(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
真空容器内部に配置され減圧された内側でプラズマが形成される処理室と、この処理室の下方に配置され処理の対象であるウエハがその上面に載せられて保持される試料台とを備え、前記プラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、前記処理が2つの処理ステップとこれらの間の繋ぎステップとを備えたものであって、前記処理ステップ中に前記処理室内に前記処理用のガスを供給する第1のガス供給ユニットおよび繋ぎステップ中に前記処理室内に繋ぎステップ用のガスを供給する第2のガス供給ユニットと、前記2つの処理ステップ及び前記繋ぎステップの間の移行に際して前記第1のガス供給ユニットからの処理用のガス及び第2のガス供給ユニットからの繋ぎステップ用のガスの処理室への供給を切り替えるガス切り替えユニットと、前記繋ぎステップ中に供給される前記繋ぎステップ用のガスの流量を前記2つの処理ステップのうち後の処理ステップ中に前記処理室に供給される前記処理用のガスの供給量と等しいと見なせる流量に調節する制御部とを備えたプラズマ処理装置。
真空容器内部に配置され減圧された処理室の下方に配置された試料台上面上方に処理の対象であるウエハを載せて保持し、前記処理室内にプラズマを形成してこのプラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理方法であって、
前記処理が、前記ウエハを2つの処理ステップとこれらの間の繋ぎステップを備え、前記処理の工程において前記2つの処理ステップ及び前記繋ぎステップの間の移行に際して、前記処理ステップ中に前記処理室内に前記処理用のガスを供給する第1のガス供給ユニットからの処理用のガスおよび前記繋ぎステップ中に前記処理室内に繋ぎステップ用のガスを供給する第2のガス供給ユニットからの繋ぎステップ用のガスの処理室への供給を切り替えるものであって、
前記繋ぎステップ中に供給される前記繋ぎステップ用のガスの流量を前記2つの処理ステップのうち後の処理ステップ中に前記処理室に供給される前記処理用のガスの供給量と等しいと見なせる流量に調節するプラズマ処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施の形態に係るプラズマ処理装置は、ガスが処理室に供給される供給用のガスラインと真空容器外部に配置された排気ポンプと連通されガスが処理室に供給されず排気される排気用のガスラインとを有したガス供給ユニットを備え、処理室内の処理の条件に応じてガス源からマスフローコントローラを介したガスの供給をガス供給ユニットに備えられた少なくとも1つのバルブで切り換える構成を備えている。
【0018】
しかし、このような構成では、ガス供給ユニット内で、複数のガス種を使用する条件において切り替えを行う場合には、混合されたガスが排気用のガスラインに流されている状態から供給用のガスラインに流されるようにバルブで切り替えられた際に切り替えられ処理室に供給されるガスを処理室内の条件に合わせて混合すると、その際にガスライン内で圧力の変動が生じてしまい、実際に処理室に供給されるべき条件からズレてしまい処理の結果が許容範囲外のものになってしまう虞が有る。さらに、これを防ぐために、ガスの圧力が安定して求められる条件に合致するまで処理室内への導入を待機すると、却って切り替えに要する時間が長くなり処理の効率が損なわれてしまう問題が生じる。
【0019】
また、上記の圧力の変動はバルブを開閉する際の応答性のバラつきに影響を受ける。このようなバラつきを抑えるために、先にドライポンプで排気する側のガスラインのバルブ、例えばソレノイドバルブを閉じることが考えられるが、ソレノイドバルブを開閉する速度はこのようなバルブとバルブをつなぐ管路の長さや太さ等の寸法に依存するものであり、実際の装置では0.2秒(以下s)近くかかるものもある。従来の技術では、バルブの開または閉の動作に要する時間や、バルブとこれに対して動作指令の信号を発信する制御装置との間の通信に要する時間を考慮していなかった。
【0020】
通信のための時間は0.1s〜0.2s程のバラつきがあるため、動作に要する時間及び通信に要する時間のバラつきを考慮した余裕の時間(マージン)をとって指令を発信しなければならず、場合によっては開または閉の動作の終了する所望の時刻より0.5s程度前にバルブが開或いは閉することになり、その際の集積ブロック内での圧力上昇が引き起こす圧力変動が課題となっていた。
【0021】
また、任意のガスライン上でガスの供給を切り替える時刻より0.5s以上前にバルブを閉めるとして、さらに、次に流すガスのマスフローコントローラの立上り時間とバルブが閉じられるガスライン内のバルブ閉後から圧力が整定するまでの時間をマージンとして考慮することが必要となり、例えばこれらが各々1sである場合には、切り替えにより新たにガスが流されるガスラインにはガスを切り替える所期の時刻の2.5s以上前からガスを流し始める必要があることになる。従来技術ではこのような理由から、より短い時間で処理室内にガスを切り替えて供給できる技術の実現が課題となっていた。
【0022】
また、ガスラインの開閉をするバルブとしてソレノイドバルブが直接的に実装されたものを用いることで、より短時間で、例えば15ms程度で、ライン間でのガスの供給を切り替えることができるが、ソレノイドバルブを直接バルブに実装する分のガス供給ユニット内の占有スペースが大きくなることに加え、それに伴うバルブ一つあたりのコスト上昇が問題となる。
【0023】
また、プラズマ処理装置において、試料の処理による加工の精度を高める上で処理室内で所望の処理の条件を応答性良く実現する課題を達成するためには、マスフローコントローラ及びこれが配置されたガスラインを開閉するバルブを含むガス供給ユニットからの真空容器またはその内部の処理室の入口までの処理用のガスラインの長さが短い方が好ましく、このためガス供給ユニット本体を処理室に近い方が好ましい。しかし、近年のプラズマ処理装置では、複数種類のガスを用いる、特に試料を処理室内に格納、配置してから異なる条件の多数のステップの処理を引き続いて試料を取り出すこと無く行えるようにする要求に対応して多数の種類のガスの導入可能にされた体積の大きなガス供給ユニットが備えられ、このような部品のユニットを真空容器に近い位置に配置することは困難が大きく、実際のプラズマ処理装置では1m程度かそれ以上の長さの配管が必要になっていた。
【0024】
また、処理室内に供給するガスを切り替えて処理する場合には、切り替えられて処理室内に供給される異なる組成の複数の処理用ガスの流量及び処理室内の圧力以外の他の処理の条件について、その再現性や真空容器内部に処理室を有する他の処理ユニットとの機差が問題となる。例えば、処理の条件となるパラメータとしては、プラズマ生成用のマイクロ波電力の整合、磁界を形成するコイルに供給される電流量、試料にバイアス形成用の高周波電力を供給している場合にはその電力の整合等が挙げられる。
【0025】
また、これらのパラメータは、各々でその値を増減する指令信号の入力に対して異なる過渡応答時間を有しており、これらが再現性の悪化や機差を生起させる要因となっている。例えば、従来技術に係るプラズマ処理装置では、一般的にマイクロ波電力の整合に要する時間は最大で0.2s程度必要であり、コイルの電流の過渡応答における整定に要する時間は最大で2s程度、バイアス用の高周波電力の整合には0.5s程度の時間を要すると考えられる。プラズマ処理装置において、断続して引き続き実施される異なる条件の処理ステップ各々に合わせて処理室へ供給する異なる流量または組成のガスを切り替えて試料を処理する処理の各ステップ間の移行の期間を短くすると、ステップ間の移行工程の期間に対する上記パラメータの過渡応答時間の割合が増大し、曳いては過渡応答が後のステップの開始時に及び、所望の処理の条件で処理が開始されず処理の条件あるいは加工後の形状の再現性が悪化したり機差が増大する虞があった。
【0026】
本発明の実施の形態は、真空排気装置が下部に接続された真空容器内部に配置され内外が気密に封止された処理室と、真空容器上部の蓋を構成してプラズマを形成するための電界が透過する誘電体窓と、処理室の下方に配置され被処理材である半導体ウエハ等の基板状の試料をその上面に載置可能な試料台と、誘電体窓の下方で処理室の天井面を構成し試料台の上面に対向して配置されたシャワープレートと、シャワープレートに配置されたガス導入孔に連結され処理室内に処理用のガスを供給するガス供給ユニットと、該誘電体窓から透過する電界を導入する電界導入部と、電界と相互作用を生起してプラズマを発生するため処理室内に供給される磁界を形成する磁界形成部とを備えて試料をプラズマを用いてエッチング処理するプラズマ処理装置である。さらに、当該プラズマ処理装置は、ガス供給ユニットからシャワープレートを経由して減圧処理室へプロセスガスを供給する1つのガス供給ライン上にガス供給ユニットからの流量または組成が異なる複数のガスに切り替えて供給する切り替え機構を備えている。
【0027】
ガス切り替え機構は、真空容器内部の処理室に連結され連通されたガス導入ラインと、ガス導入ラインに連結され連通されエッチング処理用ガスが処理室に向けて通流する1つのエッチングガスライン及び処理の複数のステップ間のステップ(移行ステップ)に処理室に供給される繋ぎガスが処理室に向けて通流する1つの繋ぎガス導入ラインと、つなぎガス導入ライン及びエッチングガスライン各々と粗引き排気ラインとの間を連結して接続された1つの捨てガスラインと、エッチングガスラインからのエッチングガスの供給と繋ぎガスラインからの繋ぎガスの供給とを、ガス導入ライン及び排気ラインの間で切り替える4つのバルブとを備えている。さらに、好適な実施の形態は、ガス導入ラインとその内側の圧力を検知する圧力計と、捨てガスライン内の圧力を検知する圧力計と、捨てガスライン上に配置された可変コンダクタンスバルブと、ガス導入ライン内と捨てガスライン内とで圧力を等しくするように可変コンダクタンスバルブの動作を調節する圧力制御器とを備えている。
【0028】
本実施の形態では、ガス切り替え機構を用いて移行ステップを挟んで断続的に異なる条件で実施される2つのステップ各々が開始する前の繋ぎステップ中において、各ステップに用いられる種類、組成あるいは流量のガスを予め捨てガスラインに通流して排気してエッチングガスラインの内の流れを安定させた状態(定常な状態)にし、且つ当該捨てガスラインの圧力を調節してガス導入ライン内の圧力と等しくなるようにしておく。このことにより、各ステップの開始に際してガス導入ラインに導入するガスをエッチングガスラインからのガスに切替えた際に、ガス導入ライン曳いては処理室天井面のシャワープレートのガス導入孔から導入されるエッチングガスの流量や処理室内の圧力の変動が低減され、滑らか或い短時間での繋ぎ換えが実現され次の処理ステップを開始することができ、処理の効率と処理後の加工形状の精度が向上する。
【0029】
また、ガス切り替え機構は、ガス流れの方向について、エッチングガスライン上の切り替え用のバルブからガス導入ライン上の圧力計までの配管長さ及び径プロファイルが切り替え用のバルブ部から捨てガスライン上の圧力計までのものと等しくになるよう設計されている。この構成において、繋ぎステップ中に供給される繋ぎガスの流量をガス種の特性を考慮し補正することにより、次の処理ステップのガス流れを模擬することができ、繋ぎステップ期間中にエッチングガスライン内で当該模擬したガスの流れを安定化することで、次のステップの開始に際したガスの切り替え後のガス導入ラインまたは処理室内の圧力が安定する(整定する)までの時間が短縮される。
【0030】
また、ガス切り替え機構はガス供給ユニットの内部ではなく別の箇所に配置しても良い。このことにより、容積の大きなソレノイドバルブをバルブに実装した高速切り替え用のバルブを用いることができ、バルブの応答遅れを考慮して開閉の切り替えタイミングをずらす必要がなく切り替えステップの短時間化が実現できる。
【0031】
また、前後の処理ステップで同種のガス或いは同じ流量を使用する場合においても処理ステップ間の繋ステップの短時間化が実現できる。加えて、ガス供給ユニット内は従来通りの動作となるので、ガス供給ユニット内のバルブを高価な高速切り替え用のバルブに置き換える必要がなくなり、またガス切り替え機構部のみ高速切り替え用バルブを用いればよいことから、製品コストを安く抑えることができる。
【0032】
また、ガス供給ユニットと処理室との間にガス切り替えユニットが配置されることにより、複数の種類のガスを使用する場合においても、複数種類のガスが混合された処理用のガスがエッチングガスラインから捨てガスラインに通流させつつ当該ガスの流れを安定にした後にガスの切り替えが行われる。このため、従来技術のようにガスの切り替えの際に再度ガスが混合されず、その際に生起するガス導入ラインでの圧力の変動が抑制される。
【0033】
本実施の形態に係るプラズマ処理装置において処理される試料の工程は、より詳細には、当該処理の工程を構成する2つの処理ステップAおよび処理ステップBと、これらの間に繋ステップとして実施される移行ステップを備えている。移行ステップでは、試料上面にバイアス電位を形成するための高周波電力が停止(OFF)にされ、次の処理ステップBの処理の条件にマイクロ波電力、コイルへ供給される電流の量、処理室内の圧力等のパラメータが合致するように調節されるとともに、処理ステップBの処理の条件としての供給される1つの種類のガスまたは複数種類のものが混合される処理用のガスの流量または複数種類から構成される場合には(各種類のガスの流量比や分圧のを含む)組成の差異を考慮して粘性で補正した同等流量のAr等の希ガス(不活性ガス)がガス導入ラインに切り替えられて供給され処理室内に導入される。
【0034】
移行ステップ中にマイクロ波電力やコイルへの電流量、処理室内の圧力やガスの流量やライン内部の圧力等のパラメータが前の処理ステップAのものから次の処理ステップBのものに変更される。このことにより、マイクロ波電力の整合やコイルに供給される電流値の整定に要する時間や、これらの過渡応答が次の処理ステップBに与える再現性や機差への悪影響を低減することができる。また、バイアス電位形成用高周波電力に対する整合は、バイアス電位形成用の高周波電源と試料台内部の電極との間の給電経路上に配置されたバイアス電力の整合(マッチング)回路のマッチング値が、当該高周波電力が停止(OFF)の状態の間に次の処理ステップBのマッチング値に予めに合致するように調節される。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0036】
〔実施例1〕
以下、本発明の実施例について、
図1乃至
図8を用いてを説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す図である。特に、本実施例に係るプラズマ処理装置は、処理室内に供給された処理用のガスを当該処理室内に情報の誘電体製の窓からこれを透過させて導入されたマイクロ波の電界と、処理室の上方及び側方周囲を囲んで外側に配置されたソレノイドコイル等の電磁石により形成され処理室内に供給された磁界との相互作用によりECR(Electron Cyclotron Resonance)し、処理室内に導入された処理用ガスの原子または分子を励起、解離させて生成したプラズマを用いて半導体ウエハ等の基板状の試料上面に予め形成されたマスク層を含む膜構造に含まれる処理対象の膜層を含む膜構造のエッチングを行うプラズマエッチング処理装置である。
【0038】
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。この図において、プラズマ処理装置は、円筒形またはこれと見なせる程度の近似した形状を有してその円筒形の側壁の上部が開放された真空容器1と、真空容器1下方でこの底面と接続されて配置されたターボ分子ポンプ20と可変コンダクタンスバルブ18を有する排気装置と、真空容器1の上方及び側方に配置され真空容器1内部の処理室4内に当該処理室4内にプラズマを形成するために供給される電界及び磁界を形成するプラズマ形成部とを備えている。
【0039】
真空容器1はその上部の円筒形側壁の上端部上方に載せられて真空容器1を構成する誘電体(例えば石英)製の円板形状の誘電体窓3を備えている、誘電体窓3はその外周縁部の裏面を前記側壁の上端部上面と対向させてこれらの間にOリング等のシール部材を挟んでその上に載せられ、シール部材が上下から押圧されることでシール部材を挟んだ内側の減圧される処理室4と外側の大気圧にされる雰囲気との間を気密に封止している。
【0040】
また、真空容器1内部の円筒形の側壁の内側には排気装置と連通されて当該排気装置の動作により減圧され、処理ガスを用いたプラズマが形成される空間である処理室4が配置されている。誘電体窓3の下方には、処理室4の天井面を構成する石英等の誘電体製の円板形状を有したシャワープレート2が配置されている。シャワープレート2の中央部には処理室4内に処理用ガスを導入するための貫通孔が複数個配置されている。
【0041】
シャワープレート2と誘電体窓3との間にはこれらにより上下を挟まれた空間が配置されている。真空容器1外部にはガスを処理室4に供給するガス供給ユニット16が配置され、前記空間内部と配管を含むガス導入ライン24を介して連通され、真空容器1と連結されている。ガス供給ユニット16で流量または速度を調節されて供給されたガスは、ガス導入ライン24を通り空間に流入し、この内部で拡散した後に、シャワープレート2の貫通孔を通って処理室4内に導入される。
【0042】
真空容器1の上方および側方には、処理室4内にプラズマを生成するための電界を形成する電界形成部及び磁界を形成する磁界形成部を含むプラズマ形成部が配置されている。電界形成部は、誘電体窓3の上方に配置されマイクロ波の電界を伝播する導波管6と導波管6の下端部下方で誘電体窓3上面を底面として上方に配置され導波管6からの電界が導入される円筒形の空洞共振部とを備えている。
【0043】
導波管6は、下部はその軸が上下方向に延在した円筒形を有する円形導波管部と、この円形導波管上端部とその一端側部分が接続されその軸が水平方向に延在する断面矩形状の方形導波管部とを備えている。方形導波管部の他端部には導波管6内へ伝送されるマイクロ波の電界を発振して形成するためのマイクロ波発生用電源8が配置されている。
【0044】
本実施例での導波管6を伝播する電界の周波数は2.45GHzのマイクロ波が用いられているが、特に限定されない。マイクロ波の電界は、方形導波管部の他端部で発振されて形成され水平方向に伝播して一端部で方向を下向きに変えて円形導波管部を下方に伝播して空洞共振部7に導入され、この空洞共振部7内で拡散し特定のモードが励振され誘電体窓3及びシャワープレート2のを透過して処理室4の上方から導入される。
【0045】
処理室4の外周部であって誘電体窓3の上方及び真空容器1の円筒状部分の側壁の外周側には、磁界形成部として直流電流が供給されるソレノイドコイル9が配置されている。処理室4内に導入された電界と、直流電流が供給されたソレノイドコイル9から形成されて処理室4内に導入された磁界とは、処理室4内に相互作用によるECRを生起させ、処理室4内に導入されたガスの原子又は分子が励起し或いは解離して処理室4内のシャワープレート2の下方の空間にプラズマが生成される。
【0046】
処理室4の下方であってシャワープレート2下面下方にはその上面を対向させて配置された試料台10が配置されている。この試料台10は、略円筒形状を有してその上面であって処理対象のウエハ11が載せられる面には溶射法によって形成された誘電体製の膜(図示省略)が配置されており、その誘電体の膜内部に配置された少なくとも1つの膜状の電極に高周波フィルター14を介して直流電源15が接続されて直流電力が供給可能に構成されている。さらに、試料台10の内部には、円板または円筒形状の導体製の基材が配置されて、当該基材がマッチング回路12を介して高周波電源13が接続されて高周波電力が供給可能に構成されている。
【0047】
真空容器1の下方に、真空排気装置を構成する可変コンダクタンスバルブ18とその下方のターボ分子ポンプ20とが配置され、ターボ分子ポンプ20の出口と排気用配管により連結されて連通されたドライポンプ19が備えられている。真空容器1内の処理室4の底面であって試料台10の下方には、円形を有してその中心が上方の試料台10の軸と合致またはこれと見做せる程度に近似した位置に配置された真空排気口5が配置され、可変コンダクタンスバルブ18との間が排気用配管を介して連結され、可変コンダクタンスバルブ18の動作による開度の増減に応じて、ターボ分子ポンプ20に流入する処理室4内のガスや反応生成物の粒子の流量が調節される。
【0048】
さらに、本実施例では、ガス供給ユニット16と真空容器1に連結されたガス導入ライン24との間には、これらに連結されて連通し、ガス供給ユニット16からガス導入ライン24に供給される処理用ガスが内部を通流するエッチングガスライン22が配置されている。さらに、後述のように、ガス導入ライン24は、移行ステップガスライン110を介して移行ステップガス供給ユニット105と連結されてこれと連通し、移行ステップガス源117からガス導入ライン24に供給される移行ステップガスが内部を通流する移行ステップガスライン110が配置されている。
【0049】
さらに、真空排気装置のターボ分子ポンプ20と粗引き用のドライポンプ19との間を連結して前者の出口と後者の入口とを連通する排気ライン21と、エッチングガスライン22及び移行ステップ用ガスライン110各々と排気ライン21との間を連結して連通し、エッチングガスライン22及び移行ステップ用ガスライン110からのガスを排気ライン21に導入する捨てガスライン23が備えられている。そして、エッチングガスライン22及び移行ステップ用ガスライン110上並びにこれらと捨てガスライン23とを連結し連通するガスライン上に配置されたガス切り替えユニット100とが配置されている。
【0050】
このようなプラズマ処理装置において、図示されていない真空容器1の側壁に連結され減圧された搬送室を有する真空搬送容器の当該搬送室の内部に配置されたロボットアーム等の搬送用装置のアームの先端部に載せられたウエハ11が搬送室を搬送されて処理室4内に搬入される。ウエハ11は、試料台10に受け渡されてその上面に載せられると、直流電源15から印加される直流電圧の静電気力で試料台10上に吸着されて保持される。
【0051】
この状態で、処理室4内には、ターボ分子ポンプ20の動作により真空排気口5から処理室4内の粒子が排気されつつ、ガス供給ユニット16から所定の処理用ガス、本例ではエッチングガスが供給される。処理室4内部の圧力は、図示しない制御部が処理室4の圧力を検知する圧力計17からの出力を受信して圧力を検出し、検出結果に応じてガス供給ユニット16内のマスフローコントローラ及び可変コンダクタンスバルブ18に指令信号を発信してこれらの動作のバランスにより処理に適した範囲内の値となるように調節される。
【0052】
その後、電界及び磁界が処理室4内に供給されて試料台10及びシャワープレート2との間の処理室4内の空間にエッチングガスを用いたプラズマが形成される。当該プラズマが形成された状態で、試料台10内の電極に高周波電源13から高周波電力が印加されてウエハ11上方にバイアス電位が形成され、プラズマ中のイオン等荷電粒子がウエハ11表面に引き込まれてウエハ11表面上に配置された処理対象の膜のエッチング処理が進行する。本実施例では、エッチング処理は、複数の種類のガスが混合されたエッチングガスを用いて実施され、複数ガスの種類毎の流量やこれらの混合の割合(0%を含む)、所謂組成が異なる複数種類の混合ガスが各々で用いられる複数のステップが断続して繰り返されて実施される。さらに、本実施例のエッチング処理はこれら複数のステップの前後の2つのステップの間を繋ぐ移行ステップを備えている。
【0053】
エッチング処理の終点が図示しない制御部により検出されると、制御部からの指令信号に応じて高周波電源からのバイアス形成用の高周波電力の供給が停止されるとともにプラズマが消化される。さらに、ウエハ11を試料台10の誘電体製の膜上に吸着していた静電気力が除かれて、処理室4内に進入したロボットアーム等の搬送装置に受け渡されたウエハ11が搬送装置の退出によって処理室4外部の搬送室に搬出され、別のウエハ11があれば当該別のウエハ11が処理室4内に搬入されて上記と同様に処理される。処理されるべきウエハ11が無いと制御部が判定した場合には、当該処理室4と搬送室との間が閉塞されて処理室4を含む真空処理ユニットでのウエハ11を処理する処理用のモードでの運転が停止され、必要に応じて保守点検のためのメンテナンスモードで運転される。
【0054】
次に、高速ガス切り替え機構をもつガス切り替えユニット100について説明する。
【0055】
ガス切り替えユニット100は、エッチングガスライン22上に設けられた第1バルブ101と、ガス供給ユニット16と第1のバルブ101との間のエッチングガスライン22上の箇所と捨てガスライン23との間でこれらと連結されて連通して、ガス供給ユニット16から供給される処理用ガスを排気ライン23からドライポンプ19に向けて流し排気するための第1のバイパスライン103と、第1のバイパスライン103上に設けられた第2のバルブ102とを備えている。
【0056】
さらに、ガス切り替えユニット100には、ウエハ11の処理中の前後2つのステップの間で行われる移行ステップ中に処理室4内にアルゴン等の希ガスあるいは不活性ガスを導入するための移行ステップガスライン110上に配置された第3のバルブ111と、移行ステップガス供給ユニット105と第3のバルブとの間の移行ステップガスライン110上の箇所と捨てガスライン23との間でこれらと連結されて連通し、移行ステップガス供給ユニット105からの移行ステップガスを排気ライン23からドライポンプ19に向けて流し排気するための第2のバイパスライン113と、第2のバイパスライン113上に設けられた第4のバルブ112とを備えている。なお、本実施例の移行ステップガス供給ユニット105は、移行ステップガスライン110に連結され連通された移行ステップガス源117及び移行ステップガスライン110上に配置され、内部を通流する移行ステップガスの流量または速度を調節する移行ステップガス用マスフローコントローラ4を備えている。
【0057】
また、ガス導入ライン24上には圧力計104が、捨てガスライン23上であって排気ライン21との連結部と第1のバイパスライン103及び第2のバイパスライン113との連結部との間の箇所に圧力計131が配置されている。本実施例においては、エッチングガスライン22上に配置された第1のバイパスライン103との連結部からエッチングガスライン22を通りガス導入ライン22上の圧力計104まで、及び同連結部から捨て第1のバイパスライン103を通り捨てガスライン上の圧力計131までの各々のガスラインは、これを構成する配管の長さ及び配管の形状、すなわち断面円形の配管である場合にはその直径または半径の円形の中心を通る垂直な軸方向についての値の大きさの変化(プロファイル)が同じになるよう構成されている。以下、当該連結部をエッチングガスライン切り替え部25と呼称する。
【0058】
さらに、捨てガスライン23上には可変コンダクタンスバルブ132が配置されている。この可変コンダクタンスバルブ132は、その開度が制御部からの指令信号に応じて増減され、圧力計131の値を圧力計104と同じ値となるように、つまりガス導入ライン24内部の圧力と捨てガスライン23内の圧力とが等しくなるように、調節される。
【0059】
次に、
図2を用いて本実施例に係るマッチング回路12について説明する。
図2は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置のマッチング回路12の構成を模式的に示す回路ブロック図である。
【0060】
本実施例のマッチング回路12は、所定の周波数、本実施例では400kHzまたは800kHzの高周波電力を供給する高周波電源13と試料台10内部の電極との間の給電経路上に配置されるものであり、インピーダンスコントローラー26と、第1のマッチング用可変素27と、第2のマッチング用可変素子28とが高周波電源13に近い順に直列に配置されて構成されている。第1のマッチング用可変素27と、第2のマッチング用可変素子28との各々にはインピーダンス外部指示器29が各々スイッチを介して電気的に接続されている。
【0061】
本実施例のマッチング回路12では、スイッチの開閉によりインピーダンスコントローラー26とインピーダンス外部指示器29との間で第1のマッチング用可変素27及び第2のマッチング用可変素子28の動作を調節する信号の指令元を切り替えることができる。インピーダンスコントローラー26に接続している場合は、インピーダンスコントローラー26がインピーダンスの偏差をモニタしながら、マッチング出来るように第1のマッチング用可変素子27と第2のマッチング用可変素子28を制御し、インピーダンス外部指示器29に接続している場合は、インピーダンス外部指示器29により任意の値になるように第1のマッチング用可変素子27と第2のマッチング用可変素子28を制御する。このスイッチによる切り替えは、高周波電源13からの高周波電力の停止(OFF)に合わせて制御部からの司令に応じて行われる。
【0062】
次に、
図3を用いて、本実施例に係るプラズマ処理装置が実施するウエハ11の処理について詳細に説明する。
図3は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の実施するウエハの処理を構成する複数の工程の流れを示す表である。
【0063】
本実施例において、ウエハ11を処理する工程は複数のステップから構成され、異なる条件で処理が為される処理ステップAと処理ステップBとの各処理ステップとこれらの間に移行ステップが配置されている。さらに、これらの処理ステップA,Bがその間に移行ステップを挟んで所定の回数或いは目標の到達が判定されるまで繰り返して実施される。
【0064】
移行ステップの期間中は、ウエハ11上面上方にバイアス電位を形成するための高周波電力が停止(OFF)にされてこれが維持される。さらに、マイクロ波発生用電源が形成するマイクロ波の電力、ソレノイドコイル9に供給される電流、処理室4内の圧力を含む処理の条件を示すパラメータの値が、処理ステップAのものから処理ステップBの値に変更されるとともに、ガス導入ライン24に供給されるガスが移行ステップガス供給ユニット105からのアルゴンガス等の希ガス或いは不活性ガスに切り替えられて当該移行ステップガスが処理室4内に導入される。この際、、処理ステップBにおいて用いられる処理用ガスの流量と等しいと見なせるように粘性を考慮して補正した流量で移行ステップガスがガス導入ライン24に供給される。
【0065】
本実施例では、マイクロ波発生用電源8が形成する電界の電力、ソレノイドコイル9に供給される電流、処理室4内の圧力、ガス導入ライン24または処理室4内に供給されるガスの流量が次に実施される処理ステップに合わせて移行ステップ期間中に変更される。また、バイアス形成用高周波電力に対する整合は、バイアス形成用高周波電力がOFFに維持されている移行ステップ中に、第1のマッチング用可変素子27と第2のマッチング用可変素子28とを次の処理ステップの処理の条件における適正な整合値に予め合わせておく。このことにより、マイクロ波電力のマッチング、ソレノイドコイル9用の電流及び処理室4内の圧力が整定するまでの時間等の上記パラメータの値の変更が指令されてからの過渡応答の期間が及ぼす処理の再現性の低下や機差の増大等の悪影響が抑制される。
【0066】
図4乃至6を用いて、本実施例に係るプラズマ処理装置の処理室4に供給されるガスの流れを説明する。
図4は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が実施する処理ステップAにおけるガス切り替えユニット100のガスの流れを模式的に示す図である。本実施例のガス切り替えユニット100の複数のバルブ及び可変コンダクタンスバルブ132の動作は、ガス供給ユニット16に含まれる処理ガス用のマスフローコントローラ及び移行ステップガス用マスフローコントローラ114、マイクロ波形成用電源8、ソレノイドコイル9、可変コンダクタンスバルブ18を含む真空排気装置、図示しない真空容器1と搬送室との間のれん通路を開閉するバルブや搬送室内のウエハ11の搬送装置の動作と同様に図示しない制御部からの指令信号に応じて調節される。
【0067】
処理ステップAでは、その開始の際に制御部からの指令信号に応じて、エッチングガスライン22上の第1のバルブ101が開かれると共に第2のバルブ102が閉塞されて、ガス供給ユニット16から処理ステップAの処理の条件であるA条件に係るエッチングガスがエッチングガスライン22からガス導入ライン24に供給され(図上、破線矢印に示す)処理室4に供給され、これが維持される。また、処理ステップA期間中は、第3のバルブ111が閉塞されると共に第4のバルブ112が開かれ、移行ステップガス供給ユニット105内に配置された移行ステップガス源117からのアルゴンガスが移行ステップガス用マスフローコントローラ114において、処理ステップBでの処理の条件であるB条件のエッチングガスの流量に等しいと見なせるように、粘性を考慮して補正された流量に調節されて、移行ステップガス供給ライン110と第2のバイパスライン114を介して捨てガスライン23に供給され(図上、実線矢印で示す)、ドライポンプ19からプラズマ処理装置外部に排気される。さらに、この処理ステップAにおいて、制御部からの指令信号に応じて可変コンダクタンスバルブ132の開度が、捨てガスライン23上の圧力計131の値とガス導入ライン24上の圧力計104の値が等しくなるように調節され、捨てガスライン23内の圧力が調節され維持される。
【0068】
図5を用いて移行ステップ中のプラズマ処理装置の処理室4に供給されるガスの流れを説明する。
図5は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が実施する移行ステップにおけるガス切り替えユニット100のガスの流れを模式的に示す図である。
【0069】
移行ステップでは、その開始に際して、制御部からの指令信号に応じて、第4のバルブ112が閉じられ第3のバルブ111が開かれて、移行ステップガス用マスフローコントローラ116からB条件のエッチングガスと同流量相当となるように粘性を考慮して補正された流量のアルゴンガスが第2のガス供給ライン110を通してガス導入ライン24に供給され(図上、実線矢印で示す)、処理室4に導入され、これが維持される。これと並行して、エッチングガスライン22上の第1のバルブ101が閉じられると共に第2のバルブ102が開かれて、ガス供給ユニット16からA条件のエッチングガスが第1のバイパスライン104を介して捨てガスライン23に供給され(図上、破線矢印で示す)、ドライポンプ19により外部に排気される。
【0070】
さらに、ガス供給ユニット16からのエッチングガスの供給がA条件のものからB条件のものに切り替えられ変更される。移行ステップ中は、制御部からの指令信号に応じて、可変コンダクタンスバルブ132の開度が調節され、捨てガスラインの圧力計131の値とガス導入ライン24の圧力計104とが等しくになるように調節され維持される。
【0071】
図6を用いて、移行ステップ中のプラズマ処理装置の処理室4に供給されるガスの流れを説明する。
図6は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が実施する処理ステップBにおけるガス切り替えユニット100のガスの流れを模式的に示す図である。
【0072】
処理ステップBでは、その開始に際して、制御部からの指令新語に応じて第1のガス供給ライン22上の第2のバルブ102が閉じられ第1のバルブ101が開かれて、ガス供給ユニット16からB条件のエッチングガスがガス導入ライン24に供給され(図上、破線矢印で示す)処理室4に供給され、これが維持される。これに並行して、第3のバルブ111が閉じられ第4のバルブ112が開かれて、移行ステップ用マスフローコントローラ114において処理ステップBの次の処理ステップである処理ステップCの処理の条件である条件C(次の処理ステップの条件がA条件の場合には再度条件A)のエッチングガスの流量に等しいと見なせるように、粘性を考慮して補正された流量に調節されて移行ステップガスライン110と第4バイパスライン124とを介して捨てガスライン23に供給され(図上、実線矢印で示す)、ドライポンプ19へ排気される。さらに、可変コンダクタンスバルブ132の開度が調節されて、圧力計131の値と圧力計104の値とが等しくなるように調節される。
【0073】
本実施例のウエハ11の処理では、上記の工程が、制御部により処理の終点への到達が判定されるまで、或いは上記の処理ステップが所定の回数だけ実施されたことが判定されるまで、各処理ステップおよびこれらの間の移行ステップが相互に切り替えられて繰り返される。さらに、本実施例の処理の各工程ではその期間中に、移行ステップガスであるアルゴンガスは、次の処理ステップで用いられる処理ガス(本例ではエッチングガス)の供給を模擬した流量相当と見なせるように、その粘性を考慮した補正がされた流量でガス導入ライン24に供給されている。
【0074】
図7に、各ステップ期間中に供給されるアルゴンガスの流量の補正の方法について説明する。
図7は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の実施する処理の工程の各ステップにおける移行ステップガスの流量を補正する方法を模式的に図である。本図では、1つのエッチングの処理ステップと移行ステップとの2つのステップについて示しており、例としてエッチングガスはO2が用いられる。
【0075】
図7(a)に示す処理ステップにおいて、ガス導入ライン24上の圧力計104からシャワープレート2までの内部のガスの流れは、粘性流領域であれば、下記のように表される。
【0077】
ここでQO2はO2ガスの流量(Pa・m3)、P1はチャンバ導入ガスライン用圧力計104の圧力値(Pa)、CO2は酸素ガスを使用した場合のチャンバ導入ガスライン圧力計104からシャワープレート2までのコンダクタンス、P0はチャンバ圧力。ここで、チャンバ圧力はガスライン圧力に比べ十分に小さいため、P0≒0とする。に示すことができる。
【0078】
処理ステップ中にP1の圧力を次に式で表すことができる。
【0080】
ここでCはチャンバ導入ガスライン用圧力計104とシャワープレート2までの配管のコンダクタンス、ηO2はO2ガスの粘性係数、ηAirは空気の粘性係数。
【0081】
移行ステップ中のチャンバ導入ガスライン用圧力計104の圧力値P1は下記のように表すことができ、Cのコンダクタンスは移行ステップ中も処理ステップ中も同じ経路を流れるので、同じ値になるため、ガスの粘性係数の比で流量に補正をかけることにより、移行ステップ時のP1の値を処理ステップ時のP1の値にあわせることができる。
【0085】
ここでCArはアルゴンガスを使用した場合のチャンバ導入ガスライン用力計104からシャワープレート2までのコンダクタンス、ηArはアルゴンガスの粘性係数である。
【0086】
上記のように、移行ステップ中にアルゴンガスを流した際のガス導入ライン24上の圧力計104の圧力値が処理ステップと等しくなるように、アルゴンガスの流量を粘性係数で補正する、さらに、捨てガスライン23上の圧力計131の値と圧力計104の値とが等しくなるように、可変コンダクタンスバルブ132の動作が調節される。本実施例では、エッチングガスライン22上の少なくともエッチングガスライン切り替え部25からのエッチングガスライン22及びガス導入ライン24の圧力計104までのガスライン、及び少なくともエッチングガスライン切り替え部25から第1のバイパスライン103及び捨てガスライン23の圧力計131までのガスラインで、これを構成する配管の長さ及び管路の軸方向について寸法のプロファイルが同じになるよう構成されている。このことにより、処理ステップ中の圧力計104とガス供給ユニット16との間のガスラインの長さ及びプロファイルと、移行ステップ中の圧力計132と移行ステップガス供給ユニット105との間のガスラインの長さ及びプロファイルとを等しくして、移行ステップ中に捨てガスライン23に供給する次の処理ステップの処理用ガスの流れを次の処理ステップでの条件のものに模擬して、流れおよび圧力を当該次の処理ステップの開始前に安定にしておいて移行ステップから次の処理ステップに切り替えることで、当該切り替えの際の処理室4への処理用ガスの供給の条件の変動が抑制される。
【0087】
図8を用いて本実施例の作用を説明する。
図8は、
図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の移行ステップから処理ステップに切り替えた際の処理室内の圧力とガスライン内の圧力の変化を示すグラフである。本例では、条件として移行ステップのアルゴンガスの流量をエッチングガス、O2ガスの流量100ccmと同じ100ccmの場合と流量を補正した90ccmの場合の二つの条件を示す。
【0088】
ガスライン圧力は圧力計104の値をプロットしたもので、Ar流量100ccmからO2流量100ccmに切り替えた際に、その圧力は変動しているが、Ar流量を補正した90ccmからO2流量100ccmに切り替えた際には圧力変動が抑えられている。また、処理室4内の圧力についても、それぞれの条件でガス切り替え直後のガス種の違いによる圧力変動はあるが、その後に起こるガス導入ライン24内部で起こる圧力変動の影響については、Ar流量を補正した条件の方が圧力変動を抑えることができ、2s以内に圧力を整定させて安定化することができている。
【0089】
なお、移行ステップガスの流量を補正する方法については、エッチングガスとして単一種類のO2を用いたが、複合ガスの場合はそれぞれのガス種ごとの流量比と粘性係数を用いて補正係数を求めることにより、補正することが可能となる。また、上記の説明では、ガス導入ライン24内の流れは粘性流としたが、分子流の場合は粘性係数の変わりに分子量を用いて同様に補正の量を求めることができkる。
【0090】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分りやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。