および/または裏面に付着することがあり、そのような基板を洗浄することとなる。
【0050】
続いて、搬送部6〜9は、研磨後の基板を乾燥させることなく、基板を洗浄装置31のいずれかに投入する(ステップS2)。より具体的には、搬送部6は研磨部2から基板を取り出し、基板ステーション10に載置する。その後、搬送部7における下ハンド7aは基板ステーション10から基板を取り出し、基板ステーション11に載置する。次いで、搬送部8における下ハンド8aが基板ステーション11から基板を取り出すとともに、洗浄装置31におけるシャッタ31bが開き、基板は筐体31aの開口を通って洗浄部31cに受け渡される。その後、シャッタ31bが閉じる。
【0051】
基板の乾燥を防ぐため、搬送部6〜8による基板搬送中あるいは基板ステーション10において、純水などの液体シャワーを基板に浴びせるのが望ましい。特に、搬送部6,7や基板ステーション10上に基板が滞在する時間が長いため、搬送部6,7による基板搬送中の基板や基板ステーション10上の基板にシャワーを浴びせる液体供給機構(不図示)を設けるのが有効である。一方、搬送部8など基板の滞在時間が短い場合には、なくてもよい。
【0052】
洗浄装置31は基板をスプレーノズルよりAPMを吐出し洗浄する(ステップS3)。この間、洗浄装置31におけるシャッタ31bは閉じている。これにより、洗浄装置31で用いられるAPMが他の装置、特に洗浄装置32や乾燥装置4に混入するのを抑制できる。なお、このAPM洗浄は粗洗浄であり、場合によっては省略可能であるが、取れにくいパーティクルが存在する場合は、ロールやペンシル洗浄、あるいは2流体ジェットを用いて処理も可能である。
【0053】
洗浄装置31による洗浄が終了すると、搬送部8は基板を洗浄装置31から洗浄装置32のいずれかに搬送する。より具体的には、洗浄が終了すると、洗浄装置31におけるシャッタ31bが開き、搬送部8における上ハンド8bが基板を受け取り、その後シャッタ31bが閉じる。そして、洗浄装置32における搬送部8側のシャッタ32bが開き、筐体32aの開口を通って洗浄部32cに受け渡され、その後シャッタ32bが閉じる。
【0054】
そして、洗浄装置32は基板をスプレーノズルよりSPMを吐出し洗浄する(ステップS4)。この間、洗浄装置32におけるシャッタ32bは閉じている。これにより、洗浄装置32で用いられるSPMが他の装置、特に洗浄装置31,33や乾燥装置4に混入するのを抑制できる。SPM洗浄によって、パーティクル、スラリーに含まれるセリア、有機物などの残渣が溶解し、その多くを除去できる。特に、研磨後の基板が乾燥しないように搬送することで効率よく残渣を除去できる。
【0055】
なお、洗浄装置32の筐体32aから外部に硫酸が出ないよう、洗浄装置32はSPM洗浄を行った後に、純水を用いて基板を洗浄するのが望ましい。ただし、その場合でも、SPM洗浄後の基板には、硫酸に起因する硫黄成分が残存し得る。
【0056】
洗浄装置32による洗浄が終了すると、搬送部7は基板を洗浄装置32から洗浄装置33のいずれかに搬送する。より具体的には、洗浄が終了すると、洗浄装置32における搬送部7側のシャッタ32bが開き、搬送部7における上ハンド7bが基板を受け取り、その後シャッタ32bが閉じる。そして、洗浄装置33における搬送部7側のシャッタ33bが開き、筐体33aの開口を通って洗浄部33cに受け渡され、その後シャッタ33bが閉じる。
【0057】
そして、洗浄装置33は基板をスプレーノズルよりAPMを吐出し洗浄する(ステップS5)。この間、洗浄装置33におけるシャッタ33bは閉じている。これにより、洗浄装置33で用いられるAPMが他の装置、特に洗浄装置32や乾燥装置4に混入するのを抑制できる。APM洗浄によって硫黄成分の多くを除去できる。
【0058】
洗浄装置33による洗浄が終了すると、搬送部9は基板を洗浄装置33から乾燥装置4のいずれかに搬送する。より具体的には、洗浄が終了すると、洗浄装置33における搬送部9側のシャッタ33bが開き、搬送部9におけるハンド9aが基板を受け取り、その後シャッタ33bが閉じる。そして、乾燥装置4におけるシャッタ4bが開き、筐体4aの開口を通って乾燥部4cに受け渡され、その後シャッタ4bが閉じる。
【0059】
そして、乾燥装置4は基板を乾燥する(ステップS6)。乾燥装置4による乾燥が終了すると、搬送部5は基板を乾燥装置4から取り出す。より具体的には、乾燥が終了すると、乾燥装置4における搬送部5側のシャッタ4bが開き、搬送部5における洗浄後の基板用ハンドが基板を受け取り、その後シャッタ4bが閉じる。
【0060】
このように、本実施形態では、基板処理装置内でSPM洗浄を行い、次いでAPM洗浄を行うことで、少ない工程で効率よく基板を洗浄でき、かつ、トータルでの処理時間を短縮できる。すなわち、基板処理装置内に研磨部2および洗浄装置32,33を設けることで、研磨後の基板を乾燥させずにSPM洗浄でき、スラリーに含まれるセリアなどの残渣を十分に除去できる。また、SPM洗浄後にAPM洗浄を行うことで、SPM洗浄で用いられる硫酸に起因する硫黄成分を除去できる。また、SPM洗浄を行う洗浄部32cを筐体32a内に収納し、APM洗浄を行う洗浄部31c,33cをそれぞれ筐体31a,33a内に収納することで、雰囲気を洗浄部31c〜33cどうしで互いに独立させることができ、例えばSPMの硫黄成分が他の処理チャンバーに移ることはほとんどない。
【0061】
[実験1]
SPM洗浄の後にAPM洗浄を行うことが有効であることを確認するために、4枚の基板W1〜W4に対して次の処理を行った。
【0062】
(1)基板W1
セリアを含むスラリーを用い、約70hPaの圧力で60秒間、基板W1の表面を研磨した。次いで、純水を供給しつつ、ロール型スポンジを用いて60秒間、物理洗浄を行った。このように、基板W1は研磨後にSPM洗浄もAPM洗浄も行われていない。
【0063】
(2)基板W2
上記(1)と同様の処理を行った後、基板W2を回転させつつ、硫酸(濃度96%、高温)と過酸化水素水(濃度30%、室温)の混合液を60秒間供給して基板W2を洗浄した。このように、基板W2は研磨後にSPM洗浄のみが行われた。
【0064】
(3)基板W3
上記(2)と同様の処理を行った後、基板W3を回転させつつ、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を30秒間供給して基板W3を洗浄した。このように、基板W3は研磨後にSPM洗浄および引き続いてAPM洗浄が行われた。
【0065】
(4)基板W4
上記(1)と同様の処理を行った後、基板W4を回転させつつ、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を60秒間供給して基板W4を洗浄した。このように、基板W4は研磨後にAPM洗浄のみが行われた。
【0066】
図4は、研磨後および処理後の基板W1,W3,W4におけるディフェクト数を示す表である。図示のように、研磨後の基板W1,W3,W4には8,000〜10,000程度のディフェクトが存在した。APM洗浄のみを行った基板W4では、処理後のディフェクト数は約8,500であり6%程度しかディフェクトは減っていない。これに対し、SPM洗浄およびAPM洗浄を行った基板W3では、処理後のディフェクト数は約2,500であり75%程度のディフェクトが減らすことができた。
【0067】
図5Aは、研磨後および処理後の基板W1〜W4におけるセリウムイオン濃度[atms/cm
2]を示す表である。同図は基板W1〜W4のそれぞれにおける座標(0,0)、(0,120)、(120,0)、(0,−120)、(−120,0)の5点をTXRF(Total Reflection X-ray Fluorescence)法によって測定した結果である。
【0068】
研磨後の基板W1のセリウムイオン濃度は8*10
11[atms/cm
2]程度であった。APM洗浄のみを行った基板W4ではセリウムイオン濃度が3*10
10[atms/cm
2]程度であったのに対し、SPM洗浄を行った基板W2,W3では検出限界(2*10
10[atms/cm
2])以下まで減らすことができた。
【0069】
図5Bは、処理後の基板W2〜W4におけるセリウムイオン濃度[atms/cm
2]を示す表である。同図はICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)法による測定結果である。ICP−MS法による測定においても、APM洗浄のみを行った基板W4ではセリウムイオン濃度は5.7*10
10[atms/cm
2]程度であったのに対し、SPM洗浄を行った基板W2,W3では検出限界(5*10
9[atms/cm
2])以下まで減らすことができた。
【0070】
このように、セリウムイオンを除去するには、SPM洗浄が有効であることが分かる。
【0071】
図6は、研磨後および処理後の基板W1〜W4における硫黄イオン濃度[atms/cm
2]を示す表である。同図は基板W1〜W4のそれぞれにおける座標(0,0)、(0,120)、(120,0)、(0,−120)、(−120,0)の5点をTXRF(Total Reflection X-ray Fluorescence)法によって測定した結果である。
【0072】
研磨後の基板W1の硫黄イオン濃度は5.0*10
12[atms/cm
2]程度であったが、SPM洗浄のみを行った基板W2では硫黄イオン濃度が3.6*10
13[atms/cm
2]まで上昇した。SPM洗浄を行っていない基板W4では4.6*10
12[atms/cm
2]程度であったことから、SPM洗浄に用いた硫酸に起因する硫黄イオンが基板W2に残留していると考えられる。そして、SPM洗浄後にAPM洗浄を行った基板W3では硫黄イオン濃度を6.4*10
12[atms/cm
2]程度まで減らすことができた。
【0073】
このように、SPM洗浄に起因する硫黄イオンを除去するには、APM洗浄が有効であることが分かる。
【0074】
以上から、スラリーに含まれるセリウムイオンをSPM洗浄で除去でき、かつ、SPM洗浄による硫黄イオンをAPM洗浄で除去できることが確認できた。
【0075】
なお、上記(2)において、SPM洗浄に代えて硫酸のみを用いた洗浄では、ディフェクトの数がそれほど減らないことを別の実験で確認できている。また、上記(2)において、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を30秒間供給した場合と60秒間供給した場合とで、大差がないことを別の実験で確認できている。
【0076】
[実験2]
初めにAPM洗浄を行い、続いてSPM洗浄およびAPM洗浄を行うことがさらに有効であることを確認するために、3枚の基板W11〜W13に対して次の処理を行った。
【0077】
(1)基板W11
セリアを含むスラリーを用い、約70hPaの平均圧力で60秒間、基板W11の表面を研磨した。次いで、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を供給しつつ、ロール型スポンジを用いて60秒間、物理洗浄を行った。このように、基板W11は研磨後にAPM洗浄のみが行われた。
【0078】
(2)基板W12
セリアを含むスラリーを用い、約70hPaの圧力で60秒間、基板W12の表面を研磨した。次いで、回転数50rpmで基板W12を回転させつつ、硫酸(濃度96%、高温)と過酸化水素水(濃度30%、室温)の混合液を60秒間供給して基板W12を洗浄した。その後、基板W12を回転させつつ、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を60秒間供給して基板W12を洗浄した。このように、基板W12は研磨後にSPM洗浄および引き続いてAPM洗浄が行われた。
【0079】
(3)基板W13
セリアを含むスラリーを用い、約70hPaの平均圧力で60秒間、基板W13の表面を研磨した。次いで、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を供給しつつ、ロール型スポンジを用いて60秒間、物理洗浄を行った。その後、基板W13を回転させつつ、硫酸(濃度96%、高温)と過酸化水素水(濃度30%、室温)の混合液を60秒間供給して基板W13を洗浄した。その後、基板W13を回転させつつ、アンモニア水、過酸化水素水および純水の混合物を60秒間供給して基板W13を洗浄した。このように、基板W13は研磨後にAPM洗浄、引き続いてSPM洗浄さらに引き続いてAPM洗浄が行われた。
【0080】
図7は、処理後の基板W11〜W13におけるディフェクト数(棒グラフ、左側の縦軸)および基板W11を基準とする除去率(実線、右側の縦軸)を示す図である。同図の基板W12に示すように、研磨後にSPM洗浄およびAPM洗浄を行うことで、67%程度のディフェクトを除去できた。これに対し、同図の基板W13に示すように、研磨後にAPM洗浄、SPM洗浄およびAPM洗浄を行うことで、92%程度のディフェクトを除去でき、除去率を向上できた。
【0081】
以上から、初めにAPM洗浄を行い、続いてSPM洗浄およびAPM洗浄を行うことがさらに有効であることが確認できた。
【0082】
図8は、初めのAPM洗浄後に乾燥を行った場合と乾燥を行わない場合のディフェクト数および除去率を示す図である。(1)APM洗浄処理、乾燥、SPM洗浄処理、APM洗浄処理の順に洗浄した場合(棒グラフ、左側の縦軸)と、(2)APM洗浄処理、SPM洗浄処理、APM洗浄処理の順に洗浄した場合(棒グラフ、右側の縦軸)との比較を示した。(1)APM洗浄処理、乾燥、SPM洗浄処理、APM洗浄処理の順に洗浄した場合と比べると、(2)APM洗浄処理、SPM洗浄処理、APM洗浄処理の順に洗浄した場合のほうが、ディフェクト数が少なく、また、除去率が高いことがわかる。すなわち、この図より、乾燥を行った場合に比べ、乾燥を行わない場合、つまり、CMP後はすべて乾燥しないでAPM洗浄、SPM洗浄およびAPM洗浄を連続処理する場合の方が洗浄効果が上回ることが確認できた。
【0083】
セリウムを含むセリアは基板と電気的に引き合う力が強く、単にアルカリ性の薬液や界面活性剤を含む洗浄液での洗浄では除去が困難であるが、上述した洗浄により洗浄力が向上する。
【0084】
上述した実施形態は、APM洗浄を行う洗浄装置31,33と、SPM洗浄を行う洗浄装置32と、乾燥装置4とを別個に設けるものであったが、APM洗浄、SPM洗浄および乾燥のうちの任意の2以上の処理を1つの装置内でおこなってもよい。次に示す実施形態は、1つの装置内でAPM洗浄、SPM洗浄および乾燥を行う例を示す。
【0085】
図9は、基板処理装置内に設けられ、APM洗浄、SPM洗浄および乾燥を行う洗浄装置を模式的に示す図である。この洗浄装置は、チャック(不図示)と、アーム51と、洗浄槽洗浄シャワー52と、これらを収容する洗浄槽53とを備えている。
【0086】
チャックは洗浄対象の基板周縁を保持して回転させる。
【0087】
アーム51は揺動可能であり、具体的にはアーム51の先端が基板上方に位置する洗浄位置と、基板上方とは離れた退避位置との間を移動可能である。アーム51の先端下側には、下側を向いたAPM供給ノズル61、純水供給ノズル62、H
2O
2供給ノズル63およびSPM供給ノズル64が設けられている。アーム51の内部には、一端がAPM供給源(不図示)に接続され、他端がAPM供給ノズル61に接続された配管71が通っている。他の供給ノズルも同様の配管72〜74が通っている。なお、
図9では、基板の上方からのみAPM等が供給されるように描いているが、下側にも供給ノズルを設けて基板の下側からもAPM等が供給されるようにしてもよい。
【0088】
洗浄槽洗浄シャワー52は洗浄槽53の内側上部に設けられ、洗浄槽53の内側に洗浄水(純水など)を供給して洗浄槽53の内側を洗浄する。なお、洗浄槽53には基板を搬入出するための開閉可能な開口(不図示)が設けられている。
【0089】
図10A〜
図10Fは、
図9の洗浄装置にて基板の洗浄を行うプロセスを行う様子を順に示す図である(いずれも配管71〜74は省略)。なお、本洗浄装置での処理に先立って、基板処理装置内でセリアを含むスラリーを用いた基板の研磨が行われ、望ましくは基板を乾燥させることなく本洗浄装置内に基板が搬送され、チャックによって保持される。そして、退避位置にあったアーム51が洗浄位置に移動する。
【0090】
まず、
図10Aに示すように、SPM供給ノズル64からSPMを基板に供給する。これにより、基板に付着しているスラリおよび研磨時に発生した有機残渣物が除去(溶融)される。このとき、外部熱源から基板を加熱するようにしてもよい。 このように外部熱源から熱を基板上に供給することで、より確実に基板上から残渣を除去できる。
【0091】
続いて、
図10Bに示すように、H
2O
2供給ノズル63から過酸化水素水を基板に供給する。これにより、SPMにおける硫酸が基板から除去される。
【0092】
続いて、
図10Cに示すように、純水供給ノズル62から純水または温水を基板に供給する。これにより、基板がリンスされ、薬液成分が洗い流される。このとき、洗浄槽洗浄シャワー52からも洗浄槽53内部に洗浄水を供給する。これにより、洗浄槽53内部に飛散していたSPMや過酸化水素水も除去される。
【0093】
続いて、
図10Dに示すように、APM供給ノズル61からAPMを基板に供給する。これにより、SPM洗浄で除去できなかったパーティクルが除去される。このとき、液体と気体の2流体も処理できる機構とするのが望ましい。このとき、外部熱源から基板を加熱するようにしてもよい。このように外部熱源から熱を基板上に供給することで、より確実に基板上から残渣を除去できる。なお、
図10Cに示すように洗浄槽53内部を洗浄しておくことで、SPMにおける硫酸とAPMにおけるアンモニアとの反応を抑制できる。
【0094】
続いて、
図10Eに示すように、純水供給ノズル62から純水または温水を基板に供給する。これにより、基板がファイナルリンスされ、薬液成分が除去される。
【0095】
続いて、
図10Fに示すように、基板を回転させながらスピン乾燥を行い、その後に乾燥した基板を筐体から搬出する。
【0096】
なお、
図9では、1つのアーム51にAPM供給ノズル61、純水供給ノズル62、H
2O
2供給ノズル63およびSPM供給ノズル64が設けられる例を示したが、ノズルの配置は種々考えられる。例えば、純水供給ノズルおよびH
2O
2供給ノズルは固定ノズルから供給するようにしてもよい。また、
図10Aに示すSPM洗浄に先立って基板を粗洗浄してもよい。粗洗浄は、例えばAPM洗浄でもよいし、気体および液体のジェット流を供給する2流体ジェット洗浄でもよい。あるいは、粗洗浄は回転するロールスポンジを基板に接触させるロール洗浄であってもよい。
【0097】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。