(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、前記第4工程で位置が調整された前記積層体を、前記第5工程における裁断前にあらかじめ固定部材で固定する第6工程を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の賦形フィルムの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来から行われている賦形フィルムの製造方法では、ロールツーロール方式での打抜き加工の際、目的とする構造パターンの賦形とは別に、あらかじめ位置情報となるアライメントマークを印刷等で付し、アライメントマークを読み取ることで位置合わせを行うことが通例とされてきた。しかしながら、アライメントマークを利用した方法では、本来不要な位置情報を付与する作業が不可欠であるばかりか、印刷位置のずれ等に起因して打抜き位置の精度が低下する場合がある。
【0007】
特定の機能を発現させるための構造パターン(すなわち、機能性形状)を有する賦形フィルムは、構造パターンが例えば透明フィルムの表面に高精細かつ規則的に成形されることが必要とされる。また、表示される画像の更なる高精細化及び高輝度化等の観点からは、製品製造時における賦形フィルムの配設位置も高度な位置合わせが必要とされる。そのため、成形される構造パターンの成形位置においても、従来までのミリオーダーの位置精度に対し、サブミクロンオーダー又はナノオーダーでの位置精度が求められることが想定される。かかる点を考慮すると、賦形フィルムの製造プロセスで行われる位置合わせの精度も極めて重要となる。
そして、マイクロレンズ等の凸状構造及びテーパ構造等が付与された枚葉フィルムを得る場合、フィルムロールから切り出して枚葉フィルムとする際の位置精度はより重要と考えられる。
【0008】
本開示は、上記に鑑みなされたものである。
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、打抜きの精度が高く、得られる賦形フィルムにおける打抜き位置のずれが抑制された賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 支持体上に設けられた硬化性樹脂層に機能性形状を賦形する第1工程と、
機能性形状が賦形された硬化性樹脂層を硬化し、支持体と、支持体上に設けられた機能性形状を含む硬化層とを有する積層体を形成する第2工程と、
硬化層に平行光を入射し、あらかじめ準備された投影面に硬化層を透過した機能性形状に基づく投影光で投影パターンを形成し、形成された投影パターンと、投影面中の二次元座標に設けられた位置合わせパターンと、を照合する第3工程と、
照合して求められる位置ずれ量に基づいて、積層体及び積層体を裁断する裁断装置の少なくとも一つを移動させることにより積層体の位置を調整する第4工程と、
第4工程における移動後、投影パターンに合わせて積層体を裁断する第5工程と、
を有する賦形フィルムの製造方法である。
【0010】
<2> あらかじめ準備された投影面が、裁断刃を受刃部材に押付けて積層体の裁断を行う裁断装置の受刃部材の裁断部分を撮影装置で撮影した撮影面であり、
第3工程は、投影パターンと、撮影面に設定した二次元座標に設けられた位置合わせパターンと、を照合する<1>に記載の賦形フィルムの製造方法である。
<3> あらかじめ準備された投影面が、裁断刃を受刃部材に押付けて積層体の裁断を行う裁断装置の受刃部材の表面であり、
第3工程は、投影パターンと、受刃部材の表面に設けられた位置合わせパターンと、を照合する<1>に記載の賦形フィルムの製造方法である。
<4> 裁断装置の裁断刃は、打抜き刃であり、
打抜き刃の内側に配置された光源から平行光を出射し、かつ、積層体の搬送方向と直交する幅手方向における、積層体から離れた位置から撮影装置で受刃部材の裁断部分を撮影する、<2>に記載の賦形フィルムの製造方法である。
<5> 更に、第4工程で位置が調整された積層体を、第5工程における裁断前にあらかじめ固定部材で固定する第6工程を有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の賦形フィルムの製造方法である。
<6> 第6工程は、積層体を固定部材で固定した状態で裁断装置の受刃部材の表面に接触させる<5>に記載の賦形フィルムの製造方法である。
<7> 積層体の搬送方向における、第5工程を行う位置の上流側において、第3工程及び第4工程を行う<1>に記載の賦形フィルムの製造方法である。
<8> 投影パターンは、複数の点の集合パターンである<1>〜<7>のいずれか1つに記載の賦形フィルムの製造方法である。
【0011】
<9> 支持体上に設けられた硬化性樹脂層に機能性形状を賦形する賦形部と、
機能性形状が賦形された硬化性樹脂層を硬化し、支持体と、支持体上に設けられた機能性形状を含む硬化層とを有する積層体を形成する硬化部と、
硬化層に平行光を入射し、あらかじめ準備された投影面に硬化層を透過した機能性形状に基づく投影光で投影パターンを形成し、形成された投影パターンと、投影面中の二次元座標に設けられた位置合わせパターンと、を照合する照合部と、
照合して求められる位置ずれ量に基づいて、積層体及び積層体を裁断する裁断装置の少なくとも一つを移動させることにより積層体の位置を調整する位置調整部と、
裁断刃を備え、位置調整部によって移動された積層体を、投影パターンに合わせて裁断する裁断装置と、
を備えた賦形フィルムの製造装置である。
【0012】
<10> 裁断装置は、裁断刃を押付けて積層体の裁断を行うための受刃部材を備え、
裁断装置の受刃部材の裁断部分を撮影する撮影装置を備え、
あらかじめ準備された投影面が撮影装置で撮影された撮影面であり、
照合部は、投影パターンと、撮影面に設定した二次元座標に設けられた位置合わせパターンと、を照合する<9>に記載の賦形フィルムの製造装置である。
<11> 裁断装置は、裁断刃を押付けて積層体の裁断を行うための受刃部材を備え、
あらかじめ準備された投影面が受刃部材の表面であり、
照合部は、投影パターンと、受刃部材の表面に有する位置合わせパターンと、を照合する<9>に記載の賦形フィルムの製造装置である。
<12> 裁断装置の裁断刃が打抜き刃であり、打抜き刃の内側に平行光を出射する光源が配置され、かつ、積層体の搬送方向と直交する幅手方向における、積層体から離れた位置に撮影装置が配置されており、
幅手方向における積層体から離れた位置から撮影装置で受刃部材の裁断部分を撮影した撮影面に、投影パターンを形成する<10>に記載の賦形フィルムの製造装置である。
<13> 裁断装置の裁断刃が打抜き刃であり、打抜き刃の内側に、平行光を出射する光源と、撮影装置と、を備える<10>に記載の賦形フィルムの製造装置である。
<14> 位置調整部で位置調整された積層体を固定する固定部材を更に備えた<9>〜<13>のいずれか1つに記載の賦形フィルムの製造装置である。
<15> 積層体の搬送方向における裁断装置の上流に照合部を備え、
位置調整部は、照合部の照合により求められる位置ずれ情報に基づいて積層体の位置を調整する<9>〜<14>のいずれか1つに記載の賦形フィルムの製造装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、打抜きの精度が高く、得られる賦形フィルムにおける打抜き位置のずれが抑制された賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置の実施形態について、詳細に説明する。
【0016】
なお、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0017】
また、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0018】
本開示における支持体、及び本開示において形成される積層体は、枚葉形状又は長尺形状のいずれであってもよい。
【0019】
本発明の一実施形態である賦形フィルムの製造方法は、支持体上に設けられた硬化性樹脂層に機能性形状を賦形する第1工程と、機能性形状が賦形された硬化性樹脂層を硬化し、支持体と、支持体上に設けられた機能性形状を含む硬化層とを有する積層体を形成する第2工程と、硬化層に平行光を入射し、あらかじめ準備された投影面に硬化層を透過した機能性形状に基づく投影光で投影パターンを形成し、形成された投影パターンと投影面中の二次元座標に設けられた位置合わせパターンとを照合する第3工程と、照合して求められる位置ずれ量に基づいて、上記した積層体及び積層体を裁断する裁断装置の少なくとも一つを移動させることにより積層体の位置を調整する第4工程と、第4工程における移動後、投影パターンに合わせて積層体を裁断する第5工程と、を有している。
本開示の一実施形態の賦形フィルムの製造方法は、第1工程〜第5工程を連続して行う方法であってもよいし、第1工程〜第5工程中の一部の工程を不連続に行う方法であってもよい。後者の場合、例えば、第1工程及び第2工程を行って積層体を形成した後に一旦巻き取って積層体ロールを作製し、作製した積層体ロールから巻き出された積層体に対して第3工程〜第5工程を行うことで賦形フィルムを作製する方法であってもよい。
また、本発明の一実施形態の賦形フィルムの製造方法では、上記工程に加えて必要に応じ、更に、積層体を巻き取って積層体ロールを作製する巻取工程等の他の工程を有していてもよい。
【0020】
また、本発明の他の実施形態である賦形フィルムの製造装置は、支持体上に設けられた硬化性樹脂層に機能性形状を賦形する賦形部と、機能性形状が賦形された硬化性樹脂層を硬化し、支持体と、支持体上に設けられた機能性形状を含む硬化層とを有する積層体を形成する硬化部と、硬化層に平行光を入射し、あらかじめ準備された投影面に硬化層を透過した機能性形状に基づく投影光で投影パターンを形成し、形成された投影パターンと投影面中の二次元座標に設けられた位置合わせパターンとを照合する照合部と、照合して求められる位置ずれ量に基づいて、上記した積層体及び積層体を裁断する裁断装置の少なくとも一つを移動させることにより積層体の位置を調整する位置調整部と、裁断刃を備え、位置調整部によって移動された積層体を、投影パターンに合わせて裁断する裁断装置と、を備えている。
本開示の一実施形態の賦形フィルムの製造装置は、賦形部、硬化部、照合部、位置調整部、及び裁断装置を備えるが、それぞれが連続的に作動する態様に限らず、賦形部、硬化部、照合部、位置調整部及び裁断装置のうちの一部が不連続に作動する態様の装置とされていてもよい。後者の場合、例えば、賦形部及び硬化部を経て積層体を形成した後に一旦巻き取って積層体ロールとし、積層体ロールから巻き出した積層体が照合部、位置調整部及び裁断装置に供される装置であってもよい。
本発明の他の実施形態である賦形フィルムの製造装置は、上記に加えて必要に応じ、更に、積層体を巻き取る巻取装置、積層体ロールを巻き出す巻出装置等の他の要素を備えていてもよい。
【0021】
従来の賦形フィルムの製造方法では、アライメントマークによる位置合わせ方法が用いられていた。すなわち被裁断物であるフィルムの非有効領域に位置合わせ情報としてアライメントマークを付してアライメントマークを目視又は検出して位置合わせを行う方法が用いられていた。これに対して、本開示の賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置では、フィルムが機能上必要とする機能性形状(例えばレンズ)を利用し、平行光を照射して得られる投影光(例えば回折光)を、予め定められた位置情報(例えば、裁断刃の受刃部材に形成された位置情報、コンピュータ等の制御装置により投影面に形成された位置情報等)と照合して位置合わせを行って裁断位置とする。これにより、従来技術のように、被裁断物であるフィルムに本来不要な位置情報を付する必要がない。また、照合して把握した位置ずれ量をもとにフィルムの位置を、X−Y二次元座標軸に照らして細かく調整することができる。さらに、従来のアライメントマークを検出して行う方法に比べ、極めて高い位置精度で賦形フィルムの裁断を行うことができる。
また、本開示では、投影パターンを利用するので、拡大された位置情報が得られ、裁断装置の裁断刃とフィルムとの位置合わせを、得られた位置情報に基づいてより一層正確に行うことができる。
更には、投影光として回折光を応用した方法が可能であり、複数の投影パターンを利用した位置合わせを行うことで、位置合わせの精度を飛躍的に向上させることができる。
【0022】
以下、図面を参照して、本開示の賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置の実施形態について具体的に説明する。但し、本開示の賦形フィルムの製造方法及び賦形フィルムの製造装置は、以下に示す実施形態に制限されるものではない。各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素には同一の符号を付している。
【0023】
(第1実施形態)
本開示の賦形フィルムの製造方法の第1実施形態を
図1〜
図13を参照して説明する。
図1は、賦形フィルムを製造する装置全体のうち、機能性形状が賦形されたフィルムロールを精度良く打ち抜いて、機能性形状が賦形された枚葉の賦形フィルムを製造する賦形フィルムの製造装置の一例を示す概略構成図である。
なお、本開示の賦形フィルムの製造装置は、支持体上に設けられた硬化性樹脂層に機能性形状を賦形する賦形部と、機能性形状が賦形された硬化性樹脂層を硬化し、支持体と、支持体上に設けられた機能性形状を含む硬化層をと有する積層体を形成する硬化部と、を備えるものであるが、
図1に示す賦形フィルムの製造装置には、賦形部及び硬化部を図示していない。
図1に示す賦形フィルムの製造装置では、図示しない賦形部と硬化部とを経て作製された積層体が使用される。
【0024】
図1に示す賦形フィルムの製造装置100は、不図示の積層体製造装置と、積層体製造装置で製造された積層体を用いてパターンの照合を行う照合部の一例である照合装置30と、位置調整部の一例である位置調整機構10と、裁断装置15と、撮影装置の一例である撮影カメラ(CCD(Charge-Coupled Device)カメラ)60と、を備えている。
なお、積層体製造装置及び積層体製造装置を用いた積層体の製造については後述する。
【0025】
本実施形態では、積層体に入射された入射光が積層体を透過した投影光を、撮影カメラ60で撮影された撮影面に設定された二次元座標に設けられた位置合わせパターンと照合し、照合して求められる位置ずれ量に基づいて積層体の位置を調整し、裁断を行う。これにより、高精細な撮影装置を用いることなく、安価かつ簡易に高精度の位置合わせが可能になり、精度良く裁断を行うことができる。
【0026】
照合装置30は、撮影カメラ60と接続され、撮影カメラ60で撮影された撮像を取り込んで撮影面(投影面)を準備する。そして、準備された撮影面に二次元座標を設定し、この二次元座標にあらかじめ定めた位置合わせパターンを設定する。具体的には、
図2に示すように、撮影面を表示装置の一例であるモニター31(
図1参照)の表示面33に映し、X−Y座標軸を設定し、このX−Y座標軸に少なくとも2つの基点35を登録する。基点35として少なくとも2点登録することで、X−Y座標軸内での位置の補正が可能になる。
基点35は、座標軸上では(X,Y)で表すことができ、例えば、(0,10)、(10,0)、(−10,0)、(−30,−10)等を登録してもよい。
【0027】
図2では、X−Y座標軸がモニター表示面に表示されている場合を示しているが、上記基点の登録を行うのであれば、必ずしもX−Y座標軸をモニター表示面に表示しなくてもよい。
【0028】
被照合対象である投影パターンは、積層体に平行光を入射させることによって撮影面に形成することができる。即ち、積層体の硬化層に平行光を入射し、硬化層に形成されている機能性形状を透過した投影光が撮影面に達すると、撮影面に投影パターンが形成される。具体的に
図3を参照して説明する。
図3に示すように、支持体41と、支持体41上に設けられた硬化層43とを有する積層体40に、光源50から平行光51を入射させると、硬化層43に入射した平行光は硬化層43の機能性形状によって回折し、投影光として回折光53が投影面である撮影面に現れる。この状態を
図4に示す。
図4に示す表示面33には、複数の回折光53からなる投影パターンが現れている。なお、投影パターンは、複数の回析光からなり、回析光と投影パターンとは実質的に同一の構成要素である。そのため、以下では、回析光と投影パターンに対して、同一の符号53、53aを用いて説明する場合がある。
【0029】
投影パターンは、1つの点であってもよいが、照合による位置精度を向上させる観点から、複数の点の集合パターンであることが好ましく、3つ以上の複数の点の集合パターンであることがより好ましい。投影パターンの具体的な例として、複数の回折光の集合パターンであることが好ましい。
【0030】
積層体に平行光を入射するための光源は、
図5に示すように、裁断装置15の無端形状の打抜き刃(例えばトムソン刃)17Aの内側に取り付けられており、光源50によって積層体に平行光を照射できるようになっている。光源50は、LED(発光ダイオード)である。
光源50が打抜き刃の内側に位置していることで、積層体の硬化層に垂直に平行光を入射させることができる。これにより、所望としている形状(例えば円形)の回折光を形成することができ、あらかじめ設定された撮影面内の位置合わせパターンの形状に近い正確な形状が得られやすく、照合精度を高めやすくなる。
【0031】
なお、「打抜き刃」とは、例えば刃を曲げて一端と他端とを繋ぎ合わせる等した無端の枠形状(例えば、輪状、四角枠状、三角枠状)を有し、被裁断物を刃の枠形状に沿った形で抜き取るための刃のことをいう。また、「打抜き刃の内側」とは、枠形状の刃で取り囲まれた領域を指す。
【0032】
光源は、平行光を照射することができるものであればよく、LED以外にも、例えば、LD(レーザーダイオード)等の半導体光源、単波長レーザー等を発現するレーザー光源などを使用することができる。
【0033】
光源の波長としては、可視光領域に属する波長を有する光を発する光源であれば、特に制限はなく、例えば500nm〜650nmの波長範囲から任意に選択すればよい。
【0034】
本開示では、裁断装置の裁断刃として、打抜き刃を用いることができる。
枠状の刃(刃枠)を有する打抜き刃は、刃枠の内側は裁断に資さない空間のため、打抜き刃の内側に光源を配置することができる。
更には、本実施態様のように、裁断装置の裁断刃として打抜き刃を用い、かつ、打抜き刃の内側に平行光を出射する光源50が配置され、かつ、
図5に示すように、積層体40の搬送方向と直交する幅手方向に撮影装置60が配置されており、幅手方向における積層体40から離れた位置から撮影カメラで撮影した撮影面に、投影パターンを形成することが好ましい。
【0035】
照合装置30で照合する際は、まず初めに、上記のようにしてX−Y座標軸が設定された撮影面に現れた複数の回折光53からなる投影パターンを検知し、X−Y座標軸上での位置を検出する。そして、検出した投影パターンと、撮影面内のX−Y2次元座標にあらかじめ設定した位置合わせパターンと、を照合する(第3工程)。
【0036】
照合について、
図6を参照して説明する。
図6は、撮影面における投影パターン53と位置合わせパターン37とを拡大した概略図を示す。
撮影面には、
図6に示されるように、あらかじめ設定された位置合わせパターン37が存在し、位置合わせパターン37が配置されている面に投影パターン53が投影される。この際、投影パターン53は、位置合わせパターン37からずれた位置に投影されることがある。このまま積層体の裁断を実施すると、適切な裁断位置とならないため、積層体の位置合わせを行う。位置合わせは、投影パターン53と位置合わせパターン37との位置を合致させることにより行える。まず、撮影面に投影された投影パターン53を検知し、X−Y座標軸上での位置を検出する。その後、
図6中の矢印X,Yの各方向に各回折光53を移動させた場合を想定して、投影パターンのX−Y座標軸上での位置の、位置合わせパターンの位置からのずれ量(位置ずれ量)を求める。回折光53aは、回折光53を移動させた後の位置を示している。
【0037】
位置ずれ量は、例えば、投影パターンが位置合わせパターンと合致するまで移動させた後の回折光53aの位置(X−Y座標)から移動前の回折光53の位置(X−Y座標)を差し引いて求まる量である。
【0038】
照合する方法としては、本実施態様のように、あらかじめ準備された投影面として、裁断刃を受刃部材に押付けて積層体の裁断を行う裁断装置の受刃部材の裁断部分を撮影装置で撮影した撮影面を用い、投影パターンと、撮影面に設定した二次元座標に設けられた位置合わせパターンと、の照合を行う形態であることが好ましい。
【0039】
本開示において、「受刃部材の裁断部分」とは、受刃部材の、裁断刃が押付けられる側の表面のうち、少なくとも裁断刃(特に打抜き刃(例えばトムソン刃))が当接する当接部及び積層体を裁断して得られる賦形部分(即ち、賦形フィルム)が位置している部分(例えばトムソン刃の場合、刃で取り囲まれた内側部分)を指し、更には刃の周囲(例えばトムソン刃の場合、刃の外周囲)をも含む部分を指すことが好ましい。
本開示では、後述の第4工程での位置の調整が良好に行える範囲で「受刃部材の裁断部分」を設定することが可能であり、例えば本実施態様の場合、少なくとも上記の当接部及び賦形部分(賦形フィルム)が位置している部分が投影面となる撮影面に含まれれば、後述の第4工程での位置の調整が良好に行える。
【0040】
位置調整機構10は、照合装置30で照合して求めた位置ずれ量に基づいて、積層体の位置を調整する(第4工程)。
本実施形態の位置調整機構10は、積層体40及び積層体40を裁断するための裁断装置15の中から選択される1つ又は2つを移動させることによって投影パターンの位置ずれ量を補正する。これにより、積層体の位置を、位置合わせパターンと合致するように調整する。
具体的な方法を以下に説明する。
【0041】
積層体40自体を移動させることによって投影パターンの位置ずれ量を補正する場合、賦形フィルムの製造装置100にて積層体40を移動させる。即ち、賦形フィルムの製造装置100が備える特定の搬送ロールの位置調節用機構10を、取得した位置ずれ量に基づいて手動で又は自動的に調節することにより積層体40を移動させる。この場合の位置調整機構10は、賦形フィルムの製造装置100の各搬送ロールの位置調節用機構である。
本実施形態では、賦形フィルムの製造装置100の搬送ロールのうち、幅位置制御ロール11,21及び搬送位置制御ロール13を利用して、積層体40の位置を調整することができるようになっている。
幅位置制御ロール11,21は、積層体を搬送させる駆動ロールであり、ロールの配置傾き等により、積層体搬送方向〔MD:Machine Direction;Y方向(
図7参照)〕と直交する幅方向〔TD:Traverse Direction;X方向(
図7参照)〕に−1mm〜1mmの範囲でロール位置を変更することができる。
搬送位置制御ロール13は、積層体を搬送させる駆動ロールであり、積層体搬送方向(MD)に−0.1mm〜0.1mmの範囲で積層体の搬送位置を変更することができる。
具体的には、
図6において、撮影面に投影された投影パターン53を移動させた後の投影パターン53aが位置合わせパターン37と合致するように、例えば、投影パターン53を、幅位置制御ロール11,21の重力方向のロール傾きを変えることにより積層体40をX方向に移動させ、更に搬送位置制御ロール13の回転数を変え、回転数から算出される距離を調整することにより積層体40をY方向に移動させる。これにより、投影パターン53を位置合わせパターン37に合致する位置に積層体を動かして積層体を所望の位置に合わせることができる。結果、所望の裁断が可能になる。
【0042】
次に、裁断装置15を移動させることで投影パターンの位置ずれ量を補正する場合は、裁断装置15における裁断刃及び/又は裁断刃を受ける受刃部材の位置を移動させる。この場合、位置調整機構10の機能は、裁断装置15の位置調節用機構が担う。
【0043】
裁断装置15は、
図7に示すように、裁断刃の一例である打抜き刃を備えた打抜き部材17と、裁断時に打抜き刃を押付ける受刃部材の一例である、無端ベルト状の受刃ベルトを有する搬送コンベア19と、を備えている。
図7は、
図1における裁断装置15を拡大して示す斜視図である。
【0044】
裁断装置15の打抜き部材17は、
図5に示すように、基部に固定された打抜き刃17Aと、クッション材17Bと、を備えている。
打抜き刃17Aは、裁断時、積層体40を貫通し、積層体40の搬送位置よりも重力方向の下部に配置された搬送コンベア19の受刃ベルト19Aに到達する位置まで移動して積層体40から所望サイズの賦形フィルムを打ち抜く。打ち抜かれた賦形フィルムは、搬送コンベア19の受刃ベルト19Aによって裁断装置外へ搬出される。
【0045】
受刃部材である搬送コンベア19の受刃ベルト19Aには、
図5に示されるように、打ち抜く際に打抜き刃17Aが収まる収刃部が表面に設けられている。
本実施態様の受刃ベルトには、0.5mm厚のアクリルフィルム又は0.5mm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられている。
受刃ベルトの材質としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム等の比較的柔らかい金属板であってもよく、ある程度の弾性を有する樹脂板であってもよい。樹脂板に用いることができる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET,PETG(Polyethylene terephthalate glycol-modified))、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート−スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等が挙げられる。
【0046】
クッション材17Bは、打抜き刃17Aが固定された部分を除く領域に付設されており、裁断の際に打抜き刃17Aが受刃ベルト19Aに到達した後、積層体から打抜き刃17Aを引き抜く際の賦形フィルムの浮き上がりを防止することができる。これにより、積層体40から打抜き刃17Aを引き抜きやすくなり、打ち抜かれた賦形フィルムが打抜き刃によって持ち上がるのを防ぎ、裁断作業性を高めることができる。
クッション材を形成する素材としては、弾性を有する材料を適宜選択すればよく、例えば、ゴム、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0047】
また、位置合わせパターンが設定される撮影面(投影面)を移動させることによって投影パターンの位置ずれ量に対する補正を行うようにしてもよい。この場合、撮影カメラの撮影位置を移動させることで位置合わせパターンの位置の補正が可能である。
この場合、投影パターンの位置ずれ量の補正は、積層体40及び積層体40を裁断するための裁断装置15の中から選択される2つ以上を組み合わせて行ってもよい。2つ以上を組み合わせることによって、移動を迅速に行える等の利点が期待できる。
【0048】
裁断装置としては、本実施態様のように、CCDカメラを搭載した打ち抜き姿勢補正機能付き打抜機を用いることが好ましく、打抜機メーカーより上市されている汎用機を使用することができる。例えば、CCDカメラ付き画像位置決めプレス”IPAシリーズ”(富士商工マシナリー(株)製)、ロール材位置決め型抜き機”SCP250E−APSシリーズ”(坂本造機(株)製)、ロール材型抜き機”T261シリーズ”(ヤマハファインテック(株)製)などが挙げられる。
【0049】
上記のように積層体の位置を調整した後は、裁断装置15によって投影パターン53aに合わせて積層体40を裁断する(第5工程)。
【0050】
本実施形態で用いられる賦形フィルムの製造装置100では、上記のように、図示しない賦形部及び硬化部を有する積層体製造装置を備えており、積層体製造装置で作製された積層体ロールが用いられる。積層体ロールは、賦形部及び硬化部を経て形成された長尺状の積層体を一旦巻き取ったロール体である。
ここで、賦形部及び硬化部について、
図8を参照して説明する。
【0051】
図8は、第1工程及び第2工程で用いられる積層体製造装置200の一例を示す概略図である。
積層体製造装置200は、供給ロール112と、巻取ロール132と、供給ロール112及び巻取ロール132の間に配置された賦形ロール122と、光源130と、を備えている。支持体14と、支持体14上に設けられた硬化性樹脂層118とを有する積層体40Aは、供給ロール112によって送り出される。硬化性樹脂層118は賦形ロール122で賦形され、光源130からの光照射により硬化される。その後、支持体14及び機能性形状127を含む硬化層を有する積層体40Bは、巻取ロール132に巻取られるようになっている。硬化層とは、硬化性樹脂層118が硬化したものである。なお、硬化性樹脂層118が硬化される前の積層体40を「積層体40A」とし、硬化性樹脂層118が硬化された後の積層体40を「積層体40B」として説明する。
【0052】
供給ロール112から供給された支持体14に、供給ロール112の下流に配置されたコーティング装置116によって硬化性組成物が供給され、支持体14上に硬化性樹脂層118が形成された積層体40Aが得られる。
得られた積層体40Aは、更に下流に配置された賦形ロール122へ送られる。
【0053】
賦形ロール122の表面には、
図8に示すように、賦形部の一例である金型124が配置されている。金型124は、表面に機能性形状である凹凸を形成するための機能性形状付与部126を有し、被賦形体を賦形することができる。
賦形ロールに送られた積層体40Aにおける硬化性樹脂層118は、賦形ロール122に配置された金型124と接触することで、金型124により硬化性樹脂層118の表面に機能性形状である凹凸が形成される。金型が配置された賦形ロールとしては、エンボスロール等を用いてもよい。
例えば
図8のように、積層体40は、機能性形状である凹凸の反転形状である機能性形状付与部126が表面に形成されたエンボスロール122Aを用い、支持体14及び硬化性樹脂層118を有する積層体40Aをエンボスロール122Aとニップロール122Bとの間において狭圧する。狭圧によって、エンボスロール122Aの表面に形成された機能性形状付与部126の凹凸形状の反転形状が硬化性樹脂層118の表面に転写され、賦形される(第1工程)。
【0054】
硬化性樹脂層を賦形する方法は、
図8に例示された態様に制限されず、硬化性樹脂層に金型を押し付けて凹凸形状を賦形する方法であれば公知の賦形方法を適宜選択して適用することができる。例えば、支持体と硬化性樹脂層の積層体を枚葉状とし、第1の面に凹凸構造を有し、第2の面に平面構造を有する一対の金型に、積層体の硬化性樹脂層が金型の第1の面に接するようにして積層体を挟んで狭圧し、硬化性樹脂層を賦形するようにしてもよい。
【0055】
賦形された硬化性樹脂層118は、賦形ロール122の近傍に配設された硬化部の一例である光源130によって光照射される。光照射によって、硬化性樹脂層118は硬化し、支持体14と、支持体14上に設けられた機能性形状127を含む硬化層とを有する積層体40Bが得られる(第2工程)。
【0056】
本実施形態で賦形フィルムを製造する一連の方法を説明する。
まず、積層体製造装置200で作製された積層体ロールを、
図1に示す賦形フィルムの製造装置の供給装置62に装填し、積層体ロールから積層体40を送り出す。送り出された積層体40は、
図1に示すように、複数の搬送ロールによって裁断装置15まで搬送される。そして、裁断装置の裁断位置において、一旦位置の粗調整を行う。
粗調整は、
図9に示すように、撮影カメラで積層体に付された賦形部分Pと非賦形部分Qとの境界部分を検知することにより位置を確認しながら行うことができる。位置の確認は、目視により行ってもよい。
ここでの粗調整は、賦形フィルムの製造装置100の搬送ロールの位置調節用機構にて積層体を移動させることで行える。具体的には、例えば、幅位置制御ロール11,21のロール傾きを変えることにより積層体をX方向に移動させ、搬送位置制御ロール13の回転数を変え、回転数から算出される距離を調整することで積層体をY方向に移動させることにより、積層体の位置を調整する。
【0057】
次いで、積層体の位置の微調整を行う。
撮影カメラ60で撮影された撮像を取り込んで撮影面(投影面)を準備する。そして、準備された撮影面に二次元座標を設定し、二次元座標のX−Y座標軸にあらかじめ定めた位置合わせパターンを設定する。撮影面を表示装置の一例であるモニター31(
図1参照)の表示面33に映してもよい。
図5に示すように、積層体40の硬化層に光源50から平行光51を入射し、硬化層に形成されている機能性形状を透過した投影光52が撮影面に達することで、撮影面に投影パターンが形成される。X−Y座標軸が設定された撮影面(投影面)に現れた複数の回折光53からなる投影パターンを検知し、X−Y座標軸上での位置を検出する。そして、検出した投影パターンと、撮影面内にあらかじめ設定した位置合わせパターンと、を照合する。照合の結果、求められた位置ずれ量に基づいて投影パターンの位置ずれ量を補正する。このようにして、積層体40の位置を、投影パターンと位置合わせパターンとが合致するように調整する。積層体の位置を調整した後は、位置調整後の投影パターン(すなわち、複数の回折光の集合パターン)53aの位置に沿って積層体40を裁断する。
【0058】
積層体を裁断する際、積層体の位置調整後に積層体がMD及び/又はTDに動かないように、
図10に示すように、2対の固定部材65を用いて固定する(第6工程)。対をなす固定部材65は、それぞれ積層体40の法線方向に可動になっており、積層体40の端部を握持することができる。
固定部材65は、固定グリップ部65Aとブチルゴム製の握持部65Bとで構成されている。握持部65Bは、積層体の表面を傷付けにくい軟性材料を用いることが好ましく、例えば、ゴム、樹脂等を適宜選択して用いることができる。
【0059】
積層体40を固定部材65で固定した状態のまま、
図11に示すように、固定部材65を重力方向に移動させることによって積層体40を、積層体40の搬送位置よりも重力方向に配置された搬送コンベア19に移動し、積層体40を受刃ベルト19Aの表面に密着させる。続いて、積層体40が受刃ベルト19Aの表面に密着した後、
図12に示すように、打抜き部材17を搬送コンベア19に向かって移動させ、積層体40を打抜き刃(例えばトムソン刃)17Aで打ち抜く。
なお、打抜き刃17Aは、受刃ベルト19Aまで到達するものの、ベルト支持部19Bまでは到達しないストロークが維持されることが好ましい。
その後、
図13のように、打抜き部材17を反重力方向に移動させて元の位置に戻し、打抜き部材17を搬送コンベア19から離す。この際、積層体から打抜き刃が引き抜かれ、積層体40から打ち抜かれた積層体の部分(賦形部分)は受刃ベルト19Aの表面に残る。そして、積層体から賦形部分が打ち抜かれた後の積層体残部は、
図1に示すように、更に搬送ロールによって搬送され、巻取ロールを供えた巻取装置63で巻取られる。
以上のようにして、所望形状の賦形フィルム40Sが作製される。
【0060】
本実施形態のように、積層体の裁断時には、賦形フィルムの製造装置が位置調整後の積層体40を固定する固定部材を備え、位置調整後の積層体40を、裁断前にあらかじめ固定部材で固定することが好ましい。
そして、積層体を固定部材で固定した状態で裁断装置の受刃部材の表面に接触させ、積層体を受刃部材の表面に接触させた状態で裁断することが好ましい。
【0061】
また、本実施態様では、裁断装置を配置して裁断を行う際に積層体を固定する固定部材を利用することで裁断時の積層体の位置ずれを抑える態様を説明したが、積層体の位置ずれの抑制には固定部材を用いる方法に限らず、例えば
図18に示すように、裁断装置15を配置して裁断を行う搬送路に積層体の幅方向の位置ずれを抑え、かつ、位置ずれを自動的に戻すための搬送ガイド67を配置してもよい。
搬送ガイド67は、搬送する積層体のTDへの蛇行を防ぐことができ、例えば−1mm〜1mmの範囲で積層体のTD(X方向)への移動を抑制できる位置に配設することで積層体の位置ずれを抑えることができる。なお、積層体のMD(Y方向)における位置ずれについては、第1実施形態と同様に搬送位置制御ロール13の回転数を変え、回転数から算出される距離を調整することにより積層体をY方向に移動させることで位置ずれを調整することができる。
【0062】
上記では、裁断装置が受刃部材として搬送コンベアを備えた態様を中心に説明したが、打抜き刃で打ち抜いて作製した賦形フィルムを、打ち抜いた後に取り除くことができれば、受刃部材はいずれの態様であってもよく、例えば単に打抜き部材の打抜き刃を受ける固定の受刃台を配置した態様であってもよい。
【0063】
(変形例)
以下、第1実施形態とは別の変形例について説明する。
賦形フィルムの製造装置は、裁断装置15の裁断刃として打抜き刃17Aを備え、かつ、
図14に示すように、打抜き刃17Aの内側に、平行光を出射する光源50と、撮影装置である撮影カメラ60と、を備えた態様とした構造としてもよい。
このような構造を採用することにより、撮影面内の位置合わせパターンの形状に近い正確な形状の投影パターンが得られ、かつ、投影パターンをより正確な形状にて読み込むことができる。
【0064】
(第2実施形態)
本開示の賦形フィルムの製造装置及び製造方法の第2実施形態について、
図15を参照して説明する。
本実施形態は、積層体搬送方向における裁断装置15の上流側に照合部の一例である照合装置を配置し、上流側であらかじめ行った照合結果に基づいて位置調整部の一例である位置調整機構10で位置調整を施し、照合装置30の積層体搬送方向下流に配置された裁断装置15で裁断を行う態様に代えたものである。
この場合、第1実施形態と同様に、積層体が搬送される搬送路の積層体搬送方向において、裁断(第5工程)を行う位置の積層体搬送方向上流において、照合(第3工程)を行い、照合の結果得られた位置ずれ量に基づいて位置調整(第4工程)を行う。
【0065】
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0066】
図15に示すように、積層体40の搬送方向(
図15の矢印方向)における裁断装置15の上流には、光源50と、撮影カメラ60と、光源50及び撮影カメラ60の間に配置された光透過性スクリーン61と、が設置されている。
本実施態様では、光源50から発せられた平行光51が積層体40の硬化層に入射すると、硬化層に入射した平行光は硬化層の機能性形状によって回折し、投影光として回折光53が投影面となる光透過性スクリーン61に現れる。撮影カメラ60は、光透過性スクリーン61を撮影して得られる撮影面を投影面とし、この撮影面にX−Y座標軸が設定され、回折光が投影される。
【0067】
本実施態様では、投影面を光透過性スクリーンに設けるため、撮影カメラを投影面の重力方向下部に配置することが可能である。これにより、装置構成をより簡易な構造としやすく、撮影カメラの位置を投影面の法線方向にとれるため、投影パターンの形状をより正確に捉えやすくなり、位置精度の向上に効果的である。
【0068】
光透過性スクリーンは、光透過性を有するポリマー材であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のポリマーの板状体を用いることができる。
光透過性スクリーンの厚みとしては、0.09mm〜0.125mmが好ましい。
なお、光透過性とは、光透過性スクリーンの一方の面から入射した光の光量λaに対する他方の面から出射する光の光量λbの比率(すなわち透過率)が50%以上である性質をいう。透過率は、照合時の位置合わせ精度を高める点で高い方が好ましく、75%以上であることがより好ましい。
【0069】
本実施態様では、裁断を行う裁断装置の積層体搬送方向上流にて積層体40の位置合わせが行われる。つまり、照合装置30で照合する際、まず初めに、X−Y座標軸が設定された撮影面に現れた複数の回折光53からなる投影パターンを検知し、X−Y座標軸上での位置を検出する。そして、検出した投影パターンと、撮影面内にあらかじめ設定した位置合わせパターンと、を照合する(第3工程)。そして、裁断装置の上流にある照合装置30で照合して求めた位置ずれ量に基づいて、積層体の位置を調整する(第4工程)。この際、積層体搬送方向上流の照合装置30で求められた位置ずれ量に基づいて、位置調整機構10により積層体の位置を調整する。位置調整機構10による積層体の位置調整は、上記の第1実施形態における場合と同様に行える。積層体の位置を調整した後は、投影パターン53aに合わせて積層体40を裁断する(第5工程)。
【0070】
(第3実施形態)
本開示の賦形フィルムの製造装置及び製造方法の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、投影パターンを形成する投影面を、積層体の裁断を行う裁断装置の受刃部材の一例である搬送コンベアの受刃ベルトの表面に代えたものである。
この場合、第1実施形態と同様に照合(第3工程)を行う際、投影パターンと、搬送コンベア(受刃部材)の受刃ベルトの表面に有する位置合わせパターンと、を照合する。
【0071】
本実施形態では、
図16に示すように、裁断装置15の近傍に撮影カメラを配置しておらず、
図17に示すように、裁断装置15における搬送コンベア19の受刃ベルト19Aの表面を投影面とし、受刃ベルト19Aの表面に位置合わせパターン37が設けられている。本実施形態では、
図3のように光源50より平行光51が積層体40に入射された場合、搬送コンベア19の受刃ベルト19Aの表面に回折光53が投影される。
そして、受刃ベルト19Aの表面の位置合わせパターンと合致するように投影パターンの位置を調整する。
【0072】
具体的には、受刃ベルト19Aの表面にあらかじめ設定した位置合わせパターンに対して、投影パターンを照合し、投影パターンの位置を求める(第3工程)。そして、照合装置30で照合して求めた位置ずれ量に基づいて、投影パターンの位置ずれ量を補正する(第4工程)。このようにして、積層体40の位置を、位置合わせパターンと合致するように調整する。積層体の位置を調整した後は、位置調整後の投影パターン53aの位置に沿って積層体40を裁断する(第5工程)。
【0073】
なお、2018年9月28日に出願された日本国特許出願2018−183827の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。