【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、医療分野研究成果展開事業 産学連携医療イノベーション創出プログラム、成人T細胞白血病リンパ腫に対する新規テーラーメイド治療、委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素またはその塩、あるいはその水和物または溶媒和物。
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素。
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素またはその塩、あるいはその水和物または溶媒和物を含有してなる医薬。
癌が、大腸癌、肺癌、中皮腫、膵臓癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、乳癌、卵巣癌、精巣腫瘍、前立腺癌、肝臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、子宮癌、妊娠性絨毛癌、脳腫瘍、網膜芽細胞腫、皮膚癌、肉腫、悪性骨腫瘍、膀胱癌、血液癌、悪性リンパ腫、ホジキン病、または原発不明癌である請求項5記載の医薬。
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素またはその塩、あるいはその水和物または溶媒和物を含有してなる癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、もしくは癌の転移抑制剤。
癌が、大腸癌、肺癌、中皮腫、膵臓癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、乳癌、卵巣癌、精巣腫瘍、前立腺癌、肝臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、子宮癌、妊娠性絨毛癌、脳腫瘍、網膜芽細胞腫、皮膚癌、肉腫、悪性骨腫瘍、膀胱癌、血液癌、悪性リンパ腫、ホジキン病、または原発不明癌である請求項7記載の癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、もしくは癌の転移抑制剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、MALT1阻害作用を有し得、癌等の予防または治療薬として有用であることが期待される新規化合物、及びそれを含有する医薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の式(I)で示される化合物が、優れたMALT1阻害作用を有し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、
Aは、
【0018】
【化6】
【0019】
を示し;
R
1は、1)水素原子、2)ハロゲン原子、3)シアノ基、4)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、5)C
1−3アルコキシ基、6)C
3−6シクロアルキル基、または7)フェニル基を示し;
R
2は、1)水素原子、または2)ハロゲン原子を示し;
R
3は、1)C
1−3アルコキシ基、水酸基およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基、2)C
1−3アルキル基およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基、3)C
3−6シクロアルキル基、4)C
1−3アルキル基でジ置換されたアミノ基、または5)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し;
R
4およびR
6は、1)水素原子、2)ハロゲン原子、3)a)水酸基、b)4−メトキシフェニル基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基およびc)ハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、または4)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基を示し;
R
5、R
7およびR
9は、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基、または2)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し;
R
8は、C
1−3アルキル基を示し;
Bは、
1)a)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
2)a)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルキル基およびb)ハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
3−6シクロアルキル基、
3)a)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、d)ハロゲン原子およびC
1−3アルコキシ基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基、e)1〜3個のC
1−3アルキル基で置換されていてもよいピラゾリル基、f)1〜3個のC
1−3アルキル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、g)C
1−3アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基で置換されていてもよいトリアゾリル基、h)アゼチジニル基、i)ピロリドニル基、j)1〜3個のC
1−3アルキル基で置換されていてもよいテトラゾリル基、k)ピリミジニル基およびl)オキサゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基、
4)a)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、b)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基、c)シアノ基およびd)ハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基、または
5)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいイミダゾピリジル基を示す。)
で表される化合物またはその塩、あるいはその共結晶、水和物または溶媒和物(本明細書中、「化合物(I)」と略記する場合がある)。
[2]Aが、
【0020】
【化7】
【0021】
である、[1]記載の化合物。
[3]Aが、
【0022】
【化8】
【0023】
である、[1]記載の化合物。
[4]Aが、
【0024】
【化9】
【0025】
であり;
R
1が、1)ハロゲン原子、または2)C
1−3アルキル基であり;
R
2が、水素原子であり;
R
3が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基であり;
R
4が、1)ハロゲン原子、または2)C
1−3アルキル基であり;
R
5が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基であり;
Bが、a)ハロゲン原子、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルキル基、d)1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基、およびe)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である、[1]記載の化合物。
[5](S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
(S)-N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
(S)-N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(5-シアノ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(2-メトキシプロパン-2-イル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、または
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
である、[1]記載の化合物。
[6](S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素である、[1]記載の化合物。
[7](S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素である、[1]記載の化合物。
[8][1]記載の化合物またはその塩、あるいはその共結晶、水和物または溶媒和物を含有してなる医薬。
[9]MALT1阻害薬である、[8]記載の医薬。
[10]癌の予防または治療薬である、[8]記載の医薬。
【発明の効果】
【0026】
本発明の化合物は、MALT1阻害作用を有し得、例えば、癌等の予防または治療薬等の医薬として有用であり得る。
【0027】
(発明の詳細な説明)
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C
1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「C
3−6シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C
1−3アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。
【0028】
本明細書中、「C
1−3アルキル基でジ置換されたアミノ基」としては、例えば、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルプロピルアミノ、ジプロピルアミノが挙げられる。
【0029】
本明細書中、「C
1−3アルキル基」としては、上記「C
1−6アルキル基」のうち炭素数が1〜3個のものが挙げられる。
【0030】
以下に、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
Aは、
【0031】
【化10】
【0032】
を示す。Aは、好ましくは、
【0033】
【化11】
【0034】
である。
本発明の1つの好適な実施態様において、Aは、
【0035】
【化12】
【0036】
であり、本発明の別の好適な実施態様において、Aは、
【0037】
【化13】
【0038】
である。
【0039】
R
1は、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、3)シアノ基、4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、5)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、6)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または7)フェニル基を示す。
R
1は、より好ましくは、1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、または2)C
1−3アルキル基(例、メチル)である。
【0040】
R
2は、1)水素原子、または2)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)を示す。
R
2は、好ましくは、水素原子である。
【0041】
R
3は、1)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、水酸基およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル、sec−ブチル)、2)C
1−3アルキル基(例、メチル)およびハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基(例、4−ピラゾリル)、3)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、4)C
1−3アルキル基(例、メチル)でジ置換されたアミノ基、または5)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基を示す。
R
3は、好ましくは、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)である。
【0042】
R
4およびR
6は、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)a)水酸基、b)4−メトキシフェニル基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびc)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル)、または4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)を示す。
R
4は、好ましくは、1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、または2)C
1−3アルキル基(例、メチル)である。
R
6は、好ましくは、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)C
1−3アルキル基(例、メチル)、または4)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)である。
【0043】
R
5、R
7およびR
9は、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)、または2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基を示す。
R
5は、好ましくは、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル)である。
R
7は、好ましくは、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)、または2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基である。
R
9は、好ましくは、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、エチル)である。
【0044】
R
8は、C
1−3アルキル基(例、メチル)を示す。
【0045】
Bは、
1)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
2)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)およびb)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
3−6シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、
3)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、e)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾリル基、f)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいイミダゾリル基、g)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいトリアゾリル基、h)アゼチジニル基、i)ピロリドニル基、j)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいテトラゾリル基、k)ピリミジニル基およびl)オキサゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基、
4)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル、イソプロピル)、b)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、c)シアノ基およびd)ハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基、または
5)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいイミダゾピリジル基を示す。
Bは、好ましくは、a)ハロゲン原子(例、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、およびe)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である。
【0046】
化合物(I)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物I−1]
Aが、
【0047】
【化14】
【0048】
であり;
R
1が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、3)シアノ基、4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、5)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、6)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または7)フェニル基であり;
R
2が、1)水素原子、または2)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)であり;
R
3が、1)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、水酸基およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル、sec−ブチル)、2)C
1−3アルキル基(例、メチル)およびハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基(例、4−ピラゾリル)、3)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、4)C
1−3アルキル基(例、メチル)でジ置換されたアミノ基、または5)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
4が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)a)水酸基、b)4−メトキシフェニル基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびc)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル)、または4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)であり;
R
5が、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)、または2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
6が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)C
1−3アルキル基(例、メチル)、または4)C
1−3アルコキシ基(例、エトキシ)であり;
R
7が、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(エチル、イソプロピル)、または、2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
8が、C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
9が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、エチル)であり;
Bが、
1)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
2)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)およびb)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
3−6シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、
3)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、e)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾリル基、f)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいイミダゾリル基、g)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいトリアゾリル基、h)アゼチジニル基、i)ピロリドニル基、j)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいテトラゾリル基、k)ピリミジニル基およびl)オキサゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基、
4)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル、イソプロピル)、b)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、c)シアノ基およびd)ハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基、または
5)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいイミダゾピリジル基である;
化合物(I)。
【0049】
[化合物I−2]
Aが、
【0050】
【化15】
【0051】
であり;
R
1が、1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、または2)C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
2が、水素原子であり;
R
3が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)であり;
R
4が、1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、または2)C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
5が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル)であり;
Bが、a)ハロゲン原子(例、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、およびe)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である;
化合物(I)。
【0052】
[化合物I−3]
Aが、
【0053】
【化16】
【0054】
であり;
R
1が、C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
2が、水素原子であり;
R
3が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されたC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)であり;
R
4が、1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、または2)C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
5が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル)であり;
Bが、a)ハロゲン原子(例、塩素原子)、b)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である;
化合物(I)。
【0055】
[化合物I−4]
Aが、
【0056】
【化17】
【0057】
であり;
R
1が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、3)シアノ基、4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、5)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、6)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または7)フェニル基であり;
R
2が、1)水素原子、または2)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)であり;
R
3が、1)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、水酸基およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル、sec−ブチル)、2)C
1−3アルキル基(例、メチル)およびハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基(例、4−ピラゾリル)、3)C
3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、4)C
1−3アルキル基(例、メチル)でジ置換されたアミノ基、または5)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
Bが、
1)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
2)a)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、e)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾリル基、f)1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいイミダゾリル基、g)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいトリアゾリル基、およびh)オキサゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基、
3)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、b)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)、c)シアノ基およびd)ハロゲン原子(例、塩素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピラゾリル基、または
4)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいイミダゾピリジル基である;
化合物(I)。
【0058】
[化合物I−5]
Aが、
【0059】
【化18】
【0060】
であり;
R
4が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)a)水酸基、b)4−メトキシフェニル基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびc)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル)、または4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)であり;
R
5が、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)、または2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
Bが、
1)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニル基、
2)a)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)およびb)ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
3−6シクロアルキル基(例、シクロヘキシル)、
3)a)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)ハロゲン原子(例、フッ素原子)およびC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、e)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいトリアゾリル基、f)アゼチジニル基、g)ピロリドニル基、h)C
1−3アルキル基(例、メチル)から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいテトラゾリル基、i)ピリミジニル基およびj)オキサゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基、または
4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい1〜3個のC
1−3アルキル基(例、メチル、エチル、イソプロピル)で置換されていてもよいピラゾリル基である;
化合物(I)。
【0061】
[化合物I−6]
Aが、
【0062】
【化19】
【0063】
であり;
R
6が、1)水素原子、2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、3)C
1−3アルキル基(例、メチル)、または4)C
1−3アルコキシ基(例、エトキシ)であり;
R
7が、1)1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(エチル、イソプロピル)、または、2)1〜3個のハロゲン原子(例、塩素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
Bが、
1)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニル基、または
2)a)ハロゲン原子(例、塩素原子)、b)シアノ基、c)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)、d)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびe)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である;
化合物(I)。
【0064】
[化合物I−7]
Aが、
【0065】
【化20】
【0066】
であり;
R
8が、C
1−3アルキル基(例、メチル)であり;
R
9が、1〜3個のC
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、エチル)であり;
Bが、a)ハロゲン原子(例、塩素原子)、b)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−3アルキル基(例、メチル)c)C
1−3アルコキシ基(例、メトキシ)およびd)トリアゾリル基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル基である;
化合物(I)。
【0067】
[化合物I−8]
(S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
(S)-N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
(S)-N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(5-シアノ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
(S)-N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素、
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(2-メトキシプロパン-2-イル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、
N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、または
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素。
【0068】
[化合物I−9]
(S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素、または
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素。
【0069】
式(I)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
【0070】
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩が挙げられる。
【0071】
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。
【0072】
無機酸との塩の好適な例としては、塩化水素、臭化水素、硝酸、硫酸、リン酸との塩が挙げられる。
【0073】
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。
【0074】
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンとの塩が挙げられる。
【0075】
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸との塩が挙げられる。
【0076】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0077】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
【0078】
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
【0079】
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0080】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは10分〜24時間である。
【0081】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常−78℃〜300℃、好ましくは−78℃〜150℃である。
【0082】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常1気圧〜20気圧、好ましくは1気圧〜3気圧である。
【0083】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製InitiatorなどのMicrowave合成装置を用いることがある。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温〜300℃、好ましくは50℃〜250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは1分〜8時間である。
【0084】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量〜20当量、好ましくは0.8当量〜5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量〜1当量、好ましくは0.01当量〜0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0085】
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0086】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
【0087】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0088】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻〜19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻〜15巻(日本化学会編);精密有機化学 改訂第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I〜VII(John Wiley & SonsInc);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1〜Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0089】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Wiley−Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;tert−ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基などが挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O−メチルオキシムなどのオキシム型保護基;N,N−ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;N,N−ジメチルアミドなどのアミド型保護基などが挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;チオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N−トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基、メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0090】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸;トリエチルシランなどが挙げられる。炭素−炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム−カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法がある。
【0091】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N−ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化セレン;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0092】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4−4’−アゾビス−4−シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0093】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、自体公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0094】
各工程において、Horner−Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;アルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0095】
各工程において、Friedel−Crafts反応を行う場合、使用される試薬としては、ルイス酸と酸クロリドとの組み合せ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)との組み合わせが挙げられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0096】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、有機塩基類など)が用いられる。
【0097】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4−付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0098】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;メチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0099】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0100】
各工程において、Vilsmeier−Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N−ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0101】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類をアジド化する場合、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などがある。
【0102】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア;メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0103】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0104】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル体;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド−n−ハイドレート(DMT−MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);ヨウ化2−クロロ−1−メチル−ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸低級アルキル;O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);硫酸;あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤をさらに反応に加えてもよい。
【0105】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、無機塩基類などが挙げられる。
【0106】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられるが、五硫化二リンの他に、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson試薬)などの1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド構造を持つ試薬を用いてもよい。
【0107】
各工程において、Wohl−Ziegler反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応に加えることで、反応を加速させることができる。
【0108】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸と無機酸の酸ハロゲン化物、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などとの作用により、アルコールからハロゲン化アルキル体を得る方法を用いてもよい。あるいは、アルコールをスルホン酸エステルに変換の後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させるような2段階の反応を経てハロゲン化アルキル体を合成する方法を用いてもよい。
【0109】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;トリエチルホスファイトやトリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0110】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0111】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、tert−ブチルエステルの酸加水分解反応を行う場合、副生するtert−ブチルカチオンを還元的にトラップするためにギ酸やトリエチルシランなどを加えることがある。
【0112】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
各工程で得られる化合物が置換基としてアミノ基、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環、カルボキシル基、ヒドロキシル基等を有する場合、これらの基は上記で挙げられているような保護基で保護されていてもよい。この場合、所望の段階で保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。これらの保護基の導入あるいは除去は、上記記載と同様の方法で行われる。
さらに各工程において所望により、上記にあげた反応などをさらに組み合わせてもよい。
【0113】
以下に、化合物(I)の製造法を説明する。
以下の反応式中の各記号は、特に記載のない限り、前記と同意義を示す。原料化合物は、具体的製法を述べない場合、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法またはそれに準ずる方法により製造することができる。
【0114】
化合物(I)は化合物(II)より以下の方法で製造することができる。
【0115】
【化21】
【0116】
化合物(II)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(IV)は、化合物(III)の塩基または酸存在下、ヒドロキシルアミン誘導体によるアミノ化反応により製造することができる。ヒドロキシルアミン誘導体としては、O−(4−ニトロベンゾイル)ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸、O−ジフェニルホスフィニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
化合物(V)は化合物(IV)をパラジウム触媒、リチウムブロミドなどの無機塩類の存在下、酸素雰囲気下でアクリル酸エステルと反応させることにより製造することができる。パラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、アクリル酸エステルとしてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル等が挙げられる。または、化合物(V)は化合物(IV)を、酸存在下、メチル 3,3−ジメトキシプロパノアートと反応させ、次いで塩基存在下、分子内環化させることによっても製造することができる。
化合物(VIII)は、市販品をそのまま用いるか、自体公知の方法またはそれに準ずる方法により製造することができる。
化合物(I)は化合物(VI)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより得られる化合物(VII)と化合物(VIII)を反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(IX)は化合物(VI)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(IX)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造できる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
1、R
2は所望の段階で求電子置換反応、カップリング反応または自体公知の方法を行うことによって他の種類の置換基に変換することができる。例として、R
1が水素原子である化合物(IV)に対して求電子置換反応をおこなうことにより、R
1がハロゲン原子である化合物(IV)を製造することができる。本反応に用いられる求電子剤としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。また、R
1が脱離基(例、ハロゲン原子)である化合物(V)と有機ボロン酸または有機ボロン酸エステル試薬(例、2,4,6−トリメチルボロキシン)を作用させてR
1がC
1−3アルキル基(例、メチル基)である化合物(V)を製造することができる。この反応は塩基または無機塩類(例、リン酸三カリウム)、前述のパラジウムなどの金属錯体存在下、またはホスフィン配位子存在下に行なうことができる。上記ホスフィン配位子として、例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)などが挙げられる。
【0117】
また、化合物(V)は以下の方法によっても製造することができる。
【0118】
【化22】
【0119】
化合物(X)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(XI)は、化合物(X)のアミノ化反応により製造することができる。アミノ化の方法としては化合物(III)から化合物(IV)を製造する方法と同様の方法が挙げられる。
化合物(XIII)は化合物(XII)をN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの存在下反応させることにより製造することができる。
化合物(XIV)のX
1はハロゲン原子を示す。化合物(XIV)の製造の際に、ハロゲン化反応に用いられるハロゲン化剤としては、上記の他にオキシ臭化りんなどが挙げられる。
化合物(V)は化合物(XIV)からカップリング反応や置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより製造することができる。
上記工程において置換基R
1、R
2は、所望の段階で求電子置換反応または自体公知の方法を行うことによって他の種類の置換基に変換することができる。
【0120】
また、化合物(I)は以下の方法によっても製造することができる。
【0121】
【化23】
【0122】
化合物(XV)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。X
1はハロゲン原子を示す。
化合物(XVII)は化合物(XVI)とニトロエナミン誘導体を酸の存在下、求核置換反応させることにより製造できる。ニトロエナミン誘導体としては(E)−4−(2−ニトロビニル)モルホリンなどが挙げられる。
化合物(XVIII)は、化合物(XVII)の分子内環化反応により製造することができる。この反応は所望により、塩基存在下に行うことができる。
化合物(XIX)は化合物(XVIII)を還元することにより製造することができる。還元剤としては上記のほかに、鉄、スズ(II)クロリドやスズ(II)クロリド 二水和物などが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XIX)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造できる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
4およびR
5は所望の段階で、カップリング反応や置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより変換することができる。
【0123】
また、化合物(I)は以下の方法によっても製造することができる。
【0124】
【化24】
【0125】
化合物(XX)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(XXI)は化合物(XX)とニトロエナミン誘導体を酸の存在下、求核置換反応させることにより製造できる。ニトロエナミン誘導体としては(E)−4−(2−ニトロビニル)モルホリンなどが挙げられる。
化合物(XXII)は、化合物(XXI)の分子内環化反応により製造することができる。この反応は所望により塩基存在下に行うことができる。
化合物(XXIII)のX
1はハロゲン原子を示す。化合物(XXIII)の製造の際にハロゲン化反応に用いられるハロゲン化剤としては、上記の他に三臭化リンなどが挙げられる。
化合物(XVIII)は化合物(XXIII)からカップリング反応や置換反応、あるいは数段階の自体公知の方法を組み合わせることにより製造することができる。化合物(XVIII)の製造の際にカップリング反応に用いられる触媒としては、上記のほかにPdCl
2(Amphos)
2などが挙げられる。
化合物(XIX)は化合物(XVIII)を還元することにより製造することができる。還元剤としては上記のほかに、鉄、スズ(II)クロリドやスズ(II)クロリド 二水和物などが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XIX)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造できる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
4およびR
5は所望の段階で、カップリング反応や求核置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより変換することができる。
【0126】
また、化合物(I)は以下の方法によっても製造することができる。
【0127】
【化25】
【0128】
化合物(XXIV)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(XXVI)は化合物(XXV)と3−オキソプロパン酸誘導体を酸の存在下、求核置換反応させることにより製造できる。3−オキソプロパン酸誘導体としてはメチル 3,3−ジメトキシプロパノアートなどが挙げられる。
化合物(XXVII)は、化合物(XXVI)の分子内環化反応により製造することができる。この反応は所望により、塩基存在下に行うことができる。
化合物(I)は化合物(XXVIII)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより得られる化合物(XXIX)と化合物(VIII)を反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(XXX)は化合物(XXVIII)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XXX)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造することができる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
6およびR
7は所望の段階で、カップリング反応や置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより変換することができる。
【0129】
また、化合物(I)は以下の方法によっても製造することができる。
【0130】
【化26】
【0131】
化合物(XXXI)は市販品を用いるか、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(XXXII)は化合物(XXXI)とアルコキシメチレンマロン酸誘導体を酸の存在下、求核置換反応させることにより製造できる。アルコキシメチレンマロン酸誘導体としてはエトキシメチレンマロン酸ジエチルなどが挙げられる。
化合物(XXXIII)は、化合物(XXXII)の分子内環化反応により製造することができる。
化合物(XXXIV)は化合物(XXXIII)を塩基存在下、クロロ(クロロメチル)ジメチルシランを反応させることにより製造することができる。
化合物(XXXV)は化合物(XXXIV)とフッ化セシウムを反応させることにより製造することができる。
化合物(XXXVI)のX
1はハロゲン原子を示す。化合物(XXXVI)の製造の際にハロゲン化反応に用いられるハロゲン化剤としては、上記の他に三臭化リンなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XXXVIII)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより得られる化合物(XXXIX)と化合物(VIII)を反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(XXXX)は化合物(XXXVIII)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XXXX)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造することができる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
9は所望の段階で、カップリング反応や置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより変換することができる。
【0132】
また、化合物(I)は以下の方法によっても製造することができる。
【0133】
【化27】
【0134】
化合物(XXXXI)は市販品を用いるか、自体公知の方法や化合物(XXVII)と同様の方法により製造することができる。
化合物(XXXXIII)は化合物(XXXXII)を塩基存在下、アルキル化することにより製造することができる。塩基としては上記のほかに、水酸化リチウムなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XXXXIV)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより得られる化合物(XXXXV)と化合物(VIII)を反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(XXXXVI)は化合物(XXXXIV)をジフェニルリン酸アジド(DPPA)、所望により塩基共存下においてCurtius転位を用いて反応させることにより製造することができる。用いられる溶媒としては上記のほかに2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
化合物(I)は化合物(XXXXVI)と化合物(VIII)と活性化剤および所望により塩基共存下において、ウレア化することにより製造することができる。活性化剤にはクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸フェニル若しくはクロロギ酸p−ニトロフェニル等のクロロギ酸エステル誘導体、トリホスゲン、ホスゲン、N,N’−カルボニルジイミダゾール又はN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートが挙げられるが、トリホスゲン、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルが好ましい。
上記工程において、置換基R
8、R
9は所望の段階で、カップリング反応や置換反応、あるいは自体公知の方法を組み合わせることにより変換することができる。
【0135】
このようにして得られた化合物(I)の置換基を、自体公知の手段を適用して変換(すなわち、置換基の導入や官能基変換)することにより、化合物(I)に含まれる別の化合物またはその塩を製造することもできる。
置換基の導入や官能基変換の方法としては公知の一般的方法が用いられるが、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)やハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニル−オキシ基[例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(トリフラート)]のメチル基、シクロプロピル基、ビニル基、シアノ基、ホルミル基、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ボリル基等への変換、ホルミル基のセイファース・ギルバート増炭反応によるエチニル基への変換、エステルの加水分解によるカルボキシ基への変換、カルボキシ基のアミド化によるカルバモイル基への変換、カルボキシ基の還元によるヒドロキシメチル基への変換、カルボニル基の還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニル基の還元的アミノ化、カルボニル基のオキシム化、アミノ基のアシル化、アミノ基のウレア化、アミノ基のスルホニル化、アミノ基のアルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換またはアミノ化、ヒドロキシ基のアルキル化、ヒドロキシ基の置換またはアミノ化が挙げられる。
この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起きる反応性部位が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性部位に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
例えば、原料化合物や中間体が、置換基としてアミノ基、カルボキシル基または水酸基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0136】
上記製造法により得られた化合物(I)は、公知の手段、例えば、溶媒抽出、溶液のpH変換、転溶、晶出、再結晶、クロマトグラフィーによって単離精製することができる。
【0137】
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)として含有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
ここで、光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。
【0138】
化合物(I)は、結晶であってもよい。
化合物(I)の結晶(以下、本発明の結晶と略記することがある)は、化合物(I)に自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
本発明の結晶は、物理化学的性質(例、融点、溶解度、安定性)および生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現)に優れ、医薬として有用であることが期待される。
化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は、水和物であっても、非水和物であっても、無溶媒和物であっても、溶媒和物であってもよい。
さらに、
1Hを
2H(D)に変換した重水素変換体も、化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、同位元素(例、
3H、
13C、
14C、
18F、
35S、
125I)等で標識されていてもよい。同位元素で標識または置換された化合物(I)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用であることが期待される。
【0139】
化合物(I)は、プロドラッグとして用いてもよい。
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物である。
【0140】
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化またはリン酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert−ブチル化された化合物);化合物(I)のヒドロキシ基がアシル化、アルキル化、リン酸化またはホウ酸化された化合物(例、化合物(I)のヒドロキシ基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);化合物(I)のカルボキシ基がエステル化またはアミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
【0141】
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
本明細書において、プロドラッグは塩を形成していてもよく、かかる塩としては、前述の式(I)で示される化合物の塩として例示したものが挙げられる。
【0142】
化合物(I)またはそのプロドラッグ(以下、単に本発明化合物と略記することがある)は、MALT1阻害活性を有し得、癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤として有用であり得る。
本発明の化合物は、MALT1に対する選択的な阻害活性を示し、かつ、本発明化合物は薬効発現、薬物動態(例、吸収性、分布、代謝、排泄)、溶解性(例、水溶性)、他の医薬品との相互作用(例、薬物代謝酵素阻害作用)、安全性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心臓毒性、癌原性、中枢毒性)、安定性(例、化学的安定性、酵素に対する安定性)の点でも優れているので、医薬として有用であり得る。
従って、本発明化合物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト)に対して、過剰(異常)なMALT1作用を阻害するために用いることができる。
【0143】
本発明化合物は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、医薬として、哺乳動物(好ましくは、ヒト)に経口的または非経口的に投与され得る。
以下、本発明化合物を含有してなる医薬(「本発明の医薬」と略記する場合がある)について詳述する。本発明の医薬の剤形としては、例えば、錠剤(例、糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、バッカル錠、口腔内速崩錠)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(例、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)等の経口剤が挙げられる。また、本発明の医薬の剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、経皮剤(例、イオントフォレシス経皮剤)、坐剤、軟膏剤、経鼻剤、経肺剤、点眼剤等の非経口剤も挙げられる。また、本発明の医薬は、速放性製剤、徐放性製剤(例、徐放性マイクロカプセル)などの放出制御製剤であってもよい。
【0144】
本発明の医薬は、製剤技術分野で一般的に用いられている公知の製造方法(例、日本薬局方に記載の方法)により製造され得る。また、本発明の医薬には、必要に応じて、製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等の添加剤を適宜、適量含有させることができる。
前記した薬理学的に許容される担体としては、これらの添加剤が挙げられる。
【0145】
例えば、錠剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いて製造され得、丸剤及び顆粒剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤を用いて製造され得る。また、散剤及びカプセル剤は賦形剤等を、シロップ剤は甘味剤等を、乳剤または懸濁剤は懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を用いて製造され得る。
【0146】
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリンが挙げられる。
崩壊剤の例としては、デンプン、炭酸カルシウムが挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルクが挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップが挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイトが挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80が挙げられる。
【0147】
例えば、本発明の医薬が錠剤である場合、該錠剤は、自体公知の方法に従い、本発明化合物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより製造され得る。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合体)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタン)が用いられ得る。
【0148】
前記注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、腹腔内注射剤、点滴注射剤等が含まれる。
【0149】
かかる注射剤は、自体公知の方法、すなわち、本発明化合物を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。水性液としては、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム)等が挙げられる。該水性液は適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80、HCO−50)を含んでいてもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油等が挙げられる。該油性液は適当な溶解補助剤を含んでいてもよい。該溶解補助剤としては、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等が挙げられる。また、該注射剤には緩衝剤(例、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール)、保存剤(例、ベンジルアルコール、フェノール)等を配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填され得る。
【0150】
本発明の医薬中の本発明化合物の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし約100重量%、好ましくは約2ないし約85重量%、さらに好ましくは約5ないし約70重量%である。
【0151】
本発明の医薬中の添加剤の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約1ないし約99.9重量%、好ましくは約10ないし約90重量%である。
【0152】
本発明化合物は、安定かつ低毒性で安全に使用し得る。本発明化合物の1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、癌の治療目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は、本発明化合物として約1ないし約1000mg、好ましくは約3ないし約300mg、さらに好ましくは約10ないし約200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与し得る。
【0153】
本発明化合物を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例、注射剤)の形で投与する。本発明化合物の1回投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法等によっても異なるが、例えば、通常体重1kgあたり約0.01ないし約100mg、好ましくは約0.01ないし約50mg、より好ましくは約0.01ないし約20mgの本発明化合物を静脈注射により投与することが好ましい。
【0154】
本発明化合物は、他の薬物と併用して用いられ得る。具体的には、本発明化合物は、ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等の薬物と併用して用いられ得る。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。
【0155】
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、酢酸リュープロレリン)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルタミド)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド、デュタステリド)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール)、甲状腺ホルモン、およびそれらのDDS(Drug Delivery System)製剤が用いられ得る。
【0156】
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤が用いられ得る。
【0157】
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンおよびそれらのDDS製剤が用いられ得る。
【0158】
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチンおよびそれらのDDS製剤が用いられ得る。
【0159】
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンおよびそれらのDDS製剤(例、ドキソルビシン内包PEGリボゾーム)が用いられ得る。
【0160】
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、ビノレルビンおよびそれらのDDS製剤が用いられ得る。
【0161】
「免疫療法剤」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体(例、イピリムマブ、トレメリムマブ)、抗PD−1抗体(例、ニボルマブ、ペムブロリズマブ)、抗PD−L1抗体が用いられ得る。
【0162】
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、TGFα〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin−like growth factor)−1、IGF−2〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin−2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet−derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascularendothelial growth factor)、ヘレグリン、アンジオポエチン〕が用いられ得る。
【0163】
「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ヘレグリン受容体(例、HER3)、インシュリン受容体、IGF受容体−1、IGF受容体−2、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、VEGF受容体、アンジオポエチン受容体(例、Tie2)、PDGF受容体等が用いられ得る。
【0164】
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」としては、EGF阻害剤、TGFα阻害剤、ハーレギュリン阻害剤、インシュリン阻害剤、IGF阻害剤、FGF阻害剤、KGF阻害剤、CSF阻害剤、EPO阻害剤、IL−2阻害剤、NGF阻害剤、PDGF阻害剤、TGFβ阻害剤、HGF阻害剤、VEGF阻害剤、アンジオポエチン阻害剤、EGF受容体阻害剤、HER2阻害剤、HER4阻害剤、インシュリン受容体阻害剤、IGF−1受容体阻害剤、IGF−2受容体阻害剤、FGF受容体−1阻害剤、FGF受容体−2阻害剤、FGF受容体−3阻害剤、FGF受容体−4阻害剤、VEGF受容体阻害剤、Tie−2阻害剤、PDGF受容体阻害剤、TLR受容体阻害剤、Abl阻害剤、Raf阻害剤、FLT3阻害剤、c−Kit阻害剤、Src阻害剤、PLC阻害剤、PKC阻害剤、Smo阻害薬、ALK阻害薬、ROR1阻害薬、Trk阻害剤、Ret阻害剤、mTOR阻害剤、Aurora阻害剤、PLK阻害剤、MEK(MEK1/2)阻害剤、MET阻害剤、CDK阻害剤、Akt阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、IKK阻害剤、BTK阻害剤、IRAK阻害剤、HDAC阻害剤、TAK1阻害剤、TBK1阻害剤、ZAP阻害剤、SYK阻害剤、LCK阻害剤、TYK2阻害剤、SYK阻害剤、JAK阻害剤、FAK阻害剤、LYN阻害剤等が用いられ得る。より具体的には、抗VEGF抗体(例、Bevacizumab、Ramucurumab)、抗HER2抗体(例、Trastuzumab、Pertuzumab)、抗EGFR抗体(例、Cetuximab、Panitumumab、Matuzumab、Nimotuzumab)、抗HGF抗体、Imatinib、Erlotinib、Gefitinib、Sorafenib、Sunitinib、Dasatinib、Lapatinib、Vatalanib、Ibrutinib、Bosutinib、Cabozantinib、Crizotinib、Alectinib、Vismodegib、Axitinib、Motesanib、Nilotinib、6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−N−[1(R)−フェニルエチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(AEE−788)、Vandetanib、Temsirolimus、Everolimus、Enzastaurin、Tozasertib、リン酸 2−[N−[3−[4−[5−[N−(3−フルオロフェニル)カルバモイルメチル]−1H−ピラゾール−3−イルアミノ]キナゾリン−7−イルオキシ]プロピル]−N−エチルアミノ]エチル エステル(AZD−1152)、4−[9−クロロ−7−(2,6−ジフルオロフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イルアミノ]安息香酸、N−[2−メトキシ−5−[(E)−2−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ビニルスルホニルメチル]フェニル]グリシン ナトリウム塩(ON−1910Na)、Volasertib、Selumetinib、Trametinib、N−[2(R),3−ジヒドロキシプロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD−0325901)、Bosutinib、Regorafenib、Afatinib、Idelalisib、Ceritinib、Dabrafenib等が用いられ得る。
【0165】
上記の薬物の他に、アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン、indotecan、Indimitecan)、トポイソメラーゼII阻害薬(例、ソブゾキサン)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類)、他の血管新生阻害薬(例、フマギリン、さめ抽出物、COX−2阻害薬)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン)、ビスホスホン酸(例、パミドロネート、ゾレドロネート)、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、5アザシチジン、デシタビン、プロテアソーム阻害薬(例、ボルテゾミブ、カルフィゾミブ、イクサゾミブ)、NEDD8阻害薬(例、Pevonedistat)、UAE阻害薬、PARP阻害薬(例、Olaparib、Niraparib、Veliparib)、BCL2阻害剤(例、Venetoclax,Obatoclax、Oblimersen)、抗CD20抗体(例、Rituximab、Obinutuzumab)、抗CCR4抗体(例、Mogamulizumab)等の抗腫瘍性抗体、抗体薬物複合体(例、トラスツマブ エムタンシン、ブレンキシマブ ベドチン)、キメラ抗原受容体chimeric antigen receptor(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR−T療法)(例、Tisagenlecleucel、Axicabtagene ciloleucel)等も併用薬として用いられ得る。
【0166】
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減し得る、(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択し得る、(3)治療期間を長く設定し得る、(4)治療効果の持続を図り得る、(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られ得る、等の優れた効果を得られ得る。
【0167】
以下、本発明化合物と併用薬物を併用する場合を「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分ないし3日以内、好ましくは10分ないし1日以内、より好ましくは15分ないし1時間以内に本発明化合物を投与すればよい。本発明化合物を先に投与する場合、本発明化合物を投与した後、1分ないし1日以内、好ましくは10分ないし6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与すればよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択し得る。
【0168】
本発明化合物と併用薬物を併用する場合の投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)が挙げられる。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択し得る。また、本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択し得る。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬物を0.01ないし100重量部用いればよい。
【0169】
さらに、本発明化合物または本発明の併用剤は、非薬剤療法と併用し得る。具体的には、本発明化合物または本発明の併用剤は、例えば、(1)手術、(2)アンジオテンシンII等を用いる昇圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法の非薬剤療法と組み合わせ得る。
【0170】
例えば、本発明化合物または本発明の併用剤を前記手術等の前または後に、あるいはこれら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease−Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られ得る。
【0171】
また、本発明化合物または本発明の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリン等のβ−ラクタム系、クラリスロマイシン等のマクロライド系)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱等のような副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤の投与等〕を組み合わせることもできる。
【実施例】
【0172】
本発明は、更に以下の実施例、製剤例および試験例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約 10 ℃ないし約 35 ℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合は、アミノプロピルシラン結合シリカゲル、Diolと記載した場合は、3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲル、DiNHと記載した場合は、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラン結合シリカゲルを用いた。HPLC (高速液体クロマトグラフィー) において、C18と記載した場合は、オクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
Boc
2O: 二炭酸ジ-tert-ブチル
CDCl
3: 重クロロホルム
DMSO-d
6: 重ジメチルスルホキシド
1H NMR : プロトン核磁気共鳴
LC/MS : 液体クロマトグラフ質量分析計
ESI : エレクトロスプレーイオン化
APCI :大気圧化学イオン化
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIEA : ジイソプロピルエチルアミン
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
DMF : N,N-ジメチルホルムアミド
mp : 融点
DPPA : ジフェニルリン酸アジド
MS : マススペクトル
[M+H]
+、[M-H]
- : 分子イオンピーク
M : モル濃度
N : 規定
Pd(OAc)
2: 酢酸パラジウム (II)
SPhos: 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル
TEA : トリエチルアミン
TFA: トリフルオロ酢酸
THF : テトラヒドロフラン
1H NMRはフーリエ変換型NMRで測定した。解析にはACD/SpecManager (商品名) などを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を記載した。通常、分子イオンピーク ([M+H]
+、[M-H]
- など)が観測されるが、tert-ブトキシカルボニル基を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、tert-ブトキシカルボニル基あるいはtert-ブチル基が脱離したピークが観測されることもある。また、水酸基を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、H
2Oが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
【0173】
参考例1
5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-アミン
A) 3-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-5-ニトロピリジン
3-クロロ-5-ニトロピリジン-2-オール (10 g)およびアセトニトリル (300 mL)の混合物に、2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(11.86 mL)および硫酸ナトリウム (3.26 g)を室温で加え、反応混合物を同温度で終夜撹拌した。反応混合物に2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸 (11.86 mL)および硫酸ナトリウム (3.26 g)を室温で更に加え、反応混合物を同温度で3日間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性に調整し、混合物を減圧下濃縮した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (4.31 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 7.84 (1H, t, J = 70.8 Hz), 8.97 (1H, d, J = 2.6 Hz), 9.11 (1H, d, J = 2.3 Hz).
【0174】
B) 5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-アミン
3-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-5-ニトロピリジン (2.57 g)、スズ(II) クロリド 二水和物 (12.91 g)およびエタノール (100 mL)の混合物を、70 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、不溶物を濾過した。濾液の水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (2.17 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 194.9.
【0175】
参考例2
6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン
A) 5-ニトロ-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン
2-クロロ-5-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)ピリジン (3.0 g)およびTHF (15 mL)の混合物に、2H-1,2,3-トリアゾール (0.921 mL)を室温で加え、反応混合物を同温度で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (2.75 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 259.9.
【0176】
B) 6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン
5-ニトロ-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン (3.54 g)、10 %塩酸/メタノール溶液 (101 mL)およびメタノール (100 mL)の混合物に、スズ(II) クロリド (12.95 g)を室温で加え、反応混合物を同温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加え、混合物に2N 水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した。析出物を濾過し、濾液の水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (2.95 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 229.9.
【0177】
参考例3
5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン
A) 3-クロロ-5-ニトロ-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン
2,3-ジクロロ-5-ニトロピリジン(5.0 g)、2H-1,2,3-トリアゾール(1.7 mL)、炭酸カリウム(4.3 g)およびDMF(25 mL)の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を氷水中にあけ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (3.5 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 225.9.
【0178】
B) 5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン
3-クロロ-5-ニトロ-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(3.3 g)と塩化スズ(II)二水和物(16.3 g)およびエタノール(100 mL)の混合物を70℃で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、不溶物を濾過した。有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (2.4 g)を得た。
MS: [M+H]
+195.9.
【0179】
参考例4
5-アミノ-2-(ジフルオロメトキシ)ニコチノニトリル
5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-アミン(319 mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(300 mg)、Sphos(269 mg)、シアン化亜鉛(1.54 g)およびDMF(10 mL)の混合物を120℃でマイクロ波照射下1時間撹拌した。反応混合物を10%アンモニア水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%アンモニア水溶液、水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (205 mg)を得た。
MS: [M+H]
+185.9.
【0180】
実施例1
(S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0181】
【化28】
【0182】
A) 2-メトキシ-1-(1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-1-オン
1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール (50 g)およびTHF (600 mL)の混合物に、1.6 M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (100 mL)を−10 ℃で滴下し、0 ℃まで昇温し、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。反応混合物を−78 ℃まで冷却し、メチル 2-メトキシプロパノアート (20.94 g)を滴下し加えた。反応混合物を同温度で1時間、次いで室温まで昇温しながら3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液 (10 mL)を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にヘキサンを加え、析出物を濾取し、標題化合物 (50 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 0.90 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.83 (3H, s), 4.88-4.93 (1H, m), 6.89-7.43 (17 H, m).
【0183】
B) 1-(1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン
2-メトキシ-1-(1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-1-オン (150 g)および5 %酢酸/メタノール溶液 (500 mL)の混合物を、16時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (44 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 154.8.
【0184】
C) 1-(1-アミノ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン
1-(1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン (20 g)およびDMF (100 mL)の混合物に、1M カリウム tert-ブトキシドのTHF溶液 (143 mL)を室温で加え、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。反応混合物にO-(4-ニトロベンゾイル)ヒドロキシルアミン(26 g)を室温で加え、反応混合物を同温度で16時間撹拌した。反応混合物に氷冷した水 (40 mL)を加え、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチル (200 mL)を加え、不溶物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (17 g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.32 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.24 (3H, s), 4.94-4.99 (1H, m), 6.86 (2H, brs), 7.06 (1H, s), 7.47 (1H, s).
【0185】
D) tert-ブチル (2-(2-メトキシプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)カルバマート
1-(1-アミノ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン (17 g)およびDMF (50 mL)の混合物にDMAP (6.1 g)を室温で加え、次いでBoc
2O (22.3 mL)を同温度で加えた。反応混合物を80 ℃で1時間撹拌し、室温まで冷却した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (13 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 270.1.
【0186】
E) tert-ブチル (4-ブロモ-2-(2-メトキシプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)カルバマート
tert-ブチル (2-(2-メトキシプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)カルバマート (8.0 g)およびDMF (40 mL)の混合物に、N-ブロモスクシンイミド (5.2 g)のDMF (10 mL)溶液を室温で滴下し、反応混合物を同温度で16時間撹拌した。反応混合物を水 (80 mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (5.5 g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.28 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.46 (9H, s), 3.21 (3H, s), 4.83-4.85 (1H, m), 7.93 (1H, s), 10.80 (1H, s).
【0187】
F) 1-(1-アミノ-4-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン
tert-ブチル (4-ブロモ-2-(2-メトキシプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)カルバマート (10 g)およびジクロロメタン (100 mL)の混合物に、TFA (20 mL)を0 ℃で加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 mL)を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にn-ペンタンを加え、析出物を濾取し、標題化合物 (7.0 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 248.2.
【0188】
G) メチル 2-ブロモ-8-(1-メトキシエチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
1-(1-アミノ-4-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン (7.0 g)およびTHF (50 mL)の混合物に、メチルアクリラート(5.1 mL)およびリチウムブロミド (9.71 g)を室温で加えた。反応混合物を酸素で脱気した後、反応混合物にPd(OAc)
2 (1.27 g)を同温度で加え、反応混合物を酸素雰囲気下、50 ℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷した水 (50 mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (5.0 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 314.0.
【0189】
H) メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
メチル 2-ブロモ-8-(1-メトキシエチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート (8.0 g)、トルエン (70 mL)および水 (10 mL)の混合物を窒素で脱気した後、リン酸三カリウム (17.6 g)および2,4,6-トリメチルボロキシン (7.12 mL)を室温で加えた。混合物を窒素で更に脱気した後、Pd(OAc)
2(571 mg)およびSPhos (1.57 g)を室温で加え、反応混合物を80 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(4.0 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 250.2
【0190】
I) (S)-メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート (4.36 g)をHPLC (CHIRALCEL OD-H (VJ002)、20 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/2-プロパノール = 950/50) で分取し、目的物を含む保持時間の小さい方の画分を減圧下で濃縮し、標題化合物 (2034 mg) を得た。
光学純度: 99.9 % ee, 保持時間: 6.845 分 (CHIRALCEL OD-H(VK069)、4.6 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/2-プロパノール= 950/50)
MS: [M+H]
+ 250.0.
絶対配置は単結晶X線回折装置を用いて決定した。
【0191】
J) (S)-8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩
(S)-メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート (1.71 g)および酢酸 (17 mL)の混合物に、6N 塩酸 (17.15 mL)を室温で加え、反応混合物を100 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をHPLC (C18、移動相 : 水/アセトニトリル(0.1 % TFA 含有系))にて分取し、得られた画分を減圧下濃縮した後、減圧下乾燥して標題化合物 (2.6 g) を得た。
MS: [M+H]
+ 236.0.
【0192】
K) (S)-8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-アミン
(S)-8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩 (2.6 g)、TEA (5.3 mL)およびトルエン (150 mL)の混合物に、DPPA (4.9 mL)を室温で加え、反応混合物を同温度で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸 (50 mL)および水 (50 mL)を加え、反応混合物を80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した後、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (1.38 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 207.0.
【0193】
L) (S)-N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
(S)-8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-アミン (1180 mg)、DIEA (3.49 mL)およびTHF (10 mL)の混合物に、トリホスゲン (679.1 mg)を0 ℃で加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物に参考例1で得られる5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-アミン (1.17 g)を室温で加え、反応混合物を60 ℃で2時間撹拌した 。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル)で精製し、標題化合物 (1.83 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 1.52 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.35 (3H, d, J = 0.8 Hz), 3.30 (3H, s), 5.26 (1H, q, J = 6.8 Hz), 7.40-7.91 (1H, m), 7.92 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.21 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.33 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.69 (1H, br s), 9.01 (1H, s), 10.27 (1H, br s).
MS: [M+H]
+ 427.0.
絶対配置は単結晶X線回折装置を用いて決定した。
【0194】
実施例2
(S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
【0195】
【化29】
【0196】
A) tert-ブチル (6-クロロ-2-(2-メトキシプロパノイル)ピリジン-3-イル)カルバマート
tert-ブチル (2-ブロモ-6-クロロピリジン-3-イル)カルバマート (20.0 g)およびTHF (160 mL)の混合物に1.08 M メチルリチウム/ジエチルエーテル溶液 (72.3 mL)を−78 ℃で加え、反応混合物を同温度で15分間撹拌した。反応混合物に1.6 M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液 (52.8 mL)を−78 ℃で加え、反応混合物を同温度で15分間撹拌した。反応混合物に2-メトキシ-1-モルホリノプロパン-1-オン(16.9 g)のTHF (60 mL)溶液を−78 ℃で加え、反応混合物を室温まで昇温しながら 2 時間撹拌した。反応混合物に酢酸 (15 mL)の水 (150 mL)溶液を室温で加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (15.81 g)を得た。
MS: [M+H-tBu]
+ 258.9.
【0197】
B) 1-(6-クロロ-3-((2-ニトロビニル)アミノ)ピリジン-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン
tert-ブチル (6-クロロ-2-(2-メトキシプロパノイル)ピリジン-3-イル)カルバマート (15.7 g)および酢酸エチル (100 mL)の混合物に、4N 塩化水素シクロペンチルメチルエーテル溶液 (200 mL) を室温で加え、反応混合物を同温度で2時間撹拌した。反応混合物に更に4N 塩化水素シクロペンチルメチルエーテル溶液 (100 mL) を室温で加え、同温度で終夜撹拌し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、(E)-4-(2-ニトロビニル)モルホリン(9.47 g)、6N 塩酸 (36 mL)およびアセトン (120 mL) の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水 (240 mL)で希釈し、0 ℃で1時間撹拌した。析出物を濾取し水で洗浄し、得られた固体を減圧下乾燥し、標題化合物 (12.55 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 286.0.
【0198】
C) 2-クロロ-8-(1-メトキシエチル)-7-ニトロ-1,5-ナフチリジン
DBU (6.62 mL)およびTHF (120 mL)の混合物に、1-(6-クロロ-3-((2-ニトロビニル)アミノ)ピリジン-2-イル)-2-メトキシプロパン-1-オン (12.55 g)のTHF (280 mL)溶液を室温で加え、反応混合物を同温度で1時間撹拌した。反応混合物に2N 塩酸を加えpHを弱酸性に調整した後、水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (9.82 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 267.9.
【0199】
D) 6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン
2-クロロ-8-(1-メトキシエチル)-7-ニトロ-1,5-ナフチリジン (5.00 g)、スズ(II) クロリド 二水和物 (21.1 g)および酢酸エチル (150 mL)の混合物を、60 ℃で2時間撹拌した後、室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、混合物を2M 炭酸カリウム水溶液で中和した。析出物を濾過し、濾液の水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(3.91 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 238.0.
【0200】
E) (S)-6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン
6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン(3.84 g)をHPLC (CHIRALPAK IG (VJ003)、20 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/エタノール = 900/100) で分取し、目的物を含む保持時間の大きい方の画分を減圧下で濃縮し、標題化合物 (1865 mg) を得た。
光学純度: 99.9 % ee, 保持時間: 7.359 分 (CHIRALPAK AD-H (VJ019)、4.6 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/2-プロパノール= 850/150)
MS: [M+H]
+ 238.0.
絶対配置は単結晶X線回折装置を用いて決定した。
【0201】
F) (S)-N-(6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
反応を以下に示す4回に分けて行った。
反応混合物1:トリホスゲン (62 mg)およびTHF (5 mL)の混合物に、(S)-6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン(100 mg)およびDIEA (0.220 mL)のTHF (2 mL)溶液を0 ℃で加え、反応混合物を同温度で1時間撹拌した。反応混合物に参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン (106 mg)を0 ℃で加え、反応混合物を60 ℃で終夜撹拌した。
反応混合物2:トリホスゲン (187 mg)およびTHF (12 mL)の混合物に、(S)-6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン(300 mg)およびDIEA (0.660 mL)のTHF (6 mL)溶液を0 ℃で加え、反応混合物を同温度で1時間撹拌した。反応混合物に参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(318 mg)を0 ℃で加え、反応混合物を60 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン (29 mg)を同温度で加え、反応混合物を終夜撹拌した。
反応混合物3:トリホスゲン (375 mg)およびTHF (24 mL)の混合物に、(S)-6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン(600 mg)およびDIEA (1.32 mL)のTHF (12 mL)溶液を0 ℃で加え、反応混合物を同温度で1時間撹拌した。反応混合物に参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(636 mg)を0 ℃で加え、反応混合物を60 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン (116 mg)を同温度で加え、反応混合物を終夜撹拌した。
反応混合物4:トリホスゲン (531 mg)およびTHF (34 mL)の混合物に、(S)-6-クロロ-4-(1-メトキシエチル)-1,5-ナフチリジン-3-アミン(850 mg)およびDIEA (1.87 mL)のTHF (17 mL)溶液を0 ℃で加え、反応混合物を同温度で1時間撹拌した。反応混合物に参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(901 mg)を0 ℃で加え、反応混合物を60 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン (164 mg)を同温度で加え、反応混合物を終夜撹拌した。
反応混合物1−4を一つに合わせ、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にTHFおよび酢酸エチルを加え、不溶物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、粗結晶 (3.46 g)を得た。得られた粗結晶を酢酸エチル (20 mL)に80 ℃で溶解させ、混合溶液にn-ヘプタン (180 mL)を同温度で滴下した。混合溶液を同温度で1時間撹拌した後、室温まで冷却し、同温度で終夜撹拌した。析出物を濾取し、酢酸エチルおよびn-ヘプタンの混合溶液で洗浄後、減圧下乾燥し、標題化合物 (3.35 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ1.56 (3H, d, J = 6.4 Hz), 3.36 (3H, s), 5.85 (1H, q, J = 6.7 Hz), 7.77 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.18 (2H, s), 8.46 (1H, d, J = 9.1 Hz), 8.74 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.89 (1H, d, J = 2.3 Hz), 9.24 (1H, s), 9.68 (1H, s), 10.89 (1H, s).
MS: [M-H]
- 491.1.
絶対配置は単結晶X線回折装置を用いて決定した。
【0202】
実施例3
(S)-N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
【0203】
【化30】
【0204】
A) 8-(1-メトキシエチル)-2-メチル-7-ニトロ-1,5-ナフチリジン
2-クロロ-8-(1-メトキシエチル)-7-ニトロ-1,5-ナフチリジン(500 mg)、2,4,6-トリメチルボロキシン(0.39 mL)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(153 mg)、リン酸三カリウム(793 mg)と1,2-ジメトキシエタン(20 mL)の混合物をマイクロ波照射下、100℃で1.5時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。不溶物をセライト濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (439 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 247.9.
【0205】
B) 4-(1-メトシキエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-アミン
8-(1-メトキシエチル)-2-メチル-7-ニトロ-1,5-ナフチリジン(470 mg)、スズ(II) クロリド 二水和物 (2.57 g)、THF(3 mL)およびエタノール (12 mL)の混合物を、室温で終夜、60 ℃で7時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。不溶物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(306 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 217.9.
【0206】
C) N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
4-(1-メトシキエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-アミン(80 mg)、参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(101 mg)、ピリジン(0.089 mL)のTHF(5 mL)溶液にトリホスゲン(54.6 mg)のTHF(1 mL)溶液を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分、室温で30分間撹拌した。ピリジン(0.089 mL)を0℃で加え、次いでトリホスゲン(54.6 mg)のTHF(1 mL)溶液を加えた。反応混合物を0℃で30分、室温で4時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (127 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 473.1.
【0207】
D) (S)-N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
N-(4-(1-メトキシエチル)-6-メチル-1,5-ナフチリジン-3-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素(119.8 mg)をHPLC (CHIRALPAK AD-H (VA001)、20 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/エタノール = 700/300) で分取し、目的物を含む保持時間の小さい方の画分を減圧下で濃縮し、標題化合物 (55.6 mg) を得た。
MS: [M+H]
+ 473.1.
【0208】
実施例4
(S)-N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0209】
【化31】
【0210】
(S)-メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(743 mg)のTHF(30 mL)溶液に8M水酸化ナトリウム水溶液(4 mL)を室温で加えた。反応混合物を2日間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出した。水層を6N塩酸を用いてpH4に調整し、減圧下濃縮した。残渣をエタノールに懸濁し、不溶物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣(848 mg)とトリエチルアミン(1.51 mL)のトルエン(50 mL)溶液にDPPA(1.16 mL)を室温で加えた。室温で40分間撹拌した後、参考例3で得られる5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(705 mg)を加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、メタノール/酢酸エチル)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (488 mg)を得た
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 1.54 (3H, d, J = 6.4 Hz), 2.37 (3H, s), 3.33 (3H, s), 5.29 (1H, q, J = 6.8 Hz), 7.96 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.16 (2H, s), 8.47-8.52 (1H, m), 8.54 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.75 (1H, brs), 9.04 (1H, s), 10.59 (1H, brs).
MS: [M+H]
+ 428.0.
【0211】
実施例5
(S)-N-(5-シアノ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0212】
【化32】
【0213】
(S)-8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩 (80 mg)、TEA (0.17 mL)およびトルエン (5 mL)の混合物に、DPPA (0.12 mL)を室温で加え、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。さらにDPPA (0.12 mL)を室温で加え、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。参考例4で得られる5-アミノ-2-(ジフルオロメトキシ)ニコチノニトリル(57.9 mg)を加え、反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで懸濁洗浄し、標題化合物 (65 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 1.53 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.36 (3H, s), 3.31 (3H, s), 5.22-5.31 (1H, m), 7.47-7.98 (1H, m), 7.93 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.51-8.57 (2H, m), 8.68 (1H, brs), 9.01 (1H, s), 10.33 (1H, brs).
MS: [M+H]
+ 418.1.
【0214】
実施例6
(S)-N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
【0215】
【化33】
【0216】
A) 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸
メチル 8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート (262 mg)のメタノール溶液に8M水酸化ナトリウム水溶液(0.53 mL)を室温で加え、同温度で5時間撹拌した。反応混合物を2N塩酸で中和し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルに懸濁し、不溶物を濾過した。濾液を減圧下濃縮することにより表題化合物(256mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 235.9.
【0217】
B) N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸(166 mg)とトリエチルアミン(0.30 mL)のトルエン(10 mL)溶液にDPPA(0.18 mL)を室温で加えた。室温で40分間撹拌した後、参考例2で得られる6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(162 mg)を加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、メタノール/酢酸エチル)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで懸濁洗浄して表題化合物 (183 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 462.1.
【0218】
C) (S)-N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素
N-(8-(1-メトキシエチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)-N'-(6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)尿素(183 mg)をHPLC (CHIRALPAK IC (VB004)、20 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/2-プロパノール = 300/700) で分取し、目的物を含む保持時間の小さい方の画分を減圧下で濃縮した。酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、標題化合物 (62 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ1.55 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.37 (3H, d, J = 0.8 Hz), 3.33 (3H, s), 5.24-5.34 (1H, m), 7.96 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.17 (2H, s), 8.72 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.80 (1H, brs), 8.83 (1H, d, J = 2.3 Hz), 9.06 (1H, s), 10.75 (1H, brs).
MS: [M+H]
+ 462.1.
【0219】
実施例7
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(2-メトキシプロパン-2-イル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0220】
【化34】
【0221】
A) 1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール
イミダゾール(25 g)の塩化メチレン(300 mL)溶液にTEA(77 mL)を0℃で加えた。5分間撹拌した後、塩化トリフェニルメチル(102 g)を同温度で少しずつ加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、塩化メチレンで2回抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄することにより表題化合物(110 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 6.82 (1H, s), 7.06 (1H, s), 7.08-7.15 (6H, m), 7.26-7.34 (9H, m), 7.45 (1H, s).
【0222】
B) 2-メトキシ-2-メチル-1-(1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-1-オン
1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール(1.0 g)のTHF(15 mL)溶液に、1.4M n-ブチルリチウムヘキサン溶液(2.3 mL)を-10℃で滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を-78℃まで冷却した後、メチル 2-メトキシ-2-メチルプロピオナート(0.5 g)を滴下した後、同温度で1時間、次いで室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をヘキサンで懸濁洗浄することにより表題化合物(650 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ1.38 (6H, s), 2.67 (3H, s), 7.02-7.15 (12H, m), 7.25-7.35 (5H, m).
【0223】
C) 1-(1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン
2-メトキシ-2-メチル-1-(1-(トリフェニルメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-1-オン(4.2 g)と5%酢酸-メタノール溶液(50 mL)の混合物を16時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (1.2 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 169.2.
【0224】
D) 1-(1-アミノ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン
1-(1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン(1.4 g)のDMF(15mL)溶液に1Mカリウムtert-ブトキシドのTHF溶液(9.2 mL)を加え、同温度で30分間撹拌した。得られた混合物にO-(4-ニトロベンゾイル)ヒドロキシルアミン(1.7 g)を室温で加え、同温度で16時間撹拌した。反応混合物に冷水を加え、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、不溶物を濾過した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (1.0 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 184.1.
【0225】
E) N-(2-(2-(2-メトキシ-2-メチルプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)(tert-ブトキシ)ホルムアミド
1-(1-アミノ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン(1.0 g)のDMF(10 mL)溶液にDMAP(0.34 g)、次いでBoc
2O(1.2 mL)を室温で加えた。反応混合物を80℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (1.1 g)を得た。
MS: [M+H]
+ 284.2.
【0226】
F) N-(4-ブロモ-2-(2-(2-メトキシ-2-メチルプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)(tert-ブトキシ)ホルムアミド
N-(2-(2-(2-メトキシ-2-メチルプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)(tert-ブトキシ)ホルムアミド(1.0 g)のDMF(10 mL)溶液にN-ブロモスクシンイミド(0.82 g)のDMF(5 mL)溶液を滴下し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (700 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 362.0.
【0227】
G) 1-(1-アミノ-4-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン
N-(4-ブロモ-2-(2-(2-メトキシ-2-メチルプロパノイル)-1H-イミダゾール-1-イル)(tert-ブトキシ)ホルムアミド(700 mg)の塩化メチレン(10 mL)溶液にトリフルオロ酢酸(3 mL)を0℃で加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで洗浄後、減圧下濃縮した。残渣をペンタンで洗浄することにより表題化合物(450 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 262.0.
【0228】
H) メチル 2-ブロモ-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
1-(1-アミノ-4-ブロモ-1H-イミダゾール-2-イル)-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-オン(400 mg)のTHF(5 mL)溶液にアクリル酸メチル(0.3 mL)、臭化リチウム(531 mg)を室温で加えた。酸素雰囲気に置換し、Pd(OAc)
2(69 mg)を加え、混合物を酸素雰囲気下50℃で16時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (250 mg)を得た。
MS: [M+H]
+ 328.1.
【0229】
I) メチル 2-メチル-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
メチル 2-ブロモ-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(200 mg)のトルエン(6 mL)および水(0.4 mL)溶液に、2,4,6−トリメチルボロキシン(0.15 mL)、リン酸三カリウム(390 mg)を加え、窒素雰囲気に置換した。Pd(OAc)
2(28 mg)、SPhos(101 mg)を加え、混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物 (120 mg)を得た。
MS: [M+H]
+264.0.
【0230】
J) メチル 2-メチル-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸
メチル 2-メチル-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(300 mg)のエタノール(10 mL)溶液に8M水酸化ナトリウム水溶液(0.72 mL)を加え、反応混合物を60℃で終夜撹拌した。8M水素ナトリウム水溶液(1.44 mL)を加え、80℃で終夜撹拌した。反応混合物に6M塩酸を加え、pH4の酸性とし、減圧下濃縮した。残渣をエタノールに懸濁し、不溶物を濾過し、エタノールで洗浄した。濾液をトルエンと共沸しながら減圧下濃縮し、表題化合物(406 mg)を得た。
MS: [M+H]
+250.0.
【0231】
K) N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(8-(2-メトキシプロパン-2-イル)-2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
メチル 2-メチル-8-(2-メトキシプロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸(50 mg)とトリエチルアミン(0.04 mL)のDMF(5 mL)混合物にDPPA(0.05 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣にトルエン(5 mL)、トリエチルアミン(0.04 mL)および参考例3で得られる5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(27.5 mg)を加え、反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をHPLCで精製することにより、表題化合物(2 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 1.95 (6H, s), 2.44 (3H, d, J = 0.8 Hz), 3.29 (3H, s), 7.64 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.70 (1H, s), 7.88-7.99 (2H, m), 8.38 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.57 (1H, d, J = 2.6 Hz), 9.17 (1H, s), 9.58 (1H, s).
MS: [M+H]
+ 442.1.
【0232】
実施例8
N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0233】
【化35】
【0234】
A) エチル 1-アミノ-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート
エチル イミダゾール-2-カルボキシラート(20 g)の無水DMF(400 mL)溶液に1MリチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(171 mL)を窒素雰囲気下-10℃で滴下し、同温度で30分間撹拌した。O-ジフェニルホスフィニルヒドロキシルアミン(39.9 g)の無水DMF(1000 mL)溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した後に、減圧下濃縮した。残渣に水を加え、塩化メチレンで4回抽出した。抽出液を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより表題化合物(23.0 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.31 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.30 (2H, q, J = 7.2 Hz), 6.59 (2H, brs), 6.98 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.39 (1H, d, J = 0.8 Hz).
【0235】
B) エチル 1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート
エチル 1-アミノ-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート(23.0 g)とDMAP(8.72g)の無水DMF(250 mL)溶液にBoc
2O(28.0 g)を滴下した。混合物を窒素雰囲気下80-85℃で4時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣を塩化メチレンで希釈し、飽和クエン酸水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/塩化メチレン)で精製し、表題化合物 (26.6 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 1.40 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.52 (9H, s), 4.39 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.15 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.39 (1H, d, J = 1.2 Hz).
【0236】
C) エチル 1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート
エチル 1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート(80.0 g)の無水DMF(800 mL)溶液にN-クロロコハク酸イミド(50.2 g)を少しづつ加え、反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、表題化合物 (16.8 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.39 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.49 (9H, s), 4.39 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.16 (1H, s), 8.07 (1H, brs).
【0237】
D) エチル 3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1H-イミダゾール-2-イル)-3-オキソプロパナート
エチル 1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート(22.0 g)と酢酸エチル(33.5 g)の無水THF(250 mL)溶液に1MリチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(266 mL)を窒素雰囲気下、-10℃で滴下した。反応混合物を同温度で30分、次に室温で4.5時間撹拌した。0℃に冷却した後に、酢酸を加え、pH=5とした後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH=8とした。酢酸エチルで3回抽出した後、有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/塩化メチレン)で精製し、表題化合物 (19.7 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.50 (9H, s), 4.05 (2H, s), 4.19 (2H, q, J = 6.8 Hz), 7.25 (1H, s), 8.31 (1H, brs).
【0238】
E) エチル 2-クロロ-8-ヒドロキシイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
エチル 3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-クロロ-1H-イミダゾール-2-イル)-3-オキソプロパナート(31.0 g)の無水塩化メチレン(400 mL)溶液にN,N-ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(13.4 g)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/塩化メチレン)で精製し、表題化合物 (16.0 g)を得た。
MS: [M+H]
+241.9.
【0239】
F) エチル 8-ブロモ-2-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
エチル 2-クロロ-8-ヒドロキシイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(16.0 g)のアセトニトリル(150 mL)溶液にオキシ臭化リン(30.4 g)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下、80-90℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、氷水を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、表題化合物 (8.24 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.45 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.47 (2H, q, J = 7.2 Hz), 8.03 (1H, s), 8.71 (1H, s).
【0240】
G) エチル 2-クロロ-8-(プロペン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
エチル 8-ブロモ-2-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(1.0 g)、カリウムイソプロペニルトリフルオロボラート(534 mg)、リン酸三カリウム(2.09 g)、塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)(240 mg)、無水DMF(5 mL)および無水1,4-ジオキサン(15 mL)の混合物を窒素雰囲気下、80-85℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で2回、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、表題化合物 (715 mg)を得た。
MS: [M+H]
+265.9.
【0241】
H) エチル 2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
エチル 2-クロロ-8-(プロペン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(1.20 g)と塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(418 mg)の無水エタノール(30 mL)混合物を水素雰囲気下、10-15℃で40時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、表題化合物 (955 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.43 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.59 (6H, d, J = 7.2 Hz), 4.09-4.22 (1H, m), 4.43 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.88 (1H, s), 8.59 (1H, s).
【0242】
I) 2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸
エチル 2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(955 mg)のメタノール(10 mL)、THF(10 mL)および水(10 mL)溶液に水酸化ナトリウム(571 mg)を加え、混合物を窒素雰囲気下、10℃で1時間撹拌した。反応混合物に2N塩酸を加えてpH=5とした後に、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/石油エーテルで洗浄し、表題化合物(800 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.49 (6H, d, J = 6.8 Hz), 4.09-4.24 (1H, m), 8.57 (1H, s), 8.72 (1H, s), 13.97 (1H, brs).
【0243】
J) N-(5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)-N'-(2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸(60 mg)とトリエチルアミン(51 mg)のジオキサン(3 mL)混合物にDPPA(130 mg)を10℃で加えた。同温度で30分間撹拌した後、参考例1で得られる5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-アミン(58 mg)を加え、混合物を窒素雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル)、次いでHPLCで精製し表題化合物(31 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.46 (6H, d, J = 6.8 Hz), 3.41-3.57 (1H, m), 7.67 (1H, t, J = 72.8 Hz), 8.20-8.40 (3H, m), 8.71 (1H, s), 9.03 (1H, brs), 9.62 (1H, brs).
MS: [M+H]
+ 430.9.
【0244】
実施例9
N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
【0245】
【化36】
【0246】
A) メチル 2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸(462 mg)のメタノール溶液に0.6Mトリメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液(9.6 mL)を室温で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後に、減圧下濃縮し、表題化合物(475 mg)を得た。
MS: [M+H]
+254.1.
【0247】
B) メチル 2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート
メチル 2-クロロ-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(475 mg)、2,4,6-トリメチルボロキシン(0.52 mL)、リン酸三カリウム(1.92 g)、SPhos(307 mg)、トルエン(3 mL)および水(0.3 mL)の混合物にPd(OAc)
2(84 mg)をアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を130℃で1時間加熱した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (356 mg)を得た。
MS: [M+H]
+234.2.
【0248】
C) 2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸
メチル 2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボキシラート(356 mg)のメタノール(15 mL)溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液(1.5 mL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に8M水酸化ナトリウム水溶液(0.76 mL)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物に0℃で1N塩酸を加えて中和した後に、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物(254 mg)を得た。
MS: [M+H]
+220.2.
【0249】
D) N-(5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-N'-(2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-イル)尿素
2-メチル-8-(プロパン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-7-カルボン酸(80 mg)とトリエチルアミン(0.15 mL)のトルエン(10 mL)溶液にジフェニルリン酸アジド(0.09 mL)を加えた。同温度で40分間撹拌した後、参考例3で得られる5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(71 mg)を加え、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで懸濁洗浄することにより表題化合物(83 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ1.49 (6H, d, J = 7.2 Hz), 2.38 (3H, s), 3.48 (1H, quin, J = 6.9 Hz), 7.93 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.12-8.16 (2H, m), 8.46 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.49 (1H, s), 8.57 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.82 (1H, s), 9.73 (1H, brs).
MS: [M+H]
+412.2.
【0250】
同様の方法で、以下の実施例10-270の化合物を合成した。
【0251】
【表1-1】
【0252】
【表1-2】
【0253】
【表1-3】
【0254】
【表1-4】
【0255】
【表1-5】
【0256】
【表1-6】
【0257】
【表1-7】
【0258】
【表1-8】
【0259】
【表1-9】
【0260】
【表1-10】
【0261】
【表1-11】
【0262】
【表1-12】
【0263】
【表1-13】
【0264】
【表1-14】
【0265】
【表1-15】
【0266】
【表1-16】
【0267】
【表1-17】
【0268】
【表1-18】
【0269】
【表1-19】
【0270】
【表1-20】
【0271】
製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【0272】
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30 gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14 gの4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物30 mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【0273】
試験例1
組換え型ヒトMALT1タンパク質の調製
ヒトMALT1遺伝子はGC-030-D09(pENTR221/MALT1、GeneCopoeia)を鋳型にN末にBamH IとC末にNot Iの制限酵素を付加したプライマーでPCRを行いヒトMALT1(340-789aa)、二量体を形成させるために酵母GCN4のロイシンジッパー遺伝子は酵母DNAを鋳型にN末にNde IとC末にLinker配列(GGAAGTGGCTCAGGTAGC(配列番号1))とBamH Iの制限酵素を付加したプライマーでPCRを行い酵母GCN4(251-281aa)を得た。得られた両断片を制限酵素処理して、pET28a(Novagen)ベクターのNde I とNot Iの間に挿入して、組換え型ヒトMALT1タンパク質発現ベクターpET28a/His-LZ-hMALT1v1(340-789)-Hisを得た。
組換え型ヒトMALT1タンパク質の調製は、上記で作製した発現プラスミドをECOS Competent E.coli BL21(DE3)(ニッポンジーン社)に形質転換させて行った。形質転換して得られた大腸菌を300mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.01%アンピシリン)に接種し、30℃で16時間培養した。得られた培養液を6Lの主発酵用培地(0.3%リン酸二水素カリウム、0.6%リン酸水素二ナトリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.024%硫酸マグネシウム、0.01%Antifoam PE-L、1.5
%ソルビトール、1.5%カザミノ酸、0.5%酵母エキス、0.01%アンピシリン)を含むジャー培養槽に移植して、37℃、通気量5L/min、攪拌回転数400rpmで培養を開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、培養温度を16℃に下げた後イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度0.1mMとなるように添加し、さらに16時間培養を行うことでヒトMALT1タンパク質の誘導発現を行った。培養終了後、培養液を5,000rpm、10minで遠心分離し、得られたヒトMALT1タンパク質発現大腸菌を50mM Tris-HCl pH8.0、300mM NaCl、5mM DTT、5U/ml Benzonase、20mM Imidazole、10% glycerol、0.1% NP-40を含む緩衝液に懸濁後、ソニファイアー(ブランソン社)を用いて超音波処理を行った。この破砕液を遠心分離(15,300×G、30min、TOMY MX-301)し、得られた上清を予め50mM Tris-HCl pH8.0、300mM NaCl、5mM DTT、10% glycerolで平衡化したNi-NTA Superflow(QIAGEN社)カラムに通液して吸着させた後、50mM Tris-HCl pH8.0、300mM NaCl、5mM DTT、10% glycerol、250mM Imidazoleを含む緩衝液で溶出させた。更に予め50mM Tris-HCl pH8.0、150mM NaCl、5mM DTT、10% glycerolを含む緩衝液で平衡化したSuperdex 200 pgカラムでゲルろ過を行って目的とする画分を回収し、50mM Tris-HCl pH8.0、150mM NaCl、5mM DTT、90% glycerolを等量加え、精製ヒトMALT1タンパク質とした。調製したタンパク質は-30℃で保存し、タンパク質濃度は、BSAをスタンダードとしてBCA Protein Assay Kit(PIERCE社)を用いて測定した。
【0274】
MALT1酵素阻害活性の測定
384 well 黒プレート(グライナー)へアッセイ緩衝液((20mM HEPES(同仁化学)、10mM KCl(和光純薬)、1.5mM MgCl
2(シグマアルドリッチ)、1mM EDTA (pH 8.0)(ニッポンジーン)、0.01% TritonX-100(シグマアルドリッチ)、1mM DTT(和光純薬))で希釈した化合物溶液2 uLを添加した。次に精製した組み換え型ヒトMALT1酵素溶液2 uLを添加し、60分間、室温でインキュベートした。基質溶液(75uM Ac-LRSR-AFC (SM バイオケミカルズ)、20mM HEPES(同仁化学)、10mM KCl(和光純薬)、1.5mM MgCl
2(シグマアルドリッチ)、1mM EDTA(pH 8.0)(ニッポンジーン)、0.01% TritonX-100(シグマアルドリッチ)、1mM DTT(和光純薬))2uLを添加し、室温で60分間インキュベートした。プレートリーダーEnvision (パーキンエルマー)で基質添加直後および酵素反応後のExcitation 400 nm、Emission 485 nmの蛍光値を測定し、酵素反応で増加した蛍光値を阻害率(%)計算に用いた。阻害率(%)は、酵素無添加の値を100%、化合物無添加の値を0%として算出した。
以下にMALT1酵素阻害活性の測定結果を示す。
【0275】
【表2】
【0276】
この結果から、本発明化合物がMALT1酵素阻害活性を有することが示された。
【0277】
試験例2
OCI-Ly3細胞を用いた増殖阻害活性測定
96穴プレートに1.25x10
3cells/ウェルとなるように、20% FCS(ウシ胎児血清、サーモフィッシャー・サイエンティフィック)及びモノチオグリセロール(富士フィルム和光純薬)を含む細胞培養培地IMDM(富士フィルム和光純薬)にOCI-Ly3細胞を播種した。試験化合物を非添加の細胞に対してCell Titer-Glo溶液(プロメガ)を添加し、15分間室温で攪拌した後、Envision(パーキンエルマー)で発光値を播種当日に測定した。ジメチルスルホキシド(富士フィルム和光純薬)で溶解した試験化合物を添加した細胞をCO
2インキュベータ(37℃)で6日間静置後、同様に発光値を測定した。試験化合物のOCI-Ly3細胞増殖に対する阻害率 (%)は、下記の式にて算出した。
細胞増殖阻害率 (%) = (1-(試験化合物処理6日目の発光値−試験化合物処理前の発光値) ÷ (化合物非添加6日目の発光値−化合物処理前の発光値) )×100
以下に細胞増殖阻害率の測定結果を示す。
【0278】
【表3】
【0279】
この結果から、本発明化合物が細胞増殖を阻害することが示された。
【0280】
試験例3
OCI-Ly3細胞担癌モデルに対する抗腫瘍作用
ヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞OCI-Ly3(DSMZ, German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)をMatrigel(BD バイオサイエンス):HBSS(サーモフィッシャー・サイエンティフィック)=1:1の溶液に懸濁し、NOG雌マウス(日本クレア)の腹部皮下に1x10
7 cells移植した。生着した腫瘍の腫瘍径を測定し、以下の式で腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積=長径×短径×短径×(1/2)
腫瘍体積が120mm
3前後の大きさに腫瘍が生着した個体を選び、1群あたり6匹を実験に使用した。試験化合物の0.5%メチルセルロース溶液(富士フィルム和光純薬)懸濁液を10mg/kg(10mL/kg)の用量で1日2回、3週間経口投与した。腫瘍体積は投与開始前日、及び3日から4日毎に経時的に測定し、21日間投薬終了翌日に最終的に腫瘍径を測定し腫瘍体積を算出した。対照投与群と比較した試験化合物投与群の腫瘍増殖を平均腫瘍体積増加比率T/Cとし以下の式で算出した。
T/C=((試験化合物投与群の投与終了後の腫瘍体積−試験化合物投与群の投与開始前日の腫瘍体積)/(対照投与群の投与終了後の腫瘍体積−対照投与群の投与開始前日の腫瘍体積))x100
試験化合物のT/Cを以下に示す。
【0281】
【表4】
【0282】
これらの結果から、本発明化合物がヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞OCI-Ly3の皮下移植モデルにおいて抗腫瘍作用を持つことが示された。